JP2015169201A - 給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構 - Google Patents

給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構 Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑油の油路を複数種類設ける場合であっても、振動や騒音が生じるのを抑制することができる給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構を提供する。
【解決手段】エンジン1の動弁機構30の潤滑部へと上方から潤滑油を供給するための給油部材であって、上段平板部120、第二平板150、下段平板部130を重ねることによって複数対の対向面が形成され、対向面に凹み部を形成することによって、複数対の対抗面それぞれに油路が形成される。
【選択図】図19

Description

本発明は、エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと上方から潤滑油を供給するための給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構の技術に関する。
従来、エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと上方から潤滑油を供給するための給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、軸受部(カムジャーナル軸受部)を有するシリンダヘッドと、当該軸受部に回動可能に支持されるカムシャフトと、当該カムシャフトを挟持するように上方からシリンダヘッドに固定されるカムキャップと、当該カムキャップの上部に接続されるカムシャワーパイプ(給油部材)と、が記載されている。また、当該シリンダヘッド、カムシャフト及びカムキャップには、シリンダヘッドのオイルギャラリー内の潤滑油をカムシャワーパイプへと案内するための油路が形成されている。
このような構成において、オイルギャラリーから供給される潤滑油をカムシャワーパイプから滴下することによって、当該カムシャワーパイプの下方に配置されている動弁機構の潤滑部へと潤滑油を供給することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、カムへと潤滑油を供給するためのカムシャワーパイプを適宜折り曲げたり、適宜ろう付けしたり、当該カムシャワーパイプに孔を空ける加工を施したりする(すなわち、煩雑な加工を行う)必要があり、製造コストが高くなる点で不利であった。
そこで、特許文献2には、製造コストの削減を図ることができる給油部材が記載されている。具体的には、一枚の平板状の部材にプレス加工によって凹状の溝を形成し、当該部材を半分に折り曲げて給油部材が構成されている。この際、溝が適宜重ね合わされることによって、潤滑油の油路が形成されている。このような平板状の給油部材においては、前述したようなカムシャワーパイプのように煩雑な加工を行う必要がないため、製造コストの削減を図ることができる。
しかしながら、特許文献2に記載の給油部材は、例えば異なる潤滑部(より詳細には、必要とする潤滑油の量が異なる潤滑部)に潤滑油を供給する場合など、潤滑油の供給態様に応じて油路を複数種類設けたい場合には、平板状の給油部材の幅が大きく形成されることになる。このように、給油部材の幅が大きく形成されると、当該給油部材から振動や騒音が生じ易くなる点で不利であった。
特開2010−164009号公報 特願2012−213201号
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、潤滑油の油路を複数種類設ける場合であっても、振動や騒音が生じるのを抑制することができる給油部材及びそれを具備するエンジンの潤滑油供給機構を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと上方から潤滑油を供給するための給油部材であって、3枚以上の複数の平板材を重ねることによって複数対の対向面が形成され、前記対向面に凹み部を形成することによって、前記複数対の対抗面それぞれに油路が形成されるものである。
請求項2においては、前記平板材には、前記複数対の対向面を互いに連通する連通部が形成され、前記複数対のうち一の対向面に形成された第一の油路を流通する潤滑油は、前記連通部を介して前記複数対のうち他の対向面に形成された第二の油路に流入可能であるものである。
請求項3においては、前記潤滑部には、比較的多量の潤滑油を必要とする第一の潤滑部材と、比較的少量の潤滑油を必要とする第二の潤滑部材と、が含まれ、前記第一の油路には、外部から潤滑油が流入されてくる給油口が形成されると共に、当該第一の油路を流通する潤滑油を前記第一の潤滑部材へと供給するための第一の口が形成され、前記第二の油路には、当該第二の油路を流通する潤滑油を前記第二の潤滑部材へと供給するための第二の口が形成されるものである。
請求項4においては、前記第一の潤滑部材は、前記エンジンに設けられるカムシャフトを回転自在に支持するカムジャーナル軸受部であって、前記第二の潤滑部材は、前記カムシャフトのカムであるものである。
請求項5においては、前記複数の平板材のうち少なくとも2枚は、一体的に形成された連結板材を折り曲げることにより形成されるものである。
請求項6においては、前記複数の平板材は、一体的に形成された第一の平板材及び第二の平板材と、前記第一の平板材及び前記第二の平板材が折り曲げられた際に、当該第一の平板材及び当該第二の平板材によって挟着される第三の平板材と、を具備するものである。
請求項7においては、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の給油部材を具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、潤滑油の油路を複数種類設ける場合であっても、給油部材の幅を大きく形成する必要がなく、振動や騒音が生じるのを抑制することができる。
請求項2においては、第一の油路を流通する潤滑油を、第二の油路に流通させることができる。
請求項3においては、必要とする潤滑油の量が異なる潤滑部に対して、適切な量の潤滑油を供給することができる。
請求項4においては、エンジンに設けられるカムシャフトのカム及び前記カムシャフトを回転自在に支持するカムジャーナル軸受部に対して、適切な量の潤滑油を供給することができる。
請求項5においては、給油部材を少ない部品数で形成することができる。
請求項6においては、給油部材を容易に製造することができ、製造コストの削減を図ることができる。
請求項7においては、潤滑油の油路を複数種類設ける場合であっても、給油部材の幅を大きく形成する必要がなく、振動や騒音が生じるのを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内の断面図。 カムキャップ及び給油部材を示す平面図。 図2におけるA−A断面図。 カムキャップ及び給油部材を示す斜視図。 同じく、分解斜視図。 (a)カムキャップを示す平面図。(b)カムキャップのC−C断面を示す正面断面図。(c)カムキャップを示す底面図。 図3とは別のカムキャップを示す断面図。 (a)図7のカムキャップを示す平面図。(b)図7のカムキャップの(図8(a)における)D−D断面を示す正面断面図。(c)図7のカムキャップを示す底面図。 給油部材を示す斜視図。 折り曲げられる前の第一平板を示す斜視図。 同じく、拡大平面図。 第二平板を示す斜視図。 第一平板と第二平板とが組み付けられる様子を示す斜視図。 給油部材を示す拡大平面図。 (a)図14におけるF−F断面図。(b)同じく、G−G断面図。 (a)図14におけるH−H断面図。(b)同じく、J−J断面図。 図14におけるK−K断面図。 (a)シャフト内油路に潤滑油が供給されない場合の図2におけるA−A断面図。(b)シャフト内油路に潤滑油が供給される場合の図2におけるA−A断面図。 (a)下段根幹油路を流通する潤滑油が吐出される様子を示す断面図。(b)上段根幹油路を流通する潤滑油が吐出される様子を示す断面図。 給油部材から排気側カムシャフトのカムへと潤滑油が滴下される様子を示す正面図。 給油部材から排気側カムジャーナルへと潤滑油が滴下される様子を示す正面図。
