JP2010535220A - 抗精神病用の併用療法剤を使用する統合失調症の治療のための方法および組成物 - Google Patents

抗精神病用の併用療法剤を使用する統合失調症の治療のための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、統合失調症を治療、予防するため、および/またはその発病および/または発症を遅延させるための併用療法剤および方法に関し、該併用療法剤は、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含むものである。種々の実施形態において、本発明は、個体にディメボンと抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む、(a)統合失調症(その陽性面、陰性面および/または認知面を含む)を、その治療を必要とする個体において治療する方法;(b)統合失調症と診断された個体の統合失調症の進行を遅滞させる方法;または(c)統合失調症を発症するリスクのある個体において統合失調症の発症を予防もしくは遅延させる方法を包含する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2007年8月1日に露国特許庁に出願された露国特許出願第2007−129567、および2007年8月1日に露国特許庁に出願された露国特許出願第2007−129568に対する優先権をパリ条約の下で主張する。これらの両方は本明細書中でその全体を参考として援用される。
政府の援助による研究の下でなされた発明に対する権利の陳述
適応されない。
技術分野
本発明は、薬の分野に関し、さらに詳しくは、統合失調症を治療、予防するため、および/またはその発病および/または発症を遅延させるための新規な併用療法剤および方法を創作する目的のための化合物の適用に関する。
発明の背景
統合失調症の概要
統合失調症は、この精神障害を患う個体の健康と快適な暮らしに劇的な影響を及ぼし、数ある障害の中で最も重症で治療が困難である。統合失調症を有する個体(「統合失調症患者」)は、多彩な症状に苦しむことになり得、相当な管理ケアならびに継続的な薬物療法および/または行動療法が必要となり得、入院加療または施設収容なしでも相当な社会的および経済的犠牲がもたらされる。統合失調症は、ほぼ200万人の米国人が罹患している。この病気は、通常、青年期から30歳の間に発症し、1つ以上の陽性症状(例えば、妄想および幻覚)および/または陰性症状(例えば、感情鈍麻および関心の欠如)および/または解体型症状(例えば、思考および発話の混乱または解体型の行動および認知)を特徴とする。統合失調症患者は、多くの研究で、短期言語的作動記憶が必要とされる課題における能力(言語により提示された情報を記憶および操作する能力)、即座に連想される認識的「予測」または「期待」、継続的な注意/用心の管理および実行機能(抽象的に推理し、計画し、問題を解決する能力)の低下を有することが示されていた。また、聴覚性幻覚(これは、罹患個体の大部分で報告される)を有する統合失調症患者は、それに強く相関した語音聴取能力の低下を有する。また、統合失調症患者は、社会的および職務的能力の欠陥、例えば、他人の気分または反応の認識、自分にとって何が社会的に正しい行動方針なのかの判断、および現在および過去の行動または事象の原因の認識において欠陥および錯乱を有する。統合失調症は慢性障害であり、ほとんどの患者は、精神病の症状発現の発生を緩和または低減させるための持続的な治療が必要である。陽性(精神病性および解体型)症状は、普通の第三者に非常に明白であり得るが、有効な社会的機能が果たせないことと最も強く相関しているのは、統合失調症の陰性症状および認知機能障害である。統合失調症の原因は大部分が不明である。遺伝的要素を有すると考えられているが、環境的要因も該疾患の発病と重症度に影響しているようである。
統合失調症の病因における推定機構の概要
最近まで、精神病の生化学の分野の研究を行なう研究者らの注目の対象は、主に、2つの伝達物質系:ドパミン系とセロトニン系であった。
ドパミン仮説は、従来の(定型)抗精神病薬が、一般に、パーキンソン病の症状と類似した神経系の副作用を引き起こす能力を有するということから生じた。また、同性質により、この薬物に神経遮断薬という一般名称が付与された。パーキンソニズムの神経生化学的性質は、ドパミン作動性構造体の活性は低下するがコリン作動性構造体の活性は増大するという、黒質線状体内でのドパミン作動系とコリン作動系間の均衡の崩壊と関連している。定型神経遮断薬が統合失調症性障害(妄想、幻覚、行動的錯乱)を患う患者において表面に出現する(精神病性)総体的症状を抑制できる能力は、パーキンソニズムを引き起こす能力と相関しており、ドパミン作動系の活性を抑制する性質に起因している。したがって、精神病の陽性総体的症状は、ドパミン作動系の過剰な活性によるものであると結論付けた。この所見を支持するもう1つの論拠は、脊髄液中のドパミン代謝産物の研究結果であった。精神病患者では健常人よりも、高レベルのホモバニリン(homovanilic)酸(ドパミンの代謝産物)が見られた。現在、この仮説は、脳の検死解剖および現存患者の陽電子断層撮影法の結果を伴う新たなデータの影響の下でさらに展開された。神経遮断薬の効果の下でのドパミン作動系の機能の変化を詳しく検討することにより、ドパミン受容体の重要な調節因子的役割が明らかになった。いくつかの型のドパミン受容体が報告されており、これらは各々、局在性および機能について独自の特徴を有する。
ドパミン作動薬は、第1にドパミン受容体サブタイプD遮断薬、特に、ハロペリドールおよびクロルプロマジンならびに他の多くのものが、統合失調症のドパミン理論に従って統合失調症患者の治療に広く使用されている。該作動薬は、統合失調症患者において急性期では精神病を有効に軽減するが、多くの場合、この疾患の他の病期の治療では有効性がずっと低い。この理由により、統合失調症の病因の機構を調べるため、および有効な治療のための新たな薬物を開発するための徹底した研究が近年行なわれている。
第2の仮説は、根本的な原因がドパミン系とセロトニン系との関係の崩壊であると仮定するものである。セロトニン作動性構造体は、その活性が中脳辺縁系構造体および中脳線条体系構造体で増大し、前頭前野で低下して臨床的前頭葉機能低下現象の状態となることにより、ドパミン作動系の機能に対して複雑なモジュレーション効果を奏する。この仮説に対する説得力のある論拠は、通常、非定型抗精神病薬の基本型であるクロザピンの臨床実務への導入と考えられている。クロザピンは、ドパミン作動性受容体よりもセロトニン作動性受容体を相当より強く遮断するため、その活性の神経化学的範囲により、現在知られているあらゆる神経遮断薬と区別されている。また、病気に関して、原発性欠陥障害が優勢である場合、また、従来の神経遮断薬に抵抗性を示したほとんどの場合においても有効であることがわかった。さらに、クロザピンにより、神経弛緩性副作用の頻度が有意に低減された。J.M.Kane,“The new antipsychotics,”J Pract.Psychiatry Behav.Health,1997,3:343−354。
臨床試験の過程で得られたデータにより、第2世代抗精神病薬(セロトニン−ドパミン遮断薬−いわゆる非定型抗精神病薬「AA」)、この薬物が第1世代の神経遮断薬(ドパミン遮断薬「DB」)よりも、統合失調症の陰性症状、ならびに難治性の表面に出現する症状(つまり、妄想、幻覚、および行動的錯乱)、ならびに神経認知障害に対する効果において優れているという証拠が示されている。現在、いくつかの仮説があり、その枠内において、第1世代神経遮断薬よりもAAの優越性をもたらす薬力学的機構を説明しようとする試みがなされている(縫合核(suture nuclei)のセロトニン構造体に対する優勢効果説、ドパミン受容体の高速で非付着性遮断説、クロザピンのグルタミン酸効果説)。統合失調症の分野における生体臨床試験(例えば、精神薬理学の成功によるもの)により、統合失調症の場合における臨床症状および神経認知障害の発現および持続性と、いくつかの神経化学的、神経免疫学的、生化学的、遺伝的および形態学的特徴との関係に関するさらにより説得力のある事実が見出されている。
上記の仮説は、事実の大部分に関して充分な説明力を有する。しかしながら、すべてのデータが当てはまるわけではない。ドパミン作動性受容体の遮断は、臨床効果の発現よりもずっと速く起こることがわかっている。また、この受容体の遮断の程度は、抗精神病薬での治療に良好に応答する患者と、該治療に抵抗性である患者で同じである(S.Heckers,“Neural models of schizophrenia,”Dialogues in Clinical Neuroscience,2000,2(3):267−280)。他方で、ドパミン作動系に影響を及ぼさず抗精神病効果を有する薬物を開発する精神薬理学者らの試みでは、まだ好成績が得られていない(S.Kapur,G.Remington,“Dopamine D(2) receptoers and their role in atypical antipsychotic action:still necessary and may even be sufficient,”Biol.Psychiatry,2001,50(11):873−83)。
加えて、担当医師すべてが抗精神病薬の世代の交代を同様に理解しているわけではない。さらに、一部の医師は、第2世代薬物の方が広い範囲の有効性を有するという考えに懐疑的見解をもっている。実際、第1世代薬物に対する治療応答を第2世代薬物に対する治療応答と比較した研究では、精神病の表面に出現する症状(つまり、妄想、幻覚、および行動的錯乱)の抑制において有意な優位性は示されていない。抗精神病薬の治療活性の従来の指標は、特にこの効果である。定型療法によりもたらされる寛解に隠れた抗精神病薬および考えられ得る予備軍の薬力学的作用の概念を拡張することは、担当精神科医が新規な薬物に対して考え方を再検討するのに非常に重要であり得る。
抗精神病薬のドパミン作動活性およびセロトニン作動活性の臨床活性の理解に関して広く認識されている重要性の他に、もう1つの神経伝達物質系が注目されている。これは、中枢神経系(CNS)のグルタミン酸作動性の神経伝達物質系である。近年、多くの研究者は、認知力の崩壊が統合失調症性障害の形成に基本的な役割を果たしているという意見を持つ傾向にあり(N.C.Andreasen,“Schizophrenia:the fundamental questions,”Brain Res.Rev.,2000,31(2−3):106−12)、グルタミン酸作動系が、理論的だけでなく現実的にも関心がさらに増大しつつある(K.Hashimoto,M.Iyo,“Glutamate hypothesis of schizophrenia and targets for new antipsychotic drugs,”Nihon Shinkei Seishin Yakurigaku Zasshi,2002,22(1):3−13)。グルタミン酸作動性伝達の刺激により、中枢神経系の活性の刺激がもたらされ得るが、ある点において脳に対して毒性効果がもたらされることがあり得る。他方で、グルタミン酸作動系の抑制により、神経保護効果がもたらされ得るが、それとともに認知欠陥がもたらされ得る(S.Heckers,C.Konradi,“Hippocampal neurons in schizophrnia,”J Neural Transm.,2002,109(5−6):891−905)。一部の研究者により、クロザピンの抗欠陥活性の考えられ得る神経化学的機構の1つとしてグルタミン酸作動効果をもたらす能力が提案されている(L.Chen,CR.Yang,“Interaction of dopamine D1 and NMDA receptors mediates acute clozapine potentiation of glutamate EPSPs in rat prefrontal cortex,”J Neurophysiol,2002,87(5):2324−36)。また、グルタミン酸作動系は、脳の他の伝達物質構造体の機能を協調させる役割を担う。この機能は、特に、小脳が(グルタミン酸作動(glutamergic)系が重要な役割を果たす機能発揮において)心理過程の一時的な組織化を構成するという仮想上の能力により発揮され得る(N.C.Andreasen,“Schizophrenia:the fundamental questions,”Brain Res.Rev.2000,31(2−3):106−12)。この機能の制御は、従来の抗精神病薬では、ほとんど達成不可能である。しかしながら、これに関するクロザピンのグルタミン酸活性により、長期の治療課程にわたる特異な臨床活性の説明となるという新たな仮説を立てる機会が得られ(L.Chen,CR.Yang,“Interaction of dopamine D1 and NMDA receptors mediates acute clozapine potentiation of glutamate EPSPs in rat prefrontal cortex,”J.Neurophysiol,2002;87(5):2324−36)、長期間を要する新たな恒常的関係を構築する機会が得られた。ドパミン受容体は即時に遮断されるにもかかわらず、抗精神病薬の臨床効果の最初の徴候(表面に出現する症状の抑制)は、数週間にわたって徐々に現れ、患者の病状の改善には何ヶ月もかかる。
したがって、主な役割がCNSのドパミン作動性神経伝達物質系の機能亢進であり、またセロトニン作動性の伝達物質系における不均衡であるという、相対的にかなり以前に出現し、広く認められている統合失調症の病因論とともに、ごく最近、この疾患の発症における主な役割がCNSのグルタミン酸作動性神経伝達物質系の崩壊によって果たされているという強力な病因論が出現した。統合失調症患者に観察される精神障害の多くの要素は、グルタミン酸作動系の機能低下と関連していると提案されている。統合失調症のグルタミン酸理論を支持するものとして、NMDA受容体イオンチャネル(グルタミン酸受容体の主要サブタイプの1つ)の遮断薬であるフェンシクリジンにより、統合失調症患者の行動と非常に類似した複合的行動症状が、健常志願者において引き起こされる:該志願者は、疎外感、自閉、抑うつ気分を示し、認知問題(試験)を解くことができなくなり、偏奇性となり、発話や思考が乏しくなるという事実が挙げられる。現在、統合失調症のフェンシクリジンモデルは、統合失調症患者の行動に最も近く最も適切であるとみなされている(R.M.Allen,S.J.Young,“Phencyclidine−induced psychosis,” Amer.J.Psych,1976,33:1425−8)。また、他のNMDA受容体イオンチャネル遮断薬(ケタミンなど)およびAMPA遮断薬(MK−801など)によっても同様の効果がもたらされる。統合失調症患者は、脳脊髄液中において、正常人よりも低いグルタミン酸レベルを示すことが示されている。また、その後の研究で、統合失調症患者の脳は、統合失調症を煩っていない患者の脳よりも大径グルタミン酸作動性繊維が30%超多いと同時に、小径グルタミン酸作動性繊維が78%少ないことが示されている。また、統合失調症患者の脳皮質内ではNMDA受容体の数の増加が見られるが、大脳基底核では、グルタミン酸の逆捕捉の減少も見られる。
水素添加ピリド[4,3−b]インドール誘導体の概要
テトラ−およびヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール誘導体類の既知化合物は、広範な生物学的活性を示す。2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール系列では、以下の型の活性:抗ヒスタミン活性(DE1,813,229、1968年12月6日出願;DE1,952,800、1969年10月20日出願)、中枢性抑うつ(central depressive)活性および抗炎症活性(米国特許第3,718,657号、1970年12月3日出願)、神経遮断活性(Herbert C.A.,Plattner S.S.,Welch W.M.,Mol.Pharm.1980,v.l7,N1,p.38−42)などが見出された。2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール誘導体は、向精神活性(Welch W.M.,Harbert C.A.,Weissman A.,Koe B.K.,J.Med.Chem.,1986,Vol.29,No.10,p.2093−2099)、抗攻撃活性、抗不整脈活性および他の型の活性を示す。
