JP2010284616A - 電子機器の回復方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定的にしかも安価に、浸水事故にあった電子機器が電気的に動作する正常状態に回復させることを目的とする。
【解決手段】電子機器の回復装置1は、筐体2の上面部に矢印θ方向に開閉される開閉蓋6を備え、開閉蓋6を開けた筐体2の上面部内が電子機器を収容するためのチャンバ8を備える。このチャンバ8内には開閉蓋6の下面部に吊着状態で配設する籠状の収容部9に、例えば携帯電話機10を収容可能としている。こうして収容部9に携帯電話機10を収容した状態において、開閉蓋6を閉操作し、電子機器(携帯電話機10)をチャンバ8内に密閉状態で収容し、チャンバ8内において真空状態で加熱乾燥することが可能となる。これにより、例えば浸水事故にあった携帯電話機10を、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させることが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯電話機、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤーなど、半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、これらの電子機器が水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法および装置に関する。
一般に携帯電話機などの電子機器をトイレや浴槽内や海に落とし、当該電子機器を水に浸漬したり、あるいは電子機器に水または海水を付着させた場合、内部の半導体基板や液晶表示装置の回路に様々な不純物が付着するため、たとえ乾燥させたとしても回路に短絡等が発生し、元どおり電気的に動作する正常状態に回復できないものとされている。
こうした電子機器の浸水事故は、電子機器に記憶された重要なメモリデータが失われることを意味し、再び同様な電子機器を購入し、再度データを当該電子機器に入力しなければならないため、経済的にも大きな損失をもたらすものとされている。液晶表示装置が装備された電子機器においては、液晶画面において動作不良が生じ、使用できない不具合も指摘されていた。
このような浸水事故にあった電子機器を電気的に元どおり動作する正常状態に回復させるため、従来下記特許文献1に示す洗浄装置が提案されている。
特許第3962804号公報
この洗浄装置は、浸水事故にあった電子機器を高純度の純水が貯溜された処理槽で洗浄するものとされ、しかも処理槽内の水の純度を常に高純度に保つ制御手段を備えることを内容としている。
このため、装置が複雑かつ高価なものとされ、中々普及されていないのが現状とされている。
本願の発明者は、こうした状態のなかで真空チャンバを利用して浸水事故にあった電子機器を、元どおり電気的に動作する正常状態に回復させる様々な実験を繰り返したところ、ほぼ完全に回復することを可能とした電子機器の回復方法および装置を開発するに至った。
本発明は、安定的にしかも安価に、浸水事故にあった電子機器が電気的に動作する正常状態に回復させることを目的とするものである。
本発明の請求項1は、半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、浸水事故にあった電子機器を真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を10分以上乾燥する乾燥工程を備えることとしたものである。
また本発明の請求項2は、半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水または海水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水または海水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、浸水事故にあった電子機器を真水が貯溜された水槽内に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する真空洗浄工程と、真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を25分以上乾燥する加熱乾燥工程と、を備えることとしたものである。
また本発明の請求項3は、半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水または海水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水または海水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、浸水事故にあった電子機器を真水が貯溜された水槽内に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第1次真空洗浄工程と、第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を180秒以上乾燥する第1次加熱乾燥工程と、第1次加熱乾燥工程で加熱乾燥された電子機器を再び真水が貯溜された真空チャンバ内の水槽に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第2次真空洗浄工程と、第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を45分以上乾燥する第2次加熱乾燥工程と、を備えることとしたものである。
また本発明の請求項4は、半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水または海水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水または海水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、浸水事故にあった電子機器を真水が貯溜された水槽内に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第1次真空洗浄工程と、第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を180秒以上乾燥する第1次加熱乾燥工程と、第1次加熱乾燥工程で加熱乾燥された電子機器を再び真水が貯溜された真空チャンバ内の水槽に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第2次真空洗浄工程と、第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を180秒以上乾燥する第2次加熱乾燥工程と、第2次加熱乾燥工程で加熱乾燥された電子機器を再び真水が貯溜された真空チャンバ内の水槽に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第3次真空洗浄工程と、第3次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第3次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を60分以上乾燥する第3次加熱乾燥工程と、を備えることとしたものである。
また本発明の請求項5は、半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器にあって、当該電子機器が水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復装置であって、浸水事故にあった電子機器を収容可能とし、内部に真水を貯溜し、あるいは排水可能とし、電子機器を真水に浸漬自在としてなる水槽を、その内部に備えた真空チャンバと、真空チャンバ内を60℃から120℃の温度帯域で加熱調整可能とする加熱装置と、真空チャンバ内の真空状態を大気圧より減圧して10Kpa以上に設定調整可能とする真空度調整手段と、を備えることとしたものである。
本発明によれば、電子機器が水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に、安定的に回復させることが可能となる。しかも回復には、大がかりな装置も必要とせず、真空チャンバ、水槽、加熱装置を利用し、行うことが可能となる。これにより、安定的にしかも安価に、浸水事故にあった電子機器が電気的に動作する正常状態に回復させることができるという効果がある。
本発明の実施形態に係る電子機器の回復装置を示す全体斜視図である。 図1の回復装置の開閉蓋をあけ、内部のチャンバ内に電子部品としての携帯電話を収容する状態を示す斜視図である。 回復装置の側面図である。 回復装置の側断面図である。 回復装置の制御系統を示す断面図である。 回復装置の表示パネルを示す正面図である。 回復装置の操作メニューのうち、レベル1のメニューに係る各回復プロセスを示すフローチャートである。 回復装置の操作メニューのうち、レベル2のメニューに係る各回復プロセスを示すフローチャートである。 回復装置の操作メニューのうち、レベル3のメニューに係る各回復プロセスを示すフローチャートである。 回復装置の操作メニューのうち、真空状態での加熱乾燥の結果を示す図である。 回復装置の操作メニューのうち、レベル1のメニューで加熱乾燥した結果を示す図である。 回復装置の操作メニューのうち、レベル2のメニューで加熱乾燥した結果を示す図である。 回復装置の操作メニューのうち、レベル3のメニューで加熱乾燥した結果を示す図である。 本発明の実施例に係る電子機器の回復装置の開閉蓋をあけ、内部のチャンバ内に電子部品としての携帯電話を収容する状態を示す斜視図である。 実施例に係る回復装置の側断面図である。
