JP2010536939A - 結晶化工程を用いた高純度2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法および装置 - Google Patents

結晶化工程を用いた高純度2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を分離精製するために、多段結晶化工程において、圧力と温度を制御して核生成と結晶成長速度を制御することにより、2,6−ナフタレンジカルボン酸結晶の粒度分布と形状を制御し、色相に優れた純度99.9%以上の高純度2,6−ナフタレンジカルボン酸を分離精製する方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、純度と色相に優れた2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−Naphthalene dicarboxylic acid;以下、「2,6−NDA」という)を高収率で得ることができる結晶化方法を用いた精製方法に関する。
2,6−NDAとエチレングリコールの重合によって作られたポリエステルであるポリエチレンナフタレート(PEN)は、熱的安定性、寸法安定性、強度、および気体透過性などの色々な物性において、ポリエチレンテレフタレート(PET)に比べて優れた物性を有しているものとして知られている。よって、フィルム、繊維、瓶などの良い材料として期待されており、特に、最近になって需要が高まっている特殊フィルム、気体遮断性に優れるために食品や飲み物などの耐熱瓶および包装用材として有用であり、また、高価な自動車タイヤのコードに代替できる材料として用いられている。
米国特許第5,254,719号、第5,262,560号、第6,211,398号、および第6,013,831号などで知られているように、一般的に商用化して得られたPENのモノマーは2,6−ナフタレンジカルボキシレートである。現在量産して販売しているジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(2,6−dimethylnaphthalene dicarboxylate、2,6−NDC)がPENの原料として用いられているが、2,6−NDAの使用は重合体の高い収率と低い生産単価のために効用性が高い。また、酸化反応によって生産された粗(crude)NDAを2,6−NDCに転換することなく直接精製するため、工程そのものが単純であるだけでなく、製造工程費用を下げることができ、また2,6−NDCの重合工程ではメタノールが発生するために防爆設備を備えなければならないが、2,6−NDAの重合工程では水が発生するので追加設備が必要ではない。
通常、2,6−NDAは重金属触媒下にて2,6−ジメチルナフタレン(2,6−DiMethyl Naphthalene;以下、「2,6−DMN」という)の酸化反応によって製造される。しかし、このような酸化反応によって生成された2,6−NDAには、触媒金属であるコバルト、マンガンの他に、酸化反応の中間生成物であるホルミルナフトエ酸(Formyl Naphthoic Acid;以下、「FNA」という)とメチルナフトエ酸(Methyl Naphthoic Acid;以下、「MNA」という)、分解生成物であるトリメリット酸(Trimellitic Acid;以下、「TMLA」という)、臭素付加生成物であるナフタレンジカルボン酸ブロミド(Bromo Naphthalene Dicarboxylic Acid;以下、「Br−NDA」という)、および原料である2,6−DMNに含まれていた不純物から由来したナフトエ酸(Naphthoic Acid;以下、「NA」という)などの各種の不純物が多量含まれている。
不純物が多量含まれた2,6−NDAをエチレングリコールとそのまま重合させれば、重合生成物であるPENの耐熱性と軟化点が低下し、着色が発生するなどの深刻な品質低下をもたらす。よって、高品質のPENを得るためには99.9重量%程度の高純度の2,6−NDAが求められる。
