JP2010284924A - 画像形成装置および画像形成プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】汚れによるエンコーダ信号異常と、ジャムによるエンコーダ信号異常とを切り分け、汚れによる異常時に、印刷継続可能とする。
【解決手段】エンコーダ出力によるキャリッジ往復周期の計測手段52と、エンコーダ出力による走査方向の検出手段54と、手段52の計測周期履歴の記録手段55と、手段52の計測周期異常の判定手段50と、手段50の判定で周期異常の検出後、手段55の記録周期履歴により周期異常の原因が、エンコーダの汚れによるか、ジャムによるかを判定する手段50とを備え、手段50が、周期異常の原因がジャムと判定した場合には印字を中断し、同原因が汚れと判定した場合は、印字を継続する。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置および画像形成プログラムに関し、特に、インクジェット方式の画像形成装置で、汚れによるエンコーダ信号異常と、ジャム(JAM、用紙づまり)によるエンコーダ信号異常とを切り分け、汚れによるエンコーダ信号異常時に、印刷を継続できるようにした画像形成装置および画像形成プログラムに関する。
一般に、インクジェット方式の画像形成装置では、ヘッドを搭載したキャリッジを走査することで、記録を行う。その際に、主走査方向に配置したエンコーダスケールを、光学センサで読み取り、キャリッジの位置情報を取得し、この位置情報を元にヘッドからの吐出タイミングを生成する。
しかし、印刷回数を重ねていくと、吐出した液滴が装置内に浮遊し、エンコーダスケールに付着するという問題が発生する。
また、記録媒体である紙の一部が、紙粉となって浮遊し、エンコーダスケールに付着するという問題が発生する。
そこで、インクミストが発生しないように、吐出機構とエンコーダスケールを物理的に分離した構成や、エンコーダスケールもしくは、エンコーダセンサを清掃する機構などが既に知られている。
また、複数のセンサを用いてエンコーダスケールの汚れを検出する技術が既に知られている。
また、記録動作において等速動作中の方向切り替わりを検出することで、汚れを検出する技術が既に知られている。
しかしながら、従来の吐出機構とエンコーダスケールを物理的に分離した構成や、エンコーダスケールもしくはエンコーダセンサを清掃する機構では、メカニズム構成が追加となり、コストの増大や、マシンサイズの増大につながるという問題があった。
また、従来の複数のセンサを用いてエンコーダスケールの汚れを検出する構成では、部品点数が増えることで、コストの増大につながるという問題があった。
また、従来の記録動作において等速動作中の方向切り替わりを検出する方法では、ジャムによるエンコーダ信号異常と汚れによるエンコーダ信号異常の切り分けができないため、異常時にはヘッドの破損を防止するために即停止しなければならないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、汚れによるエンコーダ信号異常と、ジャムによるエンコーダ信号異常とを切り分け、汚れによるエンコーダ信号異常時に、印刷を継続できるようにした画像形成装置および画像形成プログラムの提供を目的とする。
なお、本発明と似ていると思われる特許文献として、以下のものがある。
特許文献1には、光学スケールの汚れを検知して、ユーザに報知することで、それ以降の印刷結果が正確でないことを知らしめる目的で、DCモータの駆動指示に対応して想定されるエンコーダの出力信号と、現実のエンコーダの出力信号との差違に基づいて汚れを検知し、報知する。詳しくは、等速動作時のエンコーダ周期を履歴として残し、印字終了位置を過ぎてから速度変動等から汚れを検出する構成が開示されている。
特許文献1に開示の技術は、本発明とは確かにエンコーダ周期履歴を用いる点では似ている点がある。
また、特許文献2には、通常の印字シーケンス中であってもリニアスケールに汚れがあるかどうかを正確に判定する目的で、キャリッジに複数のエンコーダセンサを設けて、それぞれの周期カウント値の最大値及び最小値に基づいてリニアスケールに汚れがあるか否かの判定をする構成が開示されている。
