JP2010500731A - 可変カラーポイントを有するエレクトロルミネセントデバイス - Google Patents

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Abstract

同じ作動電圧を印加できるように電気的に並列接続されるように配置された、少なくとも2つのエレクトロルミネセント領域(41、42)を備え、カラーポイントを可変できるように設定できる、光(7)を発生するためのエレクトロルミネセントデバイス(9)であって、前記エレクトロルミネセント領域(41、42)は、輝度対電圧の第1特性(81)に従い、第1スペクトルバンドにおいて光を発生するための第1エレクトロルミネセント材料の少なくとも1つの第1エレクトロルミネセント領域(41)と、輝度対電圧の第1特性(81)と同一でない輝度対電圧の第2特性(82)に従い、第1スペクトルバンドと同一でない第2スペクトルバンドにおいて光を発生するための第2エレクトロルミネセント材料の少なくとも1つの第2エレクトロルミネセント領域(42)とを含む、エレクトロルミネセントデバイス(9)。
【選択図】図4

Description

本発明は、可変カラーポイントを有する、光を発生するためのエレクトロルミネセントデバイス、およびカラーポイントを設定し変更するための方法に関する。
多数の用途、例えばルーム照明システム、マーキングおよび信号システム、ディスプレイまたはスクリーンのバック照明およびその他多くの用途のために、エレクトロルミネセントデバイスが使用されている。これらデバイスは、層状となっているエレクトロルミネセント構造(EL構造)を備え、この構造は基板に付けられており、発光層を有する。この発光層は作動電圧を印加するための2つの電極の間に配置されている。印加電圧が最小値よりも高くなると、エレクトロルミネセントデバイスは、発光材料の特性よって決まるスペクトルの光を発光する。上記用途の一部、例えばルーム照明システム、ランプおよびスクリーンのバック照明に対しては、白色光が発光すべき所定のカラーポイントを有していることが不可欠である。種々の方法により、例えば単一層となるように組み合わせられたときに白色光を発光する材料の混合物から構成された発光層、または例えばカラー変換層によって白色光に変換される紫外光を発光する発光層により白色エレクトロルミネセントデバイスを製造できる。この種のエレクトロルミネセントデバイスには、光のカラーポイントを変更することができないという欠点がある。白色光のカラーポイントを変更することができるようにするその他のエレクトロルミネセントデバイスは、フィードバックループを含む、コストが高く複雑な制御手段を必要とする。
米国特許出願第2003/0111533号 米国特許出願第2004/0164671号
例えば米国特許出願第2003/0111533号は赤色、緑色および青色発光無機LED装置を開示している。この装置では、異なるカラーのLEDによって発生された光をセンサによって検出し、分析・ドライバー電子回路を通して異なるカラーの個々のLEDを、所望のカラーポイントにマッチした異なる電圧によって作動させるようになっている。異なるカラーのLEDは別々に駆動されるので、当該エレクトロルミネセントデバイスは、これらデバイスの駆動に対して作動が極めて複雑となり、更に追加検出部品を必要とするので、製造にも費用がかかり、よって望ましくないものとなっている。
カラーポイントを設定するための無機LEDを有するエレクトロルミネセントデバイスの代替物として、米国特許出願第2004/0164671号は、白色光を発生するための無機エレクトロルミネセントデバイスを開示している。このデバイスでは、発光層が異なる発光材料で構成された複数の領域を備え、これら領域が発光層の平面において互いに隣接するように配置されている。基板と発光層の間に設けられた透明な第1電極、および発光層の、基板とは反対側に付けられた反射性第2電極を介して、発光に必要な電圧が印加される。発光層の個々の異なる領域を互いに別々に駆動でき、異なる領域によって異なるスペクトルバンドで発光される光の強度(この強度はこのように互いに別々にセットできる)により白色光に対して所望のカラーポイントを設定できるよう、層の製造の際に、2つの電極の構造を定めるための化学的または物理的エッチングプロセスまたはマスキング技術を使用することにより、安定な白色光が得られる。デバイスのこのような設計により、個々の発光領域の複雑な別々の駆動だけでなく、構造が定められた電極を製造するための別の、かつコストのかかる技術も必要であるので、この設計も同じように好ましいものではない。
従って、本発明の目的は、駆動および製造に際してコストがほとんどかからず、かつあまり複雑でない、可変カラーポイントを有する光を発生するのに適したエレクトロルミネセントデバイスを提供することにある。
この目的は、カラーポイントを可変設定できる、光を発生するエレクトロルミネセントデバイスであって、同じ作動電圧を印加できるように電気的に並列接続されるように配置された少なくとも2つのエレクトロルミネセント領域を備え、エレクトロルミネセント領域は、輝度対電圧の第1特性に従い、第1スペクトルバンドの光を発生する第1エレクトロルミネセント材料の少なくとも1つの第1エレクトロルミネセント領域と、輝度対電圧の第1特性と同一でない輝度対電圧の第2特性に従い、第1スペクトルバンドと同一でない第2スペクトルバンドの光を発生する第2エレクトロルミネセント材料の少なくとも1つの第2エレクトロルミネセント領域と、を備えたエレクトロルミネセントデバイスによって達成される。本ケースにおけるスペクトルバンドとは、発生される光のスペクトル強度分布のことである。スペクトルバンドは、発光される光の波長、または所与の波長の関数としての強度が異なっていてもよく、この差は所与のスペクトルバンドに対しては異なるカラーポイントとして明らかとなる。
