JP2015169120A - エンジンの潤滑油供給機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムジャーナル軸受部への潤滑油の給油量を減少させることができるエンジンの潤滑油供給機構を提供する。【解決手段】エンジンの潤滑油供給機構であって、カムジャーナル用油路18から潤滑油が供給されるシャフト内油路42bと、シャフト内油路42bから間欠的に供給された潤滑油を第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側カムジャーナル軸受部72へと案内する第三カムキャップ50cの排気側連通油路66、第三カムキャップ50cの排気側貫通孔64、給油部材100、第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側貫通孔64、第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側連通油路66と、を具備する。【選択図】図14

Description

本発明は、カムシャフトを回転自在に支持するカムジャーナル軸受部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構の技術に関する。
従来、カムシャフトを回転自在に支持するカムジャーナル軸受部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、軸受部(カムジャーナル軸受部)を有するシリンダヘッドと、当該軸受部に回動可能に支持されるカムシャフトと、当該カムシャフトを挟持するように上方からシリンダヘッドに固定されるカムキャップと、当該カムキャップの上部に接続されるカムシャワーパイプ(給油部材)と、が記載されている。また、当該シリンダヘッド、カムシャフト及びカムキャップには、シリンダヘッドのオイルギャラリー内の潤滑油をカムシャワーパイプへと案内するための油路がそれぞれ形成されている。
このような構成において、カムシャフトに形成された油路が軸受部で他の油路と連通すると、オイルギャラリーから供給された潤滑油がカムシャワーパイプへと案内される。カムシャワーパイプに供給された潤滑油は、カムシャワーパイプから滴下される。こうして、カムシャワーパイプの下方に配置されている動弁機構の潤滑部(例えば、カムシャフトに設けられるカム)に、潤滑油が供給される。
ここで、カムシャフトに形成された油路の他の油路との連通は、当該カムシャフトの回転に応じて間欠的に行われる。すなわち、特許文献1に記載の技術においては、例えばカムシャフトに設けられるカムに対して間欠的に潤滑油を供給することができ、給油量を減少させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、カムシャフトに形成された油路と他の油路が連通する箇所である軸受部には、常に潤滑油が供給された状態となっている。すなわち、軸受部に対しては恒常的に潤滑油が供給されるため、給油量を減少させることができない。
特開2010−164009号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、カムジャーナル軸受部への潤滑油の給油量を減少させることができるエンジンの潤滑油供給機構を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、カムシャフトを回転自在に支持する複数のカムジャーナル軸受部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、油圧源からの潤滑油を前記複数のうち一のカムジャーナル軸受部へと案内する第一の油路と、前記カムシャフトの前記一のカムジャーナル軸受部との摺動部を貫通するように形成され、前記第一の油路から当該カムシャフトの回転に伴って間欠的に潤滑油が供給される第二の油路と、前記第二の油路から供給された潤滑油を前記複数のうち他のカムジャーナル軸受部へと案内する第三の油路と、を具備するものである。
請求項2においては、複数のボルトにより互いに固定されることにより前記複数のカムジャーナル軸受部を形成するキャップ部及びハウジング部を具備し、前記第三の油路には、前記複数のうち一のボルトが挿通される孔により形成され、前記第二の油路から潤滑油が供給される第四の油路が含まれるものである。
請求項3においては、前記第三の油路には、前記複数のうち他のボルトが挿通される孔により形成され、前記第四の油路から潤滑油が供給される第五の油路が含まれるものである。
請求項4においては、前記第五の油路は、複数設けられ、前記第四の油路と前記複数の第五の油路との間には、前記第三の油路に含まれ、前記第四の油路から供給された潤滑油を各第五の油路へと分配する第六の油路が設けられるものである。
請求項5においては、前記第六の油路は、前記キャップ部の上端に架設されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、カムジャーナル軸受部への潤滑油の給油量を減少させることができる。
請求項2においては、新たな部材を設ける必要が無いため、コスト削減を図ることができる。
請求項3においては、新たな部材を設ける必要が無いため、コスト削減を図ることができる。
請求項4においては、カムジャーナル軸受部への潤滑油の給油量をさらに減少させることができる。
請求項5においては、複数のカムジャーナル軸受部に対して、簡易な構成で潤滑油を分配することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドカバー内の断面図。 カムキャップ及び給油部材を示す平面図。 図2におけるA−A断面図。 カムキャップ及び給油部材を示す斜視図。 同じく、分解斜視図。 (a)カムキャップを示す平面図。(b)カムキャップのC−C断面を示す正面断面図。(c)カムキャップを示す底面図。 図2におけるB−B断面図。 給油部材を示す斜視図。 (a)同じく、平面図。(b)同じく、D−D断面図。 折り曲げられる前の給油部材を示す斜視図。 同じく、平面図。 給油部材が折り曲げられる様子を示す斜視図。 潤滑部へと潤滑油を供給するための油路を示す平面図。 図13に示す油路を潤滑油が流通する様子を示す平面図。 オイルギャラリーからの潤滑油が潤滑部に供給され、シャフト内油路に潤滑油が供給されない様子を示す断面図。 (a)オイルギャラリーからの潤滑油が潤滑部に供給され、シャフト内油路に潤滑油が供給される様子を示す断面図。(b)同じく、一部拡大図。 (a)給油部材からの潤滑油が潤滑部に供給される様子を示す断面図。(b)同じく、一部拡大図。 潤滑油の供給態様の別実施形態を示す断面図。