特許文献2に開示の技術は、本発明とは確かに通常の印字シーケンス中であってもリニアスケールに汚れがあるかどうかを正確に判定する点では似ている点がある。
更に、特許文献3には、リニアスケールの汚れを簡単な構成で検出でき、また、容易に汚れ位置を把握できるようにする目的で、移動部材の移動方向切替え位置を設定する手段と、移動部材が移動方向切替え位置に到達する前に、検出手段が移動部材の移動方向切り替わりを検出したときにリニアスケールに汚れがあると判断する手段を備えている構成が開示されている。
特許文献3に開示の技術は、本発明とは確かに通常の印字シーケンス中であってもエンコーダ信号の異常を検出できる点では似ている点がある。
前記目的を達成するために請求項1記載の画像形成装置は、インクを吐出するヘッドを搭載したキャリッジを、キャリッジ駆動手段により走査しつつ、搬送手段により搬送される記録媒体に印字する画像形成装置において、
前記キャリッジ(図1の11)の走査方向に平行して配置されたリニアスケール(エンコーダスケール14)と、
前記キャリッジに搭載され、前記リニアスケールを読み取るエンコーダセンサ(13a)と、
前記エンコーダセンサの出力に基づき前記キャリッジが往復する周期を計測する周期計測手段(図4のエンコーダ周期検出部52)と、
前記エンコーダセンサの出力に基づき走査方向を検出する方向検出手段(方向検出部54)と、
前記周期計測手段が計測した周期の履歴を記録する周期履歴記録手段(エンコーダ周期履歴記録部55)と、
前記周期計測手段が計測した周期の異常を判定する周期異常判定手段(エンコーダ解析部50、図9のS104)と、
該周期異常判定手段が行った周期異常判定にて周期異常を検出したあと、前記周期履歴記録手段が記録した周期履歴を用いて周期異常の原因が、前記エンコーダセンサの汚れに基づくものか(S105)、もしくは前記記録媒体が起こしたジャムによるものか(S107)の判定を行う汚れ・ジャム原因判定手段(エンコーダ解析部50)とを備え、
該汚れ・ジャム原因判定手段が、前記周期異常の原因が前記ジャムと判定した場合には印字を中断し(S111)、前記周期異常の原因が前記汚れと判定した場合には(S107:no)、印字を継続することを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記周期異常判定にて周期異常を検出したあと、一定期間、前記キャリッジ駆動手段の出力を変化させない(図9のS112についての説明)ことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の画像形成装置において、汚れ判定結果をユーザに通知する通知手段(操作/表示部47)と、継続印刷の許可を入力するユーザ入力手段(操作/表示部47)とを備え、前記汚れ判定結果をユーザに通知し(図10のS204)、継続印刷の許可を受けた際に、前記記録媒体の2枚目以降を印字することを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、
前記記録媒体の2枚目以降は、前記汚れ判定を行わない(S203:no)ことを特徴とする。
また、請求項5記載の画像形成プログラムは、インクを吐出するヘッドを搭載したキャリッジと、該キャリッジを走査するキャリッジ駆動手段と、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記キャリッジの走査方向に平行して配置されたリニアスケールと、前記キャリッジに搭載され、前記リニアスケールを読み取るエンコーダセンサとを備える画像形成装置に、
前記エンコーダセンサの出力に基づき前記キャリッジが往復する周期を計測する周期計測処理と、
前記エンコーダセンサの出力に基づき走査方向を検出する方向検出処理と、
前記周期計測処理で計測した周期の履歴を記録する周期履歴記録処理と、
前記周期計測処理で計測した周期の異常を判定する周期異常判定処理と、
該周期異常判定処理での周期異常判定にて周期異常を検出したあと、前記周期履歴記録処理で記録した周期履歴を用いて周期異常の原因が、前記エンコーダセンサの汚れに基づくものか、もしくは前記記録媒体が起こしたジャムによるものかの判定を行う汚れ・ジャム原因判定処理とを実行させ、
