以下、添付した図を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。
図3は、本発明の第1実施例に係る4元系窒化物半導体発光ダイオードの構造を示す断面図である。
図3を参照すると、本発明の第1実施例に係る4元系化合物半導体発光ダイオード100は、[0001]結晶軸方向に配向した基板([0001]−oriented substrate)上に[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に40゜〜70゜傾斜した配向方向を有するように成長して、導電性不純物がドーピングされたバッファ層150と、バッファ層150上に形成された発光層110と、バッファ層150の下部に形成された第1電極160と、発光層110上部に形成された第2電極170とで構成される。
発光層110は、バッファ層150を経由して引加される電界から発光のためのキャリアを発生させる第1クラッド層120と、第2電極170から引加される電界から発光のためのキャリアを発生させる第2クラッド層140と、第1クラッド層120と第2クラッド層140間に形成されて光を発生させる活性層130とで構成される。
本発明の第1実施例に係る半導体発光ダイオード100の発光層110を構成する活性層130、第1クラッド層120及び第2クラッド層140は、窒素(N)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ヒ素(As)などのIII−V族の物質を組み合わせて形成される窒化化合物半導体層である。
活性層130は、GaNまたはInXGa1−XNのようにIII−V族の物質を組み合わせて量子井戸層が形成される単結晶の半導体層である。
このような、活性層130を構成するInXGa1−XNの3元系の中で、インジウム(In)の組成比Xは、0<X<1の範囲内である。
そして、活性層130を間に置いて形成される第1クラッド層120及び第2クラッド層140は、InXAlYGa1−X−YNのように、4元系のIII−V族の物質を組み合わせて形成される単結晶の半導体層である。
このような、第1クラッド層120及び第2クラッド層140を構成するInXAlYGa1−X−YNの4元系の中で、インジウム(In)の組成比Xとアルミニウム(Al)の組成比Yを所定の比で組み合わせて、第1クラッド層120及び第2クラッド層140が、約4.0eVのエネルギーバンドギャップを有するように形成する。
このような構成を有する発光ダイオード100の下部に形成された第1電極160と、発光ダイオード100の上部に形成された第2電極170に電界が引加されると、両電極(160、170)を通じて引加される電界によるエネルギーが、発光層110で光に変換されて発光する。
ここで、第1クラッド層120及び第2クラッド層140は、不完全な異種結晶成長技術のためダイオード製作時に欠点が多い[10−10]結晶軸に配向した非極性基板の代わりに、[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に40゜〜60゜(最も好ましくは、56゜)傾斜した配向方向を有した基板上に成長する半導体層である。
そして、第1クラッド層120及び第2クラッド層140を構成する4元系化合物のInXAlYGa1−X−YNの元素の中で、インジウム(In)の組成比Xは、0<X≦0.3の範囲内、アルミニウム(Al)の組成比Yは、0<Y≦0.3の範囲内でそれぞれ調節される。その結果、ガリウム(Ga)の組成比は、0.4≦Ga<1の範囲内で調節される。
また、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)の組成比は、第1クラッド層120及び第2クラッド層140のエネルギーバンドギャップが、4.0eVを有するように調節される。
さらに、第1クラッド層120及び第2クラッド層140のエネルギーバンドギャップが、4.0eVを維持する条件下で、ピエゾ電界及び自発分極現象による活性層130の内部電界が消滅するアルミニウム(Al)及びインジウム(In)の組成比を適用して、活性層130で発生する光の効率を向上させることができる。
ここで、第1クラッド層120のアルミニウム(Al)とインジウム(In)との組成比と、第2クラッド層140のアルミニウム(Al)とインジウム(In)との組成比は、それぞれ予め設定された範囲内で対称に(symmetrical)構成することができる。
具体的に、第1クラッド層120のアルミニウム(Al)の組成比Yが、0<Y≦0.3の範囲内で第1組成比を有する場合、第2クラッド層140のアルミニウム(Al)の組成比Y’は、0<Y’≦0.3の範囲内で第1組成比Yと異なる第2組成比を有する。例えば、第1組成比Yが0.1の場合、第2組成比Y’は0.3である。
第1クラッド層120及び第2クラッド層140のアルミニウム(Al)の組成比Y,Y’を対称的に調節して、活性層130に引加される応力を相殺させて、自発分極現象を防止することができる。
同様に、第1クラッド層120及び第2クラッド層140のインジウム(In)の組成比X,X’もアルミニウム(Al)のように対称的に調節して活性層130に引加される応力を相殺させて、自発分極現象を防止することができる。