以下、本発明の実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1ないし図6は、本発明の実施形態に係る電子機器の回復装置に係り、例えば携帯電話機、電子手帳など比較的小型で、半導体基板を内蔵し、かつ液晶表示装置を装備した電子機器を正常に動作させるためのものである。すなわち、この電子機器の回復装置は、電子機器が水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水が付着する浸水事故にあった状態から、内蔵される半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるためのものとされる。
この電子機器の回復装置1は、図1に示すように全体立方体形状の箱形からなる筐体2を備え、その前面部に液晶表示装置からなる表示操作パネル3を備えてなる。筐体2は全体金属製からなり、回復装置1の筐体2の側面部には、主電源スイッチ4が備えられ、この主電源スイッチ4をON操作すると表示操作パネル3上に図6に示す操作画面が電光表示されることとなる。
表示操作パネル3上の操作画面に電光表示された開/閉スイッチ5を開操作(押圧操作)すると(図6参照)、図2に示すように回復装置1の筐体2の上面部に備えられる開閉蓋6がヒンジ7の部分を中心に矢印θ方向に開作動される。すなわち、この開閉蓋6を開けた筐体2の上面部内が電子機器を収容するためのチャンバ8とされ、チャンバ8は開閉蓋6を開作動することで内部に電子機器を収容可能とし、該収容状態で開閉蓋6を再び閉操作(開/閉スイッチ5を閉操作)することで電子機器をチャンバ8内に密閉状態で収容することが可能とされる。
ここで電子機器は、開閉蓋6の下面部に吊着状態で配設される籠状の収容部9に対し、図2の矢印に示すように収容可能とされ、実施形態では電子機器として半導体基板を内蔵し、液晶表示部を備えた携帯電話機10を収容部9に収容することとしている。もちろん回復装置1としては、この他電子手帳、携帯型音楽プレーヤー、電子辞書、デジタルカメラなど半導体基板を内蔵し、かつ液晶表示装置を装備した電子機器で、この収容部9に収容可能な大きさのものであれば、その使用が可能である。
図4および図5に示すように、開閉蓋6を閉めた状態においてチャンバ8内は密閉された空間を画成可能とされ、開閉蓋6を閉めた状態においてチャンバ8を構成するシンク部材11(水槽)の上方開口の周部には、開閉蓋6と接するOリング12が配設される(図5参照)。すなわち、チャンバ8は開閉蓋6を閉めた状態において、このOリング12の部分でその内部の気密状態、水密状態を保持され、外部と隔絶可能とされる。
また回復装置1の内部には、図4に示すように加熱装置としての遠赤外線ヒータ13が配設される。ヒータ13は、開閉蓋6の閉塞状態において、開閉蓋6の下面に配設される収容部9と対向する状態でシンク部材11(水槽)の内部に固定配置され、チャンバ8の内部全体を加熱状態にすることを可能としている。このヒータ13は、回復装置1の外部から供給される電源(不図示)により駆動可能とされ、該ヒータ13の駆動は図5に示すコントローラ30により制御される。
また回復装置1の内部には、図4に示すようにシンク部材11(水槽)の内部に洗浄水(真水)を供給し、貯溜するための給水口14が備えられる。すなわち、回復装置1の内部には、装置1の外部より洗浄水(真水)を装置1内に導水するための導水管路15が接続され、装置1の内部には導水弁16を介して外部から給水される洗浄水を、装置1内に一時貯留するための貯留タンク17が備えられる。さらに回復装置1の内部には、貯留タンク17に貯留された洗浄水(真水)を、給水管路18を介して給水口14に向けて供給するための洗浄水圧送ポンプP2と、給水弁20が備えられる。洗浄水圧送ポンプP2の駆動、並びに給水弁20の開閉操作は図5に示すコントローラ30により制御される。
また回復装置1の内部には、給水口14よりシンク部材11(水槽)の内部に供給され、貯溜された洗浄水(真水)を、装置1の外部に排水するための排水管路21が備えられ、シンク部材11(水槽)の底部には排水管路21に向けてシンク部材11(水槽)の内部に貯溜された洗浄水(真水)を排水するための排水口22が備えられる。また排水管路21中にはシンク部材11(水槽)の内部に貯溜された洗浄水(真水)を排水操作するための排水弁23が備えられ、該排水弁23の開閉操作についても図5に示すコントローラ30により制御される。
また回復装置1の内部には、図4に示すようにシンク部材11(水槽)上方の開閉蓋6を閉められ、チャンバ8内は密閉された状態において、該チャンバ8内を真空とし、内部を真空チャンバとしての空間とするための排気管路24が備えられる。すなわち、回復装置1の内部には、図4に示すように真空ポンプP1が配設され、該真空ポンプP1は排気管路24を介してチャンバ8内の空気を吸引してポンプ排気口26より排気可能とし、排気管路24には排気弁27が備えられる。また排気管路24のシンク部材11(水槽)側には、チャンバ8に臨む状態で排気口28が備えられる。すなわち、排気弁27が開操作され、真空ポンプP1が駆動すると、排気口28より密閉状態とされたチャンバ8より空気が排気されることとなる。するとシンク部材11の内部が真空状態となり、真空チャンバとして大気圧より減圧していくこととなる。ここで真空ポンプP1の駆動、並びに排気弁27の開閉操作についても図5に示すコントローラ30により制御される。また、洗浄水圧送ポンプP2や真空ポンプP1の駆動は、前記ヒータ13と同様に、回復装置1の外部から供給される電源(不図示)により駆動可能とされる。さらに導水弁16、給水弁20、排水弁23、排気弁27のそれぞれは電磁開閉弁とされ、その開閉駆動についても外部から供給される電源(不図示)により行われる。
さらに、回復装置1の内部のチャンバ8内には、図5に示すように上部水位センサ31,下部水位センサ32が配設されるとともに、チャンバ8内の真空度を計測する圧力センサ33と、チャンバ8内の温度を計測する温度センサ34が配設される。各センサ31,32,33,34の計測値についても、図5に示すコントローラ30に入力される。
コントローラ30にはタイマー35が接続され、該タイマー35はヒータ13によるチャンバ8内の加熱時間、真空ポンプP1の駆動により真空状態とされるチャンバ8内の減圧時間、水槽としてのシンク部材11の内部に洗浄水(真水)を供給して貯溜し、籠状の収容部9に収容される電子機器(携帯電話機10)を洗浄水(真水)に浸漬する時間、のそれぞれを計測するものとされる。
コントローラ30には、前記ヒータ13の駆動をONとし、上記チャンバ8内の温度を60℃から120℃の温度帯域で加熱調整可能とする加熱調製手段30Aが備えられる。この加熱調製手段30Aは、温度センサ34から入力され、チャンバ8内のヒータ13の近部の雰囲気温度を計測して、その温度をフィードバックしながらチャンバ8内の温度を60℃から120℃の温度帯域で加熱調整可能としている。また、コントローラ30には、チャンバ8内の真空状態を大気圧より減圧して10Kpa以上に設定調整可能とする真空度調整手段30Bが備えられる。この真空度調整手段30Bも、圧力センサ33から入力され、チャンバ8内の真空度を計測して、その真空度をフィードバックしながらチャンバ8内の真空状態を大気圧より減圧して10Kpa以上に調整可能としている。さらにコントローラ30には、加熱調製手段30Aによるチャンバ8内の加熱時間、真空度調整手段30Bによるチャンバ8内の減圧時間を設定調整可能とするためのタイマー設定手段30Cが備えられる。タイマー設定手段30Cは、タイマー36に対して上記加熱時間あるいは減圧時間を設定入力し、チャンバ8内の加熱あるいはチャンバ8内の減圧を実行する場合に、タイマー36から予め設定された時間の経過時間を入力し、コントローラ30はこれに基づき加熱時間と減圧時間の計測し、カウントするものとされる。
さらにコントローラ30には、チャンバ8のシンク部材11に洗浄水を供給して貯溜し、あるいはシンク部材11内に貯溜された洗浄水を排水するための給・排水調整手段30Dが備えられる。すなわち、この給・排水調整手段30Dは、給水モードの状態において給水弁20を開操作し、貯溜タンク17内の洗浄水を給水口14よりシンク部材11内に供給し、上部水位センサ31がその水位を感知するまでの間、洗浄水をシンク部材11に供給し続ける。その結果、閉塞状態にある開閉蓋6の下面に配設される収容部9において、収容される携帯電話機10を図4に示すようにシンク部材11の内部に浸漬することが可能となる。なお、この給水モードの状態において排水弁23は閉状態に操作される。
給・排水調整手段30Dは、排水モードの状態において給水弁23を開操作し、チャンバ8のシンク部材11に貯溜された洗浄水を排水口22から排水管路21へと排水し、回復装置1外へと排水することを可能にしている。すなわち、この給・排水調整手段30Dは、排水モードの状態において、下部水位センサ31がその水位を感知しなくなった後、しばらくの間(30〜60秒間)、排水弁33を開操作し続けることとし、その後排水弁33を閉操作することとしている。
