JP2010531140A - 抗igf抗体 - Google Patents

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Abstract

【課題】過剰増殖性疾患、特に癌の治療に有用な抗体分子、特に完全にヒトの抗体を提供する。
【解決手段】前記抗体はヒトIGF-1と結合し、かつIGF-2と交差反応し、したがってIGF-1及びIGF-2とIGF-1レセプターとの結合が妨げられ、IGF-1レセプター仲介シグナリングが阻害される。前記抗体はインスリンとは結合せず、したがって、インスリンとインスリンレセプターとの結合によって仲介されるインスリンの有糸分裂促進特性には影響を及ぼさない。
【選択図】なし

Description

本発明は、過剰増殖性疾患の治療、特に癌の治療に関する。
インスリン様成長因子-1(IGF-1;70アミノ酸ポリペプチド)及びインスリン様成長因子-2(IGF-2;67アミノ酸ポリペプチド)は、多くの哺乳動物細胞の増殖を強力に刺激する、血清中に存在する7.5kDの可溶性因子である(Pollack ら(2004)により概説)。IGFは多数の組織で検出できるが、循環IGFの主要な供給源は肝臓である。肝臓は、下垂体で始まり成長ホルモンを介してトランスデュースされる複雑なシグナリング経路に応答してIGF及びIGF結合タンパク質(IGFBP)を分泌する。血流への分泌に際して、IGFはIGFBPと複合体を形成する。IGFBPは、IGFが標的組織へ到達するまで血清中でのタンパク質分解からIGFを保護するだけでなく、それらがIGFレセプターと結合するのを防ぐ。IGFのこの内分泌性供給源の他に、IGFはまた、自己分泌(autocrine)又は傍分泌的態様により標的組織自体から分泌されることが判明している。これは、正常な胎児の発育中に生じることが知られており、この場合、IGFは、組織、骨及び器官の成長において重要な役割を果たす。前記は多くの癌組織でも認められ、癌組織では、腫瘍細胞と間質細胞との間で傍分泌シグナリングが、又は腫瘍細胞自体による自己分泌IGF生成が存在すると考えられている(D. LeRoith(2003)により概説)。
IGFの活性は、7つの別個のIGFBP及び他の血清蛋白質を巻き込む複雑で比較的理解が進んでいない相互作用によって調節されると考えられる。IGFの活性化は、血清結合タンパク質及びIGFBPのタンパク分解性遊離後にこの三重複合体からIGFが遊離されることを必要とし、これは細胞表面の直ぐ近くで生じると考えられる。細胞表面でIGFはそれらのレセプターと自由に結合し、最終的に細胞増殖及びアポトーシスの阻害をもたらす細胞内シグナルをトランスデュースする。IGF-1及びIGF-2は、多くの正常な組織上で発現されるIGF-1レセプター(IGF-1R)と結合することができる(IGF-1Rは、機能的にはダイマーを形成したアルファ-及びベータ-サブユニット(類似の親和性を有する)から成る460kDのヘテロテトラマーである)(Rubin et al. 1995)。IGF-2はまたIGF-2レセプター(マンノース-6-ホスフェートレセプターとしてもまた知られている)とも結合することができる。IGF-2レセプターは既知のシグナリング機能は全くもたず、IGF-2レセプターはむしろIGF-2のためのシンクとして機能し、IGF-2とIGF-1Rとの結合及びそれによるシグナリングを防ぐと考えられる。これに関連して、IGF-2Rは腫瘍サプレッサータンパク質であることが示された。IGF-1Rは、構造的にはインスリンレセプターと類似する。インスリンレセプターは2つの形態(IR-A及びIR-B)として存在し、それらは、IR-Aの細胞外ドメインにおいて12アミノ酸がスプライスされたエクソン欠失が存在するか否かにより相違する。IR-Bはほとんどの正常な成人組織で発現される主要なIRアイソフォームであり、これらの組織でIR-Bは、代謝に対するインスリンの作用を仲介するために機能する。他方、IR-Aは、発育中の胎児組織で強く発現されるが、成人の正常な組織では発現されないことが知られている。最近の研究では、IR-Aはいくつかの癌で強く発現されるがIR-Bは発現されないことが示された。IR-Aのエクソンの欠失はインスリンの結合に影響をもたないが、小さな配座上の変化を生じ、この変化は、IR-Bよりもはるかに強い親和性でIGF-2と結合することを可能にする(Frasca et al. 1999;Pandini et al. 2002)。したがって、癌組織でのその発現及びIGF-2結合に対する性癖の強化のために、IR-Aは、癌においてIGF-2の有糸分裂促進作用を仲介することでIGF1-Rと同様に重要であるかもしれない。
IGFとIGF-1Rとの結合は、増殖を促進しアポトーシスを阻害するタンパク質の活性化をもたらす複雑な細胞内シグナリングカスケードを始動させる(Pollackら(2004)により概説)。増殖に関しては、翻訳のアップレギュレーションはp70 S6キナーゼの活性化によって誘発され、p70 S6キナーゼの活性化は続いてS6リボソームタンパク質をリン酸化する(Dufner and Thomas, 1999)。したがって、IGF-刺激細胞増殖は、リン酸化S6リボソームタンパク質の急激な増加によって測定することができる。
EGFR及びHer2neuレセプターとは異なり、癌ではIGF1-R又はIR-Aレセプターの公知の増幅は存在せず、レセプターの活性化は活性を有するリガンドの存在によって制御されることを示している。多くの異なる癌タイプの発生、進行及び転移におけるIGFの役割を暗示する非常に多くの学術文献、疫学文献及び臨床文献が存在する(Jeromeら(2003)により概説;及びPollackら(2004))。
例えば結腸直腸の癌では、IGF-2のmRNA及びタンパク質の発現が、結腸直腸腫瘍の臨床標本で隣接する正常組織と比較して上昇する(Freier et al. 1999;Li et al. 2004)。さらにまた、結腸直腸の新形成を有する患者では増殖細胞指数とIGF血清レベルの上昇に正の相関関係が存在する(Zhao et al. 2005)。さらにまた、IGF-2の循環レベルの上昇は、結腸直腸の癌及び腺癌のリスクの増加と相関性を有する(Renehan et al. 2000a及び2000b;Hassan et al. 2000)。IGF-2遺伝子の親のインプリンティングの低下(LOI)(IGF-2発現の上昇をもたらす後成的変化)は、結腸直腸及び他の腫瘍タイプを有する患者で確認された遺伝性分子の特徴である。IGF-2インプリンティングの低下は、結腸直腸の新形成(Cui et al. 2003;Cruz-Correa et al. 2004)及び腺癌(Woodson et al. 2004)に関して5倍のリスクを伴う。IGF-1Rのアルファ-サブユニットを標的とする抗体(IGF結合を阻害しレセプターを内在化させる)は、異種移植結腸癌由来細胞株(例えばCOLO205)の増殖を遅らせることが示された(Burtrum et al. 2003)。
IGFレベルの上昇はヒト肺腺癌の予後不良と密接に関係し(Takanami et al. 1996)、さらにIGFは多くのSCLC-及びNSCLC由来細胞株によって発現及び分泌される(Quinn et al. 1996)。IGF-2のトランスジェニックマウスモデルにおいて、IGF-2の過剰発現は偶発的な肺腫瘍を誘発する(Moorhead et al. 2003)。肝細胞癌(HCC)に関しては、ヒトの臨床標本及びHCCの動物モデルは、対応する正常な組織よりも高いレベルのIGF mRNA及びタンパク質を発現させ、これは腫瘍増殖の促進と相関性を有していた(Wang et al. 2003;Ng et al. 1998)。IGF-2はまたHCCの血清学的マーカーであることが示され、コントロールと比べてHCC患者の血清中ではIGFレベルが上昇する(Tsai et al. 2005)。Hep3B細胞を用いてHCCの正常位異種移植腫瘍モデルが確立され、これを用いて、メチル化オリゴヌクレオチドによるIGF-2発現阻害は生存を高めることが示された(Yao et al. 2003a及び2003b)。
多くの小児固形腫瘍(例えばユーイング肉腫及び横紋筋肉腫)は、それらの増殖に関して特にIGFシグナリング経路に依存するように思われる(Scotlandi et al. 1996)。IGF-2遺伝子のLOIは、胚の横紋筋肉腫の発生における主要な遺伝学的事象として示唆された(Fukuzawa et al. 1999)。1型EWS-FLI1キメラ転写因子が、IGFリガンド及びIGF-1Rを含む標的遺伝子の発現上昇及びIGFBP-3の発現低下をもたらす染色体転座により発現される症例では、自己分泌IGFシグナリングはまたユーイング肉腫の増殖に強い影響を与えると考えられる。IGF-1Rを標的とする抗体及び小分子化合物は、異種移植された小児固形腫瘍由来細胞株の増殖を低下させることが示された(Kolb et al. 2008;Manara et al. 2007)。
IGFリガンド特異的抗体を用いて、SCIDマウスに移植された成人骨内でのヒト前立腺癌細胞の増殖が阻害されえることが示された(Goya et al. 2004)。さらにまた、同じIGFリガンド抗体がIGFの傍分泌供給を阻止し、さらにマウス異種移植系でヒト結腸直腸癌細胞の肝転移を抑制できることが示された(Miyamoto et al. 2005)。
さらにまた、IGFシグナリング系が、化学療法剤及び放射線に対する癌の感受性を低下させることを示唆する少なからぬ証拠が存在する。これに関するもっとも初期の発見の1つは、IGF-1Rノックアウトマウス胚は、ウイルスによる形質転換、オンコジーン及び過剰発現増殖因子レセプターに耐性を有すること(Sell et al. 1993;Sell et al. 1994)、さらにIGF-1Rの過剰発現は、UV照射及びガンマ線誘発アポトーシスから細胞を保護する(Kulik et al. 1997)ことを明らかにした。さらにまた、大量のIGF-2を分泌する肝腫瘍細胞株を用いて、IGF-2の中和が、化学療法剤(例えばシスプラチン及びエトポシド)に対するin vitroでの応答を、特により低い、細胞分裂抑制的用量で顕著に高めることが見出され、IGF-2は化学療法剤に対する感受性を低下させえることが示唆された(Lund et al. 2004)。これらの発見と一致して、IGF-1Rを標的とする抗体は、化学療法薬及び放射線による増殖阻害に対する腫瘍異種移植片の感受性を高めることが示された(Goetsch et al. 2005)。
ヒトIGF-1及びヒトIGF-2との交差反応結合を示す多数の抗体が報告された。抗体sm1はヒトIGF-1に対して作製され、ヒトIGF-2と40%の交差反応性を示し、20ng/mLのヒトIGF-1で刺激されたマウス線維芽細胞株BALB/c3T3の増殖を阻害することが示された(Russel et al. 1984)。全IGF-1タンパク質及びその部分に対するモノクローナル抗体を作製して機能的にエピトープマップを作成するために設計した実験で、IGF-2と交差反応する多数の抗体が認定された(Manes et al. 1997)。IGF-2とのパーセント交差反応性は0から800%の範囲であり、IGF-1及びIGF-2に対して等しく反応性を有するいくつかの抗体が認定された。KM1486は、ヒトIGF-1及びIGF-2と交差反応するラットモノクローナル抗体であり、非肥満糖尿病型/重症併発型免疫不全マウスに移植されたヒト成人骨でヒト前立腺癌細胞の増殖を阻害できることが示された(Goya et al. 2004)。さらにまた、KM1486は、ヒトの結腸直腸癌の肝転移を抑制することが示された(Miyamoto et al. 2005)。KM1486はまた以下の文献にも記載されている:WO 03/093317、JP 2003-310275、WO 2005/018671、WO 2005/028515、及びWO 2005/027970。
ヒトの疾患の治療の場合、ヒトの抗抗体反応の発生リスクを最少にするため、さらに身体から投与された抗体を急速に排除しそれにより治療効果を低下させる中和抗体を生じるリスクを最少にするために、完全にヒトの配列を有する抗体が強く所望されえる。前述の通りであり、さらに癌の発生及び進行におけるIGF-1及びIGF-2依存シグナリングの役割を前提にすれば、両リガンドの有糸分裂促進作用を同時に中和する、高い親和性をもつ完全にヒトの抗体を入手することが所望されよう。
さらにまた、そのような抗体の治療潜在能力を最大にするために、適切に長い末端半減期(T1/2)を有することが重要である。ヒトでの末端半減期を決定する前に、ある抗体のヒト末端半減期のもっとも正確な概算は、非ヒト霊長類(例えばシノモルガスモンキー)への投与により入手することができる。例えば、ベバシズマブ(いくつかのヒト癌の治療に用いられる血管内皮増殖因子(VEGF)に対する承認ヒト化モノクローナル抗体)は、シノモルガスモンキーで8.57±0.38日の末端半減期を有し(Lin et al. 1999)、これは、ヒトでは2週間に1度の単回投与を可能にする、約20日の末端半減期に換算することができる(Lu et al. 2008)。
