JP2010282372A - データ通信方法及び車輪の状態検出装置 - Google Patents

データ通信方法及び車輪の状態検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信号処理装置やプログラムなどの規模の増大を抑制しつつ、共通の信号線で複数の情報を伝送することができるデータ通信方法を提供する。
【解決手段】矩形波F1の周期により第1の物理量を伝達すると共に、矩形波F1の1周期におけるハイレベル及びローレベルの何れか一方の所定位置に重畳される重畳パルスF3aによって第1の物理量とは異なる第2の物理量を伝達し、各周期における重畳パルスF3aのパルス数によって前周期までに伝達された第2の物理量の増減を表して第2の物理量を伝達する。
【選択図】図7

Description

本発明は、共通の信号線で異なる物理量を伝送するデータ通信方法に関する。また、そのようなデータ通信方法を用いて車輪の状態を示す物理量を伝送する車輪の状態検出装置に関する。
ABS(anti lock braking system)や車両の安定制御装置等の車載システムでは、その制御を行うために、車輪の回転速度を測定するために回転速度センサを利用している。回転速度センサは、車輪の近傍に配置され、その検出結果は信号線を用いて車載の制御装置へ伝達される。車輪の情報としては、回転速度の他、タイヤの空気圧などもあり、これは空気圧センサなどによって検出される。近年、車両には多くのセンサが搭載され、その数はさらに増加することが予想される。従って、各センサに対して個別に信号線を設けていては信号線の数が膨大となる。そこで、例えば、回転速度センサの信号線に空気圧センサの検出結果などの他の検出結果を重畳させるなど、共通の信号線で複数の情報を伝送する技術が提案されている。
特表2001−505691号公報(特許文献1)には、回転速度センサによって供給されるデータと追加データとを共通の1本の信号ラインを経て伝送するための方法が提案されている。これは、パルス状の回転速度センサの信号をトリガとして、パルスとパルスとの間に、シリアルビットデータを重畳させるものである。また、特開2005−274310号公報(特許文献2)には、車輪の回転に応じて出力される概ねデューティー50%のパルス状の信号のハイ期間において、シリアルビットデータを重畳させる方法が提案されている。これは、車輪の回転に応じて出力されるパルスの波高よりも大きく、当該パルスよりも狭幅の重畳パルスにより、シリアルビットデータを表すものである。
特表2001−505691号公報(第2ページ、図1等) 特開2005−274310号公報(第55〜62段落、図10等)
これらの方法は、回転速度センサの信号線に他の情報を重畳させることができる優れたものである。しかし、回転速度が速い場合には充分に情報を重畳させることができなくなる可能性がある。つまり、パルスとパルスとの間が短くなり、シリアルビットデータの生成が困難となったり、パルスのハイ期間が短くなって、重畳パルスの生成が困難になったりする可能性がある。スタートビットやストップビットやパリティビットを設けることによって、複数の周期に亘ってシリアルデータを伝送することは可能である。しかし、情報の送信側も受信側もそれに見合った制御機能を必要とするので、信号処理装置やプログラムの規模を増大させる可能性がある。
従って、信号処理装置やプログラムなどの規模の増大を抑制しつつ、共通の信号線で複数の情報を伝送することができるデータ通信方法の提供が望まれる。
上記課題を解決するための本発明に係るデータ通信方法は、少なくとも矩形波の周期により第1の物理量を伝達すると共に、当該矩形波の1周期におけるハイレベル及びローレベルの何れか一方の所定位置に重畳される重畳パルスによって前記第1の物理量とは異なる第2の物理量を伝達し、各周期における前記重畳パルスのパルス数によって前周期までに伝達された前記第2の物理量の増減を表して前記第2の物理量を伝達することを特徴とする。
この特徴によれば、矩形波の各周期において第2の物理量の値自体を伝達する必要がなく、前周期との差分を伝達すれば足りる。従って、矩形波の各周期において伝達する情報量が少なくなる。その結果、信号処理装置やプログラムなどの規模の増大が抑制される。第2の物理量を示す重畳パルスは、第1の物理量を示す矩形波に重畳されるから、共通の信号線で複数の情報を伝送することもできる。