なお、給・排水手段30Dは貯溜タンク17内の洗浄水の水位レベルについても不図示の水位センサにて感知することを可能とし、常時タンク17内が一定の水位を保持できるように導水弁16を開閉操作し、導水管路15を介して外部より洗浄水を装置1内に給水可能にしている。
次に、この電子機器の回復装置1を用い、電子機器としての携帯電話機10にあって、当該携帯電話機10に水に浸漬され、あるいは当該携帯電話機10に水が付着する浸水事故にあった状態から、携帯電話機10の半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させる方法を説明する。
回復装置1による電子機器(携帯電話機10)の回復は、図6に示す表示操作パネル3上の各タッチスイッチを押圧操作して実行され、回復方法としては各タッチスイッチをマニュアル設定して実行する方法と、予めコントローラ30内において設定されたオートメニューを各メニュースイッチを押圧操作して実行する方法とがある。
マニュアル設定は、上記コントローラ30における加熱調整手段30A、真空調整手段30B、タイマー設定手段30C、給・排水設定手段30Dの設定とその実行をマニュアル操作で行うものである。
マニュアル操作に際しては、予め主電源スイッチ4をONとして開閉蓋6を開操作し(開/閉スイッチ5の開操作)、収容部9内に携帯電話機10を収容させて開閉蓋6を開操作(開閉スイッチ5の閉操作)しておく。こうしてチャンバ8内に携帯電話機10を密閉状態で収容させた状態で、先ず真空調整手段30Bをマニュアル設定する場合、表示操作パネル3の上部右側に配設されるUPまたはDOWNするスイッチ36Aを操作し、目標とするチャンバ8内真空状態を設定調整する。スイッチ36Aの操作により調整される圧力は、表示操作パネル3の略中央上部の圧力表示部37に表示される。該表示された圧力をコントローラ30内の真空調整手段30Bにおいて設定する場合、スイッチ36Aの右側に表示されるSETスイッチ36Bを押圧操作して行うことが可能となる。
こうして各スイッチ36A、36Bの押圧操作(例えば圧力を10kpaとする場合、スイッチ36AをUPまたはDOWNに押圧し、圧力表示部37に10kpaの表示を行った後、SETスイッチ36Bを押圧操作)した状態において、チャンバ8内を該設定される真空状態(真空圧状態:10kpa)とする減圧時間を設定するため、表示操作パネル3の下部右側に配設されるUPまたはDOWNするスイッチ38Aを操作する。これにより目標とするチャンバ8内の減圧時間(例えば35秒)をUPまたはDOWNするスイッチ38Aの押圧操作により調整することが可能となる。スイッチ38Aの操作により調整される減圧時間は、表示操作パネル3の略中央下部の時間表示部39に表示される。該表示された圧力をコントローラ30内のタイマー設定手段30Cにおいて設定する場合、スイッチ38Aの右側に表示されるSETスイッチ38Bを押圧操作して行うことが可能となる。
このようにして、チャンバ8内の目標真空度とその減圧時間をマニュアル設定させた状態において、その設定を実行操作させる場合、表示操作パネル3の略中央の下部における実行スイッチ40を押圧操作する。するとコントローラ30が真空度調整手段30Bでマニュアル設定された圧力(10kpa)、並びにタイマー設定手段30Cでマニュアル設定された減圧時間(35秒)において、チャンバ8内を真空状態に減圧させることが可能となり、チャンバ8内の収容部9に収容される携帯電話機10を、大気圧より減圧して真空状態で乾燥することが可能となる。
次に、チャンバ8内に携帯電話機10を密閉状態で収容し、加熱調整手段30Aをマニュアル設定する場合を説明する。先ず設定のための調整は、表示操作パネル3のスイッチ36Aと38Aの間に配設されるUPまたはDOWNするスイッチ41Aを押圧操作し、目標とするチャンバ8内の温度状態(加熱状態)を設定調整する。スイッチ41Aの操作により調整される温度は、表示操作パネル3の略中央で、圧力表示部37と時間表示部39の間において温度表示部42として表示される。該温度表示部42に表示された圧力をコントローラ30内の加熱調整手段30Aにおいて設定する場合、スイッチ41Aの右側に表示されるSETスイッチ41Bを押圧操作して行うことが可能となる。
こうして各スイッチ41A、41Bの押圧操作(例えば温度を120℃とする場合、スイッチ41AをUPまたはDOWNに押圧し、温度表示部42に120℃の表示を行った後、SETスイッチ41Bを押圧操作)した状態において、チャンバ8内を該設定する温度状態(温度状態:120℃)とする加熱時間を設定するため、上記UPまたはDOWNするスイッチ38Aを押圧操作する。これにより目標とするチャンバ8内の加熱時間(例えば2分)をUPまたはDOWNするスイッチ38Aの押圧操作により調整することが可能となる。スイッチ38Aの操作により調整される加熱時間は、時間表示部39において表示され、該表示された加熱時間をコントローラ30内のタイマー設定手段30Cにおいて設定する場合、SETスイッチ38Bを押圧操作して行うことが可能となる。
このようにして、チャンバ8内の目標温度状態とその加熱時間をマニュアル設定させた状態において、その設定を実行させる場合、上記実行スイッチ40を押圧操作する。するとコントローラ30が、加熱調整手段30Aでマニュアル設定された温度(120℃)、並びにタイマー設定手段30Cでマニュアル設定された加熱時間(例えば2分)において、チャンバ8内をヒータ13による加熱温度状態に調整することが可能となり、チャンバ8内の収容部9に収容される携帯電話機10を加熱状態で乾燥することが可能となる。
なお、チャンバ8内に携帯電話機10を密閉状態で収容させ、チャンバ8内をコントローラ30の真空度調整手段30Bで目標とする真空度を設定し、かつ加熱調整手段30Aで目標とするチャンバ8内の温度状態を設定し、これら目標とする真空度と温度状態において、減圧時間と加熱時間を設定する場合は、先ず上記スイッチ36AとSETスイッチ36Bの押圧操作で真空度を設定し、次いで上記スイッチ41AとSETスイッチ41Bの押圧操作で加熱温度状態を設定する。その後、スイッチ38AとSETスイッチ38Bを押圧操作し、チャンバ8内における真空状態での加熱乾燥時間を設定することが可能となる。こうしてコントローラ30の加熱調整手段30A、真空度調整手段30B、タイマー設定手段30Cで、それぞれ目標真空度、目標温度状態、減圧時間、加熱時間がそれぞれ設定されることとなる。こうして設定された状態を実行させる場合、実行スイッチ40を押圧操作する。この結果、コントローラ30が加熱調整手段30Aでマニュアル設定された温度(例えば120℃)、真空度調整手段30Bでマニュアル設定された圧力(例えば10kpa)、並びにタイマー設定手段30Cでマニュアル設定された減圧および加熱時間(例えば2分30秒)においてチャンバ8内を真空状態に減圧し、かつヒータ13で加熱することが可能となり、チャンバ8内の収容部9に収容される携帯電話機10を真空状態で加熱乾燥することが可能となる。
さらにチャンバ8内に携帯電話機10を密閉状態で収容させ、コントローラ30の給・排水調整手段30Dをマニュアル設定する場合について説明する。チャンバ8内のシンク部材11に洗浄水を供給し、該シンク部材11内に洗浄水を貯溜させて、収容部9内の携帯電話機10を洗浄水に浸漬させる場合、表示操作パネル3上の水注入スイッチ43を押圧操作する。するとコントローラ30の給・排水調整手段30Dが給水モードとなり、給水弁20が開操作されて給水口14より洗浄水がシンク部材11内に供給される。ここで洗浄水は、携帯電話機10が浸漬されるまでの水位レベルまで供給されることになる。一方、シンク部材11に貯溜された洗浄水を排水する場合においては、表示操作パネル3上のドレインスイッチ44を押圧操作する。するとコントローラ30の給・排水調整手段30D排水モードとなり、排水弁33が開操作されてシンク部材11に貯溜された洗浄水を排水口22から排水することが可能となる。
チャンバ8内において、上記のように携帯電話機10を密閉状態で収容させ、上記給・排水調整手段30Dによりシンク部材11に洗浄水を供給して携帯電話機10をシンク部材11内で洗浄水に浸漬させた後において、上記のようにコントローラ30の加熱調整手段30A、真空調整手段30B、タイマー設定手段30Cをそれぞれマニュアル操作で設定し、チャンバ8内で洗浄水に浸漬される携帯電話機10を、加熱状態、あるいは真空状態、さらに一定の加熱真空状態で収容し、この状態で設定される加熱時間あるいは減圧時間の間、収容される携帯電話機10を加熱あるいは減圧させることも可能となる。
特に、チャンバ8内において携帯電話機10を密閉状態で収容させ、しかもシンク部材11の内部において洗浄水を貯溜して、携帯電話機10を洗浄水に浸漬させた状態で真空ポンプP1を駆動させると、シンク部材11の内部において貯溜される洗浄水が沸騰状態となり、携帯電話機10は収容部9内で沸騰洗浄されることとなる。しかもチャンバ8内に貯溜される洗浄水は、真空ポンプP1の駆動によって排気口22から排気管路24を介して外部へ蒸発(真空蒸発)されて排気あるいは排水されることとなり、シンク部材11に貯溜されていた洗浄水は短時間でシンク部材11からなくなることとなる。こうした洗浄水による沸騰洗浄は、ヒータ13により携帯電話機10を加熱することでより効率的に行われることとなる。すなわち、この状態において携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板に付着されたナトリウム分や微細なゴミに関しても、上記のような加熱による沸騰洗浄により、速やかに除去することが可能になるものと推測され、洗浄を行った水は上記のように蒸発(真空蒸発)する状態で、取り除かれたナトリウム分、ミネラル、微細なゴミとともに排気口22より排気あるいは排水されることとなる。これにより、ヒータ13による加熱と相俟って、収容部9内に収容される携帯電話機10を加熱状態で乾燥させることが可能となる。