第1エレクトロルミネセント材料と第2エレクトロルミネセント材料は、このエレクトロルミネセント材料に最低電圧よりも高い作動電圧が印加されたときに光を発生する。この最低電圧は一般に数ボルトの大きさであり、最低電圧よりも高い電圧では、エレクトロルミネセント材料を通過するように電流が流れ、この電流は、エレクトロルミネセント材料を刺激し、流れている電流量に応じて決まる強度(光量子の量)の光を発生する。ビューアー(観察者)が見る明るさも、強度だけでなく、眼の感度にも応じて決まり、この感度は異なる波長に対して異なり、この明るさは輝度(ルミナンス)(カンデラ[Cd]として測定される)と称される。本ケースにおける輝度対電圧特性なる用語は、当該領域に印加されるボルト[V]を単位とする電圧を関数として、眼の感度に対して重み付けされた当該領域によって発生される光量を意味する。ルミナンスは、一方でエレクトロルミネセント材料および単位当たりの電流で発生される光量に応じて決まり、他方で所定の電圧でこの領域を通過して流れる電流量によっても決まる。異なるエレクトロルミネセント材料は、異なる最低電圧および/または異なる急峻度(勾配)の輝度対電圧特性L[Cd]=f(U[V])を有し得る。同様に、異なるエレクトロルミネセント材料は、電流量と発生される光の輝度との間に異なる比例関係を有し得る。例えば電極とエレクトロルミネセント材料との間における所定の電気抵抗の材料で構成された層のような追加抵抗体により、エレクトロルミネセント材料の特性にかかわらず、第1領域および/または第2領域において、エレクトロルミネセント材料を通過する電流量を変えることができる。したがって、エレクトロルミネセント装置内に異なる輝度対電圧特性を有するエレクトロルミネセント材料の2つの領域が配置され、これらエレクトロルミネセント材料の最低作動電圧よりも高い作動電圧であって、すべての領域が電気的に並列接続されている結果、双方のエレクトロルミネセント材料に対して同じとなっている作動電圧により、これらエレクトロルミネセント材料を作動させた場合、双方のエレクトロルミネセント材料、したがって双方の領域は、一般に異なった輝度の異なるスペクトルバンドで光を発生する。第1領域からの輝度と第2領域からの輝度との相対比は、作動電圧を変えることによって変更できる。
エレクトロルミネセントデバイスが光を発生する方向から見た時の面積の比が特定の比であるときに、第1領域および第2領域が所定の電圧で所定のカラーポイントの光を発生する場合、電圧を高めることによって、より急峻な輝度対電圧特性を有する領域のスペクトルバンドに向けてカラーポイントをシフトできる。作動電圧を下げれば、反対方向へカラーポイントをシフトできる。所望のカラーポイントを得るには、このカラーポイントに必要な作動電圧を設定するだけでよい。例えば第1エレクトロルミネセント材料が黄色スペクトルバンド内の光を発生し、第2エレクトロルミネセント材料が青色スペクトルバンド内の光を発生する場合、この目的に適した強度の黄色光および青色光が失われることによって白色光が発生される。例えばより急峻な輝度対電圧特性を有する領域が、第1エレクトロルミネセント材料の第1領域であり、このエレクトロルミネセント材料が作動電圧UWで白色光を発生する場合、UWよりも高い作動電圧では、エレクトロルミネセントデバイスはカラーポイントが黄色内にシフトした光を発生し、UWよりも低い作動電圧では、白色光のカラーポイントが青色内にシフトされる。輝度対電圧特性の勾配間の差が逆になっている場合、得られる挙動も反転する。
同じ作動電圧では、カラーポイントは、エレクトロルミネセント材料の輝度対電圧特性に依存するだけでなく、エレクトロルミネセントデバイスの光を発生する方向から見たときの第1領域の面積と第2領域の面積との相対比によっても決まる。上で示した例において、上記例での第1領域の全面積よりも、別の実施形態での第1領域の全面積の方が狭い場合に、印加されるUWよりも高い作動電圧が面積比に適するとき、白色光のカラーポイントは黄色にシフトするだけである。これに対応するように、UWよりも高い(かつ過度に高くはない)作動電圧でも、カラーポイントが青色方向にシフトした白色光を得ることができる。
第1領域と第2領域との面積比を調節する代わりに、または調節することに加え、同じ作動電圧でのエレクトロルミネセント材料のうちの1つを通過する電流の流れを変えても、その結果エレクトロルミネセントデバイスによって発生される光のカラーポイントのシフトが生じる。このことは、例えばエレクトロルミネセント材料と隣接する電極との間の電気的抵抗性追加層により達成できる。例えば面積比が一定であり、作動電圧が一定である場合に、第1領域の輝度を第2領域の輝度に対して増加したい時、追加抵抗層により第2材料を通過する電流の流れを減少させ、第1領域の輝度に対する第2領域の輝度を減少させ、よってカラーポイントを第1領域によって発生される光のスペクトルバンドに向けてシフトできる。
特定の用途に対して非白色光が望まれる場合、応用分野によっては、エレクトロルミネセント材料の他の組み合わせを使用することも可能である。上記依存性は、材料のこれら組み合わせにも同じように当てはまる。
第1および/または第2エレクトロルミネセント材料は、それ自体で、このケースにおける第1領域または第2領域を形成できる。他の実施形態では、第1および/または第2エレクトロルミネセント材料を1つ以上のエレクトロルミネセント光源の一部とすることができ、これら光源は全体として第1および/または第2領域を形成する。
エレクトロルミネセントデバイスの一実施形態では、作動電圧は、発生される光のカラーポイントを設定できるよう、作動ユニットによって変更することができる。
別の実施形態では、作動電圧は、パルス高さおよびパルス長さを有するパルス状電圧であり、作動ユニットにより作動電圧に対し、カラーポイントを設定するためにパルスの高さと、光の輝度を設定するためにパルスの長さとを、互いに別々に変更することができる。パルス長さを変更することによってすべての領域の輝度を等しい量だけ増加させることができる。領域相互の発光(したがってカラーポイント)は、電流対電圧特性に沿った電圧、したがってパルスの高さにしか依存しないので、パルス長さを設定しても、それ以上カラーポイントに影響することはない。領域はサイクル当たり、より長い時間発光し、すなわち領域が発光していないパルス間の時間がより短くなるので、パルス長さの設定により、エレクトロルミネセントデバイスが発光する光の輝度を大きくできる。したがって、パルスの高さとパルスの長さを変更することができるパルス状の作動電圧により、光のカラーポイントおよび輝度を互いに別々に設定できる。パルス状電圧におけるパルスの形状は、この場合、矩形波、三角波、サイン波、ノコギリ波または他の形状の波とすることができる。所望の任意の形状に対し、パルス内の最大値はパルス高さと称され、実際に印加される同じ高さで、電圧曲線よりも下の同じ積分面積を有する均等な矩形波パルスの長さが、パルス長さと称される。
