JP2010519959A5 - - Google Patents

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適合した力学的性質を有する骨セメント
(関連出願)
この特許出願は、2007年3月2日に出願された、「PMMA CEMENT WITH ADAPTED MECHANICAL PROPERTIES」という表題の米国仮特許出願第60/904,673号の優先権の利益、および、2007年8月31日に出願された、「PMMA CEMENT WITH ADAPTED MECHANICAL PROPERTIES」という表題の米国仮特許出願第60/967,052号に対する優先権の利益を主張する。上記出願は、本明細書中で参考として援用される。
骨粗鬆症患者における脊椎圧迫骨折は、代表的には、椎体形成術(vertebroplasty)として知られる外科手法により処置される。この手法において、骨折した椎体は骨セメントを用いて増強される。骨セメントは、椎体中へ注入された際、重合し、固まり、折れた箇所を安定化する。患者への疼痛緩和は、通常速やかであり、椎体形成術の手法は、高い成功率により特徴付けられる。
代表的には、骨セメントは、注入前に、骨セメント粉末(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、液体モノマー(例えば、メチルメタクリレートモノマー(MMA))、X線造影剤(例えば、硫酸バリウム)、および重合反応活性化剤(例えば、N,N−ジメチル−p−トルイジン)を混合することによりすぐに調製され、流体混合物を形成する。他の添加剤(限定はされないが、安定剤、薬物、充填剤、染料、および繊維が挙げられる)もまた、骨セメント中に含まれ得る。上記成分は、混合されて反応し、直ちに重合を引き起こすので、骨セメントの成分は、使用者が所望される骨セメントを形成する用意ができるまで、互いに別々にされなければならない。一度混合されると、骨セメントは準備ができた状態であり、急速に固まるので、使用者は非常に迅速に作業しなければならない。
骨セメント組成物および/またはそれらの使用の他の例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16において考察される。これらの文献の開示は、本明細書中で参考として援用される。
代表的なPMMA骨セメントの弾性率は、約2GPa〜約4GPaである一方、骨粗鬆症の海綿質骨の弾性率は、0.1GPa〜0.5GPaの範囲である。剛性におけるこのミスマッチは、一般的に、増強された椎体に隣接する椎体の、その後の骨折を促進すると理解される。
米国特許第7,138,442号明細書 米国特許第7,160,932号明細書 米国特許第7,014,633号明細書 米国特許第6,752,863号明細書 米国特許第6,020,396号明細書 米国特許第5,902,839号明細書 米国特許第4,910,259号明細書 米国特許第5,276,070号明細書 米国特許第5,795,922号明細書 米国特許第5,650,108号明細書 米国特許第6,984,063号明細書 米国特許第4,588,583号明細書 米国特許第4,902,728号明細書 米国特許第5,797,873号明細書 米国特許第6,160,033号明細書 欧州特許出願公開第0701824号明細書
したがって、本発明の目的は、周囲の骨の剛性に適応する、剛性を減少させた骨セメントを得ることである。これは、椎体の増強後の、隣接する椎体の骨折のリスクを減らすための効率的な方法であると考えられる。
重合の際、PMMA中へ非混和性の相(例えば、水性成分)を導入することによる剛性の減少は周知であり、今までに記載されてきている。剛性の減少は、減少した剛性を有するマクロ孔質(macroporous)構造を引き起こす。
(発明の概要)
本発明は、モノマー、および、実質的にモノマーと混和性であり、実質的に重合反応に対して寄与しない物質を含む骨セメントに関する。本発明の1つの実施形態において、上記物質はN−メチル−ピロリドンである。別の実施形態において、上記物質はジメチルスルホキシド(DMSO)である。別の実施形態において、上記物質はポリエチレングリコリド(PEG)である。別の実施形態において、上記物質はセルロースおよびセルロース誘導体である。別の実施形態において、上記物質は、上述の物質または他の類似物質の、混合物または混和物である。別の実施形態において、上記物質は、骨セメントの架橋密度を減少させる。別の実施形態において、上記物質は、骨セメント中にマクロ孔質構造を作り出す。別の実施形態において、骨セメントはモノマーの重合体をさらに含む。別の実施形態において、重合の際、モノマーの一部が上記物質で置換される。別の実施形態において、上記物質によるモノマーの置換は、骨セメントの剛性を減少させる。