以下では、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向を定義する。
まず、図1から図7までを用いて、本発明の一実施形態に係る潤滑油供給機構を具備するエンジン1の構成について説明する。
本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンである。以下では、前後方向に並んだ4つの気筒のうち1つの気筒に主に着目して説明を行う。エンジン1は、主としてシリンダヘッド10、シリンダヘッドカバー20、動弁機構30、カムキャップ50及び給油部材100を具備する。
なお、前後方向に並んだ4つの気筒に対応するように、前記カムキャップが前後方向に4つ並ぶように設けられる。以下では、前後方向に4つ並んだカムキャップを、後側から前側へ順番に「第一カムキャップ50a」と、「第二カムキャップ50b」と、「第三カムキャップ50c」と、「第四カムキャップ50d」と、それぞれ称する。また、前記説明を行う際に着目する「前後方向に並んだ4つの気筒のうち1つの気筒」とは、第三カムキャップ50cに対応するものとする。
図1、図3及び図5に示すシリンダヘッド10は、シリンダブロック(不図示)と共にエンジン1の主たる構造体となるものである。シリンダヘッド10は、前記シリンダブロック(不図示)の上部に固定される。シリンダヘッド10は、主として吸気側軸受部12、排気側軸受部14、オイルギャラリー16及びカムジャーナル用油路18を具備する。
図1及び図5に示す吸気側軸受部12は、後述する吸気側カムシャフト40を下方から回動可能に支持するものである。吸気側軸受部12は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、シリンダヘッド10の左部に形成される。吸気側軸受部12は、後述する吸気側軸受部52と共に吸気側カムジャーナル軸受部71を構成する。
図1、図3及び図5に示す排気側軸受部14は、後述する排気側カムシャフト42を下方から回動可能に支持するものである。排気側軸受部14は、正面視において上方が開放された半円状の凹部となるように、シリンダヘッド10の右部に形成される。排気側軸受部14は、後述する排気側軸受部60と共に排気側カムジャーナル軸受部72を構成する。
排気側軸受部14には、図3に示すように、排気側軸受溝部14aが設けられる。排気側軸受溝部14aは、排気側軸受部14のうち概ね右側の内周面が外径方向に凹むことにより形成された溝である。排気側軸受溝部14aには、開口部14bが設けられる。排気側軸受溝部14aは、開口部14bから排気側カムシャフト42の回転方向(図3において、反時計回り)に延出されるように形成される。開口部14bには、後述するカムジャーナル用油路18の一端が接続される。
図1及び図3に示すオイルギャラリー16は、エンジン1の各部(例えば、後述するラッシュアジャスタ38等)へと潤滑油を案内するための油路である。オイルギャラリー16は、シリンダヘッド10の左右側壁近傍を前後方向に通るように形成される。
図3に示すカムジャーナル用油路18は、シリンダヘッド10の右部に形成され、第三カムキャップ50cの排気側軸受部14へと潤滑油を案内するための油路である。カムジャーナル用油路18の一端はオイルギャラリー16と連通され、カムジャーナル用油路18の他端はシリンダヘッド10の排気側軸受部14(より詳細には、排気側軸受溝部14aの開口部14b)と連通される。
なお、図7に示すように、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dには、(第三カムキャップ50cと異なり)排気側軸受部14へと潤滑油を案内するためのカムジャーナル用油路18が設けられない。こうして、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの排気側軸受部14には、カムジャーナル用油路18を介して潤滑油が直接供給されないように構成される。
なお、本実施形態においては、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの排気側軸受部14にカムジャーナル用油路18を介して潤滑油が直接供給されないための構成として、カムジャーナル用油路18自体が設けられない構成としたが、この構成に限定するものではない。例えば、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの排気側軸受部14へと潤滑油を案内するためのカムジャーナル用油路18に、潤滑油が流通不能となるように閉塞する閉塞部材を設ける構成としてもよい。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気側軸受部12には、排気側軸受部14の排気側軸受溝部14aと同様の溝部が設けられる。また、第三カムキャップ50cのカムジャーナル用油路18はシリンダヘッド10の左部にも形成され、左側のオイルギャラリー16と吸気側軸受部12とを連通している。
図1に示すシリンダヘッドカバー20は、シリンダヘッド10の上部を覆うものである。シリンダヘッドカバー20はシリンダヘッド10の上部に載置され、ボルト等によって適宜固定される。
図1に示す動弁機構30は、エンジン1の吸気ポート及び排気ポート(不図示)を所定のタイミングで開閉させるためのものである。動弁機構30は、主として吸気バルブ32、排気バルブ34、ロッカアーム36・36、ラッシュアジャスタ38・38、吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を具備する。
吸気バルブ32は、エンジン1の吸気ポート(不図示)を開閉するものである。吸気バルブ32は、その長手方向を略上下方向に向けて配置される。吸気バルブ32の下端は前記吸気ポートまで延設される。吸気バルブ32の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気バルブ32は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
排気バルブ34は、エンジン1の排気ポート(不図示)を開閉するものである。排気バルブ34は、その長手方向を略上下方向に向けて配置される。排気バルブ34の下端は前記排気ポートまで延設される。排気バルブ34の上下中途部は、シリンダヘッド10に摺動可能に挿通される。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、排気バルブ34は1つの気筒に対して前後方向に並べて2つ設けられている。
