JP2006266746A - バイオセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】 生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを、安全な原料を用いて簡便に製法することができるバイオセンサー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 表面に金属層を有し、該金属層に、直接又は中間層を介して、アセトアセチル基含有親水性高分子が結合している基板から成るバイオセンサー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、バイオセンサー及びそれを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。特に本発明は、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに用いるためのバイオセンサー及びそれを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、従来法では煩雑な操作や標識物質を必要とするため、標識物質を必要とすることなく、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。SPR測定技術はチップの金属膜に接する有機機能膜近傍の屈折率変化を反射光波長のピークシフト又は一定波長における反射光量の変化を測定して求めることにより、表面近傍に起こる吸着及び脱着を検知する方法である。QCM測定技術は水晶発振子の金電極(デバイス)上の物質の吸脱着による発振子の振動数変化から、ngレベルで吸脱着質量を検出できる技術である。また、金の超微粒子(nmレベル)表面を機能化させて、その上に生理活性物質を固定して、生理活性物質間の特異認識反応を行わせることによって、金微粒子の沈降、配列から生体関連物質の検出ができる。
上記した技術においては、いずれの場合も、生理活性物質を固定化する表面が重要である。以下、当技術分野で最も使われている表面プラズモン共鳴(SPR)を例として、説明する。
一般に使用される測定チップは、透明基板(例えば、ガラス)、蒸着された金属膜、及びその上に生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜からなり、その官能基を介し、金属表面に生理活性物質を固定化する。該生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、生体分子間の相互作用を分析する。
生理活性物質を固定化可能な官能基を有する検出表面として、例えば特許文献1に、ヒドロゲルの製造法が詳細に開示されている。具体的には、16−メルカプトヘキサデカノールの層が金膜に結合することでバリアー層を形成する。この金膜上でバリアー層のヒドロキシル基はエピクロロヒドリンで処理することによりエポキシ活性化される。次の段階でデキストランをエーテル結合を介してバリアー層に付着させる。次にデキストランマトリックスに対してブロモ酢酸を反応させることで、カルボキシメチル基を導入する。
この方法に基づき製造されたカルボキシメチル変性デキストラン表面にアミノ基を有する生理活性物質(例えばタンパク質やアミノ酸)を固定化するための手法としては、以下のような手法が開示されている。すなわち、カルボキシメチル変性デキストランにおけるカルボキシル基の一部を反応性エステル機能を生ずるように例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド(EDC)塩酸の水溶液で処理することにより変性される。残留電荷すなわち未反応カルボキシル基は、生理活性物質の検出表面への濃縮の遂行に寄与するであろう。このような検出表面に対し、アミノ基を含む生理活性物質(タンパク質やアミノ酸)の水溶液を接触させることで、アミノ基を含む生理活性物質をデキストランマトリックスに共有結合により結合させることができる。
上記した方法により製造されたヒドロゲルは、アミノ基を含む生理活性物質を3次元的に固定化可能であるため、バイオセンサーの検出表面として優れた性能を示す。しかし、上記した方法によるヒドロゲルの製造法は煩雑であり、製造時間が長く、エピクロロヒドリンやブロモ酢酸といった化合物を用いることが必要であるため、安全性の面で問題があった。
特許第2815120号
本発明は上記した従来技術の問題を解消することを解決すべき課題とした。即ち本発明は、生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを、安全な原料を用いて簡便に製法することができるバイオセンサー及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、水溶性接着剤として用いられているアセトアセチル基含有水溶性高分子を、生理活性物質のアミノ基、アルデヒド基又はヒドラジド基と反応できる反応性官能基を有する親水性高分子として、バイオセンサーの検出表面用のヒドロゲルとして応用することにより、生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを簡便に製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、表面に金属層を有し、該金属層に、直接又は中間層を介して、生理活性物質のアミノ基、アルデヒド基、ヒドラジド基と反応できるアセトアセチル基含有水溶性高分子が結合している基板から成るバイオセンサーが提供される。