本発明はまた、メチルメタクリレートおよびN−メチルピロリドンを含む骨セメントに関する。本発明の1つの実施形態において、NMP、DMSO、PEG、または他の類似物質で置換される、メチルメタクリレートの容量パーセントは、20%〜60%の範囲である。1つの具体的な例としては、25%容量パーセントの置換が挙げられる。MMAのその容量分が、上述の純粋な物質の内の1つか、または、これらの物質の混合物のいずれかにより、置換され得る。本発明の別の実施形態において、骨セメントの剛性は、約100MPaから約2000MPaの間である。本発明の別の実施形態において、骨セメントの剛性は、約100MPaから約1500MPaの間である。本発明の別の実施形態において、骨セメントの剛性は、約500MPaから約1200MPaの間である。本発明の別の実施形態において、骨セメントの降伏強度は、約30MPa〜約100MPaである。本発明の別の実施形態において、骨セメントの降伏強度は、約30MPa〜約80MPaである。
0MPa〜約100MPaである。本発明の別の実施形態において、骨セメントの降伏強度は、約30MPa〜約80MPaである。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
モノマー;および、物質
を含み、ここで、該物質は実質的に該モノマーと混和性であり、該物質は実質的に重合反応に寄与しない、骨セメント。
(項目2)
上記物質がN−メチルピロリドンである、項目1に記載の骨セメント。
(項目3)
上記物質がジメチルスルホキシド(DMSO)である、項目1に記載の骨セメント。
(項目4)
上記物質がポリエチレングリコリド(PEG)である、項目1に記載の骨セメント。
(項目5)
上記物質がセルロースまたはセルロース誘導体である、項目1に記載の骨セメント。
(項目6)
上記物質がN−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ポリエチレングリコリド(PEG)、セルロース、および、セルロース誘導体からなる群から選択される物質の混合物または混和物を含む物質である、項目1に記載の骨セメント。
(項目7)
上記物質が上記骨セメントの架橋密度を減少させる、項目1に記載の骨セメント。
(項目8)
上記物質が上記骨セメント中にマクロ孔質構造を作り出す、項目1に記載の骨セメント。(項目9)
上記物質による上記モノマーの置換が、上記骨セメントの剛性の減少をもたらす、項目1に記載の骨セメント。
(項目10)
メチルメタクリレートモノマーとメチルメタクリレート重合化剤との重合反応を改変するために、
ある量の該メチルメタクリレートモノマー;
該メチルメタクリレート重合化剤;および
N−メチルピロリドン
を含み、ここで、ある量のN−メチルピロリドンが、骨の弾性率に適合するように骨セメントの弾性率を改変するために選択される、骨セメント。
(項目11)
上記N−メチルピロリドンが、全液体成分量の20%より多い量で含まれる、項目10に記載の骨セメント。
(項目12)
上記N−メチルピロリドンが、全液体成分量の20%と60%の間の量で含まれる、項目10に記載の骨セメント。
(項目13)
上記N−メチルピロリドンが、全液体成分量の20%と45%の間の量で含まれる、項目10に記載の骨セメント。
(項目14)
上記N−メチルピロリドンが、全液体成分量の20%と30%の間の量で含まれる、項目10に記載の骨セメント。
(項目15)
上記N−メチルピロリドンの量が、全液体成分量の約25%の量で含まれる、項目10に記載の骨セメント。
(項目16)
上記骨セメントの弾性率が50MPaと2000MPaの間である、項目10に記載の骨セメント。
(項目17)
上記骨セメントの弾性率が300MPaと1500MPaの間である、項目10に記載の骨セメント。
(項目18)
上記骨セメントの弾性率が500MPaと1200MPaの間である、項目10に記載の骨セメント。
(項目19)
上記骨セメントの弾性率が100MPaと1000MPaの間である、項目10に記載の骨セメント。
(項目20)
上記骨セメントの降伏強度が30MPaと100MPaの間である、項目10に記載の骨セメント。
(項目21)
上記骨セメントの降伏強度が40MPaと80MPaの間である、項目10に記載の骨セメント。
(項目22)
骨粗鬆症の骨、近位大腿骨、近位上腕骨、他の長骨、または、椎体における使用に対して適応した力学的性質を有する、上記の項目のいずれかに記載の骨セメント。
(項目23)
骨セメントを形成する方法であって、以下:
モノマーと重合化剤を混合することを含む、流相を形成する工程;
該流相へ粉末相を加える工程;