ロッカアーム36・36は、吸気バルブ32及び排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。ロッカアーム36・36の一端は、それぞれ吸気バルブ32及び排気バルブ34の上端に上方から当接される。ロッカアーム36・36には、前後方向に向けた軸線を中心として回動可能なローラ36a・36aがそれぞれ設けられる。
ラッシュアジャスタ38・38は、バルブクリアランスを調整するためのものである。ラッシュアジャスタ38・38は、それぞれロッカアーム36・36の他端に下方から当接される。
図1、図2及び図4に示す吸気側カムシャフト40は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、吸気バルブ32を開閉駆動させるためのものである。吸気側カムシャフト40は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の吸気側軸受部12に載置される(吸気側カムジャーナル軸受部71に回転可能に支持される)。吸気側カムシャフト40は、主としてカム40a・40aを具備する。
カム40a・40aは、回転中心(吸気側カムシャフト40の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成された部分である。カム40a・40aは、吸気側カムシャフト40のうち吸気側カムジャーナル軸受部71に支持された部分よりも前方に2つ並べて形成される。当該カム40a・40aは、吸気バルブ32側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a)に上方から当接される。
図1、図2及び図4に示す排気側カムシャフト42は、ロッカアーム36を所定のタイミングで揺動させることで、排気バルブ34を開閉駆動させるためのものである。排気側カムシャフト42は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、シリンダヘッド10の排気側軸受部14に載置される(排気側カムジャーナル軸受部72に回転可能に支持される)。排気側カムシャフト42は、主としてカム42a・42a及びシャフト内油路42bを具備する。
カム42a・42aは、回転中心(排気側カムシャフト42の中心)から外周までの距離が一定でない板状に形成された部分である。カム42a・42aは、排気側カムシャフト42のうち排気側カムジャーナル軸受部72に支持された部分よりも前方に2つ並べて形成される。当該カム42a・42aは、排気バルブ34側のロッカアーム36(より詳細には、ローラ36a)に上方から当接される。
図3に示すシャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42のうち排気側カムジャーナル軸受部72に支持された部分(摺動部)に形成され、当該排気側カムシャフト42を貫通する油路である。シャフト内油路42bは、前記摺動部を貫通するように形成される。シャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42が所定の位置まで回転した際に、その一端(一方の開口部)がシリンダヘッド10の排気側軸受溝部14aと対向し、かつ、その他端(他方の開口部)が第三カムキャップ50cの排気側軸受溝部60aと対向するように形成される。
なお、シャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42の前後方向において1箇所だけに形成される。具体的には、シャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42において、第三カムキャップ50cの排気側カムジャーナル軸受部72に支持された部分(摺動部)に形成される。このように、シャフト内油路42bは、排気側カムシャフト42において、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの排気側カムジャーナル軸受部72に支持された部分には形成されない(図7参照)。
なお、本実施形態においては図示を省略しているが、吸気側カムシャフト40にも排気側カムシャフト42のシャフト内油路42bと同様の油路が形成される。
図1から図6までに示す第三カムキャップ50cは、シリンダヘッド10の上部に固定され、当該シリンダヘッド10との間で吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を保持するものである。第三カムキャップ50cは、長手方向を左右方向に向けた略直方体状に形成される。
第三カムキャップ50cは、主として吸気側軸受部52、吸気側凹部54、吸気側貫通孔56、吸気側連通油路58、排気側軸受部60、排気側凹部62、排気側貫通孔64及び排気側連通油路66を具備する。
図4から図6までに示す吸気側軸受部52は、吸気側カムシャフト40を上方から回動可能に支持するものである。吸気側軸受部52は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、第三カムキャップ50cの左部に形成される。当該第三カムキャップ50cの吸気側軸受部52は、シリンダヘッド10の吸気側軸受部12と対向する位置に形成され、当該吸気側軸受部52及び吸気側軸受部12の間に吸気側カムシャフト40が回動可能に支持(保持)される。このように、吸気側軸受部52は、吸気側軸受部12と共に吸気側カムジャーナル軸受部71を構成する(図5参照)。
吸気側軸受部52には、図6に示すように、吸気側軸受溝部52aが設けられる。吸気側軸受溝部52aは、吸気側軸受部52のうち概ね右側の内周面が外径方向に凹むことにより形成された溝である。吸気側軸受溝部52aには、開口部52bが設けられる。吸気側軸受溝部52aは、開口部52bへ向けて吸気側カムシャフト40の回転方向(図6において、時計回り)に延出されるように形成される。開口部52bには、後述する吸気側連通油路58の左側端部が接続される。
吸気側凹部54は、第三カムキャップ50cの上面の左部(左右方向において、吸気側軸受部52のすぐ右側)に形成される。吸気側凹部54は、その周囲よりも下方に所定深さだけ凹むように、かつ上方、前方及び後方が開放されるように形成される。