図4に示したように、第2クラッド層140にp型物質(例えば、マグネシウム)をドーピング(薄膜塗布またはインプラント)してデルタドーピング層180を形成することができる。このようなデルタドーピング層180は、クラッド層140の内部で活性層130に近い領域に形成される。このデルタドーピング層180によって、減衰させられた分極電界が相殺される。
上記で、デルタドーピング層180を第2クラッド層140に形成することを説明したが、デルタドーピング層180を第2クラッド層140だけでなく第1クラッド層120にも形成することができ、第1クラッド層120及び第2クラッド層140の両方に形成することもできる。
そして、デルタドーピング層180は、4元系III−V族窒化物半導体だけではなく、3元系III−V族窒化物半導体にも適用が可能であり、3元系及び4元系II−VI族酸化物半導体にも適用することができる。
図5は、n個の層を有する半導体構造で活性層及びクラッド層に引加される応力を示す図である。
図5に示したように、n個の層を有する場合、i番目の層190に引加される応力Fiは、次の数1のように計算することができる。これに対する理論的根拠は、[K.Nakajima,J.Appl.Phys.1992年,第72巻,5213頁]に開示されている。
ここで、diはn個の層の中でi番目の層の厚さ、aiはi番目の層の格子定数、Eiはヤング率、そして、Liは熱膨脹を考慮したi番目の層の有効格子定数であり、これら値は数2〜数5によって得られる。
ここで、ヤング率は、1807年にT.Youngが導入した弾性率を意味し、均一な太さの棒を両端から引っ張ると棒に加えられる変形力Tは、単位長さ当りの延伸(または縮み)Aに弾性限界内で比例し、その比E=T/Aをヤング率または延伸弾性率という。このような延伸弾性率は、棒の太さや長さとは関系なく材料によって一定な値で現わされる。
ここで、eiは、n個の層の中でi番目の層に引加される有効歪みで、Rは基板が物理的に撓む程度で、サファイア基板の場合は6mから12mの範囲を有する。上記で開示された数式によると、n=3の場合、先で説明したように、活性層130の歪みが効果的に消滅する4元系物質の組成比が存在することが分かる。
一方、インジウム(In)の組成比を増加させると、第1クラッド層220及び第2クラッド層240に圧縮応力が引加される。
応力は、変形力ともいって、物体に作用する外力に対する反作用で、物体の形態をそのまま維持しようと物体内にできる内力を意味する。
物体の主軸に対して力が作用する方向によって、応力は、ずり応力、引張応力、圧縮応力に分けられ、物体の同一な位置でも応力の種類と強さは、物体の主軸に対して力が作用する方向によって変化し得る。
均一な断面を有した棒の両端をpという力で引っ張るとき、棒は力pによって伸びて、力pが段々増加すると棒は結局折れるようになり、力pに対する応答として、棒の中の多数の微小粒子間には多数の作用/反作用(以下、「内力」という。)が発生する。
これら内力は目に見えないが、万一、棒を主軸に垂直の仮想断面m−nで切断したとすると、m−nの下の部分は下端に外力pが作用していて、上端には上部の多くの粒子から下の部分の多くの粒子に内力が作用している。この内力は、断面m−nに均一に分布し、その断面積全体に作用する内力の合計がまるで下端に作用する外力pと同じ大きさになっている。
したがって、物体内のどの断面を想定しても、その断面には大きさが同じで方向が反対である一対の内力が作用していることになる。この一対の内力を応力(変形力)という。
インジウム(In)の組成比による引張応力と圧縮応力の変化は、インジウム(In)の組成比が約6%の時、遷移が発生する。すなわち、インジウム(In)の組成比が6%以下のときには引張応力が引加され、インジウム(In)の組成比が6%を越えるときには圧縮応力が引加される。
一般的なガリウム(Ga)基板を成長する場合、引張応力が引加されると、自発分極とピエゾ電界はとき互いに同じ方向を有し、一方、圧縮応力が引加されると、自発分極とピエゾ電界は互いに反対の方向を有する。
図6は、本発明の第2実施例による3元系窒化物半導体発光ダイオードの構造を示す断面図である。
図6に示された、本発明の第2実施例に係る3元系窒化物半導体発光ダイオード200は、第1クラッド層220及び第2クラッド層240の構成を除き、図3に示された本発明の第1実施例に係る発光ダイオード100と同一な構成を有するので、その他の構成要素に対する詳細な説明は、本発明の第1実施例の説明に替える。
図6に示したように、本発明の第2実施例に係る3元系窒化物半導体発光ダイオード200は、発光層210を構成する第1クラッド層220及び第2クラッド層240が3元系窒化物で構成され、発光層210の自発分極現象及びピエゾ電界を制御することで、発光ダイオード100の光特性を向上させることができる構造を示す。
本発明の第2実施例に係る半導体発光ダイオード200の発光層210を構成する活性層230、第1クラッド層220及び第2クラッド層240は、窒素(N)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ヒ素(As)などのIII−V族の物質を組み合わせて形成される窒化化合物半導体層である。
発光層210を構成する活性層230は、InXGa1−XNまたはGaNのようにIII−V族の物質を組み合わせて量子井戸層が形成される単結晶の半導体層である。