上記のように、チャンバ8内に収容される携帯電話機10は、表示操作パネル3上の各スイッチ36A、36B、38A、38B、41A、41B、40、43、44をマニュアル操作することで回復可能とされる他、同じ表示操作パネル3上の左側に配置されるオートメニューに係る各スイッチを選択状態で押圧操作することによっても回復可能とされ、先ずオートメニューのうち、加熱乾燥スイッチ45を押圧操作し、チャンバ8内に収容される携帯電話機10を加熱乾燥するプロセスを次に説明する。
この加熱乾燥プロセスは、例えば携帯電話機10等の電子機器に水道水(真水)が付着したり、手洗場の水道水に携帯電話機10を僅かな時間(例えば10秒程度)、落下させた場合など、比較的軽度な浸水事故にあった携帯電話機10の半導体基板や液晶装置等を、電気的に動作する正常状態に回復させるための回復装置1の駆動制御メニュー(請求項1に対応する方法)とされる。
すなわち、この程度の浸水事故であればチャンバ18のシンク部材11内に洗浄水を供給させる必要がなく、給・排水調整手段30Dを駆動させずに電子機器を動作回復することが可能とされる。この加熱乾燥プロセスにおいては、浸水事故にあった携帯電話機10を上記のようにチャンバ8の収容部9に密閉収容し、この状態で加熱乾燥スイッチ45が押圧操作すると、次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10の乾燥工程が実行されて、その機能回復が可能となる。
(1)動作1
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(2)動作2
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧から減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(3)動作3
上記動作1の温度状態、上記動作2の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を10分以上に設定する。
(4)動作4
上記動作1ないし動作3の設定状態を実行し、チャンバ8を所定時間、加熱し、減圧してチャンバ8内に収容される携帯電話機10を加熱乾燥する。
こうした前記実施形態に係る回復装置1乾燥工程を経て加熱乾燥された電子機器(携帯電話機10)の回復状態については、図10に示されるところである。この実験結果は、携帯電話機10を水道水からなる水質の水に20秒間落下させ、これを取り出し上記乾燥工程でその機能回復を行ったもののデータである。実験は庫内温度(チャンバ内温度:加熱状態)を60℃から80℃の間で変化させるとともに、真空乾燥の時間(加熱および減圧時間)を45℃から10分の間で変化させて行った。また真空状態についても5kpaと10kpaの2通りで変化させ、18のサンプルデータについて、上記乾燥工程で真空加熱乾燥させた状態の携帯電話機10の動作を確認して行った。なお、真空ポンプP1の排気速度は60l/min(50HZ)とした。その結果、いずれの携帯電話機10のサンプルについても図10の「結果」が示すように、電気的に正常に動作される結果が示されたところである。すなわち、この実験結果から、携帯電話機10に水が付着されたり、また僅かな時間、水道水や井戸水等に浸漬された程度の電子機器であれば、上記加熱乾燥スイッチ45の操作による上記各動作(動作1〜動作4の実行)で、十分その機能が回復できることが証明された。ちなみにチャンバ8内を例えば120℃以上に加熱した場合、電子機器としての携帯電話機10の合成樹脂部分やゴムシール部分に変形等が生じることとなり、電子機器としての動作の回復が可能となったものの、その後の操作状態や防水性に不都合が生じることとなったため加熱状態の温度は120℃以下とするのが望ましい。
次に表示操作パネル3上のオートメニューのうち、レベル1スイッチ46を押圧操作し、チャンバ8内に収容される携帯電話機10を図7に示す真空洗浄工程(ステップ1)と加熱乾燥工程(ステップ2)、を経て加熱乾燥するプロセスのメニュー(レベル1のメニュー)を説明する。
この加熱乾燥プロセスは、例えば携帯電話機10等の電子機器の液晶表示装置に水道水(真水)が付着したり、手洗場の水道水(真水)に携帯電話機10が相当な時間(例えば2〜3分)浸漬されたり、さらに携帯電話機10が海水(塩水)の中に僅かな時間(10〜30秒程度)落下させた程度の浸水事故があった場合、その機能を回復させるためのものとされる。すなわち、この回復装置1の駆動制御メニュー(請求項2に対応する方法)は、こうした浸水事故があった場合の電子機器において、内蔵する半導体基板や液晶表示装置等が電気的に動作する正常状態に回復するためのものとされる。
先ず図7に示すステップ1の真空洗浄工程においては、上記浸水事故にあった携帯電話機10を上記のようにチャンバ8の収容部9に密閉収容し、この状態でレベル1スイッチ46が押圧されると次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10を真空洗浄する真空洗浄工程が実行される(ステップ1:図7参照)。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが給水モードとなり、給水弁20が開操作されて給水口14より洗浄水が、シンク部材11内に供給される。ここで洗浄水は携帯電話機10が浸漬されるまでの水位レベルまで供給される。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記動作3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を20秒から80秒間に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間、加熱し、減圧する。この結果、チャンバ8内において動作1で洗浄水によって浸漬された携帯電話機10が、上記設定時間(20秒〜80秒)の間、沸騰洗浄されることとなる。
こうしたステップ1の真空洗浄工程においては、携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板に付着されたナトリウム分や微細なゴミに関しても、上記のようなヒータ13の加熱と、真空ポンプP1の駆動によるチャンバ8内の減圧によって生じる沸騰洗浄によって速やかに除去されるものと推測される。洗浄を行った水は、沸騰による蒸発(真空蒸発)によって、取り除かれたナトリウム分、ミネラル、微細なゴミとともに排気口22より排気あるいは排水することが可能となる。
上記ステップ1の真空洗浄工程において真空洗浄された携帯電話機10は、次に図7のステップ2に示す加熱乾燥工程で加熱乾燥されることとなり、この工程では次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10の加熱乾燥が実行されて、その機能が回復可能となる。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが排水モードとなり、排水弁23が開操作されて排水口22よりシンク部材11内に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させる。なお、ここで上記ステップ1で沸騰洗浄させた携帯電話機10に関しては、一度開閉蓋6を開けて収容部9から取り出し、ある程度自然乾燥させたものを再び収容部9に収容して開閉蓋6を閉め、チャンバ8内に収容させることとしてもよいが、実施形態では開閉蓋6を開けることなく、収容部9内にそのままの状態にして、チャンバ8に収容している。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を25分以上に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間加熱し、減圧する。
こうしたステップ2の加熱乾燥工程においては、携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板等に付着された水分が加熱蒸発や真空蒸発によって除去されるものと推測され、このステップ2を経ることによって加熱乾燥された携帯電話機10は、電気的に動作する正常状態に回復されることとなる。