図5及び図6に示す吸気側貫通孔56は、第三カムキャップ50cをシリンダヘッド10に固定するために後述するボルト160が挿通されるボルト穴である。吸気側貫通孔56は、吸気側凹部54の底面の左部から第三カムキャップ50cの下面までを貫通するように形成される。言い換えれば、吸気側貫通孔56の上端の周囲に吸気側凹部54が形成されることになる。吸気側貫通孔56の直径は、後述するボルト160の軸部の直径よりも大きくなるように、すなわち、吸気側貫通孔56にボルト160の軸部を挿通した際に、当該吸気側貫通孔56とボルト160との間に隙間ができるように形成される。
図6に示す吸気側連通油路58は、吸気側軸受部52と吸気側貫通孔56とを連通する油路である。吸気側連通油路58は、第三カムキャップ50cの下面の前後略中央部に形成される。吸気側連通油路58の一端は吸気側軸受部52と連通され、吸気側連通油路58の他端は吸気側貫通孔56と連通される。
図3から図6までに示す排気側軸受部60は、排気側カムシャフト42を上方から回動可能に支持するものである。排気側軸受部60は、正面視において下方が開放された半円状の凹部となるように、第三カムキャップ50cの右部に形成される。当該第三カムキャップ50cの排気側軸受部60は、シリンダヘッド10の排気側軸受部14と対向する位置に形成され、当該排気側軸受部60及び排気側軸受部14の間に排気側カムシャフト42が回動可能に支持(保持)される。このように、排気側軸受部60は、排気側軸受部14と共に排気側カムジャーナル軸受部72を構成する。
排気側軸受部60には、排気側軸受溝部60aが設けられる。排気側軸受溝部60aは、排気側軸受部60のうち概ね左側の内周面が外径方向に凹むことにより形成された溝である。排気側軸受溝部60aには、開口部60bが設けられる。排気側軸受溝部60aは、開口部60bへ向けて排気側カムシャフト42の回転方向(図3において、反時計回り)に延出されるように形成される。開口部60bには、後述する排気側連通油路66の右側端部が接続される。
排気側凹部62は、第三カムキャップ50cの上面の右部(左右方向において、排気側軸受部60のすぐ左側)に形成される。排気側凹部62は、その周囲よりも下方に所定深さだけ凹むように、かつ上方、前方及び後方が開放されるように形成される。
図3、図5及び図6に示す排気側貫通孔64は、第三カムキャップ50cをシリンダヘッド10に固定するために後述するボルト160が挿通されるボルト穴である。排気側貫通孔64は、排気側凹部62の底面の右部から第三カムキャップ50cの下面までを貫通するように形成される。言い換えれば、排気側貫通孔64の上端の周囲に排気側凹部62が形成されることになる。排気側貫通孔64の直径は、後述するボルト160の軸部の直径よりも大きくなるように、すなわち、排気側貫通孔64にボルト160の軸部を挿通した際に、当該排気側貫通孔64とボルト160との間に隙間ができるように形成される。
図3から図6までに示す排気側連通油路66は、排気側軸受部60と排気側貫通孔64とを連通する油路である。排気側連通油路66は、第三カムキャップ50cの下面の前後略中央部に形成される。排気側連通油路66の一端は排気側軸受部60と連通され、排気側連通油路66の他端は排気側貫通孔64と連通される。
なお、前記カムキャップの説明として、上述の如く第三カムキャップ50cに着目したが、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの構成も同様である。
本実施形態においては、上述の如く構成されたシリンダヘッド10及びカムキャップ50によって、動弁機構30の吸気側カムシャフト40及び排気側カムシャフト42を回転可能に支持するカムハウジングが構成される。
前記カムハウジングにおいては、各連通孔や各溝部等が連通することにより、オイルギャラリー16からの潤滑油を、排気側カムシャフト42のシャフト内油路42bを介して給油部材100へと案内するための油路(以下では、「ハウジング側案内油路」と称する。)が形成される。具体的には、当該ハウジング側案内油路は、図13に示すように、上流側から下流側へ順番に、オイルギャラリー16から、カムジャーナル用油路18、排気側軸受部14(排気側軸受溝部14a)、シャフト内油路42b、排気側軸受部60(排気側軸受溝部60a)、排気側連通油路66、排気側貫通孔64により構成される。
図1から図5まで、及び図8から図11までに示す給油部材100は、潤滑油を動弁機構30の潤滑すべき部分である潤滑部へと供給するためのもの(油路)である。本実施形態においては、前記潤滑部として、吸気側カムジャーナル軸受部71と、排気側カムジャーナル軸受部72と、が想定されている。給油部材100は、4つのカムキャップ50に架設される。
なお、動弁機構30のうち吸気側カムシャフト40側へと潤滑油を供給する給油部材100(左側に配置される給油部材100)の構成は、動弁機構30のうち排気側カムシャフト42側へと潤滑油を供給する給油部材100(右側に配置される給油部材100)の構成と左右対称であるため、以下では特に右側に配置される給油部材100についてのみ詳細に説明し、左側に配置される給油部材100については説明を省略する。
給油部材100は、1枚の板材を適宜に折り曲げて形成される部材である。図2に示すように、給油部材100は、エンジン1の4つの気筒に亘って一体的に形成される。給油部材100は、主として上側平板部110、下側平板部120及び連結部140を具備する。
なお、給油部材100は、前述の如く折り曲げて使用される部材であるが、図10及び図11には、折り曲げられる前の状態の給油部材100を示している。
図8から図11に示す上側平板部110は、給油部材100が折り曲げられた後に当該給油部材100の上部を構成する板状の部材である。上側平板部110は、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。上側平板部110は、長手方向を前後方向に向けた平面視略矩形状となるように形成される。
上側平板部110は、主として上側貫通孔111及び平板油路112を具備する。
上側貫通孔111は、上側平板部110を上下方向に貫通する孔である。図10及び図11に示すように、上側貫通孔111は、上側平板部110の左端部(左方へと若干突出するように形成された部分)に形成される。上側貫通孔111は、上側平板部110全体で4つ形成され、前後方向に略等間隔に配置される。以下では、4つ形成された上側貫通孔111を、後側から前側へ順番に「上側第一貫通孔111a」と、「上側第二貫通孔111b」と、「上側第三貫通孔111c」と、「上側第四貫通孔111d」と、それぞれ称する。