好ましくは、アセトアセチル基含有水溶性高分子がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコールである。
好ましくは、本発明のバイオセンサーは、末端に反応性基を有するアルカンチオール又はその酸化体であるジスルフィドを用いて金属表面に密な層を形成させた後、アルカンチオール末端の反応性基と、アセトアセチル基含有水溶性高分子とを反応させることにより得られる。
好ましくは、アセトアセチル基をアミノ酸と反応させることによりカルボン酸が導入されている。
好ましくは、中間層の膜厚は0.1nm以上500nm以下である。
好ましくは、金属は金、銀、銅、白金またはアルミニウムのいずれかである。
好ましくは、本発明のバイオセンサーは非電気化学的検出に使用され、さらに好ましくは表面プラズモン共鳴分析に使用される。
本発明の別の側面によれば、表面に金属層を有する基板の表面に、直接又は中間層を介して、アセトアセチル基含有水溶性高分子を化学的に結合する工程を含む、上記した本発明のバイオセンサーの製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、アセトアセチル基あるいはアセトアセチル基をアミノ酸と反応させることにより導入されたカルボン酸に生理活性物質が共有結合により結合している、本発明のバイオセンサーが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のバイオセンサーと生理活性物質とを接触させて、該バイオセンサーの表面に該生理活性物質を結合させる工程を含む、バイオセンサーに生理活性物質を固定化する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、生理活性物質が共有結合により表面に結合している本発明のバイオセンサーと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法が提供される。
好ましくは、生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定し、さらに好ましくは生理活性物質と相互作用する物質を表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する。
本発明によれば、生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを、安全な原料を用いて簡便に製法することができるバイオセンサー及びその製造方法を提供することが可能になった。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のバイオセンサーは、表面に金属層を有し、該金属層に、直接又は中間層を介して、アセトアセチル基含有水溶性高分子が結合している基板から成ることを特徴とする。
以下、本発明に用いることができるアセトアセチル基含有水溶性高分子について説明する。アセトアセチル基含有水溶性高分子は、複数のアルデヒド基、アミノ基、ヒドラジド基などを有する架橋剤と、室温で反応して硬化する性質がある。それゆえ、基材の一面にアセトアセチル基含有水溶性高分子を、他の基材の一面に架橋剤を塗付し、その両面を押付けることで、2つの基材を瞬間的に接着することが可能となる。また、アセトアセチル基含有水溶性高分子の水溶液に架橋剤を添加混合することにより、含水率が極めて大きく壊れにくいゲルを室温で容易に得ることが可能となる。このように、アセトアセチル基含有水溶性高分子は、水溶性接着剤として極めて優れた性質を有していることが、特開平5-112771、特開平5-156220、特開2002-285117等に開示されている。
アセトアセチル基含有水溶性高分子の製造法を説明する。アセトアセチル基含有水溶性高分子の代表的な化合物であるアセトアセチル化ポリビニルアルコールを製造するための方法としては、酢酸中にポリビニルアルコール系樹脂を分散させた状態でジケテンガスを添加する方法、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどの溶媒にポリビニルアルコール系樹脂を溶解させた状態でジケテンガスを添加する方法、ポリビニルアルコール粉末とジケテンガスを直接反応させる方法、ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルを溶液中で反応させエステル交換する方法、などが知られている。本発明におけるアセトアセチル化ポリビニルアルコールは、例えば特開2002-285117に記載されている手法で合成することが可能であり、また、市販されているアセトアセチル化ポリビニルアルコール、たとえば日本合成化学工業(株)製ゴーセファイマーZ100、Z200、Z200H、Z210、Z320等を購入して用いることも可能である。
アセトアセチル基含有水溶性高分子は、アセトアセチル基含有モノマーを水溶性モノマーと共重合することによっても製造することができる。アセトアセチル基含有モノマーとしては、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルクロトナート、2−シアノアセトアセトキシエチルメタクリレート、N−(2−アセトキシエチル)アクリルアミド、N−(2−アセトキシアミノエチル)メタクリルアミド、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ビニルなどが挙げられる。これらのモノマーは、官能基含有エチレン系不飽和単量体とジケテンとの反応、該単量体にアセトアセトキシアルキルエステルをエステル交換反応等により製造される。本発明におけるアセトアセチル化水溶性高分子は、例えば特許2777732号に記載されている手法で合成することが可能である。