本発明のさらに別の目的は、インスリンとそのレセプターとの結合に影響を与えない抗体を得ることであった。
治療薬の臨床開発は、薬剤活性の薬力学的バイオマーカーによって支援される。IGF-1Rを標的とする抗体を用いた臨床試験によって、総血中IGF-1レベルの増加はこれらの薬剤のための有用な薬力学的マーカーでありえることが示された(Pollack et al. 2007)。総血中IGF-1レベルの増加の理由は、おそらく、IGF-1及びIGFBPの両者を肝臓から放出させる下垂体成長ホルモン(GH)の分泌が中心的に関与するフィードバックメカニズムのためであろう。実際、ヒトでは、遊離した又は生物活性を有するIGF-1(総IGF-1レベルのわずかに約1%を占めるだけである)が、フィードバック応答を決定することが示された(Chen et al. 2005)。本発明者らは、したがって総血中IGF-1レベルはまた治療用抗IGF抗体の活性について有用な薬力学的マーカーであるか否かの確認しようとした。この事例では、そのような抗体は、薬力学的作用を前臨床で試験できるように、適切な動物種(例えばマウス又はラット)由来のIGFと交差反応することが所望されよう。
発明の簡単な説明
本発明は単離ヒト抗体分子に関し、前記抗体分子は、
a)ヒトIGF-1及びIGF-2と結合し、それによって、
i)IGF-1及びIGF-2とIGF-1レセプターとの結合を妨げ、かつ
ii)IGF-1レセプター仲介シグナリングを阻害し、
b)マウス及びラットIGF-1及びIGF-2と結合し、
c)ヒトインスリンとは結合せず、
d)ヒトインスリンとインスリンレセプターとの結合によって仲介されるヒトインスリンの有糸分裂促進特性に影響を及ぼさない。
抗体の結合は、抗原(又は構造的に類似するタンパク質若しくはそのフラグメント)を抗体結合部位(すなわち適切な抗原(又は構造的に類似するタンパク質)の決定基と結合する免疫グロブリンの領域)に対して保持する非共有結合を介して生じる相互作用と定義される。
親和性(すなわち、抗体上のただ1つの抗原結合部位とただ1つのエピトープ間の相互作用)は結合定数KA=kass/kdiss又は解離定数KD=kdiss/kassによって表される。
a)にしたがえば、抗体は、表面プラズモン共鳴分析によって決定されるように、親和性を有する各IGFタンパク質と約1nMから約7nMの範囲のKD値で、特に約4nMの親和性で結合する。
a)にしたがえば、抗体は、表面プラズモン共鳴分析によって決定されるように、親和性を有する各IGFタンパク質と約1nMから約7nMの範囲のKD値で、特に約4nMの親和性で結合する。この特性に基づいて、IGFの機能的シグナリングの中和が達成される。
c)にしたがえば、抗体は、ヒトIGF-1又はIGF-2と結合するために必要な最低濃度よりも少なくとも100倍高い濃度でヒトインスリンと結合しない。
一般的には、有糸分裂促進特性は、細胞を活発化させて細胞分裂をさせ、有糸分裂を始動させる化合物の能力、例えばインスリンの場合には細胞増殖を促進するその能力と定義される。
d)で定義された抗IGF抗体の特性は、IGF-1及びIGF-2に対する抗IGF抗体分子の親和性は、インスリンに対するその親和性と比較してそれぞれ少なくとも100倍及び1000倍超であるという事実を特徴とする。非常に高用量、例えば100mg/kgを超える用量では弱い結合を完全には排除することができないが、治療的用量ではこの抗IGF抗体分子はインスリンと結合しない。
IGF-1レセプター仲介シグナリングを阻害するその能力に加えて、本発明の抗体は、好ましくはまたインスリンレセプターIR-Aを介してIGF-2により誘発されるシグナリングを阻害する能力を有する。
A−Hは、IgG1抗体40183及び40186と、ヒトIGF-1(図1A)、ヒトIGF-2(図1B)、マウスIGF-1(図1C)、マウスIGF-2(図1D)、ラットIGF-1(図1E)、ラットIGF-2(図1F)、ヒトインスリン(図1G)及び被覆プラスチックコントロール(図1H)とのELISAによる結合力価測定を示す。 ビオチニル化IGF-1と被覆したインスリン様成長因子-1レセプターとの結合の、抗体40183及び40186による用量依存中和を示す。 A−Cは、IGF-1(図3A)、IGF-2(図3B)及びインスリン(図3C)で刺激したCOLO205細胞の増殖に対する抗体40183及び40186の影響を示す。 COLO205細胞のリボソームS6タンパク質のIGF-1及びIGF-2誘発リン酸化に対する抗体40186の影響を示す。 A−Bは、10%増殖培養液中でのユーイング肉腫由来細胞株TC-71及びSK-N-MCの増殖に対する抗体40186の影響を示す。 ヌードマウスに異種移植したCOLO205腫瘍細胞の増殖に対する、週2回投与の25mg/kgの抗体40186のin vivo効果を示す。 ヌードマウスに異種移植したCOLO205腫瘍細胞の増殖に対する、50mg/kgの5FUを併用した25mg/kgの抗体40186のin vivo効果を示す。 100、50、25、12.5mg/kgのシングル用量投与24時間後のマウスの総血中IGF-1レベルに対する、抗体40186の影響を示す。 抗体40186(A)及び40183(B)の可変鎖のアミノ酸及びDNAの配列を示す。CDRが強調されている。
以下では、本発明の抗体分子(ヒトIGF-1及びIGF-2と結合する)は、“抗IGF抗体分子”と称される。
“抗IGF抗体分子”という用語は、ヒト抗IGF抗体、抗IGF抗体フラグメント、抗IGF抗体様分子、及び前記記載の抗体分子のいずれかのコンジュゲートを包含する。本発明の趣旨では、抗体は、モノクローナル抗体、キメラ化モノクローナル抗体、及び二特異的又はマルチ特異的抗体を含むが、ただしこれらに限定されない。“抗体”という用語は、リンパ球によって生成され、例えば血清に存在する完全な免疫グロブリン、ハイブリドーマ細胞株によって分泌されるモノクローナル抗体、宿主細胞で組換え体の発現によって生成されるポリペプチド(免疫グロブリン又はモノクローナル抗体の結合特異性を有する)、及びそのような免疫グロブリン、モノクローナル抗体又はポリペプチドから、それらの結合特異性を保持しつつ更なるプロセッシングによって誘導された分子を包含するであろう。
特に、“抗体分子”という用語は、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含む完全な免疫グロブリン、好ましくは完全にヒトの抗体を含む。
さらに別の態様では、抗体分子は、抗原結合領域を有する抗IGF抗体フラグメントである。抗体フラグメント、例えばFabフラグメントを得るためには、日常的技術の手段によって、例えばパパイン又はペプシンを用いて消化を実施することができる。パパイン消化の例はWO94/29348及びUS4,342,566に記載されている。抗体のパパイン消化は、典型的には2つの同一の抗原結合フラグメント、いわゆるFabフラグメント(各々がただ1つの抗原結合部位を有する)及び残余のFcフラグメントを生じる。ペプシン処理はF(ab')2フラグメントを生じ、前記は2つの抗原結合部位を有し、抗原とはなお架橋を形成することができる。抗体フラグメントはまた、対応するコードDNAフラグメントを作製する分子生物学的方法によって生成することができる。
Fabフラグメントはまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab'フラグメントとFabフラグメントとは、前者が、抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む追加の残基を重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に含むという点で異なる。Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を保持するFab'についての本明細書の名称である。F(ab')2抗体フラグメントは、最初Fab'フラグメント対として生成された(前記フラグメント対はそれらの間にヒンジシステインを有している)。
抗原結合抗体フラグメント又は抗体様分子(単鎖抗体及びZapataら(1995)記載の直鎖状抗体を含む)は、ただ1つのポリペプチド上に、可変領域を、単独で又は以下の全部若しくは部分と併せて含むことができる:軽鎖の定常ドメイン、CH1、ヒンジ領域、CH2、及びCH3ドメイン、例えばいわゆる“SMIP”(“小モジュール免疫薬剤”(”Small Modular Immunopharmaceutical”))。SMIPは、その結合ドメインFvとして1本の単一ポリペプチド鎖を利用する抗体様分子であり、そのFvは、単一鎖ヒンジ及び定常ドメインCH1を欠くエフェクタードメインに連結されている(WO02/056910)。SMIPはモノマー又はダイマーとして調製できるが、それらは、通常の抗体のダイマー-ダイマー構造を呈することはできない。さらに本発明に含まれるものは、可変領域と軽鎖定常ドメイン領域、VH1、CH1、ヒンジ領域、CH2及びCH3ドメインとの任意の組合せを含む抗原結合フラグメントである。
抗体フラグメント又は抗体様分子は、定常領域の全て又はそのほんの一部分を、それらがIGF-1/IGF-2抗原の対応する部分との特異的結合を提示するかぎり含むことができる。定常領域のタイプ及び長さの選択は、補体固定又は抗体依存細胞傷害性のようなエフェクター機能が所望されない場合は、主として、抗体タンパク質の所望の薬理学的特性に左右される。抗体分子は、典型的には2つの軽鎖/重鎖対から成るテトラマーであろう。しかしながら、抗体分子はまたダイマーであってもよく、すなわち1つの軽鎖/重鎖対(例えばFab又はFvフラグメント)から成るか、又は前記はモノマー性単鎖抗体(scFv)であってもよい。
抗IGF抗体様分子はまた、単一ドメイン抗体(例えばいわゆる“ナノボディ”)であってもよく、前記は、ただ1つのIg様ドメイン内に1つの抗原結合部位を保有する(例えばWO03/050531及びRevets et al.(2005)に記載されている)。抗体様分子の他の例は、免疫グロブリンスーパーファミリー抗体(IgSF;Srinivasan and Roeske, 2005)、又はCDR含有-若しくはCDR移植-分子(又はドメイン抗体(dAb))である。dABは抗体の機能的な結合ユニットであり、ヒト抗体の重鎖可変領域(VH)又は軽鎖可変領域(VL)に対応する。ドメイン抗体は、約13kDaの分子量を有するか、又は完全な抗体のサイズの1/10未満である。大きくかつ高度に機能的な一連の完全にヒトのVH及びVL dAbライブラリーが開発された。dABはまた“二元標的誘導”のために利用することができる。すなわち、IGF-1/IGF-2に加えて、1つの分子内のさらに別の標的と結合するdAbである。dAbライブラリー、選別及びスクリーニングの方法、二元標的誘導のため及び長期血中半減期付与のためのdAbフォーマットは、例えばUS6,696,245、WO04/058821、WO04/003019及びWO03/002609に記載されている。
一般的には、抗体フラグメント及び抗体様分子は、細菌系、酵母系及び哺乳動物系で良好に発現される。
好ましい実施態様では、本発明の抗IGF抗体は完全にヒトの組換え完全抗体であり、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含む。
好ましい実施態様では、前記抗IGF抗体分子は、配列番号:3のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有する。好ましくは、前記抗体は配列番号:6のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する。好ましくは、前記抗体はさらに、配列番号:1のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1及び配列番号:2のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2を有する。好ましくは、前記抗体はさらに、配列番号:4のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1及び配列番号:5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する。
好ましい実施態様では、前記抗体は、40186と称される抗体の可変領域を有し、これは、配列番号:14のアミノ酸配列を含む可変重鎖及び配列番号:16のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を有する(この配列はそのC-末端に追加のGlnを含むことができる。このアミノ酸の位置は、Kabatの番号付与にしたがって可変領域のC-末端とみなしてもよいが、また別には配列表の配列と同じように定常軽鎖の最初のアミノ酸であってもよい(配列番号:24を参照されたい)。