別の実施形態では、エレクトロルミネセントデバイスは、少なくとも輝度対電圧の第1特性および第2特性を記憶すると共に、作動ユニットを制御するための制御ユニットも含む。作動電圧を例えばマニュアルで設定できるようにすること(パルス状作動電圧の場合、パルスの高さおよびパルスの長さのマニュアル設定)と同じように、制御ユニットに記憶されている、使用されるエレクトロルミネセント材料の輝度対電圧特性により、所望のカラーポイントを自動的に設定することも可能である。エレクトロルミネセントデバイスにより発生される光内で、作動電圧のどの値の電圧が、領域が発生するスペクトルバンドのどの相対比を定めるかを、制御ユニット内に記憶されている輝度対電圧特性に基づき制御ユニットによって計算し、光のカラーポイントを固定することが可能である。次に、制御ユニットにより、その作動電圧に対して必要な値を設定する。
別の実施形態では、前記第1エレクトロルミネセント材料と第2エレクトロルミネセント材料とは、エレクトロルミネセント層を形成するように、層平面内で互いに隣接するように配置されている。これにより、エレクトロルミネセント層を、プリントまたはマスキング技術によって交互の構成として、例えば平面状の構造の定められていない電極に付けるという点で、エレクトロルミネセント材料が非平面状の配置となっているときよりも製造をより簡単にできる。この種のエレクトロルミネセント層は、特にエレクトロルミネセンスを生成するのに必要な第2電極を含む別の層を容易に付けることも可能にする。
この種のエレクトロルミネセント層を有する別の実施形態では、エレクトロルミネセント層は、第1電極と第2電極との間に配置でき、2つの電極によって実質的に完全にカバーできる。この場合、第1領域および第2領域は、それぞれ第1エレクトロルミネセント材料および第2エレクトロルミネセント材料から構成された領域からしか形成されない。光を発生させるには、各エレクトロルミネセント材料に作動電圧を印加しなければならない。このことは、電源に接続された第1および第2電極によって行われ、これら電極の間にエレクトロルミネセント層としてエレクトロルミネセント材料が位置している。これら電極が電気的に並列接続されているときに、すべての領域を作動できるようにするためには、全領域のすべての第1電極と全領域のすべての第2電極とを電気的に共に接続しなければならない。第1領域と第2領域の電気的な並列接続は、この場合、全領域をカバーしている2つの電極によって行われる。2つの電極を連続的なコンパクトな層として堆積するだけでよいので、このような配置により製造コストおよび複雑さが特に低下する。したがって、エレクトロルミネセント材料のすべての領域には同じ電圧が印加される。
本発明に係わるエレクトロルミネセントデバイスを用いることにより、2つの電極の一方の構造を定めなくても、したがって製造時の主要なコストおよび複雑さを必要とすることなく、カラーポイントを可変できるように設定することが可能となる。所望のカラーポイントを設定するには、適当な電圧を設定するだけでよい。このことは、駆動回路は極めてわずかなコストだけでよく、すなわち複雑さが極めて低いことを意味する。この電圧は、DC電圧でもよいし、または任意の所望の形状のパルスを有するパルス状電圧でもよい。第1領域および第2領域に対し、適当なエレクトロルミネセント材料を選択することにより、白色光を容易に発生できる。応用分野によっては、特定の用途に対し、非白色光が望まれるとき、エレクトロルミネセント材料の他の組み合わせを使用することも可能である。
一実施形態では、第1および第2エレクトロルミネセント材料は有機材料である。有機エレクトロルミネセント材料は広い面積で所望の任意の形状に安価に製造できるので、第1領域および第2領域の寸法および外側形状を、応用分野に合致する種々の異なる種類に選択することができる。
別の実施形態では、第1エレクトロルミネセント材料および第2エレクトロルミネセント材料は、無機材料であり、代表的な無機材料は例えばGaN、InGaN、GaAsPまたはAlGaInNである。別の実施形態では、第1および第2エレクトロルミネセント領域は、1つ以上の無機LEDを備え、これらLEDにはそれぞれの無機材料が配置されている。これら無機LEDは、例えば市販されているLEDであり、個々の各領域内に複数のLEDが存在する場合、これらLEDは個々の領域内で電気的に直列接続されるか、または好ましくは互いに並列接続される。
別の実施形態では、エレクトロルミネセントデバイスは、更に輝度対電圧の第1特性および/または第2特性と同一でない、輝度対電圧の第3特性に従った強度で、第1スペクトルバンドおよび/または第2スペクトルバンドと同一でない第3スペクトルバンドの光を発生するための第3領域を少なくとも備える。一実施形態では、第1材料は赤色スペクトルバンドの光を発生し、第2材料は緑色スペクトルバンドの光を発生し、第3材料は青色スペクトルバンドの光を発生するので、これら赤色光と緑色光と青色光とを混合することにより、白色光を発生できる。しかしながら、応用分野によっては特定の用途に対し、非白色光が望まれるときには、エレクトロルミネセント材料の他の組み合わせを使用することもできる。
本発明は、請求項1に記載のエレクトロルミネセントデバイスによって発生される光のカラーポイントを設定する方法に関し、所望のカラーポイントを得るのに必要な作動電圧を印加するステップを備える。カラーポイントを設定するための電圧を変更することは、例えば回転スイッチによってマニュアルで行ってもよいし、内部または外部駆動回路によって電子的に行ってもよい。
一実施形態では、本発明は、
発生された光に対する所望のカラーポイントを選択するステップと、
制御ユニットに記憶されている電流対電圧特性を基準に、所望のカラーポイントを得るのに必要な作動電圧を制御ユニットにより計算するステップと、
必要な作動電圧を印加させるように、制御ユニットにより、作動ユニットを制御するステップとを更に備える。