こうした各ステップ1、2を経て加熱乾燥された電子機器(携帯電話機10)の回復状態については、図11に示されるところである。この実験結果は、携帯電話機10を水道水からなる水質の水に2〜3分程度浸漬させたものと、携帯電話機10塩水の中に20秒程度浸漬させものを使用し、上記ステップ1の真空洗浄工程および上記ステップ2の加熱乾燥工程を経てその機能回復を行ったもののデータである。実験は庫内温度(チャンバ内温度:加熱状態)を80℃とし、ステップ1の真空洗浄工程での沸騰洗浄の時間を1分間とし、その後シンク部材11に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させ(水抜)、ステップ2の真空状態での加熱乾燥時間(加熱および減圧時間)を25分、30分、35分と変化させて行った。また真空状態についても5kpaと10kpaの2通りで変化させ、水道水に浸漬したものについて9サンプル、塩水に浸漬したものについて6サンプルについて、ステップ1(真空洗浄工程)およびステップ2(加熱乾燥工程)を経て、真空加熱乾燥させた後の携帯電話機10の動作を確認して行った。なお、真空ポンプP1の排気速度は60l/min(50HZ)とした。その結果、いずれの携帯電話機10のサンプルについても図11の「結果」が示すように、電気的に正常に動作される結果が示されたところである。すなわち、この実験結果から、携帯電話機10が2〜3分、水道水や井戸水等に浸漬された程度、携帯電話機10が20〜30秒、海水等に浸漬された程度、の電子機器であれば、上記レベル1スイッチ46の操作による上記ステップ1,2の各動作(ステップ1における動作1〜動作5、ステップ2の動作1〜動作5、に示す各動作の実行)で、十分その機能が回復できることが証明された。ちなみにチャンバ8内を例えば120℃以上に加熱した場合、電子機器としての携帯電話機10の合成樹脂部分やゴムシール部分に変形等が生じることとなり、電子機器としての動作の回復が可能となったものの、その後の操作状態や防水性に不都合が生じることとなったため加熱状態の温度は120℃以下とするのが望ましい。
次に表示操作パネル3上のオートメニューのうち、レベル2スイッチ47を押圧操作し、チャンバ8内に収容される携帯電話機10を図8に示す第1次真空洗浄工程(ステップ1)、第1次加熱乾燥工程(ステップ2)、第2次真空洗浄工程(ステップ3)、第2次加熱乾燥工程(ステップ4)、を経て加熱乾燥するプロセスのメニュー(レベル2のメニュー)を説明する。
この加熱乾燥プロセスは、例えば携帯電話機10等の電子機器を水道水(真水)に相当長い時間(例えば15〜20分程度)浸漬されたり、さらに携帯電話機10が海水(塩水)の中に2〜3分程度落下させた程度の浸水事故があった場合、その機能を回復させるためのものとされる。すなわち、この回復装置1の駆動制御メニュー(請求項3に対応する方法)は、こうした浸水事故があった場合の電子機器において、内蔵する半導体基板や液晶表示装置等が電気的に動作する正常状態に回復するためのものとされる。
先ず図8に示すステップ1の第1次真空洗浄工程においては、上記浸水事故にあった携帯電話機10を上記のようにチャンバ8の収容部9に密閉収容し、この状態でレベル2スイッチ47が押圧されると次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10を真空洗浄する第1真空洗浄工程が実行される(ステップ1:図8参照)。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが給水モードとなり、給水弁20が開操作されて給水口14より洗浄水が、シンク部材11内に供給される。ここで洗浄水は携帯電話機10が浸漬されるまでの水位レベルまで供給される。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記動作3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を20秒から80秒の範囲に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間、加熱し、減圧する。この結果、チャンバ8内において動作1で洗浄水によって浸漬された携帯電話機10が、上記設定時間(20秒〜80秒)の間、沸騰洗浄されることとなる。
こうしたステップ1の第1次真空洗浄工程においては、携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板に付着されたナトリウム分や微細なゴミに関しても、上記のようなヒータ13の加熱と、真空ポンプP1の駆動によるチャンバ8内の減圧によって生じる沸騰洗浄によって概ね除去されるものと推測される。洗浄を行った水は、沸騰による蒸発(真空蒸発)によって、取り除かれたナトリウム分、ミネラル、微細なゴミとともに排気口22より排気あるいは排水することが可能となる。
上記ステップ1の第1次真空洗浄工程において真空洗浄された携帯電話機10は、次に図8のステップ2に示す第1次加熱乾燥工程で加熱乾燥されることとなり、この工程では次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10の加熱乾燥が実行されることとなる。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが排水モードとなり、排水弁23が開操作されて排水口22よりシンク部材11内に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させる。なお、ここで上記ステップ1において沸騰洗浄させた携帯電話機10に関しては、一度開閉蓋6を開けて収容部9から取り出し、ある程度自然乾燥させたものを再び収容部9に収容して開閉蓋6を閉め、チャンバ8内に収容させることとしてもよいが、実施形態では開閉蓋6を開けることなく、収容部9内にそのままの状態にして、チャンバ8に収容している。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を180秒以上(180〜5分程度)に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間加熱し、減圧する。
こうしたステップ1の第1次真空洗浄工程、ステップ2の第1次加熱乾燥工程を経て洗浄され、乾燥された携帯電話機10は、その内部の半導体基板や液晶表示装置の基板等において付着されたナトリウム、微細なゴミなどが概ね除去されたものと推測されるが、これら各ステップを経ただけの洗浄では不十分とされるため、続いて図8のステップ3で示す第2次真空洗浄工程、ステップ4で示す第2次加熱乾燥工程を経た洗浄・乾燥が繰り返される。実施形態において、携帯電話機10はチャンバ8に収容したままの状態で第1次加熱乾燥工程から第2次真空洗浄工程に移行されることとなる。
図8に示すステップ3の第2次真空洗浄工程においては、上記第1次加熱乾燥工程で乾燥された携帯電話機10について、第1次真空洗浄工程と同様の順序で下記に示す動作が実行される。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが給水モードとなり、給水弁20が開操作されて給水口14より洗浄水が、シンク部材11内に供給される。ここで洗浄水は携帯電話機10が浸漬されるまでの水位レベルまで供給される。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記動作3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を20秒から80秒の範囲に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間、加熱し、減圧する。この結果、チャンバ8内において動作1で洗浄水によって浸漬された携帯電話機10が、上記設定時間(20秒〜80秒)の間、沸騰洗浄されることとなる。
こうしたステップ3の第2次真空洗浄工程においては、携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板に付着されたナトリウム分や微細なゴミに関し、上記のようなヒータ13の加熱と、真空ポンプP1の駆動によるチャンバ8内の減圧によって生じる沸騰洗浄によって、第1次真空洗浄工程と相俟って、より念入りに除去することができるものと推測される。洗浄を行った水は、沸騰による蒸発(真空蒸発)によって、取り除かれたナトリウム分、ミネラル、微細なゴミとともに排気口22より排気あるいは排水することが可能となる。
上記ステップ3の第2次真空洗浄工程において真空洗浄された携帯電話機10は、続いて図8のステップ4に示す第2次加熱乾燥工程で加熱乾燥されることとなり、この工程では次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10の加熱乾燥が実行されることとなる。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが排水モードとなり、排水弁23が開操作されて排水口22よりシンク部材11内に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させる。なお、ここで上記ステップ3において沸騰洗浄させた携帯電話機10に関しては、一度開閉蓋6を開けて収容部9から取り出し、ある程度自然乾燥させたものを再び収容部9に収容して開閉蓋6を閉め、チャンバ8内に収容させることとしてもよいが、実施形態では開閉蓋6を開けることなく、収容部9内にそのままの状態にして、チャンバ8に収容している。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を45分以上(45〜60分程度)に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間加熱し、減圧する。
