JP2010500879A - Hmw−maa及びその断片を含む組成物、及びその使用方法 - Google Patents

Hmw−maa及びその断片を含む組成物、及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子量メラノーマ関連抗原(High Molecular Weight Melanoma-Associated Antigen:HMW−MAA)の断片を含む組換え型ポリペプチドを提供する
【解決手段】本発明に係る組換え型ポリペプチドは、リステリオリシン(LLO)オリゴペプチド若しくはその相同体、ActAオリゴペプチド若しくはその相同体、又はPEST様オリゴペプチド若しくはその相同体から選択された非HMW−MAAオリゴペプチドに連結したHMW−MAAタンパク質の断片を含むことを特徴とする。また、本発明は、組換え型ポリペプチドを含む組換え型リステリア株であって、前記組換え型ポリペプチドがHMW−MAAの断片(「HMW−MAA断片」)を含むことを特徴とする組換え型リステリア株を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子量メラノーマ関連抗原(High Molecular Weight Melanoma-Associated Antigen:HMW−MAA)の断片を含む組換え型ポリペプチド、それを含む組換え型リステリア株、それらの投与を含む免疫応答を誘導する方法、並びに、腫瘍を治療する及び腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。
メラノーマ・コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(melanoma chondroitin sulfate proteoglycan:MCSP)とも呼ばれているHMW−MAAは、残基数が2322個の膜貫通型タンパクである。HMW−MAAは、外科的に除去した良性母斑及びメラノーマ病巣の90%以上で発現する。また、基底細胞癌や神経堤起原腫瘍(例えば、星細胞腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、及び肉腫)、小児白血病、小葉乳癌病巣においても発現する。
例えばHMW−MAA発現腫瘍などの様々な腫瘍の治療に加え、とりわけ、危険性の高い様々な癌を防止する方法が当該技術分野では至急に必要とされている。
本発明は、ある実施形態では、高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)の断片を含む組換え型ポリペプチド、それを含む組換え型リステリア株、及びそれらの投与を含む免疫応答を誘導する方法並びに腫瘍を治療及び成長阻害する方法を提供する。
ある実施形態では、本発明は、組換え型ポリペプチドを含む組換え型リステリア株であって、前記組換え型ポリペプチドがHMW−MAAの断片(「HMW−MAA断片」)を含むことを特徴とする組換え型リステリア株を提供する。
他の実施形態では、本発明は、組換え型ポリペプチドであって、リステリオリシン(LLO)オリゴペプチド若しくはその相同体、ActAオリゴペプチド若しくはその相同体、及びPEST様オリゴペプチド若しくはその相同体から選択された非HMW−MAAオリゴペプチドに作動可能に連結されたHMW−MAAタンパク質の断片を含むことを特徴とする組換え型ポリペプチドを提供する。
ある実施形態では、本発明は、HMW−MAAタンパク質の断片を含む組換え型ポリペプチドであって、前記断片が該断片が由来する前記HMW−MAAタンパク質の約360〜554のアミノ酸(AA)から成ることを特徴とする組換え型ポリペプチドを提供する。他の実施形態では、前記断片は、約701〜1130のAAから成る。他の実施形態では、前記断片は、約2160〜2258のAAから成る。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型リステリア株及び補助剤を含むワクチンを提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型リステリア株を含む免疫原性組成物を提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含むワクチンを提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む免疫原性組成物を提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードする組換え型ワクチンベクターを提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組換え型リステリア株を提供する。
他の実施形態では、本発明は、対象の抗HMW−MAA免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍の進行を遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系内に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍の血管新生を阻害する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系内に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍の進行を遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍を治療する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の抗HMW−MAA免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍の進行を遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系内に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍の血管新生を阻害する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系内に存在する。
各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍の進行を遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍を治療する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
pGG55に基づくプラスミドへのHMW−MAAのクローニングを示す図である。Lm−LLO−HMW−MAAは、prfA株であるXFL−7をプラスミドpGG−55で形質転換することで作成した。pGG−55は、非溶血性のLLO−E7融合遺伝子及びプラスミドを保持しているものを選択するためのprfA遺伝子の発現を駆動するhlyプロモータを有する。XFL−7は、生存するためにこのプラスミドを保持する必要がある。 LLO−HMW−MAAコンストラクトが発現されていることを示す図である。LLO−HMW−MAA A、B、及びCのプラスミドで形質転換されたLM株から上清を採取した。抗PESTプローブにより、3つの全ての株が予想されたサイズの融合タンパク質(LLOは48Kda、HMW−MAA−Aは75Kda、HMW−MAA−Bは98Kda、及びHMW−MAA−Cは62Kda)を生成したことが判明した。 LLO−HMW−MAAコンストラクトが発現されていることを示す図である。LLO−HMW−MAA A、B、及びCのプラスミドで形質転換されたLM株から上清を採取した。抗LLOプローブにより、HMW−MAA−A、HMW−MAA−B、HMW−MAA−C、及び10403S対照のLLOバンドが示された。 LLO−HMW−MAAコンストラクトを発現するリステリア株が、野生型Lmと同様の培地増殖を示すことを示す図である。 LLO−HMW−MAAコンストラクトを発現するリステリア株が、野生型Lmと同様の病原性及び細胞内増殖を示すことを示す図である。 HMW−MAAを発現するLmによって腫瘍(HMW−MAAを発現しない腫瘍でさえ)の増殖が防止されることを示す図である。腫瘍サイズの測定から分かるように、10cfuのLm−HMW−MAA−CによってB16F0−Ova腫瘍の増殖が無処置のものと比べて著しく阻害される。 HMW−MAAを発現するLmによって腫瘍(HMW−MAAを発現しない腫瘍でさえ)の増殖が防止されることを示す図である。腫瘍容積の測定から分かるように、10cfuのLm−HMW−MAA−CによってB16F0−Ova腫瘍の増殖が無処置のものと比べて著しく阻害される。 HMW−MAAを発現するLmによって腫瘍(HMW−MAAを発現しない腫瘍でさえ)の増殖が防止されることを示す図である。C57BL/6マウスにB16F0−Ova腫瘍細胞を接種したところ、3つの全てのLm−LLO−HMW−MAA株に関して、腫瘍の径に対して同様な効果が見られた。 HMW−MAAを発現するLmによって腫瘍(HMW−MAAを発現しない腫瘍でさえ)の増殖が防止されることを示す図である。C57BL/6マウスにRENCA腫瘍細胞を接種したところ、3つの全てのLm−LLO−HMW−MAA株に関して、腫瘍の径に対して同様な効果が見られた。 HMW−MAAを発現するLmによって腫瘍(HMW−MAAを発現しない腫瘍でさえ)の増殖が防止されることを示す図である。C57BL/6マウスにRENCA腫瘍細胞を接種したところ、3つの全てのLm−LLO−HMW−MAA株に関して、腫瘍の容積に対して同様な効果が見られた。 HMW−MAAを発現するB16F10マウス腫瘍細胞クローンの選択を示す図である。 Lm−HMW−MAAコンストラクトが抗原特異的免疫応答を引き起こし、それによって腫瘍増殖が阻害されたことを示す図である。 CD4+又はCD8+細胞をインビボで欠失させると、LM−HMW−MAA−Cワクチンの効果が無くなることを示す図である。 Lm−HMW−MAA−Cをワクチン接種したマウスのCD8+T細胞がインビボでB16F10HMW−MAA腫瘍の増殖を阻害したことを示す図である。 B16F10−HMW−MAA腫瘍を排除したLm−HMW−MAA−Cをワクチン接種したマウスが同じ腫瘍による2回目のチャレンジに対しても保護されたことを示す図である。 HLA−A2/Kb遺伝子導入マウスをLm−HMW−MAA−B及びLm−HMW−MAA−Cで免疫処理すると、HMW−MAAの断片B及び断片Cの2つの特徴付けられたHLA−A2拘束性エピトープにに対して検出可能な免疫応答が誘導されることを示す図である。 HLA−A2/Kb遺伝子導入マウスをLm−HMW−MAA−B及びLm−HMW−MAA−Cで免疫処理すると、HMW−MAAの断片B及び断片Cの2つの特徴付けられたHLA−A2拘束性エピトープにに対して検出可能な免疫応答が誘導されることを示す図である。 HLA−A2/Kb及び野生型C57B1/6マウスをLm−HMW−MAA−Cで1回免疫処置した後に、HMW−MAAの断片CのHLA−A2拘束性ペプチドでT細胞を刺激すると、T細胞によってIFN−γが分泌されることを示す図である。 HLA−A2/Kb及び野生型C57B1/6マウスをLm−HMW−MAA−Cで1回免疫処置した後に、HMW−MAAの断片CのHLA−A2拘束性ペプチドでT細胞を刺激すると、T細胞によってIFN−γが分泌されることを示す図である。 異なる形態のHPV16E7タンパク質を発現するワクシニアウイルス・コンストラクト描写した図である。 TC−I細胞を投与し、その後に組換え型リステリアワクチン(無処置、Lm−LLO−E7、Lm−E7、Lm−ActA−E7)を投与したマウスの脾臓及び腫瘍におけるE7特異的CD8T細胞の誘導及び浸潤を示す図である。 A:PEST領域を含むリステリア・コンストラクトによって腫瘍がさらに退縮することを示す図である。B:リステリアワクチンで処理されたマウスの腫瘍平均サイズを示す図である。 PEST領域を含むリステリア・コンストラクトが脾臓においてより高率のE7特異的リンパ球を誘導することを示す図である。Aは、1つの代表的な実験のデータである。Bは、3実験のデータの平均及び標準誤差を示すものである。 PEST領域を含むリステリア・コンストラクトが腫瘍においてより高率のE7特異的リンパ球を誘導することを示す図である。Aは、1つの代表的な実験のデータである。Bは、3実験のデータの平均及び標準誤差を示すものである。 異なる形態のHPV16E7タンパク質を発現するワクシナウイルスを描写した図である。 VacLLOE7が、C57BL/6マウスにおいて2×10のTC−1細胞によって確立した腫瘍の退縮を長期に渡って誘導することを示す図である。マウスを腫瘍でチャレンジさせ、11日後及び18日後に1マウス当たりに10PFUのVacLLOE7、VacSigE7LAMP−1、若しくはVacE7を腹腔内注射した、或いは何の処理も行わなかった(無処置)。各処置群当たり8匹のマウスを使用した。各腫瘍に関する代表値(cross section)(2つの測定値の平均)を、表示した腫瘍接種後の日数に対して示した。
本発明は、ある実施形態では、高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)の断片を含む組換え型ポリペプチド、それを含む組換え型リステリア株、及びそれらの投与を含む免疫応答を誘導する方法並びに腫瘍を治療及び成長阻害する方法を提供する。
ある実施形態では、本発明は、組換え型ポリペプチドを含む組換え型リステリア株であって、前記組換え型ポリペプチドがHMW−MAAの断片(「HMW−MAA断片」)を含むことを特徴とする組換え型リステリア株を提供する。他の実施形態では、本発明に係る組換え型リステリア株は、本発明に係る組換え型ポリペプチドを発現する。他の実施形態では、本発明に係る組換え型リステリア株は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードする単離核酸を含む。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、組換え型ポリペプチドであって、リステリオリシン(LLO)オリゴペプチド若しくはその相同体、ActAオリゴペプチド若しくはその相同体、及びPEST様オリゴペプチド若しくはその相同体から選択された非HMW−MAAオリゴペプチドに作動可能に連結されたHMW−MAAタンパク質の断片を含む組換え型ポリペプチドを提供する。ある実施形態では、当該技術分野で公知の分析及び手段を用いて実証されるように、断片は完全長ペプチドと同一又は同様の性質又は機能を有する。本発明の完全長ペプチド及びタンパク質の性質及び機能の詳細は後述する。
他の実施形態では、本発明は、HMW−MAAタンパク質の断片を含む組換え型ポリペプチドであって、前記断片が該断片が由来する前記HMW−MAAタンパク質の約360〜554のアミノ酸(AA)から成ることを特徴とする組換え型ポリペプチドを提供する。他の実施形態では、前記断片は、約701〜1130のAAから成る。他の実施形態では、前記断片は、配列番号21〜23から選択される。他の実施形態では、前記断片は、約2160〜2258のAAから成る。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、配列番号21に記載のアミノ酸配列を有するHMW−MAAタンパク質の断片を含む組換え型ポリペプチドを提供する。
他の実施形態では、本発明は、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有するHMW−MAAタンパク質の断片を含む組換え型ポリペプチドを提供する。
他の実施形態では、本発明は、配列番号23に記載のアミノ酸配列を有するHMW−MAAタンパク質の断片を含む組換え型ポリペプチドを提供する。
他の実施形態では、本発明に係る組換え型ポリペプチドは、非HMW−MAAペプチドをさらに含む。他の実施形態では、前記非HMW−MAAペプチドは、前記断片の免疫原性を強化する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
前記非HMW−MAAペプチドは、他の実施形態では、リステリオリシン(LLO)オリゴペプチドである。他の実施形態では、前記非HMW−MAAペプチドは、ActAオリゴペプチドである。他の実施形態では、前記非HMW−MAAペプチドは、PEST様オリゴペプチドである。本明細書に記載するように、LLO、ActA、PEST様配列及びその断片は、抗原の細胞媒介性の免疫原性を高める。ある実施形態では、LLO、ActA、PEST様配列及びその断片への融合は、様々な発現系で抗原の細胞媒介性の免疫原性を高める。ある実施形態では、前記発現系は、ウイルスに起因するものであり、他の実施形態では、前記発現系は細菌に起因するものである。他の実施形態では、前記非HMW−MAAペプチドは、当該技術分野で公知のその他のあらゆる免疫原性非HMW−MAAペプチドである。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明による方法及び組成物のLLOオリゴペプチドは、他の実施形態では、非溶血性LLOオリゴペプチドである。他の実施形態では、前記オリゴペプチドは、LLO断片である。他の実施形態では、前記オリゴペプチドは、LLO完全タンパク質である。他の実施形態では、前記オリゴペプチドは、当該技術分野で公知のあらゆるLLOタンパク質又はその断面である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記LLO断片は、化学的処理によって、非溶血性にされる。他の実施形態では、前記化学的処理は、グルタルアルデヒドによる処理を含む。他の実施形態では、前記化学的処理は、同様に作用する化合物による処理を含む。他の実施形態では、前記化学的処理は、当該技術分野で公知の任意の化合物による処理を含む。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明のワクチンを構成するのに利用される前記LLOタンパク質は、次の配列を有する。
MKKIMLVFITLILVSLPIAQQTEAKDASAFNKENSISSMAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDKYIQGLDYNKNNVLVYHGDAVTNVPPRKGYKDGNEYIVVEKKKKSINQNNADIQVVNAISSLTYPGALVKANSELVENQPDVLPVKRDSLTLSIDLPGMTNQDNKIVVKNATKSNVNNAVNTLVERWNEKYAQAYPNVSAKIDYDDEMAYSESQLIAKFGTAFKAVNNSLNVNFGAISEGKMQEEVISFKQlYYNVNVNEPTRPSRFFGKAVTKEQLQALGVNAENPPAYISSVAYGRQVYLKLSTNSHSTKVKAAFDAAVSGKSVSGDVELTNiiKNSSFKAVIYGGSAKDEVQIIDGNLGDLRDILKKGATFNRETPGVPIAYTTNFLKDNELAVIKNNSEYIETTSKAYTDGKINIDHSGGYVAQFNISWDEVNYDPEGNEIVQHKNWSENNKSKLAHFrSSIYLPGNARNINVYAKECTGLAWEWWRTVE)DRNLPLVKNR NISIWGTTLYPKYSNKVDNPIE(遺伝子銀行アクセス番号P13128;配列番号1;遺伝子銀行アクセス番号X15127に規定された核酸配列)。ある実施形態では、この配列に相当する前駆タンパク質における最初の25個のAAはシグナル配列であり、細菌から分泌された場合はLLOから切断される。したがって、本発明によれば、完全長の活性LLOタンパク質は、504残基の長さである。他の実施形態では、上記の配列は、本発明のワクチンに組み込まれるLLO断片のソースとして使用される。他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物に用いられるLLOのAA配列は、配列番号1に記載した配列の相同体である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号1に記載した配列の変異体である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号1に記載した配列の断片である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号1に記載した配列のイソ型である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
ある実施形態では、イソ型は、他のペプチド又はタンパク質と同一の機能、及び類似する又は同一の配列を有するが、異なる遺伝子の産物であるペプチド又はタンパク質である。ある実施形態では、変異体は、他のペプチド又はタンパク質とはわずかに異なるペプチド又はタンパク質である。
他の実施形態では、LLOタンパク質断片が、本発明に係る方法及び組成物に用いられる。他の実施形態では、前記LLO断片は、N末端断片である。他の実施形態では、前記N末端LLO断片は、次の配列を有する。
MKKIMLVNTLLVSLPIAQQTEAKDASAFNKENSISSVAPPASPPASPKTPEKKHADEIDKYIQGLDYNKNNVLVYHGDAVTNVPPRKGYKDGNEYIVVEKKKKSINQNNADIQVVNAISSLTYPOGALVKANSELVENQPDVLPVKRDSLTLSIDLPGMTNQDNKIVVKNATKSNVNNAVNTLVERWNEKYAQAYSNVSAKIDYDDEMAYSESQLIAKFGTAFKAVNNSLNVNFGAISEGKMQEEVISFKQIYYNVNVNEPTRPSRFFGKAVTKEQLQALGVNAENPPAYISSVAYGRQVYLKLSTNSHSTKVKAAFDAAVSGKSVSGDVELTNIIKNSSFKAVIYGGSAKDEVQIIDGNLGDLRDILKKGATFNRETPGVPIAYTTNFLKDNELAVIKNNSEYIETTSKAYTDGKINIDHSGGYVAQFNISWDEVNYD(配列番号2)。他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物におけるLLOのAA配列は、配列番号2に記載した配列を含む。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号2に記載した配列の相同体である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号2に記載した配列の変異体である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号2に記載した配列の断片である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号2に記載した配列のイソ型である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記LLO断片は次の配列を有する。
MKKIMLVFITLILVSLPIAQQTEAKDASAFNKENSISSVAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDKYIQGLDYNKNNVLVYHGDAVTNVPPRKGYKDGNEYIVVEKKKKSINQNNADIQVVNAISSLTYPGALVKANSELVENQPDVLPVKRDSLTLSIDLPGMTNQDNKIVVKNATKSNVNNAVNTLVERWNEKYAQAYSNVSAKEDYDDEMAYSESQLIAKFGTAFKAVNNSLNVNFGAISEGKMQEEVISFKQIYYNVNVNEPTRPSRFFGKAVTKEQLQALGVNAENPPAYISSVAYGRQVYLKLSTNSHSTKVKAAFDAAVSGKSVSGDVELTNIIKNSSFKAVIYGGSAKDEVQIIDGNLGDLRDILKKGATFNRETPGVPIAYTTNFLKDNELAVIKNNSEYEETTSKAYTD(配列番号3)。他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物におけるLLOのAA配列は、配列番号3に記載した配列を含む。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号3に記載した配列の相同体である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号3に記載した配列の変異体である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号3に記載した配列の断片である。他の実施形態では、前記LLOのAA配列は、配列番号3に記載した配列のイソ型である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物における前記LLO断片は、PEST様ドメインを含む。他の実施形態では、PEST配列を含むLLO断片は、本発明に係る組成物の一部として又は本発明に係る方法において使用される。
他の実施形態では、前記LLO断片は、カルボキシ末端において活性化ドメインを含まない。他の実施形態では、前記LLO断片は、システイン484を含まない。他の実施形態では、前記LLO断片は、非溶血性断片である。他の実施形態では、前記LLO断片は、活性化ドメインの欠失又は突然変異によって非溶血性にされる。他の実施形態では、前記LLO断片は、システイン484の欠失又は突然変異によって非溶血性にされる。他の実施形態では、LLO配列は、他の位置の欠失又は突然変異によって非溶血性にされる。
他の実施形態では、前記LLO断片は、前記LLOタンパク質のおおよそ最初から441番目のAAから成る。他の実施形態では、前記LLO断片は、前記529AA完全長LLOタンパク質のおおよそ最初から400〜441番目のAAから成る。他の実施形態では、前記LLO断片は、本明細書中に説明したLLOタンパク質のAA1〜441番目に相当する。他の実施形態では、前記LLO断片は、LLOの最初の約420AAから成る。他の実施形態では、前記LLO断片は、本明細書中に説明したLLOタンパク質のAA1〜420番目に相当する。他の実施形態では、前記LLO断片は、LLOの約20〜442AAから成る。他の実施形態では、前記LLO断片は、本明細書中に説明したLLOタンパク質のAA20〜442番目に相当する。他の実施形態では、システイン484を含む活性化ドメインを有さない、及び特にシステイン484を含まない任意のΔLLOは、本発明の方法及び組成物に適している。