テトラ−またはヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール誘導体系の薬物がいくつか知られており、製造されている(ジアゾリン(メブヒドロリン)、ディメボン、ドラスチン、カルビジン(ジカルビン)、ストバジンおよびゲボトロリンなど)。ジアゾリン(2−メチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)(Klyuev M.A.,Drugs,used in “Medical Pract.”,USSR,Moscow,“Meditzina”Publishers,1991,p.512)およびディメボン(2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)(M.D.Mashkovsky,“Medicinal Drugs”in 2 vol.Vol.1,第12版,Moscow,“Meditzina”Publishers,1993、p.383)ならびにドラスチン(2−メチル−8−クロロ−5−[2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)(USAN and USP dictionary of drugs names(United States Adopted Names,1961−1988,current US Pharmacopoeia and National Formula for Drugs and other nonproprietary drug names),1989,第26版,p.196)は、抗ヒスタミン薬として知られており;カルビジン(ジカルビン)(シス(±)−2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)は、抗うつ効果を有する神経遮断剤であり(L.N.Yakhontov,R.G.Glushkov,Synthetic Drugs,A.G.Natradze編,Moscow,“Meditzina”Publishers,1983,p.234−237)、およびその(−)異性体であるストバジンは、抗不整脈薬として知られており(Kitlova M.,Gibela P.,Drimal J.,Bratisl.Lek.Listy,1985,vol.84,No.5,p.542−549);ゲボトロリン8−フルオロ−2−(3−(3−ピリジル)プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩は、抗精神病薬および抗不安薬である(Abou−Gharbi M.,Patel U.R.,Webb M.B.,Moyer J.A.,Ardnee T.H.,J.Med.Chem.,1987,vol.30,p.1818−1823)。ディメボンは、医療において、抗アレルギー薬(本発明者の認証(Certificate)番号1138164,IP Class A61K 31/47,5,C07 D 209/52,1985年2月7日公開)としてロシアで20年以上にわたって使用されている。
特許文献1および特許文献2に記載のように、水素添加ピリド[4,3−b]インドール誘導体(ディメボンなど)は、NMDAアンタゴニスト特性を有し、この特性のため、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療に有用である。特許文献3に記載のように、水素添加ピリド[4,3−b]インドール誘導体(ディメボンなど)は、例えば、加齢随伴もしくは加齢関連症状および/または病変または病状(例えば、皮膚−毛髪外皮における障害、視覚障害および体重減少)の発病および/または発症を遅延させることにより、ヒト用または獣医学用老化防止薬(geroprotector)として有用である。特許文献4に記載のように、水素添加ピリド[4,3−b]インドール誘導体(ディメボンなど)、は、統合失調症の治療および/または予防、および/またはその発病および/または発症の遅延に有用である。米国特許出願第11/543,529号(特許文献5)および同第11/543,341号(特許文献6)には、ハンティングトン病の治療および/または予防、および/またはその進行または発病および/または発症の遅延における使用のための神経保護薬としての水素添加ピリド[4,3−b]インドール誘導体(ディメボンなど)が開示されている。また、ディメボンおよび/またはその性質は、非特許文献1;非特許文献2にも論考されている。
大きな医学的必要性
依然として、統合失調症(その陽性(表面に出現する)、陰性(欠陥性)、および/または認知面を含む)を治療、予防すること、および/またはその発病および/または発症を遅延させるための、さらなる治療剤または代替治療剤に大きな関心および必要性が存在している。好ましくは、新規な治療剤は、統合失調症を有する患者の生活の質を改善するもの、および/または現在利用可能な治療剤と比べて随伴する重症な副作用の数が少ない、または程度が低いものである。
米国特許第6,187,785号明細書 米国特許第7,071,206号明細書 国際公開第2005/055951号パンフレット 国際公開第2007/087425号パンフレット 米国特許出願公開第2007/0117835A1号明細書 米国特許出願公開第2007/0117834A1号明細書
Yu.Ya.Ivanovら,2001;N.N.Lermontovaら,2001 S.O.Bachurinら,2003およびV.V.Grigor’evら,2003
本発明の簡単な概要
水素添加[4,3−b]インドールと抗精神病薬または前述のいずれかのものの薬学的に許容され得る塩を用いて、統合失調症(その陽性面、陰性面および/または認知面を含む)を治療および/または予防するため、および/またはその発病および/または発症を遅延させるための方法、併用療法剤、医薬組成物およびキットを報告する。本発明は、第1の化合物と第2の薬剤を有する併用療法剤であって、第1の化合物が、本明細書において詳述する水素添加[4,3−b]インドールであり、第2の薬剤が抗精神病薬である併用療法剤を包含する。第2の薬剤は、定型抗精神病薬または非定型抗精神病薬または非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せ(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)のいずれかであり得る。本発明は、特に、第1の化合物がディメボン(2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)であり、第2の薬剤が非定型抗精神病薬、例えば限定されないが、リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2,1−b]ピリミジン−4−オン)および/または定型抗精神病薬、特に、パーフェナジン、または前述のいずれかのものの薬学的に許容され得る塩である併用療法剤を包含する。種々の例の一例において、併用療法剤の抗精神病薬成分はは非定型抗精神病薬ではない。
種々の実施形態において、本発明は、個体にディメボンと抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む、(a)統合失調症(その陽性面、陰性面および/または認知面を含む)を、その治療を必要とする個体において治療する方法;(b)統合失調症と診断された個体の統合失調症の進行を遅滞させる方法;または(c)統合失調症を発症するリスクのある個体において統合失調症の発症を予防もしくは遅延させる方法を包含する。種々の例の一例において、本発明の方法では、抗精神病薬が非定型抗精神病薬以外である併用療法剤が使用される。種々の例の一例において、抗精神病薬は非定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬はリスペリドンである。種々の例の一例において、抗精神病薬は定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、定型抗精神病薬は、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される。種々の例の一例において、定型抗精神病薬はパーフェナジンである。種々の例の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せである(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)。種々の例の一例において、抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される非定型抗精神病薬と、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される定型抗精神病薬の組合せである。種々の例の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬リスペリドンと定型抗精神病薬パーフェナジンの組合せである。
種々の例の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の1つ以上の陽性症状を緩和する方法である。種々の例の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の1つ以上の陰性症状を緩和する方法である。種々の例の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の1つ以上の認知症状を緩和する方法である。種々の例の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の1つ以上の解体型症状を緩和する方法である。上記の種々の例の任意の一例において、本発明の方法では、抗精神病薬が非定型抗精神病薬以外である併用療法剤が使用される。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は非定型抗精神病薬である。上記の種々の例の任意の一例において、非定型抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される。上記の種々の例の任意の一例において、非定型抗精神病薬はリスペリドンである。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は定型抗精神病薬である。上記の種々の例の任意の一例において、定型抗精神病薬は、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される。上記の種々の例の任意の一例において、定型抗精神病薬はパーフェナジンである。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せである(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される非定型抗精神病薬と、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される定型抗精神病薬の組合せである。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬リスペリドンと定型抗精神病薬パーフェナジンの組合せである。
種々の例の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の1つ以上の症状を緩和する方法である。種々の例の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陽性および陰性症状を緩和する方法である。種々の例の別の一例において、該方法は、統合失調症の陽性および解体型症状を緩和する方法である。種々の例のまた別の例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陰性および解体型症状を緩和する方法である。種々の例のまた別の例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陽性および/または認知症状を緩和する方法である。種々の例の別の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陰性および/または認知症状を緩和する方法である。種々の例のまた別の例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の解体型および/または認知症状を緩和する方法である。種々の例の別の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陽性、陰性および解体型症状を緩和する方法である。種々の例のまた別の例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陽性、陰性および/または認知症状を緩和する方法である。種々の例の別の一例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陰性、解体型および/または認知症状を緩和する方法である。種々の例のまた別の例において、該方法は、個体に有効量の併用療法剤を投与することにより、統合失調症の陽性、陰性、解体型および/または認知症状を緩和する方法である。上記の種々の例の任意の一例において、本発明の方法では、抗精神病薬が非定型抗精神病薬以外である併用療法剤が使用される。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は非定型抗精神病薬である。上記の種々の例の任意の一例において、非定型抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される。上記の種々の例の任意の一例において、非定型抗精神病薬はリスペリドンである。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は定型抗精神病薬である。上記の種々の例の任意の一例において、定型抗精神病薬は、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される。上記の種々の例の任意の一例において、定型抗精神病薬はパーフェナジンである。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せである(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販);アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される非定型抗精神病薬と、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される定型抗精神病薬の組合せである。上記の種々の例の任意の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬リスペリドンと定型抗精神病薬パーフェナジンの組合せである。
上記の種々の例の任意の一例において、併用療法剤の抗精神病薬は、同等の治療効果を引き出すために、同じ抗精神病薬の単独療法(または非定型抗精神病薬が定型抗精神病薬と共に投与される2剤併用療法)に必要とされる投薬量より少ない投薬量で投与される。
また、本発明は、第1の化合物(ディメボンなど)を抗精神病薬と共に投与することにより、抗精神病薬に対する個体の応答を増強させる方法を包含する。さらに、本発明は、ディメボンと抗精神病薬を含む併用療法剤を投与することにより統合失調症を治療する方法であって、該併用療法剤が統合失調症の陽性、陰性、および/または認知症状の改善に有効な量で投与される方法を含む。特に、本発明は、個体において認知改善を引き出す併用療法剤を包含する。本発明は、同一または同様の被検体において、個別療法/単独療法としての抗精神病薬の使用(および第1の化合物(ディメボンなど)の非存在下)よりも高い程度まで個体の認知能力を増強させる(認知の改善/統合失調症と関連する認知症状の数および/または重症度の低減をもたらす)方法を包含する。
