JP2010504423A - 鉄分の豊富な金属塩化物の廃棄物からの金属鉄および塩素価値の回収のための電気化学的方法 - Google Patents

鉄分の豊富な金属塩化物の廃棄物からの金属鉄および塩素価値の回収のための電気化学的方法 Download PDF

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Abstract

鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有するカソードを備え、そして約2未満のpHを有するカソード液を含む、カソード区画と、アノードを備え、そしてアノード液を含むアノード区画と、陰イオンの通過を可能にするセパレーターと、を含む電解槽中で鉄分の豊富な金属塩化物の溶液中で電解すること、(この電解ステップは、電解槽の非アノード区画中で鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を循環させること、それによって鉄をカソードで電着させること、および塩素ガスをアノードで発生させること、そして鉄を使い果たした溶液を残すこと、を含む)を含む鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からの金属鉄および塩素ガスの同時回収のための電気化学的方法。鉄分の豊富な金属塩化物の溶液は、炭塩素化の廃棄物、使用済みの酸の浸出液または酸洗い液に由来することができる。

Description

本発明は、鉄分の豊富な金属塩化物の廃棄物からの、金属鉄および塩素価値の回収のための電気化学的方法に関する。さらに具体的に言うと、本発明は、炭塩素化(carbo−chlorination)の廃棄物、使用済みの酸の浸出液、酸洗い液、または任意の他の鉄分の豊富な金属塩化物の液体または溶液等の、鉄分の豊富な金属塩化物の廃棄物からの金属鉄および塩素価値の回収のための電気化学的方法に関する。
化学産業では、塩素ガス(Cl2)は、最も広く使用される無機薬品の1つである。例えば、ポリウレタン、ハロゲン化炭化水素および白色二酸化チタン顔料は、普通、塩素ガスを使用する方法で製造される。
白色二酸化チタン顔料製造の後者の場合では、原料は、塩素ガスで塩素化される。塩素化種は、還元されて、塩化水素(HCl気体)、塩酸(HCl水溶液)または無機金属塩化物(例えば、FeCl3、FeCl2、MgCl2)等の副生成物を廃棄する。
特に、四塩化チタン(TiCl4)が、チタン鉱石原料(例えば、風化したチタン鉄鉱、チタンスラグまたは合成ルチル)の炭塩素化によって調製される場合、かなりの量の鉄および金属塩化物種が、副生成物として生成される。これらの副生成物は、塩素化器の反応条件によって、塩化第一鉄もしくは塩化第二鉄のいずれか、またはそれらの組み合わせを含むことができる。実際の副生成物は、未反応のチタン原料、石油コークス、シリカおよびシリケート、および他の金属塩化物で汚染された微粒子塩化鉄のブレンドで本質的にできた塩素化廃棄物から成るものとして、実際、さらに複雑である。チタンスラグのみで運転される塩素化器の、サイクロンから集められた金属酸化物のおおよその化学的組成を下の表1に示す。
表1 無水塩として表した塩素化器の粉塵中の金属塩化物の平均組成の範囲(wt%)
Figure 2010504423
廃棄物は、処分のために処理されることが好ましいので、これらの塩素化器の廃棄物の生成は、全体的な工程において厳しい経済的および環境的意味を有する。通常、副生成物の塩化鉄は、大規模な深い井戸もしくは海の埋め立て地に捨てられるか、または廃棄水流中に単に放出される。そうした廃棄は、環境的な問題および塩素種の経済的な価値の完全な損失の両者を含む。環境的に受け入れられないにもかかわらず、これらの慣習は、世界中の多くの工場所在地で、依然広く行われている。
廃棄水の処理における凝集剤として、または酸洗い浴中のエッチング剤として、これらの副金属塩化生成物の商業化への試みがなされたが、これらの試みは、これらの副生成物の低い市場価値によって、妨げられる。さらに、副生成物は、通常、水溶液の形態であるので、運送費が非常に高い。
これらの理由から、塩素の回収について多数の研究がなされ、そして過去40年間にわたって、二酸化チタン顔料産業において、塩化鉄から塩素価値を回収するための種々の試みがなされてきた。
さらに、1998年の、高圧塩酸浸出によるチタンスラグの改良の導入以来、使用済みの酸から塩素化金属価値を回収することへの関心が高まってきた。現在、使用済みの酸は、熱加水分解されて、採鉱残留物として埋め立てられる不活性な金属酸化物を残す、塩酸の共沸性溶液を再生する。使用済みの酸の平均組成範囲を下の表2に示す。
表2 使用済みの酸の平均組成範囲
Figure 2010504423
今日まで、塩化鉄から元素状の塩素を回収する満足な工業的方法がなかった。使用された塩化物から塩素を回収する主な従来技術の経路は、過剰の酸素中での塩化鉄の熱化学的酸化である。
従って、以下の化学反応が含まれる塩化鉄の酸化を中心として、いくつかの試みがなされてきた:
2FeCl2(固体)+3/2O2(気体)→Fe23(固体)+2Cl2(気体)
2FeCl3(固体)+3/2O2(気体)→Fe23(固体)+3Cl2(気体)
しかし、今日まで、上記の式中に例示された反応を組み込んだ満足な工業的方法を開発することは非常に難しいことが証明されてきた。Harrisら(非特許文献1)によって示された等の気相中で反応を行うことにより付随する困難性を克服するための多くの努力がなされてきた。Harrisは、流動床反応器中で、蒸気相の酸素で塩化第二鉄を処理できることを示唆した。この方法は、チタン鉄鉱またはルチル塩素化プロセスへリサイクルできる塩素ガス、および可溶性塩化物の廃棄物よりむしろ酸化鉄の副生成物を生成する。
英国特許第1、407、034号明細書(特許文献1)は、塩化第一鉄の凝縮を避けるために、充分に高い温度で、過剰の酸素を用いたガス状塩化第一鉄の酸化を開示する。
RZM Ltd.、の米国特許第3、865、920号明細書(特許文献2)は、980℃〜1110℃で塩化第一鉄を予熱し、そして次に純粋な酸素を通すことによって酸化して、その混合物がその後冷却され、そして残留する塩化鉄が、酸化鉄と塩素に転化される、塩化鉄、酸化鉄、酸素および塩素の混合物を生成させる方法を開示する。
FeCl2またはFeCl3のいずれかの酸化鉄と塩素への完全酸化に関する主な問題は、熱力学が、塩化第二鉄の酸化に有利に平衡を移動させるために、低温、すなわち、通常400℃未満を必要とすることである。しかし、反応が実用的な速度で進行するより高い温度におけるどころか、熱力学によって課せられた低温では、反応速度が遅くなりすぎて、反応が完結するどころではない。
酸化鉄等の触媒の利用が、より低温での反応を加速することが、その後見出された。このように、酸化鉄の流動床反応器の使用は、反応温度をより低くするために提案された。実際、Columbia Southern Chemical Corp.の米国特許第2、954、274号明細書(特許文献3)では、400℃〜1000℃の温度で、塩化鉄および任意選択的に酸化鉄の流動床中で、空気または酸素によって、塩化第一鉄を酸化することが提案された。後に、E.I DuPont de Nemoursの米国特許第3、793、444号明細書(特許文献4)では、ガス状塩化鉄の酸化が、塩化鉄および酸素の混合物を、壁で細かく分割された幾つかの重複した区画を、再生された不活性固体粒子(例えば、シリカ砂)の存在下で、通すことによって行われた。この工程の間、塩化第一鉄(FeCl2)は、一段階で最初に塩化第二鉄(FeCl3)に、そして次に酸化第二鉄(Fe23)に連続して酸化される。その後、E.I DuPont de Nemours、 Reeves and Hackの米国特許第4、144、316号明細書(特許文献5)は、再循環する流動床反応器、例えば、米国特許第4、282、185号明細書(特許文献6)に示されたタイプ中で脱塩素化反応を行うことによって、方法を改善した。
しかし、熱酸化の間に、さらなる問題、すなわち、固体の堆積、厚くかつ硬い酸化鉄(Fe23)の酸化膜、が生じる。この酸化膜は、反応器壁および関連した装置に堆積し、そして強固に付着する厳しい傾向を有し、効率的な運転および反応器のメンテナンスにおいて問題を生じる。実際、短時間で出口が完全に詰まる場合があり、そして酸化膜を除くために、運転をしばしば止めることが好ましい高価な運転停止となる程度で、上記の床レベルにおいて酸化膜が生じることを示した。さらに、この反応のための工業的スケールへ、流動床反応器のサイズを大きくすると、重大な問題に直面した。
ほかの提案は、NaClの融解塩浴を使用するより低い温度で酸化プロセスを稼働させて、塩複合物または鉄(NaCl−FeCl3)化合物を有する共晶混合物を生成させるか、または塩化第二鉄の液化を行うのに充分な圧力下で、酸化を行うことにある。しかし、これらの方法は、一般的に複雑な装置の使用および稼働条件での非常に注意深い制御の使用を必要とする。さらに、反応器からの、および微粒子床材料に付着した副生成酸化鉄の除去で困難に直面したようである。
熱酸化法の別の欠点は、概して塩化第二鉄および他の揮発性不純物で汚染され、そしてまた、未反応の酸素(11vol%のO2)および二酸化炭素(7.5vol%のCO2)で非常に希薄化されるので、一般的に生成されたガス状塩素の乏しい品質、すなわち、約75vol%のCl2にあるようである。それ故に、これは、比較的乏しい商業的価値を示す。さらに、塩素化器に直ちにリサイクルすること、および希薄な塩素を濃縮する努力は、大きなさらなる出費を含む。
さらに、熱酸化による効率的な塩素の回収は、原料として純粋な塩化第一鉄を本質的に必要とする。しかし、塩素化器の粉塵中の主な汚染物質(すなわち、コークス)からの微粒子の塩化第一鉄の機械的な分離は、困難な仕事である。実際、純粋でない塩化第一鉄の熱酸化が、800℃超の温度で行われる場合、粉塵中に存在するコークスは燃え上がり、それによって反応器に高温点を作り出して、壁上への酸化物の堆積を伴う酸化鉄の焼結となり、次に短時間での目詰まりとなる。
熱酸化のためにE.I.Du Pont de Nemoursによって、不成功なパイロットおよび商業前段階の試行がなされた後で、SCM Chemicals Ltd(特許文献7)、Kronos Titan GmbH(特許文献8)および最近ではTioxide(特許文献9)等の他の二酸化チタン顔料製造業者が、この技術を調査した。
別の経路、すなわち、電解経路が塩素および鉄価値の両者の回収のために考慮された。
18世紀後半から、従来技術では、鉄を含有する溶液からの金属鉄の電着で努力が、なされてきたようである。実際、金属鉄の電解採取、電気めっき、または電気精錬のための種々の方法が公知である。通常、これらの方法の目的は、高純度を有する電解鉄、およびより少ない程度で純粋な鉄粉末を調製することである。通常、最も一般的な電解質は、硫酸第一鉄およびより少ない程度で塩化鉄に基づいていた。