他の実施形態では、前記LLO断片は、LLOタンパク質の最初の400AAに相当する。他の実施形態では、前記LLO断片は、LLOタンパク質の最初の300AAに相当する。他の実施形態では、前記LLO断片は、LLOタンパク質の最初の200AAに相当する。他の実施形態では、前記LLO断片は、LLOタンパク質の最初の100AAに相当する。他の実施形態では、前記LLO断片は、LLOタンパク質の最初の50AAに相当し、ある実施形態では、1つ以上のPEST様配列を含む。
他の実施形態では、前記LLO断片は、上記のAA範囲の1つと相同するLLOタンパク質の残基を含む。この残基数は、他の実施形態では、上記に列挙した残基数と正確に対応させる必要はない(例えば、ここで使用されるLLOタンパク質に対して、相同するLLOタンパク質が挿入又は欠失を有する場合)。
各LLOタンパク質及びLLO断片は、本発明の異なる実施形態を示す。
他の実施形態では、他の種に由来するLLOの相同体は、非HMW−MAAとして使用される公知のリシン又はその断片を含む。
本発明に係る方法及び組成物の他の実施形態では、ActAタンパク質の断片が、HMW−MAA断片と融合される。他の実施形態では、前記ActAタンパク質の断片は、次の配列を有する。
MRAMMVVFITANCITINPDIIFAATDSEDSSLNTDEWEEEKTEEQPSEVNTGPRYETAREVSSRDIKELEKSNKVRNTNKADLIAMLKEKAEKGPNINNNNSEQTENAAINEEASGADRPAIQVERRHPGLPSDSAAEIKKRRKAIASSDSELESLTYPDKPTKVNKKKVAKESVADASESDLDSSMQSADESSPQPLKANQQPFFPKVFKKIKDAGKWVRDKIDENPEVKKAIVDKSAGLIDQLLTKKKSEEVNASDFPPPPTDEELRLALPETPMLLGFNAPATSEPSSFEFPPPPTDEELRLALPETPMLLGFNAPATSEPSSFEFPPPPTEDELEIIRETASSLDSSFTRGDLASLRNAINRHSQNFSDFPPIPTEEELNGRGGRP(配列番号4)。他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物におけるActAのAA配列は、配列番号4に記載した配列を含む。他の実施形態では、前記ActAのAA配列は、配列番号4に記載した配列の相同体である。他の実施形態では、前記ActAのAA配列は、配列番号4に記載した配列の変異体である。他の実施形態では、前記ActAのAA配列は、配列番号4に記載した配列の断片である。他の実施形態では、前記ActAのAA配列は、配列番号4に記載した配列のイソ型である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記ActA断片は、次の配列を有する組換え型ヌクレオチドによってエンコードされる。
ATGCGTGCGATGATGGTGGTTTTCATTACTGCCAATTGCATTACGATTAACCCCGACATAATATTTGCAGCGACAGATAGCGAAGATTCTAGTCTAAACACAGATGAATGGGAAGAAGAAAAAACAGAAGAGCAACCAAGCGAGGTAAATACGGGACCAAGATACGAAACTGCACGTGAAGTAAGTTCACGTGATATTAAAGAACTAGAAAAATCGAATAAAGTGAGAAATACGAACAAAGCAGACCTAATAGCAATGTTGAAAGAAAAAGCAGAAAAAGGTCCAAATATCAATAATAACAACAGTGAACAAACTGAGAATGCGGCTATAAATGAAGAGGCTTCAGGAGCCGACCGACCAGCTATACAAGTGGAGCGTCGTCATCCAGGATTGCCATCGGATAGCGCAGCGGAAATTAAAAAAAGAAGGAAAGCCATAGCATCATCGGATAGTGAGCTTGAAAGCCTTACTTATCCGGATAAACCAACAAAAGTAAATAAGAAAAAAGTGGCGAAAGAGTCAGTTGCGGATGCTTCTGAAAGTGACTTAGATTCTAGCATGCAGTCAGCAGATGAGTCTTCACCACAACCTTTAAAAGCAAACCAACAACCATTTTTCCCTAAAGTATTTAAAAAAATAAAAGATGCGGGGAAATGGGTACGTGATAAAATCGACGAAAATCCTGAAGTAAAGAAAGCGATTGTTGATAAAAGTGCAGGGTTAATTGACCAATTATTAACCAAAAAGAAAAGTGAAGAGGTAAATGCTTCGGACTTCCCGCCACCACCTACGGATGAAGAGTTAAGACTTGCTTTGCCAGAGACACCAATGCTTCTTGGTTTTAATGCTCCTGCTACATCAGAACCGAGCTCATTCGAATTTCCACCACCACCTACGGATGAAGAGTTAAGACTTGCTTTGCCAGAGACGCCAATGCTTCTTGGTTTTAATGCTCCTGCTACATCGGAACCGAGCTCGTTCGAATTTCCACCGCCTCCAACAGAAGATGAACTAGAAATCATCCGGGAAACAGCATCCTCGCTAGATTCTAGTTTTACAAGAGGGGATTTAGCTAGTTTGAGAAATGCTATTAATCGCCATAGTCAAAATTTCTCTGATTTCCCACCAATCCCAACAGAAGAAGAGTTGAACGGGAGAGGCGGTAGACCA(配列番号5)。他の実施形態では、前記組換え型ヌクレオチドは、配列番号5に記載した配列を含む。他の実施形態では、前記ActAをエンコードしている本発明に係るヌクレオチドは、配列番号5に記載した配列を含む。他の実施形態では、前記ActAをエンコードしているヌクレオチドは、配列番号5に記載した配列の相同体である。他の実施形態では、前記ActAをエンコードしているヌクレオチドは、配列番号5に記載した配列の変異体である。他の実施形態では、前記ActAをエンコードしているヌクレオチドは、配列番号5に記載した配列の断片である。他の実施形態では、前記ActAをエンコードしているヌクレオチドは、配列番号5に記載した配列のイソ型である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記ActA断片は、当該技術分野で公知の任意の他のActA断片である。他の実施形態では、本発明の組換え型ヌクレオチドは、ActAタンパク質の断片をエンコードする任意の他の配列を含む。他の実施形態では、前記組換え型ヌクレオチドは、ActAタンパク質の全体をエンコードする任意の他の配列を含む。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に係る方法及び組成物の他の実施形態では、PEST様配列が、HMW−MAA断片と融合される。他の実施形態では、前記PEST様配列は、次の配列を有する。KENSISSMAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDK(配列番号6)。他の実施形態では、前記PEST様配列は、KENSISSMAPPASPPASPK(配列番号7)である。他の実施形態では、本明細書中に列挙したPEST様AA配列の1つを含む任意のLLO配列への抗原の融合は、HMW−MAAに対する細胞性免疫を高める。
他の実施形態では、前記PEST様AA配列は、リステリアActAタンパク質に由来するPEST様配列である。他の実施形態では、前記PEST様AA配列は、次の配列は、KTEEQPSEVNTGPR(配列番号8)、KASVTDTSEGDLDSSMQSADESTPQPLK(配列番号9)、KNEEVNASDFPPPPTDEELR(配列番号10)、又はRGGIPTSEEFSSLNSGDFTDDENSETTEEEIDR(配列番号11)である。他の実施形態では、前記PEST様配列は、lso遺伝子によってエンコードされたリステリア・シリゲリ(Listeria seeligeri)細胞溶解素に由来する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、RSEVTISPAETPESPPATP(配列番号12)である。他の実施形態では、前記PEST様配列は、レンサ球菌属のストレプトリジンOタンパク質に由来する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、化膿レンサ球菌のストレプトリジンOに由来する(例えば、KQNTASTETTTTNEQPK(配列番号13)のAA35〜51)。他の実施形態では、前記PEST様配列は、ストレプトコッカス・イクイシミリス(Streptococcus equisimilis)のストレプトリジンOに由来する(例えば、KQNTANTETTTTNEQPK(配列番号14)のAA38〜54)。他の実施形態では、前記PEST様配列は、配列番号8〜14から選択される配列を有する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、配列番号6〜14から選択される配列を有する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、原核生物に由来する他のPEST様AA配列である。
PEST様配列の同定は当該技術分野で公知であり、例えば、「Amino acid sequences common to rapidly degraded proteins: the PEST hypothesis(Science 1986; 234(4774):364-8)」(Rogers Sら)や、「PEST sequences and regulation by proteolysis(Trends Biochem Sci 1996; 21(7):267-71)」(Rechsteiner Mら)に開示されている。「PEST様配列」は、他の実施形態では、プロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、及びスレオニン(T)残基に富む領域を意味する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、いくつかの陽性荷電アミノ酸を含む1つ以上のクラスターの側面に配置される。他の実施形態では、前記PEST様配列は、それを含んでいるタンパク質の急速な細胞内分解を仲介する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、Rogersらが開示したアルゴリズムに適合する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、Rechsteinerらが開示したアルゴリズムに適合する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、1つ以上の内部のリン酸化反応部位を含み、その部位でのリン酸化反応はタンパク質分解に先行して行われる。
ある実施形態では、原核生物の前記PEST様配列は、例えば、「Rechsteiner and Rogers (1996, Trends Biochem. Sci. 21 :267-271 ) for LM」及び「Rogers S et al (Science 1986; 234(4774):364-8)」に開示されている方法に従って同定される。また、他の原核生物に由来するPEST様AA配列も、この方法に基づいて同定することができる。PEST様AA配列を含むことが期待される他の原核生物は、これに限定するものではないが、他のリステリア種である。ある実施形態では、前記PEST様配列は、Rogersらが開示したアルゴリズムに適合する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、Rechsteinerらが開示したアルゴリズムに適合する。他の実施形態では、前記PEST様配列は、PEST発見プログラムを使用して同定される。
他の実施形態では、PESTモチーフの同定は、特定のタンパク質内に正電荷のAAであるR、H、及びKをスキャンすることによって行われる。正電荷のAAに挟まれた全てのAAはカウントされ、AAの数がウインドウサイズ・パラメータ(window size parameter)と等しい又はそれよりも高いモチーフのみがさらに調べられる。他の実施形態では、PEST様配列は、少なくとも1つのP、1つのD若しくはE、及び少なくとも1つのS若しくはTを含むべきである。
他の実施形態では、PESTモチーフの性質は、重要なAAの局所的な濃縮並びにモチーフの疎水性に基づいた得点パラメータ(scoring parameter)を利用した方法によって改善される。D、E、P、S、及びTは、重量パーセント(w/w)で表され、D若しくはEを1、Pを1、及びS若しくはTを1として補正する。他の実施形態では、疎水性の計算は、原則としてKyte及びR F. Doolittle(Kyte, J and Dootlittle, RF. J. MoI. Biol. 157, 105(1982))の方法に従って行われる。簡単に計算するために、Kyte-Doolittleハイドロパシー指標(hydropathy index)(本来、−4.5(アルギニン)から+4.5(イソロイシン)の範囲にある)は、下記の線形変換を用いて正の整数に変換される。それにより、0(アルギニン)から90(イソロイシン)の値が算出される。
ハイドロパシー指標=10*Kyte-Doolittleハイドロパシー指標+45
他の実施形態では、PESTモチーフの疎水性ポテンシャルは、それぞれのAA種のモルパーセントと疎水性指標との積を合計すことによって計算する。所望のPESTスコアは、下記の式で示すように、局所的な濃縮及び疎水性の特性の両方を用いることで得られる。
PESTスコア=0.55*DEPST−0.5*疎水性指標
他の実施形態では、「PEST様配列」又は「PEST様配列ペプチド」は、上記のアルゴリズムを用いて得られたスコアが少なくとも+5であるペプチドを意味する。他の実施形態では、この用語は、少なくとも6のスコアを有するペプチドを意味する。他の実施形態では、前記ペプチドは、少なくとも7のスコアを有する。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも8である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも9である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも10である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも11である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも12である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも13である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも14である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも15である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも16である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも17である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも18である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも19である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも20である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも21である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも22である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも23である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも24である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも25である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも26である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも27である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも28である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも29である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも30である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも32である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも35である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも38である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも40である。他の実施形態では、前記スコアは少なくとも45である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、PEST様配列は、当該技術分野で公知の他の任意の方法又はアルゴリズム(CaSPredictor(Garay-Malpartida HM, Occhiucci JM, Alves J, Belizario JE. Bioinformatics. 2005 Jun;21 Suppl l :il69-76))を使用することによって特定される。
PEST指標は、適切な長さのそれぞれのストレッチ(例えば、30〜35AAのストレッチ)に関して計算される。その際、Ser、Thr、Pro、Glu、Asp、Asn、若しくはGlnに対して1の値が割り当てられる。それぞれのPEST残基の係数値(CV)は1であり、他のAA(非PEST)のそれぞれの係数値は0である。
PEST様配列を特定する各方法は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、PEST様配列は、当該技術分野で公知の他の任意のPEST様配列である。各PEST様配列及びその種類は、本発明の別個の実施形態に相当する。
「PEST様配列への融合」は、他の実施形態では、PEST様配列を含むタンパク質の断片への融合を意味する。他の実施形態は、前記タンパク質の断片は、PEST様配列以外の周辺配列を含む。他の実施形態では、前記タンパク質の断片は、PEST様配列から構成される。したがって、他の実施形態では、「融合」は、2つのペプチド若しくはタンパク質の断片をそれぞれの末端で連結すること、又はあるペプチド若しくはタンパク質の断片を他のペプチド若しくはタンパク質の断片に挿入することを意味する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物のHMW−MAA断片は、非HMW−MAAのAA配列に融合される。他の実施形態では、HMW−MAA断片は、非HMW−MAAのAA配列内に挿入される。他の実施形態では、HMW−MAA由来ペプチドは、LLO断片、ActAタンパク質若しくは断片、又はPEST様配列に組み込まれる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、適切な配列をサブクローンし、その後、得られたヌクレオチドを発現させる方法で調整される。他の実施形態は、サブ配列をクローンし、適切なサブ配列を適切な制限酵素を用いて切断する。他の実施形態では、次に断片を連結して目的のDNA配列を作成する。他の実施形態では、融合タンパク質をエンコードするDNAは、DNA増幅方法(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR))を用いて作成される。最初、天然型DNAの断片の両側における新末端のそれぞれを別々に増幅する。増幅された一方の配列の5´末端はペプチドリンカーをエンコードし、増幅された他方の配列もペプチドリンカーをもエンコードする。第1の断片の5´末端が第2の断片の3´末端に相補するため、3回目のPCRでは、2つの断片(部分精製の後(例えば、LMPアガロースで))を重ならせた1つの鋳型として使用することができる。増幅された配列は、コドン、オープニングサイトのカルボキシル側の部分(アミノ配列を形成している)、リンカー、オープニングサイトのアミノ側の配列(カルボキシル配列を形成している)を含むようになる。次に、インサートはプラスミドに連結される。他の実施形態では、HMW−MAA断片が異種タンパク質内に挿入されたタンパク質を作成するのに同様な方法が用いられる。
ある実施形態では、HMW−MAA断片(A、B、若しくはCなど)に融合したLLO配列、又はHMW−MAA断片を発現するリステリアを使用したところ、このペプチドに対する免疫反応が増大し(実施例5)、抗腫瘍免疫が得られ(実施例4及び5)、並びにペプチド特異的IFNガンマ分泌CD8+細胞が生成された(実施例5)。ある実施形態では、HPV E7などのペプチドに融合したActA、LLO及び/又はPEST様配列使用したところ、このペプチドに対する免疫応答が増大し、抗腫瘍免疫が得られ、ペプチド特異的IFNガンマ分泌CD8+細胞が生成された(実施例6及び7)。また、この融合ペプチドが非リステリアベルターで発現された場合でも同様な効果が得られた(実施例8)。
他の実施形態では、本発明の組換え型ポリペプチドは、HMW−MAA断片を含んでいる第1のポリペプチドを、非HMW−MAAペプチドを含んでいる第2のポリペプチドに化学的に結合させるステップを含む方法により作成される。他の実施形態では、HMW−MAA断片が、非HMW−MAAペプチドを含んでいる第2のポリペプチドに結合される。他の実施形態では、HMW−MAA断片を含むペプチドが、非HMW−MAAペプチドに結合される。他の実施形態では、HMW−MAA断片が、非HMW−MAAペプチドに結合される。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明のHMW−MAA断片が由来する前記HMW−MAAタンパク質は、他の実施形態では、ヒトのHMW−MAAタンパク質である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、マウスのタンパク質である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、ラットのタンパク質である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、霊長類のタンパク質である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、当該技術分野で公知の他の生物種のタンパク質である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、メラノーマ・コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)である。他の実施形態では、AN2タンパク質が、本発明に係る方法及び組成物において用いられる。他の実施形態では、NG2タンパク質が、本発明に係る方法及び組成物において用いられる。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物において用いられるHMW−MAAタンパク質は、次の配列を有する。