本発明はまた、併用療法剤の医薬組成物(例えば、単位投薬形態)を包含する。本明細書実施形態のいずれか(任意の本明細書に記載の方法など)に適用可能な場合、種々の例の一例において、併用療法剤は、非定型抗精神病薬ではない抗精神病薬が使用されたものである。種々の例の一例において、抗精神病薬は非定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬はリスペリドンである。種々の例の一例において、抗精神病薬は定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、定型抗精神病薬は、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される。種々の例の一例において、定型抗精神病薬はパーフェナジンである。種々の例の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せである(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)。種々の例の一例において、抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される非定型抗精神病薬と、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される定型抗精神病薬の組合せである。種々の例の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬リスペリドンと定型抗精神病薬パーフェナジンの組合せである。
発明の詳細な説明
驚くべきことに、ディメボンと非定型抗精神病薬リスペリドンを含む併用療法剤を、妄想型で慢性経過の統合失調症を有する臨床試験参加者に投与すると、リスペリドン単独(つまり、プラセボ)を受けた患者と比べて、陽性陰性症状評価尺度(PANSS)総合スコアの有意な減少がもたらされた。PANSS陰性変化スコア、特にNSA−16に関するディメボンを受けた患者とプラセボを受けた患者の差の解析により、統合失調症の陰性症状の治療におけるディメボンの有用性が支持される。さらに、そのデータにより、一般的な認知症状に対する有益性もまた示された。特に、ディメボン群は、言語連想記憶、精神運動速度、視覚空間記憶、実行機能−計画面の数、目的のある活動、および活動の結果(失敗の繰り返し)に対するコントロールにおいて有意な改善を示した(ウェクスラー記憶尺度下位検査VII、文章再構成検査、ベントン検査、ブルドン検査、およびロンドン塔検査の結果によって示された(例えば、表3参照))。試験のプラセボ対照比較二重盲検部分は8週間しか継続せず、これは、統合失調症患者の認知の推定増強薬の治験としては短いとみなされる。したがって、この結果は、より長期間で試験した場合、ディメボンが、特に、統合失調症において特に障害される記憶領域と実行機能の領域において、この集団に認知上の有益性をもたらす可能性を示す。
本明細書における使用では、そうでないことが明白に記載されていない限り、用語「a」、「an」などの使用は1つ以上をいう。
本明細書における「約」値またはパラメータに対する言及は、該値またはパラメータそれ自体を指示する実施形態を包含する(および示す)。例えば、「約X」と示す記載は「X」という記載を含む。
本明細書で用いる場合、「併用療法剤(冠詞“the”または“a”を伴うもの)」は、第1の化合物と第2の薬剤を含む治療剤であって、第1の化合物が本明細書に記載の水素添加ピリド[4,3−b]インドールであり、第2の薬剤が抗精神病薬であり、第1の化合物が第2の薬剤とともに使用される治療剤が意図される。リスペリドンとともに使用されるディメボンを含む治療剤は、本発明による併用療法剤の一例である。第2の薬剤「とともの」第1の化合物の投与とは、同じ組成物で、または異なる組成物で逐次、同時もしくは連続的のいずれかでの該化合物の投与を含む。「〜とともの」投与という用語は、第1の化合物(ディメボンなど)と第2の薬剤(リスペリドンまたはパーフェナジンなど)が個体に有効量で投与される任意の状況を包含する。本明細書においてさらに論考するように、第1の化合物と第2の薬剤は、異なる投与頻度および/または投与期間で投与されてもよく、同じ投与経路または異なる投与経路を用いて投与され得ることは理解されよう。例えば、「〜とともの」投与としては、併用療法剤の第1の化合物が1日3回投与され、併用療法剤の第2の薬剤が1日1回投与され、第1の化合物の第1の日用量が第2の薬剤と同時に投与され、第1の化合物の第2および第3の日用量は単独(第2の薬剤の非存在下)で投与される投与レジメンが挙げられる。さらに、投与過程において異なる投与レジメンに変更してもよいことは理解されよう。例えば、ディメボンとリスペリドンを含む併用療法剤において、ディメボンは毎日投与され、リスペリドンは毎週または毎日より短い間隔で投与され得る。あるいはまた、ディメボンが毎週または毎日より短い間隔で投与され得、リスペリドンが毎日投与され得る。種々の例の一部の例において、併用療法剤には、任意選択で、1種類以上の薬学的に許容され得る担体もしくは賦形剤、医薬活性でない化合物、および/または不活性な物質が含まれる。したがって、本発明の併用療法剤における化合物は、各化合物に対して同じまたは異なる投与経路を用いて、逐次、同時または連続的に投与され得る。
また、「第1の化合物(冠詞“the”または“a”を伴うもの)」に対する言及は、本明細書に記載の任意の水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩もしくは他の形態(例えば、化合物ディメボンなど)を包含および言及することは理解されるであろうし、本開示によって明白に伝達されよう。
また、併用療法剤の「第2の薬剤(冠詞“the”または“a”を伴うもの)」に対する言及は、抗精神病薬またはその薬学的に許容され得る塩を包含および言及することは理解されるであろうし、本開示によって明白に伝達されよう。第2の薬剤は、非定型および/または定型抗精神病薬、あるいは非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せ(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)であり得る。
本明細書で用いる場合、用語「統合失調症」は、当該技術分野で知られている統合失調症のあらゆる形態および分類、例えば限定されないが、緊張型、破瓜型、解体型、妄想型、残遺型もしくは鑑別不能型の統合失調症ならびに欠陥症候群および/またはAmerican Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第4版,Washington D.C,2000もしくはInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problemsに記載の型、あるいは当業者にわかる型を包含する。
本明細書で用いる場合、用語「抗精神病薬」は、非定型および/または定型抗精神病薬に言及および包含する。種々の例の一例において、併用療法剤は、非定型抗精神病薬が使用されたものである。種々の例の一例において、併用療法剤は、定型抗精神病薬が使用されたものである。種々の例の一例において、併用療法剤は、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬が使用されたものである。種々の例の特定の例において、併用療法剤は、非定型抗精神病薬以外の抗精神病薬が使用されたものである(種々の例の一例において、非定型抗精神病薬は除外される)。
本明細書で用いる場合、用語「非定型抗精神病薬」は、セロトニン−2A(5−HT2A)受容体とドパミン−2(D2)受容体の活性を低下または消失させる抗精神病薬を包含する。一部の実施形態において、非定型抗精神病薬は、セロトニン−2A(5−HT2A)受容体とドパミン−2(D2)受容体の活性を、非定型抗精神病薬での治療前の同じ被検体の対応する活性と比べて、または非定型抗精神病薬を受けていない他の被検体の対応する活性と比べて少なくとも、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%(任意の数値)低下させるものである。一部の実施形態において、非定型抗精神病薬は、5−HT2A受容体とD2受容体の少なくとも一方の活性部位(例えば、リガンドに対する結合部位)に対する結合能を有するものである。一部の実施形態において、非定型抗精神病薬は、5−HT2A受容体とD2受容体の少なくとも一方のアロステリック部位に対する結合能を有するものである。非定型抗精神病薬と5−HT2A受容体およびD2受容体との相互作用は、可逆的または不可逆的であり得る。一部の実施形態において、非定型抗精神病薬は、運動副作用、例えば、錐体外路系の副作用(EPS)[例えば、静座不能(顕性運動活動増大を伴うことがあり得る不穏状態である不快感)、ジストニー(持続性の筋肉収縮によって捻転または反復性運動または姿勢異常が引き起こされる運動障害)、および/またはパーキンソニズム(硬直、運動緩徐、不安定な姿勢、安静時振せん、仮面様顔貌およびまたは引きずり歩行を特徴とする)]ならびに遅発性ジスキネジー(反復性で不随意の無駄な運動(限定されないが、顔をゆがめる、唇を鳴らす、舌を突き出す、および唇をすぼめるなど))などの量または程度を、同じまたは他の被検体に標準的な用量で投与される定型抗精神病薬と比べて低下させるものである。非定型抗精神病薬の例としては、限定されないが、リスペリドン(Risperdal(商標)として市販)(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2,1−b]ピリミジン−4−オン);クロザピン(Clozaril(商標)として市販)(3−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5H−ベンゾ[c][1,5]ベンゾジアゼピン);N−デスメチルクロザピン(ACP−104としても知られている、クロザピンの主な代謝産物;Acadia Pharmaceuticals;現在、フェーズII臨床試験中);オランザピン(Zyprexa(商標)として市販)(2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5H−チエノ[3,2−c][1,5]ベンゾジアゼピン);クエチアピン(Seroquel(商標)として市販)(2−[2−(4−ベンゾ[b][1,5]ベンゾチアゼピン−6−イルピペラジン−1−イル)エトキシ]エタノール);ペロスピロン(シス−N−[4−[4−(1,2−ベンズ−イソゾール−3−イル)−1−ピペラジニル]ブチル]シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシミド塩酸塩);ジプラシドン(Geodon(商標)として市販)(5−[2−[4−(1,2−ベンゾチアゾール−3−イル)ピペラジン−1−イル]エチル]−6−クロロ−1,3−ジヒドロインドル−2−オン);オランザピン/フルオキセチン(Symbyax商標)として市販)、アリピプラゾール(Abilify(商標)として市販)(7−[4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル]ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン;パリペリドン(Invega(商標)として市販)(3−[2−[4−(6−フルオロベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジル]エチル]−7−ヒドロキシ−4−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.4.0]デカ−3,5−ジエン−2−オン);セルチンドール(Serlect(商標)としても知られている)(1−[2−[4−[5−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)−インドル−3−イル]−1−ピペリジル]エチル]イミダゾリジン−2−オン);ゾテピン(2−((8−クロロジベンゾ(b,f)チエピン−10−イル)オキシ)−N,N−ジメチルエチルアミン);アミスルプリド(4−アミノ−N−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−エチルスルホニル−2−メトキシ−ベンズアミド);ビフェプルノックス(7−[4−[(3−フェニルフェニル)メチル]ピペラジン−1−イル]−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン);アセナピン(トランス−5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンゾ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール);メルペロン(1−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチル−1−ピペリジル)ブタン−1−オン);アバペリドン(7−(3−(4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル)プロピル)−3−(ヒドロキシメチル)クロメン−4−オン);ブロナンセリン(2−(4−エチル−1−ピペラジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ(b)ピリジン);イロペリドン(Zomaril(商標)として市販)(1−[4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロピル]−3−メトキシフェニル]エタノン);ルラシドン(N−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニルメチル)−1−シクロヘキシルメチル)−2,3−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンジカルボキシミド);オカペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]エチル]−2,9−ジメチルピリド[2,1−b]ピリミジン−4−オン);QF−2400B(2−[4−(6−フルオロベンゾイソオキサゾール−3−イル)ピペリジニル]メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−カルバゾール−4−オン);SB−773812(GlaxoSmithKline PLC;現在、フェーズII臨床試験中);ITI−007(Intra−Cellular Therapies,Inc.;現在、フェーズI臨床試験中);およびYKP−1358(SK−BioPharmaceuticals;現在、フェーズI臨床試験中)が挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「定型抗精神病薬」は、主にドパミン−2(D2)受容体の活性を、可逆的または不可逆的様式で低下または消失させる抗精神病薬を包含する。一部の実施形態において、定型抗精神病薬は、D2受容体の活性を、定型抗精神病薬での治療前の同じ被検体の対応する活性と比べて、または定型抗精神病薬を受けていない他の被検体の対応する活性と比べて少なくとも、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%(任意の数値)低下させるものである。一部の実施形態において、定型抗精神病薬は、D2受容体の活性部位(例えば、リガンドに対する結合部位)に対する結合能を有するものである。一部の実施形態において、定型抗精神病薬は、D2受容体のアロステリック部位に対する結合能を有するものである。定型抗精神病薬の例としては、限定されないが、クロルプロマジン(Largactil(商標)もしくはThorazine(商標)として市販)(3−(2−クロロ−10H−フェノチアジン−10−イル)−N,N−ジメチル−プロパン−1−アミン);トリフルオロペラジン塩酸塩(10−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン);フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン(Prolixin(商標)もしくはProlixin Decanoate(商標)として市販)(2−[4−[3−[2−(トリフルオロメチル)−10Η−フェノチアジン−10−イル]プロピル]−ピペラジン−1−イル]エタノール);ハロペリドール(Haldol(商標)もしくはSerenace(商標)として市販)(4−[4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−ピペリジル]−1−(4−フルオロフェニル)−ブタン−1−オン);モリンドン(Moban(商標)として市販)(3−エチル−2−メチル−5−(モルホリン−4−イルメチル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−4H−インドール−4−オン);チオチキセン(Navane(商標)として市販)((Z)−N,N−ジメチル−9−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピリデン]−チオキサンテン−2−スルホンアミド);チオリダジン(Mellaril(商標)として市販)(10−{2−[(RS)−1−メチルピペリジン−2−イル]エチル}−2−メチルスルファニル−フェノチアジン);トリフルオペラジン(Stelazine(商標)として市販)(10−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−2−(トリフルオロメチル)−10H−フェノチアジン);ロクサピン(Loxapac(商標)もしくはLoxitane(商標)として市販)(2−クロロ−11−(4−メチルピペラジン−1−イル)ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン);パーフェナジン(Trilafon(商標)として市販)(2−[4−[3−(2−クロロ−10H−フェノチアジン−10−イル)プロピル]ピペラジン−1−イル]エタノール);プロクロペラジン(Compazine(商標)、Buccastem(商標)、もしくはStematil(商標)として市販)(2−クロロ−10−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピル]−10H−フェノチアジン);ピモジド(Orap(商標)として市販)(1−[1−[4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル]−4−ピペリジニル]−1,3−ジヒドロ−2Η−ベンゾイミダゾール−2−オン);ならびにズクロペンチキソール(Clopixol Dihydrochloride(商標)もしくはClopixol Decanoate(商標)として市販)(シス(Z)−4−[3−(2−クロロチオキサンテン−9−イリデン)プロピル]−1−ピペラジンエタノール)が挙げられる。