骨の力学的性質を確認する工程;および
該流相へ混和性物質を加えて、該骨の力学的性質に実質的に適合するように硬化骨セメントの力学的性質を改変する工程、を包含する方法。
(項目24)
上記流相へ放射線不透過剤を加える工程をさらに包含する、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記流相へ上記粉末相を加える工程が、該流相へポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末を加える工程を包含する、項目23に記載の方法。
(項目26)
上記流相へ上記粉末相を加える工程が、該流相へヒドロキシアパタイト粉末を加える工程を包含する、項目23に記載の方法。
(項目27)
上記流相へ上記混和性物質を加えて、上記硬化骨セメントの力学的性質を改変する工程が、該流相へ混和性物質を加えて、骨の弾性率に実質的に適合するように硬化骨セメントの弾性率を改変する工程を包含する、項目23に記載の方法。
(項目28)
上記流相へ上記混和性物質を加えて、上記硬化骨セメントの力学的性質を改変する工程が、該流相へ混和性物質を加え、骨の圧縮降伏応力に実質的に適合するか、または骨の圧縮降伏応力を超えるように、硬化骨セメントの圧縮降伏応力を改変する工程を包含する、項目23に記載の方法。
(項目29)
上記流相へ上記混和性物質を加えて、力学的性質を改変する工程が、架橋反応を阻害し、硬化骨セメントの力学的性質を改変する工程を包含する、項目23に記載の方法。
(項目30)
硬化後に上記混和性物質を水で置換し、上記硬化骨セメント中にミクロ細孔を形成し、硬化骨セメントの力学性質を改変する工程をさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目31)
上記モノマーを混合する工程が、メチルメタクリレート(MMA)モノマーを混合する工程を包含し、上記混和性物質を加える工程がN−メチルピロリドン(NMP)を加える工程を包含する、項目23に記載の方法。
(項目32)
上記モノマーを混合する工程が、メチルメタクリレート(MMA)モノマーを混合する工程を包含し、上記混和性物質を加える工程がジメチルスルホキシド(DMSO)を加える工程を包含する、項目23に記載の方法。
図1は、本発明の実施形態に従う、骨セメントの剛性および降伏強度を示すグラフである。 図2は、本発明の実施形態に従う、骨セメントの硬化の挙動を示すグラフである。
(詳細な説明)
本発明は、骨または骨粗鬆症の骨に適応する改善された力学的性質を有する、重合体骨セメントまたはその誘導体に関する。本発明の1つの実施形態において、重合体骨セメントは、PMMAである。改善された力学的性質は、PMMAと反応せず、完全に混和する溶媒を、反応性MMAモノマーへ加えることによって達成される。そうすることにより、材料の架橋密度および剛性が減少し得る。
本発明は、モノマーと完全に混和し、それゆえに、重合後、PMMA中に分子的に溶解する物質を用いることに基づく。しかし、その非反応性に起因して、この物質が、最終架橋密度の減少を引き起こし、そして/または、マクロ孔質構造を有する材料をもたらし、それゆえに材料の剛性が減少する。上記材料の注入および完全な重合後、架橋度の低い物質は、体液により徐々に置き換えられ得る。
この概念は、重合反応に寄与しないN−メチルピロリドン(NMP)で、異なる量の反応性モノマーを置換することによって、試された。その後の、この方法において産生されたPMMAサンプルの力学的試験は、いくつかの実施形態において、約50%を超える剛性の減少を示した。
上記の材料の剛性を下げる効果は、PMMAのモノマーと混和するが、重合反応に寄与しない任意の溶媒を用いて、得られ得る。そのような溶媒の別の例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。他の実施形態において、様々な他の溶媒もまた、想像され得る。別の実施形態において、PEG、セルロース、セルロース誘導体、またはこれらの混合物のような物質が加えられ得る。
さらには、本概念はPMMAセメントに限定されず、広範に種々のPMMA誘導体(例えば、スチレン基が重合体主鎖に組み入れられている改変)に適用され得る。また、同じ概念は、アクリレート化学に基づいていないセメントにも適用される。
上記のような材料、例えば、骨粗鬆症の骨に適応する力学的性質を有する材料は、骨(例えば、近位大腿骨、近位上腕骨、長骨、椎体など)が増強されることが必要とされる場合に、任意の適応症に使用され得る。