平板油路112は、上側平板部110の上面(図10及び図11に示す給油部材100が折り曲げられる前の上面)を凹ませることで形成された、潤滑油を案内するための油路である。図10及び図11に示すように、平板油路112は、上側貫通孔111から所定距離だけ右方に離間した位置で前後方向に略直線状に形成される。平板油路112は、上側平板部110の前端から後端に亘って形成される。
図8、図10及び図11に示す下側平板部120は、給油部材100が折り曲げられた後に当該給油部材100の下部を構成する板状の部材である。下側平板部120は、その板面を上下方向に向けた状態で配置される。下側平板部120は、上側平板部110と左右対称な、長手方向を前後方向に向けた平面視略矩形状となるように形成される。
下側平板部120は、主として下側貫通孔121及び切欠部122を具備する。
下側貫通孔121は、下側平板部120を上下方向に貫通する孔である。図10及び図11に示すように、下側貫通孔121は、下側平板部120の右端部(右方へと若干突出するように形成された部分)に形成される。下側貫通孔121は、下側平板部120全体で4つ形成され、前後方向に略等間隔に配置される。以下では、4つ形成された下側貫通孔121を、後側から前側へ順番に「下側第一貫通孔121a」と、「下側第二貫通孔121b」と、「下側第三貫通孔121c」と、「下側第四貫通孔121d」と、それぞれ称する。
下側第一貫通孔121a、下側第二貫通孔121b、下側第三貫通孔121c及び下側第四貫通孔121dの直径は、後述するボルト160の軸部の直径よりも大きくなるように形成される。これにより、下側第一貫通孔121a、下側第二貫通孔121b、下側第三貫通孔121c及び下側第四貫通孔121dに、ボルト160の軸部を挿通した際に、これらの貫通孔とボルト160との間に隙間が形成される。
下側第一貫通孔121a、下側第二貫通孔121b、下側第三貫通孔121c及び下側第四貫通孔121dは、給油部材100を折り曲げた際に平面視において上側平板部110の上側第一貫通孔111a、上側第二貫通孔111b、上側第三貫通孔111c及び上側第四貫通孔111dとそれぞれ重複する位置に形成される。
切欠部122は、下側平板部120の下側貫通孔121の左端部を左方に所定長さだけ切り欠くように形成される。図9に示すように、切欠部122の左端部は、給油部材100を折り曲げた際に平面視で平板油路112と重複する位置に形成される。切欠部122は、4つの下側貫通孔121それぞれに形成され、下側平板部120全体で4つ形成される。以下では、下側第一貫通孔121aに形成される切欠部122を「第一切欠部122a」と、下側第二貫通孔121bに形成される切欠部122を「第二切欠部122b」と、下側第三貫通孔121cに形成される切欠部122を「第三切欠部122c」と、下側第四貫通孔121dに形成される切欠部122を「第四切欠部122d」と、それぞれ称する。
連結部140は、上側平板部110と下側平板部120とを連結する部分である。連結部140は、上側平板部110の右端の一部と下側平板部120の左端の一部とを連結するように、当該上側平板部110及び下側平板部120と一体的に形成される。
以下では、図8から図12までを用いて、給油部材100の製造方法について説明する。
給油部材100は、まず一枚の板材をプレス加工で打ち抜くことによって、その外形や貫通孔等が形成される。さらに、次のプレス加工によって当該給油部材100を塑性変形させることによって、平板油路112が形成される(図10及び図11参照)。
次に、図12に示すように、給油部材100は、連結部140・140・140を中心として、上側平板部110が下側平板部120の上に重なるように折り曲げられる。給油部材100は、折り曲げられた状態でプレス加工によるかしめや溶接が適宜施されることによって、上側平板部110と下側平板部120とが当接した状態に保持される(図8及び図9参照)。
このように製造された給油部材100においては、図9に示すように、下側平板部120の第一切欠部122a、第二切欠部122b、第三切欠部122c及び第四切欠部122dが、それぞれ上側平板部110の平板油路112と連通される。
こうして、給油部材100が製造されると、図13に示すように、下側第三貫通孔121cに供給された潤滑油を、第三切欠部122cを介して平板油路112へと案内し、当該平板油路112から第一切欠部122a、第二切欠部122b及び第四切欠部122dを介して下側第一貫通孔121a、下側第二貫通孔121b及び下側第四貫通孔121dへとそれぞれ案内する油路が形成される。
以下では、給油部材100のカムキャップ50への取り付け態様について、図3から図5までを用いて説明する。
なお、図3から図5までにおいては、4つのカムキャップ50のうち第三カムキャップ50cへの取り付け態様が図示されている。
図3から図5までに示すように、給油部材100が第三カムキャップ50cへと取り付けられる際、当該給油部材100の一部(上側第三貫通孔111c及び下側第三貫通孔121cが形成されている部分)は、第三カムキャップ50cの排気側凹部62内に収容される。また、前記給油部材100の一部が排気側凹部62内に収容されると、給油部材100の上側第三貫通孔111c及び下側第三貫通孔121cは第三カムキャップ50cの排気側貫通孔64と平面視において重複するように配置される。
そして、上側第三貫通孔111c及び下側第三貫通孔121cに上方からボルト160が挿通され、当該ボルト160がシリンダヘッド10に締結される。このようにボルト160によって共締めされることにより、給油部材100が第三カムキャップ50cに固定されると共に、当該第三カムキャップ50cがシリンダヘッド10に固定される。
また同様に、給油部材100が第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dへと取り付けられる際、ボルト160によって共締めされることにより、給油部材100が第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dに固定されると共に、当該第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dがシリンダヘッド10に固定される(不図示)。