公知の電気化学的方法の大部分は、アノード反応が、通常、純粋でない鉄でできた可溶性アノードのアノード溶解にある一方で、カソードで鉄を電着させるために元々設計された。そうした方法では、消耗できるタイプのアノードの使用は、腐食性の発生期の酸素または危険な塩素ガスの望ましくない発生を、一般的に避けることができたようである。
アノード側では、塩水または副生成した塩酸からの電解による塩素の回収は、一部で電解法を有する多くの世界中で操業している工場において、充分に文献化された技術である。しかし鉄含有塩化物の廃棄物から鉄および塩素の両者を直接回収する2つの原理を合わせた工業的規模の電気化学的方法は、存在しないようである。
最初の充分に文献化された試行は、恐らくLEVY(特許文献10)の特許で1928年にさかのぼる。発明者は、純粋な塩化第一鉄の溶液から発生期の塩素および純粋な電解鉄の両者を回収するための単純な電気化学的方法を開示した。この電解槽は、生成物の混合を防止するために、多孔質の素焼きの粘土でできたセパレーターとしての隔膜で分けられている。電解を、90〜100℃で、110〜270A.m-2の電流密度と2.3〜3.0Vの平均槽電圧下で行った。ファラデー電流効率は、90〜100%であった。アノード液は濃縮された塩化物溶液(例えば、CaCl2、NaCl)であったが、一方、カソード液は、20wt%のFeCl2を含有する水溶液であった。アノードは、炭素系であったが、一方、カソードは、薄板、マンドレルまたは他の好適な物であった。
最近になって、1990年に、Osaka Titanium Co.Ltd(今日のToho)(特許文献11)のOgasawaraらが、特許出願中で、3区画電解槽と連動した陰イオンおよび陽イオン交換膜の使用による塩化鉄含有水溶液(鋼の酸洗いから、または四塩化チタンまたは鉄を含まないチタン鉱石の生産工程から、生じる排水)の電解を通した鉄および塩素を生成させるための電解法を開示した。この工程において、Ogasawaraが例示したように、高純度の塩化第一鉄でできていて、そしてアンモニアで3〜5のpHに絶えず調整されたカソード液、および塩化ナトリウムでできたアノード液は、それらのそれぞれの区画内で、輪状に再循環され、一方、電解される鉄分の豊富な塩化物含有溶液は、中央の区画、すなわち、2つのイオン交換膜の間にある隙間を通って循環する。使用されるカソードは、好ましくは鉄であるが、また、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金であることができ、そして、使用されるアノードは、不溶性のグラファイトでできている。発明者らによると、この3区画工程は、恐らく、2区画の電解法を使用した方法と対照的に、金属酸化物等の埋め込まれた不純物によって、生じる電気結晶化した(electro−crystallized)鉄を汚染することを避けることができる。さらに、カソード液のpHを3〜5に保つことは、カソードでの水素発生を避けることができる。
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しかし、そうした方法では、(i)イオン交換膜の追加抵抗および(ii)セパレーターの間に存在する関連した間隙、により高い抵抗降下があるようである。さらに、塩化ナトリウムの塩水アノード液と組み合わせたグラファイトアノードの利用は、塩素発生の反応のために高い過電圧を生じるようである。高い抵抗降下およびアノード過電圧の両者は、槽電位に寄与する。したがって、これは、実行可能な商業的工程と両立しない、塩素および鉄の回収の両者での、高い具体的なエネルギー消費となる。
したがって、鉄分の豊富な金属塩化物の廃棄物から金属鉄および塩素ガスの両者を回収する効率的および経済的な工程へのニーズがある。
本記載は、多くの文献を参照し、その内容は、それら参照により全てを本明細書中に取り込む。
本発明は、一般的に鉄分の豊富な金属塩化物の廃棄物からの、金属鉄および塩素ガスの回収のための電気化学的方法に関する。
さらに具体的に言うと、本発明の形態は:
a)鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用意すること;
b)鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有するカソードを備え、そして約2未満のpHを有するカソード液を含む、カソード区画と、
アノードを備え、そしてアノード液を含む、アノード区画と、
陰イオンの通過を可能にするセパレーターと、
を含む、電解槽中で鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を電解すること、
(電解ステップは、電解槽の非アノード区画中で、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を循環させること、それによって、カソードに鉄を電着させること、および塩素ガスをアノードで発生させること、そして鉄を使い果たした溶液を残すこと、を含む);および、
c)電着された鉄および塩素ガスを、別々に回収すること、
の各ステップを含む、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からの金属鉄および塩素ガスの回収のための電気化学的方法に関する。
具体的な実施形態では、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用意するステップ(a)は:
a1)熱水溶液で、固体の炭塩素化廃棄物を浸出させること、それによって水性スラリーを生成させること;および、
a2)水性スラリーに、固体分離を受けさせること、それによって不溶性のケーキを生成させ、そして鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を単離すること、
の各ステップを含む。
別の具体的な実施形態では、カソード液のpHを、約0.3〜約1.8、好ましくは、約0.6〜約1.5、さらに好ましくは、約0.6〜約1.1、最も好ましくは、約0.9〜約1.1の範囲に調整する。
別の具体的な実施形態では、カソードは、200A.m-2で、25℃で0.5mol.Dm-3 HCl中で約425mV超の過電圧を有する。
別の具体的な実施形態では、カソードは、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、カドミウム、カドミウム合金、スズ、スズ合金、銅、銅合金、鉛、鉛合金、ニオブ、ニオブ合金、金、金合金、水銀および水銀との金属アマルガムからなる群から選択される材料で構成され、または被覆されている。
本発明の別の形態は、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からの、金属鉄および塩素ガスの回収方法に関し、この方法は:
a)鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用意すること;
b)鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有するカソードを備えたカソード区画と、
アノードを備え、そしてアノード液を含む、アノード区画と、
を含む、2区画の電解槽中で、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を電解すること、
(カソードおよびアノード区画は、陰イオン交換膜によって分離されており、電解ステップは、電解槽のカソード区画中のカソード液として、2未満のpHに調整された鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を循環させること、それによって鉄をカソードに電着させること、および塩素ガスをアノードで発生させること、そして鉄を使い果たした溶液を残すこと、を含む);および
c)電着された鉄および塩素ガスを別々に回収すること、
を含んで成る。
本発明の他の目的、利点および特徴は、以下の一例としてのみで添付図面を参照して与えられたそれらの具体的な実施形態の非拘束的な記載を読めば、さらに明らかになるであろう。
図1は、2区画電解槽に基づき、そしてpHを調整した鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用いて電解を行う本発明の第1の態様による全ての電気化学的方法の種々のステップを具体的に示す工程図であり; 図2は、2区画電解槽に基づき、そしてバナジウムがカソード区画に導入される前に、沈殿によって除かれたpHを調整した鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用いて電解する本発明の第2の態様による全ての電気化学的方法の種々のステップを示す工程図である; 図3は、3区画電解槽を使用し、そして非調整の鉄分の豊富な金属塩化物の溶液で電解を行う本発明の第3の態様による全電気化学的方法の種々のステップを具体的に示す工程図であり; 図4は、それぞれの電極で起こる主な電気化学反応を用いた本発明のいくつかの態様において使用される2区画電解槽の図式の具体的な説明であり; 図5は、それぞれの電極で起こる主な電気化学反応を用いた本発明のいくつかの態様で使用される3区画電解槽の図式の具体的な説明であり; 図6は、例2aで得られた鉄およびバナジウム共堆積の概観を示す走査電子顕微鏡(SEM)によって得られた写真であり; 図7は、例2aで得られた鉄および五酸化バナジウムの共堆積の詳細図を示す走査電子顕微鏡(SEM)によって得られた写真であり; 図8は、例2bで得られた少量のバナジウムを用いて電着された滑らかな鉄を示す写真であり; 図9は、電着された例5中で得られた金属鉄の薄平板を示す写真であり; 図10は、例6で得られた金属鉄の堆積板を示す写真であり; 図11は、例8(カソード材料の選択)で得られた分極曲線を示す図式的な説明であり; 図12は、例9(陰イオン交換膜の選択)で得られた分極曲線を示す図式的な説明であり;そして、 図13は、例10(アノード液の選択)で得られた分極曲線を示す図式的な説明である。
例えば、チタン鉱石、使用済みの酸の浸出液、酸洗い液または任意の他の鉄分の豊富な金属塩化物の液体もしくは溶液の炭塩素化からの炭塩素化の廃棄物を含むが、これらに限られない種々の原料が本発明による方法において使用できる。従って、原料は、固体、無水物、スラリー形態または溶液であることができる。
本明細書中で使用される場合、’’電解槽’’の用語は、一般的に、2区画または3区画電解槽を示す。本発明の方法で使用される全ての電解槽は、少なくとも1つのイオン交換膜によって分離されたアノード区画およびカソード区画を少なくとも含む。
