JP2010530955A - 二重機能性非汚染表面および材料 - Google Patents

二重機能性非汚染表面および材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2010530955A
JP2010530955A JP2009544325A JP2009544325A JP2010530955A JP 2010530955 A JP2010530955 A JP 2010530955A JP 2009544325 A JP2009544325 A JP 2009544325A JP 2009544325 A JP2009544325 A JP 2009544325A JP 2010530955 A JP2010530955 A JP 2010530955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
carboxybetaine
target binding
poly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009544325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010530955A5 (ja
Inventor
シャオイー チャン,
チェン チャン,
シェンフー チェン,
ハナ ベゾチェロバ,
Original Assignee
ユニヴァーシティ オブ ワシントン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴァーシティ オブ ワシントン filed Critical ユニヴァーシティ オブ ワシントン
Publication of JP2010530955A publication Critical patent/JP2010530955A/ja
Publication of JP2010530955A5 publication Critical patent/JP2010530955A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/544Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being organic
    • G01N33/545Synthetic resin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F122/00Homopolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof
    • C08F122/10Esters
    • C08F122/12Esters of phenols or saturated alcohols
    • C08F122/22Esters containing nitrogen
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54353Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals with ligand attached to the carrier via a chemical coupling agent

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

二重機能性非汚染表面および材料、二重機能性非汚染表面および材料を製造するための方法、二重機能性非汚染表面および材料を含むデバイス。二重機能性表面は、非特異的タンパク質吸着および細胞接着を阻止する非汚染表面である。二重機能性表面および材料は、特異的な生物活性をそれらに付与する、共有結合された生体分子(例えば標的結合パートナー)を含む。該表面および材料は、医学的診断、生体材料およびバイオプロセッシング、組織工学ならびに薬物送達に有用である。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2006年12月29日に出願された、米国仮出願第60/882,821号(これは、その全体が明白に本明細書に援用される)の利益を主張する。
政府ライセンス権
本発明は、海軍研究所により授与された契約第N000140410409の下に政府支援により為されたものである。政府は、本発明のある特定の権利を有する。
タンパク質吸着および細胞接着に対する抵抗性を有する表面は、高度な特異性を有するバイオセンサおよび優れた適合性を有する生体材料の開発に重要である。現在、OEG自己集成単層(SAM)またはポリ(メタクリル酸OEG)などのオリゴ(エチレングリコール)(OEG)系材料またはポリエチレングリコール(PEG)系材料が、最も広く使用されている非汚染材料である。最近の研究により、OEG SAMの非汚染特性は、それらの強い水和能力および密に充填された構造にあるとされている。別の広く使用されている非汚染材料は、細胞膜の外層に見られる、PC頭部を含むバイオミメティックホスホリルコリン(PC)系材料である。PCで改変されたポリマーまたは表面は、タンパク質吸着を低減することが示された。最近、ポリ(メタクリル酸スルホベタイン)(ポリSBMA)グラフト表面は、表面開始原子移動ラジカル重合(ATRP)法を介して表面からグラフトされた場合に低いタンパク質吸着性を有することが出願人によって示された。
表面プラズモン共鳴(SPR)分析の多くの用途では、抗体をSPRセンサに固定することが必要である。複雑な生体溶液から検体を検出するのに、抗体が固定されたSPRセンサが使用された。検体シグナルを最大限にしながら非特異的タンパク質吸着を排除することがSPRセンサにとって重要である。それらのほとんどがカルボキシメチル化デキストラン、カルボキシメチル化ヒアルロン酸、ポリアクリル酸およびDL−ポリアクリル酸などのカルボン酸基を有する異なるポリマーが、SPR金表面に固定された。しかし、これらすべてのポリマーは、タンパク質抵抗性材料でなく、それは、それらが複雑な生体溶液から非特異的タンパク質を吸着し、対象となる検体からのシグナルを遮蔽し得ることを意味する。通常、抗体の固定後に表面をブロックするのにBSAなどのタンパク質が使用され、それによって非特異的結合が減少し得るが、効率の低下およびin vivo試験に対するいくつかの望ましくない反応がもたらされ得る。
バイオセンサまたはバイオ材料の用途では、リガンド固定のための豊富な官能基を与えながら、バックグラウンドとして非汚染表面または材料を有することが望ましい。カルボン酸(またはアミノ)およびヒドロキシル末端オリゴ(エチレングリコール)(OEG)自己集成単層(SAM)またはカルボキシメチルデキストランポリマーの混合物が現在バイオセンサ用途に使用されている。細胞および組織応答を制御するために、修飾可能部および非汚染ポリエチレングリコール(PEG)ポリマーまたは低汚染ポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)もしくはポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルクロリン)(ポリMPC)部を含む共重合体が調製された。しかし、余剰(または未反応)官能基は、センサの特異性または生体材料の生体適合性を低下させ得る。
したがって、タンパク質またはリガンド固定のための活性官能基を有する非汚染生体材料が必要である。本発明は、これらの必要性を満たすことに努め、関連するさらなる利点を提供する。
本発明は、二重機能性非汚染表面、二重機能性非汚染表面を製造するための方法、および二重機能性非汚染表面を含むデバイスを提供する。
一態様において、本発明は、生体分子が共有結合された非汚染表面を有する基板を提供する。一実施形態において、基板は、
(a)各ポリマーが複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、各ポリマーが実質的に電気的に中性である、基板の表面に結合された複数のポリマーと、
(b)複数のポリマーに共有結合され、標的分子に対して親和性を有する複数の標的結合パートナーとを含む改変表面を有する。
一実施形態において、複数のポリマーは、表面に共有結合される。一実施形態において、複数のポリマーは、複数のアルキレン部分を含む単層を通じて表面に共有結合され、表面にブラシを形成する。一実施形態において、ポリマーは、ポリ(カルボキシベタイン)である。
別の態様において、本発明は、表面を改変して、生体分子が共有結合された非汚染表面を与えるための方法を提供する。一実施形態において、該方法は、複数の標的結合パートナーを、表面に結合された複数のポリマーに共有結合させることであって、標的結合パートナーが標的分子に対して親和性を有し、各ポリマーが複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、各ポリマーが実質的に電気的に中性であることを含む。
一実施形態において、複数の標的結合パートナーを複数のポリマーに共有結合させることは、ポリマーと標的結合パートナーの間にアミド結合を形成することを含む。一実施形態において、複数の標的結合パートナーを複数のポリマーに共有結合させることは、カルボン酸基の一部を活性化エステルに変換し、活性化エステルと、アミノ基を有する標的結合パートナーとを反応させることを含む。一実施形態において、活性化エステルは、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルである。一実施形態において、ポリマーは、ポリ(カルボキシベタイン)である。
別の態様において、非汚染性である材料および生体分子が共有結合された材料が提供される。一実施形態において、架橋ポリマーが提供される。別の実施形態において、ブロック共重合体が提供される。
架橋ポリマーは、複数の標的結合パートナーが共有結合されている。架橋ポリマーは、複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、該ポリマーは、実質的に電気的に中性であり、標的結合パートナーは、標的分子に対して親和性を有する。一実施形態において、架橋ポリマーは、架橋ポリ(カルボキシベタイン)である。一実施形態において、架橋ポリマーは、ヒドロゲルである。架橋ポリマーを製造するための方法も提供される。
ブロック共重合体は、第1の親水性ブロックおよび第2の疎水性ブロックを含む。ブロック共重合体は、標的分子に対して親和性を有する複数の標的結合パートナーが共有結合されている。親水性ブロックは、複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、親水性ブロックは、実質的に電気的に中性である。一実施形態において、親水性ブロックは、ポリ(カルボキシベタイン)である。一実施形態において、ブロック共重合体は、微小粒子またはナノ粒子の形である。ブロック共重合体を製造するための方法も提供される。
他の態様において、二重機能性非汚染表面を含むデバイスが提供される
本発明の先述の態様および付随の利点の多くは、添付の図面と併用すると、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるため、より容易に理解されるであろう。
本発明の代表的な二重機能性表面の概略図である。 本発明の代表的な二重機能性表面の概略図である。 正に荷電した骨格を有する代表的な両性イオン性ポリマーの合成を示す。 表面開始原子移動ラジカル重合(ATRP)によってポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)(CBMA)で被覆された表面を調製し、該ポリマーにタンパク質を共有結合させるための代表的な方法の概略図である。 SPR測定による、PBS溶液(150mMおよびpH7.4)からの1mg/mLのフィブリノーゲン、1mg/mLのリゾチームおよび20ug/mL抗hCGのポリ(CBMA)グラフト表面への吸着を示す。 SPR測定による、PBS溶液(150mMおよびpH7.4)からの1mg/mLのフィブリノーゲン、1mg/mLのリゾチームおよび20ug/mL抗hCGの、固定された抗hCGを有するポリ(CBMA)グラフト表面への吸着を示す。 SPR測定による、PBS溶液(150mMおよびpH7.4)からの1mg/mLのフィブリノーゲン、1mg/mLのリゾチームおよび40ug/mL抗hCGの、固定された抗hCGを有するポリ(CBMA)グラフト表面への吸着を示す。 活性化ポリ(CBMA)被覆表面への最終抗体固定レベルに対する抗体固定緩衝液の影響を示す。 代表的なポリ(CBMA)被覆表面へのpH8.0における抗体の固定に対する典型的な応答を示す。 活性化細胞白血球接着分子(抗ALCAM)に対する抗体が固定された表面と50%血漿中のサルモネラに対する固定された抗体(抗Salm)を有する対照表面とにおける活性化細胞白血球接着分子(ALCAM)の検出を比較する。 pH5.0の10mM酢酸ナトリウム中それぞれ10μg/mLおよび50μg/mLの抗体濃度を有する流動緩衝液による抗ALCAMおよび抗SalmのTSTU活性化ポリ(CBAA)グラフト表面への固定化に対応するセンサグラムである。 図11Aは、PBS中フィブリノーゲンを1mg/mLの濃度で注入することによるカルボン酸残基の非活性化後のポリ(CBAA)の非汚染特性の制御を示し、図11Bは、測定(抗ALCAN)チャネルと対照(抗Salm)チャネルにおけるALCAM結合(100ng/mL)に対するセンサ応答を比較する。 図12Aおよび12Bは、24時間後のウシ大動脈血管内皮細胞(BAEC)接着の顕微鏡画像であり、図12Aは、24時間にわたってフィブロネクチン溶液中にインキュベートされた不活性化架橋ポリ(CBMA)ヒドロゲルへのBAEC接着を示し、図12Bは、24時間にわたってフィブロネクチン溶液中にインキュベートされたEDC/NHS活性化ポリ(CBMA)ヒドロゲルへのBAEC接着を示す。 図13Aは、タンパク質アッセイのための本発明の代表的なプラットフォームおよび方法の概略図であり、図13Bは、タンパク質アッセイのための従来のプラットフォームの概略図である。 100%血清、100%血漿および1mg/mlフィブリノーゲンを含む複合媒体に対する、表面の超低汚染を示すタンパク質アッセイに有用な本発明の代表的なCBAAポリマー表面のSPRセンサグラムを比較する。 表面プラズモン共鳴(SPR)撮像による本発明の代表的なタンパク質マイクロアレイの空間分解画像であり、暗から明への明暗度の変化は、表面上のタンパク質結合を表し、抗hCGおよび抗サルモネラタンパク質が、マイクロコンタクトプリンティングロボットを使用して500μmスポットでプリントされ、カラム1、3、4および6は、抗hCGであり、カラム2および5は、抗サルモネラである。 抗hCGタンパク質スポット上の10mg/mLhCGの特異的検出に有用な本発明の代表的なCBAAポリマー表面のSPRセンサグラムを比較し、対照抗サルモネラタンパク質スポットまたはバックグラウンドに検出が観察されない。
本発明は、二重機能性非汚染表面、二重機能性非汚染表面を製造するための方法、および二重機能性非汚染表面を含むデバイスを提供する。本発明の二重機能性表面は、非特異的タンパク質吸着および細胞接着を阻止する非汚染(例えば、低汚染または超低汚染)表面である。本発明の二重機能性表面は、特異的な生物活性を表面に付与する共有結合された生体分子(例えば標的結合パートナー)をも含む。本発明の二重機能性表面は、非汚染性であり、固定された生体分子を含むため、感応性の特異的結合または特異的結合測定を必要とし、同時に非特異的タンパク質結合および細胞接着に対する抵抗性を必要とする任意の方法またはデバイスに有用である。本発明の二重機能性表面は、医学的診断用途、生体材料および組織工学ならびに医薬送達に有用である。
本発明の一態様において、二重機能性表面が提供される。該表面は、非特異的タンパク質吸着および細胞接着を阻止または防止し、標的分子に対する特異的結合を可能にする二重機能を有する。
本発明の表面は非汚染性であり、それは、表面が非特異的タンパク質吸着および細胞接着を阻止または防止することを意味する。フィブリノーゲン吸着レベル(すなわち、単位面積当たり表面に吸着するフィブリノーゲンの量)を測定することによって、非特異的タンパク質吸着量を測定することができる。本発明の表面は、約30ng/cm未満のフィブリノーゲンを吸着する。一実施形態において、該表面は、約10ng/cm未満のフィブリノーゲン吸着量を有する。一実施形態において、該表面は、約5ng/cm未満のフィブリノーゲン吸着量を有する。一実施形態において、該表面は、約3ng/cm未満のフィブリノーゲン吸着量を有する。一実施形態において、該表面は、約0.3ng/cm未満のフィブリノーゲン吸着量を有する。
本発明の表面の非汚染性は、表面を構成する材料、およびそれらの充填密度によるものである。本発明の実施において、非汚染表面は、二重機能性材料を基板の表面にコーティングまたは共有結合させることによって、表面から調製される。したがって、本発明の表面は、改変表面(または被覆表面)である。
本発明の表面を製造するのに有用な二重機能性材料は、非汚染特性を表面に付与するとともに、固定された生体分子(例えば、抗体などのタンパク質)と好適に反応する1つ以上の官能基を含む材料である。これらの二重機能性材料の代表的な官能基としては、カルボン酸基およびアミノ基等が挙げられる。以下に詳細に記載するように、一実施形態において、二重機能性材料は、表面に結合(例えば共有結合)させることができ、末端カルボン酸基を有する両性イオン性材料である。これらの末端カルボン酸基は、生体分子に存在する1つ以上のアミノ基に結合するために活性化され得る。本実施形態において、カルボン酸基を活性エステル(例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステル)に変換し、次いで1つ以上のアミノ基(例えば、タンパク質のリジン残基のアミノ基)と反応させてアミド結合を形成することによって、タンパク質を表面に固定して、本発明の二重機能性表面を与える。
表面の非汚染機能は、表面に結合された材料によって表面に付与される。上記のように、これらの材料は、両性イオン性材料を含む。該表面を製造するのに有用な好適な材料としては、それぞれ全体が参考として本明細書で援用される2006年7月25日出願のPCT/US2006/028988(Superlow−Fouling Sulfobetaine and Carboxybetaine Materials and related Methods);2007年8月7日出願のPCT/US2007/075409(Mixed Charge Copolymers and Hydrogels);および2007年11月19日出願のU.S.Application No.60/989,073(Cationic Polycarboxybetaine Esters)に記載されているポリマーおよび共重合体が挙げられる。
一実施形態において、本発明は、
(a)ポリマーの各々が複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、各ポリマーが実質的に電気的に中性である、基板の表面に接着された複数のポリマーと、
(b)複数のポリマーに共有結合され、標的分子に対して親和性を有する複数の標的結合パートナーとを含む改変表面を有する基板を提供する。
