JP2010116412A - 精神分裂病を治療するための方法および組成物 - Google Patents

精神分裂病を治療するための方法および組成物 Download PDF

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    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/18Antipsychotics, i.e. neuroleptics; Drugs for mania or schizophrenia

Abstract

【課題】精神分裂病の治療、精神分裂病の発症および/または発病の予防および/または遅延のための追加の療法または代替の療法を提供すること。
【解決手段】本明細書中に、水素化[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩を用いた、精神分裂病の治療、および/または精神分裂病の発症および/または発病の予防および/または遅延のための方法、化合物および組成物が記載される。この方法および組成物は、化合物ディメボン(2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)を限定することなく含めた、本明細書で詳述された化合物を含むことができる。
【選択図】なし

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2006年1月25日にロシア特許庁に出願された、露国特許出願第2006101999号に対するパリ条約の下での優先権を主張する。露国特許出願第2006101999号は本明細書中にその全体が参考として援用される。
政府の支援による研究または開発に関する記述
該当なし。
(背景技術)
精神分裂病の概要
精神分裂病は、最も重篤で治療が困難であるものの1つである、この精神障害を患っている個体の健康および幸福に劇的に影響する。精神分裂病を有する個体(「精神分裂病患者」)は、無数の症状を患う恐れがあり、かなりの養護ケアならびに持続的な薬物および/または行動療法を必要とする場合があり、入院または施設収容がない場合でも、相当な社会的および経済的コストにつながる。精神分裂病は、約200万人の米国人に影響している。この疾病は、通常青年期と年齢30の間で発病し、1つもしくは複数の陽性症状(例えば、妄想および幻覚)、および/または陰性症状(例えば、感情鈍麻および無関心)、および/または解体症状(例えば、支離滅裂な思考および会話、または解体した行動および知覚)を特徴とする。精神分裂病患者は、多くの研究において、短期の言語作業記憶、迅速に連想する(rapidly associated)認知的「予測」もしくは「予想」、または継続的な注意力/覚醒状態の制御を必要とする課題での能力低下を有することが示されてきた。聴覚性幻覚(苦しんでいる個体の大部分を示す)を有する統合失調患者は、その語音聴取能力における強く相関した低下も有する。精神分裂病患者は、社会的能力および機能的能力の欠損、例えば、他人の気分または反応を識別すること、自分たちにとって何が社会的に正しい行動方針であるかを判断すること、ならびに現在および過去の行動または事象の原因を識別することにおける欠損および混乱も有する。
精神分裂病は、慢性障害であり、ほとんどの患者は、精神病性エピソードの発生率を軽減または減少させるために、不断の治療を必要とする。精神分裂病の原因は、大部分は知られていない。精神分裂病は、遺伝要素を有すると考えられているが、環境要因が、この疾患の発症および重症度に影響すると思われる。
精神分裂病の病因における機構的な考察の概要
最近まで、精神病の生化学の分野で研究している研究者らの関心は、ドーパミン系およびセロトニン系の2つのメディエーター系に主に集中されていた。
ドーパミン仮説は、伝統的な(典型的な)抗精神病薬の、パーキンソン病の症状に類似した神経性副作用を引き起こす一般的な能力に由来した。この同じ特性は、この薬物に一般名神経遮断薬も提供した。パーキンソン症の神経生化学は、ニグロストリアツム(nigrostriatum)におけるドーパミン系とコリン作動系の間のバランスの崩壊と関連があり、ドーパミン構造の活性は減少し、一方コリン作動性構造の活性は増大する。典型的な神経遮断薬の、精神分裂病(妄想、幻覚、行動錯乱)を患っている患者において増殖的総体症状を制御する能力は、パーキンソン症を引き起こす能力と相関し、ドーパミン系の活性を抑制する特性に起因する。したがって、精神病の陽性総体症状は、ドーパミン作動系の過剰な活性に起因すると結論づけられた。この知見を支持するもう1つの議論は、髄液中のドーパミン代謝産物の調査の結果であった。健常者においてよりも精神病患者において、高いレベルのホモバニリン酸(ドーパミン代謝の産物)が見出された。現在、この仮説は、死後の脳の検査および生存している患者のポジトロン放出断層撮影の結果を伴う新規データの影響下で、さらに発展してきている。ドーパミン受容体の重要な制御因子の役割は、神経遮断薬の作用の下でのドーパミン作動系の機能の変化の詳細な研究によって明らかになった。数種のドーパミン受容体が記述されてきており、そのそれぞれは、それぞれの局在性および機能の特徴を有する。
第2の仮説では、基本的な原因は、ドーパミン系とセロトニン系の間の関係の崩壊であると仮定されている。セロトニン作動性構造により、中脳辺縁系構造および中脳線条体系構造におけるドーパミン作動系の活性を増大させ、前頭前野においてそれを低減し、臨床的な前頭葉機能低下現象を調整することによって、ドーパミン作動系の機能への複雑な調節作用が実行される。この仮説についての重要な議論は、非定型抗精神病薬のプロトタイプ、クロザピンの臨床診療への導入であると通常考えられている。クロザピンの活性の神経化学的スペクトルにより、クロザピンがその時点で知られているすべての神経遮断薬と区別されたが、これは、クロザピンが、ドーパミン作動性受容体よりも相当に強くセロトニン作動性受容体を遮断したためである。さらに、クロザピンは、原発性欠損障害が優勢であり、またほとんどの場合、伝統的な神経遮断薬に対して耐性を示した疾病に関して有効であることが判明した。さらに、クロザピンが引き起こした神経遮断性副作用は、著しく頻度が低かった。J.M. Kane、「The new antipsychotics」、J. Pract. Psychiatry Behav. Health、1997年、3巻:343〜354頁。
上述した仮説は、大部分の事実に関して十分な説明能力を有する。しかし、すべてのデータがそれらに適合するわけではない。ドーパミン作動性受容体の遮断は、臨床効果が生じるよりも非常に速く起こることが知られている。さらに、これらの受容体の遮断の程度は、抗精神病療法に良好に反応する患者およびそれに耐性である患者において同じである。(S. Heckers、「Neural models of schizophrenia」、Dialogues in Clinical Neuroscience、2000年、2巻(3号):267〜280頁)。一方、ドーパミン作動系に影響しない抗精神病作用を有する薬物を開発するという、精神薬理学者の試みは依然として成功に至っていない(S. Kapur、G. Remington、「Dopamine D(2) receptors and their role in atypical
antipsychotic action: still necessary and may even be sufficient」、Biol. Psychiatry、2001年、50巻(11号):873〜83頁)。
抗精神病薬の臨床活性の実現のための、そのドーパミンおよびセロトニン活性の広く認識された重要性に加えて、もう1つの神経メディエーター系が注目される。これは、中枢神経系(CNS)のグルタミン酸作動性神経メディエーター系である。近年、多くの研究者らは、認知崩壊が精神分裂病の形成に基本的な役割を果たすという意見に向かう傾向にあるので(N.C. Andreasen、「Schizophrenia: the fundamental questions」、Brain Res. Rev.、2000年、31巻(2〜3号):106〜12頁)、グルタミン酸作動系は、理論的にだけでなく、実際的にも常に関心の高まりをもたらしている(K. Hashimoto,
M. Iyo、「Glutamate hypothesis of schizophrenia and targets for new antipsychotic
drugs」、Nihon Shinkei Seishin Yakurigaku