好ましくは、配列番号:14のアミノ酸配列を含む可変重鎖及び配列番号:16のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を有する抗体は、IgG1の定常重鎖領域を有する。好ましくは、そのような抗体はIgλ定常軽鎖領域を有する。
好ましくは、前記抗体は40186と称される抗体であり、前記は、配列番号:22のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、及び配列番号:24のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を有する。
40186と称される抗体の完全なアミノ酸配列は、配列番号:25(重鎖)及び配列番号:26(軽鎖)で示される。
さらに好ましい実施態様では、抗IGF抗体分子は、配列番号:9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有する。
好ましくは、前記抗体は、配列番号:12のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する。好ましくは、前記抗体はさらに、配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1及び配列番号:8のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2を有する。好ましくは、前記抗体はさらに、配列番号:10のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1及び配列番号:11のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する。
好ましい実施態様では、前記抗体は抗体40183の可変領域を有し、この40183は、配列番号:18のアミノ酸配列を含む可変重鎖及び配列番号:20のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を有する(この配列はそのC-末端に追加のGlnを含むことができる。上記を参照されたい)。
好ましい実施態様では、前記抗体は40183と称される抗体であり、この40183は抗体40186と同一の定常鎖領域、すなわち、配列番号:22のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域及び配列番号:24のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を有する。
モノクローナル抗体のCDR(“相補性決定領域”)は、Chothia and Lesk(1987)に関連するKabatら(1991)の文献にしたがえば、抗原結合に必要とされるアミノ酸配列であると理解される。
本発明の抗体がヒトの疾患の治療で有用であることは異種移植モデルで示されよう。
本発明の抗体のマウス及びラットIGF-1との交差反応性は、これらの種における本発明の抗体の内分泌への影響、例えば成長ホルモン経路に対する影響を調べることを可能にする。前記抗体の総IGF-1レベルに対して観察された薬力学的影響は、おそらく遊離IGF-1の除去により、有用な薬力学的マーカーである(遊離IGF-1の除去は成長ホルモン経路を介してフィードバック調節をもたらし、これは肝臓によるIGF-1及びIGFBP3の分泌増加をもたらす)。動物種で薬剤開発の初期に用量/効果の関係を決定することを可能にするそのようなマーカーが利用可能であることは、フェースI臨床試験の準備を容易にする(フェースI試験では、PK分析に加えて、患者の総IGF-1及びIGFBP3レベルにおける薬力学的応答がモニターされる)。
本発明の抗体の別の利点はそれらの優れた半減期である。すなわち、抗体40186は、シノモルガスモンキーで10.7±1.6日(1mg/kg)から12±1.4(10mg/kg)の範囲の半減期を有する。
本発明の抗IGF抗体分子はまた、配列表に示すアミノ酸によって規定される抗体の変種であってもよい。したがって、本発明はまた、これらポリペプチドの変種である抗体を包含し、それらは上記に規定したa)からd)の特徴を有する。日常的に利用可能な技術を用いて、当業者は、抗体40183及び40186の機能的変種を調製し、試験しさらに利用することができる。前記の例は、CDR及び/又はフレームワーク内の少なくとも1つの位置が変異されてある変種抗体、フレームワーク領域内でアミノ酸1個が置換された変種抗体(フレームワーク領域内には生殖系列配列に対する偏向が存在する)、保存的アミノ酸置換を有する変種、40183又は40186の抗体可変鎖をコードする配列表に示されたDNA分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA分子によりコードされる抗体、機能的に等価な40183及び40186のコドン最適化変種である。
変種はまた、本発明の抗体を最適化のための出発点として用い、1つ以上のアミノ酸残基、好ましくは1つ以上のCDR中のアミノ酸残基を様々に変化させ、さらに生じた抗体変種の収集物を特性が改善された変種についてスクリーニングすることによって入手することができる。特に好ましいことは、可変軽鎖のCDR3、可変重鎖のCDR3、可変軽鎖のCDR1及び/又は可変重鎖のCDR2の1つ以上のアミノ酸残基の多様化である。多様化は、当分野で公知の方法、例えばWO2007/042309で言及されているいわゆるTRIM技術によって実施することができる。
個々のアミノ酸の特性が与えられるならば、論理的置換を実施して、抗体40183又は40186の全体的な分子構造を保存する抗体変種を入手することができる。アミノ酸置換、すなわち“保存的置換”は、例えば対応するアミノ酸の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性及び/又は両親媒性特性の類似性を基にして実施することができる。当業者は、例えばWO2007/042309に記載の通常的に実施されるアミノ酸置換、及びそのように改変された抗体を入手する方法を周知している。遺伝的暗号並びに組換え技術及び合成DNA技術が与えられるならば、1つ以上の保存的アミノ酸交換を含む変種抗体をコードするDNA分子を日常的に設計して、対応する抗体を容易に入手することができる。ある具体的な例では、本発明の範囲内の変種抗体で、配列番号:14及び18の可変重鎖のアミノ酸3位が、Q(この位置に天然に存在するアミノ酸である)からEに変更された。EはQに戻すことができる。
本発明の抗体40183及び40186と比較して、好ましい抗体変種は、CDR領域に少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%又は80%、さらに好ましくは少なくとも90%、もっとも好ましくは少なく95%の配列同一性を有する。好ましい抗体はまた、CDR領域に少なくとも80%、より好ましくは90%、もっとも好ましくは95%の配列類似性を有する。好ましい抗体変種は、可変領域に少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%又は80%、さらに好ましくは少なくとも90%、もっとも好ましくは少なく95%の配列同一性を有する。好ましい抗体はまた、可変領域に少なくとも80%、より好ましくは90%、もっとも好ましくは95%の配列類似性を有する。
(2つのポリペプチド間の“配列同一性”は、当該配列間で同一であるアミノ酸の百分率を示す。“配列類似性”は、同一であるか又は保存的アミノ酸置換を表すアミノ酸の百分率を示す。)
さらに別の実施態様では、本発明の抗IGF抗体分子は“親和性成熟(affinity matured)”抗体である。
“親和性成熟”抗IGF抗体は、親の抗IGF抗体(例えば40186又は40183)に由来する抗IGF抗体であり、前記は、対応する親抗体と比較して、抗原に対する親和性に改善をもたらす、1つ以上の変異を1つ以上のCDRに有する。そのような抗体の変異体を作製する方法の1つは、ファージディスプレーを必要とする(Hawkins et al. 1992;及びLowman et al. 1991)。略記すれば、いくつかの超可変領域部位(例えば6−7位)を変異させて、各位置で全ての可能なアミノ酸置換を生成する。このようにして作製した抗体の変異体を繊維状ファージ粒子から、各粒子内にパッケージされたM13の遺伝子IIIの生成物との融合物として一価の態様でディスプレーする。続いてこのファージによりディスプレーされた変異体を、本明細書に開示するように、それらの生物学的活性(例えば結合親和性)についてスクリーニングする。
親和性成熟抗体はまた、例えばMarksら(1992)(可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)ドメインのシャッフリングによる親和性成熟)、又はBarbasら(1994)、Shierら(1995)、Yeltonら(1995)、Jacksonら(1995)及びHawkinsら(1992)(CDR及び/又はフレームワーク残基のランダムな変異生成)によって記載された方法により製造することができる。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモルの親和性又はピコモルもの親和性を有するであろう。
親和性成熟抗IGF抗体はまた、MorphoSysによって最近導入されたRapMAT(登録商標)技術によって入手することができる。RapMAT(登録商標)は、高親和性抗体の迅速選別を目的とする作り付けの親和性成熟方法である。この技術のための基礎はMorphoSysのHuCAL技術(Knappik et ql. 2000)のモジュール概念である。HuCALライブラリーでは、相補性決定領域(CDR)(前記は抗体の結合部位、したがって特異的な標的分子と結合するその能力を規定する)は、単純なクローニング工程で容易に交換することができる。RapMAT(登録商標)を用いる場合、標準的選別を2回繰り返した後の性状未決定ポリクローン生成物が用いられ、予め組み立てておいたCDRカセットライブラリーを挿入することによって多様性が高められる。これは、HuCALの標準的な成熟方法(この場合、個々の抗体候補物はその後のCDR交換によって選別及び成熟される)とは対照的である。その後、新たに2回の選別を高ストリンジェンシー条件下で適用し、高親和性について選別する。これによって最終的にそれら抗体の標的分子に対して40倍まで向上した親和性を有する抗体の直接選別がもたらされる。
本発明はまた、本発明の抗IGF抗体分子をコードするDNA分子に関する。これらの配列には配列表に示す抗体40183及び40186をコードする以下のDNA分子が含まれる(ただし前記に限定されない):抗体40186のそれぞれ可変重鎖及び可変軽鎖をコードするそれぞれ配列番号:13及び配列番号:15;抗体40183のそれぞれ可変重鎖及び可変軽鎖をコードする配列番号:17及び配列番号:19;可変軽鎖をコードする配列番号:15及び配列番号:19は、それらの3'末端にGlnのための追加のコドンを含んでいてもよい。
したがって、本発明はまた、WO2007/042309に規定する高ストリンジェンシーの結合及び洗浄条件下で、配列表に示すDNA分子とハイブリダイズする核酸分子に関する。この場合、前記核酸分子は、抗体40183又は40186と等価であるか又はそれらより優れた特性を有する抗体又はその機能的フラグメントをコードする。好ましい分子(mRNAの予測から)は、本明細書に記載のDNA分子の1つと少なくとも75%又は80%(好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、もっとも好ましくは少なくとも95%)の相同性又は配列同一性を有するものである。
本発明の範囲内にあるさらに別のクラスのDNA変種は、それらがコードするポリペプチドに照らして規定することができる。これらのDNA分子は、配列表に記載された配列(配列番号:13、15、19及び20)からそれらDNAの配列に関して偏向しているが、遺伝暗号の縮退のために、それぞれ抗体40183又は40186と同一のアミノ酸配列を有する抗体をコードする。例示すれば、真核細胞での抗体40183又は40186の発現を考えると、配列番号:19及び17のそれぞれの最後の9ヌクレオチド(可変軽鎖の最後の3アミノ酸をコードする)は、真核細胞でのコドン使用頻度と適合するように設計されている。この抗体を大腸菌(E. coli)で発現させることを所望する場合、これらの配列は大腸菌のコドン使用頻度と適合するように変更することができる(例えば、配列番号:19及び15に示すようにGTC CTA GGTではなくGTT CTT GGC)。
本発明のDNA分子の変種は、WO2007/042309に記載のいくつかの異なる方法で構築することができる。
本発明の組換え抗IGF抗体分子を生成するために、完全長の軽鎖(抗体40186の場合は配列番号:15及び配列番号:23を含む配列)及び重鎖(抗体40186の場合は配列番号:13及び配列番号:21を含む配列)又はそのフラグメントをコードするDNA分子(cDNA及び/又はゲノムDNA)が、これら配列が転写及び翻訳制御配列と機能的に連結されるように発現ベクターに挿入される。