MQSGRGPPLPAPGLALALTLTMLARLASAASFFGENHLEVPVATALTDIDLQLQFSTSQPEALLLLAAGPADHLLLQLYSGRLQVRLVLGQEELRLQTPAETLLSDSIPHTVVLTVVEGWATLSVDGFLNASSAVPGAPLEVPYGLFVGGTGTLGLPYLRGTSRPLRGCLHAATLNGRSLLRPLTPDVHEGCAEEFSASDDVALGFSGPHSLAAFPAWGTQDEGTLEFTLTTQSRQAPLAFQAGGRRGDFIYVDIFEGHLRAVVEKGQGTVLLHNSVPVADGQPHEVSVHINAHRLEISVDQYPTHTSNRGVLSYLEPRGSLLLGGLDAEASRHLQEHRLGLTPEATNASLLGCMEDLSVNGQRRGLREALLTRNMAAGCRLEEEEYEDDAYGHYEAFSTLAPEAWPAMELPEPCVPEPGLPPVFANFTQLLTISPLVVAEGGTAWLEWRHVQPTLDLMEAELRKSQVLFSVTRGARHGELELDIPGAQARKMFTLLDVVNRKARFIHDGSEDTSDQLVLEVSVTARVPMPSCLRRGQTYLLPIQVNPVNDPPHIIFPHGSLMVILEHTQKPLGPEVFQAYDPDSACEGLTFQVLGTSSGLPVERRDQPGEPATEFSCRELEAGSLVYVHRGGPAQDLTFRVSDGLQASPPATLKVVAIRPAIQIHRSTGLRLAQGSAMPILPANLSVETNAVGQDVSVLFRVTGALQFGELQKQGAGGVEGAEWWATQAFHQRDVEQGRVRYLSTDPQHHAYDTVENLALEVQVGQEILSNLSFPVTIQRATVWMLRLEPLHTQNTQQETLTTAHLEATLEEAGPSPPTFHYEVVQAPRKGNLQLQGTRLSDGQGFTQDDIQAGRVTYGATARASEAVEDTFRFRVTAPPYFSPLYTFPIHIGGDPDAPVLTNVLLVVPEGGEGVLSADHLFVKSLNSASYLYEVMERPRHGRLAWRGTQDKTTMVTSFTNEDLLRGRLVYQHDDSETTEDDIPFVATRQGESSGDMAWEEVRGVFRVAIQPVNDHAPVQTISRIFHVARGGRRLLTTDDVAFSDADSGFADAQLVLTRKDLLFGSIVAVDEPTRPIYRFTQEDLRKRRVLFVHSGADRGWIQLQVSDGQHQATALLEVQASEPYLRVANGSSLVVPQGGQGTIDTAVLHLDTNLDIRSGDEVHYHVTAGPRWGQLVRAGQPATAFSQQDLLDGAVLYSHNGSLSPRDTMAFSVEAGPVHTDATLQVTIALEGPLAPLKLVRHKKTYVFQGEAAEIRRDQLEAAQEAVPPADIVFSVKSPPSAGYLVMVSRGALADEPPSLDPVQSFSQEAVDTGRVLYLHSRPEAWSDAFSLDVASGLGAPLEGVLVELEVLPAAIPLEAQNFSVPEGGSLTLAPPLLRVSGPYFPTLLGLSLQVLEPPQHGALQKEDGPQARTLSAFSWRMVEEQLIRYVHDGSETLTDSFVLMANASEMDRQSHPVAFTVTVLPVNDQPPILTTNTGLQMWEGATAPIPAEALRSTDGDSGSEDLVYTIEQPSNGRVVLRGAPGTEVRSFTQAQLDGGLVLFSHRGTLDGGFRFRLSDGEHTSPGHFFRVTAQKQVLLSLKGSQTLTVCPGSVQPLSSQTLRASSSAGTDPQLLLYRVVRGPQLGRLFHAQQDSTGEALVNFTQAEVYAGNILYEHEMPPEPFWEAHDTLELQLSSPPARDVAATLAVAVSFEAACPQRPSHLWKNKGLWVPEGQRARITVAALDASNLLASVPSPQRSEHDVLFQVTQFPSRGQLLVSEEPLHAGQPHFLQSQLAAGQLVYAHGGGGTQQDGFHFRAHLQGPAGASVAGPQTSEAFAITVRDVNERPPQPQASVPLRLTRGSRAPISRAQLSVVDPDSAPGEEYEVQRAPHNGFLSLVGGGLGPVTRFTQADVDSGRLAFVANGSSVAGIFQLSMSDGASPPLPMSLAVDILPSAIEVQLRAPLEVPQALGRSSLSQQQLRVVSDREEPEAAYRLIQGPQYGHLLVGGRPTSAFSQFQIDQGEVVFAFTNFSSSHDHFRVLALARGVNASAVVNVTVRALLHVWAGGPWPQGATLRLDPTVLDAGELANRTGSVPRFRLLEGPRHGRVVRVPRARTEPGGSQLVEQFTQQDLEDGRLGLEVGRPEGRAPGPAGDSLTLELWAQGVPPAVASLDFATEPYNAARPYSVALLSVPEAARTEAGKPESSTPTGEPGPMASSPEPAVAKGGFLSFLEANMFSVIIPMCLVLLLLALILPLLFYLRKRNKTGKHDVQVLTAKPRNGLAGDTETFRKVEPGQAIPLTAVPGQGPPPGGQPDPELLQFCRTPNPALKNGQYWV(配列番号15)。他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物において用いられるHMW−MAAのAA配列は、配列番号15に記載した配列を含む。他の実施形態では、前記HMW−MAAのAA配列は、配列番号15に記載した配列の相同体である。他の実施形態では、前記HMW−MAAのAA配列は、配列番号15に記載した配列の変異体である。他の実施形態では、前記HMW−MAAのAA配列は、配列番号15に記載した配列の断片である。他の実施形態では、前記HMW−MAAのAA配列は、配列番号15に記載した配列のイソ型である。各可能な形態は本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物において用いられるHMW−MAAタンパク質は、次の配列によりエンコードされる。
atgcagtccggccgcggccccccacttccagcccccggcctggccttggctttgaccctgactatgttggccagacttgcatccgcggcttccttcttcggtgagaaccacctggaggtgcctgtggccacggctctgaccgacatagacctgcagctgcagttctccacgtcccagcccgaagccctccttctcctggcagcaggcccagctgaccacctcctgctgcagctctactctggacgcctgcaggtcagacttgttctgggccaggaggagctgaggctgcagactccagcagagacgctgctgagtgactccatcccccacactgtggtgctgactgtcgtagagggctgggccacgttgtcagtcgatgggtttctgaacgcctcctcagcagtcccaggagcccccctagaggtcccctatgggctctttgttgggggcactgggacccttggcctgccctacctgaggggaaccagccgacccctgaggggttgcctccatgcagccaccctcaatggccgcagcctcctccggcctctgacccccgatgtgcatgagggctgtgctgaagagttttctgccagtgatgatgtggccctgggcttctctgggccccactctctggctgccttccctgcctggggcactcaggacgaaggaaccctagagtttacactcaccacacagagccggcaggcacccttggccttccaggcagggggccggcgtggggacttcatctatgtggacatatttgagggccacctgcgggccgtggtggagaagggccagggtaccgtattgctccacaacagtgtgcctgtggccgatgggcagccccatgaggtcagtgtccacatcaatgctcaccggctggaaatctccgtggaccagtaccctacgcatacttcgaaccgaggagtcctcagctacctggagccacggggcagtctccttctcggggggctggatgcagaggcctctcgtcacctccaggaacaccgcctgggcctgacaccagaggccaccaatgcctccctgctgggctgcatggaagacctcagtgtcaatggccagaggcgggggctgcgggaagctttgctgacgcgcaacatggcagccggctgcaggctggaggaggaggagtatgaggacgatgcctatggacattatgaagctttctccaccctggcccctgaggcttggccagccatggagctgcctgagccatgcgtgcctgagccagggctgcctcctgtctttgccaatttcacccagctgctgactatcagcccactggtggtggccgaggggggcacagcctggcttgagtggaggcatgtgcagcccacgctggacctgatggaggctgagctgcgcaaatcccaggtgctgttcagcgtgacccgaggggcacgccatggcgagctcgagctggacatcccgggagcccaggcacgaaaaatgttcaccctcctggacgtggtgaaccgcaaggcccgcttcatccacgatggctctgaggacacctccgaccagctggtgctggaggtgtcggtgacggctcgggtgcccatgccctcatgccttcggaggggccaaacatacctcctgcccatccaggtcaaccctgtcaatgacccaccccacatcatcttcccacatggcagcctcatggtgatcctggaacacacgcagaagccgctggggcctgaggttttccaggcctatgacccggactctgcctgtgagggcctcaccttccaggtccttggcacctcctctggcctccccgtggagcgccgagaccagcctggggagccggcgaccgagttctcctgccgggagttggaggccggcagcctagtctatgtccaccgcggtggtcctgcacaggacttgacgttccgggtcagcgatggactgcaggccagccccccggccacgctgaaggtggtggccatccggccggccatacagatccaccgcagcacagggttgcgactggcccaaggctctgccatgcccatcttgcccgccaacctgtcggtggagaccaatgccgtggggcaggatgtgagcgtgctgttccgcgtcactggggccctgcagtttggggagctgcagaagcagggggcaggtggggtggagggtgctgagtggtgggccacacaggcgttccaccagcgggatgtggagcagggccgcgtgaggtacctgagcactgacccacagcaccacgcttacgacaccgtggagaacctggccctggaggtgcaggtgggccaggagatcctgagcaatctgtccttcccagtgaccatccagagagccactgtgtggatgctgcggctggagccactgcacactcagaacacccagcaggagaccctcaccacagcccacctggaggccaccctggaggaggcaggcccaagccccccaaccttccattatgaggtggttcaggctcccaggaaaggcaaccttcaactacagggcacaaggctgtcagatggccagggcttcacccaggatgacatacaggctggccgggtgacctatggggccacagcacgtgcctcagaggcagtcgaggacaccttccgtttccgtgtcacagctccaccatatttctccccactctataccttccccatccacattggtggtgacccagatgcgcctgtcctcaccaatgtcctcctcgtggtgcctgagggtggtgagggtgtcctctctgctgaccacctctttgtcaagagtctcaacagtgccagctacctctatgaggtcatggagcggccccgccatgggaggttggcttggcgtgggacacaggacaagaccactatggtgacatccttcaccaatgaagacctgttgcgtggccggctggtctaccagcatgatgactccgagaccacagaagatgatatcccatttgttgctacccgccagggcgagagcagtggtgacatggcctgggaggaggtacggggtgtcttccgagtggccatccagcccgtgaatgaccacgcccctgtgcagaccatcagccggatcttccatgtggcccggggtgggcggcggctgctgactacagacgacgtggccttcagcgatgctgactcgggctttgctgacgcccagctggtgcttacccgcaaggacctcctctttggcagtatcgtggccgtagatgagcccacgcggcccatctaccgcttcacccaggaggacctcaggaagaggcgagtactgttcgtgcactcaggggctgaccgtggctggatccagctgcaggtgtccgacgggcaacaccaggccactgcgctgctggaggtgcaggcctcggaaccctacctccgtgtggccaacggctccagccttgtggtccctcaagggggccagggcaccatcgacacggccgtgctccacctggacaccaacctcgacatccgcagtggggatgaggtccactaccacgtcacagctggccctcgctggggacagctagtccgggctggtcagccagccacagccttctcccagcaggacctgctggatggggccgttctctatagccacaatggcagcctcagcccccgcgacaccatggccttctccgtggaagcagggccagtgcacacggatgccaccctacaagtgaccattgccctagagggcccactggccccactgaagctggtccggcacaagaagatctacgtcttccagggagaggcagctgagatcagaagggaccagctggaggcagcccaggaggcagtgccacctgcagacatcgtattctcagtgaagagcccaccgagtgccggctacctggtgatggtgtcgcgtggcgccttggcagatgagccacccagcctggaccctgtgcagagcttctcccaggaggcagtggacacaggcagggtcctgtacctgcactcccgccctgaggcctggagcgatgccttctcgctggatgtggcctcaggcctgggtgctcccctcgagggcgtccttgtggagctggaggtgctgcccgctgccatcccactagaggcgcaaaacttcagcgtccctgagggtggcagcctcaccctggcccctccactgctccgtgtctccgggccctacttccccactctcctgggcctcagcctgcaggtgctggagccaccccagcatggagccctgcagaaggaggacggacctcaagccaggaccctcagcgccttctcctggagaatggtggaagagcagctgatccgctacgtgcatgacgggagcgagacactgacagacagttttgtcctgatggctaatgcctccgagatggatcgccagagccatcctgtggccttcactgtcactgtcctgcctgtcaatgaccaaccccccatcctcactacaaacacaggcctgcagatgtgggagggggccactgcgcccatccctgcggaggctctgaggagcacggacggcgactctgggtctgaggatctggtctacaccatcgagcagcccagcaacgggcgggtagtgctgcggggggcgccgggcactgaggtgcgcagcttcacgcaggcccagctggacggcgggctcgtgctgttctcacacagaggaaccctggatggaggcttccgcttccgcctctctgacggcgagcacacttcccccggacacttcttccgagtgacggcccagaagcaagtgctcctctcgctgaagggcagccagacactgactgtctgcccagggtccgtccagccactcagcagtcagaccctcagggccagctccagcgcaggcactgacccccagctcctgctctaccgtgtggtgcggggcccccagctaggccggctgttccacgcccagcaggacagcacaggggaggccctggtgaacttcactcaggcagaggtctacgctgggaatattctgtatgagcatgagatgccccccgagccctt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他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物において用いられるHMW−MAAタンパク質は、NM_001897及びX96753から選択されるアクセス番号を有する遺伝子銀行エントリーに規定されているAA配列を有する。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、上記の遺伝子銀行エントリーの1つに規定されているヌクレオチド配列にエンコードされている。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、上記の遺伝子銀行エントリーの1つに規定されている配列を含む。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、上記の遺伝子銀行エントリーの1つに規定されている配列の相同体である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、上記の遺伝子銀行エントリーの1つに規定されている配列の変異体である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、上記の遺伝子銀行エントリーの1つに規定されている配列の断片である。他の実施形態では、前記HMW−MAAタンパク質は、上記の遺伝子銀行エントリーの1つに規定されている配列のイソ型である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に使用されるHMW−MAA断片は、他の実施形態では、AA360〜554を含む。他の実施形態では、前記断片は、本質的にAA360〜554から成る。他の実施形態では、前記断片は、AA360〜554から成る。他の実施形態では、前記断片は、AA701〜1130を含む。他の実施形態では、前記断片は、本質的にAA701〜1130から成る。他の実施形態では、前記断片は、AA701〜1130から成る。他の実施形態では、前記断片は、AA2160〜2258から成る。他の実施形態では、前記断片は、本質的にAA2160〜2258から成る。他の実施形態では、前記断片は、AA2160〜2258から成る。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
ある実施形態では、本発明のポリペプチドは、本明細書中で説明したいずれかの形態又は実施形態の、HMW−MAAタンパク質の断片を含む。ある実施形態では、本発明のいずれかのポリペプチドは、本明細書中で説明したいずれかの形態又は実施形態の、HMW−MAAタンパク質の断片から成る。ある実施形態では、本発明の組成物は、本明細書中で説明したいずれかの形態又は実施形態の、HMW−MAAタンパク質の断片から本質的に成るであろう。ある実施形態では、「含む(comprise)」という用語は、例えば、HMW−MAAタンパク質の断片、又はHMW−MAAタンパク質及び非HMW−MAAポリペプチドの断片などの前記した活性物質を含有すること、並びに、製薬業界で公知の他の活性物質、薬学的に許容される担体、賦形剤、軟化剤、安定剤などを含有することを意味する。ある実施形態では、「から本質的に成る」という用語は、組成物が、ここで記載した活性成分を唯一の活性成分として含むが、安定化、保存などのために他の化合物(活性成分の治療効果に直接関与しない)をも含み得ることを意味する。ある実施形態では、「から本質的に成る」という用語は、組成物が前記活性成分の放出を促進する要素を含むことを意味する。ある実施形態では、「から成る」という用語は、組成物が前記活性成分と薬学的に許容される単体又は賦形剤を含むことを意味する。
他の実施形態では、本発明に係るHMW−MAA断片の長さは、約98個のアミノ酸(AA)である。他の実施形態では、本発明に係るHMW−MAA断片の長さは、約194個のアミノ酸(AA)である。他の実施形態では、本発明に係るHMW−MAA断片の長さは、約430個のアミノ酸(AA)である。他の実施形態では、本発明に係るHMW−MAA断片の長さは、約98〜194個のアミノ酸(AA)である。他の実施形態では、本発明に係るHMW−MAA断片の長さは、約194〜430個のアミノ酸(AA)である。他の実施形態では、本発明に係るHMW−MAA断片の長さは、約98〜430個のアミノ酸(AA)である。
他の実施形態では、本発明に係るHMW−MAA断片の長さは、少なくとも8個のアミノ酸(AA)である。他の実施形態では、前記長さは、8AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも9AAである。他の実施形態では、前記長さは、9AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも10AAである。他の実施形態では、前記長さは、10AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも11AAである。他の実施形態では、前記長さは、11AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも12AAである。他の実施形態では、前記長さは、12AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも14AAである。他の実施形態では、前記長さは、14AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも16AAである。他の実施形態では、前記長さは、16AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも18AAである。他の実施形態では、前記長さは、18AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも20AAである。他の実施形態では、前記長さは、20AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも25AAである。他の実施形態では、前記長さは、25AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも30AAである。他の実施形態では、前記長さは、30AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも40AAである。他の実施形態では、前記長さは、40AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも50AAである。他の実施形態では、前記長さは、50AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも70AAである。他の実施形態では、前記長さは、70AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも100AAである。他の実施形態では、前記長さは、100AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも150AAである。他の実施形態では、前記長さは、150AAよりも大きい。他の実施形態では、前記長さは、少なくとも200AAである。他の実施形態では、前記長さは、200AAよりも大きい。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記長さは、約8〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約8〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約9〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約9〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約9〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約9〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約9〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約9〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約9〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約10〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約11〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約12〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約15〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約20〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約30〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜50AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約40〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜70AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約50〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約70〜100AAである。他の実施形態では、前記長さは、約70〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約70〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約70〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約70〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約70〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約70〜500AAである。他の実施形態では、前記長さは、約100〜150AAである。他の実施形態では、前記長さは、約100〜200AAである。他の実施形態では、前記長さは、約100〜250AAである。他の実施形態では、前記長さは、約100〜300AAである。他の実施形態では、前記長さは、約100〜400AAである。他の実施形態では、前記長さは、約100〜500AAである。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