Zasshi、2002年、22巻(1号):3〜13頁)。グルタミン酸作動性伝達の刺激は、中枢神経系の活性の刺激を導くことができるが、ある時点で、これは脳に対して毒性作用も導く場合がある。一方、グルタミン酸作動系の抑制は、神経プロテクター作用を導くことができるが、それとともに、認知欠損を導く恐れがある(S. Heckers、C. Konradi、「Hippocampal neurons in schizophrenia」、J Neural Transm.、2002年、109巻(5〜6号):891〜905頁)。一部の研究者らは、グルタミン酸作動性作用を生成する能力を、クロザピンの抗欠損(antideficit)活性の1つの可能な神経化学的機構として提案している(L. Chen、C.R. Yang、「Interaction of dopamine D1 and NMDA receptors mediates acute clozapine potentiation of glutamate EPSPs in rat prefrontal cortex」、J Neurophysiol、2002年、87巻(5号):2324〜36頁)。さらに、グルタミン酸作動系は、脳の他のメディエーター構造の機能の協調の役割とされている。この機能は、特に、小脳の仮説上の能力(グルタメルジック(glutamergic)系が重要な役割を果たす機能における)によって実行されることによって、精神過程の一時的な機構を形成することができる(N.C. Andreasen、「Schizophrenia: the fundamental questions」、Brain Res. Rev.、2000年、31巻(2〜3号):106〜12頁)。この機能の制御は、伝統的な抗精神病薬にとって、ほとんど達成可能でない。しかし、この関連において、クロザピンのグルタミン酸活性は、長期の治療にわたるその普通ではない臨床活性(L. Chen、C.R. Yang、「Interaction of
dopamine D1 and NMDA receptors mediates
acute clozapine potentiation of glutamate EPSPs in rat prefrontal cortex」、J. Neurophysiol、2002年;87巻(5号):2324〜36頁)を説明する新規な仮説の形成、および長期間を必要とする新規な恒常性関係の形成の機会をもたらす。ドーパミン受容体の瞬間的な遮断にもかかわらず、抗精神病薬の臨床効果(増殖的症状の制御)の最初の徴候は、数週間にわたって徐々に認識され、患者の病状の改善は、何カ月も持続する。
したがって、比較的かなり以前に開発され、広く認められ、主な役割が、CNSのドーパミン作動性神経メディエーター系の機能亢進およびまた、セロトニン作動性メディエーター系における不均衡に与えられている、精神分裂病の病因の理論とともに、非常に最近、この疾患の発病における主な役割が、CNSのグルタミン酸作動性神経メディエーター系における崩壊によって果たされる、病因の理論が集中的に開発されてきている。精神分裂病患者において観察される精神的障害の多くの要素は、グルタミン酸作動系の機能低下に関連があるということが提案されている。精神分裂病のグルタミン酸理論についての支持には、NMDA受容体イオンチャネルの遮断薬であり、グルタミン酸受容体の主要なサブタイプの1つである、フェンシクリジンが、健康なボランティアにおいて、精神分裂病患者の行動に非常に類似した、複雑な行動上の症状をもたらすという事実が含まれる。ボランティアらは、精神異常、自閉症、ネガティブな気分を示し、認知問題(試験)を解くことができなくなり、エキセントリックになり、その話し方および考え方は貧弱になる。現在、精神分裂病のフェンシクリジンモデルは、精神分裂病患者の行動に最も近く、最も妥当であると見なされている(R. M. Allen、S. J. Young、「Phencyclidine−induced psychosis」、Amer. J.
Psychiatry、1976年、33巻:1425〜8頁)。ケタミンおよびMD−801などの他のNMDA受容体イオンチャネル遮断薬によっても、同様の作用がもたらされる。精神分裂病患者は、正常人よりも脳脊髄液において低いレベルのグルタミニン酸を示すことが示された。引き続く研究において、精神分裂病患者の脳は、精神分裂病を患っていない患者の脳における線維の30%超の、大径グルタミン酸作動性線維の増加を示し、同時に細径グルタミン酸作動性線維が78%減少することも示された。さらに、精神分裂病患者の大脳皮質において、NMDA受容体の数の増加が見られるが、基底核においてグルタミン酸の逆捕獲(reverse capture)の減少も存在する。
精神分裂病のドーパミン理論によって、ドーパミン作動性物質、第1にD2サブタイプドーパミン受容体遮断薬、例えば特に、ハロペリドール、アミナジン(aminazine)、クロザピンおよび多くのその他のものなどは、患者を治療するために広く用いられる。これらは、精神分裂病患者における急性精神病段階を効率的に軽減するが、この疾患の他の段階の治療においてほとんど有効でないことが頻繁に判明している。現在の療法は、不快な副作用ももたらし、患者の服薬遵守を維持することが困難になる場合がある。この理由のため、近年、精神分裂病の病因の機構およびこの疾患の有効な治療のための新規な薬物の開発への集中的な研究がなされてきている。
水素化ピリド[4,3−b]インドール誘導体の概要
テトラ−およびヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール誘導体の分類の知られている化合物は、広範囲の生物活性を示す。一連の2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールにおいて、以下の種類の活性が見出されてきた:抗ヒスタミン活性(1968年12月6日に出願された特許文献1;1969年10月20日に出願された特許文献2)、中枢抑制(central depressive)活性および抗炎症活性(1970年12月3日に出願された特許文献3)、神経遮断活性(非特許文献1)およびその他。2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール誘導体は、向精神(非特許文献2)、抗攻撃(antiaggressive)、抗不整脈および他の種類の活性を示す。
テトラ−またはヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール誘導体に基づいたいくつかの薬物、例えば、ジアゾリン(diazoline)(メブヒドロリン)、ディメボン(dimebon)、ドラスチン、カルビジン(carbidine)(ジカルビン)、ストバジンおよびゲボトロリンなどは、製造されてきたことが知られている。ジアゾリン(2−メチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)(非特許文献3)およびディメボン(2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)(非特許文献4)ならびにドラスチン(2−メチル−8−クロロ−5−[2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)(非特許文献5)は、抗ヒスタミン薬として知られている。カルビジン(ジカルビン)(cis(±)−2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)は、抗うつ性作用を有する神経遮断薬であり(非特許文献6)、その(−)異性体であるストバジンは、抗不整脈薬として知られている(非特許文献7)。8−フルオロ−2−(3−(3−ピリジル)プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩であるゲボトロリンは、抗精神病薬および抗不安薬である(非特許文献8)。ディメボンは、ロシアで20年超の間、抗アレルギー薬(発明者証第1138164号, IP Class A61 K 31/47、5、C07 D 209/52、1985年2月7日発行)として医薬において用いられてきている。
特許文献4および特許文献5に記載されているように、ディメボンなどの水素化ピリド[4,3−b]インドール誘導体は、NMDAアンタゴニスト特性を有し、これは、この誘導体をアルツハイマー病などの神経変性疾患の治療にとって有用にしている。WO2005/055951に記載されているように、ディメボンなどの水素化ピリド[4,3−b]インドール誘導体は、例えば、体毛外皮(skin−hair integument)の障害、視覚障害および体重減少を含めた、加齢に伴った、または加齢に関連した徴候および/または病態または病状の発症および/または発病を遅延させることによる、ヒトまたは獣医用ゲロプロテクター(geroprotector)として有用である。米国特許出願第11/543529号および同第11/543341号には、ハンチントン病の治療および/またはハンチントン病の進行または発症および/または発病の予防および/または減速に用いるための神経プロテクターとして、ディメボンなどの水素化ピリド[4,3−b]インドール誘導体が開示されている。
独国特許第1813229号明細書 独国特許第1952800号明細書 米国特許第3718657号明細書 米国特許第6187785号明細書 米国特許第7021206号明細書