本実施形態において、改変表面を構成する材料は、複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を有するポリマーを含む。ポリマーは、ポリマーが、カルボン酸基および正に荷電した基の両方を含む反復単位を含む単独重合体であり得る。ポリマーは、また、2種類の反復単位、すなわちカルボン酸基を含む反復単位および正に荷電した基を含む反復単位を含む共重合体であり得る。正に荷電した基は、ペンダント基(すなわちポリマー骨格からのペンダント)であり得るか、またはポリマー骨格に存在し得る。ポリマーは、実質的に電気的に中性である。本明細書に用いられているように、「実質的に電気的に中性」という用語は、実質的に同数の正電荷および負電荷を有するポリマーを指す。本明細書に描写および記載されているカルボン酸基(−COH)は、ポリマーの電気的中立性を判断する目的でカルボン酸塩基(−CO )と見なされることが理解されるであろう。本発明の改変表面を構成するポリマーの電気的中立性は、一部に、本発明の表面の非汚染特性の原因になっている。
本実施形態において、本発明に有用なポリマー、およびそれらを含むように改変された表面は、カルボン酸基を含み、これらのカルボン酸基の一部は、さらなる化学反応、具体的には生体分子(例えば標的結合パートナー)のポリマー、つまりは改変表面への固定に利用可能である。上述のように、ある実施形態において、利用可能なアミノ基(−NH)を有する生体分子をポリマーの利用可能なカルボン酸基に共有結合させて、安定なアミド結合(−CONH−)を通じて生体分子を固定することができる。本発明の実施において、利用可能なカルボン酸基を有するポリマーの一部を結合に向けて活性化し、次いで生体分子に共有結合して、表面固定生体分子を与える。本発明の表面に固定される生体分子の程度を、反応条件(例えば、カルボキシル基活性化の程度ならびに固定のために活性化表面に曝される生体分子の濃度および量)を通じて容易に制御することができる。固定された生体分子(例えば標的結合パートナー)を有する本発明の代表的な非汚染表面の概略図を図1Aに示す。
代表的な二重機能性表面5を図1Bに示す。図1Bを参照すると、カルボン酸基を有する複数のポリマー20が、複数のリンカー15を通じて基板10に結合される。ポリマーは、基板10の表面上に単層を形成することができる。カルボン酸基の一部は、標的結合パートナー25をポリマー20に共有結合させるために標的結合パートナー25のアミノ基とのアミド結合を形成するのに使用される。基板10へのポリマー20のコーティングは、表面5を非汚染性にし、固定された標的結合パートナー25は、標的分子に結合親和性を与える。
図1Bに示されるように、ポリマーを、直接または複数のリンカーを通じて結合させることができる。一実施形態において、本発明の基板は、表面に共有結合された(例えば自己集成)単層を含み、単層は、複数のアルキレン部分を含み、ポリマーは、複数のアルキレン部分に共有結合される。
表面に対する標的分子の結合親和性は、表面に固定された標的結合パートナーに起因する。それぞれ結合対メンバーと称する標的結合パートナーおよび標的分子は、結合対を形成する。各結合対メンバーは、他のメンバーを特異的に結合させる分子である。一実施形態において、標的結合パートナーは、Kが約10−8未満の標的分子に対して親和性を有する。
結合対メンバーは、限定することなく、タンパク質、ペプチド、タンパク質、多糖類もしくは少糖類、糖タンパク質、脂質およびリポタンパク質および核酸、ならびに抗生剤、抗炎症剤または細胞接着媒介物質などの規定の生物活性を有する合成有機もしくは無機分子を含む任意の好適な分子であり得る。
本発明の表面に固定することができるタンパク質の例としては、リガンド結合タンパク質、レクチン、ホルモン、受容体および酵素が挙げられる。代表的なタンパク質としては、抗体(モノクロナル、ポリクロナル、キメラ、単鎖または他の組換え形)、それらのタンパク質/ペプチド抗原、タンパク質−ペプチドホルモン、ストレプタビジン、アビジン、タンパク質A、タンパク質G、成長因子およびそれらのそれぞれの受容体、DNA結合タンパク質、細胞膜受容体、エンドソーム膜受容体、核膜受容体、ニューロン受容体、視覚受容体ならびに筋肉細胞受容体が挙げられる。本発明の表面に固定することができる代表的なオリゴヌクレオチドは、DNA(ゲノムまたはcDNA)、RNA、アンチセンス、リボザイム、およびRNAアーゼPに対する外部ガイド配列を含み、短オリゴヌクレオチドプライマーから全遺伝子までのサイズに及ぶことができる。
標的化合物に特異的に結合する他の標的結合パートナーとしては、受容体に結合する糖タンパク質上の多糖類または少糖類、例えば、炎症性媒介物質P−セレクチンおよびE−セレクチンに対するリガンド上の炭水化物、ならびにリボザイム、アンチセンス、RNAアーゼPに対する外部ガイド配列、およびアプタマーなどの、相補配列に結合する核酸配列が挙げられる。
一実施形態において、標的結合パートナーは抗体であり、標的分子は、抗体に対する抗原である。本実施形態において、本発明の表面は、抗原に特異的に結合し、非特異的タンパク質吸着を阻止する。一実施形態において、標的結合パートナーは、細胞接着を促進することが可能なタンパク質であり、標的分子は細胞である。本実施形態において、本発明の表面は、細胞に特異的に結合し、非特異的タンパク質吸着および非特異的細胞接着を阻止する。
本明細書に記載されている材料および方法を使用して、様々な基板を二重機能性にすることができる。二重機能性にすることができる代表的な表面としては、金属および金属酸化物表面、セラミック表面、合成および天然ポリマー表面、ガラス表面、繊維ガラス表面、シリコン/シリカ表面ならびに炭素系材料表面が挙げられる。代表的な天然ポリマー表面としては、コラーゲン、繊維素、および組織工学の使用に好適な他の炭水化物表面が挙げられる。代表的な炭素系材料表面としては、炭素繊維、ナノチューブおよびバルキーボール表面が挙げられる。
好適な基板としては、バイオセンサ、バイオプローブ、およびin vivoデバイスを含む生物医学デバイスなどの医学的診断用途;バイオプロセスまたはバイオ分離のための膜、移植可能デバイス、義肢および組織骨格などの生体材料および組織工学用途;ならびに粒子およびナノ粒子などの薬物送達用途に有用な基板が挙げられる。
一実施形態において、本発明は、両性イオン性ポリマーをSPR表面に対してグラフトした後、標的結合パートナーを固定して、二重機能性表面を与えたSPRセンサを提供する。
上述のように、本発明の改変表面を製造するのに有用な好適なポリマーとしては、両性イオン性モノマー(ならびに両性イオン性モノマーに変換することが可能なモノマー、例えば両性イオン性モノマーの前駆体)から誘導されたポリマーが挙げられる。両性イオン性モノマーは、典型的には、同数の正電荷および負電荷(例えばそれぞれ1つずつ)を含む電気的に中性のモノマーである。本発明の実施において、好適なポリマーとしては、表面を非汚染性にし、結合対のメンバーを固定するために反応性官能基を表面上に設けることが可能である、両性イオン性モノマーまたは両性イオン性モノマーに対する前駆体から誘導された任意のポリマーが挙げられる。
ある実施形態において、ポリマーは、自己集成単層を通じて表面に共有結合され、自己集成単層は、複数のアルキレン部分を含む。
一実施形態において、ポリマーは、両性イオン性モノマーから調製された単独重合体であり、式:
Figure 2010530955
[式中、
Bは、
Figure 2010530955
[式中、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択され;Eは、置換または無置換のアルキレン、−(CHC(O)O−および(CHC(O)NR−からなる群より選択され、pは、0〜12の整数であり、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択される]からなる群より選択され;
Lは、場合により1個以上の酸素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレン基であり;
Pは、
Figure 2010530955
[式中、RおよびRは、水素、および置換または無置換のアルキル基からなる群より独立して選択され、Rは、置換または無置換のアルキレン基、フェニレン基およびポリエーテル基からなる群より選択され、mは、1〜7の整数である]からなる群より選択され;
xは、3〜1000の整数である]を有する。
一実施形態において、ポリマーは、ポリ(カルボキシベタイン)である。アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、カルボキシベタインビニル化合物、カルボキシベタインエポキシドおよびそれらの混合物からなる群より選択される1つ以上のモノマーから好適なポリ(カルボキシベタイン)を調製することができる。一実施形態において、モノマーは、メタクリル酸カルボキシベタインである。本発明に有用なカルボキシベタインポリマーを製造するための代表的なモノマーとしては、2−カルボキシ−N,N−ジメチル−N−(2’−メタクリロイルオキシエチル)エタンアミニウム分子内塩などのメタクリル酸カルボキシベタイン;アクリル酸カルボキシベタイン;カルボキシベタインアクリルアミド;カルボキシベタインビニル化合物;カルボキシベタインエポキシド;およびヒドロキシル、イソシアネート、アミノまたはカルボン酸基を有する他のカルボキシベタイン化合物が挙げられる。一実施形態において、ポリマーは、ポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)(ポリ(CBMA))である。
原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加フラグメンテーション連鎖移動(RAFT)重合および遊離ラジカル重合を含む重合法によってポリ(カルボキシベタイン)を調製することができる。重合のための従来のあらゆるラジカル開始剤を使用することができる。
別の実施形態において、ポリマーは、ポリマー骨格内の正電荷およびペンダントカルボン酸基を有し、式:
Figure 2010530955
[式中、
Rは、水素、および置換、また無置換のアルキルからなる群より選択され;
およびLは、独立して、場合により1個以上の酸素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレン基であり;
xは、3〜1000の整数である]を有する。
正に荷電した骨格を有する代表的な両性イオン性ポリマー3を図2に示されるように得ることができる。図2を参照すれば、アジリジンを出発材料としてポリマー3を合成することができる。N−メチルアジリジンモノマーは、アジリジンのメチル化によって得られる。正に荷電した骨格を有する中間体ポリマー1は、N−メチルアジリジンモノマーの開環重合を通じて得られる。ポリマー1の四級化(qauternization)によって、メチルエステルをペンダント基とする中間体ポリマー2が提供される。メチルエステルの加水分解によって所望の両性イオン性ポリマー3が得られる。
別の実施形態において、ポリマーは、混合荷電共重合体であり、一般式:
Figure 2010530955
[式中、
およびBは、
Figure 2010530955
[式中、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択され;Eは、置換または無置換のアルキレン、−(CHC(O)O−および−(CHC(O)NR−からなる群より選択され、pは、0〜12の整数であり、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択される]からなる群より独立して選択され;
Lは、場合により1個以上の酸素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレン基であり;
は、正に荷電した基であり;
は、カルボン酸基であり;
mは、3〜1000の整数であり;
nは、3〜1000の整数である]を有する。
本実施形態において、Pは、芳香族環における窒素またはNRであり、RおよびRは、独立して、置換または無置換のアルキル基である。
正に荷電した単位(P含有単位)を、正に荷電したペンダント基を有するモノマーから誘導することができる。本発明のポリマーにおける正に荷電した単位を誘導するのに使用できる代表的なモノマーとしては、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、塩化[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリエチルアンモニウムおよびN−アセチルグルコサミンが挙げられる。
本発明に有用な混合荷電共重合体またはそれらの前駆体を基板表面上に直接合成することができる。反対に荷電した基を有するモノマーから原子移動ラジカル重合(ATRP)を介して混合荷電共重合体を表面上にグラフトすることができる。表面上にグラフトされた共重合体は、非汚染特性を有する実質的に電気的に中性のポリマーブラシを形成することができる。
一実施形態において、負に荷電した単位がアクリル酸2−カルボキシエチル(CA)から誘導され、正に荷電した単位がメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DM)から誘導される。一実施形態において、負電荷単位がアクリル酸2−カルボキシエチル(CA)から誘導され、正に荷電した単位がメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル(DE)から誘導される。一実施形態において、負に荷電した単位がアクリル酸2−カルボキシエチル(CA)から誘導され、正に荷電した単位が塩化[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム(TM)から誘導される。一実施形態において、負に荷電した単位がアクリル酸2−カルボキシエチル(CA)から誘導され、正に荷電した単位がメタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩(NH2)から誘導される。
上記表面のいずれについても、複数のポリマーが、表面上に単層を形成することができる。
別の態様において、本発明は、表面を非汚染性にし、標的分子に対して親和性を有するようにする、表面を改変するための方法を提供する。
一実施形態において、表面を改変するための方法は、複数の標的結合パートナーを、基板の表面に結合する(例えば共有結合された)複数のポリマーに共有結合させることを含む。標的結合パートナーは、標的分子に対して親和性を有する。ポリマーは、複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、ポリマーは、実質的に電気的に中性である。これらの方法に有用なポリマーとしては、本発明の表面に関して以上に詳細に記載したポリマーが挙げられる。一実施形態において、ポリマーはポリ(カルボキシベタイン)である。
ある実施形態において、複数の標的結合パートナーを複数のポリマーに共有結合させることは、ポリマーと標的結合パートナーの間にアミド結合を形成することを含む。一実施形態において、複数の標的結合パートナーを複数のポリマーに共有結合させることは、カルボン酸基の一部を活性化エステルに変換し、活性化エステルと、アミノ基を有する標的結合パートナーとを反応させることを含む。利用可能なアミノ基を含むように改変されたポリマーについては、複数の標的結合パートナーを複数のポリマーに共有結合させることは、標的結合パートナーのカルボン酸の一部を活性化エステルに変換し、活性化エステルと、利用可能なアミノ基を有する表面のポリマーとを反応させることを含む。
一実施形態において、活性化エステルは、以下に記載するように調製されたN−ヒドロキシスクシンイミドエステルである。
好適な標的結合パートナーとしては、本発明の表面に関して以上に詳細に記載したものが挙げられる。
本発明は、本発明の方法によって調製された改変表面を有する、以上に記載した基板を提供する。
上述のように、生体分子のアミノ基とさらに結合するための活性化中間基を形成することによって、ポリマーのカルボン酸基を活性化させることができる。カルボン酸基の任意の活性化形態を本発明に使用することができる。代表的な活性化中間基としては、カルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ウラン塩、イソチオシアネート、イソシアネート、アジ化アシル、N−スクシンイミジルエステル(NHSエステル)、塩化スルホニル、アルデヒド、エポキシドアリール化基、イミドエステルおよび無水物が挙げられる。一実施形態において、テトラフルオロホウ酸O−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TSTU)を使用して、ポリマー上のカルボン酸基を活性化ウロニウム塩に変換する。別の実施形態において、カルボジイミドおよびN−ヒドロキシスクシンイミド(EDC/NHSカップリング化学)を使用して、ポリマー上のカルボン酸基を活性化N−ヒドロキシスクシンイミドエステルに変換する。
一実施形態において、酸性条件下(例えばpH2.5〜6)でカルボン酸基をN−ブロモスクシンイミド(NHS)およびN−エチル−N’−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)で処理することによってカルボン酸基を活性化NHSエステルに変換した。塩基性条件下(例えばpH7.4〜11)で、活性化NHSエステルを標的結合パートナーのアミノ基と結合させてアミド結合を形成した。
アルキレンリンカーを通じてポリマーを表面に結合させることができる。アルキレンリンカーを介するポリマーの基板の表面上へのグラフトは、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加フラグメンテーション連鎖移動(RAFT)重合および遊離ラジカル重合などの任意の従来の重合法を介するものであってよい。
基板表面上のSAMは、表面重合のための優れたプラットフォームである。一実施形態において、アルキレンリンカーを含むラジカル開始剤末端自己集成単層(SAM)を基板表面上に形成することができ、ポリマーは、ラジカル開始剤末端自己集成単層を介して表面上にグラフトされる。この方法において、基板表面にラジカル開始剤で終端されたSAMを被覆することができ、ラジカル開始剤は、アルキレンリンカーを介して表面に結合される。アルキレンリンカーは、任意の置換または無置換のアルキレンであり得る。一実施形態において、アルキレンリンカーは、C2−C30アルキレンである。次いで、ポリマーをSAM上に形成して、基板表面に非汚染ポリマー被膜を設ける。原子移動ラジカル重合は、SAM末端においてラジカル開始剤により開始される。
一実施形態において、アルキレンリンカーを有するヒドロキシル末端単層を基板表面上に形成することができ、続いてそれをラジカル開始剤末端単層に変換する。
ポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)を含む代表的な二重機能性表面を実施例1に記載し、その調製を図3に示す。
表面開始ATRP法を介して開始剤が被覆された基板表面上にポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)をグラフトすることによって、代表的な非汚染表面を調製した(図3)。臭化ブロモイソブチリルとメルカプトウンデカノールを反応させることによってブロモイソ酪酸ω−メルカプトウンデシルを合成した。金基板を、ブロモイソ酪酸ω−メルカプトウンデシルを含有する溶液に浸すことによって、自己集成を介して開始剤を金基板に固定した。メタクリル酸2−(N,N’−ジメチルアミノ)エチルとβ−プロピオラクトンを反応させることによって、CBMAモノマーの1つである2−カルボキシ−N,N−ジメチル−N−(2’−メタクリロイルオキシエチル)エタンアミニウム分子内塩を合成した。ATRPを介して、CBMAモノマーをラジカル開始剤末端SAMからグラフトした。CuBrおよび2,2’−ビピリジン(BPY)をそれぞれ触媒およびリガンドとして使用した。反応をメタノールと水の混合溶媒中で室温にて穏やかな条件下に維持した。典型的なATRP重合の後、均質なカルボキシベタインポリマーブラシを表面にグラフトした。ポリマー層の厚さは、偏光解析法で測定した場合に約10−15nmであった。