本発明において、アセトアセチル基含有水溶性高分子は、アセトアセチル基含有モノマー以外に、様々なモノマーとの共重合体を用いることが可能である。このような共重合モノマー単位として、以下のようなモノマーが挙げられる。
アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステル類:例えば、アクリル酸、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、CH2=CHCOO(CH2CH2O)nR(Rは、水素原子、アルキル基、nは1以上の整数)、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレート等、
エチレン性不飽和カルボン酸のアミド類:アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(もしくはその塩)等、
芳香族単量体:スチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、p−ビニル安息香酸、ビニルナフタレン等、
その他のビニル単量体:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、トリフロロエチレン、トリフロロクロロエチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルアルコール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
本発明においてアセトアセチル基含有親水性高分子は、バイオセンサー表面に固定化されヒドロゲルを形成することを目的とする。それゆえ、反応性官能基以外に親水性基を有することが望ましい。親水性基として具体的には、水酸基・エチレングリコール基がごときノニオン性基、スルホン酸基・カルボン酸・リン酸基がごときアニオン性基、4級アンモニウム基・ピリジニウム基がごときカチオン性基、ホスホリルコリン基がごとき両性イオン基が挙げられる。
本発明において、親水性基を有するモノマー単位として、以下のようなモノマーが挙げられる。
ノニオン性基を有するモノマー:2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、β−ヒドロキシエチル−β′−アクリロイルオキシエチルフタレート、1,4−ブチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシスチレン、アリルアルコール、メタアリルアルコール、イソプロペニルアルコール、1−ブテニルアルコール等。
アニオン性基を有するモノマー:ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−(ホスホノエチルオキシ)エチルメタクリレート等。
カチオン性基を有するモノマー:[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、 [2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド等、
両性イオン基を有するモノマー: [2−(メタクリロイルオキシ)エチル] ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド 、2−[(メタクリロイルオキシ)エチル]ホスホリルコリン等。
アセトアセチル基含有水溶性高分子にカチオン性基あるいはアニオン性基を導入することにより、静電相互作用を用いて、反対電荷を有する生理活性物質を検出表面へと濃縮することが可能となる。例えば、等電点より高いpHの緩衝液に溶解されたタンパク質の場合、カチオン性基を有するアセトアセチル基含有親水性高分子が結合したヒドロゲル表面に静電的に濃縮されるため、効率的に反応性官能基と結合させることが可能となる。一方、等電点より低いpHの緩衝液に溶解されたタンパク質の場合、アニオン性基を有するアセトアセチル基含有水溶性高分子が結合したヒドロゲル表面に静電的に濃縮されるため、効率的にアセトアセチル基あるいはアセトアセチル基をアミノ酸と反応させることにより導入されたカルボン酸と結合させることが可能となる。
本発明において、バインディングマトリックスであるアセトアセチル基含有水溶性高分子と金属表面との結合法については、公知の手法を用いることが可能である。本明細書中に以下に説明するような疎水性ポリマーを介してバインディングマトリックスを金属表面に結合する方法(特開2004−271514号公報、特願2004−225130号を参照))、特許文献1に開示されている、X−R−Y(Xは金属に結合し、Yはバインディングマトリックスと結合する)の密に詰め込まれた単層を介してバインディングマトリックスを金属表面に結合する方法、などを適用することができる。好ましくは、末端に反応性基を有するアルカンチオール(あるいはその酸化体であるジスルフィド)を用いて金属表面に密な層を形成させた後、アルカンチオール末端の反応性基とアセトアセチル基含有水溶性高分子を反応させる結合法である。