こうして第2次加熱乾燥工程を経て加熱乾燥された携帯電話機10においては、内部の半導体基板や液晶表示装置の基板等に付着された水分が加熱蒸発や真空蒸発によって除去されるものと推測され、このステップ1〜4を経て洗浄し、加熱乾燥された携帯電話機10については、電気的に動作する正常状態に回復させることが可能となる。
こうした各ステップ1〜4を経て加熱乾燥された電子機器(携帯電話機10)の回復状態については、図12に示されるところである。この実験結果は、

携帯電話機10を水道水(真水)に相当長い時間(15〜20分程度)浸漬させたものと、携帯電話機10を海水(塩水)に2〜3分程度浸漬させたものを使用し、上記ステップ1〜ステップ4を経てその機能回復を行ったもののデータである。実験は庫内温度(チャンバ内温度:加熱状態)を80℃とし、ステップ1の第1次真空洗浄工程での沸騰洗浄の時間を1分間とし、その後シンク部材11に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させ(水抜)、ステップ2の真空状態での加熱乾燥時間(加熱および減圧時間)を3分として真空乾燥(真空加熱乾燥)を行った。またステップ3ではシンク部材11に給水した上、第2次真空洗浄工程での沸騰洗浄の時間を1分間とし、その後シンク部材11に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させ(水抜)、ステップ4の真空状態での加熱乾燥時間(加熱および減圧時間)を45分として携帯電話機10の真空乾燥(真空加熱乾燥)を行った。また真空状態についても5kpaと10kpaの2通りで変化させ、水道水に浸漬したものについての7サンプル、塩水に浸漬したものについて7サンプルについて、それぞれ真空加熱乾燥させた後の携帯電話機10の動作確認を行った。なお、真空ポンプP1の排気速度は60l/min(50HZ)とした。その結果、いずれの携帯電話機10のサンプルについても図12の「結果」が示すように、電気的に正常に動作される結果が示されたところである。すなわち、この実験結果から、携帯電話機10が15〜20分、水道水や井戸水等に浸漬された程度、携帯電話機10が2〜3分、海水等に浸漬された程度、の電子機器であれば、上記レベル2スイッチ47の操作による上記ステップ1〜4の各動作(ステップ1における動作1〜動作5、ステップ2の動作1〜動作5、ステップ3における動作1〜動作5、ステップ4の動作1〜動作5に示す各動作の実行)で、十分その機能が回復できることが証明された。ちなみにチャンバ8内を例えば120℃以上に加熱した場合、電子機器としての携帯電話機10の合成樹脂部分やゴムシール部分に変形等が生じることとなり、電子機器としての動作の回復が可能となったものの、その後の操作状態や防水性に不都合が生じることとなったため加熱状態の温度は120℃以下とするのが望ましい。
次に表示操作パネル3上のオートメニューのうち、レベル3スイッチ48を押圧操作し、チャンバ8内に収容される携帯電話機10を図9に示す第1次真空洗浄工程(ステップ1)、第1次加熱乾燥工程(ステップ2)、第2次真空洗浄工程(ステップ3)、第2次加熱乾燥工程(ステップ4)、第3次真空洗浄工程(ステップ5)、第3次加熱乾燥工程(ステップ6)、を経て加熱乾燥するプロセスのメニュー(レベル3のメニュー)を説明する。
この加熱乾燥プロセスは、例えば携帯電話機10等の電子機器を水道水(真水)に相当長い時間(例えば40〜60分程度)浸漬されたり、さらに携帯電話機10が海水(塩水)の中に10〜30分程度落下させた程度の浸水事故があった場合、その機能を回復させるためのものとされる。すなわち、この回復装置1の駆動制御メニュー(請求項4に対応する方法)は、こうした浸水事故があった場合の電子機器において、内蔵する半導体基板や液晶表示装置等が電気的に動作する正常状態に回復するためのものとされる。
先ず図9に示すステップ1の第1次真空洗浄工程においては、上記浸水事故にあった携帯電話機10を上記のようにチャンバ8の収容部9に密閉収容し、この状態でレベル2スイッチ48が押圧されると次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10を真空洗浄する第1真空洗浄工程が実行される(ステップ1:図9参照)。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが給水モードとなり、給水弁20が開操作されて給水口14より洗浄水が、シンク部材11内に供給される。ここで洗浄水は携帯電話機10が浸漬されるまでの水位レベルまで供給される。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記動作3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を20秒から80秒の範囲に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間、加熱し、減圧する。この結果、チャンバ8内において動作1で洗浄水によって浸漬された携帯電話機10が、上記設定時間(20秒〜80秒)の間、沸騰洗浄されることとなる。
こうしたステップ1の第1次真空洗浄工程においては、携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板に付着されたナトリウム分や微細なゴミに関しても、上記のようなヒータ13の加熱と、真空ポンプP1の駆動によるチャンバ8内の減圧によって生じる沸騰洗浄によって大まかに除去されるものと推測される。洗浄を行った水は、沸騰による蒸発(真空蒸発)によって、取り除かれたナトリウム分、ミネラル、微細なゴミとともに排気口22より排気あるいは排水することが可能となる。
上記ステップ1の第1次真空洗浄工程において真空洗浄された携帯電話機10は、次に図9のステップ2に示す第1次加熱乾燥工程で加熱乾燥されることとなり、この工程では次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10の加熱乾燥が実行されることとなる。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが排水モードとなり、排水弁23が開操作されて排水口22よりシンク部材11内に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させる。なお、ここで上記ステップ1において沸騰洗浄させた携帯電話機10に関しては、一度開閉蓋6を開けて収容部9から取り出し、ある程度自然乾燥させたものを再び収容部9に収容して開閉蓋6を閉め、チャンバ8内に収容させることとしてもよいが、実施形態では開閉蓋6を開けることなく、収容部9内にそのままの状態にして、チャンバ8に収容している。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を180秒以上(180〜5分程度)に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間加熱し、減圧する。
こうしたステップ1の第1次真空洗浄工程、ステップ2の第1次加熱乾燥工程を経て洗浄され、乾燥された携帯電話機10は、その内部の半導体基板や液晶表示装置の基板等において付着されたナトリウム、微細なゴミなどが大まかに除去されたものと推測されるが、これら各ステップを経ただけの洗浄では不十分とされるため、続いて図9のステップ3で示す第2次真空洗浄工程、ステップ4で示す第2次加熱乾燥工程を経た洗浄・乾燥が繰り返される。実施形態において、携帯電話機10はチャンバ8に収容したままの状態で第1次加熱乾燥工程から第2次真空洗浄工程に移行されることとなる。
図9に示すステップ3の第2次真空洗浄工程においては、上記第1次加熱乾燥工程で乾燥された携帯電話機10について、第1次真空洗浄工程と同様の順序で下記に示す動作が実行される。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが給水モードとなり、給水弁20が開操作されて給水口14より洗浄水が、シンク部材11内に供給される。ここで洗浄水は携帯電話機10が浸漬されるまでの水位レベルまで供給される。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記動作3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を20秒から80秒の範囲に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間、加熱し、減圧する。この結果、チャンバ8内において動作1で洗浄水によって浸漬された携帯電話機10が、上記設定時間(20秒〜80秒)の間、沸騰洗浄されることとなる。
こうしたステップ3の第2次真空洗浄工程においては、携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板に付着されたナトリウム分や微細なゴミに関し、上記のようなヒータ13の加熱と、真空ポンプP1の駆動によるチャンバ8内の減圧によって生じる沸騰洗浄によって、第1次真空洗浄工程と相俟って、概ね除去することができるものと推測される。洗浄を行った水は、沸騰による蒸発(真空蒸発)によって、取り除かれたナトリウム分、ミネラル、微細なゴミとともに排気口22より排気あるいは排水することが可能となる。