本発明の抗体の製造のために、当業者は、当分野で周知の極めて多様な発現系(例えばKipriyanow and L. Gall(2004)により概説されたもの)から選択することができる。
発現ベクターには、プラスミド、レトロウイルス、コスミド、EBV由来エピソームなどが含まれる。発現ベクター及び発現コントロール配列は、宿主細胞と適合するように選択される。抗体軽鎖遺伝子及び抗体重鎖遺伝子は別々のベクターに挿入することができる。ある種の実施態様では、両DNA配列は同じ発現ベクターに挿入される。便利なベクターは、機能的に完全なヒトCH(定常重鎖)又はCL(定常軽鎖)免疫グロブリン配列をコードするものである(前記配列には、任意のVH(可変重鎖)又はVL(可変軽鎖)配列を上記のように容易に挿入しさらに発現させることができるように適切な制限部位が操作されてある)。40813及び40816の可変領域を有する抗体の事例では、定常鎖は抗体の軽鎖の場合、通常はカッパ又はラムダであり、抗体重鎖の場合は、任意のIgGアイソタイプ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)又は対立遺伝子変種を含む他の免疫グロブリンでありえるが、ただし前記に限定されない。
組換え発現ベクターはまた、宿主由来の抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。抗体鎖をコードするDNAは、前記シグナルペプチドが成熟抗体鎖DNAのアミノ末端とインフレームで連結されえるように当該ベクター内にてクローニングすることができる。前記シグナルペプチドは免疫グロブリンのシグナルペプチドであっても、又は非免疫グロブリンタンパク質由来の異種ペプチドであってもよい。また別には、抗体鎖をコードする前記DNA配列は既にシグナルペプチド配列を含んでいてもよい。
抗体鎖DNA配列に加えて、組換え発現ベクターは以下を含む調節配列を保持する:プロモータ、エンハンサー、終了及びポリアデニル化シグナル、並びに宿主細胞内で抗体鎖の発現を制御する他の発現制御エレメント。プロモータ配列の例は、(哺乳動物細胞での発現のために例示すれば)CMV由来(例えばCMVサルウイルス40(SV40)のプロモータ/エンハンサー)、アデノウイルス由来(例えばアデノウイルス主要後期プロモータ(AdMLP))、ポリオーマ由来のプロモータ及び/又はエンハンサー、及び強力な哺乳動物プロモータ(例えば該当哺乳動物本来の免疫グロブリンプロモータ及びアクチンプロモータ)である。ポリアデニル化シグナルの例は、BGHポリA、SV40後期又は初期ポリAであり、また別には免疫グロブリン遺伝子などの3'UTRを用いることができる。
組換え発現ベクターはまた、宿主細胞でベクターの複製を調節する配列(例えば複製起点)及び選別可能マーカー遺伝子を保持することができる。抗IGF抗体の重鎖若しくはその抗原結合部分及び/又は軽鎖若しくはその抗原結合部分をコードする核酸分子、及びこれらDNA分子を含むベクターは、宿主細胞(例えば細菌細胞又は高等真核細胞、例えば哺乳動物細胞)に、当分野で周知のトランスフェクション方法にしたがって導入することができる。前記方法には、リポソーム仲介トランスフェクション、多価陽イオン仲介トランスフェクション、プロトプラスト融合、マイクロインジェクション、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション又はウイルスベクターによる移転が含まれる。
好ましくは、重鎖及び軽鎖をコードするDNA分子は2つのベクターに存在し、これらは宿主細胞(好ましくは哺乳動物細胞)に同時トランスフェクトされる。
発現用宿主細胞として利用可能な哺乳動物細胞は当分野では周知であり、とりわけチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2/0細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、ヒト癌腫細胞(例えばHep G2)、A549細胞、3T3細胞又は任意の前記細胞株の誘導体/子孫が含まれる。他の哺乳動物細胞(ヒト、マウス、ラット、サル及びげっ歯類細胞株を含むが、ただしこれらに限定されない)、又は他の真核細胞(酵母、昆虫及び植物細胞を含むが、ただしこれらに限定されない)、又は原核細胞(例えば細菌)を用いてもよい。本発明の抗IGF抗体分子は、宿主細胞内で抗体分子の発現を許容するために十分な期間、宿主細胞を培養することによって生成される。
抗体は、好ましくは分泌されたポリペプチドとして培養液から回収されるか、又は抗体は、例えば分泌シグナル無しで発現される場合は宿主細胞溶解物から回収することができる。実質的に均質な抗体調製物が得られる態様で、組換えタンパク質及び宿主細胞タンパク質について用いられる標準的なタンパク質精製方法により抗体分子を精製することが必要である。例示すれば、本発明の抗IGF抗体分子を得るために有用な現在の技術水準の精製方法は、第一の工程として培養液又は溶解物から細胞及び/又は微粒子状細胞屑を除去することを含む。続いて、夾雑する可溶性タンパク質、ポリペプチド及び核酸から、例えばイムノアフィニティカラム又はイオン交換カラムによる分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、セファデックスクロマトグラフィー、シリカゲル又は陽イオン交換樹脂によるクロマトグラフィーによって抗体を精製する。抗IGF抗体分子調製物を入手する方法の最終工程として、精製抗体分子は、治療薬としての適用のために下記に記載するように、乾燥(例えば凍結乾燥)させることができる。
さらに別の態様では、本発明は、活性成分として抗IGF抗体分子(好ましくは本発明の完全な抗体を含む医薬組成物に関する。
治療で用いるためには、抗IGF抗体分子は、動物又はヒトへの投与を促進するために適切なように医薬組成物中に包含される。抗IGF抗体分子の典型的な処方物は、抗IGF抗体分子を生理学的に許容できる担体、賦形剤又は安定化剤と混合することによって、凍結乾燥或いは乾燥処方物、又は水溶液、又は水性若しくは非水性懸濁液の形態で調製することができる。担体、賦形剤、改変剤又は安定化剤は、用いられる用量及び濃度で非毒性である。上記には以下が含まれる:緩衝系(例えばリン酸、クエン酸、酢酸、及び他の非有機酸又は有機酸並びにそれらの塩);抗酸化剤(アスコルビン酸及びメチオニンを含む);保存料(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチル又はプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン又はポリエチレングリコール(PEG);アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジン;単糖類、二糖類、少糖類又は多糖類及び他の炭水化物(グルコース、マンノース、シュクロース、トレハロース、デキストリン又はデキストランを含む);キレート剤、例えばEDTA;糖アルコール、例えばマンニトール又はソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えばZn-タンパク質複合体);及び/又はイオン性又は非イオン性界面活性剤、例えばTWEENTM(ポリソルベート)、PLURONICSTM又は脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル又は糖エステル。抗体処方物はまた有機溶媒(例えばエタノール又はイソプロパノール)を含むことができる。賦形剤はまた放出改変又は吸収改変機能を有することができる。
抗IGF抗体分子はまた、乾燥させるか(凍結乾燥、噴霧乾燥、噴霧凍結乾燥、近臨界若しくは超臨界ガスによる乾燥、真空乾燥、風乾)、沈殿若しくは結晶化させるか、又はマイクロカプセル中に封入するか(前記は、例えばコアセルベーション技術によって又は界面重合によって(例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン及びポリ-(メチルメタクリレート)を用いる)、コロイド性薬剤デリバリー系(例えばリポソーム、アルブミン微小球、ミクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)で、マクロエマルジョンで調製される)、又は例えばpcmc(タンパク質被覆ミクロクリスタル)技術によって担体若しくは表面上に沈殿若しくは固定してもよい。そのような技術はRemington(2005)に記載されている。
当然、in vivo投与に用いられる処方物は無菌的でなければならない。滅菌は、通常的な技術、例えば無菌的ろ過メンブレンからろ過することによって実施することができる。
いわゆる高濃度液体処方物(HCLF(high concentration liquid formulation))とするために、抗IGF抗体の濃度を高めることは有用でありえる。そのようなHCLFを作製するために多様な方法が記載されている。
抗IGF抗体分子はまた徐放性調製物中に包含されえる。そのような調製物は、疎水性又は親水性ポリマーの固体又は半固体又は液状マトリックスを含み、有形物品(例えばフィルム、スティック又はマイクロカプセル)の形態を有することができ、適用装置により適用することができる。徐放性マトリックスの例にはポリエステル、ヒドロゲル(例えばポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート又はシュクロースアセテートブチレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(US3,773,919)、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-ビニルアセテート、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPOT(登録商標)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドで構成された注射可能微小球)、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。ポリマー(例えばエチレン-ビニルアセテート及び乳酸-グリコール酸)が100日にわたって分子を放出することができるが、一方、ある種のヒドロゲルはより短い期間タンパク質を放出することができる。被包化抗体が体内に長期間残存するとき、それらは、37℃で水分に暴露された結果として変性又は凝集し、生物学的活性の低下及び免疫原性の変化の可能性をもたらしえる。密接に関与するメカニズムを基準にしつつ安定化のための論理的方法を考案することができる。例えば、凝集のメカニズムが、チオ-ジスルフィド相互変換による分子間のS-S結合形成であることが判明したら、安定化は、スルフヒドリル残基の改変、酸性溶液からの凍結乾燥(例えばWO89/011297に記載)、水分含有量の制御(適切な添加剤を使用する)、及び特殊なポリマーマトリックス組成物の開発によって達成することができる。
本発明の抗IGF抗体分子のためにまた用いことができる処方物は、US7,060,268及びUS6,991,790に記載されている。
IGF抗体分子は、他の適用形態(例えば分散物、懸濁物若しくはリポソーム、錠剤、カプセル、散剤、スプレー、浸透強化装置付き又は前記装置の付かない経皮若しくは皮内用パッチ又はクリーム、ウェファース、鼻用、頬部用又は肺用処方物に取り入れてもよく、又は、移植細胞によって若しくは遺伝子治療後に個体自身の細胞によって産生させてもよい。
抗IGF抗体分子はまた、化学基(例えばポリエチレングリコール(PEG)、メチル若しくはエチル基、又は炭水化物基)を用いて誘導することができる。これらの基は、本抗体の生物学的性状の改善(例えば血中半減期の延長又は組織結合の強化)に有用でありえる。
好ましい適用態様は、輸液又は注射(静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、皮内)による非経口的態様であるが、他の適用態様(例えば吸入、経皮、鼻内、頬部、経口適用)もまた利用することができる。
好ましい実施態様では、本発明の医薬組成物は、抗IGF抗体(例えば抗体40186)を10mg/mLの濃度で含み、さらに25mMのクエン酸ナトリウム(pH6)、115mMのNaCl、0.02%のTween(ポリソルベート20)を含む。
疾患の予防又は治療のためには、抗体の適切な用量は、治療されるべき疾患のタイプ、疾患の重篤度及び経過、抗体が予防又は治療目的のために投与されるか否か、以前の治療、患者の病歴及び抗体に対する応答、並びに主治医の判断に左右される。抗体は1回又は一連の治療の間ずっと患者に適切に投与される。