活性層230を構成するInXGa1−XNの3元系化合物の中でインジウム(In)の組成比Xは、0<X<1の範囲内である。
そして、活性層230を間に置いて形成される第1クラッド層220及び第2クラッド層240は、AlYGa1−YNまたはInXGa1−XNのように、III−V族の物質を組み合わせて形成される3元系化合物からなる単結晶の半導体層である。
ここで、第1クラッド層220及び第2クラッド層240は、AlYGa1−YNまたはInXGa1−XNのIII−V族の3元系窒化物で形成され、第1クラッド層220及び第2クラッド層240がAlYGa1−YNで構成される場合、アルミニウム(Al)の組成比Yは、0<Y≦0.3の範囲内であり、第1クラッド層220及び第2クラッド層240のエネルギーバンドギャップが4.0eVを有するようにアルミニウム(Al)の組成比Yを調節することができる。
一方、第1クラッド層220及び第2クラッド層240がInXGa1−XNで構成される場合、インジウム(In)の組成比Xは、0<X≦0.3の範囲内であり、第1クラッド層220及び第2クラッド層240のエネルギーバンドギャップが4.0eVを有するようにインジウム(In)の組成比Xを調節することができる。
ここで、第1クラッド層220及び第2クラッド層240は、不完全な異種結晶成長技術のためダイオード製作時の欠点が多い[10−10]結晶軸に配向した非極性基板の代わりに、[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に40゜〜60゜(最も好ましくは、56゜)傾斜した配向方向を有した基板上に成長される半導体層である。
本発明の第2実施例によれば、第1クラッド層220及び第2クラッド層240のエネルギーバンドギャップが4.0eVを維持する条件下で、ピエゾ電界及び自発分極現象による活性層230の内部電界が消滅するアルミニウム(Al)及びインジウム(In)の組成比を適用することにより、活性層230で発生する光の効率を向上させることができる。
ここで、第1クラッド層220と第2クラッド層240のアルミニウム(Al)とインジウム(In)の組成比は、それぞれの物質(Al、In)の組成比が対称をなすように形成することができる。すなわち、第1クラッド層220のアルミニウム(Al)が、0<Y≦0.3の範囲内で第1の組成比を有するとき、第2クラッド層240のアルミニウム(Al)は、0<Y’≦0.3の範囲内で第1の組成比とは異なる第2の組成比Y’を有する。例えば、第1の組成比Yが0.1のとき、第2の組成比は、0.3である。
このように第1クラッド層220及び第2クラッド層240のアルミニウム(Al)の組成比Y、Y’を対称的に調節して、活性層230に引加される応力を相殺させて、自発分極現象を防止することができる。
また、第1クラッド層220及び第2クラッド層240のインジウム(In)の組成比X,X’もアルミニウム(Al)のように対称的に調節して活性層230に引加される応力を相殺させ、自発分極現象を防止することができる。
図7は、本発明の第1及び第2実施例に係る半導体発光ダイオードの活性層及びクラッド層に形成されるピエゾ電界及び自発分極を示すグラフである。
図7を参照すると、本発明の第1及び第2実施例に係る半導体発光ダイオード(100、200)は、発光層(110、210)がAlYGa1−YN、InXGa1−XN、InXAlYGa1−X−YN(クラッド層)/GaN、InXGa1−XN(活性層)で構成される3元系または4元系III−V族の窒化物半導体であって、第1及び第2クラッド層を構成するインジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)の組成比を調節して発光層(110、210)に形成されるピエゾ電界及び自発分極を最小化させることができる。
インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)の組成比を調節して発光層(110、210)に形成されるピエゾ電界及び自発分極を最小化させる構成に対する説明は、発光層210が、InXGa1−XN(クラッド層)/GaN(活性層)で構成される3元系III−V族の窒化物半導体を例に説明することにする。
クラッド層が、InXGa1−XNで構成される場合には、インジウム(In)の組成比を調節してピエゾ電界及び自発分極を最小化させる。
第1及び第2クラッド層を構成するInXGa1−XNにおいて、Inの組成比Xは、0<X<1の範囲内であり、これによってガリウム(Ga)は、0<Ga<1の組成比を有する。
ここで、第1及び第2クラッド層を構成するInXGa1−XNにおいてInの組成比の最適範囲は、Xが0<X≦0.3の範囲であり、これによってガリウム(Ga)は、0.7≦Ga<1の組成比範囲を有する。
図7では、Inの組成比Xは0.15で、Gaの組成比Vは0.85を適用して得られた結果を示した。図7に示された、結果値は、活性層の厚さを3nm、クラッド層の厚さを7nmに形成したときの値である。理論的なモデルは、[Ahn等,IEEE J Quantum Electron,2005年,第41巻,1253頁]を根拠とする。
図7に示したように、3元系窒化化合物半導体でインジウム(In)の組成比を調節し、発光層に形成される自発分極を制御することができる。