Herbert C.A.、Plattner S.S.、Welch W.M.、Mol. Pharm.、1980年、17巻、1号、38〜42頁 Welch W.M.、Harbert C.A.、Weissman A.、Koe B.K.、J.Med.Chem.、1986年、29巻、10号、2093〜2099頁 Klyuev M.A.、「Drugs, used in「Medical Pract.」」、USSR、モスクワ、「Meditzina」出版、1991年、512頁 M. D. Mashkovsky、2巻の「Medicinal Drugs」1巻、12版、モスクワ、「Meditzina」出版、1993年、383頁 USAN and USP dictionary of drugs names(United States Adopted Names、1961〜1988年、現在のUS PharmacopoeiaおよびNational Formula for Drugsおよび他の一般用医薬品名)、1989年、26版、196頁 L. N. Yakhontov、R. G. Glushkov、「Synthetic Drugs」、A. G. Natradze編、モスクワ、「Meditzina」出版、1983年、234〜237頁 Kitlova M.、Gibela P.、Drimal S.、Bratisl. Lek. Listy、1985年、84巻、5号、542〜549頁 Abou−Gharbi M.、Patel U.R.、Webb M.B.、Moyer J.A.、Ardnee T.H.、J. Med. Chem.、1987年、30巻、1818〜1823頁
重要な医学的必要性
精神分裂病の治療、精神分裂病の発症および/または発病の予防および/または遅延のための追加の療法または代替の療法への著しい関心およびこれらの療法の必要性が残っている。治療薬は、精神分裂病を有する患者の生活の質を向上できることが好ましい。
発明の簡単な要旨
水素化[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩を用いた、精神分裂病の治療、および/または精神分裂病の発症および/または発病の予防および/または遅延のための方法、化合物および組成物が記載される。この方法および組成物は、化合物ディメボン(2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩)を限定することなく含めた、本明細書で詳述された化合物を含むことができる。
一変形では、本発明は、(a)精神分裂病の治療を必要とする個体における精神分裂病の治療;(b)精神分裂病と診断された個体における精神分裂病の進行の減速;または(c)精神分裂病を発病するリスクのある個体における精神分裂病の発病の予防もしくは遅延の方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含み、水素化ピリド[4,3−b]インドールは、ストバジンまたはフルトロリンではなく、以下の部分
Figure 2010116412
[式中、点線で示された結合は、単結合または二重結合となることができ、この部分は、場合によって置換されており(原子または結合が示されていない場合、その位置は1個もしくは複数個の原子(例えばH)または有機部分または無機部分(例えば−CH)で満たされることができることを意味する)、Arはアリール部分を示す]を含まない方法を包含する。一変形では、この方法は、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩を個体に投与することによって、精神分裂病の1つまたは複数の陽性症状を軽減する方法である。一変形では、この方法は、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩を個体に投与することによって、精神分裂病の1つまたは複数の陰性症状を軽減する方法である。一変形では、この方法は、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩を個体に投与することによって、精神分裂病の1つまたは複数の陰性症状を軽減する方法である。本明細書に記載された任意の方法または他の実施形態では、水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩は、ストバジンまたはフルトロリンを除外することができ、これらの化合物は、以下の部分
Figure 2010116412
(点線で示された結合は、単結合または二重結合となることができ、この部分は場合によって置換されている)を含む。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
(a)精神分裂病の治療を必要とする個体における精神分裂病の治療;
(b)精神分裂病と診断された個体における精神分裂病の進行の減速;または
(c)精神分裂病を発病するリスクのある個体における精神分裂病の発病の予防もしくは遅延
の方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩を上記個体に投与することを含み、上記水素化ピリド[4,3−b]インドールは、ストバジンまたはフルトロリンではなく、以下の部分
Figure 2010116412

(式中、点線で示された結合は、単結合または二重結合となることができ、Arはアリール基を示し、上記部分は場合によって置換されている)を含まない、方法。
(項目2)
上記水素化ピリド[4,3−b]インドールが、テトラヒドロピリド[4,3−b]インドールである、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記水素化ピリド[4,3−b]インドールが、ヘキサヒドロピリド[4,3−b]インドールである、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記水素化ピリド[4,3−b]インドールが、以下の式
Figure 2010116412

(R は、低級アルキルまたはアラルキルであり、
は、水素、アラルキルまたは置換ヘテロアラルキルであり、
は、水素、低級アルキルまたはハロである)
を有する、項目1に記載の方法。
(項目5)
が、PhCH −または6−CH −3−Py−(CH −である、項目4に記載の方法。
(項目6)
が、CH −、CH CH −、またはPhCH −であり、
が、水素、PhCH −、または6−CH −3−Py−(CH −であり、
が、水素、CH −またはBr−である、
項目4に記載の方法。
(項目7)
上記水素化ピリド[4,3−b]インドールが、
cis(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、
2−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、
2−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、
2,8−ジメチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、
2−メチル−5−(2−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、
2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、
2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、
2,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、および
2−メチル−8−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール
からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記水素化ピリド[4,3−b]インドールが、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールである、項目7に記載の方法。
(項目9)
上記医薬として許容可能な塩が、医薬として許容可能な酸性塩である、項目8に記載の方法。
(項目10)
上記医薬として許容可能な塩が塩酸塩である、項目9に記載の方法。
(項目11)
上記水素化ピリド[4,3−b]インドールが、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩である、項目1に記載の方法。
(項目12)
がCH −であり、R がHであり、R がCH −である、項目6に記載の方法。
(項目13)
がCH CH −またはPhCH −であり、R がH−であり、R がCH −である、項目6に記載の方法。
(項目14)
がCH −であり、R がPhCH −であり、R がCH −である、項目6に記載の方法。
(項目15)
がCH −であり、R が6−CH −3−Py−(CH −であり、R がH−である、項目6に記載の方法。
(項目16)
が6−CH −3−Py−(CH −である、項目6に記載の方法。
(項目17)
がCH −であり、R がH−であり、R がH−またはCH −である、項目6に記載の方法。
(項目18)
がCH −であり、R がH−であり、R がBr−である、項目6に記載の方法。
(項目19)
(a)水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩、および(b)精神分裂病の治療、予防、精神分裂病の進行の減速、または精神分裂病の発症および/または発病の遅延における使用のための使用説明書を含む、キット。