該汚れ・ジャム原因判定処理は、前記周期異常の原因が前記ジャムと判定した場合には印字を中断し、前記周期異常の原因が前記汚れと判定した場合には、印字を継続させることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、周期異常を検出した後に周期履歴を用いて汚れ判定をおこなうため、処理負荷を低減できる。また、周期の履歴を使用することで、突発的なノイズ等の影響を受けない。
請求項2記載の発明によれば、汚れ判定の高精度化が実現できる。
請求項3記載の発明によれば、ユーザビリティ(ユーザの使い易さ)の向上を図ることができ、ユーザが、汚れの度合いによって印字を継続するか否かを選択することが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、スループット(単位時間あたりの処理能力)を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、周期異常を検出した後に周期履歴を用いて汚れ判定をおこなうため、処理負荷を低減できる。また、周期の履歴を使用することで、突発的なノイズ等の影響を受けない。
本発明の実施形態の要部を示す図であって、(A)はキャリッジの走査方向および記録媒体(用紙)の搬送方向などを示す平面図、(B)はキャリッジおよびエンコーダスケールと主走査エンコーダセンサなどを示す斜視図、(C)は主走査エンコーダセンサとエンコーダスケールとの配置関係を示す拡大斜視図である。 (A)は前記エンコーダスケールのスリットパターンを示す正面図、(B)は前記主走査エンコーダセンサのA相とB相の出力波形を示す図である。 前記実施形態の画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。 前記実施形態におけるエンコーダ解析を行うエンコーダ解析部のブロック図である。 前記エンコーダ解析部におけるエンコーダ周期検出、キャリッジ位置検出、タイミング生成のタイミングチャートである。 前記エンコーダ解析部における方向検出部のタイミングチャートである。 前記エンコーダ解析部におけるエンコーダ周期履歴記録部のタイミングチャートである。 エンコーダが汚れた場合とジャムの場合のエンコーダ信号の相違を説明する図である。 モータ制御時のジャム判定に関するフローチャートである。 複数枚の印刷を行う際のフローチャートであり、印字開始〜印字終了までを示している。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
図1(A)〜(C)に示すように、キャリッジ11には記録ヘッド11aが搭載され、該キャリッジ11は円筒状のガイドロッド12に、左右方向(キャリッジ走査方向)に摺動可能に嵌め込まれている。キャリッジ11の手前側面には断面形状U字状の光学センサである主走査エンコーダセンサ13aが固定されている。該主走査エンコーダセンサ13aは、次に説明するエンコーダスケール14(図2(A)参照)を左右から挟むように配置され、スリットパターンを光学的に読み取る。エンコーダスケール14はキャリッジ11の走査方向に並行に配置されている。
キャリッジ11の下面側には、搬送手段(図示省略)により矢印方向(下方向)に搬送される用紙(記録媒体)15が配置されている。用紙15は記録ヘッド11aから吐出されるインクにより、順次印字されていく。
図2(A),(B)に示すように、エンコーダスケール14は透明フィルムからなり、一定間隔dでスリットパターンが形成されている。エンコーダセンサ13aでスリットパターンを光学的に読み取ることにより、A相・B相のパルス信号が、それぞれ位相が90度ずれて出力される(図2(B)参照)。
なお、後述する方向検出部(図4参照)では、A相・B相の論理的関係から、キャリッジ11の動作方向を検出する。
次に、図3を参照しつつ、本実施形態の画像形成装置の全体ブロックを説明する。
図3に示すように、画像形成装置GKは、印刷ジョブを送るPC(パーソナルコンピュータ)20と、印刷ジョブを受けて各種の処理を行う制御部30と、制御部20によって制御されるキャリッジ11や各種モータ、各種信号を制御部20に入力する各種センサなどにより構成されている。