表1のデータに示されるように、NMPを含む本発明の実施形態による骨セメントは、NMP無しの骨セメントと比較するとき、剛性の減少を示す。この剛性の減少は、MMAモノマーの一部をNMPにより置換する結果として起きる。いくつかの実施形態によると、重合の間、反応性液体MMAモノマーの一部を非反応性有機溶媒NMPで置換することによって、最終材料の架橋密度が低下し、それゆえに、材料の剛性が減少した。他の実施形態において、このNMPは、孔形成相(pore forming phase)として作用し得、マクロ孔質構造を有する骨セメントをもたらし得る。これまでに考察された通り、剛性の減少は、椎体形成術の手法において、隣接する椎体の骨折のリスクを減少させるための効率的な方法である。
いくつかの実施形態において、NMPを含む骨セメントは、硬化時間の増加を示す。すなわち、骨セメントが用意され、固まるまでの時間が、NMP成分を有するセメントはより長い。いくつかの実施形態において、手作業時間の増加は、使用者がより長い時間作業することを可能にし、このことは外科手法の安全性を増加させ得る。
減少した剛性に加えて、上述の改変により影響を受ける別の性質は、PMMAの発熱性重合の重合温度の最大値である。代表的には、PMMAの重合は、十分な熱が発生し得、組織の壊死を引き起こす程に骨セメントの温度が上昇し得る。本発明の骨セメントは、重合反応中に熱を発生する成分であるモノマー(MMA)をより少ない量で含有するので、重合温度の最大値は低下し得る。本発明の骨セメントが使用される場合、組織の壊死が減少し得うるか、避けられ得るので、このことは、特に有利であり、特に熱に過敏な体の領域における骨セメントの使用を可能にする。例えば、骨の壊死、または他の組織の壊死は、骨セメントが硬膜と接触し得る、頭蓋骨再建術(cranial reconstruction)の間の、重大な問題であり得る。これは、その組織および骨の構造の壊れやすさに起因する。したがって、熱の発生を減少させた骨セメントの使用は、特にこの領域では所望される。
本発明の骨セメントの別の利点は、組成物の毒性の潜在的な減少である。骨セメントモノマーは、メチルメタクリレートを含み、目や呼吸器系を刺激し得る有害蒸気を出す。さらには、アクリレートモノマーは、皮膚を刺激し得、わずかな濃度のものとの接触が感作を引き起こし得る。したがって、本発明の骨セメントは、より少量のモノマーを使用するので、上記問題が本発明の骨セメントを使用する間に発生する可能性は、減少し得る。
本発明のいくつかの実施形態において、骨セメントは、椎体形成術に有用であり得る。硬化の挙動の上記性質、力学的および熱的性質、特に手作業時間の増加(外科医にとってより多く時間があり、それゆえ、より安全になる)、剛性の低下(セメントに対する、骨の力学的性質のミスマッチを避ける)、および重合温度の低下(組織の壊死を減少させる)が、椎体形成術において使用されるセメントにとって重要な性質である。これらの要件全てが、MMAモノマーの一部をNMPで置換することにより達成され得ることが可能である。
以下の実施例は、市販のPMMAセメントVertecemを用いて実施した。Vertecemは、経皮的脊椎形成術に使用するための、短時間で準備できる放射線不透過性アクリル骨セメントである。流体相は、97.6%のメチルメタクリレート(MMA)、活性化剤として2.4%のN,N−ジメチル−p−トルイジン、および、安定剤として非常に少量(20ppm)のヒドロキノンから構成される。重合体粉末は、64.4%のPMMA、重合を開始させる0.6%の過酸化ベンゾイル、放射線不透過剤として25%の硫酸バリウム、および、10%ヒドロキシアパタイトから構成される。
流体MMAモノマー相を、異なる量のNMP有機溶媒で部分的に置換した。NMPは、MMAモノマー流体と完全に混和する。異なる組成物中で使用されるMMA、NMP、およびPMMAの量を、表1に列挙する。
Figure 2010519959
MMAモノマーおよびNMPを前もって混合し、流体混合物を形成した。続いて、流体混合物を、PMMA粉末と混合し、ペーストを形成した。力学的な試験のためのサンプルを調製するために、円柱のTeflon(登録商標)の型(高さ20mm、直径6mm)の中をペーストで満たした。次いで、固まった円柱を型から取り外し、長さ12mmに切断し、研いだ。これらの寸法は、規格ISO5833の要件に一致する。室温にて6日間水中でサンプルを保管後、規格ISO5833に従って、それらに力学的圧縮テストを実施した。弾性率および降伏強度を、上述の規格に従って測定し、図1に示した。結果は図1に示され、NMPにより置換されるMMAの百分率に対する傾向を示している。
セメント組成物の硬化の性質を調べるために、注文設計された二重ギャップ測定系(double gap measurement system)を有する回転レオメーターの中へ、3mLの混合骨セメントを置き、24個のセメントに対するレオロジーのデータをコンピュータへ直接記録した。複素粘性率の実数(流体様)の部分対時間のデータを図2に示す。