以下では、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向を定義する。
まず、図1から図8までを用いて、本発明の一実施形態に係る給油部材100を具備するエンジン1の構成について説明する。
本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンである。以下では、前後方向に並んだ4つの気筒のうち1つの気筒に主に着目して説明を行う。エンジン1は、主としてシリンダヘッド10、シリンダヘッドカバー20、動弁機構30、カムキャップ50及び給油部材100を具備する。
図1、図3及び図5に示すシリンダヘッド10は、シリンダブロック(不図示)と共にエンジン1の主たる構造体となるものである。シリンダヘッド10は、前記シリンダブロック(不図示)の上部に固定される。シリンダヘッド10は、主として吸気側軸受部12、排気側軸受部14、オイルギャラリー16及びカムジャーナル用油路18を具備する。
図1及び図5に示す吸気側軸受部12は、後述する吸気側カムシャフト40を下方から回動可能に支持するものである。吸気側軸受部12は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、シリンダヘッド10の左部に形成される。吸気側軸受部12は、後述する吸気側軸受部52と共に吸気側カムジャーナル軸受部71を構成する。
図1、図3及び図5に示す排気側軸受部14は、後述する排気側カムシャフト42を下方から回動可能に支持するものである。排気側軸受部14は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、シリンダヘッド10の右部に形成される。排気側軸受部14は、後述する排気側軸受部60と共に排気側カムジャーナル軸受部72を構成する。
図1及び図3に示すオイルギャラリー16は、エンジン1の各部(例えば、後述するラッシュアジャスタ38等)へと潤滑油を案内するための油路である。オイルギャラリー16は、シリンダヘッド10の左右側壁近傍を前後方向に通るように形成される。
図3に示すカムジャーナル用油路18は、シリンダヘッド10の右部に形成され、排気側軸受部14へと潤滑油を案内するための油路である。カムジャーナル用油路18の一端はオイルギャラリー16と連通され、カムジャーナル用油路18の他端はシリンダヘッド10の排気側軸受部14と連通される。なお、カムキャップ50aに対応する排気側カムジャーナル軸受部72に連通されるカムジャーナル用油路18は、設けられない(図7参照)。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、カムジャーナル用油路18はシリンダヘッド10の左部にも形成され、左側のオイルギャラリー16と吸気側軸受部12とを連通している。
図1に示すシリンダヘッドカバー20は、シリンダヘッド10の上部を覆うものである。シリンダヘッドカバー20はシリンダヘッド10の上部に載置され、ボルト等によって適宜固定される。
図1に示す動弁機構30は、エンジン1の吸気ポート及び排気ポート(不図示)を所定のタイミングで開閉させるためのものである。動弁機構30は、主として吸気バルブ32、排気バルブ34、ロッカアーム36・36、ラッシュアジャスタ38・38、吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を具備する。
吸気バルブ32は、エンジン1の吸気ポート(不図示)を開閉するものである。吸気バルブ32は、その長手方向を略上下方向に向けて配置される。吸気バルブ32の下端は前記吸気ポートまで延設される。吸気バルブ32の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気バルブ32は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
排気バルブ34は、エンジン1の排気ポート(不図示)を開閉するものである。排気バルブ34は、その長手方向を略上下方向に向けて配置される。排気バルブ34の下端は前記排気ポートまで延設される。排気バルブ34の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、排気バルブ34は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
ロッカアーム36・36は、吸気バルブ32及び排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。ロッカアーム36・36の一端は、それぞれ吸気バルブ32及び排気バルブ34の上端に上方から当接される。ロッカアーム36・36には、前後方向に向けた軸線を中心として回動可能なローラ36a・36aがそれぞれ設けられる。
ラッシュアジャスタ38・38は、バルブクリアランスを調整するためのものである。ラッシュアジャスタ38・38は、それぞれロッカアーム36・36の他端に下方から当接される。
図1、図2及び図4に示す吸気側カムシャフト40は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、吸気バルブ32を開閉駆動させるためのものである。吸気側カムシャフト40は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の吸気側軸受部12に載置される(吸気側カムジャーナル軸受部71に回転可能に支持される)。吸気側カムシャフト40は、主としてカム40a・40aを具備する。
カム40a・40aは、回転中心(吸気側カムシャフト40の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成された部分である。カム40a・40aは、吸気側カムシャフト40のうち吸気側カムジャーナル軸受部71に支持された部分よりも前方に2つ並べて形成される。当該カム40a・40aは、吸気バルブ32側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a)に上方から当接される。
図1、図2及び図4に示す排気側カムシャフト42は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。排気側カムシャフト42は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の排気側軸受部14に載置される(排気側カムジャーナル軸受部72に回転可能に支持される)。排気側カムシャフト42は、主としてカム42a・42a及びシャフト内油路42bを具備する。
カム42a・42aは、回転中心(排気側カムシャフト42の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成された部分である。カム42a・42aは、排気側カムシャフト42のうち排気側カムジャーナル軸受部72に支持された部分よりも前方に2つ並べて形成される。当該カム42a・42aは、排気バルブ34側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a)に上方から当接される。
図3に示すシャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42のうち排気側カムジャーナル軸受部72に支持された部分に形成され、当該排気側カムシャフト42を貫通する油路である。より詳細には、シャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42のうち、(カムキャップ50aではなく)カムキャップ50に対応する排気側カムジャーナル軸受部72に支持された部分に形成される(図7参照)。シャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42が所定の位置まで回転した際に、その一端(一方の開口部)がシリンダヘッド10のカムジャーナル用油路18と対向し、かつ、その他端(他方の開口部)が左方を向くように形成される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気側カムシャフト40にも排気側カムシャフト42のシャフト内油路42bと同様の油路が形成される。