電解槽を参照する際に本明細書中で使用される場合、’’非アノード区画’’の用語は、2区画電解槽のカソード区画および/または3区画電解槽の中央の区画を示す。さらに明確には、’’非アノード区画’’の用語は、3区画電解槽のカソード区画を示さない。
本明細書中で使用される場合、(過剰電圧としても公知の)過電圧の用語は、一般的に、電流を通した電極の電位と、同一の実験的条件で電解していない電極の電位の熱力学的値との間の相違を示す。
カソードを参照する際に、本明細書中で使用される場合、’’水素過電圧’’の用語は、カソードでの水素ガスの放出に関係する過電圧を指す。高い水素過電圧を有するカソードは、電解の間に水素発生を最小化し、従って鉄の電着を促進する。高い水素過電圧を有する材料の公知かつ非限定の例は、例えば、Cardarelli(CARDARELLI、 F. Materials Handbook: a Concise Desktop Reference. Springer−Verlag London Limited [Ed.]. 2000. p. 323.)およびExxon Research and Engineeringand Co.の米国特許第5、911、869号明細書(GREANEY、M.A.−Method for Demetallating Petroleum Streams (LAW 639)−米国特許第5、911、869号明細書;June 15、1999.)に示されている。有利には、カソード材料はまた、金属鉄堆積の剥離を可能にする。好適なカソード材料の非限定の例は、(商用またはより高純度の)チタン、チタン合金(例えば、チタンパラジウムASTMグレード7)、(商用またはより高純度の)ジルコニウム、ジルコニウム合金、(商用またはより高純度の)亜鉛、亜鉛合金、(商用またはより高純度の)カドミウム、カドミウム合金、(商用またはより高純度の)スズ、スズ合金、(商用またはより高純度の)銅、銅合金、(商用またはより高純度の)鉛、鉛合金、(商用またはより高純度の)ニオブ、ニオブ合金、(商用またはより高純度の)金、金合金、水銀または水銀を有する金属アマルガムを含む。
当然のことながら、高い水素過電圧を有するカソードは、高い水素過電圧を有する材料から大半がなることができ、またはそうした材料で単に被覆されていることができる。
本明細書中で使用されるようにカソードを評価する場合、’’鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有する’’の表現は、カソードが、25℃、200A.m-2、0.5mol.Dm-3HClで、絶対値で約425mV超の過電圧を有することを意味する。
当然のことながら、本発明による方法でいくつかの任意選択的なステップを行うことの関係は、回収される所与の元素の原料での存在に依存する。例えば、本発明による方法で使用できる全ての原料は、必ずしもバナジウムを含むわけではない。もちろん、バナジウムの分離ステップは、バナジウムが原料中に存在する場合にのみ関係する。
本明細書中で使用される場合、’’バナジウムの分離ステップ’’の表現は、バナジウムが鉄から本質的に分離されるステップを示す。従って、’’バナジウムの分離ステップ’’の表現は、バナジウムが実質的に純粋なバナジウム化合物として回収されるステップに相当できるが、必ず相当するわけではない。
原料が固体および/または無水形態であるある態様では、この方法は、最初に、一般的に、熱酸性プロセス水、熱希釈塩酸、チタンスラグの高圧酸浸出から出る、もしくは鋼の酸洗いの間に副成した使用済みの液体からの熱い使用済みの酸のいずれか1種を有する、チタニアに富んだ原料(例えば、風化したチタン鉄鉱、チタンスラグ、天然のおよび合成ルチル)の炭塩素化に間に副生成された、無水の塩素化器の粉塵等の原料を浸出させることにある。すべての金属塩化物の完全な溶解の後で、生じるスラリーは、未反応のチタニアスラグ、シリカおよびシリケート、二酸化チタン微粒子および鉄分の豊富な金属塩化物の液体または溶液の形態で、可溶性の金属塩化物から、コークス留分を含む残りの不溶性の固体を分離するために、ろ過される。得られたろ過ケーキは、最小の酸性水で注意深く洗浄され、水を取り除き、乾燥され、そして結局は(そのチタンおよびコークス値およびシリカの含有量により)炭塩素化プラントに戻されるか、または廃棄され、そして埋め立てられ、一方、洗浄水は、最初の浸出ステップに戻すことができる。
原料がスラリー形態である別の態様では、浸出は、固液分離の前に、例えば、ろ過によって可溶性の固体が溶解することを助けることができる。
また、原料が透明な水性液体の形態、すなわち、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液の形態である別の態様では、浸出ステップは特に関心の対象となる。
後で、3つの主な方法の変数が、2未満のpHに調整されたカソード液および鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有するカソードを使用する電解により、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からの金属鉄および塩素価値の同時回収の同一の一般的原理に基づいて、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液から塩素および金属価値の両者を回収するために使用できる。
図1で具体的に説明するように、本発明による方法の特定の態様では、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液のpHは、これらに限られるわけではないが、マグネシアまたは水酸化アンモニウムまたはそれらの混合物等のアルカリ性剤で、約0.6〜約1.8に最初に調整され、その後溶液は電解に備える。
また、図1を参照すると電解ステージは、電解槽のカソード区画の内側で、pHを調整した鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を循環させことにある。鉄分の豊富な金属塩化物の溶液は、このようにカソード液として機能する。電解槽は、(図4で具体的に説明するように)陰イオン交換膜によって分離された2区画からなる。カソード区画は、チタンまたはチタン合金(通常ASTMグレード7)でできたカソードを含み、一方、アノード区画は、塩素(DSA(商標)−Cl2)の発生のために、寸法的に安定なアノードを有する。アノード区画を輪状に循環するアノード液は、防蝕剤として約10、000ppmの第二鉄(Fe3+)を有する、約20wt%の塩酸および約17wt%の塩化マグネシウムの混合物でできている。
電解の間、約0.6〜約1.8の範囲の上記pHで、金属鉄が、五酸化バナジウムの沈殿結晶と共に、カソードに堆積する。五酸化バナジウムの沈殿は、カソードでの水素カチオンの消費および水和した五酸化バナジウムの沈殿開始点より上へのpHの局所的な上昇で生じる。他方では、塩素アニオンは、浸透性の陰イオン交換膜を通って、アノード区画に向かって移動し、そして以下の電気化学反応によるアノードの表面で塩素ガスとして放出される:
Fe2+(水溶液)+2e-→Fe0(固体)(カソード、−)
2Cl-(水溶液)→Cl2(気体)+2e-(アノード、+)
全体的な反応は、したがって:
FeCl2→Fe(固体)+Cl2(気体)
である
アノードで酸素の発生:
2H2O(液体)→O2(気体)+4H+(水溶液)+4e-
カソードでの水素の発生:
2H+(水溶液)+2e-→H2(気体)、
第二鉄カチオンの微量の還元を伴って
Fe3+(水溶液)+e-→Fe2+(水溶液)。
等の副反応が起こることができる
カソード側では、カソード液のpHを約2未満のpHに保つことによって、および水素の発生を防ぐために水素の放出のための高い過電圧を有するカソード材料を使用することによって、これらの好ましくない副反応は最小化される。さらに具体的に言うと、本発明の方法で使用されるカソード材料は、所与の電解条件における鉄の水素過電圧より(絶対値で)高い水素過電圧を有する。好ましくは、カソード液のpHは、約0.6〜約1.8、さらに好ましくは、約0.6〜約1.5、またさらに好ましくは、約0.6〜約1.1、そして最も好ましくは、約0.9〜1.1に維持される。さらに、カソード区画で窒素の不活性雰囲気を使用することで、鉄カチオンの酸化を防止することを助けることができる。
アノード側では、塩素発生のための寸法的に安定なアノードの利用は、酸素ガスの発生を妨げ、それによって高純度塩素ガスの生成を確かにする。
電解は、通常、定電流制御下、約40℃〜約110℃の間で行われる。全体的な電流密度は、槽当たり約1.2〜約3.5Vの範囲の槽電圧を有し、約200〜約2000A/m2である。この具体的な実施形態では、ファラデー効率は、通常、約90%超であり、そして平均の具体的なエネルギー消費は、1kgの鉄当たり約2.1〜約6.2kWh、および1kgの塩素ガス当たり約1.1〜約3.5kWhである。
発生した湿った塩素ガスは、従来法により回収される。例えば、図1に示すように、塩素ガスは吸引によって回収でき、グラファイト熱交換器を通して冷却され、そしてミストセパレーターおよび幾つかの濃硫酸噴霧塔(洗浄)を通って乾燥される。最終的に乾燥しかつ冷却した塩素ガスは、圧縮され、そして液化されることができ、従って、将来の使用のために輸送され、またはオンサイトで貯蔵のために備えることができる。
電着された金属鉄の厚板は、チタンのカソードから機械的に剥離する。次に、板は濃縮された水酸化ナトリウム(50wt%NaOH)の熱苛性アルカリ溶液に浸されて、酸化バナジウムを選択的に溶解する。これらに限られるわけではないが、塩素酸カリウム等の微量の酸化剤が加えられ、全てのバナジウムを5価のバナジウムに転化させ、そして純粋な金属鉄が、別々に回収される。次に、全てのバナジウムをメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)として沈殿させるために、塩化アンモニウム(NH4Cl)および/または水酸化アンモニウムと共にアンモニアが、残りの液体に加えられる。従って、そうした具体的な実施形態では、バナジウムの分離ステップは、電解ステップの後で生じる。
不溶性の硫酸カルシウム二水和物(CaSO4・2H2O)としてのカルシウム、およびほとんど硫酸ラジウムとしてのそれに伴う追加の放射能の痕跡量を除くために、硫酸が、電解槽から出る使用された鉄のない電解質、または鉄を使い果たした溶液に加えられる。
使用されたマグネシウムおよびアルミニウムに富んだ残った塩水は、次に、共沸性の塩酸を回収しながら、熱加水分解され、耐火物またはプロパントの製造で使用されるのに備えて耐熱性スピネルビーズ、ペレットまたは顆粒を生じる。