このように高純度のNDAを得るために、NDA内の不純物を除去するための様々な精製方法が提示されている。米国特許第5,256,817号および第6,255,525号には、NDAを溶媒に溶解させた後に水素化反応させて除去する方法が開示されている。また、米国特許第5,256,817号には、酢酸または酢酸水溶液を溶媒として用いて高温で溶解し、水素化反応を利用して精製する方法が開示されているが、水素化反応による副反応として脱炭酸反応によるナフトエ酸、テトラリンジカルボン酸が過量生成され易く、高価な金属触媒を用いなければならないという問題点がある。
米国特許第6,255,525号には、水を溶媒として用い、粗(crude)NDAの不溶性成分を濾過して除去し、溶液中の不純物は水素添加反応させて除去するか、除去可能な形態に転換させる工程が開示されているが、得られるNDAの色度が高く、触媒の寿命が短いという短所がある。
日本特許公開昭62−2307号には、NDAをジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどに溶解し、不溶成分を除去して再結晶化する精製方法が開示されているが、前記方法は、多量の溶媒と活性炭素が用いられるだけでなく、2,6−NDAの前記溶媒に対する溶解度が低く、不純物を水素化させる時に溶媒も共に水素化するので水素化処理が不可能であり、ホルミルナフトエ酸を完全に除去し難い方法である。
日本特許公開平5−32586号には、ピリジンやピリジン誘導体を溶媒として用いて溶解させた後に結晶化して精製する方法が開示されている。しかし、この方法も溶媒に対する2,6−NDAの溶解度が温度に敏感であるため、収率が相対的に低いという問題点がある。
大韓民国特許公開第2006−009437号には、2,6−ナフタレンジカルボン酸を再結晶化するために、粗2,6−ナフタレンジカルボン酸とアミン化合物および溶媒と非溶媒の混合溶媒を混合するステップ、得られた混合物を加熱して溶解させる溶解ステップ、得られた混合溶液を冷却して2,6−ナフタレンジカルボン酸アミン塩を結晶状態として析出する結晶化後濾過するステップ、結晶状態の2,6−ナフタレンジカルボン酸アミン塩を熱処理によって脱アミン化して2,6−ナフタレンジカルボン酸を回収して得る精製方法が提示されているが、工程が非常に複雑であり、各工程別単位収率が低く、高価な溶媒であるアミン化合物を用いるため、実際に経済的な効果を得にくい。
米国特許第5,563,294号は、2,6−NDAをナフタレンジカルボキシレートでエステル化反応させて製造した後、メタノールを除去するための反応と結晶化精製工程を経て得る方法であって、多くの工程を経なければならないために実際に経済的な価値を得にくい工程である。
その他の精製方法としては、NDAを金属塩に作った後、溶解し再結晶化する方法として、日本特許公開昭52−20993号は、2,6−NDAをアルカリ(KOHまたはNaOH)水溶液に溶解させてpHを調節し、アルカリ金属塩に作った後、固体吸着剤によって吸着させ、結晶化し析出させる方法を使っているが、このような方法は、生成されたモノアルカリ塩に水を加えて不均等化反応させれば、精製された2,6−NDAを収得することはできるものの、多量の固体吸着剤と溶媒を用いるだけでなく、モノアルカリ塩が結晶化されるため、ナフトエ酸やホルミルナフトエ酸など、不純物によって生じた塩も結晶化され、これらを分離し難く、アルカリ金属成分がNDA結晶の中に残って重合する場合に色度を悪くし、結晶大きさと収率の面で良くない。
したがって、色度と純度に優れた2,6−NDAを得ると同時に高純度の2,6−NDAを高収率および経済的に得るためには、単純で容易に遂行できる精製工程の開発が必要である。
前記精製方法は、相対的に複雑な工程と高価の溶媒を用いるか、付加的な反応工程を経て精製する方法を提示してはいるものの、工程上の副反応物と付加的な添加物によって不純物が生成され、それを処理する工程が必要であるため、経済的な実効性を得にくい。
そこで、本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するための手段として、すなわち、粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を高純度に精製するための手段であって、従来の方法とは異なり、付加的な反応工程が必要ではなく、単に結晶化工程を制御することにより、重合に好適な粒度分布を有した純度99.9%以上の高純度2,6−ナフタレンジカルボン酸を得る方法および工程装置を提供しようとする。