図7に示したように、本発明の第1及び第2実施例に係る半導体発光ダイオードは、基板の配向方向が[0001]結晶軸を基準に40゜〜70゜の結晶角(θ)程度[11−22]結晶軸の方向に変化させたとき、光特性が向上することが分かる。特に、結晶角(θ)が56゜のとき、結晶の自発分極が最適になることが分かる。
ここで、発光層に引加されるピエゾ電界及び自発分極の総和は、次の数6によって算出される。
ここで、Pは分極の種類、Lは活性層及びクラッド層の厚さを示す。
上記の数6に基づいて算出された、発光層に引加される内部電界の変化は、図7に示したとおりである。
図8は、本発明の第1及び第2実施例に係る半導体発光ダイオードにおいて、発光層に引加される内部電界を結晶角(θ)の関数で示したグラフである。
図8を参照すると、本発明の第1及び第2実施例に係る半導体発光ダイオードは、基板の配向方向が[0001]結晶軸を基準に40゜〜70゜の結晶角(θ)程度[11−22]結晶軸の方向に変化させたとき、内部電界が減少することが分かる。特に、結晶角(θ)が56゜のとき、内部電界が消滅して最も向上した光特性を示すことが分かる。
また、本発明の第1及び第2実施例に係る半導体ダイオードは、インジウム(In)の組成比Xを0.1、0.15、0.2の3種類の組成比に変化させて、これによってGaの組成比Vを0.9、0.85、0.80に変化させたときに、基板の結晶角(θ)が56゜の結晶構造で内部電界が消滅した。
これを通じて、基板の配向方向を[0001]結晶軸を基準に40゜〜70゜(最適の結晶角(θ)は56゜)の結晶角(θ)程度[11−22]結晶軸の方向に変化させると、結晶角(θ)によって違いはあるが、発光層に形成される内部電界を減少させることができ、特に最適の結晶角(θ)である56゜付近でインジウム(In)の組成比に大きな影響なしに発光層に形成される内部電界を消滅させることができる。
発光層における内部電界の減少の原理について、InXGa1−XN(クラッド層)とGaN(活性層)とからなる3元系または4元系III−V族の窒化物半導体を例に挙げて説明した。この例は説明のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。従って、クラッド層がAlYGa1−YN、InXGa1−XN及びInXAlYGa1−X−YNのうち1つからなり、活性層がGaNまたはInXGa1−XNからなる3元系または4元系III−V族の窒化物半導体であっても、基板の配向方向を40°〜70°(最適な結晶角は約56°)変化させることによって同一な効果を得ることができる。
図9及び図10は、本発明の第1及び第2実施例に係る半導体発光ダイオードにおいて、[10−10]結晶軸に配向した非極性基板を採用したLEDsと、[11−22]結晶軸の方向に56゜傾斜した4元系窒化物半導体LEDsの光特性を比較したグラフである。
本発明の第1及び第2実施例に係る半導体LEDs100,200は、それぞれ発光層110、210を備え、該発光層110,120はそれぞれ、AlYGa1−YN、InXGa1−XNまたはInXAlYGa1−X−YNからなるクラッド層と、GaNまたはInXGa1−XNからなる活性層とを備える3元系または4元系のIII−V族窒化物半導体である。図9および図10は、クラッド層がInXGa1−XNからなり、活性層がGaNからなるLEDsの光学特性を示している。
発光層が、InXGa1−XN(クラッド層)/GaN(活性層)で構成される構造を有する本発明の第1及び第2実施例に係るLEDsは、配向方向が[0001]の基板を使用したLEDsと比較して、図9及び図10に示したように、光学特性が向上した。
また、第1及び第2実施例に係るLEDsの光学特性は、基板の配向方向が[10−10]である非極性基板を使用したLEDsと比較すると、多少劣るものの十分である。
しかし、基板の配向方向が[10−10]である非極性基板は、結晶状態が不安定で製造工程上の短所があるが、基板の配向方向を[11−22]結晶軸の方向に40゜〜70゜(最適の結晶角は56゜)変化させた本発明の第1及び第2実施例に係る半導体発光ダイオードは、基板の結晶状態が非極性基板より安定で製造工程上の利点がある。
それで、まだ結晶成長技術が成熟していない非極性基板を使用するより、本発明の第1及び第2実施例のように、基板の配向方向を[11−22]結晶軸の方向に40゜〜70゜(最適の結晶角は56゜)変化させた基板に3元系III−V族窒化物の組成を活用して半導体LEDsを形成することで、高い製造収率及び高い光効率を得ることができる。
ここで、基板の配向方向が[10−10]である非極性基板と、配向方向を[11−22]結晶軸の方向に40゜〜70゜(最適の結晶角は56゜)変化させた基板の結晶状態に対する理論的モデルは、[K.Nishizuka等,Appl.Phys.Lett,2005年,第87巻,231901頁]を根拠とする。
また、光利得に対する理論的モデルは、[D.Ahn,Prog.Quantum Electron.1997年,第21巻,249;D.Ahn,IEEE J Quantum Electron.1998年,第34巻,344頁]を根拠とする。