本明細書で用いる場合、「治療」または「治療すること」は、有益な結果または所望の結果、例えば、臨床成績(例えば、統合失調症の重症度もしくは持続期間の低減、重症度の安定化、または1つ以上の症状の解消(生化学的、組織学的および/または行動的))を得るためのアプローチである。本発明の解釈上、有益な結果または所望の結果としては、限定されないが、統合失調症と関連する症状の緩和、統合失調症と関連する症状の程度の減弱、統合失調症と関連する症状(例えば、陽性および/または陰性および/または解体型症状)の悪化の予防が挙げられる。治療としては、統合失調症を患っている人の生活の質の向上、統合失調症の治療に必要とされる他の薬物療法剤の用量の低減、統合失調症の進行の遅延および/または統合失調症患者の生存期間の長期化が挙げられる。好ましくは、本明細書に開示した併用療法剤での治療は副作用を全く伴わないか、または抗精神病薬の投与に一般的に伴う副作用(錐体外路系の副作用(EPS)(例えば、静座不能、ジストニー、パーキンソニズム、急性ジスキネジー、および遅発性ジスキネジー)など)よりも副作用が少ない。種々の例の一例において、本発明の併用療法剤での治療により、統合失調症の認知症状の数または程度が、第1の化合物(ディメボンなど)の投与を含まない治療よりも高い程度まで低下または解消される(認知機能障害が緩和される)(例えば、抗精神病薬の個別療法/単独療法または2剤併用療法(非定型抗精神病薬が定型抗精神病薬と共に投与される場合、もしくは2種類以上の非定型あるいは定型抗精神病薬が投与される場合)中である同一または同様の個体と比較した場合)。
本明細書で用いる場合、そうでないことが明白に記載されていない限り、用語「個体」は、哺乳動物、例えば限定されないが、ヒトを意図する。個体は、統合失調症と診断されたヒト、または統合失調症を有することが疑われるヒト、または統合失調症を発症するリスクのあるヒトであり得る。個体は、統合失調症と関連する1つ以上の症状を示すヒトであってもよい。個体は、統合失調症の発症に対して遺伝的素因あるいは別の様式での素因があるヒトであってもよい。種々の例の一例において、個体は、統合失調症様障害と診断されたヒト、または統合失調症様障害を有することが疑われるヒト、または統合失調症様障害を発症するリスクのあるヒトであり得る。種々の例の一例において、個体は、統合失調症様障害と関連する1つ以上の症状を示すヒトであり得る。種々の例の一例において、個体は、統合失調症様障害の発症に対して遺伝的素因あるいは別の様式での素因があるヒトであり得る。種々の例の一例において、個体は、統合失調感情障害と診断されたヒト、または統合失調感情障害を有することが疑われるヒト、または統合失調感情障害を発症するリスクのあるヒトであり得る。種々の例の一例において、個体は、統合失調感情障害と関連する1つ以上の症状を示すヒトであり得る。種々の例の一例において、個体は、統合失調感情障害の発症に対して遺伝的素因あるいは別の様式での素因があるヒトであり得る。
本明細書における使用では、そうでないことが明白に記載されていない限り、併用療法剤は個体に、任意の利用可能な投薬形態によって投与され得る。併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤は、同じまたは異なる投薬形態で投与され得、本発明は、このような種々の投薬形態を包含する。種々の例の一例において、併用療法剤の第1の化合物または第2の薬剤または第1の化合物と第2の薬剤の両方は、個体に、慣用的な即時放出投薬形態として投与される。種々の例の一例において、併用療法剤の第1の化合物または第2の薬剤または第1の化合物と第2の薬剤の両方は、個体に、徐放形態または徐放系の一部として投与される。徐放系は、例えば、個体への該化合物の送達速度を所望の期間持続させることができる系などであり、所望の期間は、対応する即時放出投薬形態が同じ量(例えば、重量基準またはモル基準)の化合物を放出するのに必要とされる期間よりも長い期間などの長期間であり得、数時間または数日間であることもあり得る。所望の持続期間は、投与された化合物の少なくとも薬物排出半減期であり得、例えば、少なくとも約6時間、または少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間、または少なくとも約30時間、または少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約144時間以上の時間であり得、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約8週間、または少なくとも約16週間またはそれ以上であることもあり得る。
用語「有効量」は、その有効性/毒性パラメータとともに、ならびに実務担当専門家の知識に基づいて、所与の治療形態に有効であるはずというような化合物(例えば、本発明の併用療法剤の成分)または併用療法剤の量を意図する。当該技術分野で理解されているように、有効量は1つ以上の用量であってもよい、つまり、所望の治療エンドポイントに達するのに、単回用量または反復用量が必要とされ得る。一部の実施形態において、化合物または併用療法剤の有効量は、5HT2A受容体とD2受容体の活性を低下(例えば、このような活性を、治療前の同じ被検体の対応する活性と比べて、または、併用療法剤を受けていない他の被検体の対応する活性と比べて少なくとも、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%(任意の数値)低下)させるのに充分な量である。この効果の大きさの測定には標準的な方法、例えば、精製酵素を用いたインビトロアッセイ、細胞系アッセイ、動物モデル、またはヒトでの試験などが使用され得る。併用療法剤の有効量は、逐次、同時または連続的に投与すると、所望の転帰がもたらされる第1の化合物の量と第2の薬剤の量を含む。
種々の実施形態において、併用療法剤での治療により、第1の化合物または第2の薬剤いずれか単独の投与と比べて相加的またはさらに相乗的(例えば、相加的より大きな)好結果がもたらされ得る。一部の実施形態において、第1の化合物と第2の薬剤の各々は、個別(非併用)療法に一般的に使用される該成分の各々の量と比べ、より少ない量で併用療法剤の一部として使用される。好ましくは、併用療法剤を使用すると、個々の化合物(併用療法剤の成分)のいずれかを単独使用するよりも同等以上の治療有益性が得られる。一部の実施形態において、併用療法剤の医薬活性化合物を、個別療法に一般的に使用される量よりも少ない量(例えば、低用量または低頻度の投与スケジュール)で用いて同等以上の治療有益性が得られる。好ましくは、抗精神病薬の使用量が少ないことにより、該化合物と関連する1つ以上の副作用の数、重症度、頻度または持続期間の低減がもたらされる。互いに一緒に併用療法剤の一部として投与される化合物のいずれかの好適な用量は、該化合物の複合作用(例えば、相加または相乗効果)により、任意選択で少なくしてもよい。
用語「同時投与」は、本明細書で用いる場合、併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤が、約15分以下(約10分以下、5分以下または1分以下(任意の数値)など)の時間離れて投与されることを意味する。化合物が同時投与される場合、第1の化合物と第2の薬剤は、同じ組成物(例えば、水素添加ピリド[4,3−b]インドール(ディメボンなど)と抗精神病薬(非定型抗精神病薬リスペリドンおよび/またはパーフェナジンなどの定型抗精神病薬など)の両方を含む組成物)中に含めてもよく、別々の組成物中に含めてもよい(例えば、水素添加ピリド[4,3−b]インドール(ディメボンなど)を1つの組成物中に含め、抗精神病薬(非定型抗精神病薬リスペリドンなど)を別の組成物中に含める)。
本明細書で用いる場合、用語「逐次投与」は、併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤が、約15分より長い(約20分以上、30分以上、40分以上、50分以上、60分以上(任意の数値)またはそれ以上長い)時間離れて投与されることを意味する。第1の化合物または第2の薬剤のいずれかが最初に投与され得る。逐次投与のための第1の化合物と第2の薬剤は別々の組成物中に含まれ、該組成物は同じまたは異なるパッケージまたはキット内に含まれ得る。
併用療法剤の化合物/成分は、即時放出形態であれ徐放形態であれ、任意の利用可能な送達経路、例えば、経口、経粘膜(例えば、経鼻、舌下、経膣、口腔内もしくは経直腸)、非経口(例えば、筋肉内、皮下もしくは静脈内)、経表面または経皮送達のための適当な担体を用いて製剤化され得る。該化合物は、送達形態を与えるのに適当な担体を用いて製剤化され得、送達形態は徐放形態であり得るが、そうである必要はなく、限定されないが、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(硬質ゼラチンカプセル剤および軟質弾性ゼラチンカプセル剤など)、カシェ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、ガム、分散剤、座薬、軟膏、パップ剤(湿布)、ペースト剤、粉末剤、包帯剤、クリーム剤、液剤、貼付剤、エーロゾル剤(例えば、経鼻スプレー剤または吸入剤)、ゲル剤、懸濁剤(例えば、水性または非水性の液状懸濁剤、水中油型乳剤または油中水型液状乳剤)、液剤ならびにエリキシル剤が挙げられる。併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤は、同じまたは異なる投薬経路のための適当な担体を用いて製剤化してもよく、同じ投薬経路によって同時投与するために製剤化してもよい。
併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤は、別々に、または活性成分としての該化合物(1種類もしくは複数種)を薬理学的に許容され得る担体(当該技術分野において公知)と合わせることにより、製剤(医薬製剤など)の調製物にて一緒にのいずれかで使用され得る。系の治療剤の形態(例えば、経皮貼付剤か経口錠剤)に応じて、担体は種々の形態であり得る。また、医薬調製物には、保存料、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、調整剤、浸透圧の調整のための塩、緩衝剤、コーティング剤または抗酸化剤が含まれ得る。また、活性成分を含む調製物には、有益な治療特性を有する他の物質を含めてもよい。治療剤の形態は、通常の標準的な用量で提示され得、既知の製薬方法によって調製され得る。好適な製剤は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,PA,第20版(2000)(引用により本明細書に組み込まれる)を見るとよい。
送達形態における併用療法剤の化合物/成分の量は任意の有効量であり得る。種々の例の一例において、併用療法剤は、投薬形態において、約10ng〜約1,500mgまたはそれ以上の量の第1の化合物(ディメボンなど)を含む。種々の例の一例において、投薬形態における第1の化合物(ディメボンなど)は、約10ng〜約1000mg、約10ng〜約500mg、約10ng〜約250mg、約10ng〜約100mg、約10ng〜約50mg、約10ng〜約25mg、約10ng〜約10mg、約10ng〜約5mg、約10ng〜約1mg、約10ng〜約500μg、約10ng〜約250μg、約10ng〜約100μg、約10ng〜約10μg、約10ng〜約5μg、約10ng〜約1μg、約10ng〜約500ng、約10ng〜約250ng、約10ng〜約100ng、約10ng〜約50ng、または約10ng〜約50ngの量である。種々の例の一例において、投薬形態における第1の化合物(ディメボンなど)は、約10ng〜約1000ng、約100ng〜約500ng、約500ng〜約1000ng、約1μg〜約100μg、約10μg〜約1000μg、約100μg〜約500μg、約500μg〜約1000μg、約1mg〜約100mg、約10mg〜100mg、約50mg〜約500mg、約100mg〜500mg、約100mg〜約1000mg、または約500mg〜約1500mgの量である。種々の例の一例において、併用療法剤は、投薬形態において、約10ng〜約1,500mgまたはそれ以上の量の第2の薬剤を含む。種々の例の一例において、第2の薬剤はリスペリドンであり、2mg〜16mg/日の用量で投与される。種々の例の別の一例において、第2の薬剤はリスペリドンであり、筋肉内デポー製剤(例えば、Risperdal Consta)として、2週間ごとに25mg〜50mgの用量で投与される。種々の例の一例において、併用療法剤は、徐放系などの送達形態において第1の化合物としてディメボンを、ディメボン約30mg未満の量で含む。種々の例の一例において、併用療法剤は、多日数でのディメボン投与が可能な単独徐放系であって、ディメボンの日用量が約30mg未満となるような量のディメボンを含む形態などの送達形態において第1の化合物としてディメボンを含む。
即時放出系であれ徐放系であれ、第1の化合物および/または第2の薬剤の併用療法剤の投薬形態を伴う治療レジメンは、第1の化合物および/または第2の薬剤を、個体に約0.1〜約10mg/kg体重の用量で、少なくとも1日1回、治療効果が得られるのに必要とされる期間投与することを伴うものであり得る。種々の例の他の一部の例において、第1の化合物および/または第2の薬剤の日用量(または他の投薬頻度)は、約0.1〜約8mg/kg;または約0.1〜約6mg/kg;または約0.1〜約4mg/kg;または約0.1〜約2mg/kg;または約0.1〜約1mg/kg;または約0.5〜約10mg/kg;または約1〜約10mg/kg;または約2〜約10mg/kg;または約4〜約10mg/kg;または約6〜約10mg/kg;または約8〜約10mg/kg;または約0.1〜約5mg/kg;または約0.1〜約4mg/kg;または約0.5〜約5mg/kg;または約1〜約5mg/kg;または約1〜約4mg/kg;または約2〜約4mg/kg;または約1〜約3mg/kg;または約1.5〜約3mg/kg;または約2〜約3mg/kg;または約0.01〜約10mg/kg;または約0.01〜4mg/kg;または約0.01mg/kg〜2mg/kg;または約0.05〜10mg/kg;または約0.05〜8mg/kg;または約0.05〜4mg/kg;または約0.05〜4mg/kg;または約0.05〜約3mg/kg;または約10kg〜約50kg;または約10〜約100mg/kgもしくは約10〜約250mg/kg;または約50〜約100mg/kgもしくは約50〜200mg/kg;または約100〜約200mg/kgもしくは約200〜約500mg/kg;または約100mg/kgを超える投薬量;または約500mg/kgを超える投薬量である。一部の実施形態において、併用療法剤の第1の化合物としてのディメボンの日投薬量が投与され、例えば、ディメボンの日投薬量は約0.1mg未満/kg(限定されないが、約0.05mg/kgの日投薬量が挙げられ得る)である。種々の例の一例において、第1の化合物(ディメボンなど)の日用量(重量基準)は、第2の薬剤の日用量(重量基準)の約10倍である。例えば、種々の例の一例において、併用療法は、ディメボンを約60mgの日用量で、およびリスペリドンを約6mgの日用量で投与することを伴うものである。