所望のカラーポイントおよび制御ユニットに記憶されている輝度対電圧特性から値を計算できる作動電圧を制御するための制御ユニットを照明ユニットが更に含む場合、所望のカラーポイントを選択するだけでよく、作動電圧の適当な値は制御ユニットにより決定され、作動ユニットは適当に駆動される。所望のカラーポイントの入力は、例えばカラー座標を入力するか、または回転スイッチによりマニュアルで実行してもよいし、または例えば制御ユニット内にプリセットしてもよい。これら値は、エレクトロルミネセントデバイスの応用分野によって決められるように異なっていてもよく、用途の性質を変えるときには変更設定可能とすることができる。
本方法の別の実施形態では、作動電圧は、パルス高さおよびパルス長さを有するパルス状電圧であり、この方法は、所望のカラーポイントを得るのに必要な高さのパルスを印加するステップの他に、所望の輝度の光を得るのに必要な長さのパルスを印加するステップを備える。パルス高さとパルス長さを別々に設定することにより、エレクトロルミネセントデバイスのカラーポイントを設定できるだけでなく、その輝度も設定することができる。この設定も、マニュアルで、または電子的に行うことができる。
別の実施形態では、本方法は、
発生される光に対する所望のカラーポイントおよび所望の輝度を選択するステップと、
制御ユニットに記憶されている電流対電圧特性に基づき、所望のカラーポイントを得るために作動電圧のパルスに対して必要とされる高さ、および所望の輝度を得るのに作動電圧のパルスに対して必要とされる長さを、制御ユニットにより計算するステップと、
必要な高さおよび長さのパルスを有する作動電圧を印加させるように、制御ユニットにより作動ユニットを制御するステップとを更に備える。
この場合でも、所望のカラーポイントおよび制御ユニットに記憶されている輝度対電圧特性から値を計算できる作動電圧を制御するための制御ユニットを照明ユニットが更に含む場合、所望のカラーポイントを選択するだけでよく、作動電圧の適当な値は制御ユニットにより決定され、作動ユニットは適当に駆動される。所望の強度を生じさせるパルス長さも、これとは別個に制御ユニットにより計算し、設定することができる。所望のカラーポイントおよび所望の輝度(明るさ)は、マニュアルで、または電気的に行ってもよいし、または制御ユニットにあらかじめ設定してもよい。これら作動電圧の値は、エレクトロルミネセントデバイスの応用分野によって決められるように異なっていてもよく、用途の特性が代わる場合には、これら作動電圧の値を変えることができるように設定可能である。パルス長さを調節することにより、カラーポイントを変更するときには輝度(明るさ)を一定に保持するための手段を制御ユニット内に設けることができる。
以下に説明する実施形態を参照すれば、本発明の上記およびそれ以外の様相が明らかとなり、かつ詳細となろう。
断面A−Bを示すエレクトロルミネセントデバイスの実施形態の平面図である。 断面A−Bを示す図1に示された本発明に係るエレクトロルミネセントデバイスの別の実施形態の平面図である。 本発明に係るエレクトロルミネセントデバイスの別の実施形態を示す。 図1、図2および図3に示された断面A−Bでの、本発明に係る一実施形態のエレクトロルミネセントデバイスを側方から見た断面図である。 X軸に沿って電圧Vがプロットされ、Y軸に沿って輝度Lがプロットされている輝度対電圧のグラフにおける第1領域および第2領域の輝度対電圧特性を示す。 特定の実施形態に係るエレクトロルミネセントデバイスにより可能となるカラーポイントの変化を示す。 作動ユニットおよび制御ユニットを有する、本発明に係るエレクトロルミネセントデバイスの一実施形態を示す。 時間(t)に対してプロットされたパルス状作動電圧(V)の2つの異なるパルス形状を示す。 第1領域および第2領域を形成する無機LEDを有するエレクトロルミネセントデバイスの別の実施形態の平面図である。 X軸に沿って電圧Vがプロットされ、Y軸に沿って輝度Lがプロットされている輝度対電圧のグラフにおける、図9に示された実施形態での2つの異なる無機LEDの輝度対電圧特性を示す。
図1は、本発明に係るエレクトロルミネセントデバイス9の一実施形態の、基板と反対側から見た正面図であり、このエレクトロルミネセントデバイス9は、基板1、第1電極2、輝度対電圧の第1特性(LVC)に従って第1スペクトルバンド内で発光する第1領域41、および輝度対電圧の第2特性(LVC)に従って第2スペクトルバンド内で発光する第2領域42を有し、第1領域41と第2領域42とは、第1電極2の上に配置されている。作動電圧を印加するのに必要な第2電極は、(平面において)見ている方向に対して第1および第2領域の手前に配置されることになるが、明瞭のために図1には示されていない。ラインA−Bは、図4に示された本発明に係るエレクトロルミネセントデバイス9を側面から見た断面図の断面平面を示す。
一例として、第1領域41および第2領域42は、図1ではチェスボードのパターンに配置されている。第1領域および第2領域の幾何学的レイアウトは所望のレイアウトにすることができ、本発明にとって重要ではない。第1領域41と第2領域42とは、本明細書に示されるように、エレクトロルミネセント層4内で互いに隣接するように配置できる。しかしながら、これら領域は水平方向、更に垂直方向にも互いに分離された状態に配置できる。第1領域41および第2領域42における第1および第2エレクトロルミネセント材料は、このケースでは有機材料でもよいし、無機材料でもよい。しかしながら、例えば第1領域41が有機材料を含み、他方、第2材料42が無機材料を含んでもよい。(本明細書に示したものと対照的に)第1領域41と第2領域42とが直接隣接しない場合、非導電性材料でギャップを満たし、第1電極2と第2電極(このケースでは示されていない)との間で電気的な短絡回路が生じないようにしなければならない。この実施形態では、すべての第1領域41の、図1に示されているような全面積は、すべての第2領域42の全面積と同じとなっている。使用されるエレクトロルミネセント材料の組み合わせに合うよう、相対的サイズがかなり異なるように相対的サイズを選択することもできる。これら面積の比は、エレクトロルミネセントデバイス9の輝度対電圧の固有特性および用途(カラーポイント)の所望の分野に基づき、ユーザーが適当に選択しなければならない。このことは、有機エレクトロルミネセント層において、第1および第2エレクトロルミネセント材料が使用されるだけでなく、第3および別のエレクトロルミネセント材料も使用されるケースにおける、第3領域および別の任意の領域にも当てはまる。