図1から図6までに示すカムキャップ50は、シリンダヘッド10の上部に固定され、当該シリンダヘッド10との間で吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を保持するものである。カムキャップ50は、長手方向を左右方向に向けた略直方体状に形成される。
カムキャップ50は、主として吸気側軸受部52、吸気側凹部54、吸気側貫通孔56、吸気側第一連通油路58、排気側軸受部60、排気側凹部62、排気側貫通孔64及び排気側第一連通油路66を具備する。
図4から図6までに示す吸気側軸受部52は、吸気側カムシャフト40を上方から回動可能に支持するものである。吸気側軸受部52は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、カムキャップ50の左部に形成される。当該カムキャップ50の吸気側軸受部52は、シリンダヘッド10の吸気側軸受部12と対向する位置に形成され、当該吸気側軸受部52及び吸気側軸受部12の間に吸気側カムシャフト40が回動可能に支持(保持)される。このように、吸気側軸受部52は、吸気側軸受部12と共に吸気側カムジャーナル軸受部71を構成する。
吸気側凹部54は、カムキャップ50の上面の左部(左右方向において、吸気側軸受部52のすぐ右側)に形成される。吸気側凹部54は、その周囲よりも下方に所定深さだけ凹むように、かつ上方、前方及び後方が開放されるように形成される。吸気側凹部54の底面には、さらに下方に凹むように凹部が形成される。
図5及び図6に示す吸気側貫通孔56は、カムキャップ50をシリンダヘッド10に固定するために後述するボルト160が挿通されるボルト穴である。吸気側貫通孔56は、吸気側凹部54の底面の左部からカムキャップ50の下面までを貫通するように形成される。言い換えれば、吸気側貫通孔56の上端の周囲に吸気側凹部54が形成されることになる。吸気側貫通孔56の直径は、後述するボルト160の軸部の直径よりも大きくなるように、すなわち、吸気側貫通孔56にボルト160の軸部を挿通した際に、当該吸気側貫通孔56とボルト160との間に隙間ができるように形成される。
図6に示す吸気側第一連通油路58は、吸気側軸受部52と吸気側貫通孔56とを連通する油路である。吸気側第一連通油路58は、カムキャップ50の下面の前後略中央部に形成される。吸気側第一連通油路58の一端は吸気側軸受部52と連通され、吸気側第一連通油路58の他端は吸気側貫通孔56と連通される。
図3から図6までに示す排気側軸受部60は、排気側カムシャフト42を上方から回動可能に支持するものである。排気側軸受部60は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、カムキャップ50の右部に形成される。当該カムキャップ50の排気側軸受部60は、シリンダヘッド10の排気側軸受部14と対向する位置に形成され、当該排気側軸受部60及び排気側軸受部14の間に排気側カムシャフト42が回動可能に支持(保持)される。このように、排気側軸受部60は、排気側軸受部14と共に排気側カムジャーナル軸受部72を構成する。
排気側凹部62は、カムキャップ50の上面の右部(左右方向において、排気側軸受部60のすぐ左側)に形成される。排気側凹部62は、その周囲よりも下方に所定深さだけ凹むように、かつ上方、前方及び後方が開放されるように形成される。排気側凹部62の底面には、さらに下方に凹むように凹部が形成される。
図3、図5及び図6に示す排気側貫通孔64は、カムキャップ50をシリンダヘッド10に固定するために後述するボルト160が挿通されるボルト穴である。排気側貫通孔64は、排気側凹部62の底面の右部からカムキャップ50の下面までを貫通するように形成される。言い換えれば、排気側貫通孔64の上端の周囲に排気側凹部62が形成されることになる。排気側貫通孔64の直径は、後述するボルト160の軸部の直径よりも大きくなるように、すなわち、排気側貫通孔64にボルト160の軸部を挿通した際に、当該排気側貫通孔64とボルト160との間に隙間ができるように形成される。
図3から図6までに示す排気側第一連通油路66は、排気側軸受部60と排気側貫通孔64とを連通する油路である。排気側第一連通油路66は、カムキャップ50の下面の前後略中央部に形成される。排気側第一連通油路66の一端は排気側軸受部60と連通され、排気側第一連通油路66の他端は排気側貫通孔64と連通される。
なお、エンジン1には、前後方向に並んだ4つの気筒に対応するように、4つのカムキャップ50が前後方向に並んで設けられる。4つのカムキャップ50のうち、前側から1番目、3番目及び4番目のカムキャップ50は、前側から2番目のカムキャップ50と、その構成が若干異なる。以下では、4つのカムキャップ50のうち、前側から1番目、3番目及び4番目のカムキャップ50を、「カムキャップ50a」と称する。
カムキャップ50aにおいて、カムキャップ50と構成が異なる点は、吸気側キャップ貫通孔57、吸気側第二連通油路59、排気側キャップ貫通孔67及び排気側第二連通油路69を具備する点である。
図8に示す吸気側キャップ貫通孔57は、吸気側凹部54の底面の凹部からカムキャップ50aの下面までを貫通するように形成される。
図8に示す吸気側第二連通油路59は、吸気側貫通孔56と吸気側キャップ貫通孔57とを連通する油路である。吸気側第二連通油路59は、カムキャップ50aの下面の前後略中央部に形成される。吸気側第二連通油路59の一端は、吸気側貫通孔56と連通され、吸気側第二連通油路59の他端は、吸気側キャップ貫通孔57と連通される。
こうして、吸気側キャップ貫通孔57は、吸気側第二連通油路59、吸気側貫通孔56及び吸気側第一連通油路58を介して吸気側軸受部52(すなわち、吸気側カムジャーナル軸受部71)と連通される。
図7及び図8に示す排気側キャップ貫通孔67は、排気側凹部62の底面の凹部からカムキャップ50aの下面までを貫通するように形成される。
図7及び図8に示す排気側第二連通油路69は、排気側貫通孔64と排気側キャップ貫通孔67とを連通する油路である。排気側第二連通油路69は、カムキャップ50aの下面の前後略中央部に形成される。排気側第二連通油路69の一端は、排気側貫通孔64と連通され、排気側第二連通油路69の他端は、排気側キャップ貫通孔67と連通される。
こうして、排気側キャップ貫通孔67は、排気側第二連通油路69、排気側貫通孔64及び排気側第一連通油路66を介して排気側軸受部60(すなわち、排気側カムジャーナル軸受部72)と連通される。
本実施形態においては、上述の如く構成されたシリンダヘッド10及びカムキャップ50a・50・50a・50aによって、動弁機構30の吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を回転可能に支持するカムハウジングが構成される。
図1から図5まで、及び図9に示す給油部材100は、潤滑油を動弁機構30の潤滑部(潤滑すべき部分)へと供給するためのものである。本実施形態においては、前記潤滑部として、吸気側カムシャフト40のカム40a及び吸気側カムジャーナル軸受部71と、排気側カムシャフト42のカム42a及び排気側カムジャーナル軸受部72と、が想定されている。
なお、動弁機構30のうち吸気側カムシャフト40側へと潤滑油を供給する給油部材100(左側に配置される給油部材100)の構成は、動弁機構30のうち排気側カムシャフト42側へと潤滑油を供給する給油部材100(右側に配置される給油部材100)の構成と左右対称であるため、以下では特に右側に配置される給油部材100についてのみ詳細に説明し、左側に配置される給油部材100については説明を省略する。
給油部材100は、2枚の板材を適宜に組み付けて形成される部材である。給油部材100は、主として第一平板110及び第二平板150を具備する。