ここで、前記重畳パルスが、各周期において2つ以上重畳可能であり、パルス数によってゼロを含む増減数を示すと好適である。
重畳パルスが各周期において1つだけ重畳される場合であっても、例えば、重畳パルスが有りの時に増加、無しの場合に減少を示すこととして、増減を示すことが可能である。しかし、2以上の重畳パルスが各周期において重畳可能に構成されると、例えば、重畳パルスが無しの場合に減少、2つ有りの時に増加、1つ有りの時に増減無しの状態を示すことが可能となる。つまり、第2の物理量に変動がない場合には、不要な振動を抑制して、良好に第2の物理量を伝達することが可能となる。あるいは、重畳パルスが無しの場合に第2の物理量を初期値に戻すリセット状態を示すようにすることもできる。第2の物理量を受け取る制御装置では、このリセット状態を基準とすることにより、より正確に第2の物理量を得ることが可能となる。
また、本発明に係るデータ通信方法は、所定の期間における前記矩形波の周期数と、前記重畳パルスのパルス数とに基づいて、前記第2の物理量の値を示すと好適である。
矩形波の各周期において前周期から増減を示すのみではなく、所定の期間において第2の物理量の値を求めることができるので、第2の物理量を受け取る制御装置は都度、増減を追跡することなく、必要なタイミングで第2の物理量を求めることができる。
ここで、前記第1の物理量が、車輪の回転状態を示す物理量であると好適である。
例えば、車輪の回転状態として回転速度を示す物理量は、矩形波の周期によって示すことができる。また、車輪の近傍には、車輪の温度や、車輪の空気圧を検出するセンサも備えられている。これらのセンサにより検出された物理量を第2の物理量として伝達することで、伝送線の増加を抑制しつつ、複数の情報を伝達することが可能となる。
さらに、前記第2の物理量が、前記車輪の回転軸方向に沿った方向から前記車輪に印加される横力を示す物理量であると好適である。
近年、横すべり防止装置などの安定制御装置において利用するために、車両に対する横力の検出も求められているので、第2の物理量として横力を伝達すると伝送線の増加を抑制しつつ、複数の情報を伝達することができて好適である。尚、1つの実施形態として、車輪に対して固定された被検出体に対して所定の間隔を有して検出素子を対向配置させ、被検出体の回転に応じて検出素子から出力される交流の検出信号の周期を第1の物理量として伝達することができる。また、車輪に横力が加わった場合には、当該所定の間隔が変動することにより変動する交流の検出信号の振幅を第2の物理量として伝達することができる。つまり、同一の検出素子から得られる2つの物理量を、共通の信号線により伝達することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る車輪の状態検出装置の特徴構成は、
車輪の回転に応じて出力される交流の検出信号に基づいて、第1の物理量を伝達する信号として、当該検出信号の周期に応じた周期を有する矩形波の回転検出信号を生成する回転検出信号生成部と、
前記回転検出信号の各周期において重畳可能であり、各周期において重畳されるパルス数によって、前周期までに伝達された値に対する増減を表して、前記第1の物理量とは異なる第2の物理量を伝達する付加信号を生成する付加信号生成部と、
前記回転検出信号の1周期におけるハイレベル及びローレベルの何れか一方の所定位置に、前記付加信号を重畳する出力部と、
を備える点にある。
車輪の回転状態として回転速度を示す物理量は、矩形波の周期によって示すことができ、多く実用化されている。また、近年、横すべり防止装置などの安定制御装置において利用するために、車両に対する横力の検出も求められている。この横力は、車両に搭載したヨーレイトセンサの他、車輪に内蔵されたMEMSセンサなどによっても検出することが可能である。車輪の回転速度を検出するセンサは、車輪の近傍に設けられるため、車輪に内蔵されたMEMSセンサなどによって検出される横力を第2の物理量として伝達することで、伝送線の増加を抑制しつつ、複数の情報を伝達することが可能な車輪の回転状態検出装置を提供することができる。