黄色を発光する第1領域41および青色を発光する第2領域42からの光を混合することにより、例えば白色光を発生できる。その代わりに、3つの領域(そのうちの第1領域が発生する青色光、第2領域が発生する緑色光および第3領域が発生する赤色光)を使用することもできる。異なる領域によって発生される光の混合は、適当な拡散層により改善できる。この拡散層は光が発生される方向から見た場合に、エレクトロルミネセントデバイスの上方に配置されるので、エレクトロルミネセントに対して短距離でも、ビューアーが均一に認識する光を発生する。この目的のためには、例えば適当な光拡散層を使用することにより、異なる領域からの光の混合(重ね合わせ)を改善するための多数の対策が、従来技術として記載されている。光拡散層は光が発生される方向から見て基板1の上に配置されるか、または他の実施形態では基板1と第1電極2との間に配置される。光の混合を改善するためには、全発光面積と比較して、個々の第1領域41および第2領域42の大きさ(必要な場合には第3領域およびその他の領域の大きさも含む)を十分小さく選択することが有効である。ここで、「十分小さく」なる用語は、光の混合を改善するために別のステップをとるかどうか、更に別のステップをとる場合にはどんなステップをとるかに応じても決まる。当業者であれば、例えば顕著な拡散特性を有する拡散層をビーム路の残りの部分に沿ったポイントにおいて使用するときに、個々の領域をより大きく選択することができよう。このことは、同時にカラーポイントを変更することができるようにしながら、均一と認識されるカラーを与えるために、白色光ではなく異なるカラーの光を発光するようなエレクトロルミネセントデバイス9にも当てはまる。
図2および図3には、エレクトロルミネセントデバイスの別の実施形態の平面図が示されている。この場合、第1領域41と第2領域42とは、チェスボードパターンには配置されず、ストライプ状(図2)またはリング状(図3)に配置される。この場合でも、図1を参照してこれまで説明したように、第1領域41および第2領域42の配置に関して同じ変更を行うことが可能である。
例として、図4は、本発明に係わるエレクトロルミネセントデバイス9の一実施形態の、図1に示された断面A−Bにおける側方から見た断面図であり、エレクトロルミネセントデバイス9は、第1エレクトロルミネセント材料41と第2エレクトロルミネセント材料42とを有し、これら材料はエレクトロルミネセント層4を形成するように、層の平面において互いに隣接するように配置されている。エレクトロルミネセントデバイスは、このケースでは基板1と、基板1に付けられた第1電極2と、エレクトロルミネセント層4と、エレクトロルミネセント層4の面のうち基板とは反対側の面に付けられた第2電極6とを備える。この実施形態では、第1電極2はアノードとなるように、例えばITOにより透明な形態に製造されているが、カソードを形成する第2電極6は反射性であり、例えばアルミのような金属から製造されている。このことは、エレクトロルミネセントデバイスは基板を介して光7を発生することを意味する。
別の実施形態では、電極2が反射性となるようにこの電極を製造し、電極6が透明となるようにこの電極を製造することができる。このことは、電極6を介して発光が生じることを意味する。基本的には、電極2がカソードとして働き、電極6がアノードとして働くように、層の全体の順序を逆にしてもよい。同じようにホールトランスポート(輸送)層と電子トランスポート層を交換してもよい。電極2および電極6の別の配置を示すこれら実施形態は、無機材料の領域41および領域42を有するエレクトロルミネセントデバイスでも可能である。
本発明によれば、有機エレクトロルミネセント層4は、2つの異なるスペクトルバンド内で発光する2つの異なる有機材料を含む。図4に示された実施形態では、これら有機材料は、2つの異なる領域41および42内の有機発光層4の平面において、互いに隣接するように配置される。本発明にとって異なる材料を使用することは不可欠であり、すべての第1領域41内に配置される第1エレクトロルミネセント材料は、すべての第2領域42内に配置される第2エレクトロルミネセント材料の電流対電圧の第2特性とは同じではない、電流対電圧の第1特性を有する。
第1領域41と第2領域42とは、図4に示されるように互いに直接接触するように、隣接した状態に配置できる。有機エレクトロルミネセント層の構造化は、通常の構造化プロセス、例えばマスキング技術および/またはリトグラフィプロセスによって達成できる。しかしながら、別の実施形態では、材料を真空蒸着するときには、例えばマスキング技術により、または例えばプリントプロセスのようなサスペンションを材料に塗布するための適当なプロセスにより、第1領域と第2領域とを空間的に互いに分離した状態に配置することも可能である。カソードとアノードの間で短絡回路が生じるのを防止するために、第2電極を付ける前に、これら電極の間に位置する層のシステムと比較して、不良導電体である材料、例えばTCTAのようなドープされていないマトリックス材料で、第1領域と第2領域の間のスペースを満たさなければならない。
一実施形態では、ガラス基板1を有する本発明に係わるエレクトロルミネセントデバイス9は、図4に示されるような層構造を有し、この層構造は次のように層および材料並びに対応する層の厚さdを有する、図2に示されるような単一平面においてストライプとして互いに隣接する第1領域41および第2領域42を有する。
実施形態:
アノードとして働く第1電極2:ITO、d=120nm
ホールトランスポート層3:第1電極と第1領域との間のα−NPDおよび第1電極と第2領域との間の1%のF4−TCNQでドープされたMTDATA、双方の材料に対し、d=80nm
第1領域41:
赤色発光層:10%のADSO76でドープされたα−NPD、d=17nm
緑色発光層:8%のIr(ppy)3でドープされたTCTA、d=3nm
ホールブロック層:Balq、d=10nm
第2領域42:
青色発光層:蛍光青色発光物を有する出光興産のマトリックス、d=30nm
電子トランスポート層5:Alq3、d=20nm
電子注入層:LiF、d=1nm
カソードとして働く第2電極6:Al、d=100nm