当然のことながら、図1の工程でカソード液のpHを、例えば、0.3〜0.5に変えることは、バナジウムを鉄の共堆積物と共に沈殿させることはできないが、バナジウムを鉄分の豊富な中に留まらせることができ、鉄を使い果たした溶液となって、このように電解の間にバナジウムの分離ステップを行うことができるであろう。しかし、得られた鉄は、わずかにではあるが、五酸化バナジウムによって汚染され、そしてファラデー効率が低下している場合があるので、これは2区画の電解槽を使用した方法では好ましい態様ではない。
図2で全般的に説明されたように、本発明による方法の別の特定の態様では、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液の正確なバナジウム含有量が、従来の方法によって決定され、そして化学量論量の塩素酸カリウム(KClO3)が、すべてのバナジウムをバナジウム(V)(示されていない)に酸化するように導入される。対応する量の塩化鉄(III)が次に加えられ、そして例えば、マグネシアまたはアンモニウムの酸化物、水酸化物またはそれらの混合物等のアルカリ性剤で、溶液のpHは、約0.5〜約3に調整される。これは、バナジウム(V)およびクロム(Vl)と共に、第二鉄水酸化物(Fe(OH)3)との共沈殿を伴って沈殿する。ゼラチン状のバナジウムに富んだ沈殿物は、次に、デカンテーション、遠心分離またはろ過のいずれかの公知の技術によって、スラリーから除去される。例えば、ろ過ケーキの形態のそうして得られたバナジウムに富んだ沈殿物は、次に、最小量の水酸化ナトリウムの濃縮溶液に溶解され、そして微量の酸化剤で酸化される。残りの水酸化第二鉄および水酸化クロムは、廃棄され、そして水酸化アンモニウム(NH4OH)および/または塩化アンモニウム(NH4Cl)の追加によって、バナジウムが、メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)として、選択的に沈殿し、そして回収される。
バナジウムの分離ステップからの透明なろ液または上澄みは、2未満、好ましくは約0.6〜約1.8のpHにpH調整され、そしてこのようにバナジウムを使い果たし、かつpHを調整した鉄分の豊富な金属塩化物の溶液(図示されていない)の形態で、電解に備える。
また、図2を参照すると、電解は、電解槽のカソード区画の内側でバナジウムを使い果たし、かつpHを調整した鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を循環させることにある。鉄分の豊富な金属塩化物の溶液は、このようにカソード液として働く。図1と同様に、電解槽は、(図4で具体的に説明するような)陰イオン交換膜によって分離された槽から成る。カソード区画は、チタン金属またはチタン合金(通常ASTMグレード7)でできたカソードを有する。アノード区画は、塩素(DSA(商標)−Cl2)の発生のために、寸法的に安定なアノードを有する。輪状に循環するアノード液は、防蝕剤としての約10、000ppmの第二鉄(Fe3+)を有する約20wt%の塩酸および約17wt%の塩化マグネシウムの混合物でできている。電解の間、純粋な金属鉄は、カソードに堆積され、一方、塩素アニオンは、浸透性の陰イオン交換膜を通って、アノード区画に移動し、そして以下の電気化学反応によるアノードの表面で、塩素ガスとして放出される:
Fe2+(水溶液)+2e-→Fe0(固体)(カソード、−)
2Cl-(水溶液)→Cl2(気体)+2e-(アノード、+)
全体的な反応は:
FeCl2→Fe(固体)+Cl2(気体)である。
再度、アノードで酸素の発生:
2H2O(液体)→O2(気体)+4H+(水溶液)+4e-
カソードでの水素発生:
2H+(水溶液)+2e-→H2(気体)、
微量の第二鉄カチオンの還元を伴って
Fe3+(水溶液)+e-→Fe2+(水溶液)
等の副反応がまた起こることができる。
再度、カソード側では、これらの好ましくない副反応は、2未満にカソード液のpHを保つことによって、および高い水素過電圧を有するカソード材料を使用することによって、最小化される。本発明による方法での使用に好適なカソード材料は、所与の電解条件における鉄の水素過電圧より高い水素過電圧(絶対値)を有する。好ましくは、カソード液のpHは、約0.6〜約1.8、さらに好ましくは、約0.6〜約1.5、またさらに好ましくは、約0.6〜約1.1、そして最も好ましくは、約0.9〜1.1で維持される。さらに、カソード区画の上で不活性な窒素雰囲気を使用することは、鉄カチオンの酸化防止を助けることができる。
アノード側では、塩素発生のための寸法的に安定なアノードの利用は、酸素ガスの発生を防ぐことができ、それによって高純度の塩素ガスの生成を確かにする。
図2の態様では、電解は、通常、定電流制御下、約40℃〜約110℃で行われる。全体的な電流密度は、槽当たり約1.9〜約3.5Vの範囲の槽電圧で、約200〜約2000A/m2からなる。この具体的な実施形態では、ファラデー効率は、通常、90%超であり、そして具体的なエネルギー消費は、通常1kgの鉄当たり約2〜約3.7kWh、および1kgの塩素ガス当たり約1.6〜約3kWhである。
この具体的な実施形態では、発生した湿った塩素ガスは、吸引によって回収され、グラファイト熱交換器を通して冷却され、そしてミストセパレーターおよび幾つかの濃硫酸噴霧塔(洗浄)を通して乾燥される。最終的に乾燥され、そして冷却された塩素ガスは、圧縮され、そして液化され、従って輸送され、または将来の再利用のために、オンサイトで貯蔵されることに備える。
純粋な金属鉄の厚い電着された板は、チタンのカソードから機械的に剥離される。
不溶性の硫酸カルシウム二水和物(CaSO4・2H2O)としてカルシウム、および主に硫酸ラジウムとしてのそれに伴うさらなる放射能の痕跡量を除くために、濃硫酸が、電解槽から出た、使用された鉄のない電解質、または鉄を使い果たした溶液に加えられる。
残りの使用されたマグネシウムおよびアルミニウムに富んだ塩水は、次に熱加水分解されて、共沸性の塩酸を回収しながら、耐火物またはプロパントの製造で使用されるのに備えて耐熱性スピネルビーズ、ペレットまたは顆粒を生じる。
図3で具体的に説明するように、本発明による方法の別の特定の態様では、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液は、(pH調整等の)何らかの前処理なしで、電気化学プラントに送られる。(図5で具体的に説明する)この方法で使用される電解槽の設計は、3区画:(i)チタン板カソードを有するカソード区画、(ii)塩素の発生のために、寸法的に安定なアノードを含むアノード区画、および(iii)陽イオン交換膜によってカソード区画から、かつ陰イオン交換膜によってアノード区画から分離された中央の区画、を有する。カソード区画の内側を循環するカソード液は、塩化マグネシウム(約220g/LのMgCl2)を有する塩化第一鉄(約350g/LのFeCl2)の飽和溶液であり、一方、アノード液は、防蝕剤としての約10、000ppmの第二鉄(Fe3+)を有する約20wt%の塩酸および約17wt%の塩化マグネシウムでできている。カソード液のpHは、2未満、好ましくは、約0.6〜約1.8、さらに好ましくは、約0.6〜約1.5、またさらに好ましくは、約0.6〜約1.1、最も好ましくは、約0.9〜約1.1に調整される。鉄分の豊富な金属塩化物の溶液は、中央の区画を連続的に通される。電解(図5)の間、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液の鉄カチオンは、陽イオン交換膜を通って移動し、そしてチタンのカソード上で純粋な金属鉄に還元され、一方、塩素アニオンは、陰イオン交換膜を通って、それらが酸化される寸法的に安定なアノードに移動し、それによって発生する塩素ガスを生成する。含まれる電気化学反応は、次のようである:
Fe2+(水溶液)+2e-→Fe0(固体)(カソード、−)
2Cl-(水溶液)→Cl2(気体)+2e-(アノード、+)
全体的な反応は:
FeCl2→Fe(固体)+Cl2(気体)
である。
電解は、槽当たり約1.9〜約3.5Vの範囲の槽電圧を有する約200〜約2000A/m2を含む全体的な電流密度を有する定電流制御下で、約40〜約110℃で行われる。この態様では、ファラデー効率は、通常、約90%超である。
この態様では、発生した純粋かつ湿った塩素ガスは、吸引によって回収され、グラファイト熱交換器を通すことによって冷却され、そしてミストセパレーターおよび幾つかの濃硫酸噴霧塔を通すことによって乾燥される。最終的に、乾燥され、そして冷却された塩素ガスは、圧縮され、そして次に液化され、従って輸送され、または将来の利用のためにオンサイトで貯蔵されるのに備える。
電着された純粋な金属鉄の厚い板は、チタンのカソードから機械的に剥離される。
過酸化水素(H22)が、全ての微量のバナジウム(IV、およびV)をバナジウム(V)に酸化するために、中央の区画から出て鉄を使い果たした溶液に加えられる。そして、酸化マグネシウム(MgO)が加えられて、pHを約1.8〜2.2に調整し、水和した五酸化バナジウム(V25.250H2O)の定量的な沈殿となる。沈殿物をデカンテーション、ろ過または遠心分離で除き、乾燥され、そして焼成されて、五酸化バナジウム(V25)(示されていない)の薄片を生じる。
後で、不溶性の硫酸カルシウム二水和物としてカルシウム、およびほとんどラジウムとしてのそれに伴う放射能の痕跡量を除くために、生じた鉄およびバナジウムのない塩水に硫酸が加えられる。使用されたマグネシウムおよびアルミニウムに富んだ塩水は、次に熱加水分解されて、共沸性の塩酸を回収しながら、耐火物またはプロパントの製造で使用されるのに備えた耐熱性スピネルビーズ、ペレットまたは顆粒を生じる。
鉄分の豊富な金属塩化物の溶液のpHは、3区画電解槽を使用する場合、電解の前に調整されまたは調整されなくてもよいことに留意する。本明細書中では好ましい態様ではないが、そうした調整は、例えば、上記のように鉄堆積と共にバナジウムを沈殿させるのに役立つことができるであろう。
本発明による方法の多くのパラメーターは、下で説明するように変えることができる。
(バルクまたは被膜材料としての)本発明の方法での使用に好適なカソード材料は、水素の発生のために高い過電圧、さらに具体的に言うと、所与の電解条件において、鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有する材料である。有利に、カソード材料はまた、金属鉄堆積物の剥離を可能にする。好適なカソード材料の限定されない例は、(商用またはより高純度の)チタン、チタン合金(例えば、チタンパラジウムASTMグレード7)、(商用またはより高純度の)ジルコニウム、(商用またはより高純度の)ジルコニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、(商用またはより高純度の)カドミウム、カドミウム合金、(商用またはより高純度の)スズ、スズ合金、(商用またはより高純度の)銅、銅合金、(商用またはより高純度の)鉛、鉛合金、(商用またはより高純度の)ニオブ、ニオブ合金、(商用またはより高純度の)金、金合金、水銀または水銀を有する金属アマルガムを含む。