回転体と被検出体と回転状態検出素子との関係を模式的に示す側面図 図1の被検出体のIIの方向からの矢視図 車輪の状態検出装置の構成例を模式的に示すブロック図 検出信号をデジタルカウント値へ変換する方法の一例を示す説明図 周期信号を生成する方法の一例を示す説明図 横力により検出信号の振幅(波高)が変化する例を示す波形図 横力を示す情報が増減する一例を模式的に示す波形図 重畳パルスの種類を示す説明図 矩形波の周期数と重畳パルスの数とにより横力の値を示す一例を示す図 出力信号生成方法の一例を示すフローチャート 矩形波の周期数と重畳パルスの数とにより横力の値を示す他の例を示す図 周期信号を生成する方法の他の例を示す説明図 横力を示す情報が増減する他の例を模式的に示す波形図
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施形態を車両の車輪の回転状態を検出して、回転情報をABSや横滑り防止装置(ESC : electronic stability control)などの制御を行うECU(electronic control units)に出力する車輪の状態検出装置を例として説明する。図1及び図2に示すように、回転体としての車両の車輪9の回転状態を検出するための被検出体として、マグネットロータ8が車輪9に対して固定されて設けられる。マグネットロータ8は、車輪9に直接に固定されていても良いし、図1に示すように、車輪9を固定するシャフト7(回転軸)に固定されていても良い。車輪9の回転(マグネットロータ8の回転)を検出するための検出素子であるセンサ10は、ハブベアリング等、車輪9と共に回転しない車両側に取り付けられる。センサ10は、マグネットロータ8に対して所定の間隔Aを有して対向配置される。センサ10は、ホール素子やホール素子を備えたホールICなどの磁気検出センサである。
センサ10は、車輪9及びマグネットロータ8の回転に応じて交流の検出信号Sを出力する。マグネットロータ8には、図2に示すように所定ピッチでN極及びS極が交互に設けられており、NS両極がセンサ10を通過することによって交流の検出信号Sが出力される。マグネットロータ8がセンサ10を通過する速度によって検出信号Sの交流周波数が変化する。これによって、マグネットロータ8と一体回転する車輪9の回転速度(所定時間当たりの回転数)を知ることができる。センサ10による磁気検出の原理については、公知であるので、詳細な説明は省略する。
ところで、車両の走行に伴って、車輪9には図1におけるシャフト7に沿った方向の力が印加される。ここでは、このシャフト7(回転軸)に沿った方向から印加される力を以下「横力」と称する。この横力により、車輪9は図1に矢印Bで示すように、回転ブレを生じる。この回転ブレによって、対向配置されるセンサ10とマグネットロータ8との間の所定の間隔Aに変化が生じる。その結果、センサ10の磁界の強さ、又は磁束の大きさが変化するので、センサ10が出力する交流成分の検出信号Sの振幅(波高値)が変化する。検出信号Sは、このような波高値の変化の他、温度変化による直流成分の増減なども有するので、車輪の状態検出装置は、正確に交流周波数を検出するべく、以下のような信号処理を行う。
本実施形態において、車輪の状態検出装置は、図3に示すように、受取部1と、波高検出部2と、周期信号生成部(回転検出信号生成部)3と、出力部4とを備えて構成される。受取部1は、上述したように、回転体の回転に応じて出力される交流の検出信号Sを受け取る機能部である。回転センサなどのセンサから出力される検出信号Sは高インピーダンスの信号であることが多い。受取部1は、入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いバッファ11などを備えて構成される。波高検出部2は、検出信号Sの波高を検出する機能部である。周期信号生成部3は、検出信号Sの波高に応じて設定されるしきい値(Th)に基づいて検出信号Sの周期に応じた周期を有する周期信号(回転検出信号)F1を生成する機能部である。横力検出信号生成部(付加信号生成部)5は、回転体に印加される横力を示す横力検出信号(付加信号)F3を、検出信号Sの波高値に応じて生成する機能部である。出力部4は、周期信号F1及び横力検出信号F3を合成して1つの出力信号Fとして出力する機能部である。周期信号生成部3、横力検出信号生成部5、出力部4の詳細については後述する。