上記実施形態では、図4における双方の領域にわたって延びるホールトランスポート層3は、第1領域および第2領域のエリアにおいて異なる材料から形成されている。図4に示されているものの他に、第1領域41はカソード6が位置する側にBalqの別のホールブロック層を有する。このケースでは、図4に示されているものの他に電荷トランスポート特性を改善するためにカソード6と電子トランスポート層5との間にLiFの電子注入層も位置する。この実施形態では、第1領域41は一様なエレクトロルミネセント材料では構成されてはいないが、赤色スペクトルバンドで発光するエレクトロルミネセント材料と緑色スペクトルバンド内で発光するエレクトロルミネセント材料の二重層を含む。この結果、この第1領域41から生じる発光は、黄色スペクトルバンド内にある。第1領域に対するこのような構造の利点は、より広い発光スペクトルが得られることであり、このような広い発光スペクトルは、赤色発光スペクトルと緑色発光スペクトルを混合することによって得られ、青色スペクトルバンドで発光する第2領域42と共に、これら赤色発光スペクトルと緑色発光スペクトルは、第1領域41に対して黄色スペクトルバンドで発光する一様なエレクトロルミネセント材料が使用されているケースよりも高い演色評価数を有する白色光を発生する。異なる発光スペクトルを有する1つ以上の材料から構成された混合されたエレクトロルミネセント材料を各領域において使用することも可能である。重要なことは、輝度対電圧特性が、他の発光領域の輝度対電圧特性と異なっていることである。
青色発光材料として別に使用できるものは、スピロ−TAD(2,2’,7,7’−テトラキス(ジフェニールアミノ)スピロ−9,9’−ビフルオレン)および20nmのスピロ−DBVBi(2,2’,7,7’−テトラキス(ジフェニルビニル)スピロ−9,9’−ビフルオレン)を含む二重層がある。赤色−緑色二重発光層の代替物として使用できる材料は、黄色発光エレクトロルミネセント材料、例えば4%のルベンでドープされたα−NPDまたは他の公知の任意の蛍光またはリン光エレクトロルミネセント材料である。
前の実施形態に対し、図5はエレクトロルミネセントデバイス9で測定された対応する異なる輝度対電圧特性(LVC)を示す。[Cd/m2]を単位とする輝度を測定するための輝度測定方法は、広く使用されている測定方法であり、このケースでは、(ベルリンのリヒトメステフニークGmbHにより製造された)LMT L1009を用いて実行した。このケースで測定された特性は、赤色発光と緑色発光を混合した結果、黄色スペクトルバンド(第1スペクトルバンド)を発光する第1領域41の輝度対電圧の第1特性81、および青色スペクトルバンド(第2スペクトルバンド)で発光する第2レンジ42の輝度対電圧の第2特性82である。このLVCのケースでプロットされている特性は、作動電圧として領域に印加される電圧Vの関数としてのエレクトロルミネセントデバイスの領域の輝度Lである。エレクトロルミネセント層4のエレクトロルミネセント材料を通る電流、したがって発光が開始される最低電圧は、第1LVC81に対してはUGとして示されており、第2LVC80に対してはUBとして示されている。第1LVC81は、第2LVC82よりも低い最低電圧UG<UB(この電圧から発光が生じる)を有するが、第2エレクトロルミネセント材料に対する最低電圧UBより高い電圧では、第2LVC82よりも急峻度が小さい。黄色発光領域41からの発光は、最低電圧UG<UBで開始するので、2つの輝度対電圧特性が交差する電圧U0まで、第1領域からの黄色光の輝度が圧倒的である。エレクトロルミネセントデバイスが光を発生する方向から見て、このケースでは全面積に対してある領域の輝度を測定した。この全面積は、本実施形態において選択されたものであり、第1領域に対しては、このケースでは200cm2であり、第2領域に対しては10cm2であった。材料の他の組み合わせ、または他のカラーポイントが望まれる他の応用分野に対しては、LVC曲線が異なる電圧で交差するかまたは全く交差しないような適当な方法により異なるようにされた発光面積の大きさの比により、LVC曲線を互いにシフトすることができる。基本的には、これらの依存性は、有機エレクトロルミネセント材料および無機エレクトロルミネセント材料の双方に当てはまる。正常な電圧でこの実施形態から白色を得ることができるようにするために、エレクトロルミネセントデバイスの発光する方向から見た場合に第1領域が200cm2の全面積を有し、第2領域が10cm2の全面積を有するように第1領域と第2領域とがストライプ状に配置されている装置においてストライプの幅を異なるように選択した。
例えばエレクトロルミネセントデバイス9が電圧U1(ここでUG<U1<U0である)で作動される場合、黄色発光領域41は全体として輝度LG>LBの光を発生する。したがって、作動電圧<U0でエレクトロルミネセントデバイス9によって発生される光は、黄色スペクトルバンドにシフトされたカラーポイントを有する。作動電圧U0では、2つの領域の輝度は同じであり、エレクトロルミネセントデバイスは白色光を発生する。U0よりも高い作動電圧で得られることは、LVC82と比較してLVC81の急峻度が小さいことに起因し、対応する状況が逆となることである。例えば電圧U2>U0でエレクトロルミネセントデバイスが作動される場合、青色発光領域42は全体として輝度LB>LGの光を発生する。従って、エレクトロルミネセントデバイスによって発生される光のカラーポイントは、青色スペクトルバンドにシフトした。U1とU2の間で作動電圧を変更することにより、この有機エレクトロルミネセントデバイスのカラーポイントを、黄色がかった光から、白色光を通って青色がかった光にシフトできる。他の発光材料に対しては、電極間の個々の領域から構成された層システムに沿った電気抵抗および発光面積を適当に調節することにより、図5に示されたものと同様な依存性を設定できる。このことは、上記挙動のパターンは、赤色および緑色発光材料または他のカラーで発光する材料にも当てはまることを意味する。
異なるスペクトルバンドで発光する異なるエレクトロルミネセント材料から構成された3つ以上の領域を有する、本発明に係るエレクトロルミネセントデバイス2の場合、同じように発生される光のカラーポイントを設定できる。例えば3つの領域に対して3つのエレクトロルミネセント材料が使用されている場合、広範な種々の可能なカラーポイントを与える、互いに位置させなければならない3つの電流対電圧特性が存在する。カラーポイントを変更すると、このカラーポイントはエレクトロルミネセント材料に依存するラインに沿ってカラー三角形内でシフトする。