タンパク質吸着量を波長インターロゲーションに基づく表面プラズモン共鳴センサ(SPR)で測定した。タンパク質吸着量は、タンパク質注入前で緩衝液洗浄後の波長シフトで定義される。タンパク質注入後の波長シフトは、バルク屈折率の変化によるものである。図4に示されるように、ポリ(CBMA)グラフト表面上のサイズおよび等電点(pI)が異なる3種類のタンパク質、すなわちヒトフィブリノーゲン(340kD、PI=5.5)、リゾチーム(14kD、PI=12)およびhCG(37kD、PI=45)の吸着量が、0.3ng/cm未満(0.02nm未満の波長シフト、SPRセンサの検出限界)まで低下したことが示された。この吸着レベルは、この吸着レベルは、密に充填されたOEG SAM、または表面開始ATRPを介してポリ(CBMA)で被覆された表面について認められたものと同じである。したがって、ポリ(CBMA)グラフト表面は、非特異的タンパク質吸着に対して強い抵抗性を有する。
表面上の単層形成に続いて、代表的な標的結合パートナー、すなわちヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)に対するモノクロナル抗体(mAb)を、図3に示されるように、EDC/NHSカップリング化学作用を介してmAbのアミンをポリ(CBMA)のカルボキシル基に対して反応させることによって、ポリ(CMBA)ブラシで被覆された表面上に共有結合により固定した。
固定後に、エタノールアミンで未反応のHNSを除去した。hCGの注入後のSPR応答は、タンパク質の吸着量が、固定されたmAbを有さない対照ポリ(CBMA)グラフト表面上より、固定された抗hCGを有するポリ(CBMA)グラフト表面上の方がはるかに多いことを示している。図5は、1mg/mLのフィブリノーゲン、1mg/mLのリゾチームおよび20μg/mLのhCGを含むPBS溶液で表面を22分間にわたって処理した場合における、固定された抗hCGを有するポリ(CBMA)グラフト表面上のタンパク質吸着量を示す。図6は、1mg/mLのフィブリノーゲン、1mg/mLのリゾチームおよび40μg/mLのhCGを含むPBS溶液で表面を22分間にわたって処理した場合における、固定された抗hCGを有するポリ(CBMA)グラフト表面上のタンパク質吸着量を示す。SPRスペクトルの波長シフトは、1.6nmであり、約24nm/cmのhCG吸着量に対応する。同時に、リゾチームおよびフィブリノーゲンのいずれの吸着量も両表面上で同じ(0.3ng/cm未満)であり、それは、表面が抗hCG固定後も依然として非汚染性であることを示している。したがって、固定された抗hCGを有するポリ(CBMA)グラフト表面は、非特異的タンパク質吸着および特異的タンパク質に対する結合の双方に対して抵抗性を有する二重機能性表面である。
表面上のポリ(カルボキシベタイン)のカルボン酸基の活性化は、後の標的結合パートナーの固定に重要である。高いタンパク質固定レベルを達成するために、カルボン酸基の活性化および標的結合パートナーの固定のための条件を最適化する必要がある。
実施例2に示されるように、溶媒としてpH3.3の水/HClを使用して、NHS/EDC法を用いたポリマーのカルボン酸基の最適な活性化(最大量のNHSエステル)をin situで達成した。ポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)で被覆された表面を、新たに調製したNHS(0.05M)およびEDC(0.2M)の溶液を30℃で注入することによって活性化した。2つの異なる抗体、すなわち活性化細胞白血球接着分子に対するモノクロナル抗体(抗ALCAM)およびサルモネラに対するポリクロナル抗体(抗Salm)を、50ug/mLの抗体濃度にて様々なpH条件下で活性化CBAA表面の異なるスポットに固定した。次いで、非共有結合リガンドを表面から除去した。
抗体の固定に対するpHの影響を図7に示す。固定条件のpHが高いほど、固定されたタンパク質の量が多くなることが図7から明らかである。pH8.0における抗体の固定に対する典型的な応答を図8に示す。図9は、抗ALCAM固定表面と50%血漿中抗Salmが固定された対照表面とにおけるALCAMの検出を比較する。
実施例3に記載されているようにカルボン酸基をTSTUで処理することによって、ポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)のカルボン酸基の活性化を達成することができる。特注の4チャンネル分光学的表面プラズモン共鳴センサを使用して、ポリ(CBAA)表面の機能化を監視した。
最初に、ATRP法を介して、ポリ(CBAA)チップをポリ(CBAA)エステルの形で調製した。次いで、ポリ(CBAA)−エステル表面を加水分解して、両性イオン性非汚染ポリ(CBAA)表面を達成する。グラフトされたポリ(CBAA)エステルを有するセンサチップ表面をミリQ水で洗浄し、濾過空気で乾燥させ、SPRセンサに組み込んだ。ポリ(CBAA)表面にpH12の0.1MのNaOHを2時間流すことによって加水分解をin situで実施した。pH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS)中1mg/mLの濃度で表面粘着性の強いタンパク質(フィブリノーゲン)を注入することによって加水分解の効果を監視した。ポリ(CBAA)エステル表面を完全に加水分解するのに2時間が十分な時間であることが判明した。
両性イオン性ポリ(CBAA)表面をTSTU(5mg/mL)のDMF溶液に2時間浸した。その後、表面をエタノールで洗浄し、濾過空気で乾燥させた。チップをSPRセンサに直接組み込んだ。2つの抗体のモデルシステムを使用して、表面グラフトポリ(CBAA)の機能化を実証した。活性化細胞白血球接着分子に対する抗体(抗ALCAM)を測定チャネル内に固定し、サルモネラに対する抗体(抗Salm)を参照チャネル内に固定した。固定をpH5.0の10mMの酢酸ナトリウム緩衝液中にてin situで実施した。抗体濃度は、それぞれ10μg/mLおよび50μg/mLであり、インキュベーション時間は、15分であった。
図10は、TSTUで活性化されたポリ(CBAA)センサの表面上にALCAMおよびサルモネラ抗体を固定するセンサ応答を示す。ランニング緩衝液は、pH5.0の10mM酢酸ナトリウムであり、抗体の濃度は、それぞれ10ug/mLおよび50μg/mLであった。図11は、抗ALCAM固定表面、および非標的抗原、すなわちフィブリノーゲンを使用した低バックグラウンドノイズ(または低非特異的結合)を使用したALCAMの検出を示す。10mMのリン酸緩衝液、150mMのNaCl(pH8.5)を5時間流すことによって残留するNHS−エステルをカルボン酸塩基に戻した。1mg/mLの濃度のフィブリノーゲンを参照チャネルに注入して、加水分解の効果および超非汚染特性を調べた(図11A)。次いで、PBS緩衝液においてALCAM抗原の検出を実施した。100ng/mLの濃度のALCAMの溶液を測定および参照チャネルに10分間注いだ。図11Bは、測定(抗ALCAM)チャネルおよび対照(抗Salm)チャネルにおけるALCAM結合に対するセンサ応答を示す。ALCAM抗原を抗ALCAM表面に特異的に結合させた。これらの結果は、非活性化プロセスが成功し、機能化ポリ(CBAA)表面がその超非汚染特性を維持しながら、抗ALCAMの生物活性を保ったことを証明している。
他の態様において、本発明は、表面を非汚染性にするのに有用である、標的結合パートナーが固定された材料を提供する。これらの材料は、表面を被覆するのに使用できるポリマー材料である。これらの材料を基板表面と独立して使用することができる。これらの材料を粒子に成形し、粒子の形で使用することができる。本発明の代表的な材料としては、標的結合パートナーが固定された架橋ポリマー(例えばヒドロゲル)および標的結合パートナーが固定されたブロック共重合体(例えば、微小粒子およびナノ粒子)が挙げられる。
一実施形態において、本発明は、複数の標的結合パートナーが共有結合された架橋ポリマー(例えばヒドロゲル)を提供する。
一実施形態において、架橋ポリマーは、複数の標的結合パートナーが共有結合されている。架橋ポリマーは、複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を有し、実質的に電気的に中性である。標的結合パートナーは、標的分子に対して親和性を有する。
架橋ポリマーを構成するポリマーとしては、本発明の表面に関して上述したものが挙げられる。
一実施形態において、架橋ポリマーは、架橋ポリ(カルボキシベタイン)ヒドロゲルである。カルボキシベタインを、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、カルボキシベタインビニル化合物、カルボキシベタインエポキシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される1つ以上のモノマーから調製することができる。一実施形態において、モノマーは、メタクリル酸カルボキシベタインである。
代表的な架橋ポリマーを、塩酸メタクリル酸アミノエチル(NH2)、メタクリル酸(2−(ジメチルアミノ)エチル(DM)、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル(DE)および塩化2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム(TM)を含む正に荷電した化合物、ならびにアクリル酸2−カルボキシエチル(CA)を含む負に荷電した化合物から調製することができる。
一実施形態において、架橋ポリマーNH2/CAは、アクリル酸2−カルボキシエチル(CA)から誘導された負に荷電した単位および塩酸メタクリル酸2−アミノエチル(NH2)から誘導された正に荷電した単位を有する。一実施形態において、架橋ポリマーDM/CAは、アクリル酸2−カルボキシエチルから誘導された負に荷電した単位およびメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DM)から誘導された正に荷電した単位を有する。一実施形態において、架橋ポリマーDE/CAは、アクリル酸2−カルボキシエチル(CA)から誘導された負に荷電した単位およびメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル(DE)から誘導された正に荷電した単位を有する。一実施形態において、架橋ポリマーTM/CAは、アクリル酸2−カルボキシエチル(CA)から誘導された負に荷電した単位および塩化[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム(TM)から誘導された正に荷電した単位を有する。
標的結合パートナーの架橋ポリマーへの固定を本発明の表面について上述したように実施することができる。例えば、架橋ポリマーの表面上で利用可能なカルビン酸基に対してタンパク質のアミノ基を反応させることによって、標的結合パートナーをポリマー上に固定することができる。標的結合パートナーとしては、本発明の表面に関して上述したものが挙げられる。
本発明は、ポリマーに共有結合された複数の標的結合パートナーを有する架橋ポリマーを製造するための方法を提供する。
一実施形態において、表面改変架橋ポリマーを製造するための方法は、
(a)1つ以上のモノマーと架橋剤とを共重合して架橋ポリマーを与えることにおいて、架橋ポリマーが、複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を有する架橋ポリマーを含み、架橋ポリマーが実質的に電気的に中性であること、および
(b)複数の標的結合パートナーを架橋ポリマーに共有結合させることを含む。
該方法において、複数の標的結合パートナーを架橋ポリマーに共有結合させることを、本発明の表面の調製について上述した材料および方法を使用して実施することができる。
好適な架橋剤としては、ビニル型ポリマー架橋に広く使用されるものが挙げられる。一実施形態において、架橋剤は、ジメタクリル酸テトラエチレングリコールである。
本発明の代表的な架橋ポリマーヒドロゲル、すなわち架橋ポリ(CBMA)ヒドロゲルを実施例4に記載されているように調製した。メタクリル酸カルボキシベタインモノマーをジメタクリル酸テトラエチレングリコール(TEGDMA)中に添加した後に、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび過硫酸アンモニウムで開始される遊離ラジカル重合を行うことによって、透明ヒドロゲルを調製した。重合後、残留化学物質を除去するための当該技術分野で既知の十分に確定された手順に従ってゲルを調製した。ポリ(CBMA)ヒドロゲルは、無細胞毒性であることが判明し、カブトガニ血球抽出成分(LAL)エンドトキシンアッセイキット(Cambrex Bioscience、米国メリーランド州ウォーカーズビル)を使用すると0.06単位(EU)/mL未満のエンドトキシンを含有していた。ヒドロゲルを叩いてディスクにした。
次いで、架橋ポリ(CBMA)ヒドロゲルをその二重機能性について評価した。ポリ(CBMA)系ヒドロゲルをEDC/NHS活性化によって改変した後、フィブロネクチン結合して、固定されたフィブロネクチンで修飾された改変ヒドロゲルを与えた。フィブロネクチンは、細胞接着を促進することが可能なタンパク質である。タンパク質結合に続いて、ウシ大動脈血管内皮細胞(BAEC)を、フィブロネクチン改変ヒドロゲルディスクおよびEDC/NHS活性化されていないヒドロゲルディスクの両方の上で培養した。2時間〜3日間の培養の間に細胞形態を観察した。図12Aに示されるように、EDC/NHS活性化されていないポリ(CBMA)ヒドロゲルディスク上に接着細胞が観察されなかったが、フィブロネクチン結合前にEDC/NHSで活性化された表面にBAECが観察された(図12B)。これらの結果により、ポリ(CBMA)ヒドロゲル自体は、細胞接着に対して強い抵抗性を有し、タンパク質または他のリガンドで容易に固定され得ることが証明される。