疾患のタイプ及び重篤度に応じて、約1μg/kgから20mg/kg(例えば0.1−15mg/kg)の抗体が、患者への投与の最初の候補用量であり、例えば1回以上の別個の投与によるか又は連続的輸液によって投与される。典型的な治療スケジュールは、通常は毎週1回から3週ごとに1回、約0.1μg/kgから約20mg/kg又はそれ以上の範囲の用量(上記に記載の因子に左右される)の抗体の投与を必要とする。この治療の進行は通常の技術及びアッセイによって容易にモニターされる。
投与されるべき抗体の“治療的に有効な量”は、疾患若しくは異常の予防、緩和又は治療のために必要な最少量である。
本発明の抗IGF抗体分子及び前記を含む医薬組成物は過剰増殖性疾患の治療に有用である。
ある種の実施態様では、過剰増殖性疾患は癌である。
癌は、2つの方法、癌が発生した組織のタイプ(組織学的タイプ)によって、及び原発部位又は癌が最初に発生した身体の場所によって分類される。癌が発生するもっとも一般的な部位には、皮膚、肺、乳房、前立腺、結腸及び直腸、子宮頸管及び子宮が含まれる。
本発明の抗IGF抗体分子は、以下を含む(ただしこれらに限定されない)多様な癌の治療に有用である:
−エイズ関連癌、例えばカポジ肉腫;
−骨関連癌、例えばユーイング群の腫瘍及び骨肉腫;
−脳関連癌、例えば成人の脳腫瘍、小児の脳幹神経膠腫、小児の小脳星状細胞腫、小児の大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、小児の脳室上衣細胞腫、小児の髄芽細胞腫、小児の小脳テント上方の初期神経外胚葉性腫瘍、小児の視覚路及び視床下部の神経膠腫、及び他の小児脳腫瘍;
−乳癌;
−消化器系/胃腸管関連癌、例えば肛門癌、肝外胆管癌、胃腸管のカルチノイド腫瘍、胆管癌、結腸癌、食道癌、胆嚢癌、成人の原発性肝癌(肝細胞癌、胚芽細胞腫)、小児の肝癌、膵臓癌、直腸癌、小腸癌及び胃癌;
−内分泌関連癌、例えば副腎皮質癌、胃腸管カルチノイド腫瘍、小島細胞癌(膵内分泌腺)、傍甲状腺癌、クロム親和性細胞腫、下垂体腫瘍及び甲状腺癌;
−眼に関連する癌、例えば眼内メラノーマ及び網膜芽細胞腫;
−泌尿生殖器関連癌、例えば膀胱癌、腎(腎細胞)癌、陰茎癌、前立腺癌、移行細胞の腎盂及び尿管の癌、精巣癌、尿道癌、ウィルムス腫瘍及び他の小児の腎腫瘍;
−生殖細胞関連癌、例えば小児の頭蓋外の生殖細胞腫瘍、性腺外の生殖細胞腫瘍、卵巣の生殖細胞腫瘍及び精巣癌;
−婦人科の癌、例えば子宮頸癌、子宮内膜癌、妊娠期栄養膜腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣の生殖細胞腫瘍、卵巣の悪性度の低い潜在的腫瘍、子宮肉腫、膣癌及び陰門癌;
−頭部及び頸部の癌、例えば下咽頭の癌、喉頭癌、舌及び口腔の癌、不顕性原発性鼻咽頭癌を伴う頸部の転移性扁平上皮癌、口腔咽頭癌、副鼻腔及び鼻腔の癌、傍甲状腺癌及び唾液腺の癌;
−血液学/血液関連癌、例えば白血病、例えば成人急性リンパ芽球性白血病、小児の急性リンパ芽球性白血病、成人の急性骨髄性白血病、小児の急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病及び毛様細胞白血病;並びにリンパ腫、例えばエイズ関連リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人ホジキンリンパ腫、小児ホジキンリンパ腫、妊娠期ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、成人非ホジキン型リンパ腫、小児非ホジキン型リンパ腫、妊娠期非ホジキン型リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫及びワルデンストレームマクログロブリン血症及び他の血液学的/血液関連癌、例えば慢性骨髄増殖性異常、多発性ミエローマ/形質細胞新形成、骨髄形成異常症候群及び骨髄形成異常性/骨髄増殖性疾患;
−筋肉骨格関連の癌、例えばユーイング群の腫瘍、骨肉腫、骨の悪性線維性組織球腫、小児の横紋筋肉腫、成人の軟組織肉腫、小児の軟組織肉腫及び子宮肉腫;血管肉腫及びアンギオサルコーマ;
−神経学関連癌、例えば成人脳腫瘍、小児脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、小脳テント上方の初期神経外胚葉性腫瘍、視覚路及び視床下部の神経膠腫、及び他の脳腫瘍、例えば神経芽腫、下垂体腫瘍及び原発性中枢神経系リンパ腫;
−呼吸器/胸郭関連癌、例えば非小細胞性肺癌、小細胞性肺癌、悪性中皮腫、胸腺腫及び胸腺癌腫;
−皮膚関連癌、例えば皮膚T細胞リンパ腫、カポジ肉腫、メラノーマ、メルケル細胞癌腫及び皮膚癌。
特に、本発明の抗IGF抗体及び前記を含む医薬組成物は以下の治療に有益である:造血系の癌(白血病、リンパ腫及びミエローマを含む);胃腸管の癌(食道癌、胃癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肝及び胆嚢の癌、並びに胆管癌を含む);腎臓、前立腺及び膀胱癌;婦人科の癌(乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌を含む);皮膚並びに頭部及び頸部の癌(悪性メラノーマを含む);ウィルムス腫瘍、神経芽腫及びユーイング肉腫のような小児科の癌;神経膠芽腫のような脳の癌;骨肉腫、軟組織肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫のような肉腫;肺癌、中皮腫及び甲状腺癌。
別の実施態様では、抗IGF抗体分子及び前記を含む医薬組成物は、非癌性過剰増殖性疾患(例えば乾癬及び血管形成術後の再狭窄(ただしこれらに限定されない))のために有用である。さらにまた、IGF-1の活性を低下させる遺伝子の変異は長寿に対してプラスの影響を有するという最近の観察(Reinberg, 2008)にしたがえば、本発明の抗体は、成人に適用したとき、加齢を遅らせる治療で潜在的な有用性を有し、加齢関連疾患の予防のために潜在能力を有する。
治療されるべき疾患に応じて、本発明の抗IGF抗体分子は、単独で又は1つ以上の追加の治療薬(特にDNA損傷薬剤、又は癌細胞の血管形成、シグナルトランスダクション経路又は分裂チェックポイントを阻害する治療的に活性な化合物から選択される)と一緒に用いることができる。
前記追加の治療薬は、抗IGF抗体分子と同時に投与するか(場合によって同じ医薬調製物の成分として)、又は抗IGF抗体分子の投与前若しくは投与後に投与することができる。
ある種の実施態様では、前記追加の治療薬は、EGFR、VEGFR、HER2-neu、AuroraA、AuroraB、PLK及びPI3キナーゼ、FGFR、PDGFR、Raf、KSP又はPDK1の阻害剤の群から選択される1つ以上の阻害剤(ただしこれらの限定されない)でありえる。
追加の治療薬のさらに別の例は、CDK、Akt、src/bcr-ab1、cKit、cMet/HGF、c-Myc、Flt3、HSP90の阻害剤、ヘッジホグアンタゴニスト、JAK/STA、Mek、mTor、NFKkappaB、プロテアソーム、Rhoの阻害剤、wntシグナリングの阻害剤、又はユビキチネーション経路の阻害剤である。
Auroraの阻害剤の例は、PHA-739358、AZD-1152、AT-9283、CYC-116、R-763、VX-667、MLN-8045、PF-3814735、SNS-314、VX-689、GSK-1070916、TTP-607、PHA-680626、MLN-8237、ENMD-2076であるが、ただしこれらに限定されない。
PLK阻害剤の例はGSK-461364である。
raf阻害剤の例は、BAY-73-4506(VEGFR阻害剤でもある)、PLX-4032、RAF-265(VEGFR阻害剤でもある)、ソラフェニブ(sorafenib)(VEGFR阻害剤でもある)、XL-281及びNevavar(VEGFRの阻害剤でもある)である。
KSP阻害剤の例は、イスピネシブ(ispinesib)、ARRY-520、AZD-4877、CK-1122697、GSK-246053A、GSK-923295、MK-0731、SB-743921、LY-2523355及びEMD-534085である。
src及び/又はbcr-ab1の阻害剤の例は、ダサチニブ(dasatinib)、AZD-0530、ボスチニブ(bosutinib)、XL-228(IGF-1R阻害剤でもある)、ニロチニブ(nilotinib)(PDGFR及びcKitの阻害剤でもある)、イマチニブ(imatinib)(cKitの阻害剤でもある)、NS-187、KX2-391、AP-24534(EGFR、FGFR、Tie2、Flt3の阻害剤でもある)、KM-80及びLS-104(Flt3、Jak2の阻害剤でもある)である。
PDK1の阻害剤の例はAR-12である。
Rhoの阻害剤の例はBA-210である。
PI3キナーゼの阻害剤の例は、PX-866、PX-867、BEZ-235(mTorの阻害剤でもある)、XL-147及びXL-765(mTorの阻害剤でもある)、BGT-226、CDC-0941である。
cMet又はHGFの阻害剤の例は、XL-184(VEGFR、cKit、Flt3の阻害剤でもある)、PF-2341066、MK-2461、XL-880(VEGFRの阻害剤でもある)、MGCD-265(VEGFR、Ron、Tie2の阻害剤でもある)、SU-11274、PHA-665752、AMG-102、AV-299、ARQ-197、MetMAb、CGEN-241、BMS-777607、JNJ-38877605、PF-4217903、SGX-126、CEP-17940、AMG-458、INCB-028060、及びE-7050である。
c-Mycの阻害剤の例はCX-3543である。
Flt3の阻害剤の例は、AC-220(cKit及びPDGFRの阻害剤でもある)、KW-2449、LS-104(bcr-ab1及びJak2の阻害剤でもある)、MC-2002、SB-1317、レストルチニブ(lestaurtinib)(VEGFR、PDGFR、PCKの阻害剤でもある)、TG-101348(JAK2の阻害剤でもある)、XL-999(cKit、Fgfr、PDGFR及びVEGFRの阻害剤でもある)、スニチニブ(sunitinib)(PDGFR、VEGFR及びcKitの阻害剤でもある)、及びタンデュチニブ(tandutinib)(PDGFR及びcKitの阻害剤でもある)である。
HSP90の阻害剤の例はタネスピマイシン、アルベスピマイシン、IPI-504、STA-9090、MEDI-561、AUY-922、CNF-2024及びSNX-5422である。
JAK/STATの阻害剤の例は、CYT-997(チューブリンとも相互作用する)、TG-101348(Flt3の阻害剤でもある)、及びXL-019である。
Mekの阻害剤の例は、ARRY-142886、AS-703026、PD-325901、AZD-8330、ARRY-704、RDEA-119及びXL-518である。
mTorの阻害剤の例は、テムシロリムス(temsirolimus)、デフォロリムス(deforolimus)(VEGF阻害剤としてもまた機能する)、XL-765(PI3キナーゼの阻害剤でもある)、及びBEZ-235(PI3キナーゼの阻害剤でもある)である。
Aktの阻害剤の例は、ペリフォシン(perifosine)、GSK-690693、RX-0201及びトリシリビン(triciribine)である。
cKitの阻害剤の例はマシチニブ(masitinib)、OSI-930(VEGFRの阻害剤としても機能する)、AC-220(Flt3及びPDGFRの阻害剤でもある)、タンデュチニブ(Flt3及びPDGFRの阻害剤でもある)、アキシチニブ(axitinib)(VEGFR及びPDGFRの阻害剤でもある)、スニチニブ(sunitinib)(Flt3、PDGFR、VEGFRの阻害剤でもある)、及びXL-820(VEGF及びPDGFRの阻害剤としてもまた機能する)、イマチニブ、ニロチニブ(bcr-ab1及びPDGFRの阻害剤でもある)である。
ヘッジホグアンタゴニストの例は、IPI-609、CUR-61414、GDC-0449、IPI-926及びXL-139である。
CDKの阻害剤の例は、セリシクリブ(seliciclib)、AT-7519、P-276、ZK-CDK(VEGFR2及びPDGFRも阻害する)、PD-332991、R-547、SNS-032、PHA-690509、PHA-848125及びSCH-727965である。
プロテアソーム阻害剤/NFカッパB経路阻害剤の例はボルテゾミブ(bortezomib)、カルフィルゾミブ(carfilzomib)、NPI-0052、CEP-18770、MLN-2238、PR-047、PR-957、AVE-8680及びSPC-839である。
ユビキチネーション経路の阻害剤の例はHBX-41108である。