先ず、制御部30を説明する。
31はCPUであり、主に演算処理が行われる。31bはPC20から印刷ジョブを受けるホストI/Fであり、例えば、USB、LAN等であるが、特に限られるものではない。32aはROMであり、プログラムやフォントが格納され、32bはRAMであり、演算に使用する作業領域や画像バッファ等で使用され、32cは不揮発性の記録装置であるNVRAMであり、マシン情報(バージョンやマシン特有の特性値等)が記録されている。
33はASICであり、メカ制御、画像処理、メモリ制御、CPU(31)とのI/F等が行なわれる。34はADCであり、アナログセンサ48から取得されたデータがデジタル値に変換される。35は駆動波形生成部であり、記録ヘッド11aを駆動するための駆動波形が生成される。36はヘッドドライバであり、記録ヘッド11aからインクを吐出する制御が行なわれる。
37aが主走査モータ駆動部であり、キャリッジ11を走査させるための主走査モータ41が駆動される。37bは副走査モータ駆動部であり、副走査モータ42が駆動され、該副走査モータ42の駆動により用紙15を搬送する搬送ベルト43が駆動される。
38はACバイアス供給部であり、搬送ベルト43を帯電させる帯電ローラ44と帯電の際に使用する高圧電源が供給される。
39は維持回復機構駆動部であり、記録ヘッド11aのメンテナンスを行う維持回復機構45を駆動するモータ46への電源供給が行われる。
13aは主走査エンコーダセンサであり、キャリッジ11の移動速度や位置情報が取得される。13bは副走査エンコーダセンサであり、副走査の回転速度や位置情報が取得される。
47は操作/表示部であり、ユーザにマシン状態を通知したり、使用方法を通知したり、操作を行うためのスイッチやタッチパネルが含まれる。
次に、図4を参照しつつ、本実施形態におけるエンコーダ解析について説明する。
主走査エンコーダセンサ13aから入力されたエンコーダ信号は、ノイズフィルタ部61で、ノイズが取り除かれる。
エンコーダ解析部50は、次の各部により構成される。
即ち、エンコーダタイミング信号生成部51、エンコーダ周期検出部52、キャリッジ位置検出部53、方向検出部54、エンコーダ周期履歴記録部55の各部である。
そして、ノイズフィルタ後のエンコーダ信号を用いて、周期検出、キャリッジ位置検出、方向検出、周期履歴記録が行なわれる。
また、エンコーダ解析部50は、ヘッド吐出制御部62で使用されるエンコーダタイミング信号が生成される機能を持ち、ヘッド吐出制御部62では、エンコーダタイミング信号を元に、ヘッド吐出制御が行なわれる。
モータ制御部63では、エンコーダ解析部50で検出された、キャリッジの位置情報、キャリッジの移動方向、エンコーダの周期を元に、サーボ制御が行なわれる。これにより、キャリッジ11が走査され、用紙15への記録が行なわれる。
次に、図5を参照しつつエンコーダ解析部50の説明をする。
ノイズフィルタ61によりノイズ除去されたエンコーダ信号A相のエッジを基準に、エンコーダタイミング信号が生成される。
エンコーダタイミング信号は、システムクロックもしくは、システムクロックを分周した基準クロックに同期して1パルス分出力される。
エンコーダ周期検出部52の周期カウンタは、エンコーダタイミング信号の周期を計測する。キャリッジ位置検出の位置カウンタは、タイミング信号がアサートされる毎にインクリメントもしくは、方向が逆の場合は、デクリメントする。
この例では、タイミング信号が、A相の立ち上がりエッジで出力するように説明してあるが、キャリッジ11の走査方向が逆の場合は、立下りエッジでタイミング信号が出力される。ただし、これに限定するものではなく、A相・B相両方のエッジ変化でタイミング信号を生成してもよい。また、位置カウンタのインクリメント/デクリメント用にそれぞれ別の信号を用いてもよい。その際は、吐出用のタイミング信号が別途必要になる。
図6に示すように、方向検出部54では、キャリッジ11の走査移動方向(主走査移動方向)を検出する。キャリッジ11に搭載された主走査エンコーダセンサ13aは、A相・B相からなるエンコーダ信号を出力する。