別の実施形態において、本発明は、複数の標的結合パートナーが共有結合されたブロック共重合体を提供する。ブロックポリマーは、第1の親水性ブロックと第2の疎水性ブロックを有する。親水性ブロックは、複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、実質的に電気的に中性である。複数の標的結合パートナーをブロック共重合体に共有結合させることを、本発明の表面および架橋ポリマーの調製について上述した材料および方法を使用して実施することができる。これらのブロック共重合体を有利には微小粒子およびナノ粒子の形で使用することができる。
ジブロック共重合体は、一般式[疎水性モノマー]−ブロック−[親水性モノマー]共重合体を有し、lは、10−30の整数であり、mは、10〜100の整数である。一実施形態において、親水性ブロックは、ポリ(カルボキシベタイン)である。
一実施形態において、ポリ(CBMA)などのカルボキシベタイン成分をポリ(酸化プロピレン)(PPO)などの疎水性成分とともに含む十分に確定されたジブロック共重合体が、メチル(CH)末端SAMなどのアルキル末端SAMで被覆された表面上に吸着される。本実施形態では、疎水性ポリマー部が疎水性表面に結合し、親水性スルホベタイン成分が、例えば、表面と接触する水溶液に曝される。
本発明のジブロック共重合体を、長さの異なる様々なカルボキシベタインをベースとした親水性部分および長さの異なる任意の好適な疎水性部分で構成することができ、該ジブロック共重合体をあらゆる好適な重合方法によって調製することができる。
本発明に有用なカルボキシベタインポリマーを製造するための代表的なモノマーとしては、2−カルボキシ−N,N−ジメチル−N−(2’−メタクリロイルオキシエチル)エタンアミニウム分子内塩などのメタクリル酸カルボキシベタイン;アクリル酸カルボキシベタイン;カルボキシベタインアクリルアミド;カルボキシベタインビニル化合物;カルボキシベタインエポキシド;およびヒドロキシル基、イソシアネート基、アミノ基またはカルボン酸基を有する他のカルボキシベタイン化合物が挙げられる。本発明の共重合体のための疎水性成分としてあらゆる疎水性ポリマー鎖を使用することが可能である。代表的な疎水性成分としては、ポリ(酸化プロピレン)(PPO)、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタンおよびポリアミドが挙げられる。
一実施形態において、2つのブロック共重合体を一緒に使用することができる。一実施形態において、第1のジブロック共重合体は、[疎水性モノマー]−ブロック−[親水性モノマー]共重合体を含む。一実施形態において、第1のジブロック共重合体は、[酸化プロピレン]−ブロック−[メタクリル酸カルボキシベタイン]共重合体を含む。一実施形態において、第2のジブロック共重合体は、[疎水性モノマー]−ブロック−[親水性モノマー]共重合体を含む。一実施形態において、第2のジブロック共重合体は、[酸化プロピレン]−ブロック−[メタクリル酸カルボキシベタイン]共重合体を含む。これらのポリマーでは、lは10−30の整数であり、mは10−100の整数であり、nは10−50の整数であり、mはnより大きい。
本発明の材料および方法を有利には様々な用途に使用することができる。一実施形態において、本発明の材料および方法を使用して、タンパク質アッセイを実施するためのタンパク質アレイを調製することができる。
従来のタンパク質アレイ上では、タンパク質の非特異的吸着が日常的に観察され、バックグラウンドレベルが高くなる。その問題は、血液、組織または細胞溶解液などの複合タンパク質溶液が使用されるときに特に顕著である。非標的タンパク質の非特異的吸着は、あらゆるセンサ表面の特異性を低下させ、結果の信頼性を低くする。本発明の材料からおよび方法により製造されるタンパク質アレイのための表面プラットフォームを使用することの利点としては、(a)血清および血漿における非汚染特性が優れていること、(b)タンパク質固定のための官能基が豊富であること、および(c)タンパク質固定のための活性化表面を自動的に非活性化して超低汚染バックグラウンドに戻すことができることが挙げられる。既存の表面化学作用でこれらの独特の特性のすべてを兼ね備えているものはない。
図13Aは、本発明の材料および方法を使用したアレイ(タンパク質アレイのためのpCBMAをベースとした表面プラットフォーム)の概略図である。金被覆表面またはガラススライドにATRPを介してpCBMAがグラフトされる。上記の2ステップのNHS/EDC化学作用を用いて、表面(すなわち両性イオン性カルボキシベタイン基のカルボン酸成分)を活性化することができる。次いで、スポッターを使用して、タンパク質が表面上に直接スポットされる。チップは、緩衝液で自動的に非活性化され、活性化カルボン酸成分がその本来のカルボン酸イオンに戻って、Pcbmaの非汚染バックグラウンドがもたらされる。図13Bは、タンパク質アレイのための従来の混合COOH/OH OEG SAM表面プラットフォームの概略図であり、タンパク質固定後の最終段階のみを示す。血清または血漿のような複合媒体からの非特異的タンパク質結合は、タンパク質アレイ表面上の過剰または未反応のCOOH基の存在に非常に敏感である。従来の表面化学作用に固有の問題は、それらが2つの個別的な官能基および非汚染基を含むことである。
代表的なタンパク質アレイの調製およびタンパク質アレイを実行する上でのその使用が実施例5に記載されている。
以下は、本明細書に用いられている略語の一覧である。
略語
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
ALCAM 活性化細胞白血球接着分子
ATRP 原子移動ラジカル重合
BAEC ウシ大動脈血管内皮細胞
C12 メタクリル酸ラウリル
CA アクリル酸2−カルボキシエチル
CBMA メタクリル酸カルボキシベタイン
DE メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル
DM メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル
DMF ジメチルホルムアミド
E グルタミン酸
EDC N−エチル−N’−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDT 1,2−エタンジチオール
ELISA 酵素結合免疫吸着アッセイ
GL メタクリル酸グリコール酸エチル
hCG ヒト絨毛性ゴナドトロピン
IB メタクリル酸イソブチル
Me メタクリル酸メチル
NH 塩酸メタクリル酸2−アミノエチル
NHS N−ブロモスクシンイミド
NHSエステル N−スクシンイミドエステル
PEG メタクリル酸ポリ(エチルグリコール)
RAFT 可逆的付加開裂連鎖移動
SAM 自己集成単層
SP 3−スルホプロピルメタクリル酸カリウム塩
SPR 表面プラズモン共鳴
TCPS 組織培養ポリスチレン
TFA トリフルオロ酢酸
TFE メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル
TM 塩化[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム
TSTU テトラフルオロホウ酸N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウラニウム
以下の実施例は、例示の目的で示され、本発明を限定するものではない。
材料.ヒト血漿フィブリノーゲンおよび鶏卵白リゾチームをSigma−Aldrich(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した。ヒト血漿フィブリノーゲンをChemicon International(米国カリフォルニア州テメキュラ)から購入した。ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)およびそのモノクロナルマウス抗体(mAb;イソ型IgGl)をScripps Laboratories(米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。メタクリル酸2−(N,N’−ジメチルアミノ)エチル(DMAEM、98%)、β−プロピオラクトン(95%)、臭化第一銅(99.999%)、臭化ブロモイソブチリル(98%)、11−メルカプト−1−ウンデカノール(97%)、2,2’−ビピリジン(BPY99%)、テトラヒドロフラン(THF、HPLCグレード)、NHSおよびEDCをSigma−Aldrich(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した。リン酸緩衝食塩水(PBS:0.01Mのリン酸塩、0.138Mの塩化ナトリウム、0.0027Mの塩化カリウム、pH7.4)をSigma Chemical Co.から購入した。エタノール(無水200プルーフ)をAAPER Alcohol and Chemical Co.から購入した。最小抵抗率が18.0MΩ・cmのミリポア浄水システムを使用して、実験に使用する水を浄化した。反応および洗浄用THFを使用前にナトリウムで乾燥させた。
実施例1
非汚染ポリ(CBMA)コーティングを有する代表的な二重機能性表面
ヒト血漿フィブリノーゲンおよび鶏卵白リゾチームをSigma−Aldrich(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した。ヒト血漿フィブリノーゲンをChemicon International(米国カリフォルニア州テメキュラ)から購入した。ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)およびそのモノクロナルマウス抗体(イソ型IgGl)をScripps Laboratories(米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。メタクリル酸2−(N,N’−ジメチルアミノ)エチル(DMAEM、98%)、β−プロピオラクトン(95%)、臭化第一銅(99.999%)、臭化ブロモイソブチリル(98%)、11−メルカプト−1−ウンデカノール(97%)、2,2’−ビピリジン(BPY99%)およびテトラヒドロフラン(THF、HPLCグレード)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)をSigma−Aldrich(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した。リン酸緩衝食塩水(PBS、0.01Mのリン酸塩、0.138Mの塩化ナトリウム、0.0027Mの塩化カリウム、pH7.4)をSigma Chemical Co.から購入した。エタノール(無水200プルーフ)をAAPER Alcohol and Chemical Co.から購入した。最小抵抗率が18.0MΩ・cmのミリポア浄水システムを使用して、実験に使用する水を浄化した。反応および洗浄用THFを使用前にナトリウムで乾燥させた。
真空下の電子ビーム蒸着によって、SPRガラスチップを接着促進クロム層(厚さ2nm)および表面プラズモン活性金層(48nm)で被覆した。SAM調製前に、基板を報告された方法のように処理した。既に発表されている方法を用いて、臭化ブロモイソブチリルと11−メルカプト−1−ウンデカノール開始剤の反応を介して、のブロモイソ酪酸ω−メルカプトウンデシルを合成した。
メタクリル酸2−(N,N’−ジメチルアミノ)エチルとβ−プロピオラクトンの反応によってCBMAを合成した。ATRP表面開始重合は、我々の先の文献に報告された。
既に発表された方法を用いて、臭化ブロモイソブチリルと11−メルカプト−1−ウンデカノールの反応を介してブロモイソ酪酸メルカプトウンデシルを合成した。1H NMR(300MHz、CDCl):4.15(t,J=6.9Hz,2H,OCH)、2.51(q,J=7.5Hz,2H,SCH)、1.92(s,6H,CH)、1.57−1.72(m,4H,CH)、および1.24−1.40(m,16H,CH
CBMAの合成.メタクリル酸カルボキシベタイン(CBMA)モノマー、2−カルボキシ−N,N−ジメチル−N−(2’−メタクリロイルオキシエチル)エタンアミニウム分子内塩を、メタクリル酸2−(N,N’−ジメチルアミノ)エチル(DMAEM、98%)とβ−プロピオラクトン(95%)の反応によって合成した。10mLの乾燥アセトン中0.87g(12mmol)のβ−プロピオラクトンを、1.57g(10mmol)のDMAEMを50mLの乾燥アセトンに溶解させた溶液に一滴ずつ添加した。反応物を窒素保護下で15℃にて約5時間撹拌した。白色沈殿を50mLの乾燥アセトンおよび100mLの乾燥エーテルで洗浄した。製造物を減圧下で乾燥させて、CBMAモノマーを得た。モノマーを重合前に2−8℃に維持した。収率:91%。
SPRセンサ上の表面開始重合.真空下の電子ビーム蒸着によって、SPRガラスチップを接着促進クロム層(厚さ2nm)および表面プラズモン活性金層(48nm)で被覆した。SAM調製前に、基板を純粋のエタノールで洗浄し、UV光で浄化し、水および純粋のエタノールで洗浄した。金被覆基板を1mMのブロモイソ酪酸ω−メルカプトウンデシルの純粋エタノール溶液に室温で24時間浸漬させることによって開始剤SAMを形成した。重合前に、基板を純粋のエタノールで濯ぎ、その後THFで濯ぎ、窒素流中で乾燥させた。
CuBr、および固定された開始剤を有する基板を窒素保護下で乾燥箱内の反応管内に入れた。隔膜ゴム栓で密封された管を取り出した。次いで、窒素保護下でシリンジを使用して、CBMAおよびBPYの脱気溶液(1:1の容量比の純水とメタノール)を管に移した。反応後、基板を除去し、エタノールおよび水で濯ぎ、試料を終夜水中に維持した。PBS緩衝液による濯ぎをも適用して、試験前に未結合のポリマーを除去する。典型的な重合では、基板と、25mLのCHOH/HO(容量比1:1)中7.5mmolのCBMA、2mmolのBPYおよび1mmolのCuBrとを反応させた。典型的なATRP重合の後、均質のカルボキシベタインポリマーブラシをSPRセンサの金表面上にグラフトした。ポリマー層の厚さは、偏光解析法で測定すると約10−15nmである。