抗血管形成薬剤の例は、FGFR、PDGFR及びVEGF(R)の阻害剤、並びにサリドマイドであり、そのような薬剤は以下から選択される(ただしこれらに限定されない):ベバシズマブ(bevacizumab)、モテサニブ(motesanib)、CDP-791、SU-14813、テラチニブ(telatinib)、KRN-951、ZK-CDK(CDKの阻害剤でもある)、ABT-869、BMS-690514、RAF-265、IMC-KDR、IMC-18F1、IMiD、サリドマイド、CC-4047、レナリドマイド、ENMD-0995、IMC-D11、Ki-23057、ブリヴァニブ(brivanib)、セディラニブ(cediranib)、1B3、CP-868596、IMC-3G3、R-1530(Flt3の阻害剤でもある)、スニチニブ(cKit及びFlt3の阻害剤でもある)、アキシチニブ(cKitの阻害剤でもある)、レストルチニブ(Flt3及びPKCの阻害剤でもある)、ヴァタラニブ(vatalanib)、タンデュチニブ(Flt3及びcKitの阻害剤でもある)、PF-337210、アフリベルセプト(aflibercept)、E-7080、CHIR-258、ソラフェニブトシレート(Rafの阻害剤でもある)、ヴァンデタニブ、CP-547632、OSI−930、AEE-788(EGFR及びHer2の阻害剤でもある)、BAY-57-9352(Rafの阻害剤でもある)、BAY-73-4506(Rafの阻害剤でもある)、XL-880(cMetの阻害剤でもある)、XL-647(EGFR及びEphB4の阻害剤でもある)、XL-820(cKitの阻害剤でもある)、ニロチニブ(cKit及びbrc-ab1の阻害剤でもある)、CYT-116、PTC-299、BMS-584622、CEP-11981、ドヴィチニブ(dovitinib)、CY-2401401及びENMD-2976。
追加の治療薬剤はまたEGFRの阻害剤から選択され、前記は小分子のEGFR阻害剤又は抗EGFR抗体でもよい。抗EGFR抗体の例はセツキシマブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、ザルツムマブであり(ただしこれらに限定されない)、小分子EGFR阻害剤の例はゲフチニブ、エルロチニブ及びヴァンデタニブ(VEGFRの阻害剤でもある)である。EGFR調節物質のまた別の例はEGF融合トキシンである。
本発明の抗IGF抗体分子との併用で有用なさらに別のEGFR及び/又はHer2阻害剤は、ラパチニブ(lapatinib)、トラスツズマブ(trastuzumab)、ペルツズマブ(pertuzumab)、XL-647、ネラチニブ(neratinib)、BMS-599626、ARRY-334543、AV−412、mAB-806、BMS-690514、JNJ-26483327、AEE-788(VEGFRの阻害剤でもある)、AZD-8931、ARRY-380、ARRY-333786、IMC-11F8、Zemab、TAK-285、AZD-4769である。
本発明の抗IGF抗体分子を用いる治療法で有利に併用することができる他の薬剤は、トシツムマブ(tositumumab)及びイブリツモマブ・チウキセタン(ibritumomab tiuxetan)(2つの放射能標識抗CD20抗体);オフアツムマブ(ofatumumab)、リツキシマブ(rituximab)、LY-2469298、オクレリズマブ(ocrelizumab)、TRU-015、PRO-131921、FBT-A05、ヴェルツズマブ(veltuzumab)、R-7159(CD20阻害剤)、アレムツズマブ(alemtuzumab)(抗CD52抗体)、デノスマブ(denosumab)(破骨細胞分化因子のリガンドの阻害剤)、ガリキシマブ(galiximab)(CD80アンタゴニスト)、ザノリムマブ(zanolimumab)(CD4アンタゴニスト)、SGN40(CD40リガンドレセプター調節物質)、XmAb-5485、Chi Lob 7/4、ルカツムマブ(lucatumumab)、CP-870893(CD40阻害剤)、CAT-8015、エプラツズマブ(epratuzumab)、Y90-エプラツズマブ、イノツズマブ・オゾガミシン(inotuzumab ozogamicin)(CD22阻害剤)、ルミリキシマブ(lumiliximab)(CD23阻害剤)、TRU-016(CD37阻害剤)MDX-1342、SAR-3419、MT-103(CD19阻害剤)、又はマパツムマブ(mapatumumab)、チガツズマブ(tigatuzumab)、レキサツムマブ(lexatumumab)、Apomab、AMG-951及びAMG-655(TRAILレセプター調節物質)である。
本発明の抗IGF抗体分子と一緒に用いることができる他の化学療法剤は以下から選択される(ただしこれらに限定されない):ホルモン類似体及びアンチホルモナール(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルヴェストラント、酢酸メゲストロール、フルタマイド、ニルタマイド、ビカルタマイド、酢酸シプロテロン、フィナステライド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロジェステロン、オクトレオチド、アルゾキシフェン、パシレオチド、ヴァプレオチド)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、エグゼメスタン、アタメスタン、フォルメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば酢酸ゴセレリン、ロイプロリド、アバレリクス、セトロレリクス、デスロレリン、ヒストレリン、トリプトレリン)、抗代謝剤(例えばメトトレキセートのようなアンチフォレート、ペメトレキシド、5-フルオロウラシル、カペシタビン、デシタビン、ネララビン及びゲムシタビンのようなピリミジン類似体、プリン及びアデノシン類似体、例えばメルカプトプリンチオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン);抗腫瘍性抗生物質(例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシンのようなアントラサイクリン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、ピクサントロン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ロバプラチン、サトラプラチン);アルキル化剤(例えばエストラムスチン、メクロレサミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロフォスファミド、イフォスファミド、ヒドロキシウレア、テモゾロミド、ニトロソウレア、例えばカルムスチン及びロムスチン、チオテパ);抗有糸分裂剤(例えばビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンフルニン及びビンクリスチンのようなツルニチソウアルカロイド;パクリタキセル、ドセタキセル及びそれらの処方物、ラロタキセルのようなタキサン;シモタキセル、及びイキサベピロン、パツピロン、ZK-EPOのようなエポシロン);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びエトポフォスのようなエピポドフィロトキシン、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン)、及び種々雑多な化学療法剤、例えばアミフォスチン、アナグレリド、インターフェロンアルファ、プロカルバジン、ミトーテン、及びポルフィマー、ベキサロテン、セレコキシブ。
本発明の抗IGF抗体は、低濃度で用いられるときは、IGF-1Rを標的とする薬剤と併用することができる。そのような薬剤には、IGF-1Rと結合する抗体(例えばCP-751871、AMG-479、IMC-A12、MK-0646、AVE-1642、R-1507、BIIB-022、SCH-717454、rhu Mab IGFR)及びIGF-1Rのキナーゼドメインを標的とする新規な化学物質(例えばOSI-906又はBMS-554417、XL-228、BMS-754807)が含まれる。
本発明の抗IGF抗体分子はまた、以下を含む他の治療方法と併用することができる:外科手術、放射線療法、内分泌療法、高体温及び寒冷療法並びに任意の副作用の緩和薬剤(例えば鎮吐剤)。
本発明の抗IGF抗体分子はまた、IGF-1及び/又はIGF-2の血中レベルの上昇が疾患の発生又は進行と相関性を有する癌の診断において、例えばインプリンティングの低下(LOI)(インスリン様成長因子II遺伝子(IGF2)に影響を及ぼす後成的変化)によるIGF-2レベルの上昇を決定するために有用である。ある種の実施態様では、診断に適用される(例えば免疫組織学的染色によるヒトの組織切片でのIGF-1の検出を目的とする)抗体は、ヒトの抗体に由来するキメラ抗体である。そのような抗体では、定常領域(又はその部分)は、別の種(例えばマウス)の抗体の対応する配列によって置き換えられている。そのようなキメラ抗体を一次抗体として用いることによって、二次抗体(例えばマウスFc部分と特異的に反応するヤギ抗体)は、当該キメラ一次抗体のマウスの配列を特異的に認識し、ヒト組織サンプルに存在する他のヒト免疫グロブリン分子のFc部分とは結合しない。したがって、望ましくないバックグラウンド染色は回避される。
材料と方法
IGF-1結合抗体(抗体軽鎖及び定常領域ドメインCH1を含む重鎖可変領域で構成されたFabフラグメント)のファージディスプレーによる選別
コンビナトリアルHuCAL Goldライブラリーから特異的なファージクローンの選別(パンニング)(Knappik et al. 2000)を、Rauchenbergerら(2003)の記載にしたがって3サイクルパンニングで実施する。ファージミドのレスキュー、ファージの増幅及びFabの精製はKrebsら(2001)の記載にしたがって実施する。2回目及び3回目のパンニングに由来するクローンプールからファージミドDNAを市販のプラスミドキット(Qiagen spin miniprep kit, Qiagen)を用いて調製してFabフラグメントを単離し、発現ベクターpMORPH9_FH(EP859841)にてクローニングし、大腸菌TG1 Fを形質転換する。得られたクローンを384-ウェルのマイクロタイターマスタープレート(Nunc)に移して培養する。発現用レプリカプレートを接種し、さらに0.5mMのIPTGで大腸菌Fabクローンを誘発し22℃で一晩増殖させる。スクリーニングのために、15μLのBEL溶解緩衝液(2BBS/EDTA/リゾチーム)を65μLの大腸菌培養に添加することにより、Fabフラグメント含有溶解物を生成する。1.5時間後に、15μLのブロッキング緩衝液(1.5%のBSA/TBS又はPBS/Tween-20中の12.5%粉乳)を添加し、さらに400rpmにて22℃で30分インキュベートする。
IGF-1陽性FabクローンのためのELISAスクリーニングは、1xのコーティング緩衝液(Gibco)中の組換えヒトIGF-1(Gropep)(5μg/mL)を用いて4℃で一晩Maxisorb 384ウェルプレートをコーティングすることにより実施される。ウェルを1xのTBS-Tで洗浄し、さらに1xのブロッキング緩衝液(Gibco)で1時間室温にてブロッキングする。抗体のFabフラグメントを含む細菌溶解物を1.5時間室温で添加し、続いて1xのTBS-Tで5回洗浄し、アルカリホスファターゼ結合Affini Pureヤギ抗ヒトIgG F(ab')2フラグメント特異的Mab(Dianova)(1:10,000希釈)を用いて検出し、Attophos基質(Roche)を用いて可視化する。蛍光の読み取りは、Tecan蛍光リーダーを用い励起430nm及び発光535nmで実施する。
組換えヒトIGF-1、マウスIGF-1、マウスIGF-2(R&D Systems)、組換えヒトIGF-2、ラットIGF-1、ラットIGF-2(Gropep)及び組換えヒトインスリン(Roche)との交差反応性は、1μg/mLのコーティング希釈を用いる点以外は上記と同じ方法を用いてELISAによって実施する。
IGF-1及びIGF-2とIGF-1Rとの結合を中和するIGF抗体の選別
IGF-1Rと結合するIGF-1及びIGF-2の能力を中和するIGF抗体を識別するために、1.5μg/mLの組換えヒトIGF-1R(R&D Systems)(ビオチニル化IGF-1及びビオチニル化IGF-2の結合を許容する)でプレートをコーティングすることによってELISAを確立する。結合したIGF-1又はIGF-2は、アルカリホスファターゼ結合ストレプトアビジン(1:10,000希釈)(Roche)を用いて検出する。抗体Fabフラグメントの中和能力は、ビオチニル化IGF-1又はIGF-2リガンドの添加直前に、IGF-1R被覆ウェルに0.1−1μg/mLのFabを添加することによって測定する。ビオチニル化リガンドの結合を阻止する抗体Fabフラグメントは、蛍光シグナルの減少によって識別される。
IgG1抗体のクローニング及び組換え体の発現