前記目的を達成するために、本発明は、比較的に純度の高い粗NDAを用いて2,6−NDAを高純度に分離精製する工程に関する。本発明は、NDAの重量に基づき、98.0%〜99.5重量%の純度を有する粗NDAを製造するための分離精製工程であり、概略的に次のステップを含む。
1)2,6−ナフタレンジカルボン酸と水を一定の比率で混合してスラリーに作る混合ステップ;
2)混合されたスラリーを溶解させる溶解ステップ;
3)溶解された混合物を結晶として成長させる結晶化ステップ;
4)得られた結晶を洗浄する洗浄ステップ;
5)洗浄後、2,6−NDAと水を分離する固/液分離ステップ;および
6)2,6−NDAを乾燥させるための乾燥ステップからなる2,6−NDAの分離精製方法を提供する。
従来技術による比較例の精製方法は、相対的に複雑な工程と高価の溶媒を用いるか、付加的な反応工程を経て精製する方法を提示してはいるものの、工程上の副反応物と付加的な添加物によって不純物が生成され、それを処理する工程が必要であるため、経済的な実効性を得にくく、相対的に収率が低かった。本発明は、前記の方法とは異なり、付加的な反応工程が必要ではなく、単に結晶化工程を制御することにより、重合に好適な粒度分布を有した、収率92%以上、純度99.9%以上の高純度2,6−ナフタレンジカルボン酸を得る効果がある。また、各多段結晶化工程から発生する熱を回収して初期2,6−ナフタレンジカルボン酸を溶解させるエネルギー源として利用することにより、より経済的で、エネルギー効率的に2,6−ナフタレンジカルボン酸を高純度に精製することができる。
本発明に係る2,6−NDAを分離精製するための全体工程を示す概略図である。 2次、3次、および4次結晶化を経た2,6−NDA粒子の大きさおよび分布を各々示す写真とグラフである。
本発明は、高純度の2,6−NDAを得るために、
1)2,6−ナフタレンジカルボン酸と水を一定の比率で混合してスラリーに作る混合ステップ;
2)混合されたスラリーを溶解させる溶解ステップ;
3)溶解された混合物を結晶として成長させる結晶化ステップ;
4)得られた結晶を洗浄する洗浄ステップ;
5)洗浄後、2,6−NDAと水を分離する固/液分離ステップ;および
6)2,6−NDAを乾燥させるための乾燥ステップからなる2,6−NDAの分離精製方法を提供する。
本発明によって精製される2,6−NDAは、通常、臭素/コバルト/マンガンからなる触媒を用い、酢酸溶媒下にて、2,6−ジメチルナフタレンを空気および希釈ガスを反応させて製造したものであって、純度が98.0〜99.5%であり、その組成を表1に示す。
:明度、b:黄色度
本発明の前記表1の組成を有する2,6−NDAの結晶化工程を含む分離精製工程を図1を参照して詳細に説明する。
原料である粗2,6−NDAは原料貯蔵槽101に移送されて貯蔵され、精製用溶媒として用いられる水は水貯蔵槽102に一定の流量で流入される。原料貯蔵槽の粗2,6−NDAと水はスラリー混合調製槽103に流入され、よく分散させる。この時、水と2,6−NDAとの溶解度を考慮して混合調製されるが、スラリー濃度は5〜10%にすることが好ましい。具体的には、2,6−NDAの水に対する溶解度は、270℃では3%、283℃では5%、291℃では7%、および300℃では10%である。
また、スラリー混合調製槽103には、還流母液パウダー貯蔵槽407において母液から分離した一部の2,6−NDAスラリーも前記スラリー濃度に調節されて共に流入される。
スラリー混合調製槽103でよく混合された2,6−NDAスラリーは、1〜4次結晶化工程の上部の放出される熱を利用して初期予熱され、一部溶解し、溶解予熱機201を経て完全に溶解し、1次結晶化機301に一定の流量で流入される。