SPR分析およびタンパク質吸着量.タンパク質吸着量を波長インターロゲーションに基づく特注の表面プラズモン共鳴(SPR)センサで測定した。SPRチップ(32×18×2mm)をプリズムの基部に貼りつけ、屈折率整合液(Cargille)を使用して光学的接触を確立した。実験中に液体試料を収容するために、4つの独立した平行流路を有する4チャネル流動セル(接触面積:それぞれ17×3mm)を使用した。蠕動ポンプ(Ismatec)を利用して、液体試料を流動セルの4つのチャネルに送達した。PBS中1.0mg/mLのフィブリノーゲン溶液を0.05mL/分の流速でセンサ表面に流した。SPR検出器を使用して、タンパク質−表面相互作用をリアルタイムで監視した。波長シフトを利用して、表面濃度(または単位面積当たりの質量)の変化を測定した。
SPRセンサによって測定できるシグナルの最小の変化は、0.02nm(すなわち、使用した特注のSPRセンサでは0.002nmである基線ノイズの標準偏差の10倍)以下であった。通常の分子では、約800nmの動作波長において、1分間のSPR波長シフトは、表面上の約15ng/cmの吸着量に相当する。各表面に対して、少なくとも3つの試料をタンパク質吸着について測定した。
偏光解析法.分光偏光解析装置(Sentech SE−850、GmbH)を使用して偏光解析を行った。サンプル調製は、XPSの実験と同じである。5つの個別のスポットを可視領域において3つの異なる入射角(50、60および70度)で測定した。同一バッチの金被覆チップをUV−オゾンクリーナーで20分間浄化し、エタノールおよびミリポア水で洗浄し、窒素で乾燥させた。無処理の金被覆チップを対照として使用した。調査する膜の厚さを、想定屈折率が1.45のコーシー層モデルを使用して測定した。
ポリ(CBMA)グラフトSPRセンサ上の抗hCGの固定.EDC/NHSカップリング化学を使用して、抗体のアミンをポリ(CBMA)のカルボキシル基に対して反応させることによって、ポリマーブラシの表面上にモノクロナルマウス抗hCGを固定した。2mg/mLのNHSおよび2mg/mLのEDCをジオキサン/水(v/v14:1)の混合溶媒に含む新たに調製した溶液中でSPRチップを室温で1時間インキュベートすることによって、ポリ(CBMA)グラフトSPRセンサ表面を活性化させた。次いで、基板を溶液から取り出し、18.2MΩcmのDI水で濯ぎ、窒素流で乾燥させた。PBS中2mg/mLの抗hCGの10μLの液滴を表面上に滴下させ、表面をガラスカバースリップで被覆し、次いでmAbを活性化表面とともに高湿環境において4℃で約24時間インキュベートすることによって、抗hCG mAbを活性化表面に結合させた。抗体機能化基板を18.2MΩcmのDI水で洗浄し、続いて過剰の活性化部位を1Mのエタノールアミン(pH8.5)によって10分間にわたってブロックして、あらゆる未反応NHSを除去した。
実施例2
代表的なポリ(CBAA)被覆表面に対する標的結合パートナーの固定の最適化
NHS/EDC法を用いたカルボン酸塩の最適な活性化を、溶媒としてpH3.3の水/HClを使用してin situで達成した。手短に述べると、新たに調製したNHS(0.05M)およびEDC(0.2M)の溶液を30℃の温度で10分間にわたって注入することによって、ポリマー表面を活性化させた。2つの異なる抗体、特に、活性化細胞白血球接着分子に対するモノクロナル抗体(抗ALCAM)およびサルモネラに対するポリクロナル抗体(抗Salm)を、抗体濃度を50ug/mLとして様々なpH条件下で活性化ポリ(CBAA)被覆表面の異なるスポット内に固定した。流速は、50ul/分、T=30Cであり、インキュベーション時間は、約15分であった。その後、表面を10mMのPB、0.75MのNaCl、pH8.8(PBNa)で処理して、すべての非共有結合リガンドを除去した。抗体の固定に対するランニング緩衝液のpHの影響を図7に示す。pH8.0における抗体の固定に対する典型的な応答を図8に示す。図9は、抗ALCAM固定表面および固定された50%血漿中抗Salmを有する対照表面上のALCAMの検出を示す。CBAAモノマーの合成およびポリ(CBAA)表面のグラフティングは、上記実施例1に記載したCBMAと同様である。
実施例3
ポリ(CBAA)が被覆され、TSTUで活性化された二重機能性表面を有する代表的なセンサ
本実施例では、TSTU法を用いて機能化された非汚染ポリ(CBAA)コーティングをベースとする二重機能性表面を有するSPRセンサを完成した。特注の4チャネル分光表面プラズモン共鳴センサを使用して、ポリ(CBAA)表面の機能化を監視した。
最初に、ATRP法を介してポリ(CBAA)チップをポリ(CBAA)エステルの形で調製した。次いで、ポリ(CBAA)−エステル表面を加水分解して、両性イオン性非汚染ポリ(CBAA)表面を達成する。グラフトされたポリ(CBAA)エステルを有するセンサチップ表面をミリQ水で洗浄し、濾過空気で乾燥させ、SPRセンサに組み込んだ。ポリ(CBAA)表面にpH12の0.1MのNaOHを2時間流すことによって加水分解をin situで実施した。pH7のリン酸緩衝食塩水(PBS)中1mg/mL の濃度の表面接着性が強いタンパク質(フィブリノーゲン)を注入することによって、加水分解の効果を調べた。ポリ(CBAA)エステル表面を完全に加水分解するのに2時間が十分な時間であることが判明した。
両性イオン性ポリ(CBAA)表面をTSTU(5mg/mL)のDMF溶液に2時間浸した。その後、表面をエタノールで洗浄し、濾過空気で乾燥させた。チップをそのままSPRセンサに組み込んだ。2つの抗体のモデルシステムを使用して、表面グラフトポリ(CBAA)の機能化を実証した。活性化細胞白血球接着分子に対する抗体(抗ALCAM)を測定チャネル内に固定し、サルモネラに対する抗体(抗Salm)を参照チャネル内に固定した。固定をpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中にてin situで実施した。抗体濃度は、それぞれ10ug/mLおよび50ug/mLであり、インキュベーション時間は、15分であった。
図10は、TSTU法で活性化されたポリ(CBAA)センサの表面上にALCAMおよびサルモネラ抗体を(それぞれ10および50ug/mlで)2回固定するセンサ応答を示す。図11は、抗ALCAM固定表面、および非標的抗原(すなわちこの場合はフィブリノーゲン)を使用した低バックグラウンドノイズ(または低非特異的結合)を使用したALCAMの検出を示す。10mMのリン酸緩衝液、150mMのNaCl、pH8.5を5時間流すことによって、残留するNHS−エステルをカルボン酸塩基に戻した。1mg/mLの濃度のフィブリノーゲンを参照チャネルに注入して、加水分解の効果および超非汚染特性を調べた(図11A)。次いでPBS緩衝液中でALCAM抗原の検出を実施した。100ng/mLの濃度のALCAMの溶液を測定および参照チャネルに10分間注いだ。図11Bは、測定(抗ALCAM)および対照(抗Salm)チャネルにおけるALCAM結合に対するセンサ応答を示す。ALCAM抗原を抗ALCAM表面に特異的に結合させた。これらの結果は、非活性化プロセスが成功し、機能化ポリ(CBAA)表面がその超非汚染特性を維持したとともに、抗ALCAMの生物活性を保ったことを示唆している。
実施例4
代表的なカルボキシベタインヒドロゲルの調製
本実施例では、ポリ(CBMA)ヒドロゲル、ならびにタンパク質吸着および細胞接着に対するその抵抗性について記載する。2.7MのCBMAモノマーをジメタクリル酸テトラエチレングリコール(TEGDMA)(5.9モル%)に添加することによって、そして混合溶液(エチレングリコール/エタノール/HO=3:1:1容量比)中メタ重亜硫酸ナトリウム(1.2モル%)および過硫酸アンモニウム(2.6モル%)によって開始される遊離ラジカル重合を介してCBMAヒドロゲルを調製した。反応を、0.4mmのPTFEスペーサで隔てられた一対のガラス基板の間で37℃にて12時間実施した。重合後、ゲルを多量のDIに3日間浸し、水を毎日交換して、残留化学物質を除去した。次いで、ゲルをさらに2日間にわたって毎日交換される滅菌PBS溶液中で平衡させた。ヒドロゲルを叩いて、直径が5mmのディスクとし、使用するまで滅菌緩衝液中に保管した。
ヒドロゲルディスクをジオキサン/水(14:1)混合物中2mg/mlのNHSおよび2mg/mlのEDCのジオキサンに室温で1時間浸した。ヒドロゲルディスクは、ジオキサン/水溶液による浸漬中に収縮した。ディスクを溶液から取り出し、ミリポア水に浸漬させて再び膨張させ、ミリポア水で濯ぎ、さらに30分間PBS緩衝液に浸漬させた。試料を100μg/mLのフィブロネクチン溶液に4℃で24時間浸した。
ウシ大動脈血管内皮細胞(BAEC)を、組織培養ポリスチレンフラスコ上の5%COを含む高湿度雰囲気中で、10%のウシ胎児血清(FBS)、1%のピルビン酸ナトリウム、1%の非必須アミノ酸および2%のペニシリンストレプトマイシン溶液が補給されたダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)中に継続的に成長するように維持した。10mLのPBSで2回洗浄することによってBAECをフラスコ表面から除去した後、分離のために2mLのトリプシン/エチレンジアミン四酢酸(0.05%・0.53mM)中でインキュベートした。細胞を分離した後、細胞を8mLのDMEMに懸濁させ、懸濁液を1000rpmで5分間遠心させた。上澄みを除去し、細胞を、5%または10%のFBSを含むDMEMで105個/mLの最終濃度に希釈した。ヒドロゲルディスクを24ウェルプレートにおいてPBSによって洗浄し、2mLの細胞懸濁液を各ウェルに添加した。次いで、細胞を試料とともに5%COの高湿度雰囲気中にて37℃で3日間インキュベートした。2時間〜3日間の培養の間に、10倍の対物レンズを使用した、デジタルカメラが装備されたNikon TE200位相差顕微鏡を使用して、細胞の形態および増殖を観察した。血球計を使用して細胞接種密度を測定した。細胞培地および試薬をGibco(米国メリーランド州ゲイサーズバーグ)から入手した。
実施例5
CBAAをベースとする代表的なタンパク質アレイ
偏光コントラストを用いた表面プラズモン共鳴(SPR)撮像センサを使用して特異的タンパク質結合事象を監視するために、マイクロコンタクトプリンティングロボット(Spotbot、Telechem Inc.)を使用して、ポリCBAA表面上のタンパク質マイクロアレイを製造した。該アレイを図13Aに概略的に示す。SPR撮像センサは、SPRシグナルの空間分解リアルタイム変化の測定を可能にする強度変調に基づく。図14は、それぞれ毎分30マイクロリットルでCBAA表面上を5分間流された3つの複合マトリックス(100%血清、100%血漿および1mg/mlのフィブリノーゲン)からのタンパク質吸着に対応する3つのセンサグラムを示す。それらのセンサグラムにおいて、最初の5分間は、pH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS)を流した後に複合媒体の各々を添加することによって確定された基線である。複合媒体は、有意なSPRのシフトを引き起こす異なるRIを有する。5分後、バックグラウンド屈折率が本来の基線の収集時のものと同一になるように溶液を再びPBSに変化させる。複合媒体の添加前後の基線のいずれのシフトも表面に結合された定量測定タンパク質を表す。図14から、100%血漿または1mg/mlのフィブリノーゲンからの測定可能な結合がなく。100%血清は最小限の結合を有する。
CBAA表面をマイクロアレイパターンの2つの抗体で特異的に機能化した。図15は、表面上の抗体のSPR画像を示す。バックグラウンドとタンパク質スポットの輝度の差は、固定されたタンパク質の量を定量的に表す。最初に、CBAA表面と、0.1MのEDCおよび0.05MのNHSをpH3.3の100mMの酢酸ナトリウム緩衝液中に含む溶液とを30分間反応させることにより該表面を活性化させることによってタンパク質マイクロアレイを製造した。直径500μmのステルスピンを備えたマイクロコンタクトプリンティングロボットを使用して、抗ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)および抗サルモネラ抗体を活性化ポリマー表面上にプリントし、30分間反応させた。次いで、過剰のタンパク質を表面から洗い流し、活性NHSエステルを加水分解してカルボン酸に戻して、表面を、固有の非汚染特性を有するその両性イオン性状態に戻すために、pH9.0の100mMの炭酸ナトリウム緩衝液に100mMのヒドロキシルアミンを溶解させた溶液にマイクロアレイチップを約18時間にわたって浸漬させることによって活性化バックグラウンドを非活性化した。図16は、抗hCGを含むスポット上に10μg/mlのhCGが特異的に検出されるが、対照抗サルモネラスポットまたはバックグラウンド上に検出が観察されないことを示す。CBAA表面は、非汚染バックグラウンドを有するだけでなく、タンパク質−タンパク質結合事象の検出を可能にするタンパク質で特異的に機能化され得る。表面化学作用は、特に、検出が一般に血液のような複合生物媒体中で実施される生体医学的診断に広範な用途を有する。SPRなどの多くの新しい非標識法が普及したが、非汚染バックグラウンドおよび特異的表面がないため、特異的および非特異的結合のデコンボリューションが困難である。
実例となる実施形態を図示および記載したが、本発明の趣旨および適用範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることが理解されるであろう。
排他的財産または特権が主張される本発明の実施形態を以下のように規定する。