なお、図2に示すように、給油部材100はエンジン1の複数の気筒(本実施形態においては、4つの気筒)に亘って一体的に形成される。給油部材100は、図9及び図10、図12及び図13に示すように、4つの気筒にそれぞれ対応するように前後方向に並べられた4つの部分P・P・・・から構成される。給油部材100において、前側の2つの部分P・P及び後側の2つの部分P・Pにおける油路の構成は、前後方向に略対称となっている。よって以下では、給油部材100(第一平板110及び第二平板150)の4つの部分P・P・・・のうち前側の2つの部分P・Pに主に着目して説明を行い、後側の2つの部分P・Pについては説明を適宜省略する。
図10及び図11、図14に示す第一平板110は、2枚の板材が一体的に連結された部材である。第一平板110は、後述するように、給油部材100を製造する際に折り曲げて使用される。第一平板110は、上段平板部120、下段平板部130及び連結部140を具備する。
なお、第一平板110は給油部材100を製造する際に折り曲げて使用される部材であるが、図10及び図11、図14には、折り曲げられる前の状態の第一平板110を示している。
図10及び図11、図14に示す上段平板部120は、第一平板110が折り曲げられた後に当該第一平板110の上部(上段)を構成する板状の部材である。上段平板部120は、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。上段平板部120は、長手方向を前後方向に向けた平面視略矩形状となるように形成される。
上段平板部120は、主として上段貫通孔121、上段根幹油路122、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126を具備する。
なお、以下で説明する上段根幹油路122、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126の深さは、いずれも同一となるように形成されるものとする。
上段貫通孔121は、上段平板部120を上下方向に貫通する孔である。上段貫通孔121は、上段平板部120の左端部(左方へと若干突出するように形成された部分)に形成される。上段貫通孔121は、上段平板部120全体で4つ形成され、前後方向に略等間隔に配置される。以下では、4つ形成された上段貫通孔121を、後側から前側へ順番に「上段第一貫通孔121a」と、「上段第二貫通孔121b」と、「上段第三貫通孔121c」と、「上段第四貫通孔121d」と、それぞれ称する。
なお、前述した給油部材100の4つの部分P・P・・のうち前側の2つの部分P・Pには、図11に示すように、上段貫通孔121のうち上段第三貫通孔121c及び上段第四貫通孔121dが配置される。
上段根幹油路122、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126は、上段平板部120の上面(第一平板110が折り曲げられる前(図10及び図11、図14の状態)の上面)を凹ませることで形成された、潤滑油を案内するための油路である。
上段根幹油路122は、上段第四貫通孔121dから所定距離だけ右方に離間した位置で前後方向に略直線状に延設される。より詳細には、上段根幹油路122の一端(後端)は、前後方向において、上段第三貫通孔121cよりも前方に配置される。また、上段根幹油路122の他端(前端)は、上段平板部120の前端近傍に配置される。
上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126は、その一端(右端)が上段根幹油路122に連結され、その他端(左端)が左方へ向けて突出するように形成される。上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126は、後側から前側へ順番に、前後方向に適宜な距離をあけて配置される。なお、以下では、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126の他端(左端)を、「第一他端123a」、「第二他端124a」、「第三他端125a」及び「第四他端126a」と、それぞれ称する。
上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126の幅は、上段根幹油路122の幅と略同一となるように形成される。
なお、前述の如く第一平板110(上段平板部120)の油路は、前後方向に略対象となっている。すなわち、上段平板部120の後部(前後方向において上段第三貫通孔121cよりも後方)にも、上段根幹油路122、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126に相当する油路が形成される(図10参照)。
図10及び図11に示す下段平板部130は、第一平板110が折り曲げられた後に当該第一平板110の下部(下段)を構成する板状の部材である。下段平板部130は、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。下段平板部130は、上段平板部120と左右対称な、長手方向を前後方向に向けた平面視略矩形状となるように形成される。
下段平板部130は、主として下段貫通孔131、下段切欠部138、下段根幹油路132、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135、下段カム用第四吐出口136及び下段軸受用吐出口137を具備する。
下段貫通孔131は、下段平板部130を上下方向に貫通する孔である。下段貫通孔131は、下段平板部130の右端部(右方へと若干突出するように形成された部分)に形成される。下段貫通孔131は、下段平板部130全体で4つ形成され、前後方向に略等間隔に配置される。以下では、4つ形成された下段貫通孔131を、後側から前側へ順番に「下段第一貫通孔131a」と、「下段第二貫通孔131b」と、「下段第三貫通孔131c」と、「下段第四貫通孔131d」と、それぞれ称する。
下段第一貫通孔131a、下段第二貫通孔131b、下段第三貫通孔131c及び下段第四貫通孔131dの直径は、後述するボルト160の軸部の直径よりも大きくなるように形成される。これにより、下段第一貫通孔131a、下段第二貫通孔131b、下段第三貫通孔131c及び下段第四貫通孔131dに、ボルト160の軸部を挿通した際に、これらの貫通孔とボルト160との間に隙間が形成される。
下段第一貫通孔131a、下段第二貫通孔131b、下段第三貫通孔131c及び下段第四貫通孔131dは、第一平板110を折り曲げた際に平面視において上段平板部120の上段第一貫通孔121a、上段第二貫通孔121b、上段第三貫通孔121c及び上段第四貫通孔121dとそれぞれ重複する位置に形成される。
なお、前述した給油部材100の4つの部分P・P・・のうち前側の2つの部分P・Pには、図11に示すように、下段貫通孔131のうち下段第三貫通孔131c及び下段第四貫通孔131dが配置される。
下段切欠部138は、下段平板部130の下段第三貫通孔131cの左端部を左方に所定長さだけ切り欠くように形成される。下段切欠部138の左端は、後述する下段根幹油路132を左右方向に横断し、当該下段根幹油路132の左端まで延設される。
下段根幹油路132は、下段貫通孔131から所定距離だけ左方に離間した位置で前後方向に略直線状に形成される。下段根幹油路132は、下段平板部130の前端から後端に亘って形成される。より詳細には、下段根幹油路132の一端(後端)は、前後方向において、下段第一貫通孔131aと略同じ位置に配置される。また、下段根幹油路132の他端(前端)は、前後方向において、下段第四貫通孔131dよりも前方に配置される。
また、下段根幹油路132の他端(前端)は、第一平板110を折り曲げた際に平面視において上段平板部120の上段根幹油路122の他端(前端)と重複する位置に形成される。また、下段根幹油路132の一端(後端)は、第一平板110を折り曲げた際に平面視において上段平板部120の後部に形成される前記上段根幹油路122に相当する油路の一端(後端)と重複する位置に形成される。下段根幹油路132の幅は、上段平板部120の上段根幹油路122の幅よりも大きくなるように形成される。