本発明におけるバイオセンサー表面に対し生理活性物質を接触させることにより、アセトアセチル基と生理活性物質が共有結合するため、バイオセンサーに生理活性物質を固定化することが可能となる。また、バイオセンサー表面に対しアミノ酸溶液を接触させることにより、アセトアセチル基含有水溶性高分子の反応性官能基とアミノ酸のアミノ基が反応するため、結果的に反応性官能基がカルボン酸に変換される。カルボン酸を有するバイオセンサー表面は、公知の方法、例えば、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)により活性化され、アミノ基を有する生理活性物質を固定化することが可能となる。カルボン酸を活性化する手法としては、特願2004−238396号に記載の方法(即ち、基板の表面に存在するカルボキシル基を特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する方法)、並びに特願2004−275012号に記載の方法(即ち、基板の表面に存在するカルボキシル基を、カルボジイミド誘導体又はその塩で活性化し、水酸基を有する含窒素ヘテロ芳香族化合物、電子吸引性基を有するフェノール誘導体又はチオール基を有する芳香族化合物のいずれかの化合物でエステルとした後に、アミンと反応させることによりカルボン酸アミド基を形成する方法)を好ましく用いることもできる。
本発明で言うバイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を基板に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
本発明のバイオセンサーでは、金属表面又は金属膜を基板として用いることができる。金属表面あるいは金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、0.1nm以上500nm以下であるのが好ましく、特に1nm以上200nm以下であるのが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であるのが好ましい。
金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。
金属膜は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。本発明で使用することができる基板としては例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
本発明において、アセトアセチル基含有水溶性高分子は、金属層に、直接又は中間層を介して結合している。中間層としては、疎水性高分子化合物又は自己組織化膜から成る層などを使用することができる。以下、疎水性高分子化合物、及び自己組織化膜について説明する。
本発明で用いる疎水性高分子化合物は、吸水性を有しない高分子化合物であり、水への溶解度(25℃)が10%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
疎水性高分子化合物を形成する疎水性単量体としては、ビニルエステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等から任意に選ぶことができる。疎水性高分子化合物としては、1種類のモノマーから成るホモポリマーでも、2種類以上のモノマーから成るコポリマーでもよい。
本発明で好ましく用いられる疎水性高分子化合物としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。
疎水性高分子化合物の基板へのコーティングは常法によって行うことができ、例えば、スピン塗布、エアナイフ塗布、バー塗布、ブレード塗布、スライド塗布、カーテン塗布、さらにはスプレー法、蒸着法、キャスト法、浸漬法等によって行うことができる。
浸漬法は、基板を疎水性高分子化合物溶液に接触させた後に、前記疎水性高分子化合物溶液を含まない液に接触させる方法でコーティングを行う。好ましくは、疎水性高分子化合物溶液の溶剤と疎水性高分子化合物を含まない液の溶剤とは、同一の溶剤である。
浸漬法では、疎水性高分子化合物のコーティング用溶剤を適切に選択することで、基板の凹凸、曲率、形状などに依らず基板表面に均一なコーティング厚みの疎水性高分子化合物層が得られる。
浸漬法のコーティング用溶剤は特に限定されず、疎水性高分子化合物の一部を溶解すれものであれば任意の溶剤を用いることができる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等のホルムアミド系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、フェノキシエタノール等のアルコール系溶剤、2−ブタノン等のケトン系溶剤、トルエン等のベンゼン系溶剤などを使用することができるが、これらに限定されない。
基板に接触させる疎水性高分子化合物の溶液は、疎水性高分子化合物が完全に溶解しても、疎水性高分子化合物の不溶解成分を含む懸濁液でもよい。液温は、疎水性高分子化合物の一部が溶解する液体状態であれば特に制限はないが、−20℃以上100℃以下が好ましい。基板を疎水性高分子化合物の溶液に接触させている間に液温を変動させても良い。溶液の疎水性高分子化合物濃度に特に制限はないが、好ましくは0.01%以上30%以下、さらに好ましくは0.1%以上10%以下である。
固体基板を疎水性高分子化合物溶液に接触させる時間は特に制限されないが、好ましくは1秒以上24時間以下、さらに好ましくは3秒以上1時間以下である。