Claims (29)

  1. 改変表面を有する基板であって、
    (a)各ポリマーが複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、各ポリマーが実質的に電気的に中性である、基板の表面に結合された複数のポリマーと、
    (b)複数の該ポリマーに共有結合され、標的分子に対して親和性を有する複数の標的結合パートナーと
    を含む基板。
  2. 前記複数のポリマーが前記表面に共有結合される、請求項1に記載の基板。
  3. 前記複数のポリマーが、複数のアルキレン部分を含む単層を介して前記表面に共有結合される、請求項1に記載の基板。
  4. 前記ポリマーが、式:
    Figure 2010530955
    [式中、
    Bは、
    Figure 2010530955
    [式中、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択され;Eは、置換または無置換のアルキレン、−(CHC(O)O−および−(CHC(O)NR−からなる群より選択され、pは、0〜12の整数であり、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択される]からなる群より選択され;
    Lは、場合により1個以上の酸素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレン基であり;
    Pは、
    Figure 2010530955
    [式中、RおよびRは、水素、および置換または無置換のアルキル基からなる群より独立して選択され、Rは、置換または無置換のアルキレン基、フェニレン基およびポリエーテル基からなる群より選択され、mは、1〜7の整数である]からなる群より選択され;
    xは、3〜1000の整数である]を有する、請求項1に記載の基板。
  5. 前記ポリマーが、式:
    Figure 2010530955
    [式中、
    Rは、水素、および置換、また無置換のアルキルからなる群より選択され;
    およびLは、独立して、場合により1個以上の酸素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレン基であり;
    xは、3〜1000の整数である]を有する、請求項1に記載の基板。
  6. 前記ポリマーが、式:
    Figure 2010530955
    [式中、
    およびBは、
    Figure 2010530955
    [式中、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択され;Eは、置換または無置換のアルキレン、−(CHC(O)O−および(CHC(O)NR−からなる群より選択され、pは、0〜12の整数であり、Rは、水素、および置換または無置換のアルキルからなる群より選択される]からなる群より独立して選択され;
    Lは、場合により1個以上の酸素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレン基であり;
    は、正に荷電した基であり;
    は、カルボン酸基であり;
    mは、3〜1000の整数であり;
    nは、3〜1000の整数である]を有する、請求項1に記載の基板。
  7. が芳香族環における窒素またはNRであり、RおよびRが、独立して、置換または無置換のアルキル基である、請求項6に記載の基板。
  8. 前記複数のポリマーが前記表面上にブラシを形成する、請求項1に記載の基板。
  9. 前記ポリマーがポリ(カルボキシベタイン)である、請求項1に記載の基板。
  10. 前記標的結合パートナーが、酵素、抗体、抗原、受容体およびリガンドからなる群より選択される、請求項1に記載の基板。
  11. 前記標的結合パートナーが、タンパク質、ペプチド、核酸および糖からなる群より選択される、請求項1に記載の基板。
  12. 表面を改変するための方法であって、該方法は:
    複数の標的結合パートナーを、表面に結合された複数のポリマーに共有結合させる工程を包含し、該標的結合パートナーが標的分子に対して親和性を有し、各ポリマーが複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、各ポリマーが実質的に電気的に中性である、方法。
  13. 前記複数の標的結合パートナーを前記複数のポリマーに共有結合させる工程が、該ポリマーと該標的結合パートナーの間にアミド結合を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記複数の標的結合パートナーを前記複数のポリマーに共有結合させる工程は、カルボン酸基の一部を活性化エステルに変換し、該活性化エステルとアミノ基を有する標的結合パートナーとを反応させることを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記活性化エステルがN−ヒドロキシスクシンイミドエステルである、請求項12に記載の方法。
  16. 前記複数のポリマーが前記表面上にブラシを形成する、請求項12に記載の方法。
  17. 前記ポリマーがポリ(カルボキシベタイン)である、請求項12に記載の方法。
  18. 前記標的結合パートナーが、酵素、抗体、抗原、受容体およびリガンドからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  19. 請求項12〜18のいずれか1項の方法によって調製される改変表面を有する、基板。
  20. 複数の標的結合パートナーが共有結合された架橋ポリマーであって、該架橋ポリマーは複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、該架橋ポリマーは実質的に電気的に中性であり、該標的結合パートナーは標的分子に対して親和性を有する、架橋ポリマー。
  21. 前記架橋ポリマーが架橋ポリ(カルボキシベタイン)である、請求項20に記載の架橋ポリマー。
  22. 前記架橋ポリ(カルボキシベタイン)が、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、カルボキシベタインビニル化合物、カルボキシベタインエポキシドおよびそれらの混合物からなる群より選択される1つ以上のモノマーから調製される、請求項21に記載の架橋ポリマー。
  23. 前記標的結合パートナーが、酵素、抗体、抗原、受容体およびリガンドからなる群より選択される、請求項21に記載の架橋ポリマー。
  24. 前記架橋ポリマーがヒドロゲルである、請求項21に記載の架橋ポリマー。
  25. 標的分子に対して親和性を有する複数の標的結合パートナーが共有結合されたブロック共重合体であって、該ブロック共重合体は第1の親水性ブロックおよび第2の疎水性ブロックを有し、該親水性ブロックは複数のカルボン酸基および複数の正に荷電した基を含み、該親水性ブロックは実質的に電気的に中性である、ブロック共重合体。
  26. 前記親水性ブロックがポリ(カルボキシベタイン)である、請求項25に記載のブロック共重合体。
  27. 前記ポリ(カルボキシベタイン)が、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、カルボキシベタインビニル化合物、カルボキシベタインエポキシドおよびそれらの混合物からなる群より選択される1つ以上のモノマーから調製される、請求項25に記載のブロック共重合体。
  28. 前記標的結合パートナーが、酵素、抗体、抗原、受容体およびリガンドからなる群より選択される、請求項25に記載のブロックポリマー。
  29. 前記ブロック共重合体が微小粒子またはナノ粒子の形である、請求項25に記載のブロックポリマー。
JP2009544325A 2006-12-29 2007-12-31 二重機能性非汚染表面および材料 Pending JP2010530955A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US88282106P 2006-12-29 2006-12-29
PCT/US2007/089236 WO2008083390A2 (en) 2006-12-29 2007-12-31 Dual-functional nonfouling surfaces and materials