発明の詳細な説明
本明細書での使用に関して、他に明らかに示されていない限り、用語「a」、「an」などの使用は、1つまたは複数を指す。
「化合物」(the compound)または「化合物」(a compound)に対する引用は、化合物ディメボンなどの、本明細書に記載された任意の化合物または医薬として許容可能な塩もしくは他の形態を含み、これらを指すことも、本開示によって理解され、明瞭に伝達される。
本明細書で用いる場合、用語「精神分裂病」は、それだけに限らないが、緊張型、破瓜型、解体型、妄想型、残存型または未分化型精神分裂病および欠損症候群および/または「American Psychiatric Association: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」、4版、Washington D.C.;2000年もしくは「International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」に記載されているか、もしくは別に当業者に知られているものを含めた、当技術分野で知られている精神分裂病のすべての形態および分類を含む。
本明細書で用いる場合、「治療」または「治療すること」は、臨床結果を含めた、有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的に関して、有益な結果または所望の結果として、それだけに限らないが、陽性および/または陰性および/または解体症状を含めた、精神分裂病に関係する症状の軽減、精神分裂病に関係する症状の程度の縮小、精神分裂病に関係する症状の悪化の予防が挙げられる。好ましくは、ディメボンなどの本明細書に開示される化合物での治療は、副作用を伴わないか、錐体外路副作用(EPS)、急性ジストニー、急性ジスキネジーおよび遅発性ジスキネジーなどの抗精神病薬の投与に一般に関係する副作用より、少ない副作用しか伴わない。
本明細書での使用に関して、他に明らかに示されていない限り、本明細書で用いる「個体」は、それだけに限らないが、ヒトを含めた哺乳動物を意図する。個体は、精神分裂病と診断されたか、または精神分裂病を有する疑いがあるか、または精神分裂病を発病するリスクのあるヒトであり得る。個体は、精神分裂病に関係する1つまたは複数の症状を示すヒトであってもよい。個体は、遺伝的に、または他の点で精神分裂病を発病しやすいヒトであってもよい。
本明細書での使用に関して、他に明らかに示されていない限り、化合物は、任意の利用可能な剤形で個体に投与できる。一変形では、化合物は、従来の即時放出剤形として個体に投与される。一変形では、化合物は、徐放形態または、徐放系、例えば、所望の期間、個体への化合物の送達速度を持続できる系などの一部として、個体に投与され、これは、対応する即時放出剤形が同じ量(例えば、重量またはモルによる)の化合物を放出するのに必要な時間よりも長い期間などの長期間であってよく、数時間または数日とすることができる。所望の期間は、少なくとも投与される化合物の薬物消失半減期とすることができ、例えば、少なくとも約6時間、または、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間、または少なくとも約30時間、または少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約144時間以上とすることができ、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約8週間、または少なくとも約16週間またはそれ以上とすることができる。
用語「有効量」は、式(1)または(2)または(A)または(B)によって記述された化合物などの、本明細書に記載された化合物の、臨床の専門家の知識に基づくだけでなく、その効力および毒性のパラメーターを組み合わせて、所与の治療形態において有効であるべき量を意図する。当技術分野で理解されるように、有効量は1つまたは複数の用量とすることができる。
化合物は、即時放出形態としてであるか、徐放形態としてであるかを問わず、経口、粘膜(例えば、経鼻、舌下、腟、口腔または直腸)、非経口(例えば、筋肉内、皮下、または静脈内)、局所または経皮送達を含めた、任意の利用可能な送達経路のための適当な担体とともに製剤化できる。化合物は、適当な担体とともに製剤化することによって、送達形態を提供することができ、これは、それだけに限らないが、錠剤、カプレット、カプセル(硬ゼラチンカプセルや軟弾性ゼラチンカプセルなど)、カシェー、トローチ、ロゼンジ、ガム、分散系、坐薬、軟膏、パップ剤(cataplasm)(パップ剤(poultice))、ペースト、粉末、包帯剤、クリーム、溶液、パッチ、エアロゾル(例えば、点鼻薬または吸入器)、ゲル、懸濁液(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油型エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョン)、溶液およびエリキシル剤を含む徐放形態とすることができるが、義務ではない。
送達形態におけるディメボンなどの化合物の量は、任意の有効量とすることができ、これは、約10ngから約1500mgまたはそれ以上とすることができる。一変形では、徐放系などの送達形態は、約30mg未満の化合物を含む。一変形では、複数日に投与できる単独徐放系などの送達形態は、化合物の一日量が、約30mg未満の化合物であるような化合物の量を含む。
即時放出系または徐放系を問わず、化合物の剤形を伴う治療レジメンは、少なくとも1日1回、および治療効果を達成するのに必要な期間の間、体重1kg当たり約0.1と約10mgの間の用量で、個体に化合物を投与することを伴うことができる。他の変形では、本明細書に記載された水素化ピリド[4,3−b]インドールの一日量(または他の投与頻度)は、約0.1と約8mg/kgの間、もしくは約0.1と約6mg/kgの間、もしくは約0.1と約4mg/kgの間、もしくは約0.1と約2mg/kgの間、もしくは約0.1と約1mg/kgの間、もしくは約0.5と約10mg/kgの間、もしくは約1と約10mg/kgの間、もしくは約2と約10mg/kgの間、もしくは約4と約10mg/kgの間、もしくは約6と約10mg/kgの間、もしくは約8と約10mg/kgの間、もしくは約0.1と約5mg/kgの間、もしくは約0.1と約4mg/kgの間、もしくは約0.5と約5mg/kgの間、もしくは約1と約5mg/kgの間、もしくは約1と約4mg/kgの間、もしくは約2と約4mg/kgの間、もしくは約1と約3mg/kgの間、もしくは約1.5と約3mg/kgの間、もしくは約2と約3mg/kgの間、もしくは約0.01と約10mg/kgの間、もしくは約0.01と4mg/kgの間、もしくは約0.01mg/kgと2mg/kgの間、もしくは約0.05と10mg/kgの間、もしくは約0.05と8mg/kgの間、もしくは約0.05と4mg/kgの間、もしくは約0.05と4mg/kgの間、もしくは約0.05と約3mg/kgの間、もしくは約10kgから約50kgの間、もしくは約10から約100mg/kgの間、もしくは約10から約250mg/kgの間、もしくは約50から約100mg/kgの間、もしくは約50と200mg/kgの間、もしくは約100と約200mg/kgの間、もしくは約200と約500mg/kgの間であり、または約100mg/kg超の投与量、もしくは約500mg/kg超の投与量である。いくつかの実施形態では、それだけに限らないが、約0.05mg/kgの一日投与量を含むことのできる、約0.1mg/kg未満の一日投与量などの一日投与量のディメボンが投与される。
ディメボンなどの化合物は、所望の時間または期間、例えば少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、または少なくとも約12カ月またはそれより長く、有効な投薬レジメンに従って個体に投与することができる。一変形では、化合物は、個体の生涯の期間、毎日または断続的なスケジュールで投与される。
投薬頻度は、約1毎週1回の投薬とすることができる。投薬頻度は、約毎日1回の投薬とすることができる。投薬頻度は、毎週約1回超の投薬とすることができる。投薬頻度は、1日3回未満の投薬とすることができる。投薬頻度は、1日に約3回未満の投薬とすることができる。投薬頻度は、1週間に約3回の投薬とすることができる。投薬頻度は、約1週間4回の投薬とすることができる。投薬頻度は、約1週間2回の投薬とすることがで
きる。投薬頻度は、毎週約1回超の投薬であるが、約毎日未満の投薬とすることができる。投薬頻度は、約毎月1回の投薬とすることができる。投薬頻度は、約毎週2回の投薬とすることができる。投薬頻度は、毎月約1回超の投薬であるが、毎週約1回未満の投薬とすることができる。投薬頻度は、断続的(例えば、任意の14日の期間、例えば、約2カ月、約4カ月、約6カ月またはそれ以上などで繰り返される、7日間毎日1回の投薬の後、7日間投与なし)とすることができる。投薬頻度は、継続的(例えば、連続する週の間、毎週1回の投薬)とすることができる。いずれの投薬頻度も、本明細書に記載された任意の投与量とともに、本明細書に記載された任意の化合物を用いることができ、例えば、投薬頻度は、ディメボンの0.1mg/kg未満または約0.05mg/kg未満の毎日1回の投与とすることができる。