本発明の方法での使用に好適なアノード材料は、(バルクまたは被膜材料として)(1)電解触媒としての混合金属酸化物(MMO)で被覆された金属性基材またはベースメタルMでできたタイプ[M/Mxy−Azt](式中、Mは、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ハフニウム、ハフニウム合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金等の弁作用特性を有する耐熱性金属または合金、MxyはTiO2、ZrO2、HfO2、NbO2、Nb25、TaO2、およびTa25等のベースメタルを保護する薄くかつ不浸透性の層を生成するバルブ金属の金属酸化物であり、そしてAztは、貴金属の電解触媒金属酸化物またはさらに多くの場合、RuO2、IrO2、PtOx等の白金族金属(PGM)の酸化物およびまた時々SnO2、Sb25、Bi23等の金属酸化物である)の、塩素(DSA(商標)−Cl2)発生のための寸法的に安定なアノード;(2)一般式 Tin2n-1(n>=3の整数)を有するMagneli−Anderson相等の準化学量論量の酸化チタン、スピネル構造(AB24、式中、A=Fe(II)、Mn(II)またはNi(II)、およびB=Al、Fe(III)、Cr(III)、Co(III))を有する導電性酸化物またはペロブスカイト構造(ABO3、式中、A=Fe(II)、Mn(II)、Co(II)またはNi(II)を有する、およびB=Ti(IV))もしくはパイロクロア構造AB27を有する導電性酸化物等のバルク電子導電性セラミック;または(3)グラファイト、不浸透性グラファイト、またはガラス質炭素等の炭素系材料を含む。
本発明の方法で使用されるアノード液の組成は、塩酸、MgCl2、NaCl、CaCl2またはそれらの混合物等の塩および防蝕剤としてのFe(III)を有利に含む。例えば、好適なアノード液の組成は、以下の範囲で変化できる:約10〜約37wt%の塩酸(好ましくは約20%);(好ましくは8、000〜10、000ppm wtの)防蝕剤として約10〜約12、000ppm wtのFe(III)を有する約1〜約20wt%(好ましくは約16%)のMgCl2、NaCl、KCl、LiCl、CaCl2またはそれらの混合物。
3区画電解槽を含む本発明の態様において、カソード液の組成は、以下の範囲で変化できる:約1〜約450g/L(好ましくは約335g/L)の塩化鉄(II)、約1〜約350g/L(好ましくは約250g/L)のMgCl2、約1〜約350g/L(好ましくは約250g/L)のCaCl2または約350g/L(好ましくは約250g/L)のMgCl2とCaCl2の混合物;カソード液はまた、0〜約10g/Lの遊離HClを含むことができる。そうした態様では、カソード液のpHは、一般的に約0.6〜約1.5、好ましくは約0.6〜約1.1、さらに好ましくは約0.9〜約1.1の範囲にある。
反応温度は、約40〜約110℃、好ましくは約80〜約95℃の範囲であることができる。最も好ましくは、運転温度は、約85℃である。
アノード液およびカソード液の両者の体積流量は、有利に約0.1〜約100L/分、好ましくは約0.1〜約30L/分であることができる。最も好ましくは、体積流量は、約2L/分である。
鉄のデンドライトのない滑らかな堆積を生成するための電解の間のカソード電流密度は、有利に約50〜約1000A/m2の範囲にある。そうした場合、好ましくは、カソード電流密度は、約500A/m2である。
鉄粉末を生成するための電解の間のカソード電流密度は、有利に約3000〜約5000A/m2の範囲である。そうした場合、好ましくは、カソード電流密度は、約4000A/m2である。
本発明の方法で使用されるセパレーターは、従来の隔膜セパレーター等のパッシブ、またはイオン交換膜等のアクティブであることができる。好ましくは、使用されるセパレーターは、イオン交換膜である。本発明の方法で使用される陰イオン交換膜および陽イオン交換膜は、従来の膜である。好適な陰イオン交換膜の非限定の例は、下記の例(図12)に示される。
抵抗降下に周知の影響を有する電極間ギャップをまた、変化させた。電極間ギャップは、有利には約6mmである。
本発明を、以下の非限定の例によって、さらに詳細に下記で具体的に説明する。
例1
鉄分の豊富な金属塩化物の溶液の調製および未反応の固体の分離。
ひとまとまりの10kgの無水の塩素化器の粉塵、改良されたチタニアに富んだスラグ(UGS)の炭塩素化の副生成物が、二酸化チタン顔料製造業者によって提供された。全ての可溶性の金属塩化物を浸出させるために、この材料を、最初に10g/Lの遊離塩酸(HCl)を含む熱酸性化水と、80℃で最初に混合した。可溶性塩の完全な溶解の後で、生じた暖かくかつ濃厚なスラリーを、それぞれ4.5リッターの容量を有する大きい240mmの内径のブフナー漏斗(CoorsTek)を使用して真空下でろ過した。ブフナー漏斗を真空ポンプに接続された10リッターの三角真空フラスコ(Kimax)上に設置されていた。使用したろ過媒体は、無灰フィルター紙、番号42(Whatman)のディスクであった。処理量を増やすために、4つのこれらのブフナー三角フラスコの集成体を同時並行で操作した。
このように得られたろ過ケーキを、最小の加熱かつ酸性化した脱イオン水で注意深く洗浄し、アセトンによって脱水し、ステンレス鋼パン中に置いた、そして次に110℃で一晩オーブン乾燥した。顕微鏡検査および化学分析から、残りの不溶性の固体は、主に未反応のチタンスラグ、シリカおよびシリケート、二酸化チタンの沈殿微粒子、およびコークス留分を含んでいた。乾燥後に得られたこれらの固体の化学組成の例を、下記表3に示す。
表3 熱酸性水の浸出、および乾燥後の不溶性固体の組成(wt%)
Figure 2010504423
ろ過および洗浄完了後に、洗浄水および4つのろ液は、合計すると18Lであり、これをポリプロピレンでできた大きい5米ガロンの円筒型タンク中に集めた。浸出後のこの初期溶液の金属塩化物の濃度を、表4に示す。ろ液中の塩化鉄(II)の濃度(すなわち、83.7g/L)は、滑らかな堆積物を得るのに充分なカソード電流密度で電解を行うには低すぎたので、ホットプレート(Corning)上で加熱した大きい三角フラスコで蒸発させることによって溶液をさらに濃縮した。溶液の体積が1/4(4.5L)に減少すると、蒸発を停止させた。この段階では、金属塩化物の濃度は大幅に増加し、そして80℃でサンプルをとった(表4、濃縮溶液を参照)場合、塩化鉄(II)で335g/Lとなった。それ故に、室温での冷却による塩化第一鉄の結晶化を防ぐために、熱浴(Lauda GmbH)によって供給される循環する熱水で加熱した10Lのジャケット付ガラス反応器(Kimble−Contes)に、溶液を直ちに移した。溶液の温度を、常時80℃で維持した。遊離酸の濃度をほぼ10g/Lに保つために、微量の濃塩酸を加えることによって、溶液をまた酸性化した。実際、0.5未満のpHで、第一鉄(Fe2+)の第二鉄(Fe3+)への空気酸化は、減速する。さらに、酸化を防ぐのと同じ目的で、溶液上を窒素ガスで覆うことを維持し、そして上記の溶液上に浮く小さいcmのサイズポリプロピレン球が、蒸発による重要な水の損失を防止した。次に、溶液を調製し、そして次の段階に備えるために貯蔵した。
表4 鉄分の豊富な溶液の金属塩化物の濃度(g/L)
Figure 2010504423
例2
pH1.1の濃縮された鉄分の豊富な金属塩化物の初期溶液の電解
先の例1の鉄分の豊富な金属塩化物の濃縮溶液を、微量のマグネシアを加えることによって1.1のpHに単に調整した、そして次に、電解槽のカソード区画の内側で循環させた。電解槽は、Excellion(商標)I−200(SnowPure LLC)でできた陰イオン交換膜によって分離された2区画を有する、Electrocell AB(Sweden)の圧ろ器design model MP cellからなる。幾何学的電極および膜表面積は、100cm2であり、そしてそれぞれの電極とセパレーターとの間の間隔は、6mmであった。
カソード区画は、Titanium Industriesによって提供されたチタンパラジウム合金(ASTMグレード7;Ti−0.15Pd)でできたカソード板を含む。電解の前に、カソードを、フルオロ硝酸混合物(70vol%のconc.HNO3、20vol%のconc.HFおよび10vol%のH2O)に浸すことによって、化学エッチングし、そして次に脱イオン水で、微量の酸も残らなくなるまで充分に洗浄した。
アノード区画は、塩素の発生を促進するための電解触媒(Ti−0.15Pd/RuO2)として働く、高い塗布量の二酸化ルテニウム(RuO2)でコートされたチタンパラジウム合金基板でできた、Magneto BV (Netherlands)から提供された寸法的に安定なアノード(DSA(商標)−Cl2)を備えていた。輪状に再循環されるアノード液は、17wt%の塩化マグネシウム(MgCl2)および防蝕剤として10、000ppmの第二鉄(Fe3+)を有する20wt%の塩酸の水溶液、残りの部分である脱イオン水、から成っていた。電解を、500A/m2の全体的な電流密度で、定電流で行った。運転温度は、80℃であり、そしてカソード液とアノード液との両者の体積流量は、1L/分であった。その電流密度では、測定された全体的な槽電圧は、2.528Vであった。電解の間、純粋な金属鉄がカソードに堆積した。他方では、塩素アニオンが浸透性の陰イオン交換膜を通って、アノード区画へ向かって移動し、そして以下の電気化学反応によって、アノードの表面で塩素ガスとして放出された:
Fe2+(水溶液)+2e-→Fe0(固体)(カソード、−)
2Cl-(水溶液)→Cl2(気体)+2e-(アノード、+);
全体的な電気化学反応は:
FeCl2→Fe(固体)+Cl2(気体)
である