初めに、波高検出部2及び周期信号生成部3の機能について詳述する。本実施形態において、車輪の状態検出装置は、マイクロコンピュータなどを中核とする電子回路によって構成される。各機能部は、ハードウェア及びハードウェアとソフトウェアとの協働によって実現される。以下、本実施形態では、検出信号Sをデジタル変換して、デジタル信号処理する場合を例として説明する。図4は、検出信号Sをデジタルカウント値Dへ変換する方法の一例をし、図5は、周期信号F1を生成する方法の一例を示す。図3に示すように、本実施形態において、波高検出部2は、A/D変換部21と、反転しきい値設定部22と、コンパレータ23と、カウンタ24と、レジスタ25とを有して構成される。そして、検出された波高値に基づいて、周期信号生成部3が周期信号F1を生成する。
上述したように、受取部1において検出信号Sはインピーダンス変換されており、この際、同時に信号の増幅処理等を施されることも可能である。従って、厳密には受取部1が受け取る検出信号Sではなく、受取部1から出力される信号がデジタル変換されることになるが、情報処理上の信号処理においては、受取部1の前後において同様の信号であると考えることができる。従って、以下、受取部1から出力される信号についても、検出信号Sと称して説明する。
A/D変換部21は、検出信号Sを所定の条件に従ってデジタル変換する機能部であり、A/Dコンバータを有して構成される。A/Dコンバータには、フラッシュ型、逐次比較型、積分型など種々の種類のものがあり、変換速度や変換精度などに応じて、適宜最適なものが選択される。また、A/Dコンバータの出力形態も、アナログの入力に対して絶対的な値をデジタル値として出力するものや、アナログの入力が所定量の変化をするごとにトリガ信号を出力するものなど、種々の形態のものがあり、適宜選択される。本実施形態においては、絶対的な値をデジタル値として出力するものではなく、所定量の変化(所定のステップ)ごとに、トリガ信号を出力するタイプのA/Dコンバータが用いられる場合を例として説明する。
本実施形態において、このタイプのA/Dコンバータを用いるのは以下の対策のためである。つまり、回転センサの検出信号Sの振幅中心が揺れた場合、即ち、直流分のオフセットに変動が生じた場合であっても、検出信号Sの振幅(波高)に応じて適切な信号処理を可能とするためである。直流分のオフセットは、カップリングコンデンサや直流バイアスなどを利用した別の信号処理回路によって解消させることも可能である。当業者であれば、以下に示す本実施形態の説明を理解して、絶対的な値をデジタル値として出力するタイプのA/Dコンバータを用いて本発明のセンサ信号処理装置を構成することが可能であろう。従って、本実施形態は本発明を限定するものではない。
A/D変換部21は、検出信号Sが所定量だけ変化するごとに、具体的には、振動する波形のピークPの側に向かって所定量だけ変化するごとに、トリガ信号を出力する。振動する波形の波高値のことを「ピーク・トゥ・ピーク(peak to peak)」と称するように、本実施形態において「波形のピークP」とは、波形の山側及び谷側の双方を指すものとする。図4に示すように、所定の反転しきい値RよりもピークPの側において、トリガ信号が出力され、このトリガ信号がカウンタ24において計数されて、デジタルカウント値Dとなる。図4において、正弦波状の検出信号Sに沿って、階段状に変化し、5、6、7・・・24、25と値が付記されたものがデジタルカウント値Dである。反転しきい値Rについては後述する。
検出信号SがピークPに達すると、ピークPに向かって検出信号Sが所定量だけ変化することがなくなる。従って、デジタルカウント値Dは、検出信号SのピークPの近傍において一定値が継続する状態となる。図4に示す例においては、デジタルカウント値Dが25において継続しており、デジタルカウント値Dのピーク値DPとなっている。カウンタ24がアップ・ダウン・カウンタであり、検出信号SがピークPの方向及びその反対方向に所定量だけ変化した場合に、それぞれ異なるトリガ信号がA/D変換部21から出力される構成であれば、検出信号Sの波形に応じたデジタルカウント値Dを得ることが可能である。しかし、この場合には、ノイズなどにより検出信号SがピークP以外の位置で増減した場合にも追従してしまう可能性が生じる。そこで、本実施形態においては、カウンタ24はアップ・カウンタとして構成される。そして、検出信号Sが逆方向へ変化する(ピークPとは反対方向への変化する)際には、デジタルカウント値Dの複数カウント分に相当する所定の変化幅hを超えた場合に、ピークPを超えて反転したと判定されるように構成される。つまり、ヒステリシスが設定される。