Claims (18)

  1. 流体相と粉末相との混合物から形成される骨セメントであって、該混合物は、
    (i)ポリメチル(メタ)アクリレートまたはその誘導体と、開始剤化合物と、放射線不透過剤と、必要に応じてヒドロキシアパタイトとを有する粉末相;および
    (ii)メチルメタクリレートモノマーと、活性化剤と、安定剤と、N−メチル−ピロリドン(NMP)、ジメチル−スルホキシド(DMSO)、ポリエチレングリコリド(PEG)、セルロース、セルロース誘導体またはそれらの混合物である物質とを有する流体相
    からなり、
    ここで、該物質は実質的に該モノマーと混和性であり、該物質は該流体相の50%〜60%の量を構成する
    骨セメント。
  2. 前記物質がN−メチルピロリドンである、請求項1に記載の骨セメント。
  3. 前記物質がジメチルスルホキシド(DMSO)である、請求項1に記載の骨セメント。
  4. 前記物質がポリエチレングリコリド(PEG)である、請求項1に記載の骨セメント。
  5. 前記物質がセルロースまたはセルロース誘導体である、請求項1に記載の骨セメント。
  6. 前記物質がN−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ポリエチレングリコリド(PEG)、セルロース、および、セルロース誘導体からなる群から選択される物質の混合物または混和物を、前記骨セメント中にミクロ細孔構造を形成するのに効果的な濃度で含む、請求項1に記載の骨セメント。
  7. 流体相を有する骨セメントであって、該骨セメントは、
    ある量のメチルメタクリレートモノマー;
    メチルメタクリレート重合化剤;および
    該メチルメタクリレートモノマーと該メチルメタクリレート重合化剤との間の重合反応を改変するための、そして骨の弾性率に適合するように該骨セメントの弾性率を低下させるための、該流体相の50%〜60%を構成する量のN−メチルピロリドン
    を含、骨セメント。
  8. 前記骨セメントの弾性率が50MPaと2000MPaの間である、請求項7に記載の骨セメント。
  9. 骨粗鬆症の骨と実質的に適合する弾性率を有する、請求項1〜のいずれかに記載の骨セメント。
  10. 骨セメントを形成する方法であって、以下:
    モノマーと重合化剤を混合することを含む、流相を形成する工程;
    該流相へ粉末相を加える工程;
    骨の力学的性質を確認する工程;および
    該流相へ混和性物質を加えて、該骨の力学的性質に実質的に適合するように硬化骨セメントの力学的性質を改変する工程
    を包含する方法。
  11. 前記流相へ放射線不透過剤を加える工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記流相へ前記粉末相を加える工程が、該流相へポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末を加える工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記流相へ前記粉末相を加える工程が、該流相へヒドロキシアパタイト粉末を加える工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記流相へ前記混和性物質を加えて、前記硬化骨セメントの力学的性質を改変する工程が、該流相へ混和性物質を加えて、骨の弾性率に実質的に適合するように硬化骨セメントの弾性率を低下させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記流相へ前記混和性物質を加えて、前記硬化骨セメントの力学的性質を改変する工程が、該流相へ混和性物質を加え、骨の圧縮降伏応力に実質的に適合するか、または骨の圧縮降伏応力を超えるように、硬化骨セメントの圧縮降伏応力を低下させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  16. 硬化後に前記混和性物質を水で置換し、前記硬化骨セメント中にミクロ細孔を形成し、硬化骨セメントの力学的性を改変する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記骨が骨粗鬆症の骨である、請求項10に記載の方法。
  18. 前記流体相へ粉末相を加える工程が、50MPaと2000MPaとの間の弾性率を有する硬化骨セメントを形成する、請求項10に記載の方法。
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