2時間の連続的な電解の後で、電源を切り、そして電解槽を開けた。電着された粗く、そして黒色化した薄板は、機械的な手段によってチタンのカソードから容易に剥がれた。測定された厚さは、約0.126mmであって、そしてその質量は、わずか8.30gであった。走査電子顕微鏡(SEM)での精密な検査では、これは、実際、純粋な五酸化バナジウム結晶(図6および図7を参照のこと)の小さく、埋め込まれた粒子で電着された金属鉄であった。バルクサンプルを究極的に化学分析したところ、それは、68wt%の鉄および32wt%の五酸化バナジウム(V25)で構成されていた。五酸化バナジウムの共堆積は、カソード表面において、ヒドロニウムカチオン(H+)が、発生した水素に還元され、そしてそれ故に局所的にこのH+がなくなくことは、pHの上昇となり、五酸化バナジウム粒子の沈殿を生じ、電着された鉄中に埋め込まれるという事実におそらくよっていた。これらの実験の数値から、推定されるファラデー電流効率は、80%であり、そして500A/m2での具体的なエネルギー消費は、1kgの堆積(鉄+五酸化バナジウム)当たり3.033kWh、または1kgの純粋な鉄当たり4.460kWhであった。
発生した湿った塩素ガスは、下流にVitonチューブを有するぜん動ポンプ(Masterflex L/S Digital Pump)を使用して吸引により回収した。塩素ガスを、氷浴中に漬けた空の洗浄されたホウケイ酸ガラスの瓶を通すことによって、最初に冷却した、ミストおよび湿気含有物を次に、濃硫酸(98wt%のH2SO4)で満たされた幾つかのフラスコに、ガスを通すことによって除去し、そして最終的に乾燥しかつ冷却された塩素ガスを、以下の反応によって、ヨードを遊離するヨウ化カリウム(Kl)の飽和溶液中に全て吸収した:
Cl2(気体)+3K+ 水溶液+3l- 水溶液→3K+ 水溶液+I3 - 水溶液+2Cl- 水溶液
電解の完了後に、遊離ヨードを、チオ硫酸ナトリウム(Na223)の標準溶液で、次の反応によって適定した:
4Na+ 水溶液+2S23 2- 水溶液+K+ 水溶液+I3 - 水溶液→4Na+ 水溶液+S46 2- 水溶液+K+ 水溶液+3l- 水溶液
滴定に基づいて、塩素中でアノードのファラデー効率は、78%と確定された。2つの電流効率(アノードおよびカソード)間の相違は、最もおそらくは、カソードでのいくらかの水素発生およびアノードでのいくらかの酸素発生による。500A/m2でのアノードの具体的なエネルギー消費は、それ故に1kgの純粋な塩素ガス当たり2.45kWh(すなわち、1m3当たり7.652kWh(NTP:0℃、101.325kPa))であった。
例2b(pH0.30で濃縮された鉄分の豊富な金属塩化物の初期溶液の電解)。
例2aの代わりとして、カソード表面で五酸化バナジウムの沈殿pHより上にpHが高まることを防ぐために、例1から鉄に富んだ金属塩化物の濃縮溶液を、0.30のpHよりむしろ低いが、しかし水素の発生に有利にならないように低過ぎないpHに調整した。これを、電解槽のカソード区画中に塩酸を加え、そして循環させることによって行った。電解槽は、例2a中で記載されたのと同一であったが、しかし、今回は、1000A/m2の電流密度で、定電流で電解を行った。この電流密度および低いpHで測定された槽電圧は、2.865Vであった。1時間後に、明るくかつ滑らかな電着物が、チタンのカソード(図8を参照のこと)から容易に剥離された。それは、わずか6.24gの質量を有した。それは、99.88wt%の鉄およびわずか0.12wt%の五酸化バナジウム(V25)でできていた。これらの実験の数値から、推定されたファラデー電流効率は、60%であり、そして1000A/m2での具体的なエネルギー消費は、1kgの鉄当たり4.584kWhであった。
発生した湿った塩素ガスを、例2aに記載された方法と同じ方法で回収した。
例3
例2aの鉄バナジウム堆積物からの鉄およびバナジウムの回収
金属性堆積物を、pulverisette粉砕機(Fritsch)で粉砕し、そして生じた粉末を、100℃で2時間水酸化ナトリウム(50wt%のNaOH)の苛性アルカリ溶液で、圧力下で処理し、125mLのPTFEの並んだ高圧容器(digestion bomb:Parr Company)に入れた。冷却して、溶液をろ過し、不溶性の金属鉄の微粒子を回収した。次に、純粋なメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)を沈殿させるために、過剰の塩化アンモニウム(NH4Cl)をバナジウムに富んだ液体に加えた。純粋なメタバナジン酸アンモニウムを、後に箱型炉(Fisher Isotemp)中400度で、乾燥空気中の磁器製の皿内で焼成し、アンモニア(NH3)および水蒸気(H2O)を発生させ、それによって五酸化バナジウムの赤橙色粉末を生じさせた。粉末を、次にインコネル坩堝に移し、そして、空気中700℃で溶解し、そして溶融物を冷鋼板上で鋳造した。亜金属光沢を有する生じた凝固させた黒色の塊を、次に粉砕助剤および冷却剤としてアセトンを使用して、硬い金属ライナーを有する2円盤振動カップ粉砕機(Fritsch GmbH)に粉砕して入れた。このように得られた製品は、工業グレードの五酸化バナジウム粉末であった。
例4
電解前の例1の鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からのバナジウムの除去
化学量論量の塩素酸ナトリウム(NaClO3)を、例1で調製された初期の溶液に加え、次の反応により、全てのバナジウムカチオン(V4+、V5+)を5価のバナジウム(V5+)に酸化した:
5VO2++ClO3 -+2H2O→5VO2 ++0.5Cl2(固体)+4H+
溶液の濃縮後に、塩素酸ナトリウムの追加を行うことができたことに、留意する。
後に、当量の塩化第二鉄(FeCl2)を溶液に導入して、五酸化バナジウムと水酸化鉄の共沈殿を促進した。そうした共沈殿は、バナジウムの完全な沈殿を促進するために使用された。実際、バナジウムは、沈殿する唯一の種であることが好ましく、沈殿は、溶液中で約0.02mol/L未満のバナジウム濃度で停止するであろう。
赤茶色の水和した五酸化バナジウム(V)は、ほぼpH1.8で沈殿し始め、一方、茶色の水酸化鉄(III)は、ほぼpH2.0で沈殿し始めた。従って、両方の種が存在する場合、それらは、pH1.8〜2.0で共沈殿する。この場合は、沈滞したマグネシア(Mg(OH)2)のスラリーを注意深く加えることによって、黒色の四三酸化鉄水酸化物の沈殿を避けるために、pHを2.0までであるが、決して2.0より上でないところまで溶液のpHを上げた。このpHでは、水和した五酸化バナジウム(V25・250H2O)と水酸化鉄(III)との完全な共沈殿が、ゼラチン状の赤茶色沈殿物の形態で生じた。例1に記載したのと類似の設定を使用して、共沈殿物をろ過によって分離した。
生じたろ液を、次に再び酸性化して、0.5に近いpHに調整し、そして、次の電解ステップまでジャケット付反応器中で貯蔵した。
赤茶色のゼラチン状のろ過ケーキを、フィルター紙から除去し、そして水酸化ナトリウム(50wt%のNaOH)の暖かい苛性アルカリ溶液に溶かした。冷却して、溶液およびスラッジを250mlの遠心分離ポリプロピレン瓶に注ぎ込み、そして堅牢な卓上遠心分離機(Thermo ElectronのCL4)を用いて、10、000回転/分で遠心分離した。水酸化鉄(Fe(OH)3)から主になる不溶性かつ濃いゼラチン状の残留物が底に分離し、熱アルカリ性水(pH10)で注意深く洗浄し、再び遠心分離し、そして次に廃棄した。そして、純粋なメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)を沈殿させるために、過剰の塩化アンモニウム(NH4Cl)を、バナジウムに富んだ上澄みに加えた。純粋なメタバナジン酸アンモニウムを、後で箱型炉(Fisher Isotemp)中、400度で、乾燥空気中の磁器製の皿内で焼成して、アンモニア(NH3)および水蒸気(H2O)を出し、それによって五酸化バナジウムの赤橙色粉末を生じさせた。粉末を次にインコネル坩堝に移し、700℃空気中で溶解し、そして冷鋼板上で鋳造した。亜金属光沢を有する凝固させた黒色固まりを、次に粉砕助剤および冷却剤としてアセトンを使用して、硬い金属ライナーを有する2円盤振動カップ粉砕機(Fritsch GmbH)に粉砕して入れた。このように得られた製品は、主な不純物としていくらかのクロム、鉄およびマンガンを含む工業グレードの五酸化バナジウム粉末であった。
例5
例4のバナジウムのない鉄に富んだ溶液の電解
例4でバナジウムが除去された鉄分の豊富な金属塩化物の溶液に、微量のマグネシアを加え、そして電解槽のカソード区画の内側で循環させることによって、0.9のpHで調整した。電解前のその組成を、表4の最も右の列に示す。電解槽を、例2aおよび2bに記載したのと同一にした。電解をまた、200A/m2の電流密度で、定電流で行った。運転温度は、85℃であり、そしてカソード液およびアノード液の両者の体積流量は、1L/分であった。その電流密度では、測定された槽電圧は、1.85Vであった。5時間の連続的な電解の後で電源を切り、そして電解槽を開けた。金属鉄の電着された薄板は、機械的な手段によって、チタンのカソードから容易に剥離した。厚さは、0.126mmであり、そしてその質量は10.20g(図9を参照のこと)であった。それは、おそらくは付着した水素の泡による、いくつかの穴のある滑らかかつ柔軟な材料であった。これらの実験の数値から、推定されたファラデー電流効率は、97.9%であり、そして200A/m2での具体的なエネルギー消費は、1kgの鉄当たりわずか1.87kWhであった。鉄の純度は、微量の他の金属元素をも有さない99.99wt%のFeであった。
例6
3区画電解槽を有する鉄分の豊富な金属塩化物の溶液の電解
例1の鉄分の豊富な金属塩化物の濃縮溶液を、微量のマグネシアを加えることによって1.1のpHに単に調整した、そして次に、電解槽の中央の区画の内側で循環させた。電解槽は、両方ともSnowPure LLCによって製造された、陰イオン交換膜(Excellion(商標)I−100)および陽イオン交換膜(Excellion(商標)I−200)によって分離された3区画を有する、Electrocell AB (Sweden)の圧ろ器design model MP cellから成った。幾何学的な電極および膜の表面積は、100cm2であり、そしてそれぞれの電極と、セパレーターとの間の間隔は、6mmであり、そしてまたそれぞれの膜との間は6mmであった。
カソード区画は、Titanium Industriesによって製造されたチタンパラジウム合金(ASTMグレード7;Ti−0.15Pd)でできたカソード板を含んでいた。電解の前に、カソードを、フルオロ硝酸混合物(70vol%のconc.HNO3、20vol%のconc.HFおよび10vol%のH2O)に浸すことによって、化学エッチングし、そして次に微量の酸も残らないまで充分に脱イオン水で洗浄した。
アノード区画は、塩素の発生(Ti−0.15Pd/RuO2)を促進するための電解触媒として働く高い塗布量の二酸化ルテニウム(RuO2)で被覆されたチタンパラジウム合金基材の板でできたMagneto BV(Netherlands)で製造された寸法的に安定なアノード(DSA(商標))を備えていた。