具体的には、本実施形態においては、反転しきい値設定部22において、検出信号SがピークPを超えて反転したか否かを判定するための反転しきい値Rが設定される。ここでは、反転しきい値Rは、デジタルカウント値Dの5カウント分に当たる変化幅hを有して設定される。A/D変換部21は、最新のトリガ信号の出力時の検出信号Sのアナログ値(又は、A/D変換しきい値であるアナログ値)を反転しきい値設定部22に伝達する。反転しきい値設定部22は、受け取った当該アナログ値に所定の変化幅h(ヒステリシス値)を加味して、反転しきい値Rを設定する。検出信号Sが上昇している時(ピークPが山側の時)には、当該アナログ値から上記ヒステリシス値hが減算されて、反転しきい値Rが設定される。検出信号Sが下降している時(ピークPが谷側の時)には、当該アナログ値に上記ヒステリシス値hが加算されて、反転しきい値Rが設定される。
反転しきい値Rは、反転判定部として機能するコンパレータ23に入力される。コンパレータ23は、検出信号Sと反転しきい値Rとを比較して、検出信号SがピークPを超えて反転したか否かを判定する。コンパレータ23からの判定出力を受け取ったカウンタ24は、デジタルカウント値Dのピーク値DPをレジスタ25に転送して記憶させると共に、自身(カウンタ24)のデジタルカウント値Dをプリセットする。図2に示す例では、カウンタ24は、レジスタ25にデジタルカウント値Dのピーク値DPとして「25」を記憶させ、自身(カウンタ24)のデジタルカウント値Dを「5」にプリセットする。プリセットされる値「5」は、上記ヒステリシス値hに対応するデジタルカウント値Dのステップ数である。
コンパレータ23からの判定出力を受けたA/D変換部21は、それ以降は、当該判定出力を受け取る前とは逆方向へ検出信号Sが所定量変化した場合に、トリガ信号を出力する。このトリガ信号により、カウンタ24はデジタルカウント値Dをインクリメントする。また、コンパレータ23からの判定出力を受けた反転しきい値設定部22は、反転しきい値Rを設定する際の演算方法を切り替える。即ち、反転しきい値設定部22は、A/D変換部21から受け取る上記アナログ値に対してヒステリシス値hを「減算」するか、「加算」するかの切り替えを行う。
周期信号生成部3は、レジスタ25から最新のデジタルカウント値Dのピーク値DPを取得してしきい値Thを設定する。本実施形態において、このしきい値Thは、周期信号判定用のしきい値である。しきい値Thは、ピーク値DPに対して所定の係数kを乗じることによって設定される。尚、しきい値Thがレジスタ25において設定されて、周期信号生成部3がしきい値Thをレジスタ25から取得する構成であってもよい。いずれにせよ、周期信号生成部3は、しきい値Thとカウンタ24から取得するデジタルカウント値Dとに基づいて、周期信号F1の出力タイミングを決定する。本実施形態においては、この出力タイミングごとに、周期信号F1を反転させる。つまり、回転体が等速で回転していれば、デューティー50%となるような矩形波として、周期信号F1が生成される。但し、周期信号生成部3は、必ずしも周期信号F1の波形を生成する必要はなく、パルス波形の変化点など、出力タイミングを決定すれば足りる。波形生成に関しては、出力部4において実施してもよい。
以下、具体的な数値を用いて説明する。ここでは、理解を容易にするために波形を生成する場合を例として説明する。図5における検出信号Sの左側の谷のピーク値DPは「23」である。例えば、係数kが0.8の場合、しきい値Thは「18」となる。ここでは、説明を容易にするために端数は切り捨てとする。カウンタ24から受け取るデジタルカウント値Dが「18」となると、周期信号生成部3は周期信号F1を生成する。周期信号F1は、基準値Cから正方向へ信号レベルPLの波高へと変化する。また、図5における検出信号Sの山のピーク値DPは「25」である。この場合、しきい値Thは「20」となる。カウンタ24から受け取るデジタルカウント値Dが「20」となると、周期信号生成部3は、周期信号F1を変化させる。周期信号F1は、信号レベルPLから基準値Cへと変化する。つまり、周期信号F1は、デジタルカウント値Dがしきい値に達する度に反転する。周期信号F1は、検出信号Sの1周期において1つずつ生成される。このように、周期信号生成部2は、検出信号Sの波高(ピーク値DP)に応じて設定されるしきい値Thに基づいて検出信号Sの周期に応じた(周期に比例する)周期を有する周期信号F1を生成する。