前記で説明した本発明の第1及び第2実施例では、第1及び第2クラッド層(120、220、140、240)と活性層(130、230)が、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、リン(P)、ヒ素(As)、窒素(N)のような物質を使用したIII−V族窒化物半導体であるものを説明したが、III−V族窒化物半導体だけではなく、ZnO、CdMgZnOのようにII−VI族の酸化物半導体も適用することができる。
図11は、本発明の第3実施例に係る半導体発光ダイオードの構造を示す断面図である。
図11を参照すると、本発明の第3実施例に係る3元系酸化物半導体発光ダイオード300は、[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に40゜〜60゜(最も好ましくは、56゜)傾斜した配向方向を有した基板上に成長して、導電性不純物がドーピングされたバッファ層350と、バッファ層350上に形成された発光層310と、バッファ層350の下部に形成された第1電極360と、発光層310上部に形成された第2電極370とで構成される。
発光層310は、バッファ層350を経由して引加される電界から発光のためのキャリアを発生させる第1クラッド層320と、第2電極370から引加される電界から発光のためのキャリアを発生させる第2クラッド層340と、第1クラッド層320と第2クラッド層340間に形成されて光を発生させる活性層330とで構成される。
発光層310を構成する活性層330、第1クラッド層320及び第2クラッド層340は、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、セレニウム(Se)、テルル(Te)、酸素(O)などのII−VI族の物質を組み合わせて形成される酸化物半導体層である。
活性層330は、ZnOのようにII−VI族の物質を組み合わせて量子井戸層が形成される単結晶の半導体層である。
そして、活性層330を間に置いて形成される第1クラッド層320及び第2クラッド層340は、MgZnOのように、3元系のII−VI族の物質を組み合わせて形成される単結晶の半導体層である。
このような構成を有する発光ダイオード300の下部に形成された第1電極360と、発光ダイオード300の上部に形成された第2電極370に電界が引加されると、両電極(360、370)を通じて引加される電界によるエネルギーが発光層310で光に変換されて発光する。
本発明の第3実施例に係る半導体LED300は、第1クラッド層320及び第2クラッド層340を構成するMgJZn1−JOの3元系化合物の中で、マグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)の組成比を調節して発光層310に形成されるピエゾ電界及び内部電界を最小化させる。
ここで、マグネシウム(Mg)の組成比Jは、0<J≦0.33の範囲内であり、これによって亜鉛(Zn)は、0.67≦Zn<1範囲の組成比を有する。
このような組成比を有する第1クラッド層320及び第2クラッド層340は、不完全な異種結晶成長技術の短所のためにダイオード製作時に欠点が多い[10−10]配向方向を有する非極性基板の代わりに、[0001]結晶軸に配向した基板上に[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に40゜〜70゜傾斜した配向方向を有するように成長させた半導体層である。
本発明の第3実施例に係る半導体LED300は、前記で説明した配向方向条件下でピエゾ電界及び自発分極現象による発光層310の内部電界を減らすとともに、マグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)の組成比を調節して、発光層310で発生する光の効率を向上させることができる。
図12は、本発明の第3実施例に係る半導体発光ダイオード300において、発光層に引加されるピエゾ電界を示すグラフである。図13は、本発明の第3実施例に係る半導体発光ダイオード300において、発光層310に引加される内部電界を結晶角(θ)の関数で示したグラフである。図12及び図13は、発光層310が、ZnO(活性層)/Mg0.2Zn0.8O(クラッド層)で構成される場合の結果値を示す。
図12を参照すると、[0001]配向方向を基準に15゜配向方向を変化させた基板上にZnO(活性層)/Mg0.2Zn0.8O(クラッド層)を成長させたとき、ピエゾ電界、自発分極及び内部電界が消滅(最小値)し、一方、結晶角(θ)を50゜〜60゜変化させた基板上にZnO(活性層)/Mg0.2Zn0.8O(クラッド層)を成長させたとき、自発分極及び内部電界の絶対値が最大になることが分かる。
図13を参照すると、本発明の第1及び第2実施例に係るIII−V族半導体LEDsは、基板の結晶角(θ)が56゜のとき、最小のピエゾ電界及び内部電界を有することが分かる。
一方、本発明の第3実施例に係るII−VI族半導体LEDは、基板の結晶角(θ)が15゜のときに内部電界が最小値を示し、基板の結晶角(θ)が50゜〜60゜のときに内部電界の絶対値が最大を示す。
図14〜図17は、活性層に拘束された正孔の分布を結晶角(θ)の関数で示したグラフである。
ここで、図14は基板の結晶角(θ)が0゜のとき、図15は基板の結晶角(θ)が20.6゜のとき、図16は基板の結晶角(θ)が60゜のとき、図17は基板の結晶角(θ)が90゜のとき、それぞれの量子井戸構造を有する活性層に拘束された正孔の分布を示す。