また、給油部材100が第三カムキャップ50cへと取り付けられると、当該第三カムキャップ50cの排気側貫通孔64が給油部材100(より詳細には、給油部材100の下側第三貫通孔121c)と連通される(図16等参照)。すなわち、給油部材100が第三カムキャップ50cへと取り付けられると、当該給油部材100がシリンダヘッド10及びカムキャップ50によって構成されるカムハウジング内の油路(前記ハウジング側案内油路)と連通される(図13参照)。
以下では、図14から図17までを用いて、排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の供給態様について説明する。
なお、吸気側カムジャーナル軸受部71への潤滑油の供給態様については、排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の供給態様と略同様であるため、説明を省略する。
まず、排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の供給態様の概略について説明する。
排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の供給態様においては、まず4つの排気側カムジャーナル軸受部72のうち、1つの排気側カムジャーナル軸受部72に、潤滑油がオイルギャラリー16から給油部材100を介さずに供給される。こうして、当該1つの排気側カムジャーナル軸受部72が、潤滑油により潤滑される。
また、当該1つの排気側カムジャーナル軸受部72に供給された潤滑油は、給油部材100へと案内され、当該給油部材100によって残りの3つの排気側カムジャーナル軸受部72へと分配される。こうして、当該残りの3つの排気側カムジャーナル軸受部72が、潤滑油により潤滑される。
なお、本実施形態において、前記「1つの排気側カムジャーナル軸受部72」は、第三カムキャップ50cの排気側カムジャーナル軸受部72である。また、本実施形態において、前記「残りの3つの排気側カムジャーナル軸受部72」は、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの排気側カムジャーナル軸受部72である。
次に、排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の供給態様の詳細について説明する。
図15に示すように、エンジン1が駆動することによって、排気側カムシャフト42が回転する。オイルギャラリー16を流通する潤滑油は、カムジャーナル用油路18を介して排気側軸受部14の排気側軸受溝部14aへと供給される。そして、図15に示すように、排気側カムシャフト42のシャフト内油路42bの一端が排気側軸受部14の排気側軸受溝部14aと対向していない場合、当該潤滑油はシャフト内油路42b内に供給されない。こうして、排気側軸受部14(ひいては、排気側カムジャーナル軸受部72)は、排気側軸受溝部14a内の潤滑油により潤滑される。
また、図16(a)に示すように、排気側カムシャフト42が360度回転する間に、所定期間だけシャフト内油路42bの一端が排気側軸受部14の排気側軸受溝部14aと対向すると共に、シャフト内油路42bの他端が排気側軸受部60の排気側軸受溝部60aと対向する。この場合、排気側軸受部14の排気側軸受溝部14aと排気側軸受部60の排気側軸受溝部60aとは、シャフト内油路42bを介して連通される。したがって、排気側軸受部14の排気側軸受溝部14a内の潤滑油は、シャフト内油路42bを介して排気側軸受部60の排気側軸受溝部60aへと供給される。
また、第三カムキャップ50cの排気側軸受溝部60aへと供給された潤滑油は、排気側連通油路66を介して排気側貫通孔64へと案内される。なお、当該排気側貫通孔64にはボルト160が挿通されているが、当該排気側貫通孔64とボルト160との間には隙間があるため、潤滑油は当該排気側貫通孔64を流通することができる。排気側貫通孔64の潤滑油は、上方へと流通し、給油部材100(より詳細には、下側第三貫通孔121c)へと案内される。
なお、図15及び図16(a)に示すように、オイルギャラリー16からの潤滑油は、シャフト内油路42bが排気側軸受部14の排気側軸受溝部14a及び排気側軸受部60の排気側軸受溝部60aと対向しているかを問わず、カムジャーナル用油路18を介して排気側軸受部14の排気側軸受溝部14aへと供給されている。すなわち、第三カムキャップ50cの排気側軸受部14(ひいては、排気側カムジャーナル軸受部72)は、排気側軸受溝部14a内の潤滑油によって恒常的に潤滑される。
また、図16(b)に示すように、給油部材100(より詳細には、下側第三貫通孔121c)へと供給された潤滑油は、第三切欠部122cを介して平板油路112(給油部材100の内部)へと案内される。
給油部材100の平板油路112へと供給された潤滑油は、図14の矢印E1に示すように、当該平板油路112の前側又は後側へと適宜分配される。
矢印E1において平板油路112の前側へと分配された潤滑油は、図14の矢印E2に示すように、当該平板油路112の前端部に到達すると、第四切欠部122dを介して下側第四貫通孔121dへと案内される。
また、矢印E1において平板油路112の後側へと分配された潤滑油は、図14の矢印E3に示すように、第二切欠部122bと連通する位置に到達すると、当該平板油路112のさらに後側又は右側へと適宜分配される。
矢印E3において平板油路112の右側へと分配された潤滑油は、第二切欠部122bを介して下側第二貫通孔121bへと案内される。
また、矢印E3において平板油路112のさらに後側へと分配された潤滑油は、図14の矢印E4に示すように、当該平板油路112の後端部に到達すると、第一切欠部122aを介して下側第一貫通孔121aへと案内される。
このように、第三カムキャップ50cの排気側カムジャーナル軸受部72に供給された後に給油部材100へと案内された潤滑油は、当該給油部材100によって残りの3つのカムキャップ50(具体的には、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50d)へ向けて分配される。
以下では、図17を用いて、給油部材100によって分配された潤滑油の排気側カムジャーナル軸受部72への供給態様について説明する。
なお、図17は、前記3つのカムキャップ50へ向けて分配された潤滑油のうち、第一カムキャップ50aへ向けて分配された潤滑油の排気側カムジャーナル軸受部72への供給態様を示している。前記3つのカムキャップ50へ向けて分配された潤滑油のうち、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dへ向けて分配された潤滑油の排気側カムジャーナル軸受部72への供給態様については、第一カムキャップ50aへ向けて分配された潤滑油の排気側カムジャーナル軸受部72への供給態様と略同様であるため、説明を省略する。