ここで、車輪9に横力Yが印加された場合を考える。図6は、車輪9に横力Yが印加され、車輪9に回転ブレが生じてセンサ10から出力される検出信号Sの振幅(波高値)が変化する例を示している。周期検出信号F1は、上述したような信号処理により、車輪9が定速で回転していれば、振幅(波高値)の変化に拘わらず一定の間隔で出力される。ここで、波高値PP(ピーク・トゥ・ピークの値PP)の変化に着目すると、図1に基づいて上述したように、ピーク・トゥ・ピークの値PPは、車輪9に横力Yが印加された場合に変化する。従って、ピーク・トゥ・ピークの値PPによって横力Yの大きさを知ることができる。本例では、トップからボトムまでの波高値をピーク・トゥ・ピークの値PPとしている。図3に示すように、本発明の車輪の状態検出装置は、横力検出信号生成部5と、出力部4とを有している。横力検出信号生成部5は、波高検出部2により検出されたピーク・トゥ・ピークの値PPに基づいて内部信号としての横力検出信号F3を生成する。後述するように、横力検出信号F3の示す情報は、出力部4において周期信号F1に重畳されて出力される。
図6には、内部信号としての横力検出信号F3の波形例を例示した。横力Yの大きさ、つまり、ピーク・トゥ・ピークの値PPの大きさをパルス波形の波高で示している。本例の横力検出信号F3は、基準電圧(あるいは基準電流)refからの波高値によって、ピーク・トゥ・ピークの値PPを示している。また、図中の基準Zは、横力Yがゼロの時を示している。図1に示した構造から明らかなように、横力Yの掛かる方向によって、マグネットロータ8とセンサ10との所定の間隔Aの長さが変化する。従って、横力Yがゼロのポイントを規定することによって横力Yの掛かる方向も検出することが可能である。パルス波形の波高値の切り換えは、図6に示すように周期信号F1の変化タイミングに同期させると好適である。
このように、信号処理の機能部を僅かに追加するだけで、回転速度に加えて横力Yも検出することが可能な車輪の状態検出装置を提供することが可能となる。今日では車両の挙動を掴んでフィードバック制御を実施するために、種々のセンサが車両に搭載され、その数は増加の一途をたどっている。本発明によれば、特に、センサ素子等を追加することなく、信号処理の工夫によって複数の事象を検出することができるので、実質的な部品点数の増加もなく、コスト上昇も抑えられて非常に好適である。また、横滑り防止装置にとって重要な検出情報となる車両走行時の横力Yの検出は、事象の発生に対して迅速に行われることが好ましく、車体側に搭載されたヨーレートセンサ等を用いるよりも、車輪9において検出されることが好ましい。本発明によれば、車輪9において横力Yが検出されるので、車輪の状態検出装置の検出結果は、横滑り防止装置にとって非常に有用なものとなる。
但し、既に車両に回転速度検出装置が搭載されていた場合に、横力Yの検出結果を得るために信号線を追加する必要が生じると部品点数が増加して好ましくない。そこで、周期信号F1に横力検出信号F3の示す情報を合成して1つの出力信号Fとして、この出力信号Fを1つの信号線を介して出力する。これによって、信号線を追加することなく、横力Yを検出する機能を容易に追加することが可能となる。以下、出力部4において、横力検出信号F3の示す情報を周期信号F1に重畳させて、複数の物理量を伝送するプロトコルについて説明する。
図7に示すように、本実施形態のデータ通信方法(通信プロトコル)では、周期信号F1の各周期において横力Yを示す値そのものが重畳されるのではなく、前の周期との差分の値が出力される。具体的には、ラーニングモードと通常モードとが設けられて、ラーニングモードにおいて例えばゼロである初期値と横力Yとの差分値が縮められ、通常モードにおいて横力Yの変化量が差分値として出力される。ラーニングモードと通常モードとを区別するフラグなどは不要である。出力信号Fを受け取るECUは、例えば横力Yの値が単調増加している期間はラーニングモードと判定し、増加から減少、減少から増加などの動きを伴ったり、増減がなかったりするようになった場合に通常モードに達したと判定することが可能である。