疎水性高分子化合物を含まない液としては、溶剤自身のSP値(単位:(J/cm3)1/2)と疎水性高分子化合物のSP値との差が、1以上20以下であることが好ましく、3以上15以下であることがさらに好ましい。SP値は、分子間の凝集エネルギー密度の平方根で表され、溶解度パラメーターとも呼ばれる。本発明では、SP値δは下記式で算出した。各官能基の凝集エネルギーEcohとモル容積Vは、Fedorsが規定した値を使用した(R.F.Fedors、Polym.Eng.Sci.、14(2)、P147、P472(1974))。
δ=(ΣEcoh/ΣV)1/2
例として、疎水性高分子化合物および溶剤のSP値を挙げると、ポリメチルメタクリレート-ポリスチレンコポリマー(1:1):21.0に対する溶剤2−フェノキシエタノール:25.3、ポリメチルメタクリレート:20.3に対する溶剤アセトニトリル:22.9、ポリスチレン:21.6に対する溶剤トルエン:18.7である。
基板を、疎水性高分子化合物を含まない液に接触させる時間は特に制限されないが、好ましくは1秒以上24時間以下、さらに好ましくは3秒以上1時間以下である。液温は、溶剤が液体状態であれば特に制限はないが、−20℃以上100℃以下が好ましい。基板を溶剤に接触させている間に液温を変動させてもよい。揮発させにくい溶剤を使用する場合、溶剤を除去する目的で、該溶媒に接触させた後、互いに溶解する揮発性溶剤で置換してもよい。
疎水性高分子化合物のコーティング厚さは特に限定されないが、好ましくは0.1nm以上500nm以下であり、特に好ましくは1nm以上300nm以下である。
次に、自己組織化膜について説明する。チオールやジスルフィド類などの硫黄化合物は金等の貴金属基板上に自発的に吸着し単分子サイズの超薄膜を与える。またその集合体は基板の結晶格子や吸着分子の分子構造に依存した配列を示すことから自己組織化膜と呼ばれている。本発明では、例えば、自己組織化化合物として、7−カルボキシ−1−ヘプタンチオール、10-カルボキシ-1-デカンチオール、4,4'-ジチオジブチリックアシッド、11-ヒドロキシ-1-ウンデカンチオール、11-アミノ-1-ウンデカンチオールなどを使用することができる。
本発明のバイオセンサーにおいては、基板の最表面に生理活性物質を固定化することができる官能基を有することが好ましい。ここで言う「基板の最表面」とは、「基板から最も遠い側」という意味であり、さらに具体的には、「基板上にコーティングした化合物中の基板から最も遠い側」という意味である。
上記のようにして得られたセンサー用基板は、上記の一般式(A)中の官能基であるYを介して生理活性物質を共有結合させることによって、金属表面又は金属膜に生理活性物質を固定化することができる。
本発明のセンサー用基板に固定される生理活性物質としては、測定対象物と相互作用するものであれば特に限定されず、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。
免疫蛋白質としては、測定対象物を抗原とする抗体やハプテンなどを例示することができる。抗体としては、種々の免疫グロブリン、即ちIgG、IgM、IgA、IgE、IgDを使用することができる。具体的には、測定対象物がヒト血清アルブミンであれば、抗体として抗ヒト血清アルブミン抗体を使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を抗原とする場合には、例えば抗アトラジン抗体、抗カナマイシン抗体、抗メタンフェタミン抗体、あるいは病原性大腸菌の中でO抗原26、86、55、111 、157 などに対する抗体等を使用することができる。
酵素としては、測定対象物又は測定対象物から代謝される物質に対して活性を示すものであれば、特に限定されることなく、種々の酵素、例えば酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素、脱離酵素、合成酵素等を使用することができる。具体的には、測定対象物がグルコースであれば、グルコースオキシダーゼを、測定対象物がコレステロールであれば、コレステロールオキシダーゼを使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を測定対象物とする場合には、それらから代謝される物質と特異的反応を示す、例えばアセチルコリンエステラーゼ、カテコールアミンエステラーゼ、ノルアドレナリンエステラーゼ、ドーパミンエステラーゼ等の酵素を使用することができる。
微生物としては、特に限定されることなく、大腸菌をはじめとする種々の微生物を使用することができる。
核酸としては、測定の対象とする核酸と相補的にハイブリダイズするものを使用することができる。核酸は、DNA(cDNAを含む)、RNAのいずれも使用できる。DNAの種類は特に限定されず、天然由来のDNA、遺伝子組換え技術により調製した組換えDNA、又は化学合成DNAの何れでもよい。
低分子有機化合物としては通常の有機化学合成の方法で合成することができる任意の化合物が挙げられる。
非免疫蛋白質としては、特に限定されることなく、例えばアビジン(ストレプトアビジン)、ビオチン又はレセプターなどを使用できる。
免疫グロブリン結合性蛋白質としては、例えばプロテインAあるいはプロテインG、リウマチ因子(RF)等を使用することができる。
糖結合性蛋白質としては、レクチン等が挙げられる。
脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリン酸エチル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸エチル等が挙げられる。