精神分裂病を治療する方法
本明細書に記載された水素化ピリド[4,3−b]インドールは、精神分裂病を治療する、かつ/または精神分裂病の発症および/または発病を予防する、かつ/または遅延させるために用いることができる。実施例1に例示されるように、代表的な水素化ピリド[4,3−b]インドールのディメボンは、培養ラット海馬ニューロンにおいて、NMDA誘発電流へのMK−801の遮断作用を低減することができる。水素化ピリド[4,3−b]インドールの、精神分裂病を治療する、かつ/または精神分裂病の発症および/または発病を予防する、かつ/または遅延させる能力を判定するための例示的な方法は、実施例2および3に説明されている。
本明細書に記載された化合物は、NMDA受容体遮断薬となり得るが、NMDA受容体へのMK−801の遮断活性を低減することができる可能性もあることが、驚いたことに判明した。フェンシクリジンおよびMK−801は、NMDA受容体の同じチャネル内セグメントを競合することによる、同じ機構によって作用することが見出されたので、本明細書に記載された化合物は、全く同じようにNMDA受容体へのフェンシクリジンの遮断作用を弱めるであろうということが予期されるはずである。フェンシクリジンの精神異常発現特性は、NMDA受容体イオンチャネル内の特定のセグメントに安定に結合するフェンシクリジンの能力に起因し、そのイオンチャネルを通過するイオン電流を遮断することであるので、その場合には、本明細書に記載された化合物、例えば式(1)、(2)、(A)または(B)の化合物などによるこの遮断作用の減弱により、フェンシクリジンの精神異常発現特性の減少が導かれるはずである。
したがって、本発明は、「発明の簡単な概要」および本開示の他で記載されたものなどの、様々な方法を提供する。本発明の方法は、本明細書に記載された化合物を用いる。例えば、一実施形態では、本発明は、精神分裂病の治療の必要のある患者において精神分裂病を治療する方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩を個体に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、精神分裂病を発病するリスクがあると見なされる個体(例えば、一人または複数の家族メンバーが精神分裂病を有したことのある個体、または精神分裂病に関係する遺伝変異を有すると診断された個体、または精神分裂病の発症と一致する行動を示す個体)において、精神分裂病の発症および/または発病を遅延させる方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、遺伝的に精神分裂病を発病しやすい個体において、精神分裂病の発症および/または発病を遅延させる方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、精神分裂病に関係する変異遺伝子または異常遺伝子(NRG1遺伝子またはDTNBP1遺伝子など)を有するが、精神分裂病と診断されていない個体において、精神分裂病の発症および/または発病を遅延させる方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、遺伝的に精神分裂病を発病しやすいか、または精神分裂病に関係する変異遺伝子または異常遺伝子を有するが、精神分裂病と診断されていない個体において、精神分裂病を予防する方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、遺伝的に精神分裂病を発病しやすいと特定されていない個体において、精神分裂病の発症および/または発病を予防する方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、精神分裂病と診断された個体において、精神分裂病の症状の強度または重症度を減少させる方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、精神分裂病と診断された個体の生活の質を高める方法であって、有効量の水素化ピリド[4,3−b]インドール、例えばディメボンなど、または医薬として許容可能なその塩をこの個体に投与することを含む方法を提供する。一変形では、この方法は、任意の上記方法、例えば、精神分裂病の治療および/または精神分裂病の発症もしくは発病の予防および/または遅延において用いるための医薬品の製造を含む。
本明細書で開示された方法、製剤、キットおよび発明における使用のための化合物
特定の数の炭素を有する有機残基または有機部分を言及する場合、他に明らかに述べられていない限り、これは、すべての幾何異性体または他の異性体を意図する。例えば、「ブチル」は、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルを含み、「プロピル」は、n−プロピルおよびイソプロピルを含む。
用語「アルキル」は、直鎖、分岐または環式の炭化水素構造およびその組合せを意図し、含む。好ましいアルキル基は、20個の炭素原子(C20)またはそれ以下を有するものである。より好ましいアルキル基は、15個未満、または10個未満、または8個未満の炭素原子を有するものである。
用語「低級アルキル」は、1から5個の炭素原子のアルキル基を指す。低級アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロビル、ブチル、s−およびt−ブチルなどが挙げられる。低級アルキルは、アルキルのサブセットである。
用語「アリール」または(「Ar」)は、単環(例えば、フェニル)または芳香族であってもなくてもよい(例えば、2−ベンゾオキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾオキサイン(benzoxain)−3(4H)−オン−7−イル)多縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)などを有する6から14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を指す。好ましいアリールとして、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
用語「ヘテロアリール」は、環内の2から10個の炭素原子ならびに酸素、窒素、および硫黄から選択される1から4個のヘテロ原子の芳香族炭素環基を指す。そのようなヘテロアリールは、単環(例えばピリジルまたはフリル)または多縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有することができる。ヘテロアリール残基の例として、例えば、イミダゾリル、ピリジニル、インドリル、チオフェンイル、チアゾリル、フラニル,ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラゾリルおよびピラゾリルが挙げられる。
用語「アラルキル」は、アリール部分が、アルキル残基を介して親構造に結合している残基を指す。その例は、ベンジル、フェネチルなどである。
用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール部分が、アルキル残基を介して親構造に結合している残基を指す。例として、フラニルメチル、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチルなどが挙げられる。
用語「置換ヘテロアラルキル」は、1から3個の置換基、例えば、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ、アリール、カルボキシル、ハロ、ニトロおよびアミノからなる群から選択される残基などで置換されたヘテロアリール基を指す。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
本明細書に記載された系、方法およびキットにおいて用いるための化合物は、水素化ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩、例えばその酸性塩もしくは塩基性塩などである。水素化ピリド[4,3−b]インドールは、テトラヒドロピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩とすることができる。水素化ピリド[4,3−b]インドールは、ヘキサヒドロピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩とすることもできる。水素化ピリド[4,3−b]インドール化合物は、1から3個の置換基で置換することができるが、非置換水素化ピリド[4,3−b]インドール化合物または3個超の置換基を有する水素化ピリド[4,3−b]インドール化合物も企図されている。適当な置換基として、それだけに限らないが、アルキル、低級アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、置換ヘテロアラルキルおよびハロが挙げられる。
特定の水素化ピリド[4,3−b]インドールは、式AおよびB