図6は、CIE色度図を示し、この色度図内には上記実施形態における第1領域41および第2領域42に対するカラーポイントF−41およびF−42、およびラインLが入っており、作動電圧を変更することにより、本発明に係わるエレクトロルミネセントデバイス9によって発生される光のカラーポイントは、このラインLに沿ってシフトできる。
図7は、エレクトロルミネセントデバイス9を示し、このデバイス9は、作動電圧を印加するための作動ユニット10と、作動ユニット、従って作動電圧を制御すると共に、エレクトロルミネセントデバイス9が発生する光の所望のカラーポイントを設定するために、エレクトロルミネセント材料から構成された領域の輝度対電圧特性を記憶する制御ユニット11を備える。使用される材料に対して制御ユニット11に記憶される電流対電圧特性は、作動電圧を例えばマニュアルで設定できるようにするだけでなく、自動的に所望のカラーポイントを設定できるようにもする。輝度対電圧特性に基づき、どの電圧値の場合に、エレクトロルミネセントデバイス9によって発生される光内で領域41および42によって発生されるスペクトルバンドの相対比がどんな値となるかを計算し、光のカラーポイントを固定できる。次に制御ユニット11は、作動電圧に必要な値を設定し、次にこの作動電圧は作動ユニット10によって領域41および42に印加される。経年変化に関連した効果および/または温度に関連した効果(エレクトロルミネセント層の近くに位置するか、またはエレクトロルミネセント層内に組み込まれた温度センサによって測定できる)およびこれら効果によって生じ得る輝度対電圧特性の起こり得る変化を補償するために、この制御ユニットを使用することもできる。記憶されている補償テーブルにより(内部タイマーによって測定できる)作動時間の経過に対して既知の経年変化特性曲線を補正できる。同じように、作動の開始時間における電流値と比較することにより、所定電圧における電流の内部測定値を使って、経年変化に関連する効果および/または温度に関連する効果に起因する輝度対電圧特性の変化を補償できる。特定の作動条件(作動時間、作動温度)に対して補正された輝度対電圧特性を使って、カラーポイントを設定することもできる。
作動電圧として使用される電圧がパルス状電圧(図8参照)である場合、パルス状作動電圧14、15におけるパルスの長さ13に基づき、制御ユニット11によって所望の輝度(明るさ)を計算して設定できる。マニュアルで設定するのと同じように、所望のカラーポイントおよび所望の輝度を制御ユニット11により電気的に設定してもよいし、または例えば制御ユニット11内にあらかじめ設定してもよい。これら値はエレクトロルミネセントデバイス9の応用分野に応じて異なってもよいし、これら値は用途の性質が変わるときに変更することができるように設定できる。カラーポイントを変更するときに、パルス長さを調節することによって、制御ユニット11は、例えば強度定数を維持するようにしてもよい。
図8は、パルス状作動電圧の2つの例を略図で示し、このパルス状作動電圧はDC電圧の代わりとして作動ユニット10により領域に印加できる。このパルス状電圧は、種々の形状のパルス、例えば矩形波パルス、三角波パルス、サイン波パルス、ノコギリ波パルスまたは他の形状のパルスとすることができる。所望の形状に対し、パルス高さと称されるものは、パルス内の最大値のことであり、パルス長さとは、実際に印加されるパルスと同じ高さであって、電圧曲線の下の同じ積分面積を有する均等な矩形波パルスの長さのことである。図7に示されている実施形態の場合に示されているものは、2つの異なる矩形波電圧14、15である。エレクトロルミネセントデバイス9によって発生される光7における第1領域41および第2領域42(および更に別の領域)によって発生される光のスペクトルレンジの相対比を、パルス高さ12によって設定し、よって光7のカラーポイントを決定する。カラーポイントを設定することと独立して、パルス長さ13により、エレクトロルミネセントデバイス9の全体の明るさが変えられる。したがって、同じエレクトロルミネセントデバイス9に対し、矩形波作動電圧14および15は、異なるカラーポイント(異なるパルス高さ12)および異なる輝度(パルス長さ13)を有する光7を発生させ、これらカラーポイントおよび輝度は互いに独立に設定できる。当該エレクトロルミネセントデバイスから発生される光7のカラーポイントおよび輝度の値は、領域41および42に対して使用されるエレクトロルミネセント材料および対応する輝度対電圧特性81および82に応じて決まる。
図9は、本発明に係るエレクトロルミネセントデバイス9の別の実施形態を示す。この場合、第1領域41および第2領域42は、電気的に並列接続された無機LEDを含む。第1領域41におけるLEDは例えば黄色光を発生し、第2領域におけるLEDは青色光を発生するが、別の無機LEDを選択した場合、第1領域および第2領域は、例えば赤色または緑色光、もしくは他のカラーの光を発生することができる。LEDは無機エレクトロルミネセント材料を含むので、本ケースでも上記依存性が当てはまる。これらLEDは、反射性および/または非反射性壁16により、互いに光学的に分離できるように配置できる。図9におけるマトリックス形態の配置は、可能な配置の一例にすぎない。マトリックスとは異なる配置に多数のLEDを配置することもできる。LEDは一般に点光源であるので、本発明に係るエレクトロルミネセントデバイスの全発光領域にわたって明るさを均一に認識させる目的に対しては、発光された光7のビーム経路内に拡散シートのような光拡散層17を配置することは有利である。
図10は、赤色を発光する第1領域41および青色を発光する第2領域42を例として、無機エレクトロルミネセント材料に対する第1領域41の対応する輝度対電圧特性81(LVC)および第2領域42に対する対応する輝度対電圧特性82(LVC)を示しており、これら特性の曲線は、有機エレクトロルミネセント材料を使用したときの図5に示された第1領域および第2領域の特性曲線に類似している。図9に示された実施形態における本発明に係る第1領域および第2領域は、市販されている無機LEDによって形成されており、この無機LEDは、図10に示された実施形態に対応する輝度対電圧特性(LVC)、すなわちエレクトロルミネセント材料としてInGaPを使用する、Lumileds社によって製造された赤色を発光するLUXEON 1W、LXHL−PD01のLSV81、およびエレクトロルミネセント材料としてInGaNを使用するLumileds社によって製造された青色を発光するLUXEON 1W、LXHL−PB01のLVC82を有する。