予熱機を経た後端の温度は310℃に維持され、一定の流量で1次結晶化機301に移送され、1次結晶化機301において2,6−NDA結晶の核生成がなされて結晶化される。1次結晶化機301の滞留時間は30分〜90分、圧力は85kg/cm、温度は280℃に維持して運転する。1次結晶化機301の圧力と温度を制御するために上部に圧力調節装置が取り付けられて制御され、上部へ上がる気体は凝縮機321を経て水として凝縮され、循環フラッシュドラム305に移送される。循環フラッシュドラム305の下部に凝縮された水は水貯蔵槽102に送られ、一部上部へ共に上がる2,6−NDAパウダーは1次パウダー分離器311によってフィルタリングされ、1次結晶化機301に戻るようになる。1次結晶化機301で生成された2,6−NDA核種と結晶は一定の流量で制御され、2次結晶化機302に移送される。2次結晶化機302、3次結晶化機303、および4次結晶化機304も1次結晶化機301と同様な原理と構造になっている。
各結晶化機の滞留時間は30分〜90分が適切である。滞留時間の設定は、2,6−NDAの結晶成長を考慮し、本発明で目標とする純度と収率で分離精製するためである。結晶化機は2〜4つを連結することができる。結晶成長と過飽和などを考慮し、所望の純度、収率、粒子大きさを得るためには、各結晶化機の連結個数に応じて温度と圧力の条件を異にしなければならない。結晶化機を2〜4つ連結するのは、圧力降下に応じた適切な温度を制御することにより、過飽和度を制御し、結晶成長速度を1×10−6〜1×10−9m/sに制御することにより、不純物が結晶の中に含まれる現象を防ぎ、一定の粒子を成長させ、高純度の2,6−ナフタレンジカルボン酸を分離精製するためである。
本発明において、結晶化の粒度分布と大きさ、純度、および収率の面で最も好ましい結晶化機の形態は4個を直列に連結して利用することであった。4個の結晶化機を連結する場合、1次結晶化機内の温度は260〜280℃、圧力は60〜85kg/cm、2次結晶化機の温度は240〜260℃、圧力は40〜65kg/cm、3次結晶化機の温度は220〜240℃、圧力は30〜45kg/cm、4次結晶化機の温度は200〜220℃、圧力は20〜35kg/cmに調節するのが、適切な範囲の結晶成長速度で過飽和を形成し、所望の粒子大きさ35〜75μmを有する2,6−NDAを高純度、高収率で分離精製することができる。
結晶化機を2つ連結する場合には、1次結晶化機内の温度は250〜260℃、圧力は60〜75kg/cmにし、2次結晶化機の温度は200〜240℃、圧力は25〜45kg/cmにすることが好ましい。また、結晶化機を3つ連結する場合には、1次結晶化機ステップ内の温度は260〜280℃、圧力は60〜85kg/cmにし、2次結晶化機の温度は240〜260℃、圧力は40〜65kg/cm、および3次結晶化機の温度は200〜220℃、圧力は20〜35kg/cmに調節すれば、所望の純度、収率、および粒子大きさを有した2,6−NDAを得ることができる。
結晶化機を通過した結晶は洗浄装置401に移送され、1次濾過される。
水貯蔵槽102から溶媒予熱機421を経て高温に作られた水は高温溶媒貯蔵槽403に流入されて貯蔵され、貯蔵された水は洗浄装置401において1次濾過された結晶パウダーがある洗浄装置401に移送されて洗浄される。洗浄が完了すれば、リスラリードラム402に移送される。一定の流量で高速遠心分離型固/液分離装置404に移送され、2,6−ナフタレンジカルボン酸結晶は分離され、乾燥器501で乾燥され、2,6−ナフタレンジカルボン酸貯蔵槽502に送られて貯蔵される。
さらに洗浄装置で洗浄された母液は冷却コンデンサ422を経て追加結晶を析出させ、母液スラリー貯蔵槽405に流入される。流入されたスラリーは母液分離装置406によって分離され、分離されたパウダーは還流母液パウダー貯蔵槽407に貯蔵された後、原料スラリー混合調製槽103に一定量で流入されて循環する。このように循環させることによって生産収率を高めることができる。循環される量は注入される原料組成によって決定される。母液分離装置406によって分離された2次母液は廃棄物貯蔵槽601に送られる。また、洗浄装置401からも一部廃棄物貯蔵槽に移送され、高速遠心分離型固/液分離装置404から出た分離された廃液も廃棄物貯蔵槽601に送られる。
本発明では、前記装置と方法を利用して結晶成長速度、結晶形状、および粒子大きさを制御し、高収率、高純度の2,6−ナフタレンジカルボン酸を得た。
以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。但し、本発明の範囲がこれらの実施例の記載だけに限定されるものではない。