このような、基板の結晶角(θ)による活性層に拘束された正孔の分布の理論的モデルは、[S.H.Park and S.L.Chuang,Phys.Rev.1999年,第B59巻,4725頁]を根拠とする。
図18は、本発明の第3実施例に係る半導体LEDにおいて、光利得を結晶角(θ)の関数で示したグラフで、活性層はZnO、クラッド層はMg0.2Zn0.8Oで構成される。
図18を参照すると、光利得は、結晶角(θ)が約50゜の時に最大になることが分かる。
このような、光利得の理論的モデルは、[D.Ahn,Prog.Quantum Electron.1997年,第21巻,249;D.Ahn,IEEE J Quantum Electron.1998年,第34巻,344頁]を根拠とする。
以上の結果から、本発明の第3実施例に係る半導体LED300は、発光層310がZnO(活性層)/Mg0.2Zn0.8O(クラッド層)で構成されて、基板の配向方向が[0001]配向方向を基準に50゜の結晶角(θ)だけ[11−22]配向方向の方向に傾斜した配向方向を有するとき、内部電界が消滅せずに光利得が最大値になることが分かる。
これは、酸化物半導体固有の特性で、結晶角(θ)が15゜のときの内部電界の消滅によって得られる光利得より、結晶角(θ)が50゜のときの内部電界の消滅で得られる光利得がさらに大きいからである。
図19及び図20を参照して、結晶角(θ)が50゜のとき、光利得が最大になる原理を説明することにする。
正孔の有効質量と光利得を決定する光学行列要素は、結晶角(θ)によって変化する。ここで、光利得は正孔の有効質量に反比例して、行列要素に比例する。
電子構造及び内部電界の結果、基板の配向方向が、[0001]配向方向を基準に50゜の結晶角(θ)だけ[11−22]配向方向の方向に傾斜したとき、半導体発光ダイオードは最適な光特性を有する。
これは、発光層310内部の複雑な電子構造によって現われるII−VI族酸化物の半導体ダイオードが有している固有の特性である。
本発明の第3実施例に係る半導体LED300は、不完全な異種結晶成長技術のためにダイオード製作時の欠点が多い非極性基板の代わりに、[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に30゜〜70゜(最も好ましくは、50゜)傾斜した配向方向を有した基板上に、II−VI族3元系酸化物発光ダイオードを形成することで、高い製造収率及び向上した光効率を得ることができる。
ここで、基板の配向方向が[10−10]である非極性基板と、配向方向を[11−22]結晶軸の方向に50゜変化させた基板の結晶状態に対する理論的モデルは、[K.Nishizuka等,Appl.Phys.Lett,2005年,第87巻,231901頁]を根拠とする。
図21は、本発明の第4実施例に係る半導体発光ダイオードの構造を示す断面図である。
図21に示された本発明の第4実施例に係る半導体発光ダイオード400は、図11に示された本発明の第3実施例に係る半導体発光ダイオード300とその構成及び効果において、発光層(310、410)の構成以外の部分は同一な構成を有し、それによって同一な効果を有するので、これに対する詳細な説明は、本発明の第3実施例の説明を参照することとする。
図21を参照すると、本発明の第4実施例に係る4元系化合物半導体発光ダイオード400は、[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に40゜〜70°傾斜した配向方向を有するように成長して、導電性不純物がドーピングされたバッファ層450と、バッファ層450上に形成された発光層410と、バッファ層450の下部に形成された第1電極460と、発光層410上に形成された第2電極470とで構成される。
発光層410は、バッファ層450を経由して引加される電界から発光のためのキャリアを発生させる第1クラッド層420と、第2電極470から引加される電界から発光のためのキャリアを発生させる第2クラッド層440と、第1クラッド層420と第2クラッド層440間に形成されて光を発生させる活性層430とで構成される。
発光層410を構成する活性層430、第1クラッド層420及び第2クラッド層440は、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、セレニウム(Se)、テルル(Te)、酸素(O)などのII−VI族の物質を組み合わせて形成される酸化物半導体層である。
活性層430は、ZnOのようにII−VI族の物質を組み合わせて量子井戸層が形成される単結晶の半導体層である。
そして、活性層430を間に置いて形成される第1クラッド層420及び第2クラッド層440は、CdMgZnOのように、4元系のII−VI族の物質を組み合わせて形成される単結晶の半導体層である。
このような構成を有する発光ダイオード400の下部に形成された第1電極460と、発光ダイオード400の上部に形成された第2電極470に電界が引加されると、両電極(460、470)を通じて引加される電界によるエネルギーが、発光層410で光に変換されて発光する。
第1クラッド層420及び第2クラッド層440を構成するCdKMgJZn1−K−JOの4元系化合物の中でカドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)の組成比を調節して、発光層410の光効率を向上させる。