可変重鎖領域(VH)及び可変軽鎖領域(LH)をFab発現ベクターから制限酵素消化により切り出し(VH消化:MfeI-BlpI;VL-λ:EcoRV-HpaI)、pMORPH_h_IgG1(EcoRI-BlpI)及びpMORPH_h_Igλ(EcoRV-HpaI)の適合する制限酵素部位に連結する。両プラスミドは、それぞれヒトIgG1重鎖及びヒトIgλ軽鎖定常領域を含むpcDNA3.1系プラスミドである。EndoFreeプラスミド調製物(Qiagen)を調製し、重鎖及び軽鎖プラスミドをHEK293フリースタイル細胞(Invitrogen)に1mg/Lの各プラスミドの濃度で供給業者のプロトコルにしたがって同時トランスフェクトする。72時間後に上清を採集し、IgG濃度をELISAによって決定する。抗体を改変プロテインAカラム(GE Healthcare)で精製し、クエン酸緩衝液中に溶出させ、PBS中で2.5mg/mLの濃度に透析する。
親和性定数の決定のための表面プラズモン共鳴分析
a)抗体捕捉法
センサーチップは、フローセル1では約1000RUの参照抗体で、フローセル2では約1000RUのウサギ抗ヒトFcガンマ特異的抗体で、アミンカップリングキットのカップリング試薬を用いて被覆される。1000RUの標的は、Biacore 3000ソフトの表面調製ウィザードで、流速5μL/分で設定される。使用される泳動緩衝液はHBS-EPである。親和性の測定は以下のパラメータを用いて実施される:20μL/分の流れ(HCB泳動緩衝液);25℃の検出温度;Fc1、Fc2フローパス;Fc1、Fc2検出;抗IGF-huMAb-捕捉;3分の1μg/mL溶液;5分のIGF-Ag-結合;5分のIGF-Ag-解離;再生:50mMのHClで30秒パルス。IGF抗原は、泳動緩衝液(HCB)で500、250、125、62.5及び31.3nMに希釈し、前記種々の抗原希釈物を1つずつFc1及びFc2上をランダムな順序で泳動させる。泳動緩衝液のみを用いるブランクの泳動は中間で泳動させる。親和性分析の前に、ブランクの泳動曲線を各結合曲線から差し引く。データの評価はBIA評価ソフト(ヴァージョン4.1、Biacore, Freiburg, Germany)を用いて実施する。動力学の解離相及び結合相は別々にフィットさせる。kdiss値を別々にフィットさせるために、解離相の初期200−300秒の時間枠(シグナルの定常的減少の範囲である)を用いる。Kass値を別々にフィットさせるために、約100秒の初期時間枠(シグナルの定常的増加の範囲である)を用い、計算のために個々のkdiss値を1:1ラングミュア結合モデルとともに用いる。動力学データの標準偏差を含む平均値を、対応する解離(KD)及び結合(KA)定数と併せて計算する。
b)IGF被覆法
センサーチップをIGFリガンドで被覆したときのIGF抗体とIGFリガンドとの結合定数の決定を、センサーチップをそれぞれ35.1pg/mm2及び38.5pg/mm2のIGF-1及びIGF-2で被覆した点を除き本質的に上記記載のように実施する。続いて抗体を以下の濃度でチップ上に流す:50、25、12.5、6.25、3.12nM。
中和能力決定のためのin vitro細胞アッセイ
COLO205結腸癌由来細胞株(ATCC# CCL-222)を1000細胞/ウェルの細胞濃度で96ウェルプレートの無血清RPMI培養液にプレートする。10ng/mLのIGF-1又はIGF-2を、5及び30μg/mLの濃度のコントロール抗体又は抗体40183及び40186の存在下又は非存在下で添加する。細胞を5日間培養し、続いて各ウェルの細胞数をCellTiter-Glo細胞生存率ルミネセンスアッセイ(Promega)を用いて決定する。ルミネセンスはXFluorGENios Pro4を用いて記録した。
ユーイング肉腫由来細胞株の増殖アッセイ
ユーイング肉腫由来細胞株TC-71(ATCC# ACC516)及びSK-N-MC(ATCC# HTB86)を1000細胞/ウェルの濃度で96ウェルプレートのDMEM培養液(1x NEAA、1xピルビン酸ナトリウム、1xグルタマックス及び10%ウシ胎児血清(FCS)を含む)にプレートし、湿潤大気中の5%CO2下37℃で一晩インキュベートする。次の日、試験抗体及びヒト化アイソタイプコントロール抗体(CD44-v6を標的とするヒト化IgG1抗体)を細胞に添加する。使用される典型的な濃度は、10、3.33、1.11、0.37、0.13及び0.04μg/mLであり、各希釈はトリプリケートのウェルで実施される。続いて細胞及び抗体を120時間インキュベートし、その後、各ウェルの相対的細胞数をCellTiter-Glo細胞生存率ルミネセンスアッセイ(Promega)を用いて決定する。ルミネセンスはXFluorGENios Pro4を用いて記録し、データ分析のためにはトリプリケートウェルの平均値を取り、S字状曲線解析プログラム(GraphPad Prism)を可変Hillスロープとともに用い反復計算によりフィットさせる。
リン酸化リボソームS6のウェスタンブロット分析
COLO205細胞を6ウェルプレートの10%血清含有培養液にプレートし、2日後にそれらを採集し、無血清培養液に再プレートする。続いて、この細胞を、30μg/mLのIGF抗体の存在下又は非存在下で、10ng/mLのIGF-1又はIGF-2とともに4時間インキュベートし、その後で溶解し、Bradfordアッセイを用いてタンパク質濃度を決定した後この細胞溶解物を凍結する。ウェスタンブロッティングは、13μgのタンパク溶解物をSDS PAGEゲル(BioRad)に適用し、このゲルをCiterianゲルブロッティングサンドイッチ上でブロットすることによって実施する。ウェスタンブロットをウサギ抗βアクチン抗体(コントロール)及びウサギ抗ホスホS6リボソームタンパク質(Ser235/236)抗体(Cell Signal)の両抗体(1%粉乳中で1:1000希釈)とともに一晩インキュベートする。TBS中で洗浄した後、抗ウサギIgG HRPO-結合二次抗体(Amersham)を1時間適用し、TBS中での更なる洗浄の後で抗体の反応性をECLで検出し、さらにHyperfilm(Amersham)上で捕捉する。
in vivo異種移植実験
雌の無胸腺NMRIヌードマウス(6−8週齢)の右わき腹外側の皮下にCOLO205ヒト結腸腫瘍由来細胞株(ATCC# CCL-222)(100μLのリンゲル溶液中に5x106)を接種する。ノギス及び以下の式を用いて週に3回、腫瘍の体積を測定することにより腫瘍細胞の増殖を判定する:π/6x大きい方の直径x(小さい方の直径)2。処置は10匹のマウスの群の静脈内に施し、さらに腫瘍が130から270mm3のサイズに成長したときに開始する。処置スケジュールは、週2回の溶媒及び25mg/kgの用量の抗体40186による2回の処置サイクルの静脈内輸液から成る。抗体と5FUの併用では、50mg/kgの用量の5FUが毎週投与される。この実験は、腫瘍が1500mm3の平均サイズに達したときに終了する。全ての動物実験は、オーストリアの法的要件とともにアメリカ実験動物学会(American Association for Laboratory Animal Science(AALAS))のガイドラインを順守して実施される。
マウスの総血中IGF-1レベルに対する影響の決定
12.5、25、50及び10mg/kgの抗体40186の静脈内単回(ボーラス)投与を雌の無胸腺NMRIヌードマウス(6−8週齢)に実施する(n=5)。投与後24時間で血液サンプルを採取し、血清を採集して、OCTEIAラット/マウス全IGF-1イムノサイトメトリーアッセイを用いてマウスの全IGF-1レベルを決定する。前記アッセイは製造業者の指示にしたがって実施し、吸収は450nmで測定し、SoftMax Proソフトを用いて評価する。標準曲線を用いて、総IGF-1の血中濃度(ng/mL)を決定する。統計解析はGraphPad Prismソフトを用いて実施する。
シノモルガスモンキーにおける半減期の決定
1及び10mg/kg(25mMクエン酸ナトリウム(pH6)、115mM NaCl、0.02%ポリソルベート20(Tween)を含む処方物中)の静脈内単回(ボーラス)をシノモルガスモンキーで実施する(各投与用量についてn=3)。それぞれを投与してから0.5、2、8、24、48、72、168、336及び504時間後に、血液サンプルを採取し、血漿中のヒト抗体濃度をELISAによって決定する。
IGF-1R相互作用を中和し、かつインスリンと結合しない、IGF-1及びIGF-2交差反応性を有する完全にヒトの抗体の選別
IGF-1と結合し、かつIGF-2と交差反応する完全にヒトの抗体を、最初にFab分子としてファージディスプレー抗体ライブラリーから単離する。ヒトIGF-1及びIGF-2結合に加えて、マウス及びラットIGF-1及びIGF-2とも結合するがヒトインスリンとは結合しないFab抗体フラグメントが選別される。選別したFabをクローニングし、IgG分子(IgG1重鎖及びヒトIgλ軽鎖定常領域)として発現させる。図1A−Hに示すように、抗体40183及び40186は、ヒトIGF-1(1A)、ヒトIGF-2(1B)、マウスIGF-1(1C)、マウスIGF-2(1D)、ラットIGF-1(1E)、ラットIGF-2(1F)と濃度依存結合を示すが、ヒトインスリン(1G)又はコーティングプラスチック(1H)とは結合しない。
抗体40183及び40186はIGF-1及びIGF-2の両方と結合することを示したので、IGF-1及びIGF-2とIGF-1Rとの相互作用を中和する抗体の能力をELISAアッセイで試験する。図2に示すように、両抗体はIGF-1リガンド結合の用量依存阻害を示し、このアッセイでのIC50は約5ng/mL(0.03nM)である。
表面プラズモン共鳴を用いるIGF-1及びIGF-2に対する親和性の決定
Biacore装置を用いて表面プラズモン共鳴を実施し、IGF抗体とヒト、ラット及びマウスのIGF-1並びにIGF-2との結合の親和性定数を決定する。
親和性(すなわち抗体上のただ1つの抗原結合部位とただ1つのエピトープとの間の相互作用)は、結合定数KA=kass/kdiss又は解離定数KD=kdiss/kassによって表される。
この解析は、初めにセンサーチップ上でIGF抗体を捕捉し、ある範囲の抗原濃縮物を注入し、それによってアビジティー作用の可能性を排除することによって実施される。得られた抗体40186の結合定数を表1に列挙する。
表1:ヒト、マウス及びラットIGF-1並びにIGF-2に対する抗体40186の結合定数(抗体捕捉法)
Figure 2010531140
親和性定数はまた、IGFリガンドがBiacoreセンサーチップに被覆され、ある範囲の抗体濃縮物が注入される方法を用いて、IGF抗体とヒトIGF-1及びIGF-2との結合について決定される。この方法を用いて得られた抗体40186の結合定数を表2に列挙する。最初の抗体捕捉法と比較してこの方法を用いたときの約30−50倍の結合定数の増加は、おそらく両方の抗体の結合ドメインがIGF分子と相互作用するアビジティー作用のためである。
表2:ヒトIGF-1及びIGF-2に対する抗体40186の結合定数(IGF被覆法)
Figure 2010531140
IGF-1及びIGF-2誘発細胞増殖に対する作用
IGF-1、IGF-2及びインスリンによって誘発されるCOLO205結腸癌細胞株の増殖に対する抗体40183及び40186の作用が図3A−Cに示される。前記抗体は、IGF-1(3A)及びIGF-2(3B)誘発細胞増殖の用量依存阻害を示すが、重要なことには、インスリンの細胞増殖促進能力(3C)への影響は示さず、これらの抗体はインスリンと結合しないという発見(実施例1)と一致する。
IGF-1及びIGF-2誘発細胞増殖に対する本抗体の増殖阻害作用(抗体40186によって示された)は、IGFの中和及び細胞増殖に応答することができる細胞内シグナリング経路の阻害によるものであることをさらに明示するために、リボソームS6タンパク質のリン酸化に対する影響を分析する。図4に示すように、IGF-1又はIGF-2単独の添加はリボソームS6リン酸化の大きな増加を生じる。しかしながら、抗体40186の添加は、IGF-1及びIGF-2誘発リン酸化を完全に中和する。
ユーイング肉腫由来細胞株の増殖に対する作用
10%FCS含有培養液中で増殖させたユーイング肉腫由来細胞株TC-71及びSK-N-MCの増殖に対する抗体40186の影響が図5に示されている。ヒト化アイソタイプコントロール抗体と比較して、40186は、TC-71(図5A)及びSK-N-MC(図5B)細胞株の両方の細胞増殖の用量依存阻害を示す。
結腸直腸細胞腫瘍の増殖阻害
腫瘍細胞の増殖をin vivoで妨げるIGF-1/IGF-2交差反応性中和抗体の能力を示すために、皮下にCOLO205腫瘍が樹立されたヌードマウスを25mg/kgの抗体40186で週に2回処置する。図6に示すように、40186で処置されたマウスは、溶媒で処置されたマウスと比較して腫瘍増殖中央値の45%減少示す。
さらにまた、COLO205異種移植腫瘍増殖に対する、細胞傷害性薬剤5FU(50mg/kg、週1回)と併用した抗体40186(25mg/kg)の影響を測定した。図7に示すように、25mg/kgの40186抗体及び50mg/kgの5FUの組合せを用いて処置されたマウスは、50mg/kgの5FUのみを用いたときの増殖中央値の30%減少と比較して、60%の減少を示す。