併用療法剤は個体に、有効な投与レジメンに従って、所望の期間または持続期間(少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、もしくは少なくとも約12ヶ月など、またはそれ以上)投与され得る。種々の例の一例において、併用療法剤は、個体の一生の間、毎日または断続的なスケジュールで投与される。
併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、週に約1回の投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、1日に約1回の投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、週に約1回より多い投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、1日3回より少ない投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、1日に約3回より少ない投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、週に約3回の投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、週に約4回の投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、週に約2回の投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、週に約1回より多い投与であるがほぼ毎日よりは少ない投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、1ヶ月に約1回の投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、週に約2回の投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は、1ヶ月に約1回より多い投与であるが、週に約1回より少ない投与であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は断続的(例えば、1日1回の投与を7日間の後、投与なしを7日間、任意の14日間(約2ヶ月、約4ヶ月、約6ヶ月など、またはそれ以上)反復)であり得る。併用療法剤の第1の化合物および/または第2の薬剤の投与頻度は連続的(例えば、週1回の投与を連続数週間)であり得る。任意の投与頻度において、本明細書に記載の任意の化合物が本明細書に記載の任意の投薬量とともに使用され得、例えば、併用療法剤の第1の化合物の投与頻度は、0.1mg未満/kgまたは約0.05mg未満/kgのディメボンの1日1回の投薬であり得る。種々の例の一例において、第1の化合物の投与は1日3回であり、第2の薬剤は1日1回である。種々の例の特定の一例において、併用療法は、1日3回(例えば、約20mgを1日3回投与)のディメボンの投与、および1日1回(例えば、約6mgを1日1回投与)のリスペリドンの投与を伴うものである。
統合失調症の治療方法
本明細書に記載の水素添加ピリド[4,3−b]インドールおよび抗精神病薬は、統合失調症(その陽性、陰性、および/または認知症状を含む)の治療および/または予防するため、および/またはその発病および/または発症を遅延させるための併用療法剤にて使用され得る。実施例1に示すように、代表的な水素添加ピリド[4,3−b]インドールであるディメボンは、培養ラット海馬ニューロンにおいて、NMDA誘導性電流に対するMK−801の遮断効果を低減することができる。水素添加ピリド[4,3−b]インドールが統合失調症を治療および/または予防する、および/またはその発病および/または発症を遅延させる能力を調べるための例示的な方法を、実施例2および3に記載する。該併用療法剤を伴う現在継続中のヒトでの試験を実施例4に記載する。
驚くべきことに、ディメボンは、NMDA受容体遮断薬であるが、NMDA受容体に対するMK−801の遮断活性を低下させることもできるものであり得ることがわかった。フェンシクリジンとMK−801は、NMDA受容体の同じチャネル内セグメントに対して競合することにより同じ機構に従って作用することがわかったため、本明細書に記載の第1の化合物(ディメボンなど)は、まさに同じ様式でNMDA受容体に対するフェンシクリジンの遮断効果を低下させると予測される。フェンシクリジンの精神異常作用性は、NMDA受容体イオンチャネル内の特定のセグメントに安定的に結合して該イオンチャネルを通るイオン電流を遮断する自身の能力によるものであるため、本明細書に記載の化合物(式(1)、(2)、(A)または(B)のものなど)のこの遮断効果に着目することにより、フェンシクリジンの精神異常作用性の低減がもたらされるはずである。
非定型および定型抗精神病薬は、統合失調症の治療における有用性が見い出されている。例えば、リスペリドンは、米国で統合失調症の治療に関して承認されている非定型抗精神病薬である。リスペリドンは、錠剤(0.25mg〜4mgの範囲の強度で)、経口液剤(1mg/mLなど)、および崩壊性錠剤(0.5〜4mgの範囲の強度などで)として入手可能である。しかしながら、非定型抗精神病薬の使用、副作用(遅発性ジスキネジーおよび錐体外路症状(ESP)(これらは、不随意運動、ならびに体重増加、メタボリックシンドローム、QT間隔の延長、低血圧、鎮静、および神経遮断薬性悪性症候群を特徴とする)が引き起こされる可能性など)が伴わないことはない。また、一部の特定の非定型抗精神病薬は、特定の患者集団に使用が限定されることがあり得る。
第1の化合物と第2の薬剤を含み、第1の化合物が水素添加ピリド[4,3−b]インドール、特に化合物ディメボンであり、第2の薬剤が抗精神病薬である併用療法剤は、統合失調症の治療、予防および/またはその発病および/または発症の遅延に対して増強された活性を有するものであり得る。特に、本発明の併用療法剤は、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩を、統合失調症の治療、予防および/またはその発病および/または発症の遅延に有用な抗精神病薬とともに含むものである。かかる併用療法剤が使用される方法は、併用療法剤の化合物いずれか単独の投与と比べて相加的またはさらに相乗的(例えば、相加的より大きな)好脚気をもたらすものであり得る。
種々の例の一例において、第1の化合物と第2の薬剤を含む併用療法剤では、必要とされる個々の化合物の用量が、個々の化合物が単独で投与される場合に必要であろう量よりも少ない。この投薬量の減少により、該併用療法剤と関連する副作用が低減され得、患者のコンプライアンスが大きくなり、これは、統合失調症の患者集団にとって非常に望ましい。したがって、一部の実施形態において、併用療法剤の一部として使用される各医薬活性化合物の量は、個別療法に一般的に使用される量と比べて少ない。一部の実施形態において、併用療法剤の医薬活性化合物を、個別療法に一般的に使用される量よりも少ない量(例えば、低用量または低頻度の投与スケジュール)で用いて同等以上の治療有益性が得られる。好ましくは、抗精神病薬の使用量が少ないことにより、該化合物と関連する1つ以上の副作用の数、重症度、頻度または持続期間の低減がもたらされる。
したがって、本発明は、併用療法剤のさまざまな使用方法(本開示の「本発明の簡単な概要」および別の箇所に記載のものなど)を提供する。例えば、一実施形態において、本発明は、統合失調症を、その治療を必要とする個体において治療する方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、統合失調症の発症のリスクがあるとみなされる個体(例えば、1名以上の家族構成員が統合失調症を有したことがある個体、または統合失調症と関連する遺伝子変異を有すると診断された個体、または統合失調症の発病と整合する行動を示す個体)の統合失調症の発病および/または発症を遅延させる方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、統合失調症の発症に対して遺伝的素因がある個体において統合失調症の発病および/または発症を遅延させる方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、統合失調症と関連する変異遺伝子または異常遺伝子(NRG1またはDTNBP1遺伝子など)を有するが統合失調症と診断されなかった個体において統合失調症の発病および/または発症を遅延させる方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、統合失調症の発症に対して遺伝的素因がある個体、または統合失調症と関連する変異遺伝子または異常遺伝子を有するが統合失調症と診断されなかった個体において統合失調症の発病および/または発症を予防する方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、統合失調症の発症に対して遺伝的素因があると特定されない個体において統合失調症の発病および/または発症を予防する方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、統合失調症と診断された個体の統合失調症の症状の強度または重症度を低減する方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、統合失調症と診断された個体の生活の質を向上させる方法であって、個体に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む方法を提供する。種々の例の一例において、該方法は、記載の任意の方法、例えば、統合失調症の治療および/または予防および/またはその発病もしくは発症の遅延における使用のための併用療法用の医薬の製造を含む。種々の例の一例において、本発明の方法では、抗精神病薬が非定型抗精神病薬以外である併用療法剤が使用される。種々の例の一例において、抗精神病薬は非定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬はリスペリドンである。種々の例の一例において、抗精神病薬は定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、定型抗精神病薬は、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される。種々の例の一例において、定型抗精神病薬はパーフェナジンである。種々の例の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せである(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)。種々の例の一例において、抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される非定型抗精神病薬と、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される定型抗精神病薬の組合せである。種々の例の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬リスペリドンと定型抗精神病薬パーフェナジンの組合せである。
したがって、本発明は、個体が統合失調症を有する(または有することが疑われる)場合に、水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)と抗精神病薬(リスペリドンおよび/またはパーフェナジンなど)を投与することを含む、統合失調症の治療方法を提供する。リスペリドンおよび/またはパーフェナジンなどの抗精神病薬を投与する方法は、当該技術分野で知られている。抗精神病薬の投薬量の低減(これにより、該薬物の投与に対する依存性が低減され、結果として該薬物の投与が遅延される)は、例えば、一般的に経時的に投与される当該技術分野で知られた既知および/または確立された投薬量(量および/または期間に関する)平均と比較することによりアッセイされ得る。
別の態様において、本発明は、有効量の水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(ディメボンなど)を抗精神病薬とともに投与することを含む、抗精神病薬での統合失調症の治療を増強させる方法を提供する。治療の増強は、併用療法剤を受けた個体の既知のパラメータおよび/または指標(症状の数および/または重症度、および/または臨床的および/または心理測定的および/または神経認知および/または生物学的マーカーまたは評価など)を、抗精神病薬単独療法を受けた、または本明細書に記載の第1の化合物を含む併用療法剤を受けていない同一または同様の個体の同じパラメータおよび/または指標と比較して評価することによりアッセイされ得る。
本明細書に開示した方法、製剤、キットおよび発明における使用のための水素添加ピリド[4,3−b]インドール化合物
特定の数の炭素を有する有機残基または有機部分に言及している場合、特に明白な記載のない限り、そのあらゆる幾何異性体および他の異性体が意図される。例えば、「ブチル」は、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルを包含し、「プロピル」は、n−プロピルおよびイソプロピルを包含する。
用語「アルキル」は、直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素構造およびその組合せを意図および包含する。好ましいアルキル基は、20個の炭素原子(C20)またはそれ以下の炭素原子を有するものである。より好ましいアルキル基は、15個より少ない、または10個より少ない、または8個より少ない炭素原子を有するものである。
用語「低級アルキル」は、炭素数が1〜5のアルキル基をいう。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−およびt−ブチルなどが挙げられる。低級アルキルは、アルキルのサブセットである。
用語「アリール」または(「Ar」)は、炭素数が6〜14の不飽和芳香族炭素環式基であって、単一の環を有するもの(例えば、フェニル)、または多重縮合環を有する(例えば、ナフチルもしくはアントリル、該縮合環は、芳香族(例えば、2−ベンゾオキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾオキサジン(benzoxain)−3(4H)−オン−7−イル)などであってもそうでなくてもよい)を有するものをいう。好ましいアリールとしては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
用語「ヘテロアリール」は、2〜10個の炭素原子と、酸素、窒素および硫黄から選択される該環内の1〜4個のヘテロ原子との芳香族炭素環式基をいう。かかるヘテロアリール基は、単一の環を有するもの(例えば、ピリジルまたはフリル)であってもよく、多重縮合環を有するもの(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)であってもよい。ヘテロアリール残基の例としては、例えば、イミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チオフェンイル、チアゾリル、フラニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラゾリルおよびピラゾリルが挙げられる。