各HMW−MAAタンパク質及びその各断片は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物の組換え型ポリペプチドは、シグナル配列を含む。他の実施形態では、前記シグナル配列は、前記ワクチンベクターを構成するのに使用される有機体に由来する。他の実施形態では、前記シグナル配列は、LLOシグナル配列である。他の実施形態では、前記シグナル配列は、ActAシグナル配列である。他の実施形態では、前記シグナル配列は、リステリアシグナル配列である。他の実施形態では、前記シグナル配列は、当該技術分野で公知の任意のリステリアシグナル配列である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
「ペプチド」及び「組換え型ペプチド」は、他の実施形態では、任意の長さのペプチド又はポリペプチドを意味する。他の実施形態では、本発明に係るペプチド又は組換え型ペプチドは、HMW−MAA断片に関して上記に記載した長さのうちの1つのものを有する。各可能な形態は、本発明の別個の形態に相当する。他の実施形態では、「ペプチド」という用語は、天然型ペプチド(分解産物、合成ペプチド、若しくは組換え型ペプチド)、及び/又はペプチド類似体であるペプトイド及びセミペプトイドなどの模倣ペプチド(通常は、合成的に合成されたペプチド)を意味する。このペプチド類似体は、例えば、ペプチドが体内でより安定するよう、又は細胞により容易に浸透できるようにするために修飾されている場合がある。これらの修飾には、それらに限定されるわけではないが、N末端修飾、C末端修飾、ペプチド結合修飾、バックボーン修飾、及び残基修飾が含まれる。前記ペプチド結合修飾には、それらに限定されるわけではないが、CH−NH、CH−S、CH−S=O、O=C−NH、CH−O、CH−CH、S=C−NH、CH=CH、又はCF=CHが含まれる。模倣ペプチドを作成する方法は、当該技術分野で公知であり、例えば、「Quantitative Drug Design, CA. Ramsden Gd., Chapter 17.2, F. Choplin Pergamon Press (1992)」に記載されている(この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。この点に関する詳細を下記に記載する。
ペプチド内のペプチド結合(−CO−NH−)は、例えば、N−メチル化結合(−N(CH)−CO−)、エステル結合(−C(R)H−C−O−O−C(R)−N−)、ケトメチレン結合(−CO−CH−)、α−アザ結合(−NH−N(R)−CO−)(式中、Rは任意のアルキルであり、例えば、メチルである)、カルバ結合(−CH−NH−)、ヒドロキシエチレン結合(−CH(OH)−CH−)、チオアミド結合(−CS−NH−)、オレフィン性二重結合(−CH=CH−)、レトロアミド結合(−NH−CO−)、ペプチド誘導体(−N(R)−CH−CO−)(式中、Rは、天然状態において炭素原子上に存在する「通常の」側鎖である)によって置換することができる。
これらの修飾は、ペプチド鎖に沿った任意の結合部において生じ、同時に複数(2〜3)生じることさえある。天然の芳香族アミノ酸、Trp、Tyr及びPheは、例えばTIC、ナフチルアラニン(Nol)、Pheの環状のメチル化誘導体、Pheのハロゲン化誘導体、又は及び/又o−メチル−Tyrなどの人工の非天然酸に置換され得る。
上記に加えて、本発明のペプチドは、1つ以上の修飾されたアミノ酸、又は1つ以上の非アミノ酸モノマー(例えば、脂肪酸、複合炭水化物など)も含み得る。
ある実施形態では、「アミノ酸」という用語は、20個の自然発生的アミノ酸を含むと理解されたい。これらのアミノ酸は多くの場合はインビボで翻訳後に修飾され、例えば、ヒドロキシプロリン、ホスホセリン及びホスホスレオニンを含む。そして、他の異常アミノ酸は、これに限定するものではないが、2−アミノアジピン酸、ヒドロキシリジン、イソデスモシン、ノルバリン、ノルロイシン、及びオルニチンを含む。さらに、「アミノ酸」という用語は、D−アミノ酸とL−アミノ酸の両方を含み得る。
本発明のペプチド又タンパク質は、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom and Winter, J. MoI. Biol. 227:381 (1991); Marks et al., J. MoI. Biol. 222:581 (1991))を含む当該技術分野で公知の任意の技術により作成し得る。
ある実施形態では、「オリゴヌクレオチド」という用語は、「核酸」という用語を同じ意味で使用され、これに限定するものではないが、原核生物の配列、真核生物mRNA、真核生物mRNA由来のcDNA、真核生物(例えば哺乳類)DNA由来のゲノムDNA配列、さらには合成DNA配列などの分子を意味する。また、この用語は、任意の既知の、DNA及びRNAの塩基類似体を含む配列を意味し得る。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型リステリア株を含むワクチンを提供する。ある実施形態では、前記ワクチンは、アジュバントをさらに含む。ある実施形態では、前記ワクチンは、サイトカイン、ケモカイン又はそれらの組み合わせをさらに含む。ある実施形態では、ワクチンは、抗原又はポリペプチドに対する免疫応答を誘導する組成物であり、その組成物に曝すことにより、その組成物に含まれる抗原又はポリペプチドに対する免疫応答を引き起こす。他の実施形態では、前記ワクチン又は組成物は、APCをさらに含む。APCはある実施形態では、自己由来のものであり、他の実施形態では、対象に対して同種異系のものである。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドとアジュバントとを含むワクチンを提供する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む免疫原性組成物を提供する。他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物に利用される免疫原性組成物は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードする組換え型ワクチンベクターを含む。他の実施形態では、前記免疫原性組成物は、本発明に係る組換え型ペプチドをエンコードするプラスミドを含む。他の実施形態では、前記免疫原性組成物は、アジュバントを含む。他の実施形態では、本発明に係るベクターは、ワクチン組成物の一部として投与され得る。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に係る方法及び組成物における前記免疫原性組成物は、他の実施形態では、組換え型ワクチンベクターを含む。他の実施形態では、前記組換え型ワクチンベクターは、本発明に係る組換え型ペプチドを含む。他の実施形態では、前記組換え型ワクチンベクターは、本発明に係る単離された核酸を含む。他の実施形態では、前記組換え型ワクチンベクターは、本発明に係る組換え型ペプチドをエンコードしている単離された核酸を含む。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、本発明の組換え型ポリペプチドをエンコードしている組換え型ワクチンベクターを含む。他の実施形態では、本発明は、本発明の組換え型ポリペプチドを含有している組換え型ワクチンベクターを含む。他の実施形態では、前記発現ベクターはプラスミドである組換え型ベクターを構成及び使用する方法は当該技術分野では公知であり、例えば、「Sambrook et al. (2001, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York)」や、「Brent et al. (2003, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York).」に開示されている。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記ベクターは、細胞内病原体である。他の実施形態では、前記ベクターは、細胞質病原体に由来する。他の実施形態では、前記ベクターは、細胞内病原体に由来する。他の実施形態では、前記細胞内病原体は、主に細胞性免疫応答を誘導する。他の実施形態では、前記ベクターは、サルモネラ菌株由来である。他の実施形態では、前記ベクターは、BCG菌株である。他の実施形態では、対象の免疫応答を上方制御するために、本発明に係るベクターで形質導入された樹枝状細胞が対象に投与される。この上方制御は、ある実施形態では、CTL活性を上方制御することによって達成される。
他の実施形態では、前記組換え型ワクチンベクターは、主にTh1型免疫応答を誘導する。
本発明に係る方法及び組成物における免疫原性組成物は、ある実施形態では、主にTh1型免疫応答を補助するアジュバントを含む。他の実施形態では、前記アジュバントは、主にTh1媒介免疫応答を補助する。他の実施形態では、前記アジュバントは、Th1型免疫応答を補助する。他の実施形態では、前記アジュバントは、Th1媒介免疫応答を補助する。他の実施形態では、前記アジュバントは、抗体性免疫応答よりも、細胞媒介免疫応答を補助する。他の実施形態では、前記アジュバントは、当該技術分野で公知の任意のその他の種類のアジュバントである。他の実施形態では、前記免疫原性組成物は、標的タンパク質に対するT細胞免疫応答の形成を誘導する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記アジュバントは、MPLである。他の実施形態では、前記アジュバントは、QS21である。他の実施形態では、前記補助剤は、TLRアゴニストである。他の実施形態では、前記アジュバントは、TLR4アゴニストである。他の実施形態では、前記アジュバントは、TLR9アゴニストである。他の実施形態では、前記アジュバントは、Resiquimod(登録商標)である。他の実施形態では、前記アジュバントは、イミキモド(imiquimod)である。他の実施形態では、前記アジュバントは、CpGオリゴヌクレオチドである。他の実施形態では、前記アジュバントは、サイトカイン又はそれをエンコードする核酸である。他の実施形態では、前記アジュバントは、ケモカイン又はそれをエンコードする核酸である。他の実施形態では、前記アジュバントは、IL−12又はそれをエンコードする核酸である。他の実施形態では、前記補助剤は、IL−6又はそれをエンコードする核酸である。他の実施形態では、前記アジュバントは、リポ多糖体である。他の実施形態では、前記アジュバントは、「Fundamental Immunology, 5th ed (August 2003): William E. Paul (Editor); Lippincott Williams & Wilkins Publishers; Chapter 43: Vaccines, GJV Nossal,」に開示されている(この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。他の実施形態では、前記アジュバントは、当該技術分野で公知の任意のその他のアジュバントである。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
ある実施形態では、「主としてTh1型の免疫応答」は、IFN−ガンマが分泌される免疫応答を意味する。他の実施形態では、それは、腫瘍壊死因子βが分泌される免疫応答を意味する。他の実施形態では、それは、IL−2が分泌される免疫応答を意味する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記ベクターは、サルモネラ菌種、赤痢菌種、BCG、リステリア・モノサイトゲネス(その実施形態は実施例2で例示する)、大腸菌、及びストレプトコッカス・ゴルドニから選択される。他の実施形態では、前記融合タンパク質は、食胞リソソーム融合を免れ、細胞の細胞質内で生存するように改変された組換え型細菌ベクターにより送達される。他の実施形態では、前記ベクターは、ウイルスベクターである。他の実施形態では、前記ベクターは、ワクチニア(その実施形態は実施例8で例示する)、アビポックス、アデノウイルス、AAV、ワクシニアウイルスNYVAC、改変されたワクシニア株アンカラ(MVA)、セムリキ森林熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ヘルペスウイルス、及びレトロウイルスから選択される。他の実施形態では、前記ベクターは、裸のDNAベクターである。他の実施形態では、前記ベクターは、当該技術分野で公知の任意の他のベクターである。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードしている単離された核酸を提供する。ある実施形態では、前記単離された核酸は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードしている核酸と少なくとも85%の相同性を共有する配列を含む。ある実施形態では、前記単離された核酸は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードしている核酸と少なくとも90%の相同性を共有する配列を含む。ある実施形態では、前記単離された核酸は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードしている核酸と少なくとも95%の相同性を共有する配列を含む。ある実施形態では、前記単離された核酸は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードしている核酸と少なくとも97%の相同性を共有する配列を含む。ある実施形態では、前記単離された核酸は、本発明に係る組換え型ポリペプチドをエンコードしている核酸と少なくとも99%の相同性を共有する配列を含む。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ヌクレオチド分子とアジュバントとを含むワクチンを提供する。他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ヌクレオチド分子を含むワクチンを提供する。他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ヌクレオチド分子をエンコードするワクチンを提供する。他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組換え型ワクチンベクターを提供する。他の実施形態では、前記発現ベクターはプラスミドである。組換え型ベクターを構成及び利用する方法は、当該技術分野では公知であり、例えば、Sambrookらによる「Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 2001」やBrentらによる「 Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons, New York, 2003)」に記載されている。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
ペプチドワクチンを作成する方法は当該技術分野では公知であり、例えば、「EP1408048, United States Patent Application Number 20070154953, and OGASAWARA et al (Proc. Nati. Acad. Sci. USA Vol. 89, pp. 8995-8999, October 1992) 」に記載されている。ある実施形態では、ペプチド創製技術は、高い免疫原性を有する抗原を作成するのに使用される。ペプチド創製技術は当該技術分野では公知であり、例えば、米国特許第6773900号明細書に開示されている。
ある実施形態では、ワクチンは、抗原又はポリペプチドに対する免疫応答を誘導する組成物であり、その組成物に曝すことにより、その組成物に含まれる抗原又はポリペプチドに対する免疫応答を引き起こす。
他の実施形態では、本発明は、本発明の組換え型ヌクレオチド分子を含む組換え型リステリア株を提供する。
本発明に係る方法及び組成物における前記組換え型リステリア株は、他の実施形態では、組換え型リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)株である。他の実施形態では、前記リステリア株は、組換え型リステリア・シリゲリ(Listeria seeligeri)株である。他の実施形態では、前記リステリア株は、組換え型リステリア・グレイ(Listeria grayi)株である。他の実施形態では、前記リステリア株は、組換え型リステリア・イバノビ(Listeria ivanovii)株である。他の実施形態では、前記リステリア株は、組換え型リステリア・ムライ(Listeria murrayi)株である。他の実施形態では、前記リステリア株は、組換え型リステリア・ウエルシュメリ(Listeria welshimeri)株である。他の実施形態では、前記リステリア株は、当該技術分野で公知の任意の組換え型株である。ある実施形態では、前記リステリア株は、LLO配列を含有するリステリア株であり、他の実施形態では、前記リステリア株は、ActA配列を含有するリステリア株であり、他の実施形態では、前記リステリア株は、PEST様配列を含有するリステリア株である。
他の実施形態では、リステリア株は、1つの遺伝子の欠失により弱毒化される。他の実施形態では、リステリア株は、2つ以上の遺伝子の欠失により弱毒化される。他の実施形態では、リステリア株は、1つの遺伝子の欠失又は不活性化により弱毒化される。他の実施形態では、リステリア株は、2つ以上の遺伝子の欠失又は不活性化によって弱毒化される。
他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、hlyである。他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、actAである。他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、plcAである。他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、plcBである。他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、mplである。他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、inlAである。他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、inlBである。他の実施形態では、突然変異した前記遺伝子は、bshである。
他の実施形態では、前記リステリア株は、栄養要求性変異株である。他の実施形態では、前記リステリア株は、ビタミン合成遺伝子をエンコードしている遺伝子を欠いている。他の実施形態では、前記リステリア株は、パントテン酸合成遺伝子をエンコードしている遺伝子を欠いている。
他の実施形態では、前記リステリア株は、AA代謝酵素を欠いている。他の実施形態では、前記リステリア株は、D-グルタミン酸合成酵素遺伝子を欠いている。他の実施形態では、前記リステリア株は、dat遺伝子を欠いている。他の実施形態では、前記リステリア株は、dal遺伝子を欠いている。他の実施形態では、前記リステリア株は、dga遺伝子を欠いている。他の実施形態では、前記リステリア株は、ジアミノピメリン酸の合成に関与する遺伝子を欠いている。他の実施形態では、前記遺伝子は、ビタミンB12非依存性メチオニンシンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、trpAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、trpBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、trpEである。他の実施形態では、前記遺伝子は、asnBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、gltDである。他の実施形態では、前記遺伝子は、gltBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、leuAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、argGである。他の実施形態では、前記遺伝子は、thrCである。他の実施形態では、前記リステリア株は、上記した1つ以上の遺伝子を欠いている。
他の実施形態では、前記リステリア株は、合成酵素遺伝子を欠いている。他の実施形態では、前記遺伝子は、AA合成遺伝子である。他の実施形態では、前記遺伝子は、folPである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ジヒドロウリジン合成ファミリータンパク質である。他の実施形態では、前記遺伝子は、ispDである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ispFである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ホスホエノールピルビン酸シンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、hisFである。他の実施形態では、前記遺伝子は、hisHである。他の実施形態では、前記遺伝子は、fliIである。他の実施形態では、前記遺伝子は、リボソーム大サブユニット・プソイドウリジンシンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ispDである。他の実施形態では、前記遺伝子は、二官能性GMPシンターゼ/グルタミンアミドトランスフェラーゼタンパク質である。他の実施形態では、前記遺伝子は、cobSである。他の実施形態では、前記遺伝子は、cobBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、cbiDである。
他の実施形態では、前記遺伝子は、ウロポルフィリン−IIIC−メチルトランスフェラーゼ/ウロポルフィリノーゲン−IIIシンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、cobQである。他の実施形態では、前記遺伝子は、uppSである。他の実施形態では、前記遺伝子は、truBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、dxsである。他の実施形態では、前記遺伝子は、mvaSである。他の実施形態では、前記遺伝子は、dapAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ispGである。他の実施形態では、前記遺伝子は、folCである。他の実施形態では、前記遺伝子は、クエン酸シンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、argJである。他の実施形態では、前記遺伝子は、3−デオキシ−ホスホヘプツロン酸シンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、インドール−3−グリセロール−リン酸シンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、アントラニル酸シンターゼ/グルタミンアミドトランスフェラーゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、menBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、メナキノン特異的イソコリスミ酸シンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ホスホリボシルホルミルグリシンアミドシンターゼI又はIIである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ホスホリボシルアミノイミダゾール−サクシノカルボキサミドシンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、carBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、carAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、thyAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、mgsAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、aroBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、hepBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、rluBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ilvBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ilvNである。他の実施形態では、前記遺伝子は、alsSである。他の実施形態では、前記遺伝子は、fabFである。他の実施形態では、前記遺伝子は、fabHである。他の実施形態では、前記遺伝子は、プソイドウリジンシンターゼである。他の実施形態では、前記遺伝子は、pyrGである。他の実施形態では、前記遺伝子は、truAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、pabBである。他の実施形態では、前記遺伝子は、atpシンターゼ遺伝子(例えば、atpC、atpD−2、aptG、atpA−2など)である。