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010530955A true JP2010530955A (ja) 2010-09-16
JP2010530955A5 JP2010530955A5 (ja) 2012-02-16

Family

ID=39589238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009544325A Pending JP2010530955A (ja) 2006-12-29 2007-12-31 二重機能性非汚染表面および材料

Country Status (6)

Country Link
US (4) US8835144B2 (ja)
EP (1) EP2104846A2 (ja)
JP (1) JP2010530955A (ja)
CA (1) CA2674632A1 (ja)
MX (1) MX2009007101A (ja)
WO (1) WO2008083390A2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012181181A (ja) * 2011-02-10 2012-09-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd 生理活性物質固定化用粒子、生理活性物質固定粒子及び糖親和性物質捕捉粒子
JP2016057105A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 Jsr株式会社 固相担体、リガンド結合固相担体、標的物質の検出又は分離方法、及び前記固相担体の製造方法
JP2016057106A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 Jsr株式会社 磁性粒子、リガンド結合粒子、標的物質の検出又は分離方法、及び前記磁性粒子の製造方法
US9535062B2 (en) 2006-12-29 2017-01-03 University Of Washington Dual-functional nonfouling surfaces comprising target binding partner covalently coupled to polymer attached to substrate
JP2017527669A (ja) * 2014-09-09 2017-09-21 ユニバーシティ・オブ・ワシントン 官能性双性イオン性ポリマーおよび混合電荷ポリマー、関連するヒドロゲルならびにこれらの使用方法
US10031138B2 (en) 2012-01-20 2018-07-24 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Hierarchical films having ultra low fouling and high recognition element loading properties
JPWO2021106899A1 (ja) * 2019-11-28 2021-06-03
JPWO2021177201A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10

Families Citing this family (62)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9062289B2 (en) * 2005-06-22 2015-06-23 Asterias Biotherapeutics, Inc. Differentiation of primate pluripotent stem cells to cardiomyocyte-lineage cells
US20110097277A1 (en) 2005-08-25 2011-04-28 University Of Washington Particles coated with zwitterionic polymers
US8114346B2 (en) 2007-08-17 2012-02-14 The Invention Science Fund I, Llc Event-triggered ultraviolet light sterilization of surfaces
US8162924B2 (en) 2007-08-17 2012-04-24 The Invention Science Fund I, Llc System, devices, and methods including actively-controllable superoxide water generating systems
US8702640B2 (en) 2007-08-17 2014-04-22 The Invention Science Fund I, Llc System, devices, and methods including catheters configured to monitor and inhibit biofilm formation
US8706211B2 (en) 2007-08-17 2014-04-22 The Invention Science Fund I, Llc Systems, devices, and methods including catheters having self-cleaning surfaces
US8753304B2 (en) 2007-08-17 2014-06-17 The Invention Science Fund I, Llc Systems, devices, and methods including catheters having acoustically actuatable waveguide components for delivering a sterilizing stimulus to a region proximate a surface of the catheter
US8734718B2 (en) 2007-08-17 2014-05-27 The Invention Science Fund I, Llc Systems, devices, and methods including catheters having an actively controllable therapeutic agent delivery component
US8366652B2 (en) 2007-08-17 2013-02-05 The Invention Science Fund I, Llc Systems, devices, and methods including infection-fighting and monitoring shunts
US8460229B2 (en) 2007-08-17 2013-06-11 The Invention Science Fund I, Llc Systems, devices, and methods including catheters having components that are actively controllable between transmissive and reflective states
US8647292B2 (en) 2007-08-17 2014-02-11 The Invention Science Fund I, Llc Systems, devices, and methods including catheters having components that are actively controllable between two or more wettability states
US8029740B2 (en) 2008-07-11 2011-10-04 The Invention Science Fund I, Llc Event-triggered self-sterilization of article surfaces
US7943370B2 (en) * 2007-08-23 2011-05-17 Canon Kabushiki Kaisha Structure, target substance detection element and target substance detection kit
US9533006B2 (en) 2007-11-19 2017-01-03 University Of Washington Marine coatings
US20090149673A1 (en) * 2007-12-05 2009-06-11 Semprus Biosciences Corp. Synthetic non-fouling amino acids
SG188096A1 (en) * 2008-01-30 2013-03-28 Geron Corp Synthetic surfaces for culturing stem cell derived oligodendrocyte progenitor cells
US8329469B2 (en) * 2008-01-30 2012-12-11 Geron Corporation Swellable (meth)acrylate surfaces for culturing cells in chemically defined media
DK2247716T3 (da) * 2008-01-30 2012-05-29 Geron Corp Syntetiske overflader til dyrkning af celler i kemisk defineret medie
CA2712891A1 (en) 2008-01-30 2009-08-06 Corning Incorporated Synthetic surfaces for culturing stem cell derived cardiomyocytes
EP2384168B1 (en) 2008-12-04 2014-10-08 Searete LLC Actively-controllable sterilizing excitation delivery implants
US8585627B2 (en) 2008-12-04 2013-11-19 The Invention Science Fund I, Llc Systems, devices, and methods including catheters configured to monitor biofilm formation having biofilm spectral information configured as a data structure
US20120041287A1 (en) 2008-12-04 2012-02-16 Searete Llc, A Limited Liability Corporation Of The State Of Delaware Systems, devices, and methods including implantable devices with anti-microbial properties
EP2352796A1 (en) 2008-12-05 2011-08-10 Semprus Biociences Corporation Layered non-fouling, antimicrobial, antithrombogenic coatings
NZ593201A (en) 2008-12-05 2013-05-31 Semprus Biosciences Corp Non-fouling, anti-microbial, anti-thrombogenic graft-from compositions
US8506670B2 (en) 2009-02-03 2013-08-13 Agtec Innovations, Inc. Micronutrient fertilizers and methods of making and using the same
US9181137B2 (en) 2009-03-20 2015-11-10 Agtec Innovations, Inc. Micronutrient fertilizers and methods of making and using the same
CN102482385B (zh) 2009-05-28 2014-10-15 康宁股份有限公司 用来培养细胞的合成微型载体
EP2480892A1 (en) 2009-09-25 2012-08-01 Origene Technologies, Inc. Protein arrays and uses thereof
JP6067376B2 (ja) 2009-11-06 2017-01-25 ユニヴァーシティ・オブ・ワシントン・スルー・イッツ・センター・フォー・コマーシャリゼーション 架橋した双性イオンヒドロゲル
WO2011057224A2 (en) 2009-11-06 2011-05-12 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Zwitterionic polymer bioconjugates and related methods
NZ603705A (en) 2010-06-09 2014-10-31 Semprus Biosciences Corp Non-fouling, anti-microbial, anti-thrombogenic graft-from compositions
WO2011156590A2 (en) 2010-06-09 2011-12-15 Semprus Biosciences Corp. Non-fouling, anti-microbial, anti-thrombogenic graft compositions
CA2799639C (en) 2010-06-09 2016-10-04 Semprus Biosciences Corp. Articles having non-fouling surfaces and processes for preparing the same without altering bulk physical properties
US9017443B2 (en) 2010-08-10 2015-04-28 Agtec Innovations, Inc. Phosphate fertilizers and methods of using the same
US8999031B2 (en) 2010-08-10 2015-04-07 Agtec Innovations, Inc. Polyphosphate fertilizer combinations
US9511151B2 (en) 2010-11-12 2016-12-06 Uti Limited Partnership Compositions and methods for the prevention and treatment of cancer
US9541480B2 (en) 2011-06-29 2017-01-10 Academia Sinica Capture, purification, and release of biological substances using a surface coating
US9599613B2 (en) 2011-07-20 2017-03-21 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Photonic blood typing
US9101678B2 (en) 2011-11-03 2015-08-11 Elwha Llc Heat-sanitization of surfaces
WO2013090813A1 (en) 2011-12-14 2013-06-20 Semprus Biosciences Corp. Redox processes for contact lens modification
MX2014007202A (es) 2011-12-14 2015-03-09 Semprus Biosciences Corp Lentes de contacto modificadas en la superficie.
WO2013090790A1 (en) 2011-12-14 2013-06-20 Semprus Biosciences Corp. Silicone hydrogel contact lens modified using lanthanide or transition metal oxidants
AU2012351991B2 (en) 2011-12-14 2015-09-24 Semprus Biosciences Corp. Multistep UV process to create surface modified contact lenses
EP2791215A4 (en) 2011-12-14 2015-07-22 Semprus Biosciences Corp SURGICAL PROCESS FOR SURFACE MODIFICATION OF CONTACT LENSES
US10988516B2 (en) 2012-03-26 2021-04-27 Uti Limited Partnership Methods and compositions for treating inflammation
US9603948B2 (en) 2012-10-11 2017-03-28 Uti Limited Partnership Methods and compositions for treating multiple sclerosis and related disorders
TWI512103B (zh) 2012-11-12 2015-12-11 Ind Tech Res Inst 細胞培養系統、以及無血清細胞培養方法
JP2017500285A (ja) 2013-11-04 2017-01-05 ユーティーアイ リミテッド パートナーシップ 持続的免疫療法のための方法および組成物
TW201623605A (zh) 2014-04-01 2016-07-01 中央研究院 用於癌症診斷及預後之方法及系統
TW201612308A (en) 2014-08-26 2016-04-01 Academia Sinica Collector architecture layout design
US12011480B2 (en) 2015-05-06 2024-06-18 Uti Limited Partnership Nanoparticle compositions for sustained therapy
CZ2015313A3 (cs) 2015-05-07 2016-07-07 Ústav makromolekulární chemie AV ČR, v. v. i. Polymerní kartáče odolné proti depozici složek biologických médií, způsob jejich přípravy a jejich použití
US10107726B2 (en) 2016-03-16 2018-10-23 Cellmax, Ltd. Collection of suspended cells using a transferable membrane
KR20190020318A (ko) 2016-06-13 2019-02-28 메사추세츠 인스티튜트 오브 테크놀로지 이물질 반응 및 섬유화를 감소시키기 위한 생체적합성 코팅 및 하이드로겔
CZ307026B6 (cs) 2016-06-17 2017-11-22 Ústav Fotoniky A Elektroniky Av Čr, V. V. I. Způsob přípravy povrchu substrátu obsahujícího karboxybetainové funkční skupiny
WO2018141073A1 (en) * 2017-02-06 2018-08-09 Her Majesty The Queen In Right Of Canada, As Represented By The Minister Of Agriculture And Agri-Food Self assembling mixed block copolymer for nanostructured functional films
EP3775838A4 (en) * 2018-04-13 2022-01-19 University of Washington METHOD AND DEVICE FOR ANALYZING INDIVIDUAL BIOLOGICAL NANOPARTICLES
US20210237002A1 (en) * 2018-06-05 2021-08-05 Rensselaer Polytechnic Institute Rapid and facile membrane adsorber fabrication with ultra high binding capacity
EP3963326A4 (en) * 2019-04-30 2023-07-26 Cornell University POLYMER FIBERS HAVING A SKELETON COMPRISING A POSITIVELY CHARGED COMPONENT OF A ZWITTERIONIC FRACTION
US11752489B2 (en) * 2019-10-16 2023-09-12 Biohybrid Solutions Llc Affinity dissolution of biomolecules for protein purification
CN115053134A (zh) * 2019-11-11 2022-09-13 牛津大学创新有限公司 分离选择的外泌体群体的方法
CZ309314B6 (cs) 2020-05-14 2022-08-17 Fyzikální Ústav Av Čr, V. V. I. Polymerní kartáč obsahující terpolymer pro použití proti nespecifické adsorpci látek z biologických médií

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6339909A (ja) * 1986-07-09 1988-02-20 ベ−リングヴエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト 分散重合体およびそれらの製法
US5919523A (en) * 1995-04-27 1999-07-06 Affymetrix, Inc. Derivatization of solid supports and methods for oligomer synthesis
JP2003516519A (ja) * 1999-04-28 2003-05-13 アイトゲノシッシュ テヒニッシュ ホーホシューレ チューリッヒ 分析用デバイスおよびセンシングデバイスにおけるポリイオン性コーティング
JP2005521052A (ja) * 2002-03-20 2005-07-14 ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション ナノ構造化基体の光学的画像化
JP2005525554A (ja) * 2002-05-13 2005-08-25 オレ インガナス、 バイオセンサ用途のための受容体(例えば、ポリヌクレオチド、抗体など)を有する高分子電解質複合体(例えば、両性イオンポリチオフェン)
JP2006266746A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Fuji Photo Film Co Ltd バイオセンサー