用語「アラルキル」は、アリール部分が親構造にアルキル残基によって結合されている残基をいう。例は、ベンジル、フェネチルなどである。
用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール部分が親構造にアルキル残基によって結合されている残基をいう。例としては、フラニルメチル、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチルなどが挙げられる。
用語「置換ヘテロアラルキル」は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ、アリール、カルボキシル、ハロ、ニトロおよびアミノからなる群より選択される残基などの1〜3個の置換基で置換されたヘテロアリール基をいう。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。
水素添加ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩(その酸塩もしくは塩基の塩など)は、水素添加ピリド[4,3−b]インドールと抗精神病薬を含む併用療法剤の第1の化合物である。水素添加ピリド[4,3−b]インドールは、テトラヒドロピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩であり得る。また、水素添加ピリド[4,3−b]インドールは、ヘキサヒドロピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩であり得る。水素添加ピリド[4,3−b]インドール化合物は、1〜3個の置換基で置換されたものであり得るが、非置換水素添加ピリド[4,3−b]インドール化合物、または3個より多くの置換基を有する水素添加ピリド[4,3−b]インドール化合物も想定される。好適な置換基としては、限定されないが、アルキル、低級アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、置換ヘテロアラルキル、およびハロが挙げられる。
具体的な水素添加ピリド[4,3−b]インドールは、式AおよびB:
Figure 2010535220
(式中、Rは、アルキル、低級アルキルおよびアラルキルからなる群より選択され、Rは、水素、アラルキルおよび置換ヘテロアラルキルからなる群より選択され;Rは、水素、アルキル、低級アルキルおよびハロからなる群より選択される)
で例示されるものである。
種々の例の一例において、Rはアルキル、例えば、C〜C15アルキル、C10〜C15アルキル、C〜C10アルキル、C〜C15アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜C15アルキル、C15〜C20アルキル;C〜CアルキルおよびC〜Cアルキルからなる群より選択されるアルキルなどである。種々の例の一例において、Rはアラルキルである。種々の例の一例において、Rは低級アルキル、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルからなる群より選択される低級アルキルなどである。
種々の例の一例において、Rは直鎖のアルキル基である。種々の例の一例において、Rは分枝鎖のアルキル基である。種々の例の一例において、Rは環状のアルキル基である。
種々の例の一例において、Rはメチルである。種々の例の一例において、Rはエチルである。種々の例の一例において、Rはメチルまたはエチルである。種々の例の一例において、Rはメチルまたはアラルキル基(ベンジルなど)である。種々の例の一例において、Rはエチルまたはアラルキル基(ベンジルなど)である。
種々の例の一例において、Rはアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、先の段落で挙げた任意のアルキルまたは低級アルキル置換基がアリール基でさらに置換されたアラルキル基である(例えば、Ar−C〜Cアルキル、Ar−C〜CアルキルまたはAr−C〜C15アルキル)。種々の例の一例において、Rは、先の段落で挙げた任意のアルキルまたは低級アルキル置換基が単環アリール残基で置換されたアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、先の段落で挙げた任意のアルキルまたは低級アルキル置換基がフェニル基でさらに置換されたアラルキル基である(例えば、Ph−C〜CアルキルまたはPh−C〜Cアルキル、Ph−C〜C15アルキル)。種々の例の一例において、Rはベンジルである。
の可変部はすべて、RおよびRに関して以下に記載する任意の可変部と組み合わされることを意図し、本明細書において明示し、R、RおよびRの組合せの1つ1つを具体的かつ個々に挙げているものとする。
種々の例の一例において、RはHである。種々の例の一例において、Rはアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは水素またはアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは水素または置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、アラルキル基または置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、水素、アラルキル基および置換ヘテロアラルキル基からなる群より選択される。
種々の例の一例において、Rはアラルキル基であり、該Rは、上記のRについて記載の任意のアラルキル基であり得、Rに関して挙げたアラルキル可変部の1つ1つをRに関して独立して個々に挙げているものとする。
種々の例の一例において、Rは、ヘテロアラルキルのアルキル部分が、Rに関して上記のものなどの任意のアルキルまたは低級アルキル基であり得る置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、ヘテロアリール基が1〜3個のC〜Cアルキル置換基で置換された置換ヘテロアラルキルである(例えば、6−メチル−3−ピリジルエチル)。種々の例の一例において、Rは、ヘテロアリール基が1〜3個のメチル基で置換された置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、ヘテロアリール基が1個の低級アルキル置換基で置換された置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、ヘテロアリール基が1個のC〜Cアルキル置換基で置換された置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、ヘテロアリール基が1個または2個のメチル基で置換された置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の一例において、Rは、ヘテロアリール基が1個のメチル基で置換された置換ヘテロアラルキル基である。
種々の例の他の一部の例において、Rは、ヘテロアラルキル基のヘテロアリール部分が単環ヘテロアリール基である、すぐ前の段落の任意の置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の他の一部の例において、Rは、ヘテロアラルキル基のヘテロアリール部分が多重縮合環ヘテロアリール基である、すぐ前の段落の任意の置換ヘテロアラルキル基である。種々の例の他の一部の例において、Rは、ヘテロアラルキル部分がピリジル基(Py)である、すぐ前の段落の任意の置換ヘテロアラルキル基である。
種々の例の一例において、Rは6−CH−3−Py−(CH−である。
種々の例の一例において、Rは水素である。種々の例の他の一部の例において、Rは、上記のRについて記載の任意のアルキル基であり、Rに関して挙げたアルキル可変部の1つ1つをRに関して独立して個々に挙げているものとする。種々の例の別の一例において、Rはハロ基である。種々の例の一例において、Rは水素またはアルキル基である。種々の例の一例において、Rはハロまたはアルキル基である。種々の例の一例において、Rは水素またはハロ基である。種々の例の一例において、Rは、水素、アルキルおよびハロからなる群より選択される。種々の例の一例において、RはBrである。種々の例の一例において、RはIである。種々の例の一例において、RはFである。種々の例の一例において、RはClである。
種々の例の特定の例において、水素添加ピリド[4,3−b]インドールは、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールまたはその薬学的に許容され得る塩である。
水素添加ピリド[4,3−b]インドールは、当業者にはすぐわかるその薬学的に許容され得る塩の形態であり得る。薬学的に許容され得る塩としては、薬学的に許容され得る酸性塩が挙げられる。具体的な薬学的に許容され得る塩の例としては、塩酸塩または二塩酸塩が挙げられる。種々の例の特定の例において、水素添加ピリド[4,3−b]インドールは、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールの薬学的に許容され得る塩、例えば、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩(ディメボン)などである。
また、具体的な水素添加ピリド−([4,3−b])インドールは、式(1)または式(2):
Figure 2010535220
で示されるものであってもよい。
一般式(1)または(2)の化合物について、Rは、−CH、CHCH−またはPhCH−(ベンジル)を表し;Rは、−H、PhCH−または6−CH−3−Py−(CH−であり;Rは、−H、−CHまたは−Brであり、前述の置換基は任意の組合せである。式(1)および(2)の置換基は、あらゆる可能な組合せが具体的かつ個々の化合物として想定され、1つ1つの各化合物を化学名によって挙げているものとする。また、上記の置換基群から1つ以上の可能な部分の任意のものが削除された式(1)または(2)の化合物も想定される(例えば、Rが−CHを表し;Rが、−H、PhCH−または6−CH−3−Py−(CH−であり;Rが−H、−CHまたは−Brであるもの、またはRが−CHを表し;Rが6−CH−3−Py−(CH−であり;Rが、−H、−CHまたは−Brを表すもの)。
本明細書における上記および任意の化合物は、薬学的に許容され得る酸との塩の形態、および第4級化誘導体の形態であり得る。
該化合物は、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−CHである式(1)であり得る。種々の例の一例において、該化合物は、置換基が、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−CHであるという条件でない式(1)のものである。該化合物は、Rが、−CH、CHCH−またはPhCH−を表し;Rが、−H、PhCH−または6−CH−3−Py−(CH−であり;Rが、−H、−CHまたは−Brである式(2)であり得る。該化合物は、Rが、CHCH−またはPhCH−であり、Rが−Hであり、Rが−Hである式(2);またはRが−CHであり、RがPhCH−であり、Rが−CHである化合物;またはRが−CHであり、Rが6−CH−3−Py−(CH−であり、Rが−CHである化合物;またはRが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−Hまたは−CHである化合物;またはRが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−Brである化合物であり得る。
文献により知られた化合物で、本明細書に開示した方法に使用され得るものとしては、以下の具体的な化合物:
1.シス(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩;
2.2−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;
3.2−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;
4.2,8−ジメチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩;
5.2−メチル−5−(2−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびそのセスキ硫酸塩;
6.2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩(ディメボン);
7.2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;
8.2,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびそのメチルヨウ化物;
9.2−メチル−8−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその塩酸塩
が挙げられる。
種々の例の一例において、該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが、低級アルキルもしくはベンジルから選択され;Rが、水素、ベンジルもしくは6−CH−3−Py−(CH−から選択され、Rが、水素、低級アルキルもしくはハロから選択されるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩である。種々の例の別の一例では、Rが、−CH、CHCH−もしくはベンジルから選択され;Rが、−H、ベンジルもしくは6−CH−3−Py−(CH−から選択され;Rが、−H、−CHもしくは−Brから選択されるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩である。種々の例の別の一例において、該化合物は、シス(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール(ラセミ混合物または実質的に純粋な(+)もしくは実質的に純粋な(−)形態);2−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2,8−ジメチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2−メチル−5−(2−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;または2−メチル−8−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、または前述のいずれかのものの任意の薬学的に許容され得る塩からなる群より選択されるものである。種々の例の一例において、該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−CHであるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩である。該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが、CHCH−もしくはベンジルであり、Rが−Hであり、Rが−CHであるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩であり得る。該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが−CHであり、Rがベンジルであり、Rが−CHであるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩であり得る。該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが−CHであり、Rが6−CH−3−Py−(CH−であり、Rが−Hであるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩であり得る。該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが6−CH−3−Py−(CH−であるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩であり得る。該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−Hもしくは−CHであるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩であり得る。該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−Brであるもの、またはその任意の薬学的に許容され得る塩であり得る。該化合物は、式AまたはBのものであって、Rが、低級アルキルまたはアラルキルから選択され、Rが、水素、アラルキルまたは置換ヘテロアラルキルから選択され、Rが、水素、低級アルキルまたはハロから選択されるものであり得る。