図17(a)及び(b)に示すように、給油部材100によって第一カムキャップ50aへ向けて分配された潤滑油は、下側第一貫通孔121aから下方へと吐出される。下側第一貫通孔121aから吐出された潤滑油は、第一カムキャップ50aの排気側貫通孔64を下方へと流通する。排気側貫通孔64を流通する潤滑油は、当該排気側貫通孔64の下端部に到達すると、第一カムキャップ50aの排気側連通油路66に案内される。排気側連通油路66に供給された潤滑油は、開口部60bを介して、第一カムキャップ50aの排気側軸受部60(より詳細には、排気側軸受溝部60a)へと案内される。こうして、排気側軸受部60(ひいては、排気側カムジャーナル軸受部72)は、排気側軸受溝部60a内の潤滑油により潤滑される。
なお、図17(a)に示すように、第一カムキャップ50aにおいては、カムジャーナル用油路18が設けられないため、オイルギャラリー16からの潤滑油が排気側軸受部14に直接供給されないように構成される。
このように、第一カムキャップ50aの排気側カムジャーナル軸受部72に供給される潤滑油は、排気側カムシャフト42が360度回転する間の所定期間だけシャフト内油路42bを流通したものである。すなわち、第一カムキャップ50aの排気側カムジャーナル軸受部72はシャフト内油路42bを間欠的に流通した潤滑油により潤滑されるものであるため、当該排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の給油量を減少させることができる。
また、第一カムキャップ50aの排気側カムジャーナル軸受部72に供給される潤滑油は、第三カムキャップ50cの排気側カムジャーナル軸受部72に供給された後に給油部材100へと案内された潤滑油が給油部材100により分配されたものである。このように潤滑油を分配させることにより、第一カムキャップ50aの排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の給油量を減少させることができる。
なお、第一カムキャップ50aの排気側カムジャーナル軸受部72と同様に、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の給油量を減少させることができる。
以上のように、エンジン1の潤滑油供給機構は、排気側カムシャフト42を回転自在に支持する複数の排気側カムジャーナル軸受部72へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、オイルギャラリー16(油圧源)からの潤滑油を第三カムキャップ50cの排気側カムジャーナル軸受部72(前記複数のうち一のカムジャーナル軸受部)へと案内するカムジャーナル用油路18(第一の油路)と、排気側カムシャフト42の前記第三カムキャップ50cの排気側カムジャーナル軸受部72(前記複数のうち一のカムジャーナル軸受部)との摺動部を貫通するように形成され、前記カムジャーナル用油路18(第一の油路)から当該排気側カムシャフト42の回転に伴って間欠的に潤滑油が供給されるシャフト内油路42b(第二の油路)と、前記シャフト内油路42b(第二の油路)から供給された潤滑油を第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側カムジャーナル軸受部72(前記複数のうち他のカムジャーナル軸受部)へと案内する(第三カムキャップ50cの)排気側連通油路66、(第三カムキャップ50cの)排気側貫通孔64、給油部材100、(第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの)排気側貫通孔64、(第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの)排気側連通油路66(第三の油路)と、を具備するものである。
このような構成により、第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の給油量を減少させることができる。
また、エンジン1の潤滑油供給機構においては、複数のボルト160により互いに固定されることにより前記複数の排気側カムジャーナル軸受部72を形成するカムキャップ50(キャップ部)及びシリンダヘッド10(ハウジング部)を具備し、前記第三の油路には、前記複数のうち一のボルト160が挿通される孔により形成され、前記第二の油路から潤滑油が供給される第三カムキャップ50cの排気側貫通孔64(第四の油路)が含まれるものである。
このような構成により、エンジン1の潤滑油供給機構においては、新たな部材を設ける必要が無いため、コスト削減を図ることができる。
すなわち、エンジン1の潤滑油供給機構においては、カムキャップ50をシリンダヘッド10の上部に固定するためのボルト160が挿通される排気側貫通孔64(孔)を、油路として利用するものである。したがって、例えば本実施形態において、第三カムキャップ50cの排気側カムジャーナル軸受部72に供給された潤滑油を、当該第三カムキャップ50cから取り出すときに、当該取り出すため用の新たな部材や、油路を形成する必要がないため、コスト削減を図ることができる。
また、エンジン1の潤滑油供給機構においては、前記第三の油路には、前記複数のうち他のボルト160が挿通される孔により形成され、前記第四の油路から潤滑油が供給される第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側貫通孔64(第五の油路)が含まれるものである。
このような構成により、エンジン1の潤滑油供給機構においては、新たな部材を設ける必要が無いため、コスト削減を図ることができる。
すなわち、エンジン1の潤滑油供給機構においては、カムキャップ50をシリンダヘッド10の上部に固定するためのボルト160が挿通される排気側貫通孔64(孔)を、油路として利用するものである。したがって、例えば本実施形態において、第一カムキャップ50a、第二カムキャップ50b及び第四カムキャップ50dの排気側カムジャーナル軸受部72に給油部材100から潤滑油を案内する場合に、当該潤滑油を案内するため用の新たな部材や、油路を形成する必要がないため、コスト削減を図ることができる。