図8に示すように、本例において、出力信号Fは、周期信号F1に横力Yの差分値を表す重畳パルスF3aが合成された信号となる。本例において、重畳パルスF3aは横力Yの差分値に応じて以下の4種類設定され、それに応じて出力信号FもFa〜Fdの4種類の波形を取る。尚、ここでは、周期信号F1がハイレベルのときに、重畳パルスF3aがさらに高いレベルの信号として重畳される波形例を示しているが、波形例はこれに限定されるものではない。周期信号F1がローレベルのときに、重畳パルスF3aがさらに低いレベルの信号として重畳されてもよい。
出力信号Faは、重畳パルスF3aが重畳されないケースであり、周期信号F1(出力信号F)におけるこの周期は、横力Yを示す情報のリセット状態を示す。出力信号Fbは、重畳パルスF3aが1パルス重畳されるケースである。この周期は、前周期に対して、横力Yを1単位減ずることを示す。ここで1単位とは、所定の分解能を示すものである。出力信号Fcは、重畳パルスF3aが2パルス重畳されるケースである。図8に示すように、例えば、重畳パルスF3aのパルス幅が50μsの場合、50μsの間隔をおいて2つのパルスが重畳される。この周期は、前周期に対して、横力Yの増減がないことを示す。出力信号Fdは、重畳パルスF3aが3パルス重畳されるケースである。出力信号Fcと同様に、50μsの間隔をおいて3つのパルスが重畳される。この周期は、前周期に対して、横力Yを1単位増やすことを示す。
例えば、図9において、時刻t1、t2、t5では重畳パルスF3aのパルス数が3であり、横力Yの値F3bは1つ増加する。時刻t3では重畳パルスF3aのパルス数が1であり、横力Yの値F3bは1つ減算される。時刻t4及びt6においては重畳パルスF3aのパルス数が2であり、横力Yの値F3bが維持される。
横力Yは、所定の期間における周期信号F1のパルス数(周期数)と、重畳パルスF3aのパルス数とを用いて、下記の式(1) に従って、計算することによって、その値を求めることができる。ここで、ajは、図9において基準aと交差したパルス数、即ち周期信号F1のパルス数であり、bjは、図9において基準bと交差したパルス数、即ち横力Yを示す重畳パルスF3aのパルス数である。出力信号Fを受け取ったECUは、各周期において横力Yを増減させて、その値を更新してもよいし、所定の期間の満了時にまとめて演算して横力Yの値を求めてもよい。
横力Y = Σbj − 2・Σaj ・・・(1)
図9において、基準aと交差したパルス数、即ち周期信号F1のパルス数をajとし、基準bと交差したパルス数、即ち横力Yを示す重畳パルスF3aのパルス数をbjとする。式(1)に示すように、所定の期間において、重畳パルスF3aの総数から、周期信号F1のパルスの総数の2倍を減じた値が、横力Yの値となる。式(1)に従えば、図9における各時刻t0〜t6において、データ値F3bの値は、以下の通りとなる。
時刻t0:0(リセット)
時刻t1:1 = 3 − 2×1
時刻t2:2 = 6 − 2×2
時刻t3:1 = 7 − 2×3
時刻t4:1 = 9 − 2×4
時刻t5:2 =12 − 2×5
時刻t6:2 =14 − 2×6
尚、上記式(1)は、以下の式(2)のように解釈することもできる。
Figure 2010282372
ここで、式(2)の右辺の第1項は、矩形波の前周期までの値を示している。例えば、図9における時刻t1〜t6を式(2)のnの可変域と考える。式(2)の右辺の第1項は、時刻t5において確定されているデータ値F3bの値(=7)である。式(2)の右辺の第2項は、時刻t5から時刻t6へ時間が経過したときの差分(=2)を示している。つまり、本通信プロトコルによれば、出力信号Fを受け取ったECUが、各周期において横力Yを増減させて値を更新することも可能であり、所定の期間の満了時にまとめて演算して横力Yの値を求めることも可能であることが一層よく理解できる。
矩形波の各周期において、前周期までのデータ値に差分を加える(マイナスの値を含む)という簡単な演算でデータ値を更新可能であるので、出力信号Fを受け取るECUの演算負荷が軽減され、演算時間も短縮される。また、データを一時記憶するためのRAMなどの一時記憶手段の容量も抑制することが可能である。