本組成物、キットおよび方法における使用のための該化合物は、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールまたはその任意の薬学的に許容され得る塩(その酸性塩、塩酸塩または二塩酸塩など)であり得る。
ピリド[4,3−b]インドール環構造内に2つの立体中心(例えば、化合物(I)の炭素4aと9b)を有する本明細書に開示した化合物はいずれも、その立体中心がシスまたはトランス型である化合物を包含する。組成物は、実質的に純粋な形態のかかる化合物を含むものであり得る(実質的に純粋なS,SまたはR,RまたはS,RまたはR,S化合物の組成物など)。実質的に純粋な化合物の組成物とは、組成物中に含まれる異なる立体化学形態の該化合物である不純物が、15%以下、または10%以下、または5%以下、または3%以下、または1%以下であることを意味する。例えば、実質的に純粋なS,S化合物の組成物とは、組成物中に含まれるR,RまたはS,RまたはR,S形態の該化合物が、15%以下、または10%以下、または5%以下、または3%以下、または1%以下であることを意味する。組成物は、かかる立体異性体の混合物としての該化合物を含むものであり得、該混合物は、等量または不等量のエナンチオマー(例えば、S,SおよびR,R)またはジアステレオマー(例えば、S,SおよびR,SもしくはS,R)であり得る。組成物は、2種類または3種類または4種類のかかる立体異性体の任意の立体異性体比での混合物としての該化合物を含むものであり得る。ピリド[4,3−b]インドール環構造内以外に立体中心を有する本明細書に開示した化合物は、かかる化合物のあらゆる立体化学的異型、例えば限定されないが、任意の比でのエナンチオマーおよびジアステレオマーを意図し、ラセミ混合物およびエナンチオマー過剰(enantioenriched)混合物および他の可能な混合物を包含する。構造の立体化学配置を明白に示していない限り、該構造は、記載の化合物の可能なあらゆる立体異性体を包含することが意図される。
シス(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩の合成および神経弛緩性に関する試験は、例えば、以下の刊行物:Yakhontov,L.N.,Glushkov,R.G.,Synthetic therapeutic drugs.A.G.Natradze編集,Moscow Medicina,1983,p.234−237に報告されている。文献により公知の上記の化合物2、8および9の合成、ならびにそのセロトニンアンタゴニストとしての性質に関するデータは、例えば、C.J.Cattanach,A.Cohen & B.H.Brown in J.Chem.Soc.(Ser.C)1968,p.1235−1243に報告されている。文献により公知の上記の化合物3の合成は、例えば、論文N.P.Buu−Hoi,O.Roussel,P.Jacquignon,J.Chem.Soc,1964,N 2,p.708−711に報告されている。N.F.KucherovaおよびN.K.Kochetkov(General chemistry(ロシア語),1956,v.26,p.3149−3154)には、文献により公知の上記の化合物4の合成が記載されている。文献により公知の上記の化合物5および6の合成は、A.N.Kost,M.A.Yurovskaya,T.V.Mel’nikova,in Chemistry of heterocyclic compounds,1973,N 2,p.207−212による論文に記載されている。文献により公知の上記の化合物7の合成は、U,Horlein in Chem.Ber.,1954,Bd.87,hft 4,463−p.472に記載されている。M.YurovskayaおよびI.L.Rodionov in Chemistry of heterocyclic compounds(1981,N 8,p.1072−1078)には、上記の化合物8のメチルヨウ化物の合成が記載されている。
併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤は、薬学的に許容され得る担体と共に併用され得、併用療法剤を含む医薬組成物が意図される。
本発明はまた、併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤を単位投薬形態内に存在させた併用療法剤単位投薬形態を包含する。本明細書で用いる場合、用語「単位投薬形態」は、所定の用量の第1の化合物(ディメボンなど)と所定の用量の第2の薬剤(リスペリドンなど)を含む併用療法剤製剤をいう。併用療法剤単位投薬形態の第1の化合物と第2の薬剤は、統合失調症の治療に有効な量で存在させる。
さらに、本発明は、本明細書に記載の併用療法剤を備えたキットを提供する。キットは、併用療法剤の第1の化合物と第2の薬剤を、単位投薬形態(例えば、投薬形態がディメボンと抗精神病薬(リスペリドンおよび/またはパーフェナジンなど)の両方を含む)として含むものであってもよく、別々の投薬形態(例えば、ディメボンを1つの投薬形態に含め、抗精神病薬(リスペリドンおよび/またはパーフェナジンなど)を別の投薬形態に含まれる)として含むものであってもよい。また、キットには使用のための使用説明書が含まれる。種々の例の一例において、キットは、(a)ディメボン、(b)抗精神病薬;および(c)統合失調症の治療、予防、進行の遅滞または発病および/または発症の遅延における使用のための使用説明書を備えたものである。種々の例の一例において、抗精神病薬は非定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される。種々の例の一例において、非定型抗精神病薬はリスペリドンである。種々の例の一例において、抗精神病薬は定型抗精神病薬である。種々の例の一例において、定型抗精神病薬は、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される。種々の例の一例において、定型抗精神病薬はパーフェナジンである。種々の例の一例において、キットは、ディメボンとリスペリドンを使用するものである。種々の例の一例において、キットは、ディメボンとパーフェナジンを使用するものである。種々の例の一例において、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬と定型抗精神病薬の組合せである(この場合、第2の薬剤は、少なくとも2種類の異なる化合物を含むものであり得る)。種々の例の一例において、抗精神病薬は、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される非定型抗精神病薬と、クロルプロマジン、トリフルオロペラジン塩酸塩、フルフェナジンHClまたはデカン酸フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロクサピン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールからなる群より選択される定型抗精神病薬の組合せである。種々の例の一例において、キットは、ディメボンと、非定型抗精神病薬リスペリドンおよび定型抗精神病薬パーフェナジンの組合せとを使用するものである。キットは、本明細書に記載の使用法の任意の1つ以上に使用され得、したがって、記載の使用法(例えば、統合失調症の治療および/または予防するため、および/またはその発病および/または発症を遅延させるため)の任意の1つ以上のための使用説明書が含まれ得る。
キットは、一般的に適当なパッケージ材料を備えている。キットは、本明細書に記載の任意の化合物または併用療法剤を備えた1つ以上の容器を備えたものであり得る。各成分(1種類より多くの成分がある場合)を別々の容器内にパッケージングされてもよく、いくつかの成分を、交差反応性と貯蔵寿命が許容される1つの容器内に合わせてもよい。
キットには、任意選択で1組の使用説明書が含まれ得、使用説明書は、一般的には書面であるが、使用説明書を入れた電子保存媒体(例えば、磁気ディスケットまたは光ディスク)もまた許容され得、本発明の方法(例えば、統合失調症の治療、予防、および/またはその発病および/または発症の遅延)の成分(1種類または複数種)の使用に関するものである。キットに含める使用説明書には、一般的に、成分およびその個体への投与に関する情報が含まれている。
以下の例は、例示のために提供し、本発明を限定しない。
本明細書に開示したすべての参考文献は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
実施例1.化合物のNMDA誘導性電流の遮断特性の評価方法
式:
Figure 2010535220
の2,8−ジメチル−5−[2−(6−メチルピリジル−3)エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩である薬物「ディメボン」を、本明細書に記載の化合物の代表例として採用した。
実験は、ラット脳皮質の新鮮単離ニューロン、または培養ラット海馬ニューロンでのパッチクランプ法によって行なった。培養のためのニューロンは、新生仔ラット(1〜2日)の海馬から、トリプシン処理の後、ピペットを使用する方法によって採取した。培養培地中に懸濁させた細胞を3mLの量で、ポリ−L−リシンでコートしたガラスを最初に配置しておいた6ウェルプランシェット(planchette)(Nunc)のウェル内またはペトリ皿に入れた。細胞濃度は、概ね2.5×10−6〜5×10−6細胞/mLとした。培養培地は、10%ウシ血清、2mMのグルタミン、50μg/mLのゲンタマイシン、15mMのグルコースおよび20mMのKClを補給し、NaHCOを用いてpHを7.0〜7.4にしたイーグル最少倍培地およびDME/F12培地(1:1)からなるものとした。培養物を含むプランシェットを37℃および100%湿度のCOインキュベータ内に入れた。シトシンアラビノシド(10〜20μL)を培養の第2日目と第3日目に添加した。6〜7日間の培養後、その後の実験に応じて、培地への1mg/mLのグルコースの添加、または培地の交換を行なった。培養海馬ニューロンは、0.4mL容の作業用チャンバ内に入れた。作業用溶液は、以下の組成:150.0mMのNaCl、5.0mMのKCl、2.6mMのCaCl、2.0mMのMgSO×7HO、10mMのHEPES、および15.0mMのグルコース(pH7.36)を有するものとした。
NMDAの適用によって生じた膜通過電流を、細胞構造全体においてパッチクランプ電気生理学法によって記録した。物質の適用は、急速過融解法によって行なった。電流は、以下の組成物:100.0mMのKCl、11.0mMのEGTA、1.0mMのCaCl、1.0mMのMgCl、10.0mMのHEPES、および5.0mMのATP(pH7.2)を充填したホウケイ酸塩微小電極(抵抗3.0〜4.5mOhm)の補助によって記録した。記録には、EPC−9装置(HEKA,Germany)を使用した。パルスプログラム(これもHEKAから購入)を使用し、電流をPentium(登録商標)−IV PCのハードディスクに記録した。Pulsefitプログラム(HEKA)の補助により結果を解析した。
NMDAの適用により、培養海馬ニューロン中に流入電流が誘導された。ディメボンは、NMDAの適用によって生じた電流に対して遮断効果を有した。ディメボンのIC50は、6.0〜10μMで異なり、平均7.7±1.9μMであった。また、MK−801によってもNMDA誘導性電流の遮断がもたらされた。この遮断は、明白な「使用依存性」を有した。すなわち、MK−801によってもたらされる遮断効果の大きさは、アゴニスト、つまりNMDAの先の効果に依存性であり、遮断効果は、MK−801の濃度に依存性のある最終値までの該アゴニストの一連の連続適用で増大した。1μmのMK−801により、70±15%のNMDA誘導性電流の遮断がもたらされた。10μMの濃度のディメボンを含有する溶液でニューロンを事前に灌流すると、MK−801の遮断効果が40±18%に低下した。比較のため、NMDA受容体の競合アンタゴニストであるD−AP5(D−2−アミノ−5−ホスホノ吉草酸−選択NMDA受容体アンタゴニスト)の効果を比較のために調べた。D−AP5それ自体では、5μmの用量でNMDA誘導性電流を60〜80%遮断した。D−AP5の事前適用によるMK−801の遮断効果の低下はなかった。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2010535220
この結果は、ディメボンが、これ自体がNMDA受容体のアンタゴニストであると考えられているにもかかわらず、培養ラット海馬ニューロンにおいて、NMDA誘導性電流に対するMK−801の遮断効果を低下させることができることを示す。NMDA受容体に対するディメボンの遮断効果の機構は、未だ確立されていないが、これは、NMDA受容体イオンチャネルの非競合遮断薬であるフェンシクリジン、MK−801およびケタミンに特徴的な神経毒性効果をもたない。この新たな結果に基づき、NMDA受容体に対するMK−801(および同様にフェンシクリジン)のチャネル遮断効果の低下により、その精神異常作用効果の低下がもたらされ得、したがって、統合失調症に特徴的な症状の解消がもたらされ得ることが示唆され得る。
この結果は、ディメボンが、その既述の性質とともに、統合失調症の有効な治療に使用され得ることを示す。
実施例2.本発明の化合物が統合失調症を治療、予防する、および/またはその発病および/または発症を遅延させる能力を調べるためのインビボモデルの使用
統合失調症のインビボモデルは、本明細書に記載の任意の水素添加ピリド[4,3−b]インドール(例えば、ディメボン)が統合失調症を治療および/または予防する、および/またはその発病および/または発症を遅延させる能力を調べるために使用され得る。
本明細書に記載の1種類以上の水素添加ピリド[4,3−b]インドールが統合失調症を治療および/または予防する、および/またはその発病および/または発症を遅延させる活性を試験するための例示的なモデルの一例は、フェンシクリジンを使用するものであり、これを、動物(例えば、非霊長類(ラット)または霊長類(サル))に慢性的に投与し、統合失調症のヒトに見られるものと類似した機能障害をもたらす。Jentschら,1997,Science 277:953−955およびPierceyら,1988、Life Sci.43(4):375−385)を参照のこと。この動物モデルまたは他の動物モデルでは、標準的な実験プロトコルが使用され得る。
実施例3.本発明の化合物が統合失調症を治療、予防する、および/またはその発病および/または発症を遅延させる能力を調べるためのヒト臨床試験の使用
所望により、本明細書に記載の任意の水素添加ピリド[4,3−b]インドール(例えば、ディメボン)は、該化合物が統合失調症を治療、予防する、および/またはその発病および/または発症を遅延させる能力を調べるために、ヒトにおいても試験され得る。このような臨床試験には、標準的な方法が使用され得る。
例示的な方法の一例では、統合失調症を有する被検体を、標準的な実験プロトコルを使用する水素添加ピリド[4,3−b]インドールの安全性、耐容性、薬物動態学的作用および薬力学的作用のフェーズI試験に登録させる。次いで、フェーズIIの二重盲検無作為対照比較治験を行ない、水素添加ピリド[4,3−b]インドールの有効性を調べる。
実施例4.統合失調症を治療、予防する、および/またはその発病および/または発症を遅延させる本発明の併用療法剤のヒト臨床試験
二重盲検プラセボ対照比較臨床試験を行ない、リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2,1−b]ピリミジン−4−オン)+ディメボン(2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)の併用療法剤の効果を、慢性統合失調症の治療に関して、リスペリドン治療単独と比較して評価した。治療治験は、統合失調症の妄想型、および発作性経過の診断基準(DSM IV−295.30)を満たす60名の患者の無作為プラセボ対照比較二重盲検試験として設計した。