Family Cites Families (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3671502A (en) * 1970-11-12 1972-06-20 Kendall & Co Betaine copolymers with hydroxyalkylacrylates and hydroxyalkylmethacrylates
GB1510689A (en) * 1974-12-19 1978-05-10 Sumitomo Chemical Co Preparation of water-soluble cationic high polymer
US4138446A (en) * 1974-12-19 1979-02-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Water-soluble high polymers and their preparation
JPS5339909A (en) 1976-09-24 1978-04-12 Kawasaki Steel Co Molten metal refining process
US4415388A (en) * 1981-06-22 1983-11-15 Johnson & Johnson Method of making absorbent bearing products
US4493926A (en) * 1984-01-04 1985-01-15 General Electric Company Dissociating ionically cross-linked siloxane polymers
US5204060A (en) * 1986-01-07 1993-04-20 Berol Kemi Ab Method for disinfection
JPS63234007A (ja) 1987-03-23 1988-09-29 Kohjin Co Ltd 水溶性が良好なカチオン性重合体
US4985023A (en) * 1988-05-09 1991-01-15 Dow Corning Corporation Antimicrobial superabsorbent articles
US4931328A (en) 1988-08-19 1990-06-05 Hewlett-Packard Company Capillary tube with reduced protein interactions and controllable electroosmotic flow
JPH05132528A (ja) 1990-10-01 1993-05-28 Phillips Petroleum Co 電解質水溶液吸収性重合体
SU1780673A1 (ru) 1991-04-19 1992-12-15 Tashk Farmatsevticheskij I Фуhгицидhoe cpeдctbo
US5714360A (en) * 1995-11-03 1998-02-03 Bsi Corporation Photoactivatable water soluble cross-linking agents containing an onium group
US5925552A (en) * 1996-04-25 1999-07-20 Medtronic, Inc. Method for attachment of biomolecules to medical devices surfaces
EP0856539A1 (en) 1997-01-30 1998-08-05 Mitsui Chemicals, Inc. Cross-linked polymer
US7056532B1 (en) 1997-06-13 2006-06-06 Univ. Nebraska Bd. of Regents Compositions for delivery of biological agents and methods for the preparation thereof
US7547445B2 (en) * 1998-03-19 2009-06-16 Surmodics, Inc. Crosslinkable macromers
US6361768B1 (en) 1998-12-29 2002-03-26 Pmd Holdings Corp. Hydrophilic ampholytic polymer
EP1194461B1 (en) 1999-05-26 2008-10-08 Rhodia Inc. Block polymers, compositions and methods of use for foams, laundry detergents, shower rinses and coagulants
DK1189553T3 (da) * 1999-06-24 2004-07-26 Abbott Vascular Devices Ltd Ballon-ekspanderbar stent
JP3853549B2 (ja) * 1999-11-10 2006-12-06 花王株式会社 機能性アルコール放出物質
DE60129148T2 (de) 2000-10-06 2008-02-28 Biocompatibles Uk Ltd., Farnham Zwitterionische polymere
DE10132173A1 (de) * 2001-07-03 2003-01-23 Goldschmidt Ag Th Neue Betainester
WO2003074026A1 (en) * 2002-03-07 2003-09-12 Biocompatibles Uk Limited Drug carriers comprising amphiphilic block copolymers
CN100419426C (zh) 2002-04-22 2008-09-17 佛罗里达州立大学 功能化纳米微粒及其使用方法
US20050058689A1 (en) * 2003-07-03 2005-03-17 Reactive Surfaces, Ltd. Antifungal paints and coatings
US7157409B2 (en) 2002-09-25 2007-01-02 M-I Llc Surfactant-polymer compositions for enhancing the stability of viscoelastic-surfactant based fluid
DE10261750A1 (de) 2002-12-30 2004-07-15 Basf Ag Ampholytisches Copolymer und dessen Verwendung
SE0400073D0 (sv) * 2003-04-04 2004-01-14 Appear Sweden Hb Antibacterial material
JP4691497B2 (ja) 2003-05-15 2011-06-01 アーチ ユーケイ バイオサイドズ リミテッド 組成物及びその使用(2)
US7291427B2 (en) * 2004-03-19 2007-11-06 Fujifilm Corporation Surface graft material, conductive pattern material, and production method thereof
WO2006085898A1 (en) * 2004-05-14 2006-08-17 Becton, Dickinson & Company Articles having bioactive surfaces and solvent-free methods of preparation thereof
US20060183863A1 (en) 2005-02-14 2006-08-17 Ciphergen Biosystems, Inc. Zwitterionic polymers
TWI326691B (en) * 2005-07-22 2010-07-01 Kraton Polymers Res Bv Sulfonated block copolymers, method for making same, and various uses for such block copolymers
US7445879B2 (en) 2005-08-23 2008-11-04 Nukote International, Inc. Preparation of suspension polymerized toners
CA2619361C (en) 2005-08-25 2015-10-20 University Of Washington Super-low fouling sulfobetaine and carboxybetaine materials and related methods
KR20080047589A (ko) * 2005-09-06 2008-05-29 노버스 인터내쇼날 인코포레이티드 선박 오손 방지 코팅 조성물
US8124128B2 (en) 2005-11-08 2012-02-28 Industrial Technology Research Institute Amphiphilic block copolymers and nano particles comprising the same
JP4961133B2 (ja) 2005-11-10 2012-06-27 大阪有機化学工業株式会社 医療用材料
FR2894585B1 (fr) 2005-12-14 2012-04-27 Rhodia Recherches Et Tech Copolymere comprenant des unites zwitterioniques et d'autres unites, composition comprenant le copolymere, et utilisation
DE102006004111B4 (de) 2006-01-28 2015-11-19 Wöhlk-Contact-Linsen GmbH Kontaktlinsenmaterial
FR2898067B1 (fr) 2006-03-03 2008-05-30 Rhodia Recherches & Tech Modification de surfaces solides par des associations de polymeres
CA2665493A1 (en) 2006-08-07 2008-02-14 University Of Washington Mixed charge copolymers and hydrogels
JP2010530955A (ja) 2006-12-29 2010-09-16 ユニヴァーシティ オブ ワシントン 二重機能性非汚染表面および材料
US20080311045A1 (en) 2007-06-06 2008-12-18 Biovaluation & Analysis, Inc. Polymersomes for Use in Acoustically Mediated Intracellular Drug Delivery in vivo
EP2225331B1 (en) 2007-11-19 2016-01-06 University of Washington Marine coatings
WO2009099126A1 (ja) 2008-02-07 2009-08-13 Riken 光反応性共重合体、表面改質剤、親水化処理剤、吸着抑制剤、物質固定化剤、表面改質方法、親水化方法、吸着抑制方法および物質固定化方法
EP2496614A4 (en) 2009-11-06 2014-02-26 Univ Washington Ct Commerciali SELF-ASSEMBLED PARTICLES OF ZWITTERIONIC POLYMERS AND ASSOCIATED METHODS
US10031138B2 (en) 2012-01-20 2018-07-24 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Hierarchical films having ultra low fouling and high recognition element loading properties

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6339909A (ja) * 1986-07-09 1988-02-20 ベ−リングヴエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト 分散重合体およびそれらの製法
US5919523A (en) * 1995-04-27 1999-07-06 Affymetrix, Inc. Derivatization of solid supports and methods for oligomer synthesis
JP2003516519A (ja) * 1999-04-28 2003-05-13 アイトゲノシッシュ テヒニッシュ ホーホシューレ チューリッヒ 分析用デバイスおよびセンシングデバイスにおけるポリイオン性コーティング
JP2005521052A (ja) * 2002-03-20 2005-07-14 ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション ナノ構造化基体の光学的画像化
JP2005525554A (ja) * 2002-05-13 2005-08-25 オレ インガナス、 バイオセンサ用途のための受容体(例えば、ポリヌクレオチド、抗体など)を有する高分子電解質複合体(例えば、両性イオンポリチオフェン)
JP2006266746A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Fuji Photo Film Co Ltd バイオセンサー

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9535062B2 (en) 2006-12-29 2017-01-03 University Of Washington Dual-functional nonfouling surfaces comprising target binding partner covalently coupled to polymer attached to substrate
US10060918B2 (en) 2006-12-29 2018-08-28 University Of Washington Dual-functional nonfouling surfaces comprising target binding partner covalently coupled to polymer attached to substrate
JP2012181181A (ja) * 2011-02-10 2012-09-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd 生理活性物質固定化用粒子、生理活性物質固定粒子及び糖親和性物質捕捉粒子
US10031138B2 (en) 2012-01-20 2018-07-24 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Hierarchical films having ultra low fouling and high recognition element loading properties
JP2016057105A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 Jsr株式会社 固相担体、リガンド結合固相担体、標的物質の検出又は分離方法、及び前記固相担体の製造方法
JP2016057106A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 Jsr株式会社 磁性粒子、リガンド結合粒子、標的物質の検出又は分離方法、及び前記磁性粒子の製造方法
JP2017527669A (ja) * 2014-09-09 2017-09-21 ユニバーシティ・オブ・ワシントン 官能性双性イオン性ポリマーおよび混合電荷ポリマー、関連するヒドロゲルならびにこれらの使用方法
JPWO2021106899A1 (ja) * 2019-11-28 2021-06-03
JP7443396B2 (ja) 2019-11-28 2024-03-05 京セラ株式会社 共重合体、測定装置および測定用担体
JPWO2021177201A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10
JP7333462B2 (ja) 2020-03-02 2023-08-24 京セラ株式会社 共重合体およびその製造方法、測定装置ならびに測定用担体

Also Published As

Publication number Publication date
US20140370567A1 (en) 2014-12-18
EP2104846A2 (en) 2009-09-30
US9535062B2 (en) 2017-01-03
US10060918B2 (en) 2018-08-28
US20170108492A1 (en) 2017-04-20
WO2008083390A3 (en) 2008-12-11
WO2008083390A2 (en) 2008-07-10
US20190219570A1 (en) 2019-07-18
MX2009007101A (es) 2009-12-01
US8835144B2 (en) 2014-09-16
US20100099160A1 (en) 2010-04-22
CA2674632A1 (en) 2008-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10060918B2 (en) Dual-functional nonfouling surfaces comprising target binding partner covalently coupled to polymer attached to substrate
JP2010530955A5 (ja)
Yu et al. Anti-fouling bioactive surfaces
Trmcic-Cvitas et al. Biofunctionalized protein resistant oligo (ethylene glycol)-derived polymer brushes as selective immobilization and sensing platforms
Li et al. Block copolymer modified surfaces for conjugation of biomacromolecules with control of quantity and activity
Goto et al. Polymer nanoparticles covered with phosphorylcholine groups and immobilized with antibody for high-affinity separation of proteins
US20190154683A1 (en) Hierarchical films having ultra low fouling and high recognition element loading properties
JP5552474B2 (ja) 医療材料用高分子化合物及び該高分子化合物を用いたバイオチップ用基板
Akkahat et al. Development of a novel antifouling platform for biosensing probe immobilization from methacryloyloxyethyl phosphorylcholine-containing copolymer brushes
Ma et al. Surface initiated polymerization from substrates of low initiator density and its applications in biosensors
Song et al. Fabrication of a detection platform with boronic-acid-containing zwitterionic polymer brush
JP5543179B2 (ja) 標識独立検出バイオセンサ組成およびその方法
Li et al. A blood cell repelling and tumor cell capturing surface for high-purity enrichment of circulating tumor cells
Son et al. Amine-reactive poly (pentafluorophenyl acrylate) brush platforms for cleaner protein purification
Kotlarek et al. Thin-film polyisocyanide-based hydrogels for affinity biosensors
JP4435709B2 (ja) バイオセンサー
JP5409671B2 (ja) アフィニティヒドロゲルとその標識非依存性検出方法
Chou et al. Zwitterionic Surface Modification of Aldehydated Sulfobetaine Copolymers for the Formation of Bioinert Interfaces
Bernand‐Mantel et al. Protein‐functionalized ultrathin glycidyl methacrylate polymer grafts on gold for the development of optical biosensors: an SPR investigation
JP4887863B2 (ja) 光固定化方法及び構造体
JP2006322717A (ja) センサチップおよびその製造方法
JP2007279028A (ja) 孔を有する生体物質構造体及びその製造方法、並びに、それを用いた生体物質担持体、対象物質の精製方法、アフィニティークロマトグラフィー用容器、分離用チップ、対象物質の解析方法、対象物質の解析用分離装置、及びセンサーチップ
JP2007101520A (ja) 生体物質複合体、並びに、生体物質複合体担持体、対象物質の精製方法、アフィニティークロマトグラフィー用容器、分離用チップ、対象物質の解析方法、対象物質の解析用分離装置及びセンサーチップ
JPWO2003076933A1 (ja) 増大した密度のポリ(エチレンオキシド)のブラシ様構造表面
WO2006024039A2 (en) Method for manufacturing of three dimensional composite surfaces for microarrays

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111214

A524 Written submission of copy of amendment under section 19 (pct)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20111214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120502

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121015