Figure 2010116412
(式中、Rは、アルキル、低級アルキルおよびアラルキルからなる群から選択され、Rは、水素、アラルキルおよび置換ヘテロアラルキルからなる群から選択され、Rは、水素、アルキル、低級アルキルおよびハロからなる群から選択される)によって例示される。
一変形では、Rは、アルキル、例えば、C〜C15アルキル、C10〜C15アルキル、C〜C10アルキル、C〜C15アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜C15アルキル、C15〜C20アルキル、C〜CアルキルおよびC〜Cアルキルからなる群から選択されるアルキルなどである。一変形では、Rは、アラルキルである。一変形では、Rは、低級アルキル、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルからなる群から選択される低級アルキルなどである。
一変形では、Rは、直鎖アルキル基である。一変形では、Rは、分岐アルキル基である。一変形では、Rは、環式アルキル基である。
一変形では、Rは、メチルである。一変形では、Rは、エチルである。一変形では、Rは、メチルまたはエチルである。一変形では、Rは、メチルまたはアラルキル基、例えばベンジルなどである。Rは、エチルまたはアラルキル基、例えばベンジルなどである。
一変形では、Rは、アラルキル基である。一変形では、Rは、前記段落において列記されたアルキルまたは低級アルキル置換基の任意の1つが、アリール基でさらに置換されている(例えば、Ar−C〜Cアルキル、Ar−C〜Cアルキル、またはAr−C〜C15アルキル)、アラルキル基である。一変形では、Rは、前記段落において列記されたアルキルまたは低級アルキル置換基の任意の1つが、単環のアリール残基で置換されているアラルキル基である。一変形では、Rは、前記段落において列記されたアルキルまたは低級アルキル置換基の任意の1つが、フェニル基でさらに置換されている(例えばPh−C〜CアルキルまたはPh−C〜Cアルキル、Ph−C〜C15アルキル)、アラルキル基である。一変形では、Rは、ベンジルである。
についてのすべての変形は、RおよびRについて以下に述べる任意の変形と組み合わさり、R、RおよびRのそれぞれ、およびあらゆる組合せが具体的に個々に列記された場合と同じであることが意図され、本明細書によって明瞭に示される。
一変形では、Rは、Hである。一変形では、Rは、アルキル基である。一変形では、Rは、置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、水素またはアラルキル基である。一変形では、Rは、水素または置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、アラルキル基または置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、水素、アラルキル基および置換ヘテロアラルキル基からなる群から選択される。
一変形では、Rは、Rが、上記でRについて述べられたアラルキル基の任意の1つとすることができ、Rについて列記されたそれぞれの、およびあらゆるアラルキルの変形が、Rについて別々に個々に列記される場合と同じとすることができるアラルキル基である。
一変形では、Rは、ヘテロアラルキルのアルキル部分が、任意のアルキルまたは低級アルキル基、例えばRについて列記したものなどとすることができる置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、ヘテロアリール基が、1から3個のC〜Cアルキル置換基で置換されている(例えば、6−メチル−3−ピリジルエチル)、置換ヘテロアラルキルである。一変形では、Rは、ヘテロアリール基が、1から3個のメチル基で置換されている置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、ヘテロアリール基が、1個の低級アルキル置換基で置換されている置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、ヘテロアリール基が、1個のC〜Cアルキル置換基で置換されている置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、ヘテロアリール基が、1または2個のメチル基で置換されている置換ヘテロアラルキル基である。一変形では、Rは、ヘテロアリール基が、1個のメチル基で置換されている置換ヘテロアラルキル基である。
他の変形では、Rは、ヘテロアラルキル基のヘテロアリール部分が、単環ヘテロアリール基である、直前の段落における置換ヘテロアラルキル基の任意の1つである。他の変形では、Rは、ヘテロアラルキル基のヘテロアリール部分が、多縮合環ヘテロアリール基である、直前の段落における置換ヘテロアラルキル基の任意の1つである。他の変形では、Rは、ヘテロアラルキル部分が、ピリジル基(Py)である、直前の段落における置換ヘテロアラルキル基の任意の1つである。
一変形では、Rは、6−CH−3−Py−(CH−である。
一変形では、Rは、水素である。他の変形では、Rは、上記でRについて述べられたアルキル基の任意の1つであり、Rについて列記されたそれぞれの、およびあらゆるアルキルの変形が、Rについて別々に個々に列記される場合と同じである。別の変形では、Rは、ハロ基である。一変形では、Rは、水素またはアルキル基である。一変形では、Rは、ハロ基またはアルキル基である。一変形では、Rは、水素またはハロ基である。一変形では、Rは、水素、アルキルおよびハロからなる群から選択される。一変形では、Rは、Brである。一変形では、Rは、Iである。一変形では、Rは、Fである。一変形では、Rは、Clである。
特定の変形では、水素化ピリド[4,3−b]インドールは、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールまたは医薬として許容可能なその塩である。
水素化ピリド[4,3−b]インドールは、医薬として許容可能なその塩の形態とすることができ、これは、当業者に容易に分かる。医薬として許容可能な塩には、医薬として許容可能な酸性塩が含まれる。特定の医薬として許容可能な塩の例として、塩酸塩または二塩酸塩が挙げられる。特定の変形では、水素化ピリド[4,3−b]インドールは、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールの医薬として許容可能な塩、例えば、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩(ディメボン)である。
特定の水素化ピリド−([4,3−b])インドールは、式(1)または式(2)
Figure 2010116412
によって記述することもできる。
一般式(1)または(2)の化合物について、下記置換基の任意の組合せにおいて、
は、−CH、CHCH−、またはPhCH−(ベンジル)を表し、
は、−H、PhCH−、または6−CH−3−Py−(CH−であり、
は、−H、−CH、または−Brである。
式(1)および(2)の置換基のすべての可能な組合せは、特定の個々の化合物として企図されており、それぞれ1つの、および個々の化合物が、化学名によって列記された場合と同じである。先に列記された置換基からの1つまたは複数の可能な部分の任意の欠落を伴った、式(1)または(2)の化合物も企図されている。例えば、Rが、−CHを表し、Rが、−H、PhCH−、または6−CH−3−Py−(CH−であり、Rが、−H、−CH、または−Brである場合、またはRが、−CHを表し、Rが、6−CH−3−Py−(CH−であり、Rが、−H、−CH、または−Brである場合。
本明細書の上記および任意の化合物は、医薬として許容可能な酸を含む塩の形態、および四級化された誘導体の形態とすることができる。
化合物は、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが、−CHである式(1)とすることができる。一変形では、化合物は、置換基は、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが、−CHである場合でないという条件で、式(1)である。化合物は、Rが、−CH、CHCH−、またはPhCH−によって表され、Rが、−H、PhCH−、または6−CH−3−Py−(CH−であり、Rが、−H、−CH、または−Brである式(2)とすることができる。化合物は、Rが、CHCH−、またはPhCH−であり、Rが−Hであり、Rが−Hである式(2)、あるいはRが−CHであり、RがPhCH−であり、Rが−CHである化合物、あるいはRが−CHであり、Rが、6−CH−3−Py−(CH−であり、Rが−CHである化合物、あるいはRが−CHであり、Rが−Hであり、Rが、−Hまたは−CHである化合物、あるいはRが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−Brである化合物とすることができる。
本明細書に開示された方法に用いることのできる、文献から分かる化合物として、以下の特定の化合物が挙げられる。
1. cis(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩;