マウスの総IGF-1レベルに対する影響
活性なIGF-1のIGF標的抗体による中和は、成長ホルモン経路を介する内分泌フィードバックをもたらすと期待しえる(このフィードバックは血中総IGF-1及びIGFBP3レベルの上昇をもたらす)。抗体40183及び40186はマウス及びラットIGF-1と交差反応性であり、このことは、これらの種で血中総IGF-1レベルに対する任意の薬力学的作用の測定を可能にする。図8に示すように、無胸腺NMRIヌードマウスへの抗体40186の投与は、投与24時間後のマウスの血中総IGF-1レベルの用量依存上昇をもたらす。これは、これら抗体活性の有用な薬力学的マーカーを示し、このマーカーをヒトでの臨床開発時に検査することができる。
シノモルガスモンキーにおける末端半減期
抗体40186のヒトでの末端半減期の前臨床概算は、シノモルガスモンキー血漿で、1及び10mg/kgの単回静脈内(ボーラス)適用の末端半減期を測定することによって得られる。表3に示すように、シノモルガスモンキーでの40186の半減期は10.7±1.6日(1mg/kg)から12±1.4日(10mg/kg)の範囲にある。
表3:シノモルガスモンキー血漿における抗体40186の末端半減期
Figure 2010531140
生産クローンの調製
抗体40186及び40183をそれぞれ生産するクローンを調製するために、完全な重鎖コード配列(配列番号:13(又は40183のためには配列番号:17)及び配列番号:21の配列を含む)を真核細胞発現ベクターpBI-26(さらにハムスター由来のジヒドロフォレートレダクターゼ選別マーカーをコードする)に挿入し、組換え発現ベクターpBI-26/HC-40186(又はpBI-26/HC-40183)がそれぞれ得られる。
完全な軽鎖コード配列(配列番号:15(又は40183のためには配列番号:19)及び配列番号:23の配列を含む)を真核細胞発現ベクターpBI-49(さらに選別マーカーネオマイシンホスホトランスフェラーゼをコードする)に挿入し、組換え発現ベクターpBI-49/LC-40186(又はpBI-49/LC-40183)がそれぞれ得られる。この完全な重鎖及び軽鎖のDNA配列は完全に配列決定される。
化学的に規定した培養液中にて懸濁状態で増殖させたハムスター細胞株CHO-DG44に、上記記載の抗体それぞれ40186又は40183の重鎖用及び軽鎖用真核細胞発現ベクターを同時トランスフェクトする。トランスフェクトした細胞を、ヒポキサンチン及びチミジンが存在しない培養液中で抗生物質G418の存在下で選別する。続いて、メトトレキセート(MTX)の濃度を増加させながら、細胞を段階的選別及び増幅に付す。800nMのMTXによる増幅工程から、単一細胞クローンを増殖性能及びスピンナーランでの抗体生産を基準に選別し、Safety Cell Bank(SCB)で凍結保存する。
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US 4,342,566
US 3,773,919
US 6,696,245
US 6,991,790.
US 7,060,268

Claims (44)

  1. 単離ヒト抗体分子であって、前記抗体分子は、
    a)ヒトIGF-1及びIGF-2と結合し、それによって、
    i)IGF-1及びIGF-2とIGF-1レセプターとの結合が妨げられ、かつ
    ii)IGF-1レセプター仲介シグナリングが阻害され、
    b)マウス及びラットIGF-1及びIGF-2と結合し、
    c)ヒトインスリンとは結合せず、
    d)インスリンとインスリンレセプターとの結合によって仲介されるインスリンの有糸分裂促進特性に影響を及ぼさない、前記単離ヒト抗体分子。
  2. 配列番号:3のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有する、請求項1に記載の抗体分子。
  3. 配列番号:6のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する、請求項2に記載の抗体分子。
  4. a)配列番号:1のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、及びb)配列番号:2のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2を有する、請求項3に記載の抗体分子。
  5. a)配列番号:4のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、及びb)配列番号:5のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する、請求項4に記載の抗体分子。
  6. 配列番号:14のアミノ酸配列を含む可変重鎖を有する、請求項5に記載の抗体分子。
  7. 配列番号:16のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を有する、請求項6に記載の抗体分子。
  8. 配列番号:9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有する、請求項1に記載の抗体分子。
  9. 配列番号:12のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する、請求項8に記載の抗体分子。
  10. a)配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、及びb)配列番号:8のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2を有する、請求項9に記載の抗体分子。
  11. a)配列番号:10のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、及びb)配列番号:11のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する、請求項10に記載の抗体分子。
  12. 配列番号:18のアミノ酸配列を含む可変重鎖を有する、請求項11に記載の抗体分子。
  13. 配列番号:20のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を有する、請求項12に記載の抗体分子。
  14. IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA及びIgE定常領域から成る群から選択される重鎖定常領域を含む、請求項2から13のいずれかの項に記載の抗体。
  15. 抗体重鎖定常領域がIgG1である、請求項14に記載の抗体。
  16. 前記IgG1重鎖定常領域が配列番号:22のアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の抗体。
  17. 軽鎖定常領域がIgλである、請求項1から16のいずれかの項に記載の抗体。
  18. 軽鎖定常領域が配列番号:24のアミノ酸配列を含む、請求項17に記載の抗体。
  19. a)配列番号:25のアミノ酸を含む重鎖、及びb)配列番号:26のアミノ酸を含む軽鎖を有するヒト抗体。
  20. Fabフラグメントである、請求項1に記載のヒト抗体分子。
  21. F(ab')2 フラグメントである、請求項1に記載のヒト抗体分子。
  22. 単鎖Fvフラグメントである、請求項1に記載のヒト抗体分子。
  23. 請求項1から13のいずれかの項に記載の抗体分子、又はそのフラグメント若しくは変種の可変重鎖又は可変軽鎖をコードするDNA分子。
  24. 配列番号:13に示される、請求項6に記載の抗体の可変重鎖をコードする、請求項23に記載のDNA分子。
  25. 配列番号:15に示される、請求項7に記載の抗体の可変軽鎖をコードする、請求項23に記載のDNA分子。
  26. 配列番号:17に示される、請求項12に記載の抗体の可変重鎖をコードする、請求項23に記載のDNA分子。
  27. 配列番号:19に示される、請求項13に記載の抗体の可変軽鎖をコードする、請求項23に記載のDNA分子。
  28. 請求項23に記載のDNA分子の1つ以上を含む発現ベクター。
  29. 請求項24及び/又は請求項25に記載のDNA分子を含む発現ベクター。
  30. 請求項26及び/又は請求項27に記載のDNA分子を含む発現ベクター。
  31. さらにまた、可変重鎖又は可変軽鎖をそれぞれコードするDNA分子と連結された、定常重鎖又は定常軽鎖をそれぞれコードするDNA分子を含む、請求項28から30のいずれかの項に記載の発現ベクター。
  32. 請求項28から31のいずれかの項に記載の発現ベクターの1つ以上を保持する宿主細胞。
  33. 哺乳動物細胞である、請求項32に記載の宿主細胞。
  34. 配列番号:13及び配列番号:21の配列で構成された配列を有するDNA分子を含む発現ベクター、並びに配列番号:15及び配列番号:23の配列で構成された配列を有するDNA分子を含む第二のベクターを保持する、請求項31又は32に記載の宿主細胞。
  35. 配列番号:17及び配列番号:21の配列で構成された配列を有するDNA分子を含む発現ベクター、並びに配列番号:19及び配列番号:23の配列で構成された配列を有するDNA分子を含む第二のベクターを保持する、請求項31又は32に記載の宿主細胞。
  36. 請求項1から19のいずれかの項に記載の抗体を製造する方法であって、前記方法が、哺乳動物の宿主細胞に請求項28から31のいずれかの項に記載のベクターの1つ以上をトランスフェクトする工程、宿主細胞を培養する工程、並びに抗体を回収及び精製する工程を含む、前記抗体の製造方法。
  37. 請求項1から22のいずれかの項に記載の抗体分子及び医薬的に許容できる担体を含む、医薬組成物。
  38. DNA損傷薬剤、又は癌細胞でシグナルトランスダクション経路若しくは分裂チェックポイントを阻害する治療活性を有する化合物から選択される、1つ以上の追加の治療薬をさらに含む、請求項37に記載の医薬組成物。
  39. 前記1つ以上の化合物が、EGFR、VEGF、HER2-neu、AuroraB、P1K1又はPI3キナーゼの阻害剤の群から選択される、請求項38に記載の医薬組成物。
  40. 白血病、リンパ腫及び骨髄腫を含む造血系の癌;食道、胃、結腸直腸、膵臓、肝臓癌、並びに胆嚢癌及び胆管癌を含む胃腸管の癌;腎臓、前立腺及び膀胱癌;乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌を含む婦人科の癌;悪性メラノーマを含む皮膚並びに頭部及び頸部の癌;ウィルムス腫、神経芽腫及びユーイング肉腫のような小児癌;神経膠芽腫のような脳の癌;骨肉腫、軟組織肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫のような肉腫;肺癌、中皮腫及び甲状腺癌から選択される癌性疾患の治療のための、請求項37から39のいずれかの項に記載の医薬組成物。
  41. 白血病、リンパ腫及び骨髄腫を含む造血系の癌;食道、胃、結腸直腸、膵臓、肝臓癌、並びに胆嚢癌及び胆管癌を含む胃腸管の癌;腎臓、前立腺及び膀胱癌;乳癌、卵巣癌、子宮頸癌及び子宮内膜癌を含む婦人科の癌;悪性メラノーマを含む皮膚並びに頭部及び頸部の癌;ウィルムス腫、神経芽腫及びユーイング肉腫のような小児癌;神経膠芽腫のような脳の癌;骨肉腫、軟組織肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫のような肉腫;肺癌、中皮腫及び甲状腺癌から選択される癌に罹患した患者を治療する方法であって、前記方法が、請求項37から40のいずれかの項に記載の医薬組成物の有効量を前記患者に投与する工程を含む、前記治療方法。
  42. IGF-1及びIGF-2とIGF-1レセプターとの結合を哺乳動物細胞で阻害する方法であって、前記方法が、請求項1から22のいずれかの項に記載の抗体分子を前記細胞に投与し、それによってIGF-1レセプターによって仲介されるシグナリング、並びにIGF-1及びIGF-2によって仲介される分裂及び抗アポトーシスが阻害される工程を含む、前記方法。
  43. IGF-2とインスリンレセプターIR-Aとの結合を哺乳動物細胞で阻害する方法であって、前記方法が、請求項1から22のいずれかの項に記載の抗体分子を前記細胞に投与し、それによってインスリンレセプターIR-Aによって仲介されるシグナリングを阻害し、かつそれによってIGF-2によって仲介される分裂及び抗アポトーシスが阻害される工程を含む、前記方法。
  44. 前記投与がin vitroで実施される、請求項42及び43に記載の方法。
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