下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136は、下段平板部130を上下方向に貫通する孔である。下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136は、下段根幹油路132よりも右方に配置される。下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136は、後側から前側へ順番に、前後方向に適宜な距離をあけて配置される。下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136の直径は、互いに同一となるように形成される。
下段カム用第一吐出口133は、第一平板110を折り曲げた際に平面視において上段平板部120の上段第一派生油路123の第一他端123aと重複する位置に形成される。
下段カム用第二吐出口134は、第一平板110を折り曲げた際に平面視において上段平板部120の上段第二派生油路124の第二他端124aと重複する位置に形成される。
下段カム用第三吐出口135は、第一平板110を折り曲げた際に平面視において上段平板部120の上段第三派生油路125の第三他端125aと重複する位置に形成される。
下段カム用第四吐出口136は、第一平板110を折り曲げた際に平面視において上段平板部120の上段第四派生油路126の第四他端126aと重複する位置に形成される。
下段軸受用吐出口137は、下段平板部130(より詳細には、下段根幹油路132)を上下方向に貫通する孔である。下段軸受用吐出口137は、下段根幹油路132の底面であって、下段第四貫通孔131dの左方(前後方向において下段第四貫通孔131dと同じ位置)に配置される。下段軸受用吐出口137の直径は、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136の直径よりも大きくなるように形成される。
なお、前述の如く第一平板110(下段平板部130)の油路は、前後方向に略対象となっている。すなわち、下段平板部130の後部(前後方向において下段第三貫通孔131cよりも後方)にも、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136に相当する吐出口や、下段軸受用吐出口137に相当する吐出口が形成される。
連結部140は、上段平板部120と下段平板部130とを連結する部分である。連結部140は、上段平板部120の右端の一部と下段平板部130の左端の一部とを連結するように、当該上段平板部120及び下段平板部130と一体的に形成される。
図12に示す第二平板150(中段平板部)は、第一平板110が折り曲げられた際に、当該第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれる(挟着される)板状の部材である。第二平板150は、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。第二平板150は、第一平板110の下段平板部130と略同一の形状、すなわち長手方向を前後方向に向けた平面視略矩形状となるように形成される。
第二平板150は、主として中段貫通孔151、中段第一連通孔153、中段第二連通孔154、中段第三連通孔155、中段第四連通孔156及び中段第五連通孔157を具備する。
中段貫通孔151は、第二平板150を上下方向に貫通する孔である。中段貫通孔151は、第二平板150の右端部(右方へと若干突出するように形成された部分)に形成される。中段貫通孔151は、第二平板150全体で4つ形成され、前後方向に略等間隔に配置される。以下では、4つ形成された中段貫通孔151を、後側から前側へ順番に「中段第一貫通孔151a」と、「中段第二貫通孔151b」と、「中段第三貫通孔151c」と、「中段第四貫通孔151d」と、それぞれ称する。
中段第一貫通孔151a、中段第二貫通孔151b、中段第三貫通孔151c及び中段第四貫通孔151dの直径は、後述するボルト160の軸部の直径よりも大きくなるように形成される。これにより、中段第一貫通孔151a、下段第二貫通孔151b、中段第三貫通孔151c及び中段第四貫通孔151dに、ボルト160の軸部を挿通した際に、これらの貫通孔とボルト160との間に隙間が形成される。
また、中段第一貫通孔151a、中段第二貫通孔151b、中段第三貫通孔151c及び中段第四貫通孔151dは、第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれた際に、平面視において上段平板部120の上段第一貫通孔121a、上段第二貫通孔121b、上段第三貫通孔121c及び上段第四貫通孔121dと、下段平板部130の下段第一貫通孔131a、下段第二貫通孔131b、下段第三貫通孔131c及び下段第四貫通孔131dと、それぞれ重複する位置に形成される。
なお、前述した給油部材100の4つの部分P・P・・のうち前側の2つの部分P・Pには、図12に示すように、中段貫通孔151のうち中段第三貫通孔151c及び中段第四貫通孔151dが配置される。
図12に示す中段第一連通孔153、中段第二連通孔154、中段第三連通孔155及び中段第四連通孔156は、第二平板150を上下方向に貫通する孔である。中段第一連通孔153、中段第二連通孔154、中段第三連通孔155及び中段第四連通孔156は、後側から前側へ順番に、前後方向に適宜な距離をあけて配置される。中段第一連通孔153、中段第二連通孔154、中段第三連通孔155及び中段第四連通孔156の直径は、互いに同一であって、下段軸受用吐出口137の直径よりも小さく形成される。
中段第一連通孔153は、第二平板150が第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれた際に、平面視において当該上段平板部120の上段第一派生油路123の第一他端123aと、当該下段平板部130の下段カム用第一吐出口133と、重複する位置に形成される。
中段第二連通孔154は、第二平板150が第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれた際に、平面視において当該上段平板部120の上段第二派生油路124の第二他端124aと、当該下段平板部130の下段カム用第二吐出口134と、重複する位置に形成される。
中段第三連通孔155は、第二平板150が第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれた際に、平面視において当該上段平板部120の上段第三派生油路125の第三他端125aと、当該下段平板部130の下段カム用第三吐出口135と、重複する位置に形成される。
中段第四連通孔156は、第二平板150が第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれた際に、平面視において当該上段平板部120の上段第四派生油路126の第四他端126aと、当該下段平板部130の下段カム用第四吐出口136と、重複する位置に形成される。
中段第五連通孔157は、第二平板150を上下方向に貫通する孔である。中段第五連通孔157は、第二平板150の前端に形成される。中段第五連通孔157は、第二平板150が第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれた際に、平面視において当該上段平板部120の上段根幹油路122の前端と、当該下段平板部130の下段根幹油路132の前端と、重複する位置に形成される。
以下では、図13を用いて、給油部材100の製造方法について説明する。
給油部材100の製造においては、まず第一平板110及び第二平板150が、一枚の板材をプレス加工で打ち抜くことによって、その外形や貫通孔等が形成される。さらに、次のプレス加工によって当該第一平板110を塑性変形させることによって、油路が形成される(図10等参照)。
次に、図13に示すように、第二平板150を第一平板110(より詳細には、下段平板部130)の上に重なるように配置する。そして、第一平板110は、上段平板部120が第二平板150及び下段平板部130の上に重なるように、連結部140・140・・・を中心として折り曲げられる。そして、折り曲げられた状態の第一平板110と、当該第一平板110の上段平板部120と下段平板部130との間に挟まれた状態の第二平板150とに、プレス加工によるかしめや溶接が適宜施される。
こうして、給油部材100は、上側から下側に順番に、上段平板部120と、第二平板150と、下段平板部130とが、重なって当接した状態に保持される。