方向検出部54では、このA相とB相の位相関係からキャリッジ11の走査方向を検出する。方向の検出タイミングは、ASIC(33)内部のシステムクロック同期で判定をおこなっており、A相もしくはB相が切り替わるごとに方向を判定する。
例えば、上図の例では方向検出信号が”H”のとき、往路を示しており、”L”のとき、復路を示している。
キャリッジ11を駆動するモータ制御では、上記方向検出で検出した方向から、キャリッジ11の走査方向を認識する。
図7に示すように、エンコーダ周期履歴記録部55では、上述の周期カウンタが計測開始するタイミングで、ASIC(33)のレジスタ周期履歴1に周期カウンタの値を記録する。ここでは、レジスタの例を示しているが、SRAM等のメモリでもよい。
同様に、周期履歴2には、周期履歴1が周期カウンタの値を記録するタイミングで、周期履歴1の値を記録する。
同様のタイミングで、周期履歴3には周期履歴2の値が、周期履歴4には周期履歴3の値が記録される。
上述のように各周期履歴は、シフトレジスタ構成になっており、周期履歴1に最新の周期が記録される。
周期履歴記録機能は、ソフトウェアによって機能を停止させることが可能となっている。これは、各周期履歴を参照している途中で履歴が更新されることを防止するためであり、停止中においても周期カウンタの計測動作は継続される。
また、各周期履歴ごとにリードフラグを有しており、ソフトウェアにより参照を行なうと、フラグが1となる。それぞれのフラグは、周期履歴が更新するタイミングで同時にシフトする構成となっており、計測した周期と1対1の関係となっている。
図において、上の波形は、エンコーダシート(エンコーダスケール14)が汚れた場合の例を示している。下の波形は、ジャムが発生した場合の例を示している。
エンコーダシートに、インクミストや、紙粉等の汚れが付着した場合、エンコーダ信号の一部が抜けたり埋まったりする現象が発生する。しかしながら、印字領域中の等速移動中において、モータ出力に変化がない場合は、汚れ個所を通過した後、正常なエンコーダ周期が得られる。
また、ジャムが発生した場合、キャリッジ11に記録媒体(用紙15)が接触することにより、キャリッジ11の進行方向とは逆の負荷がかかる。また、用紙15に限らず、その他の異物等がキャリッジ走査上にある場合においても、同様である。
そのため、モータ出力に変化がない場合は、キャリッジ11の速度が低下する。つまり、エンコーダ信号のON/OFF幅が、想定している速度のときに比べて拡がってしまう。
特に、ジャムや異物等で、キャリッジ11に負荷がかかってしまう場合は、記録ヘッド11aを破損する恐れがあるため、キャリッジ11の即時停止が求められる。
図9は、モータ制御時のジャム判定に関するフローチャートであり、キャリッジの移動開始〜移動終了までの操作の流れを示す。
キャリッジ11の移動が開始されると、サーボ制御のための演算は、前回演算が行なわれてからサーボ制御周期時間が経過するまで実施されず(S101:no)、サーボ制御周期時間が経過すると(S101:yes)、サーボ制御で使用する周期を取得する(S102)。
このとき、等速移動中でなければ(S103:no)、そのままPID制御演算を行い(S109)、モータ出力を更新する(S110)。
等速移動中の場合(S103:yes)、取得した周期が正常の範囲内かどうかの判定を行い、周期が正常の場合(S104:no)、周期異常のフラグが残っているかどうかを判定する。周期異常フラグが残っている場合(S105:yes)はフラグクリア条件の判定を行い(S107)、周期異常フラグが残っていない場合は(S105:no)、そのままPID制御演算を行なう(S109)。S104で周期異常の場合(S104:yes)、ジャムの判定を行い(S107)、ジャムでない場合は(S107:no)、周期異常フラグを設定し(S108)、モータ出力を更新せずに、移動終了判定(S112)を行なう。ここで、モータ出力を更新しないのは、図8で説明したように、等速移動中に汚れ等による周期異常が発生した場合に、モータ出力が変わらなければ、一定期間後正常な周期に戻ることを期待している。
S104では、エンコーダ信号から取得したエンコーダ信号周期が、あらかじめ格納された上限値もしくは下限値を超えるかどうかで異常判定を行なう。ここで用いる上限値もしくは下限値は、目標となる速度と、速度バラツキ、温度等を考慮して設定しておいてもよい。