上記のようにして生理活性物質を固定化したバイオセンサーは、当該生理活性物質と相互作用する物質の検出及び/又は測定のために使用することができる。
本発明では、センサー用基板に固定化されている生理活性物質と被験物質との相互作用を非電気化学的方法により検出及び/又は測定することが好ましい。非電気化学的方法としては、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術などが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明のバイオセンサーは、例えば、透明基板上に配置される金属膜を備えていることを特徴とする表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとして用いることができる。
表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとは、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるバイオセンサーであって、該センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材を言い、該センサーの本体に固着されるものであってもよく、また脱着可能なものであってもよい。
表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモン測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角で入射させると、該金属膜に接している被測定物質中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と被測定物質との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角、すなわち全反射減衰角(θSP)より表面プラズモンの波数が分かると、被測定物質の誘電率が求められる。この種の表面プラズモン測定装置においては、全反射減衰角(θSP)を精度良く、しかも大きなダイナミックレンジで測定することを目的として、特開平11−326194号公報に示されるように、アレイ状の光検出手段を用いることが考えられている。この光検出手段は、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものである。
そしてその場合は、上記アレイ状の光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の配設方向に関して微分する微分手段が設けられ、この微分手段が出力する微分値に基づいて全反射減衰角(θSP)を特定し、被測定物質の屈折率に関連する特性を求めることが多い。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の被測定物質の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、被測定物質の屈折率や、それに関連する被測定物質の特性を分析することができる。
なおこの漏洩モード測定装置においても、全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出するために、前述したアレイ状の光検出手段を用いることができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用されることも多い。
また、上述した表面プラズモン測定装置や漏洩モード測定装置は、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモン測定装置の場合は金属膜であり、漏洩モード測定装置の場合はクラッド層および光導波層)上に上記被測定物質としてセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体が溶媒に溶かされた試料液を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角(θSP)の角度を測定している。
試料液中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角(θSP)を測定し、該全反射減衰角(θSP)の角度に変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合状態を測定し、その結果に基づいて被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体、あるいは抗体と抗体が挙げられる。具体的には、ウサギ抗ヒトIgG抗体をセンシング物質として薄膜層の表面に固定し、ヒトIgG抗体を特定物質として用いることができる。
なお、被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、全反射減衰(θSP)の角度そのものを必ずしも検出する必要はない。例えばセンシング物質に試料液を添加し、その後の全反射減衰角(θSP)の角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。前述したアレイ状の光検出手段と微分手段を全反射減衰を利用した測定装置に適用する場合であれば、微分値の変化量は、全反射減衰角(θSP)の角度変化量を反映しているため、微分値の変化量に基づいて、センシング物質と被検体との結合状態を測定することができる(本出願人による特願2000−398309号参照)。このような全反射減衰を利用した測定方法および装置においては、底面に予め成された薄膜層上にセンシング物質が固定されたカップ状あるいはシャーレ状の測定チップに、溶媒と被検体からなる試料液を滴下供給して、上述した全反射減衰角(θSP)の角度変化量の測定を行っている。