このように製造された給油部材100においては、第一平板110の上段平板部120及び下段平板部130の各油路(より詳細には、各油路の開放された一側面)を、第二平板150が覆うことになる。こうして、第一平板110の上段平板部120及び下段平板部130に形成された各油路は、潤滑油が流通可能となる。
なお、給油部材100においては、図15(a)及び図17に示すように、下段第三貫通孔131cと下段切欠部138とが連通される。また、下段切欠部138は、下段根幹油路132と連通される。このように、下段第三貫通孔131cは、下段切欠部138を介して、下段根幹油路132と連通される。
また、図15(b)及び図17に示すように、上段第一派生油路123の第一他端123aは、中段第一連通孔153と連通される。また、中段第一連通孔153は、下段カム用第一吐出口133と連通される。このように、下段カム用第一吐出口133は、中段第一連通孔153を介して、上段第一派生油路123(すなわち、上段根幹油路122)と連通される。
なお、下段カム用第一吐出口133と同様に、図17に示すように、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136も、それぞれ中段第二連通孔154、中段第三連通孔155及び中段第四連通孔156を介して、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路(すなわち、上段根幹油路122)と連通される。
また、図16(a)及び図17に示すように、下段軸受用吐出口137は、下段根幹油路132と連通される。
また、図16(b)及び図17に示すように、下段根幹油路132は、中段第五連通孔157と連通される。また、中段第五連通孔157は、上段根幹油路122と連通される。このように、上段根幹油路122は、中段第五連通孔157を介して、下段根幹油路132と連通される。
このようにして、給油部材100においては、下段第一貫通孔131cから供給される潤滑油を、下段切欠部138を介して下段根幹油路132へと案内し、当該下段根幹油路132から中段第五連通孔157を介して上段根幹油路122へと案内し、当該上段根幹油路122から上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126へと案内する油路が形成される。
また、下段根幹油路132を流通する潤滑油は、下段軸受用吐出口137に案内される。また、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126を流通する潤滑油は、それぞれ中段第一連通孔153、中段第二連通孔154、中段第三連通孔155及び中段第四連通孔156を介して、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136に案内される。
以下では、上述の如く構成された給油部材100のカムキャップ50への取り付け態様について、図3から図5までを用いて説明する。
なお、給油部材100のカムキャップ50aへの取り付け態様も、カムキャップ50への取り付け態様と略同様であるため、以下では説明を省略する。
給油部材100がカムキャップ50へと取り付けられる際、当該給油部材100の一部(上段貫通孔121、中段貫通孔151及び下段貫通孔131が形成されている部分)は、カムキャップ50の排気側凹部62内に収容される。前記給油部材100の一部がカムキャップ50の排気側凹部62内に収容されると、当該給油部材100の下段根幹油路132は排気側凹部62の凹部内に収容される。
このように、前記給油部材100の一部がカムキャップ50の排気側凹部62内に収容されると、給油部材100の上段貫通孔121、中段貫通孔151及び下段貫通孔131はカムキャップ50の排気側貫通孔64と平面視において重複するように配置される。そして、前記各貫通孔に上方からボルト160が挿通され、当該ボルト160がシリンダヘッド10に締結される。このようにボルト160によって共締めされることにより、給油部材100がカムキャップ50に固定されると共に、当該カムキャップ50がシリンダヘッド10に固定される。
なお、給油部材100がカムキャップ50(カムキャップ50a)に固定された場合、図2に示すように、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136(下段カム用第四吐出口136については図示していない)は、それぞれ排気側カムシャフト42のカム42a・42a・・・と前後方向において同一位置となるように形成される。したがって、当該下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136は、それぞれ排気側カムシャフト42のカム42a・42aの概ね上方に位置することになる。
以下では、図15及び図16と、図18から図21までとを用いて、上述の如く構成されたエンジン1の潤滑油供給機構による、排気側カムシャフト42のカム42a及び排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の供給態様について説明する。
なお、エンジン1の潤滑油供給機構による、吸気側カムシャフト40のカム40a及び吸気側カムジャーナル軸受部71への潤滑油の供給の態様も略同様であるため、以下では説明を省略する。
ここで、当該潤滑油の供給態様においては、給油部材100が用いられる。給油部材100への潤滑油の供給は、カムキャップ50を介して行われる。
図18(a)に示すように、エンジン1が駆動することによって排気側カムシャフト42が回転し、シャフト内油路42bの一端がシリンダヘッド10のカムジャーナル用油路18と対向していない場合、オイルギャラリー16を流通する潤滑油は、カムジャーナル用油路18を介して排気側軸受部14(排気側カムジャーナル軸受部72)へと供給される。当該潤滑油はシャフト内油路42b内には供給されず、当該排気側カムジャーナル軸受部72を潤滑する。
図18(b)に示すように、排気側カムシャフト42が360度回転するごとに1度だけシャフト内油路42bの一端がシリンダヘッド10のカムジャーナル用油路18と対向すると共に、シャフト内油路42bの他端が排気側第一連通油路66と対向する。この場合、オイルギャラリー16を流通する潤滑油は、カムジャーナル用油路18を介してシャフト内油路42bへと供給される。さらに、当該潤滑油は当該シャフト内油路42b、排気側第一連通油路66を介して排気側貫通孔64へと供給される。当該排気側貫通孔64にはボルト160が挿通されているが、当該排気側貫通孔64とボルト160との間には隙間があるため、潤滑油は当該排気側貫通孔64内を流通することができる。当該潤滑油は、排気側貫通孔64を上方へと流通し、給油部材100(より詳細には、下段平板部130の下段第三貫通孔131c)へと供給される。
図15(a)及び図19(a)に示すように、下段平板部130の下段第三貫通孔131cへと供給された潤滑油は、下段切欠部138を介して下段根幹油路132内へと流入する。下段根幹油路132へと供給された潤滑油は、当該下段根幹油路132を前方へ向けて流通する。そして、下段根幹油路132の前端に流通した潤滑油は、図16(b)及び図19(b)に示すように、中段第五連通孔157を介して上段根幹油路122内へと流入する。そして、上段根幹油路122へと供給された潤滑油は、当該上段根幹油路122を後方へ向けて流通する。また、上段根幹油路122を後方へ向けて流通する潤滑油は、当該上段根幹油路122を介して、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126へと流入する。
ここで、上段根幹油路122の幅は、下段根幹油路132の幅よりも小さくなるように形成される。すなわち、給油部材100においては、下段根幹油路132を流通する潤滑油が、必要以上に大量に上段根幹油路122に流入するのを防止することができる。
図15(b)及び図19(b)に示すように、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126へと供給された潤滑油は、それぞれ第一他端123a、第二他端124a、第三他端125a及び第四他端126aを介して、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136に流入する。そして、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136に供給された潤滑油は、それぞれ当該各吐出口を介して下方へ吐出(滴下)される。