S106でフラグクリア条件を満たした場合は(S106:yes)、周期異常フラグをクリアし(S113)、正常時と同様にPID制御演算を行なう(S109)。また、フラグクリア条件を満たさない場合は(S106:no)、S112に移行する。
S107のジャム判定では、周期異常が、サーボ制御周期で決められた回数分継続した場合にジャムと判定し、ジャム処理を行う(S111)。
具体的には、キャリッジ11が移動開始した時点を0とし、S104で周期異常と判定するごと(S104:yes)に、周期異常発生回数をカウントアップしていく。つまり、図8のジャム(用紙づまり)の例で説明したような周期幅が継続して拡がった場合は、サーボ制御周期毎に周期異常と判定されてカウントアップされていく。あらかじめ設定しておいた回数に周期異常発生回数が達した場合に、ジャムと判定される。
また、上記S106でフラグクリア条件を満たした場合(S106:yes)は、それ以前に発生した周期異常がエンコーダスケール14に付着した汚れによるものと判断できるため、上記周期異常発生回数はクリアされる。
表1は、周期異常フラグクリア条件判定を示す表である。
図9のS106のフラグクリア条件判定では、周期履歴を用いて判定を行なう。周期の履歴を新しいものから順に取得し、あらかじめ決められた上限値と下限値の範囲内収まっているかを判定する(表1の周期判定の列)。あらかじめ決められた履歴数Nに達する前に異常値(表1の中の×)が見つかった場合は、フラグクリア判定はNGとなり、次のフローへうつる。
あらかじめ決められた履歴数Nに達した場合は、フラグクリア判定はOKとなり、エンコーダ周期が正常に戻ったと判定される。
なお、この例は、ソフトウェアでフラグクリア判定を行なっているが、ハードウェアでフラグクリア判定回路を搭載してもよい。例えば、周期の上限下限を設定するレジスタと、履歴数Nを設定するレジスタを設け、各周期レジスタの出力値と上限下限値との比較器(範囲内なら1を出力)を設け、比較器の出力値を履歴数NだけANDをとる構成等が考えられる。
上記周期異常フラグクリア動作の意味するところは、周期異常が発生した後に一定期間正常なエンコーダ周期が得られたことを意味する。つまり、インクミストや紙粉等が付着したことで周期異常が一時的に発生し、付着個所を過ぎたことで正常な周期が得られたことを意味する。これは、ジャムが原因ではないため、キャリッジ11に対する負荷が発生していない。そのため、即時停止をする必要がなく、継続して印字動作を行なうことが可能である。
図10に示すように、印字開始が始まると、最初の1枚を印刷する(S201)。印字枚数が終了していない場合(S202:no)は、1枚目の印字動作中に汚れがあったかどうかを判定する(S203)。ここでいう、汚れ判定とは、図9で一旦周期異常を検出し、フラグクリア判定にてフラグをクリアしたことを言う。
汚れがあった場合は、印字結果がユーザの所望する結果と異なる場合があるため、操作/表示部47(図3参照)に異常が発生したことを通知する(S204)。もしくは、ホストI/F(31b)を介して、PC(20)等のホスト側のプリンタドライバにて表示を行っても良い。また、異常が発生した通知をおこなうと同時に、一枚目の印字結果から継続して2枚目以降を出力してもよいかどうかの判定をユーザが選択できるように表示を行なう。ユーザからの指示が、継続OKな場合(S205:yes)は、続けて印字を行なう。
S203での汚れ判定については、2枚目以降では、無視してもよい。その際は、強制的にS203:noの動作フローとなる。
なお、上記実施形態において説明した画像形成装置における画像形成方法(図9および図10に示す印字制御方法)は、ROM等の本体メモリに格納されているプログラムで実行することができる。この画像形成方法を実行するためのプログラムは、例えばインターネット上からのダウンロードによって提供し、情報処理装置(ホスト装置)から画像形成装置にインストールすることができる。また、本発明は、画像形成方法を実行するためのプログラムを画像形成装置で実行可能に記録した記録媒体の態様にも適用される。また、情報処理装置のプリンタドライバで実行させる構成とすることもできる。すなわち、情報処理装置および本発明に係る画像形成装置が通信回線等により接続された画像形成システムにより上述の画像形成方法を実行することとしても良い。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