ここで、カドミウム(Cd)の組成比Kは、0<K≦0.3の範囲内であり、マグネシウム(Mg)の組成比Jは、0<J≦0.33の範囲内であり、これによって亜鉛(Zn)は、0.37≦Zn<1の範囲の組成比を有する。
このような組成比を有する第1クラッド層420及び第2クラッド層440は、不完全な異種結晶成長技術のためにダイオード製作時に欠点が多い[10−10]結晶軸に配向した非極性基板の代わりに、[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸の方向に30゜〜70゜(最も好ましくは、50゜)傾斜した配向方向を有した基板上に成長する半導体層である。
本発明の第4実施例に係る半導体LED400は、前述した配向方向条件下でカドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)の組成比を調節することにより、発光層410で発生する光の効率を向上することができる。
図18に示したように、本発明の第3実施例に係る半導体LED400は、発光層310がZnO(活性層)/CdKMgJZn1−K−JO(クラッド層)で構成されて、基板の配向方向が[0001]配向方向を基準に50゜の結晶角(θ)だけ[11−22]配向方向の方向に傾斜した配向方向を有するとき、内部電界が消滅せずに光利得が最大値になることが分かる。
これは、酸化物半導体固有の特性で、結晶角(θ)が15゜の時の内部電界の消滅によって得られる光利得より、結晶角(θ)が50゜の時の内部電界の消滅で得られる光利得がさらに大きいからである。
図22〜図28は、本発明の実施例に係る半導体発光ダイオードの製造方法を示す工程断面図である。
図22〜図28を参照して、本発明の実施例に係る半導体発光ダイオードの製造方法について説明することにする。
本発明の実施例に係る半導体発光ダイオードの製造方法は、窒化物または酸化物半導体を成長する基板として、サファイア、SiC、Si、ZrB、CrBなどを使用する。
化合物半導体を基板の上で直接成長させる場合、格子不一致などによって満足な結晶が形成され得ない。このような場合、バッファ層(例:GaN、AlN、SiC)を先に基板上に成長した後、化合物半導体を追加で成長して高品質の結晶の生成することができる。
図23を参照すると、[0001]配向方向を有する半導体基板102上に、[0001]結晶軸を基準に[11−22]結晶軸(例えば、C軸)の方向に、30゜〜70゜結晶軸(配向方向)を変化させて配向するように、半導体基板102上にGaN(III−V族窒化化合物半導体に適用)またはZnO(II−VI族酸化化合物半導体に適用)で単結晶の犠牲層103を形成する。
ここで、結晶軸(配向方向)の最適角度は、発光ダイオードの発光層が本発明の第1及び第2実施例のように、III−V族窒化化合物半導体の場合には56゜で、本発明の第3及び第4実施例のように、II−VI族酸化化合物半導体の場合には50゜である。また、本発明の第3及び第4実施例のように、II−VI族酸化化合物半導体の場合に内部電界が消滅する結晶軸(配向方向)は、15゜である。
このような、犠牲層103は、次の二つの方法で形成する。
一番目として、半導体基板102上にGaNまたはZnO物質を成長させると、初期に色々な配向方向を有する面が生成される。色々な方向の中で[11−22]配向方向を有する面を選択的に成長させて前記で説明したように、15゜、50゜及び56゜に配向方向を変化させて犠牲層103を形成する。
二番目として、[0001]配向方向を有する半導体基板102上に、[0001]配向方向を有する犠牲層を形成する。以後、成長した犠牲層を[11−22]配向方向にエッチングするか、[11−22]配向方向に傾かせた状態で再成長させて配向方向が15゜、50゜、56゜に変化した犠牲層103を形成する。
以後、図23に示したように、バッファ層150は、窒素源としてジメチルヒドラジン(DMHy;N2H2(CH3)2)を使用して犠牲層103上に形成される。
このようなバッファ層150は、垂直構造の発光ダイオードを形成させるために導電性不純物をドーピングして形成される。
ここで、バッファ層150は、GaN、AlN、ZnO、SiCのうちいずれか1つを使用し、アルミニウム(Al)の組成比X、ガリウム(Ga)の組成比Y、亜鉛(Zn)の組成比Zは、0<X<1、0<Y<1、0<Z<1の範囲を有する。
窒化物または酸化物のバッファ層150を形成するときに使用される原料(source)は、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMIn)である。
次に、図24に示したように、バッファ層150上にAlXInYGa1−X−YNの4元系III−V族窒化化合物半導体、AlXGa1−XN、InYGa1−YNの3元系III−V族窒化化合物半導体または、CdIMgJZn1−I−JOの4元系酸化化合物半導体、または、MgJZn1−JOの3元系II−VI族酸化化合物半導体を単結晶で成長させて第1クラッド層120を形成する。