さらに、ターンテーブル等に搭載された複数個の測定チップの測定を順次行うことにより、多数の試料についての測定を短時間で行うことができる全反射減衰を利用した測定装置が、特開2001−330560号公報に記載されている。
本発明のバイオセンサーを表面プラズモン共鳴分析に使用する場合、上記したような各種の表面プラズモン測定装置の一部として適用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:
本実施例は、アセトアセチル基含有水溶性高分子を用いたセンサーチップの製造方法である。
(1)金表面基板の作製
縦8mm×横80mm×厚さ0.5mmのガラス基板に、平行平板型6インチ用スパッタ装置(アルバック(株)社製SH−550)を用いて基板上にクロムの厚さが1nm、
さらにクロム上に金の厚さが50nmになるようにスパッタ製膜を行った。この基板をModel-208UV-オゾンクリーニングシステム(TECHNOVISION INC.)で30分処理し、金表面基板を作製した。
(2)試料1(比較例)の作成
特許文献1に記載の方法を応用して、金表面にヒドロゲルを作成した。(1)で作成した金表面基板をペトリ皿(内径16cm)中に置いた。5.0mMの11−ヒドロキシウンデカンチオール(同仁化学製)を溶解したエタノール/水(80/20)を表面に注いだ。ペトリ皿を40℃の振盪インキュベーターで20分間インキュベートした。表面を5×50mlの水、50mlのエタノール/水(80/20)、及び5×50mlの水で洗浄した。さらに、20mlの0.4M水酸化ナトリウム及び20mlのジエチレングリコールジメチルエーテル中2.0mlのエピクロロヒドリンの溶液に接触させた。25℃の振盪インキュベーター中で4時間反応を進行させた。表面を2×50mlのエタノール及び5×50mlの水で洗浄した。40.5mlの水に13.5gのデキストラン(T500,Pharmacia)を溶解し、4.5mlの1M水酸化ナトリウムを添加した溶液をエピクロロヒドリン処理表面上に注いだ。次に25℃の振盪インキュベーターで20時間インキュベートした後、表面を15×50mlの50℃の水で洗浄した。ブロモ酢酸3.5gを27gの2M水酸化ナトリウム溶液に溶解し、デキストラン処理表面に注ぎ、28℃の振盪インキュベーターで16時間インキュベートした後、水洗した。さらにもう一度、上記のブロモ酢酸溶液による反応・28℃16時間インキュベート・水洗を繰り返すことで、試料1を得た。
(3)試料2の作成
(1)で作成した金表面基板をペトリ皿(内径16cm)中に置いた。4.0mMの8−ヒドロキシオクタンチオール(同仁化学製)および1.0mMの11−アミノウンデカンチオール(同仁化学製)を溶解したエタノール/水(80/20)を表面に注ぎ、ペトリ皿を40℃の振盪インキュベーターで20分間インキュベートした。表面を5×50mlの水、50mlのエタノール/水(80/20)、及び5×50mlの水で洗浄した。アセトアセチル化ポリビニルアルコールであるゴーセファイマーZ200H(日本合成化学(株)社製)を10質量%溶解したアルカリ溶液(pH10.0、NaOHにより調整)を表面に注ぎ、ペトリ皿を60℃の振盪インキュベーターで16時間インキュベートした。表面を5×50mlの水で洗浄することで、試料2を得た。
(5)試料3の作成
1Mのグリシン水溶液(pH8.5、NaOHによりpH調整)を、試料2と同様の操作で得られた表面に注ぎ、ペトリ皿を60℃の振盪インキュベーターで16時間インキュベートした。表面を5×50mlの水で洗浄することで、試料3を得た。
(7)試料4の作成
1Mの5−アミノ吉草酸水溶液(pH8.5、NaOHによりpH調整)を、試料2と同様の操作で得られた表面に注ぎ、ペトリ皿を60℃の振盪インキュベーターで16時間インキュベートした。表面を5×50mlの水で洗浄することで、試料4を得た。
実施例2
本実施例は、実施例1で得られたセンサーチップに対するニュートラルアビジン(PIERCE製)の固定化に関するものである。
実施例1で製造されたセンサーチップ1、3、4に対し、0.4MのEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)および0.1MのNHS (N-Hydroxysuccinimide)を含む水溶液を30分接触させ、次にHBS-Nバッファー(ビアコア社製、pH7.4)で洗浄した。なお、HBS-Nバッファーの組成は、HEPES(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic Acid)0.01mol/l(pH7.4)、NaCl 0.15mol/lである。次にセンサーチップ1〜4を本発明の表面プラズモン共鳴装置に設置した。センサーチップをセットする位置は、レーザー光の当たる中心位置が縦方向は中央に、横方向は端部から40mmの位置にセットした。チップ上にはポリプロピレン製の部材を被せることにより、幅(縦方向)1mm、長さ(横方法)7.5mm、深さ1mmのセルを作成した。セル内をニュートラルアビジン溶液(100μg/ml、HBS-Nバッファー)に置換し、30分静置後、HBS-Nバッファーに置換した。以上の操作により、N-アビジンをセンサーチップ表面に共有結合で固定化した。NHSエステル化されたセンサーチップ1について、ニュートラルアビジンの添加前と添加後HBS-Nバッファー置換終了から3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量を結合量の基準として、センサーチップ2〜4のニュートラルアビジンの添加前と添加後HBS-Nバッファー置換終了から3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量(すなわちニュートラルアビジンの結合量)を、相対値で評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例3