カソード区画内を輪状に循環するカソード液は、1.1のpHに調整した350g/Lの塩化鉄(II)および300g/Lの塩化マグネシウム(II)の水溶液であったが、一方、アノード区画内を輪状に循環するアノード液は、17wt%の塩化マグネシウム(MgCl2)を有する20wt%の塩酸の水溶液と、防蝕剤としての10、000ppmの第二鉄(Fe3+)、残りの部分である脱イオン水から成っていた。
電解を、500A/m2の電流密度で、定電流で行った。運転温度は、80℃であり、そしてカソード液、アノード液および初期の溶液のいずれの体積流量も1L/分であった。この電流密度では、測定された全体的な槽電圧は、3.502Vであった。電解の間、鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からの鉄カチオンは、Excellion(商標)1−100陽イオン交換膜を横切り、そして純粋な金属鉄は、カソードで堆積した。他方では、塩素アニオンは、浸透性の陰イオン交換膜を通って、アノード区画へ移動し、そして塩素ガスとしてアノードの表面で放出された。
2時間の連続的な電解後に電源を切り、そして電解槽を開けた。明るい金属鉄の堆積板は、機械的な手段により容易にチタンのカソードから剥がれた。測定された厚さは、約0.126mmであり、そしてその質量は10.04g(図10を参照のこと)であった。これらの実験の数値から推測されたファラデー電流効率は、96.4%であり、そして500A/m2での具体的なエネルギー消費は、1kgの鉄当たり3.485kWhであった。塩素ガスを、例2a既に記載された方法で回収した。
バナジウムをまた、中央の区画から出た鉄を使い果たした溶液から標準的な方法で以下のように回収した。化学量論量の塩素酸ナトリウム(NaClO3)を、鉄を使い果たした溶液に加えて、次の反応により、全てのバナジウムカチオン(V4+、V5+)を5価のバナジウム(V5+)に酸化した:
5VO2++ClO3 -+2H2O→5VO2 ++0.5Cl2(気体)+4H+
次に、黒色の四三酸化鉄水酸化物の沈殿を避けるために、沈滞したマグネシア(Mg(OH)2)のスラリーをpHが2.0になるまでであるが、2.0を超えないように、注意深く加えることによって、溶液のpHを上げた。そのpHでは、水和した五酸化バナジウム(V25・250H2O)の完全な沈殿が、ゼラチン状の赤茶色沈殿物の形態で生じた。バナジウムは、この場合は沈殿する唯一の種であったので、沈殿は、溶液中で約0.02mol/L未満のバナジウム濃度で停止したであろう。溶液の再濃縮は、さらなるバナジウムの回収を可能にする。
赤茶色沈殿物を、例4に記載されたのと類似の設定を使用するろ過によって分離した。赤茶色のゼラチン状のろ過ケーキを、フィルター紙から除去し、そしてオーブン内で乾燥し、そして後で箱型炉(Fisher Isotemp)中、400度で、乾燥空気中の磁器製の皿内で焼成し、水蒸気(H2O)を出し、それによって五酸化バナジウムの赤橙色粉末を生じさせた。粉末を次にインコネル坩堝内に移し、700℃、空気中で溶解し、そして冷鋼板上で鋳造した。亜金属光沢を有する凝固させた黒色の塊を、次に粉砕助剤および冷却剤としてアセトンを使用して、硬い金属ライナーを有する2円盤振動カップ粉砕機(two disks vibratory cup mill:Fritsch GmbH)に粉砕して入れた。このように得られた製品は、主な不純物としていくらかのクロム、鉄およびマンガンを含む工業グレードの五酸化バナジウム粉末であった。
例2a、2b、5および6で行った電解実験のいくつかの結果および特徴を、下記の表5にまとめる。
表5
Figure 2010504423
例7
鉄を使い果たした電解質からのカルシウムの除去
例2a、2b、5および6のそれぞれの後で、電解槽から出た鉄を使い果たし、かつおそらくはバナジウムのない溶液に、沈殿し不溶性の硫酸カルシウム二水和物(CaSO4.2H2O)としてカルシウムを除くために濃硫酸を加えた。沈殿物をろ過で除いた。塩化マグネシウムおよび/または塩化アルミニウムのみを含む透明溶液を熱加水分解のために備えた。
例8 例2a、2b、5および6で電解を行うためのカソード材料の選択
カソード材料の選択を、例2aで使用したのと同一の電解槽および設定を用いて行った。カソード区画中で、輪状に循環する合成カソード液は、1.1のpHに調整した350g/Lの塩化鉄(II)および300g/L塩化マグネシウム(II)の水溶液でできていた、一方、アノード区画を輪状に循環するアノード液は、17wt%の塩化マグネシウム(MgCl2)を有する20wt%の塩酸の水溶液、および防蝕剤としての10、000ppmの第二鉄(Fe3+)、残りの部分の脱イオン水、からなっていた。電解を80℃で、2時間定電流で行った。分極曲線、すなわち、槽電圧vs電流密度を、それぞれのカソード材料で記録した。テストした材料は、Titanium Industriesのチタンパラジウム合金ASTMグレード7(Ti−0.15Pd)、Wah ChangのZircadyne(商標)702、オーステナイトステンレス鋼AISIグレード316L、アルミニウムグレード6061 T6および純粋な銅であった。期待したように、チタンおよびジルコニウムのみが、鉄の堆積物の容易な剥離を可能にした。分極曲線を図11に示す。
例9
例2a、2b、5および6での電解を行うための陰イオン交換膜の選択
陰イオン交換膜の選択を、例2aで使用したのと同一の電解槽および設定で行った。カソード区画中を輪状に循環する合成カソード液は、1.1のpHに調整した350g/Lの塩化鉄(II)および300g/L塩化マグネシウム(II)の水溶液でできており、一方、アノード区画中を循環するアノード液は、17wt%の塩化マグネシウム(MgCl2)を有する20のwt%塩酸の水溶液、および防蝕剤として10、000ppmの第二鉄(Fe3+)、残りの部分である脱イオン水、から成っていた。電解を、80℃で、2時間定電流で行った。分極曲線、すなわち、槽電圧vs電流密度を、それぞれの陰イオン交換膜で記録した。テストした膜は、Excellion(商標)I−100(SnowPure LLC)、Neosepta(商標)AMH、ACM、およびAHA(Tokuyama Co.Ltd.−Eurodia)、Selemion (Asahi Glass)およびUltrex(商標)AMI−7001(Membrane International)であった。分極曲線を図12に示す。
例10
例2a、2b、5および6で電解を行うためのアノード液の組成の選択
アノード液の選択を、例9で使用したのと同一であるが、カソード区画中で、輪状に循環する合成カソード液を使用した電解槽および設定で行い、このカソード液は、pH1.1に調整した350g/Lの塩化鉄(II)および300g/Lの塩化マグネシウム(II)の水溶液でできたアノード区画中を輪状に循環するアノード液であるが、その組成を次のように変えてある:(i)20wt%のMgCl2+2wt%のHCI;(ii)20wt%のMgCl2+5wt%のHCl;(iii)17wt%のMgCl2+20wt%のHCl;(iv)20wt%のHCl、すべて防蝕剤として10、000ppm wtのFe(III)を有する。電解を80℃で、2時間定電流で行った。分極曲線、すなわち、槽電圧vs電流密度を、それぞれのアノード液の組成物で記録した。分極曲線を、図13に示す。
本発明を、その具体的な実施形態によって上記に記載したが、請求項によって規定された発明の要旨の精神および性質を離れることなく改良できる。

Claims (36)

  1. 鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からの金属鉄および塩素ガスの回収のための電気化学的方法、該方法は:
    a)鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用意すること;
    b)鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有するカソードを備え、そして約2未満のpHを有するカソード液を含む、カソード区画と、
    アノードを備え、そしてアノード液を含む、アノード区画と、
    陰イオンの通過を可能にするセパレーターと、
    を含む、電解槽中で該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を電解すること、
    該電解ステップは、該電解槽の非アノード区画中で該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液
    を循環させること、それによって該カソードに鉄を電着させること、および塩素ガス
    を該アノードで発生させること、そして鉄を使い果たした溶液を残すこと、を含む;および、
    c)該電着された鉄および該塩素ガスを別々に回収すること;
    を含んで成る。
  2. 鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用意するステップa)が:
    a1)熱水溶液で固体の炭塩素化廃棄物を浸出させること、それによって水性スラリーを生成させること;および
    a2)該水性スラリーに、固体分離を受けさせること、それによって不溶性のケーキを生成させ、そして鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を単離すること、
    の各ステップを含む、請求項1に記載の電気化学的方法。
  3. 該カソード液の該pHが、約0.3〜約1.8、好ましくは、約0.6〜約1.5、さらに好ましくは、約0.6〜約1.1、最も好ましくは、約0.9〜約1.1の範囲に調整される、請求項1または2に記載の電気化学的方法。
  4. 該カソードが、200A.m-2、25℃、0.5mol.Dm-3HClで、約425mV超の過電圧を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  5. 該カソードが、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、カドミウム、カドミウム合金、スズ、スズ合金、銅、銅合金、鉛、鉛合金、ニオブ、ニオブ合金、金、金合金、水銀および水銀を有する金属アマルガムからなる群から選択される材料で構成されるか、被覆されている、請求項4に記載の電気化学的方法。
  6. 該材料が、チタンまたはチタン合金、好ましくは、チタンパラジウムASTMグレード7からなる請求項5に記載の電気化学的方法。
  7. 該カソードが、該電解ステップの前に前処理され、好ましくは、フルオロ硝酸混合物に浸漬することによって化学エッチングされ、そして微量の酸を除去するために脱イオン水での洗浄を通る、