ここで、第1クラッド層120が、III−V族窒化化合物半導体AlXInYGa1−X−YNの4元系化合物で形成される場合に、アルミニウム(Al)の組成比X、インジウム(In)の組成比Y、ガリウム(Ga)の組成比Zを所定比で組み合わせる。ここで、アルミニウム(Al)の組成比Xは、0<X≦0.3の範囲内、インジウム(In)の組成比Yは、0<Y≦0.3の範囲内、ガリウム(Ga)の組成比Zは、0.4≦Z<1の範囲内である。
また、第1クラッド層120が、AlXGa1−XN、InYGa1−YNの3元系化合物で形成される場合に、アルミニウム(Al)の組成比Xは、0<X≦0.3の範囲内、インジウム(In)の組成比Yは、0<Y≦0.3の範囲内、ガリウム(Ga)の組成比Zは、0.4≦Z<1の範囲内である。
一方、第1クラッド層120が、II−VI族酸化化合物半導体CdIMgJZn1−I−JOの4元系化合物で形成される場合に、カドミウム(Cd)の組成比I、マグネシウム(Mg)の組成比J、亜鉛(Zn)の組成比を所定比で組み合わせる。ここで、カドミウム(Cd)の組成比Iは、0<I≦0.3の範囲内、マグネシウム(Mg)の組成比Jは、0<J≦0.33の範囲内であり、これにより亜鉛(Zn)の組成比は、0.37≦Zn<1の範囲を有する。
また、第1クラッド層120が、MgJZn1−JOの3元系化合物で形成される場合に、マグネシウム(Mg)の組成比Jは、0<J≦0.33の範囲内、亜鉛(Zn)の組成比は、0.67≦Zn<1の範囲内である。
次に、図25に示したように、第1クラッド層220上にGaNのIII−V族窒化化合物半導体または、ZnOのII−VI族酸化化合物半導体を単結晶で成長させて活性層130を形成する。
次に、図26に示したように、活性層130上に第2クラッド層140を形成する。第2クラッド層140は、その内部にデルタドーピング層を形成する以外は、図24に示された第1クラッド層120の構成と同一な構成を有し、同一な方法で形成される。
また、第1クラッド層120と第2クラッド層140を構成する同一物質の組成比は、許容される範囲中で互いに異なるように構成する。
一方、第2クラッド層140は、図4に示したように、p型デルタドーピング層180を形成することができる。このようなp型デルタドーピング層180は、図29及び30に示された方法で形成することができる。
P型デルタドーピング層180は、第2クラッド層140を形成する過程中に形成される。図29に示したように、p型デルタドーピング層180は、第2クラッド層140を構成する4元系または3元系化合物を用いて1つまたは2つの膜を形成した後、該膜にマグネシウム(Mg)のようなp型の物質をスパッタリング、蒸着またはインプラントすることによって形成される。
デルタドーピング層180と活性層130は互いに近ければ近いほど、半導体LEDの光学特性は向上する。
次に、図30に示したように、p型デルタドーピング層180上に、第2クラッド層140の残りの層を形成して第2クラッド層140を形成する。
ここで、第1クラッド層120と第2クラッド層140を構成するそれぞれの物質の組成比を、許容される範囲の中で互いに対称をなすように形成することができる。
具体的に、第1クラッド層120及び第2クラッド層140のアルミニウム(Al)の組成比が一定範囲内である場合、第1クラッド層120のアルミニウム(Al)が第1組成比を有すると、第2クラッド層140のアルミニウム(Al)は、第1の組成比と異なる第2組成比を有する。
このように、第1クラッド層120及び第2クラッド層140のアルミニウム(Al)の組成比を対称的に調節して活性層130に引加される応力を相殺させ、自発分極現象を防止することができる。
クラッド層に用いられる元素としてアルミニウム(Al)を例に挙げたが、アルミニウム(Al)だけでなくインジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)も、このように第1クラッド層120と第2クラッド層140で組成比を対称的に形成することができる。
ZnO/CdMgZnOのII−VI族の化合物半導体でも、このように第1クラッド層120及び第2クラッド層140のカドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)の組成比を対称的に調節して活性層に引加される応力を相殺させ、自発分極現象を防止することができる。
次に、図27に示したように、基板102とバッファ層150間に形成されている犠牲層103を化学的に除去して、基板102と化合物半導体(120、130、140、150)を分離させる。
ここで、犠牲層103を除去して基板102と化合物半導体(120、130、140、150)を分離させる工程は、バッファ層150上に第1クラッド層120を形成した後に実施することもできる。
このような場合、バッファ層150と第1クラッド層120を順次形成した後、第1クラッド層120上に活性層130と第2クラッド層140とを順次形成する。
次に、図28に示したように、バッファ層150の下面に導電性物質で第1電極160を形成して、第2クラッド層140の上面に導電性物質で第2電極170を形成して半導体発光ダイオードの製造を完了する。
以上、説明した内容を通じて当業者なら本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることが理解できるであろう。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって決定される。