他の実施形態では、前記遺伝子は、phoPである。他の実施形態では、前記遺伝子は、aroAである。他の実施形態では、前記遺伝子は、aroCである。他の実施形態では、前記遺伝子は、aroDである。他の実施形態では、前記遺伝子はplcBである。
他の実施形態では、前記リステリア株は、ペプチドトランスポーターを欠いている。他の実施形態では、前記遺伝子は、ABCトランスポーター/ATP−結合/パーミアーゼタンパク質である。他の実施形態では、前記遺伝子は、オリゴペプチドABCトランスポーター/オリゴペプチド−結合/パーミアーゼタンパク質である。他の実施形態では、前記遺伝子は、亜鉛ABCトランスポーター/亜鉛−結合タンパク質である。他の実施形態では、前記遺伝子は、糖ABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、リン酸トランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ZIP亜鉛トランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、EmrB/QacAファミリーの薬剤耐性トランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、硫酸トランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、プロトン依存性のオリゴペプチドトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、マグネシウムトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、ギ酸塩/亜硝酸塩トランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、スペルミジン/プトレッシンABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、Na/Piコトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、砂糖リン酸トランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、グルタミンABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、MF(major facilitator)ファミリートランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、グリシンベタイン/L−プロリンABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、モリブデンABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、テイコ酸ABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、コバルトABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、アンモニウムABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、アミノ酸ABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、細胞分裂ABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、マグネシウムABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、鉄化合物ABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、マルトース/マルトデキストリンABCトランスポーターである。他の実施形態では、前記遺伝子は、Bcr/CflAファミリーの薬剤耐性トランスポーターである。
他の実施形態では、前記遺伝子は、上記のタンパク質の1つのサブユニットである。
他の実施形態では、本発明に係る組換え型リステリア株は、動物ホストにより継体される。他の実施形態では、前記継体は、前記株のワクチンベクターとしての効率を最大化する。他の実施形態では、前記継体は、前記リステリア株の免疫原性を安定化させる。他の実施形態では、前記継体は、前記リステリア株の毒性を安定化させる。他の実施形態では、前記継体は、前記リステリア株における不安定な亜株を除去する。他の実施形態では、前記継体は、前記リステリア株における不安定な亜株の罹患率を減少させる。他の実施形態では、前記継体は、前記株を弱体化させる。他の実施形態では、前記継体は、前記株を弱毒化させる。組換え型リステリア株を動物ホストにより継体する方法は当該技術分野では公知のであり、例えば、米国特許出願第10/541,614号明細書に開示されている。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
各リステリア株及びその種類は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物の組換え型リステリア株は、抗原又はLLO−抗原融合体をエンコードする構造体により安定的に形質転換される。ある実施形態では、前記構造体は、さらなるサブクローニングを容易にするためのポリリンカーを含む。組換え型リステリア株を作成するためのいくつかの技術は既知である。各技術は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記構造体又は異種遺伝子は、相同的組み換えを使用して、リステリア染色体内に組み入れられる。相同的組み換えの方法は当該技術分野では公知であり、例えば、「Frankel, FR, Hegde, S, Lieberman, J, and Y Paterson. Induction of a cell-mediated immune response to HIV gag using Listeria monocytogenes as a live vaccine vector. J. Immunol. 155: 4766 - 4774. 1995」、「Mata, M, Yao, Z, Zubair, A, Syres, K and Y Paterson, Evaluation of a recombinant Listeria monocytogenes expressing an HIV protein that protects mice against viral challenge Vaccine 19: 1435-45, 2001」、「Boyer, JD, Robinson, TM, Maciag, PC, Peng, X, Johnson, RS, Pavlakis, G, Lewis, MG, Shen, A, Siliciano, R, Brown, CR, Weiner, D, and Y Paterson. DNA prime Listeria boost induces a cellular immune response to SIV antigens in the Rhesus Macaque model that is capable of limited suppression of SIV239 viral replication. Virology. 333: 88-101 , 2005.」に記載されている。他の実施形態では、相同的組み換えは、米国特許第6,855,320号明細書に開示されているようにして実施される。他の実施形態では、前記組み換え体を選択するのに、温度感受性プラスミドが使用される。各技術は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記構造体又は異種遺伝子は、トランスポゾン挿入を使用して、リステリア染色体内に組み入れられる。トランスポゾン挿入の技術は当該技術分野では公知であり、とりわけ、Sunらによる「construction of DP-L967(Infection and Immunity 1990, 58: 3770-3778)」に記載されている。他の実施形態では、トランスポゾン突然変異生成は、安定的なゲノム挿入変異体を形成することができるという利点を有する。他の実施形態では、前記ゲノム内における外来遺伝子がトランスポゾン突然変異生成によって挿入されている位置は、未知である。
他の実施形態では、前記構造体又は異種遺伝子は、ファージ組み込み部位を使用してリステリア染色体内に組み入れられる(Lauer P, Chow MY et al, Construction, characterization, and use of two LM site-specific phage integration vectors. J Bacteriol 2002;184(15): 4177-86)。他の実施形態では、インテグラ−ゼ遺伝子及びバクテリオファージ(例えば、U153又はPSAリステリオファージ)の結合部位を使用して異種遺伝子が対応する結合部位に挿入される。この部位は、ゲノム上の如何なる適切な部位であり得る(例えば、comK又はargのtRNA遺伝子3´末端)。他の実施形態では、前記構造体又は異種遺伝子の組み込みに使用された結合部位から内在のプロファージが取り除かれる。他の実施形態では、この方法により、シングルコピーのインテグラントができる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記構造体は、リステリア株によってプラスミド上で保持される。抗原融合タンパク質を発現するLMベクターは、この技術によって構成される。本明細書に記載したように、Lm−GG/E7は、prfA欠失変異体を、prfA遺伝子のコピー、及び溶血作用を除去するために切断された形態のLLO(hly)遺伝子に融合したE7遺伝子のコピーを含むプラスミドで補完することによって作成された。機能的LLOは、hlyの内在性染色体コピーを介して有機体によって維持される。他の実施形態では、前記プラスミドは、抗生物質抵抗性遺伝子を含む。他の実施形態では、前記プラスミドは、形質転換されたリステリア株のゲノム上で欠失している毒性因子コード遺伝子を含む。他の実施形態では、前記毒性因子は、prfAである。他の実施形態では、前記毒性因子は、LLOである。他の実施形態では、前記毒性因子は、ActAである。
他の実施形態では、前記毒性因子は、弱める対象として上記に列挙したいずれかの遺伝子である。他の実施形態では、前記毒性因子は、当該技術分野で公知の他の毒性因子である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明の組換え型ペプチドは、例えばPI−PLCなどのリステリアタンパク質、又はそれをエンコードする構造体に融合される。他の実施形態では、分泌されたリステリアタンパク質(例えば、溶血素、ActA、又はホスホリパーゼ)のシグナル配列は、抗原をエンコードする遺伝子に融合される。他の実施形態では、換え型ワクチンベクターのシグナル配列が使用される。他の実施形態では、組換え型ワクチンベクターの機能的シグナル配列が使用される。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記構造体は、エピソームの形態でリステリア株に含まれる。他の実施形態では、前記外来抗原は、組換え型リステリア株が保有するベクターから発現される。
リステリアにおける各発現方法は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の抗HMW−MAA免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、対象には自身の同種異系細胞が投与され、ある実施形態では、抗原に対する免疫応答を誘起する。他の実施形態では、本発明に係る組成物及び方法は、刺激性サイトカイン(ある実施形態では、Th1サイトカインであり、ある実施形態では、IFNガンマである)の発現をもたらす。ある実施形態では、刺激性サイトカインの発現は、本発明に係る組成物及び方法の抗腫瘍効果に貢献する。他の実施形態では、本発明に係る組成物及び方法は、ガンマデルタT細胞の発現をもたらす。
他の実施形態では、本発明は、非特異性の抗腫瘍反応を誘導するための組成物及び方法を提供する。ある実施形態では、HMW−MAAペプチドなどのメラノーマ抗原で免疫を与えると、その抗原を発現しない種類のメラノーマに対しても保護される(実施例4)。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。ここに記載するように、例えば腫瘍成長の抑制、四量体染色、腫瘍浸潤CD8T細胞数の測定、FACS及びクロム遊離分析などの複数の証拠によって示されるように、本発明に係るワクチンは抗原特異的免疫応答を誘導する。
他の実施形態では、本発明は、対象の周皮細胞に対する免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍の成長を阻害する及び/又は遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系内に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍を治療する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系内に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の1つ以上の腫瘍細胞を溶解させる方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。ある実施形態では、腫瘍溶解は、細胞毒性Tリンパ球、腫瘍浸潤性リンパ球、又はそれらの組み合わせに起因する(ある実施形態では、腫瘍特異的である)。
ある実施形態では、本発明に係る方法は、上述した疾病、疾患、症状、又はアレルギー若しくは喘息に関連する副作用の治療、阻害、抑制、抑止、又は防止するのに使用される。ある実施形態では、「治療」は、対象の目的とする病状又は疾患を防止又は低減させる、治療処置及び予防方法又は予防対策の両方を意味する。したがって、ある実施形態では、治療は、疾病、疾患、病状又はそれらの組み合わせに関連する症状に対しての、直接的な影響、治癒、抑制、抑止、防止、重症度の低減、発病の遅延、症状の低減を含む。したがって、ある実施形態では、「治療」は、とりわけ、進行の遅延、寛解促進、寛解誘導、寛解増大、迅速な回復、効果の増大、又は他の治療への耐性の減少、或いはそれらの組み合わせを意味する。ある実施形態では、「防止」又は「阻害」は、とりわけ、症状の発症の遅延、疾病の再発の防止、再発の発生の回数又は頻度の減少、病状発生間の潜在時間の増加、或いはそれらの組み合わせを意味する。ある実施形態では、「抑制」又は「抑止」は、とりわけ、病状の重症度の低減、急性発作の重症度の低減、症状の回数の減少、疾患関連症状の発生率の低減、症状の潜在時間の減少、症状の改善、二次的症状の減少、二次的感染の減少、対象生存の延長、或いはそれらの組み合わせを意味する。
ある実施形態では、症状は一次的である。一方、他の実施形態では、症状は二次的である。ある実施形態では、「一次的」は、特定の疾病又は疾患の結果として直接的に生じた症状を意味する。一方、ある実施形態では、「二次的」は、一次要因に由来する症状を意味する。ある実施形態では、本発明に使用される化合物は、アレルギー又は喘息に関連する一次的な症状又は二次的な合併症を治療する。他の実施形態では、「症状」は、疾病又は病態の任意の兆候であり得る。
本明細書に記載したように、HMW−MAAを発現するリステリア株は、HMW−MAAを発現しない腫瘍の成長を抑制した。これらの結果は、抗HMW−MAA免疫応答が、固形腫瘍の血管新生を抑制し、食い止め、それ故に、固形腫瘍の成長を抑制することを示す。本発明の抗HMW−MAAワクチンは、HMW−MAAとそのマウス相同体、すなわち、マウスコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(「AN2」)との不完全な同一性(80%)にも関わらず、これらの効果を発揮することができる。この実施形態では、本発明に係る抗HMW−MAAワクチンは、そのHMW−MAAの発現に関わらず、あらゆる固形腫瘍に対するワクチン接種に効果的である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍の血管新生を阻害する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系内に存在する。
各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に係る方法及び組成物が標的とする固形腫瘍は、他の実施形態では、メラノーマである。他の実施形態では、前記腫瘍は、肉腫である。他の実施形態では、前記腫瘍は、癌腫である。他の実施形態では、前記腫瘍は、中皮腫(例えば、悪性中皮腫)である。他の実施形態では、前記腫瘍は、神経膠腫である。他の実施形態では、前記腫瘍は、胚細胞腫瘍である。他の実施形態では、前記腫瘍は、絨毛腫である。
他の実施形態では、前記腫瘍は、膵臓癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、卵巣癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、胃癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、前記膵臓癌の病巣である。他の実施形態では、前記腫瘍は、肺腺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、結腸直腸腺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、卵巣癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、肺扁平腺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、胃腺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、卵巣表面の上皮性新生物(例えば、それらの良性、増殖性、又は悪性の種類のもの)である。他の実施形態では、前記腫瘍は、口腔扁平細胞癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、非小細胞肺癌である。 他の実施形態では、前記腫瘍は、子宮内膜癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、膀胱癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、頭頸部癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、前立腺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、非小細胞肺癌(a non-small cell lung cancer:NSCLC)である。他の実施形態では、前記腫瘍は、ウィルムス腫瘍である。他の実施形態では、前記腫瘍は、線維形成性小円形細胞腫瘍である。他の実施形態では、前記腫瘍は、結腸癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、肺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、卵巣癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、子宮癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、甲状腺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、肝細胞癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、甲状腺癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、肝臓癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、腎臓癌である。他の実施形態では、前記腫瘍は、カポジ腫瘍(kaposis)である。他の実施形態では、前記腫瘍は、肉腫である。他の実施形態では、前記腫瘍は、他の癌腫又は肉腫である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
ある実施形態では、本発明は、癌になりやすい固体群又は癌になる危険性が高い個体群における癌を予防するための組成物及び方法を提供する。ある実施形態では、前記個体群は、遺伝性乳癌(brcal)又は2遺伝子変異を有する女性(ある実施形態では、乳癌になりやすい)。
上記の癌の各種類は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。ここに記載するように、HMW−MAAを発現するリステリア株は、抗HMW−MAA免疫応答を誘導し、HMW−MAA発現腫瘍の成長を抑制した。
本発明に係る方法及び組成物が標的とする前記HMW−MAA発現腫瘍は、他の実施形態では、基底細胞癌である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、神経堤起原の腫瘍である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、星状細胞腫である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、神経膠腫である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、神経芽細胞腫である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、肉腫である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、小児白血病である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、小葉乳癌病巣である。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、メラノーマである。