2. 2−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;
3. 2−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;
4. 2,8−ジメチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩;
5. 2−メチル−5−(2−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびそのセスキ硫酸塩;
6. 2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩(ディメボン);
7. 2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;
8. 2,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびそのメチルヨウ化物;
9. 2−メチル−8−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその塩酸塩。
一変形では、化合物は、式AまたはBであり、Rは、低級アルキルもしくはベンジルから選択され、Rは、水素、ベンジルもしくは6−CH−3−Py−(CH−から選択され、Rは、水素、低級アルキルもしくはハロから選択され、または任意の医薬として許容可能なその塩である。別の変形では、Rは、−CH、CHCH−、もしくはベンジルから選択され、Rは、−H、ベンジル、もしくは6−CH−3−Py−(CH−から選択され、Rは、−H、−CH、もしくは−Brから選択され、または任意の医薬として許容可能なその塩である。別の変形では、化合物は、ラセミ混合物としての、または実質的に純粋な(+)形態または実質的に純粋な(−)形態でのcis(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2,8−ジメチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2−メチル−5−(2−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;2,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール;または2−メチル−8−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールまたは任意の前述のものの任意の医薬として許容可能な塩からなる群から選択される。一変形では、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−CHである式AまたはB、または任意の医薬として許容可能なその塩である。化合物は、Rが、CHCH−、またはベンジルであり、Rが−Hであり、Rが−CHである式AまたはB、または任意の医薬として許容可能なその塩とすることができる。化合物は、Rが−CHであり、Rがベンジルであり、Rが−CHである式AまたはB、または任意の医薬として許容可能なその塩とすることができる。化合物は、Rが−CHであり、Rが、6−CH−3−Py−(CH−であり、Rが−Hである式AまたはB、または任意の医薬として許容可能なその塩とすることができる。化合物は、Rが、6−CH−3−Py−(CH−である式AまたはB、または任意の医薬として許容可能なその塩とすることができる。化合物は、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−Hまたは−CHである式AまたはB、または任意の医薬として許容可能なその塩とすることができる。化合物は、Rが−CHであり、Rが−Hであり、Rが−Brである式AまたはB、または任意の医薬として許容可能なその塩とすることができる。化合物は、Rが、低級アルキルまたはアラルキルから選択され、Rが、水素、アラルキルまたは置換ヘテロアラルキルから選択され、Rが、水素、低級アルキルまたはハロから選択される式AまたはBとすることができる。
系および方法において用いるための化合物は、2,8−ジメチル−5−(2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールまたは任意の医薬として許容可能なその塩、例えば、その酸性塩、塩酸塩、もしくは二塩酸塩などとすることができる。
ピリド[4,3−b]インドール環構造内に2個の立体中心(例えば、化合物(1)の炭素4aおよび9b)を有する、本明細書に開示された任意の化合物には、その立体中心がシス型またはトランス型にある化合物が含まれる。組成物は、実質的に純粋な形態でそのような化合物を含むことができ、例えば、実質的に純粋なS,SまたはR,RまたはS,RまたはR,S化合物の組成物などである。実質的に純粋な化合物の組成物は、その組成物が、異なる立体化学形態において、15%以下、または10%以下、または5%以下、または3%以下、または1%以下の不純物の化合物しか含有しないことを意味する。例えば、実質的に純粋なS,S化合物の組成物は、その組成物が、15%以下、または10%以下、または5%以下、または3%以下、または1%以下のR,RまたはS,RまたはR,S型の化合物しか含有しないことを意味する。組成物は、そのような立体異性体の混合物として化合物を含有することができ、この混合物は、等量または不等量でのエナンチオマー(例えば、S,SおよびR,R)またはジアステレオマー(例えば、S,SおよびR,SまたはS,R)であり得る。組成物は、立体異性体の任意の比での、2または3または4種のそのような立体異性体の混合物として化合物を含有できる。ピリド[4,3−b]インドール環構造内以外に立体中心を有する、本明細書に開示された化合物は、それだけに限らないが、任意の比率でのエナンチオマーおよびジアステレオマーを含めた、そのような化合物のすべての立体化学的変形を意図し、ラセミ混合物およびエナンチオ濃縮(enantioenriched)混合物および他の可能な混合物を含む。構造中に立体化学が明確に示されていない限り、その構造は、示された化合物のすべての可能な立体異性体を包含することが意図される。
cis(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドールおよびその二塩酸塩についての合成およびこれらについての神経遮断薬特性に関する研究は、例えば以下の刊行物に報告されている:Yakhontov, L.N.、Glushkov, R.G.、「Synthetic therapeutic drugs」、A.G. Natradze編、Moscow Medicina、1983年、234〜237頁。文献から分かる上記の化合物2、8および9の合成、ならびにセロトニンアンタゴニストとしてのその特性に関するデータは、例えば、C.J. Cattanach、A. Cohen & B.H. Brown、J. Chem. Soc. (Ser.C) 1968年、1235〜1243頁に報告されている。文献から分かる上記の化合物3の合成は、例えば、論文のN.P.Buu−Hoi、O.Roussel、P.Jacquignon、J. Chem. Soc.、1964年、2号、708〜711頁に報告されている。N.F. KucherovaおよびN.K. Kochetkov (General chemistry(ロシア語)、1956年、26巻、3149〜3154頁)は、文献から分かる上記の化合物4の合成を記述している。文献から分かる上記の化合物5および6の合成は、「Chemistry of heterocyclic compounds」、1973年、2号、207〜212頁においてA.N. Kost、M.A. Yurovskaya、T.V. Mel’nikovaによって論文に記載されている。文献から分かる上記の化合物7の合成は、Chem. Ber、1954年、Bd. 87、hft 4、463−p. 472においてU,Horleinによって記載されている。「Chemistry of heterocyclic compounds」(1981年、8号、1072〜1078頁)において、M.YurovskayaおよびI.L. Rodionovは、上記化合物8のメチルヨウ化物の合成を記述している。
本明細書に記載された1つまたはいくつかの化合物は、活性成分としての1つまたは複数の化合物を、当技術分野で知られている薬理学的に許容可能な担体と合わせることによって、医薬製剤などの製剤の調製に用いることができる。系の治療形態(例えば、経皮パッチ対経口錠剤)に応じて、担体は、様々な形態とすることができる。さらに、医薬調製物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤(re−wetting agent)、エマルゲーター、甘味料、染料、調整剤,浸透圧の調整のための塩、緩衝剤、コーティング剤または抗酸化剤を含有することができる。ディメボンなどの化合物を含む調製物は、有用な治療特性を有する他の物質も含有することができる。治療形態は、通常の標準用量によって表すことができ、知られている製薬方法によって調製できる。適当な製剤は、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、フィラデルフィア、ペンシルベニア州、20版(2000年)中に見出すことができる。