    該フルオロ硝酸混合物は、好ましくは、約70vol%のconc.HNO3
    約20vol%のconc.HFおよび約10vol%のH2Oの組成を有する、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  8. 該アノード液が、該電解槽の該アノード区画内を輪状に循環する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  9. 該アノード液が、好ましくは、約10〜約37wt%、さらに好ましくは、約20%のHCl、好ましくは、1〜約20wt%、さらに好ましくは、約16wt%のMgCl2、NaCl、LiCl、KCl、CaCl2およびそれらの混合物からなる群から選択された塩、および好ましくは、10〜約12、000ppm wt、さらに好ましくは、約8000〜約10000ppm wtの防蝕剤としてのFe(III)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  10. 該アノードが、タイプ[M/Mxy−Azt]の寸法的に安定なアノード
    (式中、Mは、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ハフニウム、ハフニウム合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタルまたはタンタル合金を含む弁作用特性を有する耐熱性金属または合金であり、Mxyは、TiO2、ZrO2、HfO2、NbO2、Nb23、TaO2、またはTa25を含む該ベースメタルを保護する薄くかつ不浸透性の層を生成するバルブ金属の金属酸化物であり、そしてAztは、貴金属の電解触媒金属酸化物、RuO2、IrO2またはPtOxを含む該白金族金属の酸化物、またはSnO2、Sb25またはBi23を含む金属酸化物である)
    である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  11. 該アノードが、一般式Tin2n-1(式中nは、3以上の整数である)を有する準化学量論量の酸化チタン;スピネル構造AB24(式中、Aは、Fe(II)、Mn(II)またはNi(II)であり、そしてBは、Al、Fe(III)、Cr(III)またはCo(III)である)を有する導電性酸化物;またはペロブスカイト構造ABO3(式中、Aは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)またはNi(II)であり、そしてBは、Ti(IV)である)を有するか、またはパイロクロア構造AB27を有する導電性酸化物を含む、バルク電子導電性セラミックで構成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  12. 該アノードが、グラファイト、不浸透性のグラファイト、またはガラス質炭素等の炭素系材料で構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  13. 該セパレーターが、イオン交換膜、好ましくは、陰イオン交換膜であり、そして該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液が、輪状に該電解槽の該カソード区画内を循環し、該カソード液として働く2区画電解槽中で、該電解ステップが行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載された電気化学的方法。
  14. 該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液が、該電解ステップの前に、2未満、好ましくは、約0.3〜約1.8、好ましくは、約0.6〜約1.5、さらに好ましくは、約0.6〜約1.1、最も好ましくは、約0.9〜約1.1の範囲のpHに調整される、請求項13に記載の電気化学的方法。
  15. 該アノードおよびカソード区画が、それぞれ陰イオンおよび陽イオン交換膜によって中央の区画から分離されており、そして該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液が、該電解槽の該中央の区画内を循環する、3区画電解槽中で、該電解ステップが行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  16. 該カソード液が、輪状に該カソード区画内を循環する、請求項15に記載の電気化学的方法。
  17. 該カソード液が、約1〜約450g/L、好ましくは、約335g/Lの塩化鉄(II)、約1〜約350g/LのMgCl2もしくはCaCl2またはそれらの混合物、好ましくは、約250g/LのMgCl2、および0〜約10g/Lの遊離HClを含む、請求項15または16に記載の電気化学的方法。
  18. アノード液およびカソード液の両者の体積流量が、約0.1L/分〜約100L/分、好ましくは、約0.1L/分〜約30L/分の範囲であり、そしてさらに好ましくは、約2L/分である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  19. 該電解ステップが、約50〜約5000A/m2の範囲の電流密度で、一定の電流下で行われる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  20. 該電解ステップが、約50〜約1000A/m2の範囲、好ましくは、約500A/m2の電流密度で、一定の電流下で行われ、それによって本質的にデンドライトのない滑らかな鉄の堆積を得る、請求項19に記載の電気化学的方法。
  21. 該電解ステップが、一定の電流下で約3000〜約5000A/m2の範囲、好ましくは、約4000A/m2での電流密度で行われ、それによって本質的に粉末化した鉄を得る、請求項19に記載の電気化学的方法。
  22. 該電解ステップが、約40〜約110℃、好ましくは約80℃〜95℃の範囲、さらに好ましくは約85℃に等しい運転温度で行われる、請求項1〜21のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  23. 該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液が、炭塩素化の廃棄物、使用済みの酸の浸出液または酸洗い液に由来する、請求項1に記載の電気化学的方法。
  24. 該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液が、バナジウムを含み、該方法が、該電解ステップの前、間または後に、バナジウムの分離ステップを含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  25. 該バナジウムの分離ステップが、該電解ステップの前に起こる、請求項24に記載の電気化学的方法。
  26. 該バナジウムの分離ステップが、約0.5〜約3.0の範囲にあるpHで共沈殿によってクロムと同時に、該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からバナジウムを除去することにある、請求項25に記載の電気化学的方法。
  27. 該カソード液の該pHが、約0.3〜約0.5の範囲にあり、バナジウムを、鉄の電着と共に該カソードで沈殿させ、そして該バナジウムの分離ステップが、該電解ステップの後で生じる、請求項24に記載の電気化学的方法。
  28. 該カソード液の該pHが、約0.6〜約1.8の範囲にあり、鉄が該カソードに電着される間に、バナジウムを該循環する鉄分の豊富な金属塩化物の溶液内に本質的に残らせ、そして該バナジウムの分離ステップが該電解ステップの間に起こることによって、バナジウムが、その後該電解槽から出る該鉄を使い果たした溶液から回収される、請求項24に記載の電気化学的方法。
  29. 該アノードから回収された塩素ガスが、さらに乾燥され、そして液化される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  30. 該電解槽から出た該鉄を使い果たした溶液が回収され、そしてカルシウムおよび放射能を除くために、硫酸の追加によってさらに処理され、それによってマグネシウムおよびアルミニウムに富んだ塩水を生成する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の電気化学的方法。
  31. 流動床熱加水分解器での該マグネシウムおよびアルミニウムに富んだ塩水の熱加水分解のステップをさらに含み、それによって共沸性塩酸およびスピネルビーズを生成する、請求項30に記載の方法。
  32. 搬出のために、該共沸性塩酸の回収をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 浸出が、熱処理水、熱希薄塩酸、熱い使用済みの浸出酸または使用済みの酸洗い液で行われる、請求項2に記載の方法。
  34. 該固体分離ステップが、物理的な分離方法によって、好ましくは、デカンテーション、ろ過または遠心分離によって行われる、請求項2に記載の方法。
  35. 鉄分の豊富な金属塩化物の溶液からの金属鉄および塩素ガスの回収のための電気化学的方法、該方法は:
    a)鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を用意すること;
    b)鉄の水素過電圧より高い水素過電圧を有するカソードを備えたカソード区画と、
    アノードを備え、そしてアノード液を含む、アノード区画と、
    を含む、2区画の電解槽中で該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を電解すること、
    該カソードおよびアノード区画は、陰イオン交換膜によって分離されており、
    該電解ステップは、該電解槽の該カソード区画中で、カソード液として2未満のpH
    に調整された該鉄分の豊富な金属塩化物の溶液を循環させること、それによって鉄を
    該カソードに電着させること、および塩素ガス該アノードで発生させること、そして
    鉄を使い果たした溶液を残すこと、を含む;および
    c)該電着された鉄および該塩素ガスを別々に回収すること、
    を含んで成る。
  36. ステップc)において、鉄を回収することが、該カソードに電着した該鉄を物理的に剥離することによって行われ、そして塩素を回収することが、該アノード区画の上で塩素ガスを吸引することによって行われる、請求項35に記載の電気化学的方法。
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