図20に破線の矢印で示すように、給油部材100の下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136から吐出(滴下)された潤滑油は、当該吐出口の下方に配置されたロッカアーム36・36に供給される。ロッカアーム36・36に供給された潤滑油の一部は、排気バルブ34を伝って当該排気バルブ34とシリンダヘッド10との摺動部を潤滑する。また、ロッカアーム36・36に供給された潤滑油の他の一部は、ローラ36aを伝って当該ローラ36aの軸や、当該ローラ36aとカム42aとの接触面を潤滑する。
ここで、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136から吐出される潤滑油は、下段根幹油路132及び上段根幹油路122を流通してきたものであり、比較的長い距離を流通してきたものである(図19参照)。すなわち、下流側へ行くほど潤滑油の圧力損失が大きいため、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136から吐出される潤滑油は、後述する下段軸受用吐出口137から吐出される潤滑油に比べて、吐出される潤滑油の量を少なくすることができる。
また、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136から吐出される潤滑油は、下段根幹油路132から上段根幹油路122に案内される際に、必要以上に大量の潤滑油が流入するのを防止されたものである。したがって、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136から吐出される潤滑油は、後述する下段軸受用吐出口137から吐出される潤滑油に比べて、吐出される潤滑油の量を少なくすることができる。
こうして、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136から吐出される潤滑油の量を少なくすることができるため、比較的少量の潤滑油で賄うことができる排気側カムシャフト42のカム42aへと大量の潤滑油が供給されるのを防止することができる。
また、図16(a)及び図19(a)に示すように、下段切欠部138を介して下段根幹油路132内へと供給された潤滑油は、当該下段根幹油路132を前方へ向けて流通する途中で、下段軸受用吐出口137に流入する。下段軸受用吐出口137へと供給された潤滑油は、当該下段軸受用吐出口137を介して下方へ吐出される。
図21の矢印で示すように、給油部材100の下段軸受用吐出口137から吐出された潤滑油は、カムキャップ50aの排気側キャップ貫通孔67内を下方へ向けて流通する。そして、排気側キャップ貫通孔67の下端まで流通すると、潤滑油は排気側第二連通油路69、排気側貫通孔64及び排気側第一連通油路66を介して、排気側軸受部60(排気側カムジャーナル軸受部72)へと供給される。このように、給油部材100の下段軸受用吐出口137から吐出された潤滑油は、排気側カムジャーナル軸受部72を潤滑する。
ここで、下段軸受用吐出口137から吐出される潤滑油は、下段根幹油路132だけを流通してきたものであり(上段根幹油路122を流通していないものであり)比較的短い距離を流通してきたものである(図19参照)。すなわち、上流側へ行くほど潤滑油の圧力損失が小さいため、下段軸受用吐出口137から吐出される潤滑油は、下段カム用第一吐出口133等から吐出される潤滑油に比べて、吐出される量を多くすることができる。
また、下段根幹油路132の幅は、上段根幹油路122の幅よりも大きくなるように形成される。また、下段軸受用吐出口137の直径は、下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136の直径よりも大きくなるように形成される。すなわち、下段軸受用吐出口137から吐出される潤滑油は、下段カム用第一吐出口133等から吐出される潤滑油に比べて、吐出される量を多くすることができる。
このように、下段軸受用吐出口137から吐出される潤滑油の量を多くすることができるため、比較的多量の潤滑油を必要とする排気側カムジャーナル軸受部72に十分な量の潤滑油を供給することができる。
また、排気側カムシャフト42が所定の角度まで回転した際に、潤滑油がカム42a・42a及び排気側カムジャーナル軸受部72へと供給される。すなわち、潤滑油を間欠的に(排気側カムシャフト42が1回転する間に1度だけ)カム42a・42a及び排気側カムジャーナル軸受部72へと供給する。このように、潤滑油は常時カム42a・42a及び排気側カムジャーナル軸受部72へと供給されるわけではないため、当該カム42a・42a及び排気側カムジャーナル軸受部72へ潤滑油が過剰に供給されるのを防止することができる。
このように、給油部材100においては、排気側カムジャーナル軸受部72を潤滑するための潤滑油(より詳細には、排気側カムシャフト42のカム42aを潤滑するための潤滑油が含まれる。)を下段側の下段根幹油路132に流通させる。また、排気側カムシャフト42のカム42aを潤滑するための潤滑油を上段側の上段根幹油路122に流通させる。こうして、給油部材100においては、必要とする潤滑油の量が異なる潤滑部を潤滑するための油路を上下段に分けて形成する。したがって、例えば、必要とする潤滑油の量が異なる潤滑部を潤滑するための油路を上下段に分けなかった場合(1段に形成した場合)と比べて、給油部材100の幅(左右方向の距離)を短く形成することができる。これによって、給油部材100から振動や騒音が生じるのを抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る給油部材100は、エンジン1の吸排気バルブを開閉させる動弁機構30の排気側カムシャフト42のカム42a及び排気側カムジャーナル軸受部72(潤滑部)へと上方から潤滑油を供給するための給油部材であって、3枚以上の複数の平板材(上段平板部120、第二平板150、下段平板部130)を重ねることによって複数対の対向面が形成され、前記対向面に凹み部を形成することによって、前記複数対の対抗面それぞれに油路が形成されるものである。
このような構成により、潤滑油の油路を複数種類設ける場合であっても、給油部材100の幅を大きく形成する必要がなく、振動や騒音が生じるのを抑制することができる。
なお、前記「対向面」とは、本実施形態においては、(1)上段平板部120の下側面及び第二平板150の上側面、(2)第二平板150の下側面及び下段平板部130の上側面、を指すものである。すなわち、本実施形態においては、前記「対向面」は2つ設けられる。
また、本実施形態に係る給油部材100においては、前記平板材には、前記複数対の対向面を互いに連通する連通部(中段第五連通孔157)が形成され、前記複数対のうち一の対向面に形成された第一の油路(下段根幹油路132)を流通する潤滑油は、前記連通部を介して前記複数対のうち他の対向面に形成された第二の油路(上段根幹油路122、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126)に流入可能であるものである。
このような構成により、第一の油路(下段根幹油路132)を流通する潤滑油を、第二の油路(上段根幹油路122、上段第一派生油路123、上段第二派生油路124、上段第三派生油路125及び上段第四派生油路126)に流通させることができる。
また、本実施形態に係る給油部材100においては、前記潤滑部には、比較的多量の潤滑油を必要とする第一の潤滑部材(排気側カムジャーナル軸受部72)と、比較的少量の潤滑油を必要とする第二の潤滑部材(排気側カムシャフト42のカム42a)と、が含まれ、前記第一の油路には、外部から潤滑油が流入されてくる給油口(下段貫通孔131c)が形成されると共に、当該第一の油路を流通する潤滑油を前記第一の潤滑部材へと供給するための第一の口(下段軸受用吐出口137)が形成され、前記第二の油路には、当該第二の油路を流通する潤滑油を前記第二の潤滑部材へと供給するための第二の口(下段カム用第一吐出口133、下段カム用第二吐出口134、下段カム用第三吐出口135及び下段カム用第四吐出口136)が形成されるものである。