[実施例1]
98.0〜99.5%純度を有する粗2,6−ナフタレンジカルボン酸と水を混合してスラリー濃度7%のスラリーを調製する。調製された混合スラリーは80L/hrの流量で結晶化機上部の熱交換器を経て1次予熱されて一部溶融し、予熱機を経て310℃に維持される。1次結晶化機の温度は260℃、圧力は65kg/cmにし、2次結晶化機の温度は215℃、圧力は25kg/cmに維持しつつ、2,6−ナフタレンジカルボン酸結晶を成長させた。結晶化機の上部には質量対比10%程度の圧力降下による凝縮水が排出され、残りの結晶スラリーは洗浄装置に移送され、1次濾過された。濾過後、洗浄装置内に215℃の熱い水を送って2回洗浄し、洗浄後濾過された結晶パウダーに水の含量を結晶パウダー量の10倍にしてリスラリー貯蔵槽に送った。リスラリー貯蔵槽において、固/液分離のために、固/液分離装置に62L/hrの流量でリスラリーを送った。分離された結晶パウダーを乾燥器に一定量ずつ連続的に送り、130℃で乾燥し、最終的に2,6−ナフタレンジカルボン酸を得た。得られた2,6−ナフタレンの分析結果は表2に示す。
*検出限界=1ppm以下、N/A=検出されず。
:明度、b:黄色度
[比較例1]
1次結晶化機内の温度は240℃、圧力は45kg/cmにし、2次結晶化機の温度は180℃、圧力は15kg/cmにすることを除いては実施例1と同様である。これに対する結果は表3に示す。
:明度、b:黄色度
[実施例2]
結晶化機を3つで構成し、1次結晶化機内の温度は260〜280℃、圧力は60〜85kg/cm、2次結晶化機の温度は240〜260℃、圧力は40〜65kg/cm、3次結晶化機の温度は200〜220℃、圧力は20〜35kg/cmにすることを除いては実施例1と同じ条件で実施した。これに対する結果は表4に示す。
:明度、b:黄色度
[実施例3]
結晶化機を4つで構成し、1次結晶化機内の温度は260〜280℃、圧力は60〜85kg/cm、2次結晶化機の温度は240〜260℃、圧力は40〜65kg/cm、3次結晶化機の温度は220〜240℃、圧力は30〜45kg/cm、および4次結晶化機の温度は200〜220℃、圧力は20〜35kg/cmにすることを除いては実施例1と同じ条件で実施した。得られた結晶を分析した結果は表5に示し、図2には2次結晶化、3次結晶化、および4次結晶化工程から得られた結晶の大きさおよび粒度分布を示す写真が提示されている。
:明度、b:黄色度
[比較例2]
結晶化機を4つで構成し、1次結晶化機内の温度は250℃、圧力は55kg/cm、2次結晶化機の温度は230℃、圧力は45kg/cm、3次結晶化機の温度は210℃、圧力は25kg/cm、および4次結晶化機の温度は180℃、圧力は15kg/cmにすることを除いては実施例1と同じ条件で実施した。得られた結果は表6に示す。
:明度、b:黄色度
[比較例3]
大韓民国特許公開第2006−0079437号の実施例2に記載された2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法と同じ方法により、粗2,6−NDAの精製を実施し、その結果を表7に示す。すなわち、常温および常圧にて、パイレックス(Pyrex)(登録商標)材質のキャップを有する一口(1−neck)三角フラスコに粗2,6−ナフタレンジカルボン酸50.0gおよびトリエチルアミン60.0gを入れて混合した。ここに、メタノール:水:メチルアセテート17.5:2.5:80.0の重量比率で混合された混合溶媒400gを添加した後、60℃下で30分間攪拌して2,6−ナフタレンジカルボン酸アミン塩の混合溶液を得た。前記混合溶液を60℃で7μm細孔大きさの濾過紙で濾過し、得られた濾過液を加熱して前記濾過液内の溶媒一部を除去した。得られた濃縮液を常温に冷却し、1時間徐々に攪拌し、2,6−ナフタレンジカルボン酸アミン塩結晶を析出した。次に、前記結晶を再結晶化するために前記結晶を回収し、メタノール:水:アセテートの17.5:2.5:80.0体積比の混合溶媒400gに溶解した後、前記と同じ方法により再結晶し、2,6−ナフタレンジカルボン酸アミン塩結晶を析出した。前記結晶を含む混合溶液を濾過して結晶を分離した後、90℃で1時間放置し、溶媒を除去し、精製された2,6−ナフタレンジカルボン酸を得た。