本発明は、本明細書に記載された1つまたは複数の化合物を含むキットをさらに提供する。このキットは、本明細書に開示された任意の化合物および使用説明書を用いることができる。一変形では、キットは、ディメボンを用いる。このキットは、本明細書に記載された任意の1つまたは複数の使用を用いることができ、したがって、任意の1つまたは複数の述べられた使用(例えば、精神分裂病の治療および/または精神分裂病の発症および/または発病の予防および/または遅延)のための使用説明書を含むことができる。
キットは、適当な包装を一般に含む。このキットは、本明細書に記載された任意の化合物を含む1つまたは複数の容器を含むことができる。各成分(1つを超える成分が存在する場合)は、別々の容器に詰めることができるか、またはいくつかの成分は、交差反応および保管寿命が許す場合、1つの容器中に合わせることができる。
本発明の方法の成分(複数も)の使用(例えば、精神分裂病の治療、精神分裂病の発症および/または発病の予防および/または遅延)に関連して、キットは、場合によって一連の使用説明書、一般に文書の使用説明書を含むことができるが、使用説明書を含む電子記憶媒体(例えば、磁気ディスケットまたは光ディスク)も許容できる。キットともに含められる使用説明書は、一般に成分および個体へのその投与に関する情報を含む。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供するが、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
化合物のNMDA誘発電流遮断特性を評価する方法
Figure 2010116412
の2,8−ジメチル−5−[2−(6−メチルピリジル−3)エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール二塩酸塩である、薬物「ディメボン」を本明細書に記載された化合物の代表として採用した。
実験は、新たに分離したラット大脳皮質のニューロンまたは培養ラット海馬ニューロンに対してパッチクランプ法によって行った。培養のためのニューロンは、トリプシン処理の方法とその後のピペット操作によって、新生ラット(1〜2日)の海馬から得た。培地に懸濁させた細胞を、ポリ−L−リジンで被覆されたガラスが最初に置かれた、6ウェルのプランシェット(Nunc)のウェルまたはペトリ皿に3mLの量で入れた。一般に細胞濃度は、2.5×10〜5×10細胞/mLであった。イーグル最小培地およびDME/F12培地(1:1)からなる培地を、10%子ウシ血清、グルタミン(2mM)、ゲンタマイシン(50μg/mL)、グルコース(15mL)および20mMのKClで補充し、pHをNaHCOを用いて7〜7.4にした。培養物を含むプランシェットを37℃および湿度100%のCO−インキュベーター内に置いた。培養の2日目から3日目に、シトシンアラビノシド10〜20μLを加えた。培養から6〜7日後に、引き続く実験に応じて、1mg/mLのグルコースを培地に加えるか、または培地を交換した。培養された海馬ニューロンを、0.4mLの作業チャンバー内に置いた。作業溶液は、以下の組成を有していた(mM):NaCl 150.0、KC1 5.0、CaCl
2.6、MgSO×7HO 2.0、HEPES 10.0、グルコース 15.0、pH 7.36。
NMDAの適用によって生成される膜貫通電流は、ホールセル配置において、パッチクランプ電気生理学的方法によって記録した。物質の適用は、急速灌流の方法によって行った。電流は、以下の組成物(mM):KCl 100.0、EGTA 11.0、CaCl 1.0、MgCl2 1.0、HEPES 10.0、ATP 5.0 pH 7.2で満たしたホウケイ酸塩の微小電極(抵抗3.0〜4.5mOhm)を用いて記録した。EPC−9装置(HEKA、ドイツ)を記録のために用いた。電流は、やはりHEKAから購入されるパルスプログラムを用いて、Pentium(登録商標)−IV PCのハードディスク上に記録した。結果は、Pulsefitプログラム(HEKA)を用いて分析した。
NMDAの適用により、培養された海馬ニューロン中に流入電流が誘発された。ディメボンは、NMDAの適用によって生じた電流への遮断作用を有した。ディメボンのIC50は、6.0から10μMまで変化し、7.7±1.9μMの平均であった。MK−801も、NMDA誘発電流の遮断を引き起こした。この遮断は、明らかな「使用依存性」を有した。言い換えれば、MK−801によって引き起こされる遮断作用の大きさは、アゴニスト、すなわちNMDAの先行する作用に依存した。遮断作用は、MK−801の濃度に依存した、ある最終値までの一連の連続的なアゴニストの適用において増加する。1μmのMK−801により、NMDA誘発電流が70±15%遮断された。10μMの濃度のディメボンを含有する溶液でのニューロンの事前灌流により、MK−801の遮断作用が40±18%まで減少した。比較のため、NMDA受容体の競合するアンタゴニストである、D−AP5(D−2−アミノ−5−ホスホノ吉草酸、選択されたNMDA受容体アンタゴニスト)の作用を、比較のために調査した。5μmの用量のD−AP5自体は、NMDA誘発電流を60〜80%遮断した。D−AP5の事前適用により、MK−801の遮断作用は減少しなかった。
得られた結果を表1に提供する。
表1.培養ラット海馬ニューロンにおけるNMDA誘発電流への物質の作用
Figure 2010116412
結果は、ディメボンは、それ自体NMDA受容体のアンタゴニストであると考えられているという事実にもかかわらず、培養ラット海馬ニューロンにおいて、NMDA誘発電流へのMK−801の遮断作用を低減することができることを示す。NMDA受容体へのディメボンの遮断作用の機構は、依然として確立されていないが、この機構は、NMDA受容体イオンチャネルの非競合遮断薬、フェンシクリジン、MK−801およびケタミンに特徴的である神経毒性作用を有していない。これらの新規な結果に基づくと、NMDA受容体へのMK−801(および類似してフェンシクリジン)のチャネル遮断作用の低減は、その精神異常作用の減少を導くことができ、したがって精神分裂病に特徴的な症状の除去を導くことができるということを示すことができる。
これらの結果は、ディメボンは、その以前に述べられた特性とともに、精神分裂病の有効な治療に用いることができることを示す。
(実施例2)
本発明の化合物の、精神分裂病を治療する、精神分裂病の発症および/または発病を予防する、かつ/または遅延させる能力を判定するためのin vivoモデルの使用
精神分裂病のin vivoモデルは、本明細書に記載された任意の水素化ピリド[4,3−b]インドール(例えば、ディメボン)の、精神分裂病を治療する、かつ/または精神分裂病の発症および/または発病を予防する、かつ/または遅延させる能力を判定するのに用いることができる。
本明細書に記載された1つまたは複数の水素化ピリド[4,3−b]インドールの、精神分裂病を治療する、かつ/または精神分裂病の発症および/または発病を予防する、かつ/または遅延させる活性を試験するための一例示的モデルは、フェンシクリデン(phencyclidene)を用い、これは、動物(例えば、非霊長類(ラット)または霊長類(サル))に慢性的に投与され、精神分裂病のヒトに見られる機能障害と同様の機能障害をもたらす。Jentschら、1997年、Science 277巻:953〜955頁およびPierceyら、1988年、Life Sci.、43巻(4号):375〜385頁を参照されたい。標準的な実験プロトコルを、この動物モデルまたは他の動物モデルにおいて用いることができる。
(実施例3)
本発明の化合物の、精神分裂病を治療する、精神分裂病の発症および/または発病を予防する、かつ/または遅延させる能力を判定するためのヒト臨床試験の使用
必要に応じて、本明細書に記載された任意の水素化ピリド[4,3−b]インドール(例えば、ディメボン)は、この化合物の、精神分裂病を治療する、精神分裂病の発症および/または発病を予防する、かつ/または遅延させる能力を判定するために、ヒトにおいても試験をすることができる。これらの臨床試験のために、標準的な方法を用いることができる。
一例示的方法では、精神分裂病を有する対象は、標準プロトコルを用いて、水素化ピリド[4,3−b]インドールの耐容性、薬物動態および薬力学のフェーズI研究に登録される。次いでフェーズIIの二重盲検無作為化対照試験を行うことによって、水素化ピリド[4,3−b]インドールの効力を判定する。
前述の発明を、理解を明瞭にする目的で、例示および実施例によって多少詳細に説明してきたが、ある程度の軽微な変更および改変が行われるであろうということは、当業者に明らかである。したがって、本説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書に開示された、すべての参考文献、刊行物、特許および特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
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