他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍は、任意のその他のHMW−MAA発現腫瘍である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の周皮細胞に対する免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。ここに記載するように、HMW−MAAを発現するリステリア株は、固形腫瘍(HMW−MAAを発現したかったものでさえ)の成長を抑制した。これらの結果は、腫瘍−血管新生に関連する周皮細胞に対する免疫応答の誘導により、血管新生が抑制されることを示すものである。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現固形腫瘍の成長を阻害する及び/又は進行を遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現固形腫瘍の治療する方法であって、本発明に係る組換え型リステリア株を含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に係る方法に使用される本発明に係る組換え型リステリア株は、他の実施形態では、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む。他の実施形態では、前記組換え型リステリア株は、本発明に係る組換え型ヌクレオチド分子を含む。他の実施形態では、前記組換え型リステリア株は、上記に説明又は列挙した組換え型リステリア株である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の抗HMW−MAA免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、対象の周皮細胞に対する免疫応答を誘導する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍の成長を阻害する及び/又は進行を遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象の固形腫瘍を治療する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、本発明は、対象の固形腫瘍の血管新生を阻害する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記固形腫瘍の周皮細胞に対する前記対象の免疫応答が高まる。他の実施形態では、前記周皮細胞は、前記固形腫瘍の血管系に存在する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍の成長を阻害する及び/又は進行を遅延させる方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、対象のHMW−MAA発現腫瘍を治療する方法であって、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記HMW−MAA発現腫瘍に対する前記対象の免疫応答が高まる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、上記に説明したいずれかの方法の前記組換え型ポリペプチドは、本発明に係る組成物の組換え型ポリペプチドのいずれかの特性を有する。各特性は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に係る方法の他の実施形態では、本発明に係る組換え型リステリア株を含むワクチンが投与される。他の実施形態では、本発明に係る組換え型リステリア株を含む免疫原性組成物が投与される。他の実施形態では、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含むワクチンが投与される。他の実施形態では、本発明に係る組換え型ポリペプチドを含む免疫原性組成物が投与される。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物における標的とする周皮細胞は、活性化した周皮細胞である。他の実施形態では、前記標的とする周皮細胞は、当該技術分野で公知の任意のその他の種類の周皮細胞である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法及び組成物の方法又は免疫原性組成物は、細胞性免疫応答を誘導する。他の実施形態では、前記免疫原性組成物は、主に細胞媒介免疫応答を誘導する。他の実施形態では、前記免疫原性組成物は、主にTh1型免疫応答を誘導する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明に係る方法により誘導される前記免疫応答は、細胞媒介免疫応答である。他の実施形態では、前記免疫応答は、T細胞媒介免疫応答である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に係る方法により誘導される前記免疫応答は、他の実施形態では、CTLを含む。他の実施形態では、T細胞媒介免疫応答に関わるT細胞は、CTLである。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、前記T細胞媒介免疫応答は、Tヘルパー細胞を含む。他の実施形態では、T細胞媒介免疫応答に関わる前記T細胞は、Tヘルパー細胞である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明に係る方法の他の実施形態では、対象は、本発明に係る免疫原性組成物、ベクター又は組換え型ペプチドによって免疫される。他の実施形態では、対象は、本発明に係る免疫原性組成物、ベクター又は組換え型ペプチドと接触させられる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、癌細胞の細胞外マトリックスへの付着を抑制する方法であって、本発明に係る方法により抗HMW−MAA免疫応答を誘導するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記癌細胞は、メラノーマ細胞である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、腫瘍の転移を抑制する方法であって、本発明に係る方法により抗HMW−MAA免疫応答を誘導するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記腫瘍は、メラノーマ腫瘍である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、癌細胞の遊走を抑制する方法であって、本発明に係る方法により抗HMW−MAA免疫応答を誘導するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記癌細胞は、メラノーマ細胞である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、腫瘍内の細胞増殖を抑制する方法であって、本発明に係る方法により抗HMW−MAA免疫応答を誘導するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記腫瘍は、メラノーマ腫瘍である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、腫瘍の侵襲性を減少させる方法であって、本発明に係る方法により抗HMW−MAA免疫応答を誘導するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記腫瘍は、メラノーマ腫瘍である。他の実施形態では、抗HMW−MAA免疫応答は、HMW−MAA−MT3−MMP(膜型メタロプロテアーゼ)複合体の形成を抑制する。他の実施形態では、これらの複合体の形成を抑制することにより、メラノーマ細胞によるI型コラーゲンの分解を阻害する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、腫瘍の近傍におけるプラスミノーゲンのプラスミンへの変化を抑制する方法であって、本発明に係る方法により抗HMW−MAA免疫応答を誘導するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記腫瘍は、メラノーマ腫瘍である。他の実施形態では、プラスミン放出を抑制することにより、細胞外マトリックス(ECM)の分解を抑制することができる。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、腫瘍の近傍におけるアンギオスタチンの離脱(sequestration)を抑制する方法であって、本発明に係る方法により抗HMW−MAA免疫応答を誘導するステップを含む方法を提供する。他の実施形態では、前記腫瘍は、メラノーマ腫瘍である。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明のペプチドは、本明細書で列挙されたペプチドと相同する。「相同」、「相同性」などの用語は、任意のタンパク質又はペプチドに関して用いられる際は、ある実施形態では、候補配列において、対応する天然ポリペプチドの残基と一致するアミノ酸のパーセンテージを意味する。なお、この相同性は、候補配列を一列に整列させ、相同性のパーセンテージが最大になるように必要に応じてギャップを導入して求める。その際、同類置換の残基を、対応するものと同一とは見なさない。整列させるための方法及びコンピュータプログラムは、当該技術分野では公知である。
相同性は、他の実施形態では、配列アライメント用のコンピュータアルゴリズムを用いて、当該技術分野で公知の方法により決定される。例えば、核酸配列の相同性を分析するためのコンピュータアルゴリズムとしては、入手可能なあらゆるソフトウエアパッケージの利用を含み、そのようなフトウエアパッケージとしては、例えば、BLAST、DOMAIN、BEAUTY(BLAST Enhanced Alignment Utility)、GENPEPT、及びTREMBLパッケージがある。
他の実施形態では、「相同(homology、homologous)」は、配列番号1〜14から選択される非HMW−MAA配列との一致が70%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が72%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が75%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が78%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が80%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が82%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が83%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が85%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が87%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が88%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が90%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が92%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が93%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が95%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が96%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が97%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が98%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が99%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号1〜14から選択される配列との一致が100%を越えることを意味する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、「相同(homology、homologous)」は、配列番号15〜16から選択されるHMW−MAA配列との一致が70%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が72%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が75%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が78%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が80%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が82%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が83%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が85%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が87%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が88%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が90%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が92%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が93%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が95%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が96%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が97%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が98%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が99%を越えることを意味する。他の実施形態では、「相同」は、配列番号15〜16から選択される配列との一致が100%を越えることを意味する。各可能な形態は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、相同性は、候補配列ハイブリダイゼーションの測定により判断される。この方法は、当該技術分野では公知である。例えば、「Nucleic Acid Hybridization" Hames, B. D., and Higgins S. J., Eds. (1985)」、「Sambrook et al., 2001, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N. Y.」、及び「Ausubel et al., 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N. Y」を参照されたい。他の実施形態では、ハイブリダイゼーション方法は、天然カスパーゼペプチドをエンドードするDNAの補完物(complement)に対して、穏やかな条件から厳密な条件下で実施される。ハイブリダイゼーションの条件として、例えば、10〜20%のホルムアミド、5X SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5Xデンハルト溶液、10%硫酸デキストラン、及び20μg/mlの変性及びせん断されたサケ精子DNAを含む溶液内で、42℃で一晩培養するものがある。
他の実施形態では、本明細書に列記したAA配列についてのタンパク質及び/又はペプチドの相同性は、イムノブロット解析や様々なソフトウエアパッケージを用いたコンピュータアルゴリズム解析などの当該技術分野で公知の方法を確立された手法に従って行うことで測定する。これらのパッケージとして、FASTA、BLAST、MPsrch、又はScanpsがある。これらのソフトウエアは、他の実施形態では、分析のためにスミス・ウォーターマンアルゴリズム、及び/又はグローバル/ローカル又はBLOCKSアラインメントを利用する。相同を測定するための各方法は、本発明の別個の実施形態に相当する。
本発明の他の実施形態では、「核酸」又は「ヌクレオチド」は、少なくとも2つの塩基−糖−リン酸塩が組み合わさった鎖を意味する。この用語は、ある実施形態では、DNA及びRNAを含む。「ヌクレオチド」は、核酸ポリマーのモノマー単位である。RNAは、ある実施形態では、tRNA(転移RNA)、snRNA(核内低分子RNA)、rRNA(リボソームRNA)、mRNA(メッセンジャーRNA)、アンチセンスRNA、阻害的低分子RNA(siRNA)、ミクロRNA(miRNA)、及びリボザイムの形態である。siRNA及びmiRNAの使用は、「Caudy AA et al, Genes & Devel 16: 2491-96 and references cited therein」に記載されている。DNAは、他の実施形態では、プラスミドDNA、ウイルスDNA、線状DNA、又は染色体DNA、或いはそれらの誘導体の形態であり得る。さらに、これらの形態のDNA及びRNAは、単鎖、二重鎖、三重鎖、又は四重鎖であり得る。また、他の実施形態では、この用語は、同一の塩基を含むが、他の型のバックボーンを含む人工核酸を含む。ある実施形態では、前記人工核酸は、PNA(ペプチド核酸)である。PNAは、ペプチドのバックボーンとヌクレオチド塩基を含み、DNA分子及びRNA分子の両方に結合可能である。他の実施形態では、前記ヌクレオチドは、オキセタンで修飾される。他の実施形態では、前記ヌクレオチドは、1つ以上のリン酸ジエステル結合をホスホロチオエート結合に置換することにより修飾される。他の実施形態では、前記人工核酸は、当該技術分野で既知の天然核酸のリン酸バックボーンの任意の他の変異体を含む。ホスホチオレート核酸及びPNAの使用は当業者には既知であり、例えば、「Neilsen PE, Curr Opin Struct Biol 9:353-57」や「Raz NK et al Biochem Biophys Res Commun.297:1075-84」に記載されている。核酸の作成及び使用は、当業者には既知であり、例えば、「Molecular Cloning, (2001 ), Sambrook and Russell, eds.」や「Methods in Enzymology: Methods for molecular cloning in eukaryotic cells (2003) Purchio and G. C. Fareed」に記載されている。各核酸の派生物は、本発明の別個の実施形態に相当する。
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る方法を実施するのに使用される単数又は複数の組成物を含むキットを提供する。他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組成物、器具又は装置を含むキットを提供する。
医薬組成物及び投与方法
「医薬組成物」は、他の実施形態では、治療に有効な量の活性成分(すなわち、組換え型ペプチド又はそれを含む若しくはエンコードするベクター)を、薬学的に許容される担体又は希釈液と共に含んでいる組成物である。「有効な量」は、他の実施形態では、投与条件及び投薬計画において治療効果を与える量を意味する。
前記活性成分を含んでいる前記医薬組成物は、他の実施形態では、経粘膜投与、経皮投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、腹膜内投与、脳室内投与、脳内投与、膣内投与又は腫瘍内投与などの当業者に周知の方法によって対象に投与することができる。
本発明に係る方法及び組成物の他の実施形態では、経口投与に適した形態(すなわち、固形又は液体製剤)に製剤化され、経口投与される。適切な経口用固形製剤としては、錠剤、カプセル、ピル、顆粒、ペレットなどがある。また、適切な経口用液体製剤としては、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、油などがある。本発明の他の実施形態では、前記活性成分はカプセル製剤化される。この実施形態では、本発明に係る組成物は、前記活性成分及び不活性担体(又は希釈液)に加えて、硬ゲル化カプセルを含む。
他の実施形態では、前記医薬組成物は、液体製剤の静脈内注射、動脈内注射又は筋肉内注射によって投与される。適切な液体製剤としては、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、油などがある。他の実施形態では、前記医薬組成物は、静脈内投与に適した形態に製剤化され、静脈内に投与される。他の実施形態では、前記医薬組成物は、動脈内投与に適した形態に製剤化され、動脈内に投与される。他の実施形態では、前記医薬組成物は、筋肉内投与に適した形態に製剤化され、筋肉内に投与される。
さらに、他の実施形態では、前記医薬組成物は、局所投与に適した形態に製剤化され、体の表面に局所的に投与される。適切な局所性製剤としては、ゲル、軟膏、クリーム、ローション、液滴などがある。局所的に投与するために、前記組換え型ペプチド又はベクターは、薬学的担体を用いて又は用いることなく、生理学的に認容される希釈液と共に、水溶液、懸濁液又は乳状液として製剤化され塗布される。
他の実施形態では、前記活性成分は、小胞(例えば、リポソーム)に含まれた状態で送達される。
他の実施形態では、本発明の方法に使用される担体又は希釈剤としては、これらに限定されるものではないが、ガム、デンプン(例えば、コーンのデンプン、予めゲル化されたデンプン)、糖(例えば、乳糖、マンニトール、ショ糖、ブドウ糖)、セルロース系材料(例えば、微結晶性セルロース)、アクリル酸塩(例えば、ポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、滑石、又はこれらの混合物がある。
他の実施形態では、液体製剤用の薬学的に許容される担体としては、水溶性若しくは非水性の溶液、懸濁液、乳濁液、又は油がある。非水溶媒の例としては、プロピレン・グリコール、ポリエチレン・グリコール、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)がある。水溶性担体としては、水、アルコール性/水溶性の溶液、乳濁液、又は懸濁液(生理食塩水及び緩衝培地を含む)がある。油の例としては、動物性油、植物性油、又は合成油がある(例えば、ピーナッツ油、大豆油、オリーブ油、ひまわり油、魚肝油、他の魚油、又は牛乳若しくは卵の脂質)。
他の実施形態では、非経口媒体(皮下注射、静脈内注射、動脈内注射、又は筋肉内注射用)としては、塩化ナトリウム溶液、リンガー・デキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸加リンガーオイル及び固定油がある。経静脈媒体としては、液体及び栄養補充薬、電解質補充薬(例えば、リンガー・デキストロースに基づくもの)などがある。一例としては、界面活性剤及び他の薬学的に許容されるアジュバントを添加した又は添加しない、水や油などの無菌液がある。一般的に、水、生理食塩水、水溶性デキストロースや関連糖液、及びグリコール(例えば、プロピレン・グリコールやポリエチレン・グリコール)は、液体担体として適している(特に、注射用溶液として適している)。油の例としては、動物性油、植物性油、又は合成起源の油がある(例えば、ピーナッツ油、大豆油、オリーブ油、ひまわり油、魚肝油、他の魚油、又は牛乳若しくは卵の脂質)。
ある実施形態では、本明細書に記載された前記医薬組成物は、投与後に前記活性成分を長期間に渡って放出する制御放出組成物である。制御又は持続放出組成物としては、脂溶性の持続性製剤(例えば、脂肪酸、ワックス、オイル)がある。他の実施形態では、前記医薬組成物は、投与後に全ての前記活性成分を直ちに放出する即放組成物である。
実験の詳細の項
実施例1:LLO−HMW−MAAコンストラクト及びそれを発現するリステリア菌株の構築
LLO−HMW−MAAコンストラクトを次のように作製した。
グラム陰性及びグラム陽性の両方の細菌において複製できるシャトルベクターであるpAM401から、LLO−HMW−MAAコンストラクトの前駆体であるpGG−55を作製した(Wirth R et al, J Bacterid, 165: 831, 1986)。pAM401は、グラム陽性クロラムフェニコール耐性遺伝子及びグラム陰性テトラサイクリン耐性決定因子を含む。pGG−55では、hlyプロモーターは、hly遺伝子産物(溶血性C末端を欠き、配列番号3に記載の配列を有する)の最初の441AAの発現を駆動する。hly遺伝子産物は、Xhol部位でE7遺伝子に連結しており、それによって、hly−E7融合遺伝子が得られる。この融合遺伝子は、転写されてLLO−E7として分泌される。
pGG−55の生成:リステリオリシン断片とE7との融合物(「LLO−E7」)及び多能性の転写因子prfAを次のようにpAM401にサブクローニングした。LLOの最初の420AAをコードするDNA断片及びそのプロモーター並びに上流調節配列を、LMのゲノムDNAを鋳型として使用してPCR増幅し、pUC19に結合させた。用いたPCRプライマーは、5´−GGCCCGGGCCCCCTCCTTTGAT−3´(配列番号17)及び5´−GGTCTAGATCATAATTTACTTCATCC−3´(配列番号18)であった。プライマー5´−GGCTCGAGCATGGAGATACACC−3´(配列番号19;Xhol部位に下線を引いている)及び5´−GGGGACTAGTTTATGGTTTCTGAGAACA−3´(配列番号20;Spel部位に下線を引いている)を用いてPCR法によってE7を増幅し、pCR2.1(Invitrogen, San Diego, CA)に結合させた。pCR2.1をXhol/Spelで消化してE7を切り離し、その後、インフレーム翻訳融合物としてpUC19−hlyの溶血素遺伝子断片の下流に結合させた。その後、融合物をpAM401のマルチリンカーにサブクローニングした。その後、得られたプラスミドのSall部位にprfA遺伝子をサブクローニングし、pGG−55を得た(図1)。
pGG−55からpGG34A、B、及びCを次のように作製した。
HMW−MAA断片A、B、C(それぞれAA360〜555、701〜1130、2160〜2258をコードする。図1参照)は、次の配列を有する。
HMW−MAA−A:
ttcaatggccagaggcgggggctgcgggaagctttgctgacgcgcaacatggcagccggctgcaggctggaggaggaggagtatgaggacgatgcctatggacattatgaagctttctccaccctggcccctgaggcttggccagccatggagctgcctgagccatgcgtgcctgagccagggctgcctcctgtctttgccaatttcacccagctgctgactatcagcccactggtggtggccgaggggggcacagcctggcttgagtggaggcatgtgcagcccacgctggacctgatggaggctgagctgcgcaaatcccaggtgctgttcagcgtgacccgaggggcacgccatggcgagctcgagctggacatcccgggagcccaggcacgaaaaatgttcaccctcctggacgtggtgaaccgcaaggcccgcttcatccacgatggctctgaggacacctccgaccagctggtgctggaggtgtcggtgacggctcgggtgcccatgccctcatgccttcggaggggccaaacatacctcctgcccatccaggtcaaccctgtcaatgacccaccccac(配列番号21)。
HMW−MAA−B:
gtccgcgtcactggggccctgcagtttggggagctgcagaaacacggggcaggtggggtggagggtgctgagtggtgggccacacaggcgttccaccagcgggatgtggagcagggccgcgtgaggtacctgagcactgacccacagcaccacgcttacgacaccgtggagaacctggccctggaggtgcaggtgggccaggagatcctgagcaatctgtccttcccagtgaccatccagagagccactgtgtggatgctgcggctggagccactgcacactcagaacacccagcaggagaccctcaccacagcccacctggaggccaccctggaggaggcaggcccaagccccccaaccttccattatgaggtggttcaggctcccaggaaaggcaaccttcaactacagggcacaaggctgtcagatggccagggcttcacccaggatgacatacaggctggccgggtgacctatggggccacagcacgtgcctcagaggcagtcgaggacaccttccgtttccgtgtcacagctccaccatatttctccccactctataccttccccatccacattggtggtgacccagatgcgcctgtcctcaccaatgtcctcctcgtggtgcctgagggtggtgagggtgtcctctctgctgaccacctctttgtcaagagtctcaacagtgccagctacctctatgaggtcatggagcggccccgccatgggaggttggcttggcgtgggacacaggacaagaccactatggtgacatccttcaccaatgaagacctgttgcgtggccggctggtctaccagcatgatgactccgagaccacagaagatgatatcccatttgttgctacccgccagggcgagagcagtggtgacatggcctgggaggaggtacggggtgtcttccgagtggccatccagcccgtgaatgaccacgcccctgtgcagaccatcagccggatcttccatgtggcccggggtgggcggcggctgctgactacagacgacgtggccttcagcgatgctgactcgggctttgctgacgcccagctggtgcttacccgcaaggacctcctctttggcagtatcgtggccgtagatgagcccacgcggcccatctaccgcttcacccaggaggacctcaggaagaggcgagtactgttcgtgcactcaggggctgaccgtggctggatccagctgcaggtgtccgacgggcaacaccaggccactgcgctgctggaggtgcaggcctcggaaccctacctccgtgtggcc(配列番号22)。
HMW−MAA−C:
gccactgagccttacaatgctgcccggccctacagcgtggccctgctcagtgtccccgaggccgcccggacggaagcagggaagccagagagcagcacccccacaggcgagccaggccccatggcatccagccctgagcccgctgtggccaagggaggcttcctgagcttccttgaggccaacatgttcagcgtcatcatccccatgtgcctggtacttctgctcctggcgctcatcctgcccctgctcttctacctccgaaaacgcaacaagacgggcaagcatgacgtccag(配列番号23)。
次のプライマーを用いて断片を増幅した。フォワードプライマー内のXhol部位及び、リバースプライマー内のXmal部位(A及びC)又はSpel部位(B)に下線を引いている。
断片A:フォワードプライマーTCCTCGAGGTCAATGGCCAGAGGCGGGGG(配列番号24)。
リバース:CCCGGGTTACTACTTATCGTCGTCATCCTTGTAATCGTGGGGTGGGTCATTGAC(配列番号25)。
断片B:フォワード:GCCTCGAGTTCCGCGTCACTGGGGCCCTG(配列番号26)。
リバース:ACTAGTTTACTACTTATCGTCGTCATCCTTGTAATCGGCCACACGGAGGTAGGGTTC(配列番号27)。
断片C:フォワード:TGCTCGAGGCCACTGAGCCTTACAATGCTGCC(配列番号28)。
リバース:CCCGGGTTACTACTTATCGTCGTCATCCTTGTAATCCTGGACGTCATGCTTGCCCG(配列番号29)。
次に、hly配列の末端にあるXhol部位及びその遺伝子の後にあるXmal又はSpel部位を用いて、断片A〜CをpGG−55にサブクローニングした。
その後、リステリアのprfA陰性株であるXFL−7(ペンシルバニア大学のハオ・シェン博士(Dr. Hao Shen)から調達した)をpGG34A、B、及びCで形質転換し、インビボでこれらのプラスミドを保持するものを選択した。
実施例2:LLO−HMW−MAAコンストラクトはリステリア内で発現される
材料及び実験方法
細菌の培養及び採取
LLOに融合したHMW−MAA断片A、B、及びCを発現する組換えリステリア・モノサイトゲネス(LM)を、ストレプトマイシン(250ug/ml)及びクロラムフェニコール(25ug/ml)が添加されたBHI培地内で一晩増殖させた。内在性LLOの誘導のために、0.2%のチャコールの存在下で細菌を培養した。14000rpmで5分間遠心分離して培養上清を除去し、タンパク質を沈澱させるために1.35ミリリットル(ml)の上清を0.15mlの100%TCAと混合した。氷上で1時間インキュベートした後、溶液を14000rpmで10分間回転させた。沈殿物を45マイクロリットル(mcL)の1×SDS−PAGEゲルローディングバッファ中に再懸濁し、5mcLの1M DTTを加え、試料を75℃で5分間加熱した。各ウェル内に5〜10mcLのタンパク質をローディングし、MOPS緩衝液を用いて200Vで50分間泳動させた。
PVDF膜に転写した後、LLOタンパク質におけるPEST配列を認識するウサギ抗PESTポリクローナル抗体(1:3000)または内在性LLOのみを認識するB3−19モノクローナル抗体のいずれかと共に膜をインキュベートし、次にHRPに結合した抗ウサギ抗体を用いてインキュベートした。SuperSignal(登録商標)ウエストピコ化学発光基質(SuperSignal West Pico Chemiluminescent Substrate)(Pierce, Rockford, IL)を用いて、シグナルを検出した。
結果
LLO−HMW−MAAコンストラクトがリステリア菌内で発現されることができるか否かを判定するために、LLO−HMW−MAA A、B及びCプラスミドで形質転換されたLM菌株から上清を採取し、融合タンパク質の存在を検査した。抗PEST抗体でプローブしたところ、3つの菌株全てが予想されたサイズの融合タンパク質(LLOは48Kda、HMW−MAA−Aは75Kda、HMW−MAA−Bは98Kda、HMW−MAA−Cは62Kda;図2A)を生成したことがわかった。抗LLO抗体によって、3つの菌株全て及び対照においてLLOの58Kdaのバンドが示された(図2B)。
このように、LLO−HMW−MAAコンストラクトは、リステリア菌内で発現される。
実施例3:LLO−HMW−MAAコンストラクトを発現するリステリア菌株は細胞に感染し、その中で増殖する
材料及び実験方法
細胞感染アッセイ
マウスのマクロファージ様のJ774細胞を、MOI(感染多重度)1で感染させた。1時間のインキュベーション後、ゲンタマイシンを加えて細胞外リステリア菌を殺し、2時間毎に、J774細胞を水で溶解し、溶解産物の一連の希釈物を、ストレプトマイシン(250マイクログラム(mcg)/ml)及びクロラムフェニコール(25mcg/ml)が添加されたBHIプレート上に蒔くことによって細胞内リステリア菌を回収した。回収したコロニーの数を数え、J774細胞内のリステリア菌の数を測定した。
結果
LLO−HMW−MAAコンストラクトを発現するリステリア菌株の増殖特性及び毒性を判定するために、実施例2のリステリア菌株のBHI培地における増殖速度を測定した。各菌株は、野生型(1043S)リステリア菌に非常によく似たキネティクスで増殖した(図3A)。次に、J774細胞をリステリア菌株と共にインキュベートし、細胞内増殖を測定した。各菌株の細胞内増殖は、野生型のものと非常によく似ていた(図3B)。
したがって、LLO−HMW−MAAコンストラクトを発現するリステリア菌株は、培地内における増殖能力、細胞への感染能力、細胞内での増殖能力を維持する。
実施例4:HMW−MAAを発現するLmをワクチン接種すると、B16F0−OVA腫瘍の増殖が遅れる
材料及び実験方法
腫瘍増殖の測定
1日おきに測径器で腫瘍の表面の最短径及び最長径を測定した。これら2つの測定値の平均を平均腫瘍径としてミリメートルの単位で様々な時点に対してプロットした。腫瘍径が20mmに達したとき、マウスを屠殺した。各時点における腫瘍の測定値は、生きたマウスのみに関するものである。
結果
32匹のC57BL/6マウス(1群当たりn=8)に5×10個のB16F0−OVAを接種した。3、10、17日目に、Lm−OVA(10cfu)、Lm−LLO−OVA(1×10cfu;陽性対照)、Lm−LLO−HMW−MAA−C(1×10cfu)の3つのコンストラクトのうちの1つでマウスに免疫した。腫瘍細胞がHMW−MAAを発現しないもかかわらず、Lm−LLO−HMW−MAA−Cのワクチン接種によって腫瘍増殖が有意に遅れたが、Lm−LLO−OVAをワクチン接種したときほどではなかった(図4A〜B)。他の実験でも、3つのLm−LLO−HMW−MAA株全てに同様の結果が観察された(A及びCはそれぞれ2.5×10cfu、Bは1×10cfu。図4Cを参照)。
RENCA細胞を用いて同様の実験を行った。40匹のBALB/cマウス(1群当たりn=8)に2×10個のRENCA腫瘍細胞を接種した。3、10、17日目に、Lm−HMW−MAA−A、B若しくはC(A及びCはそれぞれ2.5×10cfu、Bは1×10cfu)又はGGE7(Lm−LLO−E7;1×10cfu)の4つのコンストラクトの内の1つでマウスを免疫し、或いはワクチン未接種(未処置)のままにしておいた。3つのLm−LLO−HMW−MAA菌株全てが腫瘍増殖を遅らせた。その中で、Lm−HMW−MAA−Cが最大の効果を示した(図4D〜4E)。
したがって、HMW−MAAを発現するLmをワクチン接種すると、例え腫瘍細胞がHMW−MAAを発現しない場合でも、腫瘍の増殖が遅れる。
実施例5:HMW−MAAを発現するLmをワクチン接種すると、CD4+及びCD8+細胞によってB16F10−HMW−MAA腫瘍増殖が遅れる
材料及び実験方法
B16及びB16F10マウス腫瘍細胞株がHMW−MAAを発現するようにするための操作:
CVMプロモーターの制御下で発現する完全長HMW−MAAのcDNAを含むpcDNA3.1−HMW−MAAプラスミドをB16F10細胞に形質移入した。安定的に形質移入された細胞をG418抗生物質への耐性によって選択し、その後、限界希釈法によって単一細胞からクローンを増殖させた。選択されたクローンは、HMW−MAA特異モノクローナル抗体VT80.12を用いてフローサイトメトリーによってHMW−MAAの発現に関して検査した。フローサイトメトリーの結果に基づき、更なる実験のためにB16F10−HMW−MAAクローン7を選択した(図5)。
CD4+及びCD8+の枯渇
32匹のC57BL/6マウスに2×10個のB16F10−HMW−MAA−CMV7を接種した。3、10、17日目に、未処置対照群を除いて、Lm−HMW−MAA−C(2.5×10cfu)でマウスに免疫した。CD4及びCD8を枯渇させるために、1、2、6、9日目に500μgのGK1.5及び2.43と対照抗体G1を腹腔内投与した。CD25を枯渇させるために、0、2日目に500μgのCP61を腹腔内投与した。
Lm−HMW−MAA−B又はLm−HMW−MAA−CによるHLA A2/K遺伝子導入マウスの免疫:
HLA A2/K遺伝子導入マウスは、ヒトA*0201対立遺伝子のα1及びα2ドメイン並びにマウスH−2KクラスI分子のα3ドメインから構成されるキメラのクラスI分子を発現する。1.0×10cfuのLm−HMW−MAA−B又は2.5×10cfuのLm−HMW−MAA−CのいずれかでHLA−A2/K遺伝子導入マウスを免疫した。9日後、モネンシンの存在下で5時間、インビトロで、ペプチドB(ILSNLSFPV、配列番号43、HMW−MAA769−777に対応する)、ペプチドB(LLFGSIVAV、配列番号44、HMW−MAA1063−1071に対応する)又はペプチドC(LILPLLFYL、配列番号45、HMW−MAA2238−2246に対応する)で脾細胞を刺激した。CD8+−CD62Lで細胞をゲートし、細胞内IFN−γ染色を測定した。
別の実験では、Lm−HMW−MAA−B又はLm−HMW−MAA−Cのいずれかでマウスを2回免疫した(0日目及び2日目)。14日目に脾細胞を採取してLm−HMW−MAAの断片BまたはCでのインビトロ刺激に用いた。IFN−γElispotを用いてIFN−γレベルを測定した。
結果
C57BL/6マウス(1群当たりn=8)に2×10個のB16F10−HMW−MAA/CMV7を接種した。3、10、17日目に、Lm−HMW−MAA−A(2.5×10cfu)、Lm−HMW−MAA−B(1×10cfu)、Lm−HMW−MAA−C(2.5×10cfu)の3つのコンストラクトのうちの1つでマウスを免疫した。対照群をLm−GGE7(1×10cfu)でワクチン接種した。3つのLm−HMW−MAAコンストラクト全てが、有意な抗腫瘍効果を示した(図6)。
Lm−HMW−MAAの抗腫瘍効果におけるCD4+及びCD8+細胞の役割を評価するために、B16F10−HMW−MAA/CMV7Bを接種したC57BL/6マウス内のCD4+又はCD8+細胞を枯渇させ、3、10、17日目にLm−HMW−MAA−C(2.5×10cfu)で免疫した。CD4+又はCD8+を枯渇させたところ、LM−HMW−MAA−Cワクチンの効果が無効となった(図7)。
各処置群からのマウスの脾臓からCD8+T細胞(マウス1匹当たり2×10個の細胞)を精製し、B16F10−HMW−MAA腫瘍細胞(マウス1匹当たり2×10個)と混合し、その後、マウス(1群当たり8匹)に皮下注射した。マウスを28日間観察し、2日毎に腫瘍増殖を調べた。Lm−HMW−MAA−Cでワクチン接種したマウスからのCD8+T細胞は、インビボでB16F10−HMW−MAA腫瘍の増殖を阻害した(図8)。
上記のように2×10個のB16F10−HMW−MAA−CMV7を接種し、且つLm−HMW−MAA−Cをワクチン接種し、7週間後に腫瘍なしのままであったマウスを、最初の腫瘍注射から7週間後に、2×10個のB16F10−HMW−MAA細胞で再チャレンジさせた。ワクチン接種したマウスは、B16F10−HMW−MAA/CMV7腫瘍細胞による第2のチャレンジから保護された(図9)。
Lm−HMW−MAA−B及びLm−HMW−MAA−CでHLA−A2/K遺伝子導入マウスを免疫すると、1回(図10A)または2回の免疫処理(図10B)後とも、HMW−MAAの断片B及び断片Cの2つの特徴付けられたHLA−A2拘束性エピトープに対する検出可能な免疫反応が誘発される。
HLA−A2/Kマウス及び野生型C57BI/6マウスを、Lm−HMW−MAA−B又はLm−HMW−MAA−Cで1回免疫し、断片CのHLA−A2拘束性ペプチドで刺激されたT細胞によるIFN−γ分泌を、IFN−γエリスポットを用いて測定した。Lm−HMW−MAA−Cで免疫され、且つペプチドCで刺激されたHLA−A2/K遺伝子導入マウスでは、刺激されなかった遺伝子導入マウスと比べても、ペプチドCで刺激された非遺伝子導入マウスと比べても、並びに免疫されなかった遺伝子導入マウス及び対照マウスと比べても増加した(図11A及び11B)。
したがって、Lm−HMWMAAコンストラクトは、腫瘍増殖を遅らせる抗原特異的免疫反応を誘発する。その上、Lm−HMW−MAAコンストラクトは、HMW−MAAを発現しない腫瘍に対してすら抗腫瘍活性を引き起こす。
実施例6:E7とLLOまたはActAとの融合物は、E7特異的免疫を高め、腫瘍浸潤E7特異的CD8 細胞を産出する
材料及び実験方法
Lm−ActA−E7の構築
Lm−actA−E7は、プラスミドベクターpDD−1を導入することによって得られた。pDD−1は、LMを有するようにpDP−2028を改変することで構築した。pDD−1は、actA−E7の発現及び分泌を駆動する310bpのhlyプロモーター及びhlyシグナル配列(ss)のコピーを発現する発現カセットと、4つのPEST配列(配列番号5)を含む1170bpのactA遺伝子(短縮されたActAポリペプチドは、分子の最初の390AAからなる,配列番号4)と、300bpのHPV E7遺伝子と、1019bpのprfA遺伝子(ビルレンス遺伝子の発現を制御する)と、形質転換細菌クローンの選択のためのCAT遺伝子(クロラムフェニコール耐性遺伝子)とを含む。
pDD−1は、pDP2028(ΔLLO−NPをコードする)から作成した。一方、pDP2028は、次のように作成した。
pDPl659の構築:LLOの最初の420AAをコードするDNA断片及びそのプロモーター並びに上流調節配列を、LMゲノムDNAを鋳型にPCR増幅し、pUC19に連結した。用いたPCRプライマーは、5´−GGCCCGGGCCCCCTCCTTTGAT−3´(配列番号30)及び5´−GGTCTAGATCATAATTTACTTCATCC−3´(配列番号31)であった。NPをコードするDNA断片NPは、線状化したプラスミドpAPR501(ニューヨークのマウント・シナイ医科大学のピーター博士(Dr. Peter Palese)から入手)から同様にPCR増幅し、その後、インフレーム翻訳融合体として溶血素遺伝子断片のpUC19下流に結合させた。用いたPCRプライマーは、5´−GGTCTAGAGAATTCCAGCAAAAGCAG−3´(配列番号32)及び5´−GGGTCGACAAGGGTATTTTTCTTT AAT−3´(配列番号33)であった。その後、この融合体をpAM401のSall部位及びEcoRV部位にサブクローニングした。prfA遺伝子をpDPl659のSalI部位にサブクローニングすることによって、プラスミドpDP2028を構築した。
次のようにpDP−2028(Lm−LLO−NP)からpDD−1を作製した。
pGG−55から、プライマー5´−GGGGTCTAGACCTCCTTTGATTAGTATATTC−3´(Xba I部位に下線を引いている、配列番号34)及びプライマー5´−ATCTTCGCTATCTGTCGCCGCGGCGCGTGCTTCAGTTTGTTGCGC−3´(NotI部位に下線を引いている。最初の18個のヌクレオチドは、ActA遺伝子と重複する、配列番号35)を用いて、hlyプロモーター(pHly)及び遺伝子断片(441AA)をPCR増幅した。プライマー5´−GCGCAACAAACTGAAGCAGCGGCCGCGGCGACAGATAGCGAAGAT−3´(NotI部位に下線を引いている、配列番号36)及びプライマー5´−TGTAGGTGTATCTCCATGCTCGAGAGCTAGGCGATCAATTTC−3´(Xhol部位に下線を引いている、配列番号37)を用いて、LM10403野生型ゲノムからActA遺伝子をPCR増幅した。プライマー5´−GGAATTGATCGCCTAGCTCTCGAGCATGGAGATACACCTACA−3´(Xhol部位に下線を引いている、配列番号38)及びプライマー5´−AAACGGATTTATTTAGATCCCGGGTTATGGTTTCTGAGAACA−3´(Xmal部位に下線を引いている、配列番号39)を用いて、pGG−55からE7遺伝子をPCR増幅した。プライマー5´−TGTTCTCAGAAACCATAACCCGGGATCTAAATAAATCCGTTT−3´(Xmal部位に下線を引いている、配列番号40)及びプライマー5´−GGGGGTCGACCAGCTCTTCTTGGTGAAG−3´(Sall部位に下線を引いている、配列番号41)を用いて、LM10403野生型ゲノムからprfA遺伝子をPCR増幅した。上流pHlyプライマー(配列番号34)及び下流actAプライマー(配列番号37)を用いて、精製したpHly及びactAのDNAからhlyプロモータ−actA融合遺伝子(pHly−ActA)をPCR産出/増幅した。
上流E7プライマー(配列番号38)及び下流prfA遺伝子プライマー(配列番号41)を用いて、精製したE7及びprfAのDNAから、prfA遺伝子(E7−prfA)に融合したE7遺伝子をPCR産出/増幅した。
E7−prfA融合産物に融合したpHly−actA融合産物を、上流pHlyプライマー(配列番号34)及び下流prfA遺伝子プライマー(配列番号41)を用いて、精製したpHly−actA及びE7−prfAのDNAの融合産物からPCR産出/増幅させ、pCRIIに結合させた(Invitrogen, La Jolla, Calif.)。コンピテント大腸菌(TOP10´F、Invitrogen, La Jolla, Calif.)をpCRII−ActAE7で形質転換した。溶解及び単離の後、プラスミドを、BamHI(予測される断片サイズは770及び6400bp)及びBstXIを用いた(得られる断片の予測サイズは2800及び3900bp)制限解析によりスクリーニングし、さらに上記の上流pHlyプライマー及び下流prfA遺伝子プライマーを用いたPCRによってスクリーニングした。
XbaI/SalIによる消化を用いてpCRIIからpHly−ActA−E7−PrfAのDNAインサートを切除し、XbaI/SalIで消化したpDP−2028に連結した。発現系pHly−ActA−E7でTOP10´Fコンピテント大腸菌(Invitrogen, La Jolla, Calif.)を形質転換した後、上記の上流pHlyプライマー及び下流prfA遺伝子プライマーを用いたPCR解析によってクロラムフェニコール耐性クローンをスクリーニングした。pHly−ActA−E7を含むクローンを増幅し、ミディプレップ(midiprep)DNAを単離した(Promega, Madison, Wis)。XFL−7をpHly−ActA−E7で形質転換し、インビボでこのプラスミドを保持するクローンを選択した。20mcg(マイクログラム)/ml(ミリリットル)のクロラムフェニコールを含むブレインハートインフュージョン培地(Difco, Detroit, Mich)にて37℃でクローンを増殖させた。細菌をアリコートに分けて−80℃で凍結させた。
インビボ実験:
2×10個のTC−1腫瘍細胞を含む100mcLのリン酸緩衝食塩水(PBS)と400mcLのMatrigel(登録商標)(BD Biosciences, Franklin Lakes, NJ)とを含む500mcLのMATRIGEL(登録商標)を、12匹のC57BL/6マウス(n=3)の左脇腹に皮下移植した。7、14、21日目にマウスに腹腔内で免疫処置を施し、28日目に脾臓及び腫瘍を採取した。マウスから腫瘍マトリゲルを取り除き、4℃で一晩、2mlのRP10培地を含有するチューブ内で、氷上でインキュベートした。鉗子を用いて腫瘍を細かく分け、2mmの塊に切り分け、3mlの酵素混合液(0.2mg/mlのコラゲナーゼ−P及び1mg/mlのDNAse−1含有PBS)を添加して37℃で1時間インキュベートした。組織懸濁液をナイロンメッシュで濾過し、5%ウシ胎仔血清及び0.05%のNaN含有PBSで洗浄して四量体及びIFN−γ染色に使用した。
脾細胞及び腫瘍細胞を、10細胞/mlの懸濁液の状態でブレフェルジンAの存在下で1マイクロモル(mcm)E7ペプチドを添加して5時間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、50mcLの抗マウスFc受容体上清(2.4G2)内で、1時間または一晩、4℃でインキュベートした。細胞を表面分子CD8及びCD62L染色し、透過化処理し、透過化処理キットGolgi-stop(登録商標)又はGolgi-Plug(登録商標)(Pharmingen, San Diego, Calif.)を用いて固定し、IFN−γ染色した。2レーザ構成のフローサイトメーターFACSCaliburを用いて500,000イベントを取得し、Cellquest Software(Becton Dickinson, Franklin Lakes, N. J.)を用いて解析した。活性(CD62L)CD8T細胞の内、IFN−γを分泌する細胞の割合を計算した。
四量体染色に関しては次のように行った。H−2D四量体に、フィコエリトリン(PE)に結合したE7ペプチド(RAHYNIVTF、配列番号42)を取り付け、室温で1時間染色し、抗アロフィコシアニン(APC)に結合したMEL−14(CD62L)及びFITCに結合したCD8βで4℃で30分間染色した。脾臓及び腫瘍における四量体CD8CD62L細胞を比較して細胞を解析した。
結果
LLO融合体及びActA融合体の抗原特異免疫力を高める能力を解析するために、マウスにTC−1腫瘍細胞をインプラントした。マウスに、Lm−LLO−E7(1×10CFU)、Lm−E7(1×10CFU)若しくはLm−ActA−E7(2×10CFU)のいずれかで免疫処置を施し、あるいは免疫処置を施さなかった(未処置)。Lm−LLO−E7及びLm−ActA−E7群のマウスの腫瘍は、Lm−E7を投与したマウス又は未処置のマウスよりも高い割合のIFN−γ分泌CD8T細胞(図12)及び四量体特異的CD8細胞(図13)を含んでいた。
したがって、Lm−LLO−E7及びLm−ActA−E7は、共に、腫瘍浸潤性CD8T細胞の誘導及び腫瘍退縮において効果がある。よって、LLO及びActAの融合体は、本発明の方法及び組成において効果的である。
実施例7:PEST様の配列へ融合させると、E7に対する特異的な免疫力が高まる
材料及び実験方法
コンストラクト:
LLOのプロモーター及びLLOの最初の50AAのみを含む点を除いてLm−LLO−E7と同じリステリア菌株であるLm−PEST−E7を次のように構築した。
オーバーラップ伸長によるスプライシング(splicing by overlap extension:SOE)PCRによって、hlyプロモーター及びPEST領域を完全長E7遺伝子に融合させた。LLOの最初の441個のアミノ酸を含有するプラスミドpGG−55からE7遺伝子及びhly−PEST遺伝子断片を増幅し、従来のPCR技術によって継ぎ合わせた。hly−PEST−E7断片であるpVS16.5及びLM転写因子prfAを、プラスミドpAM401にサブクローニングした。得られたプラスミドを用いてXFL−7を形質転換した。
Lm−E7epiは、PEST領域またはLLO断片なしにE7を分泌する組換え型菌株である。この菌株を形質転換するために用いられるプラスミドには、E7遺伝子に融合したhlyプロモーターの遺伝子断片とシグナル配列とが含まれる。このコンストラクトは、元のLm−E7とは異なる。Lm−E7は、染色体に組み込まれたコピー数1のE7遺伝子を発現した。Lm−E7epiは、発現されるE7抗原の形態以外の点に関しては、Lm−LLO−E7及びLm−PEST−E7と完全に同質遺伝子的である。
クロラムフェニコール(20mcg/mL)を含むブレインハートインフュージョン(brain heart infusion:BHI)培地で組換え型菌株を増殖させた。細菌をアリコートに分けて−80℃で凍結させた。