このような構成により、必要とする潤滑油の量が異なる潤滑部(排気側カムジャーナル軸受部72と、排気側カムシャフト42のカム42aと)に対して、適切な量の潤滑油を供給することができる。
また、本実施形態に係る給油部材100においては、前記第一の潤滑部材は、前記エンジン1に設けられる排気側カムシャフト42を回転自在に支持する排気側カムジャーナル軸受部72であって、前記第二の潤滑部材は、前記排気側カムシャフト42のカム42aであるものである。
このような構成により、エンジン1に設けられる排気側カムシャフト42のカム42a及び前記排気側カムシャフト42を回転自在に支持する排気側カムジャーナル軸受部72に対して、適切な量の潤滑油を供給することができる。
また、本実施形態に係る給油部材100においては、前記複数の平板材のうち少なくとも2枚(上段平板部120及び下段平板部130)は、一体的に形成された連結板材(第一平板110)を折り曲げることにより形成されるものである。
このような構成により、給油部材100を少ない部品数で形成することができる。
すなわち、例えば上段平板部120及び下段平板部130が連結されておらず、別体である場合に比べて、部品数を削減することができる。
また、本実施形態に係る給油部材100においては、前記複数の平板材は、一体的に形成された第一の平板材(上段平板部120)及び第二の平板材(下段平板部130)と、
前記第一の平板材及び前記第二の平板材が折り曲げられた際に、当該第一の平板材及び当該第二の平板材によって挟着される第三の平板材(第二平板150)と、
を具備するものである。
このような構成により、給油部材100を容易に製造することができ、製造コストの削減を図ることができる。
すなわち、複数の部材が連結されておらず、別体である場合には、相互の位置合わせが困難(煩雑)であるところ、上段平板部120及び下段平板部130は連結されているため、相互の位置合わせを容易に行うことができる。また、上段平板部120及び下段平板部130を折り曲げることにより、第二平板150を挟着させることができるため、給油部材100を容易に製造することができる。その結果、製造コストの削減を図ることができる。
また、本実施形態に係るエンジン1の潤滑油供給機構は、上記給油部材100を具備するものである。
このような構成により、潤滑油の油路を複数種類設ける場合であっても、給油部材100の幅を大きく形成する必要がなく、振動や騒音が生じるのを抑制することができる。
なお、本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンであるものとして説明したが、本発明を適用することが可能なエンジンはこれに限るものではない。
また、本発明は、潤滑油を案内するためのオイルギャラリー16、カムジャーナル用油路18、シャフト内油路42b、排気側第一連通油路66、排気側キャップ貫通孔67、排気側第二連通油路69及び排気側貫通孔64の形状を、本実施形態に限定するものではない。これらの形状は任意に決定することが可能である。
また、給油部材100の形状は、本実施形態の如く平面視矩形状に限るものではなく、動弁機構30に潤滑油を供給できる形状であれば良い。
また、本実施形態において、給油部材100は、2枚の板材が一体的に連結された第一平板110を折り曲げると共に、当該折り曲げられた2枚の板材に第二平板150を挟着させることにより形成されるものとしたが、給油部材100の製造方法はこれに限るものではない。すなわち、給油部材100は、(別々の部材)からなる3枚以上の複数の板材を重ね合わせて形成することも可能である。
また、本実施形態において、給油部材100は、上段及び下段の2段に油路が設けられるものとしたが、3段や4段以上に油路が設けられる構成とすることも可能である。
また、本実施形態においては、対向する板材の間にガスケット等のシール部材を介設する構成とすることも可能である。
また、本実施形態においては、給油部材100の油路は前後方向に略対称であり、前後中央部(下段貫通孔131(下段第三貫通孔131c))から潤滑油が供給される構成としたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、給油部材100の一端(前端又は後端)から油路へと潤滑油を供給する構成や、複数の部分から潤滑油を供給する構成とすることも可能である。
また、第一平板110の上段平板部120及び下段平板部130に形成される油路の形状は、本実施形態に係るものに限らない。
また、吐出口及び派生油路の個数は、本実施形態に限るものではない。
また、本実施形態においては、給油部材100はエンジン1の複数の気筒に亘って一体的に形成されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、各気筒ごとに給油部材100を設ける構成とすることも可能である。
また、本実施形態においては、潤滑部として排気側カムシャフト42のカム42a及び排気側カムジャーナル軸受部72を例にあげたが、これに限定するものではない。
1 エンジン
30 動弁機構
42 排気側カムシャフト
42a カム
72 排気側カムジャーナル軸受部
100 給油部材
110 第一平板
120 上段平板部
122 上段根幹油路
123 上段第一派生油路123
124 上段第二派生油路124
125 上段第三派生油路125
126 上段第四派生油路126
130 下段平板部
132 下段根幹油路
150 第二平板

Claims (7)

  1. エンジンの吸排気バルブを開閉させる動弁機構の潤滑部へと上方から潤滑油を供給するための給油部材であって、
    3枚以上の複数の平板材を重ねることによって複数対の対向面が形成され、
    前記対向面に凹み部を形成することによって、前記複数対の対抗面それぞれに油路が形成される、
    ことを特徴とする給油部材。
  2. 前記平板材には、前記複数対の対向面を互いに連通する連通部が形成され、
    前記複数対のうち一の対向面に形成された第一の油路を流通する潤滑油は、前記連通部を介して前記複数対のうち他の対向面に形成された第二の油路に流入可能である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の給油部材。
  3. 前記潤滑部には、比較的多量の潤滑油を必要とする第一の潤滑部材と、比較的少量の潤滑油を必要とする第二の潤滑部材と、が含まれ、
    前記第一の油路には、外部から潤滑油が流入されてくる給油口が形成されると共に、当該第一の油路を流通する潤滑油を前記第一の潤滑部材へと供給するための第一の口が形成され、
    前記第二の油路には、当該第二の油路を流通する潤滑油を前記第二の潤滑部材へと供給するための第二の口が形成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の給油部材。
  4. 前記第一の潤滑部材は、前記エンジンに設けられるカムシャフトを回転自在に支持するカムジャーナル軸受部であって、
    前記第二の潤滑部材は、前記カムシャフトのカムである、
    ことを特徴とする請求項3に記載の給油部材。
  5. 前記複数の平板材のうち少なくとも2枚は、一体的に形成された連結板材を折り曲げることにより形成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の給油部材。
  6. 前記複数の平板材は、
    一体的に形成された第一の平板材及び第二の平板材と、
    前記第一の平板材及び前記第二の平板材が折り曲げられた際に、当該第一の平板材及び当該第二の平板材によって挟着される第三の平板材と、
    を具備する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の給油部材。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の給油部材を具備する、
    ことを特徴とするエンジンの潤滑油供給機構。
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