:明度、b:黄色度
[比較例4]
水素化反応を添加したことを除いては本発明の実施例4と同じ方法で行った。水素化反応に用いられた触媒はエンゲルハルド社(Engelhard Corporation)から入手した0.5重量%のパラジウム炭素触媒(Pd/C)を用い、水素は反応器の上部に注入し、水素化反応器は予熱機手段に設置して遂行した。精製結果は表8に示す。
:明度、b:黄色度

Claims (11)

  1. 98.0〜99.5%の粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を分離精製する工程において、
    (a)2,6−ナフタレンジカルボン酸と水を混合してスラリーに作る混合ステップ;
    (b)混合されたスラリーを溶解させる溶解ステップ;
    (c)溶解された混合物を複数の結晶化機を利用する多段結晶化によって結晶として成長させる結晶化ステップ;
    (d)得られた結晶を洗浄する洗浄ステップ;
    (e)洗浄後、2,6−NDAと水を分離する固/液分離ステップ;および
    (f)2,6−NDAを乾燥させる乾燥ステップを含む2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  2. 溶解ステップで混合されたスラリーは結晶化機の上部から発生する熱によって初期溶解された後、予熱機を通過して完全に溶解され、温度290〜310℃に維持されることを特徴とする、請求項1に記載の高純度の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  3. 混合ステップで製造されるスラリーの濃度は5〜10%であることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  4. 結晶化工程の全体滞留時間は30分〜90分に調節されることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  5. 結晶化機は2〜4個であり、直列に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  6. 結晶化機が4個である場合、1次結晶化機の温度は260〜280℃、圧力は60〜85kg/cm、2次結晶化機の温度は240〜260℃、圧力は40〜65kg/cm、3次結晶化機の温度は220〜240℃、圧力は30〜45kg/cm、および4次結晶化機の温度は200〜220℃、圧力は20〜35kg/cmに調節することを特徴とする、請求項5に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  7. 結晶化機が2個である場合、1次結晶化機の温度は250〜260℃、圧力は60〜75kg/cm、および2次結晶化機の温度は200〜240℃、圧力は25〜45kg/cmに調節することを特徴とする、請求項5に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  8. 結晶化機が3個である場合、1次結晶化機の温度は260〜280℃、圧力は60〜85kg/cm、2次結晶化機の温度は240〜260℃、圧力は40〜65kg/cm、および3次結晶化機の温度は200〜220℃、圧力は20〜35kg/cmに調節することを特徴とする、請求項5に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  9. 結晶化ステップにおける結晶成長速度は1×10−6〜1×10−9m/sになることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  10. 分離精製された結晶の大きさが35〜75μmであることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
  11. 分離精製された結晶の色度が、b値は5以下、L値は95以上であることを特徴とする、請求項1に記載の2,6−ナフタレンジカルボン酸の分離精製方法。
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