結果
PEST様の配列への融合の抗原性に対する影響を調べるために、LLO−PEST様の配列をE7に融合させた。腫瘍退縮調査を、実施例1で述べたように、リステリア菌株発現LLO−E7及びE7単独と並行して行った。Lm−LLO−E7及びLm−PEST−E7は、それぞれ5/8及び3/8の腫瘍退縮をもたらした(図14)。対照的に、Lm−E7epiは、1/8のマウスにしか腫瘍退縮をもたらさなかった。PEST含有コンストラクト(Lm−LLO−E7又はLm−PEST−E7)を用いて処置した腫瘍とLm−E7epiを用いて処置した腫瘍と間には、腫瘍サイズに関して統計的に有意な差が見られた(スチューデントt−検定)。
脾臓内のワクチンによって産出されたE7特異的リンパ球のレベルを比較するために、21日目に脾臓を採取し、CD62L、CD8及びE7/Db四量体に対する抗体で染色した。Lm−E7epiは、脾臓において低レベルのE7四量体陽性の活性化CD8T細胞を誘導したが、Lm−PEST−E7及びLm−LLO−E7は、それぞれ5倍及び15倍多い細胞を誘導した(図15A)。この結果は、3つの個別の実験を通して再現性を示した。したがって、PEST様配列への融合により、四量体陽性の脾細胞の誘導が増加した。3つの実験から得られたデータの平均及び標準誤差(図15B)は、Lm−E7epiを用いた処置よりもLm−LLO−E7及びLm−PEST−E7を用いた処置によって四量体陽性のCD8細胞が有意に増加したことを示している(スチューデントt−検定によりP<0.05)。同様に、腫瘍浸潤性抗原特異CD8T細胞の数は、Lm−LLO−E7及びLm−PEST−E7でワクチン接種したマウスの法がより高かった。この結果は、3つの実験を通して再現性を示した(図16A〜B)。四量体陽性のCD8TIL(腫瘍浸潤リンパ球)の平均値は、Lm−E7epiよりもLm−LLO−E7で処理したものの方が有意に高かった(P<0.05;スチューデントt−検定)。
このように、PEST様配列は、抗原の免疫原性を増加させる。
実施例8:LLOへの抗原の融合による免疫原性の強化はリステリア菌ベクターを必要としない
材料及び実験方法
Vac−SigE7Lampの構築:
ワクシニアのWR菌株をレシピエントとして用い、リステリア菌のプラスミドから融合遺伝子を切り離し、pSCl1のp75プロモーターの制御下に挿入した。このベクターを選択した理由は、このベクターが、ワクシニア・コンストラクトであるVac−SigE7Lamp及びVac−E7に対して用いられるトランスファーベクターであり、それ故にVac−LLO−E7との直接比較ができるためである。このような方法で、3つのワクシニア組換え体全てを同一の早期/後期複合プロモーターp7.5の制御下で発現させた。その上、SCl1は、TK選択及びβガラクトシダーゼスクリーニングを基にした組換え型ウイルスプラークの選択を可能にする。図17は、これらの実験に用いられる様々なワクシニア・コンストラクトを示す。Vac−SigE7Lampは、リソソーム関連膜タンパク質(LAMP−1)シグナル配列とLAMP−1の細胞質尾部からの配列の間で融合されたE7タンパク質を発現した組換えワクシニアウイルスである。
ワクシニアによる遺伝子産物の発現を可能にするために次の改変を行った。すなわち、(a)ワクシニアによる初期転写を防止するT5XT配列をPCRによってLLO−E7配列の5´部分から取り除き、(b)SCl1への最終的なLLO−E7の挿入を可能にするためにPCRによってXmal制限酵素認識部位を導入した。塩基配列決定法を用いて、これらの改変が、LLO−E7をコードする配列が欠失することなく成功したことを実証した。得られたpSCl1−E7コンストラクトを用いて、野生型ワクシニア菌株WRを感染させたTK−ve細胞株CV1を形質移入した。この感染/トランスフェクションステップから得られる細胞溶解物は、3回プラーク精製されたワクシニア組換え体を含む。プラーク精製されたワクシニアによるLLO−E7融合産物の発現を、LLOタンパク質配列に対する抗体を用いてウエスタンブロットにより確認した。LLO及びE7に特異的なCD8T細胞を産出するVac−LLO−E7の能力を、それぞれBalb/c及びC57BL/6マウスのLLO(91−99)エピトープ及びE7(49−57)エピトープを用いて判定した。結果をクロム遊離アッセイにおいて確認した。
結果
LLOへの抗原の融合による免疫原性の強化がリステリア菌ベクターを必要とするか否かを判定するために、E7を発現するワクシニアベクターを非溶血性の切断型のLLOとの融合タンパク質として構築した。腫瘍拒絶の調査を、上記の例に記載のTC−1を用いて行ったが、腫瘍が直径3mmになったときに処置を開始した(図18)。76日目までに、Vac−LLO−E7処置マウスの50%は腫瘍なしであったが、Vac−SigE7Lampマウスは25%しか腫瘍なしでなかった。他の実験では、LLO−抗原融合は、SBAS2または非メチル化CpGオリゴヌクレオチドと混合されたE7ペプチドよりも免疫原性が高いことが、並列比較において示された。
これらの結果は、(a)LLO−抗原融合は、リステリア菌との関連でのみならず他の関連でも免疫原性を有すること、(b)LLO−抗原融合の免疫原性は、有効であることが知られている他のワクチンアプローチに有利に匹敵することを示している。

Claims (73)

  1. 組換え型ポリペプチドを含む組換え型リステリア株であって、
    前記組換え型ポリペプチドが、高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)タンパク質の断片を含むことを特徴とする組換え型リステリア株。
  2. 請求項1に記載の組換え型リステリア株であって、
    前記組換え型ポリペプチドが、非HMW−MAAオリゴペプチドをさらに含み、
    前記非HMW−MAAオリゴペプチドが、前記断片の免疫原性を高めることを特徴とする組換え型リステリア株。
  3. 請求項2に記載の組換え型リステリア株であって、
    前記非HMW−MAAオリゴペプチドが、リステリオリシン(LLO)オリゴペプチド若しくはその相同体、ActAオリゴペプチド若しくはその相同体、又はPEST様オリゴペプチド若しくはその相同体であることを特徴とする組換え型リステリア株。
  4. 請求項1に記載の組換え型リステリア株であって、
    前記HMW−MAAタンパク質が、ヒトHMW−MAAタンパク質であることを特徴とする組換え型リステリア株。
  5. 請求項1に記載の組換え型リステリア株を含むワクチン。
  6. 請求項5に記載のワクチンであって、
    補助剤、サイトカイン、ケモカイン、又はそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とするワクチン。
  7. 請求項1に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、組換え型リステリア・モノサイトゲネス株であることを特徴とする組換え型リステリア株。
  8. 請求項1に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、宿主動物を介して継代されたことを特徴とする組換え型リステリア株。
  9. 対象における抗高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)免疫応答を誘導する組成物の製造のための、請求項1に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用。
  10. 対象における固形腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項1に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫応答を引き出すようにしたことを特徴とする使用。
  11. 対象における固形腫瘍の発症を遅延させる組成物の製造のための、請求項1に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫応答を高め、それにより血管新生を阻害するようにしたことを特徴とする使用。
  12. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項1に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象におけるHMW−MAA発現腫瘍に対する免疫機能を高めることを特徴とする使用。
  13. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現に関連する癌を治療する組成物の製造のための、請求項1に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象におけるHMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  14. 組換え型ポリペプチドであって、
    リステリオリシン(LLO)オリゴペプチド若しくはその相同体、ActAオリゴペプチド若しくはその相同体、又はEST様オリゴペプチド若しくはその相同体から選択された非高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)オリゴペプチドに連結した高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)タンパク質の断片を含むことを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  15. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記組換え型ポリペプチドをエンコードするヌクレオチド分子を翻訳するステップを含む方法により作成されたことを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  16. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質の断片を含むポリペプチドを、前記非HMW−MAAアミノ酸配列を含むポリペプチドに化学的に結合させるステップを含む方法により作成されたことを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  17. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質が、ヒトHMW−MAAタンパク質であることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  18. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質の断片が、98〜430アミノ酸長さであることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  19. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質の断片が、前記HMW−MAAタンパク質の360〜554、701〜1130及び2160〜2258のアミノ酸から成る群より選択されることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  20. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質の断片の前記アミノ酸配列が、配列番号21〜23から選択されることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  21. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドを含むワクチン。
  22. 請求項21に記載のワクチンであって、
    アジュバント、サイトカイン、ケモカイン、又はそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とするワクチン。
  23. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドを含む組換え型リステリア株。
  24. 請求項23に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、組換え型リステリア・モノサイトゲネス株であることを特徴とする組換え型リステリア株。
  25. 請求項23に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、宿主動物を介して継代されたことを特徴とする組換え型リステリア株。
  26. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドをエンコードする核酸配列を含むワクチン。
  27. 請求項14に記載の組換え型ポリペプチドをエンコードする配列と、少なくとも85%の相同性を共有する配列を含むことを特徴とする単離された核酸。
  28. 請求項27に記載の核酸を含むワクチン。
  29. 請求項28に記載のワクチンであって、
    アジュバント、サイトカイン、ケモカイン、又はそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とするワクチン。
  30. 請求項27に記載の核酸分子を含むベクター。
  31. 請求項27に記載の核酸分子を含む組換え型リステリア株。
  32. 請求項31に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、組換え型リステリア・モノサイトゲネス株であることを特徴とする組換え型リステリア株。
  33. 請求項31に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、宿主動物を介して継代されたことを特徴とする組換え型リステリア株。
  34. 対象における抗高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)免疫応答を誘導する組成物の製造のための、請求項14に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用。
  35. 対象における抗高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)免疫応答を誘導する組成物の製造のための、請求項23に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用。
  36. 対象における固形腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項14に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  37. 対象における固形腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項23に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫機能を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  38. 対象における固形腫瘍の発症を遅延させる組成物の製造のための、請求項14に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫機能を高め、それにより血管新生を阻害するようにしたことを特徴とする使用。
  39. 対象における固形腫瘍の発症を遅延させる組成物の製造のための、請求項23に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫応答を高め、それにより血管新生を阻害するようにしたことを特徴とする使用。
  40. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項14に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記HMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  41. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項23に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における前記HMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  42. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現に関連する癌を治療する組成物の製造のための、請求項14に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記HMW−MAAを発現する腫瘍に対する免疫応答を向上させるようにしたことを特徴とする使用。
  43. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)に関連する癌を治療する組成物の製造のための、請求項23に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における前記HMW−MAAを発現する腫瘍に対する免疫応答を向上させるようにしたことを特徴とする使用。
  44. 高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)の断片を含む組換え型ポリペプチドであって、
    前記断片が、前記HMW−MAAタンパク質の360〜554、701〜1130及び2160〜2258のアミノ酸から成る群より選択されることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  45. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質の断片の前記アミノ酸配列が、配列番号21〜23から選択されることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  46. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    非HMW−MAAオリゴペプチドをさらに含み、
    前記非HMW−MAAオリゴペプチドが、前記断片の免疫原性を高めることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  47. 請求項46に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記非HMW−MAAオリゴペプチドが、非溶血性のリステリオリシン(LLO)オリゴペプチド若しくはその相同体、ActAオリゴペプチド若しくはその相同体、及びPEST様オリゴペプチド若しくはその相同体から成る群より選択されることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  48. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記組換え型ポリペプチドをエンコードするヌクレオチド分子を翻訳するステップを含む方法により作成されたことを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  49. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質の断片を含むポリペプチドを、前記非HMW−MAAアミノ酸配列を含むポリペプチドに化学的に結合させるステップを含む方法により作成されたことを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  50. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドであって、
    前記HMW−MAAタンパク質が、ヒトHMW−MAAタンパク質であることを特徴とする組換え型ポリペプチド。
  51. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドを含むワクチン。
  52. 請求項51に記載のワクチンであって、
    アジュバント、サイトカイン、ケモカイン、又はそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とするワクチン。
  53. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドをエンコードする核酸配列を含むベクター。
  54. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドを含む組換え型リステリア株。
  55. 請求項54に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、組換え型リステリア・モノサイトゲネス株であることを特徴とする組換え型リステリア株。
  56. 請求項54に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、宿主動物を介して継代されたことを特徴とする組換え型リステリア株。
  57. 請求項44に記載の組換え型ポリペプチドをエンコードする核酸配列と、少なくとも85%の相同性を共有する配列を含むことを特徴とする単離された核酸。
  58. 請求項57に記載の核酸分子を含むワクチン。
  59. 請求項58に記載のワクチンであって、
    アジュバント、サイトカイン、ケモカイン、又はそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とするワクチン。
  60. 請求項57に記載の核酸分子を含むベクター。
  61. 請求項57に記載の核酸分子を含む組換え型リステリア株。
  62. 請求項61に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、組換え型リステリア・モノサイトゲネス株であることを特徴とする組換え型リステリア株。
  63. 請求項61に記載の組換え型リステリア株であって、
    当該組換え型リステリア株が、宿主動物を介して継代されたことを特徴とする組換え型リステリア株。
  64. 対象における抗高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)免疫応答を誘導する組成物の製造のための、請求項44に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用。
  65. 対象における抗高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)免疫応答を誘導する組成物の製造のための、請求項54に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用。
  66. 対象における固形腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項44に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫応答を引き出すようにしたことを特徴とする使用。
  67. 対象における固形腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項54に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫応答を引き出すようにしたことを特徴とする使用。
  68. 対象における固形腫瘍の発症を遅延させる組成物の製造のための、請求項44に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫機能を高め、それにより血管新生を阻害するようにしたことを特徴とする使用。
  69. 対象における固形腫瘍の発症を遅延させる組成物の製造のための、請求項54に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における前記固形腫瘍の血管系の周皮細胞に対する免疫機能を高め、それにより血管新生を阻害するようにしたことを特徴とする使用。
  70. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項44に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記HMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  71. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現腫瘍の進行を遅延させる組成物の製造のための、請求項54に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象における前記HMW−MAA発現腫瘍に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  72. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現に関連する癌を治療する組成物の製造のための、請求項44に記載の組換え型ポリペプチドを含む組成物の使用であって、
    対象における前記HMW−MAAを発現する腫瘍に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
  73. 対象における高分子量メラノーマ関連抗原(HMW−MAA)発現に関連する癌を治療する組成物の製造のための、請求項54に記載の組換え型リステリア株を含む組成物の使用であって、
    対象におけるHMW−MAAを発現する腫瘍に対する免疫応答を高めるようにしたことを特徴とする使用。
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