これまで図面および詳細な説明において詳細にした実施形態は、駆動および製造に際してコストおよび複雑さをほとんど必要としない、可変カラーポイントを有する光を発生するための、本発明に係わるエレクトロルミネセントデバイスの例にすぎず、請求の範囲をこれら例だけに限定するものと見なしてはならない。当業者であれば、別の実施形態を考えつくこともでき、これら実施形態も特許請求の範囲によってカバーされている。
1 基板
2 第1電極
3 ホールトランスポート層
4 エレクトロルミネセント層
5 電子トランスポート層
6 第2電極
7 光
9 エレクトロルミネセントデバイス
10 作動ユニット
11 制御ユニット
41 第1領域
42 第2領域

Claims (14)

  1. カラーポイントを可変設定できる光を発生するエレクトロルミネセントデバイスであって、同じ作動電圧を印加できるように電気的に並列接続されるように配置された少なくとも2つのエレクトロルミネセント領域を備え、
    前記エレクトロルミネセント領域は、
    輝度対電圧の第1特性に従い、第1スペクトルバンドの光を発生する第1エレクトロルミネセント材料の少なくとも1つの第1エレクトロルミネセント領域と、
    輝度対電圧の前記第1特性と同一でない輝度対電圧の第2特性に従い、前記第1スペクトルバンドと同一でない第2スペクトルバンドの光を発生する第2エレクトロルミネセント材料の少なくとも1つの第2エレクトロルミネセント領域と、を備えた、エレクトロルミネセントデバイス。
  2. 前記作動電圧は、発生される光のカラーポイントを設定できるよう、作動ユニットによって変更することができることを特徴とする、請求項1に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  3. 前記作動電圧は、パルス高さおよびパルス長さを有するパルス状電圧であり、前記作動ユニットは、前記作動電圧に対し、前記カラーポイントを設定するために前記パルスの高さと、前記光の輝度を設定するために前記パルスの長さとを、互いに独立に変更可能であることを特徴とする、請求項2に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  4. 前記エレクトロルミネセントデバイスは、少なくとも輝度対電圧の前記第1特性および第2特性を記憶するための、且つ、前記作動ユニットを制御するための制御ユニットも含むことを特徴とする、請求項2または3に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  5. 前記第1エレクトロルミネセント材料と第2エレクトロルミネセント材料とは、エレクトロルミネセント層を形成するように、層平面内で互いに隣接するように配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  6. 前記エレクトロルミネセント層は、第1電極と第2電極との間に配置され、前記2つの電極によって実質的に完全に覆われていることを特徴とする、請求項5に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  7. 前記第1および第2エレクトロルミネセント材料は有機材料であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  8. 前記第1および第2エレクトロルミネセント材料は無機材料であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  9. 前記第1および第2エレクトロルミネセント領域は、1つ以上の無機LEDを備え、これら無機LEDにはそれぞれの無機材料が配置されていることを特徴とする、請求項8に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  10. 前記エレクトロルミネセントデバイスは、更に輝度対電圧の前記第1特性および/または第2特性と同一でない、輝度対電圧の第3特性に従った強度で、前記第1スペクトルバンドおよび/または第2スペクトルバンドと同一でない第3スペクトルバンドの光を発生するための第3領域を少なくとも備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。
  11. 請求項1に記載のエレクトロルミネセントデバイスによって発生される光のカラーポイントを設定する方法であって、
    所望のカラーポイントを得るのに必要な作動電圧を印加するステップを含む、光のカラーポイントを設定する方法。
  12. 前記発生される光に対する前記所望のカラーポイントを選択するステップと、
    制御ユニットに記憶されている前記電流対電圧特性に基づき、前記所望のカラーポイントを得るのに必要な作動電圧を制御ユニットにより計算するステップと、
    前記必要な作動電圧を印加させるように、前記制御ユニットにより、作動ユニットを制御するステップとを更に備える、請求項11に記載の光のカラーポイントを設定する方法。
  13. 前記作動電圧は、パルス高さおよびパルス長さを有するパルス状電圧であり、前記方法は、前記所望のカラーポイントを得るのに必要な高さのパルスを印加するステップの他に、所望の輝度の光を得るのに必要な長さのパルスを印加するステップを備える、請求項11に記載の光のカラーポイントを設定する方法。
  14. 発生される光に対する前記所望のカラーポイントおよび前記所望の輝度を選択するステップと、
    制御ユニットに記憶されている前記電流対電圧特性に基づき、前記所望のカラーポイントを得るために前記作動電圧のパルスに対して必要とされる高さ、および前記所望の輝度を得るために前記作動電圧のパルスに対して必要とされる長さを制御ユニットにより計算するステップと、
    前記必要な高さおよび長さのパルスを有する作動電圧を印加させるように、前記制御ユニットにより作動ユニットを制御するステップと、を更に備える、請求項13に記載の光のカラーポイントを設定する方法。
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