また、エンジン1の潤滑油供給機構においては、前記第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側貫通孔64(第五の油路)は、複数設けられ、前記第四の油路と前記複数の第五の油路との間には、前記第三の油路に含まれ、前記第四の油路から供給された潤滑油を各第五の油路へと分配する給油部材100(第六の油路)が設けられるものである。
このような構成により、エンジン1の潤滑油供給機構においては、第一・第二・第四カムキャップ50a・50b・50dの排気側カムジャーナル軸受部72への潤滑油の給油量をさらに減少させることができる。
また、前記給油部材100(第六の油路)は、前記カムキャップ50(キャップ部)の上端に架設されるものである。
このような構成により、エンジン1の潤滑油供給機構においては、複数の排気側カムジャーナル軸受部72に対して、簡易な構成で潤滑油を分配することができる。
すなわち、給油部材100は、カムキャップ50やシリンダヘッド10に形成される貫通孔等ではないため、組付けや製造が容易に行うことができ、簡易な構成とすることができる。また、カムキャップ50やシリンダヘッド10の設計を変更しなくとも、給油部材100の構成を変更すれば、任意の排気側カムジャーナル軸受部72に潤滑油を分配することができるため、設計の自由度が向上する。
なお、本実施形態に係るエンジン1は、直列4気筒16バルブのDOHCガソリンエンジンであるものとして説明したが、本発明を適用することが可能なエンジンはこれに限るものではない。
また、本発明は、潤滑油を案内するためのオイルギャラリー16、カムジャーナル用油路18、排気側軸受溝部14a、シャフト内油路42b、排気側軸受溝部60a、排気側連通油路66及び排気側貫通孔64の形状を、本実施形態に限定するものではない。これらの形状は任意に決定することが可能である。
また、給油部材100の形状は、本実施形態の如く平面視矩形状に限るものではなく、動弁機構30に潤滑油を供給できる形状であれば良い。例えば、給油部材100の形状は、平板状ではなく、パイプ状で構成されてもよい。
また、給油部材100は、対向する板材の間にガスケット等のシール部材を介設する構成とすることも可能である。
また、本実施形態においては、給油部材100は、前記ハウジング側案内油路から下側第三貫通孔121cを介して潤滑油が供給される構成であったが、これに限定するものではない。例えば、給油部材100は、前記ハウジング側案内油路から下側第一貫通孔121a等の他の貫通孔を介して潤滑油が供給される構成であってもよい。また、下側第三貫通孔121cの一か所だけではなく、下側第一貫通孔121a等の他の貫通孔と合わせて、複数個所から潤滑油が供給される構成であってもよい。
また、本実施形態においては、給油部材100はエンジン1の複数の気筒に亘って一体的に形成されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。
また、本実施形態においては、カムキャップ50及び排気側カムジャーナル軸受部72がそれぞれ4つ設けられる構成であったが、これに限定するものではない。
また、図18に示すように、給油部材100に、下方へと潤滑油を吐出(滴下)するための吐出口を設ける構成としてもよい。このような構成にすれば、給油部材100から吐出(滴下)される潤滑油を、当該吐出口の下方に配置されたロッカアーム36・36に供給することができる。こうして、ロッカアーム36・36に供給された潤滑油の一部は、排気バルブ34を伝って当該排気バルブ34とシリンダヘッド10との摺動部を潤滑することができる。また、ロッカアーム36・36に供給された潤滑油の他の一部は、ローラ36aを伝って当該ローラ36aの軸や、当該ローラ36aとカム42aとの接触面を潤滑することができる。
1 エンジン
16 オイルギャラリー
18 カムジャーナル用油路18
42 排気側カムシャフト
42b シャフト内油路42b
50a 第一カムキャップ
50b 第二カムキャップ
50c 第三カムキャップ
50d 第四カムキャップ
64 排気側貫通孔
72 排気側カムジャーナル軸受部

Claims (5)

  1. カムシャフトを回転自在に支持する複数のカムジャーナル軸受部へと潤滑油を供給するエンジンの潤滑油供給機構であって、
    油圧源からの潤滑油を前記複数のうち一のカムジャーナル軸受部へと案内する第一の油路と、
    前記カムシャフトの前記一のカムジャーナル軸受部との摺動部を貫通するように形成され、前記第一の油路から当該カムシャフトの回転に伴って間欠的に潤滑油が供給される第二の油路と、
    前記第二の油路から供給された潤滑油を前記複数のうち他のカムジャーナル軸受部へと案内する第三の油路と、
    を具備する、
    ことを特徴とするエンジンの潤滑油供給機構。
  2. 複数のボルトにより互いに固定されることにより前記複数のカムジャーナル軸受部を形成するキャップ部及びハウジング部を具備し、
    前記第三の油路には、前記複数のうち一のボルトが挿通される孔により形成され、前記第二の油路から潤滑油が供給される第四の油路が含まれる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  3. 前記第三の油路には、前記複数のうち他のボルトが挿通される孔により形成され、前記第四の油路から潤滑油が供給される第五の油路が含まれる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  4. 前記第五の油路は、複数設けられ、
    前記第四の油路と前記複数の第五の油路との間には、前記第三の油路に含まれ、前記第四の油路から供給された潤滑油を各第五の油路へと分配する第六の油路が設けられる、
    ことを特徴とする請求項3に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
  5. 前記第六の油路は、前記キャップ部の上端に架設される、
    ことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの潤滑油供給機構。
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DE112017000087T5 (de) 2016-03-30 2018-05-09 Mazda Motor Corporation Schmiermittelzuführmechanismus für Nockenzapfen eines Motors

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