この試験では、慢性統合失調症を有する患者を、臨床指標、神経認知試験の結果、神経化学的、神経免疫学的、生化学的、遺伝的および形態学的マーカーに従い、従来の治療法から非定型抗精神病薬(セロトニン−ドパミン遮断薬であるリスペリドン)での単独療法に切り替える効果を評価した。リスペリドンは、ロシアではRispoleptとしても知られており、米国では商品名Risperdalで市販されており、化合物3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾオキサゾール−3−イル)ピペリジン−1−イル]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2,1−b]ピリミジン−4−オンが意図される。また、この試験では、リスペリドンでの単独療法にディメボンを加えると、抗精神病薬での治療の臨床効果が増大する可能性も評価した。
この試験には、薬物寛解または薬物寛解の発現の現状を有し、現状の精神状態を決定する症候群と無関係の持続性妄想型および発作性進行性の統合失調症の診断を有する60名の患者を含めた。この試験には、向精神性療法に完全に抵抗性である患者を含めなかった。DSM−IVによると、このような患者は、295.30の統合失調症の妄想型慢性経過の基準を満たしていた。試験に参加する患者は、以下の基準:(1)組み入れ基準:男性患者、18歳以上、寛解または一部寛解の統合失調症の妄想型および発作性経過であり、リスペリドンに対して応答者または一部応答者であること;ならびに(2)除外基準:興奮、衝動性または攻撃的行動(中等度より激しい)、リスペリドンなどの抗精神病薬治療剤に対して非応答者、統合失調症以外の(または統合失調症に加えて)精神障害を有し、他の治療必要性を有する、および重症で急性身体疾患または非代償性慢性身体疾患を有することに従って選択した。
試験の第1段階(2週間)では、試験の参加に対するインフォームドコンセントを得、組み入れ/除外基準を満たした患者を、リスペリドンでの単独療法に切り替え(リスペリドンを2mg〜6mg/日の範囲に用量調整)、患者の臨床的安定性を毎週2週間にわたって評価した。第2段階(4週間)では、新しい治療に対して感受性を示した患者(応答者)では、固定投薬量(約6mgのリスペリドン、1日1回)での治療を継続し、新しい治療に対して感受性でなかった患者(非応答者)は、プログラムを中止し、通常の治療で安定化させた。この場合も、試験参加者の臨床的安定性を毎週4週間評価した。第3段階(8週間)では、4週間のリスペリドンでの単独療法後、患者を2つの群に分けた。第1群には、リスペリドン治療剤に加えてディメボン(20mg 1日3回、n=23)を与えた。第2群には、リスペリドン治療剤に加えてプラセボ(n=24)を与えた。この場合も、試験参加者の臨床的安定性を毎週8週間評価した。第4段階(追跡期間)では、実験プロトコル構成内での治療の終了6ヶ月後、試験過程で得られた特徴の安定性を評価した。第4段階では、試験参加者の臨床的安定性を毎月6ヶ月間評価した。
Figure 2010535220
試験は、以下のようにして実施した。患者は、来院の際にその都度、精神病理学的(記述的)方法によって臨床評価した。患者は、心理測定的方法に従い、第1期間の最後、第2期間の最後、第3期間内の4週後、および第3期間の最後に、以下の基準(A)有効性評価尺度、例えば、(1)陽性陰性症状評価尺度(PANSS尺度;Kay,S.R.,Fiszbein,A.およびOpler,L.A.,Schizophrenia Bulletin 13(2):261−76(1987));(2)臨床全般印象−重症度(CGI−S)および臨床全般印象−改善度(CGI−I);(3)カルガリーうつ病評価尺度(Addington,D.,Addington,J.およびMaticka−Tyndale E.,British J.Psych.Suppl.22:39−44(1993));および(4)陰性症状評価−16(NSA−16)(Alphs,L.,Summerfelt,A.,Lann,H.およびMuller,R.J.,Psychopharm.Bull.25:159−163(1989))など;ならびに(B)安全性尺度、例えば、(1)バーンズ・アカシジア評価尺度(BARS)(Barnes,T.R.,British J.Psych.154:672−676(1989));および(2)シンプソン・アンガス評価尺度(SARS)(Simpson,G.N.およびAngus,J.W.S.,Acta Psych.Scand.212(suppl.44):11−19(1970))などを用いて評価した。神経認知機能測定法は、第2期間の最後、第3期間内の4週後、および第3期間の最後に使用した。神経認知評価試験としては、(1)作動記憶検査、例えば、ウェクスラー記憶尺度(本人および現在の情報、見当識、精神のコントロール 、論理的記憶、数唱、視覚的記憶、および連想的学習の個人の記憶を評価するための試験検査)、下位検査V:シリーズA、ウェクスラー記憶尺度、下位検査V:シリーズB、およびウェクスラー記憶尺度の下位検査V:AとBの合計;(2)連想記憶検査(ウェクスラー記憶尺度の下位検査VIIなど);(3)精神運動速度試験(ウェクスラー試験の下位検査VII:記号によるコード化など)(4)言葉の記憶検査(文章再構成など);(5)視覚空間記憶検査(ベントン視覚記銘検査(視覚的認知および視覚的記憶の検査)など);(6)注意試験(シュルテ表(自発的注意の安定性および移行の検査)、継続的注意課題(CAT)(注意の検査)およびブルドン検査(持続的注意の検査)など);ならびに(7)実行機能検査(ロンドン塔(Shallice,T.,“Specific impairments of planning,”Phil.Trans.Royal Soc.London,Series B,Biol.Sci.298(1089):199−209(1982))、およびウィスコンシンカード分類検査(Berg,E.A.,“A simple objective technique for measuring flexibility in thinking, ”J Gen.Psych.39:15−22(1948)など)が挙げられる。
以下の生物学的マーカー:(1)神経化学的特徴(グルタミン合成酵素およびシトクロムCオキシダーゼに類似したタンパク質など);(2)神経形態学的特徴(リンパ球および単球の超微細構造の研究など);(3)神経免疫学的特徴(炎症反応と関連しているサイトカイン(IL−Iベータ、IL−2、IFNガンマ、腫瘍壊死因子)など);(4)臨床遺伝学的特徴(脳の神経栄養因子の遺伝子の多型性変異型、およびセロトニン2a型受容体遺伝子の多型性バリアントなど);(5)分子生化学的特徴(白血球エラスターゼ活性、a−1プロテイナーゼインヒビター活性、C反応性タンパク質レベル、ならびに神経の神経抗原に対する抗体(成長をもたらす)およびミエリン塩基性タンパク質のレベルなど);(6)臨床生化学的特徴(血小板セロトニンレベル、カラム内の血小板付着および血小板ピーク遅延時間、患者由来の血清とともにインキュベートしたときの注入テトラヒメナ・ピリフォルミスの半減期の測定(「総血液毒性」)および患者の血中の脂質の過酸化物による酸化の基本パラメータなど)が評価され得る。
各群内の尺度および試験指標の変化の有意性の評価には、ウイルコクソン順位和検定(Hodges,J.L.およびLehmann E.L.,J Am.Stat.Assoc.68(341):151−158(1973))を使用した。群間の尺度スコアの差の有意性の評価には、マン・ホイットニー検定(Mann,H.B.およびWhitney,D.R.,Ann.Math.Stat.18:50−60(1947)ならびにWilcoxon,F.,Biometr.Bull.1:80−83(1945))を使用した。有効性評価および神経認知評価の結果を、それぞれ表2と3に表形式で示す。
Figure 2010535220
表2は、試験参加者の心理測定的評価の結果を示す。ディメボン群は、PANSS尺度において、陽性下位尺度スコアにおいて終了時に陽性傾向を示した(p=0.068)。改善パーセンテージは群間で同等であったが、ディメボン群では、応答者の下位群において改善が観察された(20%を超える改善)(p=0.07)。CGI−重症度およびCGI改善スコアは群間で同等であった。カルガリーうつ病尺度の総合スコアは、開始時と終了時において両群で同等であった。NSA−16の総合スコアは群間で同等であったが、ディメボン群ではスコアの変化が観察された(p=0.036)。ディメボン群において、NSAの個々のブロックの合計スコアを解析すると、発話ブロックで、開始時(p=0.047)と終了時(p=0.01)において好ましい差が示され、感情ブロックでは、終了時のみ(p=0.07)で好ましい差が示され、開始時はなんら差はなかった。この群は、社交性ブロックと全身症状ブロックでは、開始時および終了時において同等のスコア有した。以下の基準:応答までの時間が長いこと(p=0.00017)、発話量が限定的であること(0.018)および運動が遅いこと(0.0004)により、ディメボンが好ましいという群間の有意差が観察された。いずれの試験群でも安全性に関する問題は観察されず、安全性尺度BARSとSARSは同等であった。
この結果は、リスペリドン治療剤背景を有する統合失調症の患者に補助的ディメボン治療を行なうと、プラセボに無作為化された患者と比べ、PANSS総合スコアの有意な減少がもたらされることを示す。PANSSスコアは、統合失調症を有する被検体の臨床試験において、最も一般的に使用されている陽性症状、陰性症状、および一般精神病理に関する簡易尺度である。さらに、PANSS陽性ならびにPANSS陰性に関するディメボンとプラセボ間の差を解析すると、陽性症状領域ならびに陰性症状領域の両方において有益性を示すスコアの変化が観察された。NSA−16に関するスコアの変化の差は、ディメボンをプラセボと比較すると、統合失調症の陰性症状の治療におけるディメボンの有用性を裏付けている。また、このデータにより、ディメボン治療による一般精神病理に対する有益性が示唆された。いずれの試験群でも安全性に関する問題はなく、ディメボンの安全性プロフィールを反映するBARSおよびSARSの安全性尺度に関して、試験群間に差はなかった。
Figure 2010535220
Figure 2010535220
Figure 2010535220
表3は、試験参加者の神経認知評価の結果を示す。表3のアスタリスク(「*」)を付した差の値は、本明細書に記載のウイルコクソン順位和検定またはマン・ホイットニー検定のいずれかで調べたとき、臨床試験の開始から終了までで統計学的に有意な差を有した試験結果を示す。治験の開始時と終了時の両方において、群間で神経認知指標にわずかな差が観察された。試験中、なんら低下は観察されなかった。両群で、言語的意味記憶に有意な改善が観察された:(1)ディメボン群は、言語連想記憶、精神運動速度、視覚空間記憶、実行機能−計画面の数、目的のある活動、および活動の結果(固執性の誤り)に対するコントロールにおいて有意な改善を示した(ウェクスラー記憶尺度下位検査VII、文章再構成検査、ベントン検査、ブルドン検査、およびロンドン塔検査の結果によって示された);(2)プラセボ群は、作動記憶および活動の結果(非固執性の誤りに対するコントロール)において有意な改善を示した(ウェクスラー記憶尺度下位検査V、文章再構成検査、およびウィスコンシンCS検査の結果によって示された)。試験のプラセボ対照比較二重盲検部分は8週間しか継続せず、これは、統合失調症患者の認知の推定増強薬の治験としては短いとみなされ得る。したがって、この結果は、より長期間で試験した場合、ディメボンが、特に、統合失調症において特に障害されることがわかっている記憶領域と実行機能の領域において、この集団に認知上の有益性をもたらす可能性を示す。
前述の発明は、明確な理解を目的とした例示および実施例によって一部詳細に説明したが、当業者には、一定の軽微な変更および修正が行なわれることが自明であろう。したがって、本記載内容および実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
本明細書に開示した参考文献、刊行物、特許、および特許出願はすべて、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (23)

  1. 個体にディメボンと抗精神病薬を含む併用療法剤の有効量を投与することを含む、(a)統合失調症を、その治療を必要とする個体において治療する方法;(b)統合失調症と診断された個体の統合失調症の進行を遅滞させる方法;または(c)統合失調症を発症するリスクのある個体において統合失調症の発症を予防もしくは遅延させる方法。
  2. 抗精神病薬が非定型抗精神病薬である、請求項1に記載の方法。
  3. 非定型抗精神病薬が、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 非定型抗精神病薬がリスペリドンである、請求項3に記載の方法。
  5. ディメボンの投与によって抗精神病薬の治療効果が、ディメボンの非存在下での該抗精神病薬の投与と比べて増強される、請求項1に記載の方法。
  6. 抗精神病薬が、同等の治療効果を引き出すために単独療法剤としての該抗精神病薬に必要とされる投薬量より少ない投薬量で投与される、請求項1に記載の方法。
  7. ディメボンと抗精神病薬を含む薬学的に許容され得る組成物。
  8. 抗精神病薬が非定型抗精神病薬である、請求項7に記載の組成物。
  9. 非定型抗精神病薬が、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
  10. 非定型抗精神病薬がリスペリドンである、請求項9に記載の組成物。
  11. ディメボンと抗精神病薬が単一の単位投薬形態である、請求項7に記載の組成物。
  12. (a)ディメボン;(b)抗精神病薬;および(c)統合失調症の治療、予防、進行の遅滞または発病および/または発症の遅延における使用のための使用説明書を備えるキット。
  13. 抗精神病薬が非定型抗精神病薬である、請求項12に記載のキット。
  14. 非定型抗精神病薬が、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される、請求項13に記載のキット。
  15. 非定型抗精神病薬がリスペリドンである、請求項14に記載のキット。
  16. ディメボンを抗精神病薬と共に投与することを含む、抗精神病薬に対する個体の応答を増強させる方法であって、該個体が統合失調症を有するか、有することが疑われる方法。
  17. 抗精神病薬が非定型抗精神病薬である、請求項16に記載の方法。
  18. 非定型抗精神病薬が、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 非定型抗精神病薬がリスペリドンである、請求項18に記載の方法。
  20. 個体にディメボンと抗精神病薬を含む併用療法剤を投与することを含み、該併用療法剤が統合失調症の認知症状を改善するのに有効な量で投与され、併用療法剤によって認知改善が、ディメボンの非存在下での抗精神病薬の使用よりも高い程度まで引き出される、統合失調症を、その治療を必要とする個体において治療する方法。
  21. 抗精神病薬が非定型抗精神病薬である、請求項20に記載の方法。
  22. 非定型抗精神病薬が、リスペリドン、クロザピン、N−デスメチルクロザピン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、ジプラシドン、オランザピン/フルオキセチン(Symbyax(商標)として市販)、アリピプラゾール、パリペリドン、セルチンドール、ゾテピン、アミスルプリド、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、アバペリドン、ブロナンセリン、イロペリドン、ルラシドン、オカペリドン、QF−2400B、SB−773812、ITI−007、およびYKP−1358からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 非定型抗精神病薬がリスペリドンである、請求項22に記載の方法。
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