本実施例は、実施例2で得られたニュートラルアビジンが固定化されたセンサーチップ1〜4と、D-ビオチン(ナカライテスク製)との相互作用測定に関するものである。
実施例2の測定後、セル内をエタノールアミン・HCl溶液(1M、pH8.5)に置換し、ニュートラルアビジンと反応せずに残存した、活性化されたCOOH基をブロックした。次に、セル内をD-ビオチン(1μg/ml、HBS-Nバッファー)に置換し、10分間静置後、HBS-Nバッファーに置換した。
センサーチップ1について、D-ビオチンの添加前と洗浄実施の3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量を結合量の基準として、センサーチップ2〜4のD-ビオチンの添加前と洗浄実施の3分後の共鳴シグナル(RU値)変化量(すなわちD-ビオチンの結合量)を、相対値で評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006266746
本実施例により、末端にアミノ基を有するアルカンチオールと末端に水酸基を有するアルカンチオールを用いて金属表面に密な層を形成させた後、アミノ基とアセトアセチル基含有水溶性高分子とを反応させるという極めて簡便、かつ、安全性に不安のあるエピクロロヒドリンやブロモ酢酸を用いることなく、N-アビジンを固定化可能なセンサーチップ2が得られることが証明された。さらに本センサーチップ表面の反応性官能基とアミノ酸を反応させ、EDC/NHSにより活性化することで、N-アビジンの固定量を増加させうることが証明された(センサーチップ3,4)。アミノ酸としてグリシンを用いた場合(センサーチップ3)よりも、アミノ酸として5-アミノ吉草酸を用いた場合(センサーチップ4)を用いた方が、N-アビジンの固定量を増加効果が高く、比較例1(センサーチップ1)よりも多くのN-アビジンを固定化可能であることが証明された。
これらの、N-アビジンを固定化したセンサーチップに対するD-ビオチンの結合量は、N-アビジンの固定量とほぼ比例したものであることから、本発明で得られたセンサーチップに固定化されたタンパク質は、低分子化合物に対する結合能を維持していることが証明された。

Claims (14)

  1. 表面に金属層を有し、該金属層に、直接又は中間層を介して、アセトアセチル基含有親水性高分子が結合している基板から成るバイオセンサー。
  2. アセトアセチル基含有親水性高分子がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコールである、請求項1に記載のバイオセンサー。
  3. 末端に反応性基を有するアルカンチオール又はその酸化体であるジスルフィドを用いて金属表面に密な層を形成させた後、アルカンチオール末端の反応性基と、アセトアセチル基含有水溶性高分子とを反応させることにより得られる、請求項1又は2に記載のバイオセンサー。
  4. アセトアセチル基をアミノ酸と反応させることによりカルボン酸が導入されている、請求項1から3の何れかに記載のバイオセンサー。
  5. 中間層の膜厚が0.1nm以上500nm以下である、請求項1から4の何れかに記載のバイオセンサー。
  6. 金属が金、銀、銅、白金またはアルミニウムのいずれかである、請求項1から5の何れかに記載のバイオセンサー。
  7. 非電気化学的検出に使用される、請求項1から6の何れかに記載のバイオセンサー。
  8. 表面プラズモン共鳴分析に使用される、請求項1から7の何れかに記載のバイオセンサー。
  9. 表面に金属層を有する基板の表面に、直接又は中間層を介して、アセトアセチル基含有水溶性高分子を化学的に結合する工程を含む、請求項1から8の何れかに記載のバイオセンサーの製造方法。
  10. アセトアセチル基あるいはアセトアセチル基をアミノ酸と反応させることにより導入されたカルボン酸に生理活性物質が共有結合により結合している、請求項1から8の何れかに記載のバイオセンサー。
  11. 請求項1から8の何れかに記載のバイオセンサーと生理活性物質とを接触させて、該バイオセンサーの表面に該生理活性物質を結合させる工程を含む、バイオセンサーに生理活性物質を固定化する方法。
  12. 生理活性物質が共有結合により表面に結合している請求項1から8の何れかに記載のバイオセンサーと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法。
  13. 生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定する、請求項12に記載の方法。
  14. 生理活性物質と相互作用する物質を表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する、請求項12又は13に記載の方法。

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