上記ステップ3の第2次真空洗浄工程において真空洗浄された携帯電話機10は、続いて図9のステップ4に示す第2次加熱乾燥工程で加熱乾燥されることとなり、この工程では次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10の加熱乾燥が実行されることとなる。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが排水モードとなり、排水弁23が開操作されて排水口22よりシンク部材11内に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させる。なお、ここで上記ステップ3において沸騰洗浄させた携帯電話機10に関しては、一度開閉蓋6を開けて収容部9から取り出し、ある程度自然乾燥させたものを再び収容部9に収容して開閉蓋6を閉め、チャンバ8内に収容させることとしてもよいが、実施形態では開閉蓋6を開けることなく、収容部9内にそのままの状態にして、チャンバ8に収容している。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を45分以上(45〜60分程度)に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間加熱し、減圧する。
こうしたステップ1の第1次真空洗浄工程、ステップ2の第1次加熱乾燥工程、ステップ3の第2次真空洗浄工程、ステップ4の第2次加熱乾燥工程を経て洗浄され、乾燥された携帯電話機10は、その内部の半導体基板や液晶表示装置の基板等において付着されたナトリウム、微細なゴミなどが概ね除去されたものと推測されるが、これら各ステップを経ただけの洗浄では不十分とされるため、続いて図9のステップ5で示す第3次真空洗浄工程、ステップ6で示す第3次加熱乾燥工程を経た洗浄・乾燥が繰り返される。実施形態において、携帯電話機10はチャンバ8に収容したままの状態で第2次加熱乾燥工程から第3次真空洗浄工程に移行されることとなる。
図9に示すステップ5の第3次真空洗浄工程においては、上記第2次加熱乾燥工程で乾燥された携帯電話機10について、第1次真空洗浄工程や第2次真空洗浄工程と同様の順序で下記に示す動作が実行される。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが給水モードとなり、給水弁20が開操作されて給水口14より洗浄水が、シンク部材11内に供給される。ここで洗浄水は携帯電話機10が浸漬されるまでの水位レベルまで供給される。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記動作3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を20秒から80秒の範囲に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間、加熱し、減圧する。この結果、チャンバ8内において動作1で洗浄水によって浸漬された携帯電話機10が、上記設定時間(20秒〜80秒)の間、沸騰洗浄されることとなる。
こうしたステップ5の第3次真空洗浄工程においては、携帯電話機10の内部の半導体基板や液晶表示装置の基板に付着されたナトリウム分や微細なゴミに関し、上記のようなヒータ13の加熱と、真空ポンプP1の駆動によるチャンバ8内の減圧によって生じる沸騰洗浄によって、第1次真空洗浄工程、第2次真空洗浄工程と相俟って、念入りに除去することができるものと推測される。洗浄を行った水は、沸騰による蒸発(真空蒸発)によって、取り除かれたナトリウム分、ミネラル、微細なゴミとともに排気口22より排気あるいは排水することが可能となる。
上記ステップ5の第3次真空洗浄工程において真空洗浄された携帯電話機10は、続いて図9のステップ6に示す第3次加熱乾燥工程で加熱乾燥されることとなり、この工程では次の各状態でコントローラ30が動作され、電子機器としての携帯電話機10の加熱乾燥が実行されることとなる。
(1)動作1
コントローラ30の給・排水調整手段30Dが排水モードとなり、排水弁23が開操作されて排水口22よりシンク部材11内に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させる。なお、ここで上記ステップ3において沸騰洗浄させた携帯電話機10に関しては、一度開閉蓋6を開けて収容部9から取り出し、ある程度自然乾燥させたものを再び収容部9に収容して開閉蓋6を閉め、チャンバ8内に収容させることとしてもよいが、実施形態では開閉蓋6を開けることなく、収容部9内にそのままの状態にして、チャンバ8に収容している。
(2)動作2
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(3)動作3
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧より減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(4)動作4
上記動作2の温度状態、上記3の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を60分以上(60〜90分程度)に設定する。
(5)動作5
上記動作2ないし動作4の設定状態を実行し、チャンバ8内を所定時間加熱し、減圧する。
こうして第3次加熱乾燥工程を経て加熱乾燥された携帯電話機10においては、内部の半導体基板や液晶表示装置の基板等に付着された水分が加熱蒸発や真空蒸発によってほぼ完全に除去されるものと推測され、このステップ1〜6を経て洗浄し、加熱乾燥された携帯電話機10については、電気的に動作する正常状態に回復させることが可能となる。
こうした各ステップ1〜6を経て加熱乾燥された電子機器(携帯電話機10)の回復状態については、図13に示されるところである。この実験結果は、
携帯電話機10を水道水(真水)に相当長い時間(40〜60分程度)浸漬させたものと、携帯電話機10を海水(塩水)に10〜30分程度浸漬させたものを使用し、上記ステップ1〜ステップ6を経てその機能回復を行ったもののデータである。実験は庫内温度(チャンバ内温度:加熱状態)を80℃とし、ステップ1の第1次真空洗浄工程での沸騰洗浄の時間を1分間とし、その後シンク部材11に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させ(水抜)、ステップ2の真空状態での第1次加熱乾燥工程での加熱乾燥時間(加熱および減圧時間)を3分として真空乾燥(真空加熱乾燥)を行った。またステップ3ではシンク部材11に給水した上、第2次真空洗浄工程での沸騰洗浄の時間を1分間とし、その後シンク部材11に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させ(水抜)、ステップ4の真空状態での第2次加熱乾燥工程の加熱乾燥時間(加熱および減圧時間)を3分間として携帯電話機10の真空乾燥(真空加熱乾燥)を行った。さらにステップ4ではシンク部材11に給水した上、第3次真空洗浄工程での沸騰洗浄の時間を1分間とし、その後シンク部材11に残溜された洗浄水をシンク部材11から排水させ(水抜)、ステップ6の真空状態での第3次加熱乾燥工程の加熱乾燥時間(加熱および減圧時間)を60分間として携帯電話機10の真空乾燥(真空加熱乾燥)を行った。また真空状態についても5kpaと10kpaの2通りで変化させ、水道水に浸漬したものについての5サンプル、塩水に浸漬したものについて5サンプルについて、それぞれ真空加熱乾燥させた後の携帯電話機10の動作確認を行った。なお、真空ポンプP1の排気速度は60l/min(50HZ)とした。その結果、いずれの携帯電話機10のサンプルについても図13の「結果」が示すように、電気的に正常に動作される結果が示されたところである。すなわち、この実験結果から、携帯電話機10が40〜60分、水道水や井戸水等に浸漬された程度、携帯電話機10が10〜30分、海水等に浸漬された程度、の電子機器であれば、上記レベル3スイッチ48の操作による上記ステップ1〜6の各動作(ステップ1における動作1〜動作5、ステップ2の動作1〜動作5、ステップ3における動作1〜動作5、ステップ4の動作1〜動作5、ステップ5における動作1〜動作5、ステップ6の動作1〜動作5に示す各動作の実行)で、十分その機能が回復できることが証明された。ちなみにチャンバ8内を例えば120℃以上に加熱した場合、電子機器としての携帯電話機10の合成樹脂部分やゴムシール部分に変形等が生じることとなり、電子機器としての動作の回復が可能となったものの、その後の操作状態や防水性に不都合が生じることとなったため加熱状態の温度は120℃以下とするのが望ましい。
上記のように、上記実施形態に係る電子機器の回復装置1によれば、表示操作パネル3のUP/DOWNスイッチ36A,38A,41AやSETスイッチ36B,38B,41Bの選択的にマニュアル操作し、浸水事故にあった電子機器の回復を行うばかりでなく、電子機器における浸水事故の度合い(浸漬時間、水濡れ状態等)に応じ、加熱乾燥スイッチ45、レベル1スイッチ46、レベル2スイッチ47、レベル3スイッチ48を選択的に操作することで、各メニューに沿って、電子機器を洗浄・乾燥させ、最適な回復を自動的に行うことが可能となる。