GK…画像形成装置
11…キャリッジ
11a…記録ヘッド
13a…主走査エンコーダ
14…エンコーダスケール
20…PC
30…制御部
特開2008−238685号公報 特開2005−279935号公報 特開2008−229922号公報

Claims (5)

  1. インクを吐出するヘッドを搭載したキャリッジを、キャリッジ駆動手段により走査しつつ、搬送手段により搬送される記録媒体に印字する画像形成装置において、
    前記キャリッジの走査方向に平行して配置されたリニアスケールと、
    前記キャリッジに搭載され、前記リニアスケールを読み取るエンコーダセンサと、
    前記エンコーダセンサの出力に基づき前記キャリッジが往復する周期を計測する周期計測手段と、
    前記エンコーダセンサの出力に基づき走査方向を検出する方向検出手段と、
    前記周期計測手段が計測した周期の履歴を記録する周期履歴記録手段と、
    前記周期計測手段が計測した周期の異常を判定する周期異常判定手段と、
    該周期異常判定手段が行った周期異常判定にて周期異常を検出したあと、前記周期履歴記録手段が記録した周期履歴を用いて周期異常の原因が、前記エンコーダセンサの汚れに基づくものか、もしくは前記記録媒体が起こしたジャムによるものかの判定を行う汚れ・ジャム原因判定手段とを備え、
    該汚れ・ジャム原因判定手段が、前記周期異常の原因が前記ジャムと判定した場合には印字を中断し、前記周期異常の原因が前記汚れと判定した場合には、印字を継続することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記周期異常判定にて周期異常を検出したあと、一定期間、前記キャリッジ駆動手段の出力を変化させないことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の画像形成装置において、
    汚れ判定結果をユーザに通知する通知手段と、継続印刷の許可を入力するユーザ入力手段とを備え、
    前記汚れ判定結果をユーザに通知し、継続印刷の許可を受けた際に、前記記録媒体の2枚目以降を印字することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3記載の画像形成装置において、
    前記記録媒体の2枚目以降は、前記汚れ判定を行わないことを特徴とする画像形成装置。
  5. インクを吐出するヘッドを搭載したキャリッジと、該キャリッジを走査するキャリッジ駆動手段と、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記キャリッジの走査方向に平行して配置されたリニアスケールと、前記キャリッジに搭載され、前記リニアスケールを読み取るエンコーダセンサとを備える画像形成装置に、
    前記エンコーダセンサの出力に基づき前記キャリッジが往復する周期を計測する周期計測処理と、
    前記エンコーダセンサの出力に基づき走査方向を検出する方向検出処理と、
    前記周期計測処理で計測した周期の履歴を記録する周期履歴記録処理と、
    前記周期計測処理で計測した周期の異常を判定する周期異常判定処理と、
    該周期異常判定処理での周期異常判定にて周期異常を検出したあと、前記周期履歴記録処理で記録した周期履歴を用いて周期異常の原因が、前記エンコーダセンサの汚れに基づくものか、もしくは前記記録媒体が起こしたジャムによるものかの判定を行う汚れ・ジャム原因判定処理とを実行させ、
    該汚れ・ジャム原因判定処理は、前記周期異常の原因が前記ジャムと判定した場合には印字を中断し、前記周期異常の原因が前記汚れと判定した場合には、印字を継続させることを特徴とする画像形成プログラム。
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