図14および図15は、本発明の実施例に係る電子機器の回復装置を示す。この回復装置51は、前記実施形態に係る回復装置1のように、チャンバ8を構成するシンク部材11の内部に対し、洗浄水の給水や排水を行うことはなく、比較的軽度な浸水事故にあった電子機器の回復に用いるためのものである。すなわち、この回復装置51は、前記実施形態に係る回復装置1と同様にコントローラ30Xがチャンバ8内のヒータ13を駆動させ、かつ真空ポンプP1駆動によりチャンバ8内を真空とすることで、浸水事故にあった携帯電話機10を上記のようにチャンバ8の収容部9に密閉収容して回復することとするものである。具体的には、コントローラ30Xは、収容部9に収容される電子機器としての携帯電話機10を、下記動作に基づく真空状態、加熱状態において、加熱乾燥工程で、その機能回復が行えることとなる(請求項1に対応する方法)。
(1)動作1
チャンバ8内が加熱調整手段30Aにより、60℃から120℃の温度状態に設定される。
(2)動作2
チャンバ8内を真空度調整手段30Bにより、大気圧から減圧して10kpa以上の真空状態に設定される。
(3)動作3
上記動作1の温度状態、上記動作2の真空状態でチャンバ8内を加熱し、かつ減圧し、タイマー設定手段30Cにおいて加熱および減圧時間を10分以上に設定する。
(4)動作4
上記動作1ないし動作3の設定状態を実行し、チャンバ8を所定時間、加熱し、減圧してチャンバ8内に収容される携帯電話機10を加熱乾燥する。
よって、この回復装置51は、前記実施形態に係る回復装置1のように洗浄水圧送ポンプP2,貯溜タンク17,上部水位センサ31,下部水位センサ32などの水回りの構成要素を用いておらず、チャンバ8内に収容される電子機器を前記実施形態で示すオートメニューのうち、加熱乾燥スイッチ45の押圧操作で実行されるプロセスと同様のプロセスで真空加熱乾燥し、回復することができるものである。
なお、この装置51においては、前記実施形態に係る回復装置1のように、表示操作パネルの大きさは、比較的小さなもので足りるため、図14の3Xに示すように小さなものとしている。その他の構成および作用については前記実施例と同様であるため、図中同一符号を付すものとし、その説明を省略する。
本発明は、浸水事故にあった携帯電話機、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー等を安定的にしかも安価に回復させることができ、例えば電器店やカメラ店に装置を設置し、浸水事故に遭遇した人達へのサービスの提供が可能となる。
1, 51 回復装置
2 筺体
3,3X 表示操作パネル
4 主電源スイッチ
5 開/閉スイッチ
6 開閉蓋
7 ヒンジ
8 チャンバ(真空チャンバ)
9 収容部
10 携帯電話機(電子機器)
11 シンク部材(水槽)
12 Oリング
13 遠赤外線ヒータ
14 給水口
15 導水管路
16 導水弁
17 貯溜タンク
18 給水管路
20 給水弁
P1 真空ポンプ
P2 洗浄水圧送ポンプ
21 排水管路
22 排水口
23 排水弁
24 排気管路
26 ポンプ排気口
27 排気弁
28 排気口
30,30X コントローラ
30A 加熱調整手段
30B 真空度調整手段
30C タイマー設定手段
30D 給・排水調整手段
31 上部水位センサ
32 下部水位センサ
33 圧力センサ
34 温度センサ
35 タイマー
36A,38A,41A UP/DOWNスイッチ
36B,38B,41B SETスイッチ
37 圧力表示部
39 時間表示部
40 実行スイッチ
42 温度表示部
43 水注入スイッチ
44 ドレインスイッチ
45 加熱乾燥スイッチ
46 レベル1スイッチ
47 レベル2スイッチ
48 レベル3スイッチ

Claims (5)

  1. 半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、
    浸水事故にあった電子機器を真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を10分以上乾燥する乾燥工程を備える電子機器の回復方法。
  2. 半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水または海水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水または海水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、
    浸水事故にあった電子機器を真水が貯溜された水槽内に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する真空洗浄工程と、
    真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を25分以上乾燥する加熱乾燥工程と、
    を備える電子機器の回復方法。
  3. 半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水または海水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水または海水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、
    浸水事故にあった電子機器を真水が貯溜された水槽内に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第1次真空洗浄工程と、
    第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を180秒以上乾燥する第1次加熱乾燥工程と、
    第1次加熱乾燥工程で加熱乾燥された電子機器を再び真水が貯溜された真空チャンバ内の水槽に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第2次真空洗浄工程と、
    第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を45分以上乾燥する第2次加熱乾燥工程と、
    を備える電子機器の回復方法。
  4. 半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器において、当該電子機器が水または海水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水または海水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復方法にあって、
    浸水事故にあった電子機器を真水が貯溜された水槽内に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第1次真空洗浄工程と、
    第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第1次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を180秒以上乾燥する第1次加熱乾燥工程と、
    第1次加熱乾燥工程で加熱乾燥された電子機器を再び真水が貯溜された真空チャンバ内の水槽に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第2次真空洗浄工程と、
    第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第2次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を180秒以上乾燥する第2次加熱乾燥工程と、
    第2次加熱乾燥工程で加熱乾燥された電子機器を再び真水が貯溜された真空チャンバ内の水槽に浸漬させる状態で真空チャンバ内に収容し、該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態とし、水槽内の電子機器を真水で20秒から80秒の間、沸騰洗浄する第3次真空洗浄工程と、
    第3次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽の真水を排水し、電子機器を水槽内から取り出して再び真空チャンバ内に収容し、あるいは第3次真空洗浄工程において沸騰洗浄させた水槽内の真水を排水した状態で電子機器を真空チャンバ内に収容したままの状態とし、この状態で該真空チャンバ内を60℃から120℃の温度状態、大気圧より減圧して10Kpa以上の真空状態として電子機器を60分以上乾燥する第3次加熱乾燥工程と、
    を備える電子機器の回復方法。
  5. 半導体基板や液晶表示装置が装備された電子機器にあって、当該電子機器が水に浸漬され、あるいは当該電子機器に水が付着する浸水事故にあった状態から、半導体基板や液晶表示装置が電気的に動作する正常状態に回復させるための浸水事故にあった電子機器の回復装置であって、
    浸水事故にあった電子機器を収容可能とし、内部に真水を貯溜し、あるいは排水可能とし、電子機器を真水に浸漬自在としてなる水槽を、その内部に備えた真空チャンバと、
    真空チャンバ内を60℃から120℃の温度帯域で加熱調整可能とする加熱装置と、
    真空チャンバ内の真空状態を大気圧より減圧して10Kpa以上に設定調整可能とする真空度調整手段と、
    を備える電子機器の回復装置。
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