以下、図10のフローチャートも参照して、共通の信号線で異なる物理量を伝送する通信プロトコルの具体例について説明する。主として、上述した周期信号生成部3、横力検出信号生成部5、出力部4による機能に相当する。但し、ここでは機能部を特定せず、これらの機能部が実現されるマイクロコンピュータのプログラムの実行例として説明する。上述したように、周期信号F1は、しきい値Thとカウンタ24から取得するデジタルカウント値Dとに基づいて決定された出力タイミングごとに反転する。周期信号F1は、ステップ#10においてローレベル(Low)に反転する。ここで、付加データ値Xとして、横力Yなどの第2の物理量が取得される(ステップ#20)。
次に、付加データXの通信が必要であるか否かが判定される(ステップ#30)。通信が不要な場合には、通信フラグJが0に設定され、差分係数dが0にリセットされる(ステップ#31)。通信を必要とする場合には、通信フラグJが1に設定される(ステップ#32)。通信を必要とする場合には、差分係数dはリセットされることなく、現在の値が維持される。
次に、付加データ値Xの内部データMが演算される(ステップ#40)。内部データMは、差分係数dと分解能との積を、初期値に加算して求められる。通信フラグJが0に設定される場合には、差分係数dが0にリセットされるので、内部データMは初期値となる。通信フラグJが1に設定される場合には、差分係数dに応じた値が演算される。
次に、ステップ#50〜#57において、重畳パルスF3aのパルス数Qが設定される。ステップ#50において通信フラグJの設定状態が判定され、通信フラグJが0の場合には、リセット状態であることを伝達するために、重畳パルスF3aのパルス数Qが0と設定される(ステップ#51)。通信フラグJが1の場合には、取得された付加データ値Xと内部データMとが比較され、重畳パルスF3aのパルス数Qが設定される(ステップ#52〜#57)。付加データ値Xが内部データMよりも小さい場合には(ステップ#52)、付加データ値Xの減少を伝達するために、重畳パルスF3aのパルス数Qが1と設定される(ステップ#53)。付加データ値Xが内部データMと同じ場合には(ステップ#54)、付加データ値Xの維持を伝達するために、重畳パルスF3aのパルス数Qが2と設定される(ステップ#55)。付加データ値Xが内部データMよりも大きい場合には(ステップ#56)、付加データ値Xの増加を伝達するために、重畳パルスF3aのパルス数Qが3と設定される(ステップ#57)。
重畳パルスF3aのパルス数Qが設定されると、パルス数Qに応じて、差分係数dが演算されて更新される(ステップ#60)。本実施形態では、重畳パルスF3aのパルス数Qを最大3つとしており、上述したようにマイナス1〜プラス1までの差分を示すので、パルス数Qから2を減じた値が、周期信号F1の当該周期における差分となる。差分係数dは、通信プラグJが1となった後の差分の累積を示す値である。
上述したように、周期信号F1は、しきい値Thとカウンタ24から取得するデジタルカウント値Dとに基づいて決定された出力タイミングごとに反転する。周期信号F1は、ステップ#70においてハイレベル(High)に反転する。ここで、以下に示すように、必要に応じて重畳パルスF3aが生成され、周期信号F1に重畳されて出力信号Fとして出力される(ステップ#80〜#82)。初めに、パルス数Qが0であるか否かが判定され(ステップ#80)、0の場合には重畳パルスF3aは生成されず、周期信号F1が出力信号Fとして出力される。つまり、図8に示すFaのような波形の出力信号Fが出力される。パルス数Qが0ではない場合には、重畳パルスF3aが1パルス生成される(ステップ#81)。例えば、図8に示すように、50μsの間継続する重畳パルスFa3が生成され、周期信号F1に重畳される。
重畳パルスF3aが1パルス生成されると、パルス数Qの値が1つ減じられる(ステップ#82)。そして、再度パルス数Qが0であるか否かが判定される(ステップ#80)。ここで、パルス数Qが0であれば、当該周期において、これ以降は周期信号F1が出力信号Fとして出力される。つまり、図8に示すFbのような波形の出力信号Fが出力される。パルス数Qが1又は2であれば、重畳パルスF3aがさらに1パルス生成される(ステップ#81)。前回のステップ#81の完了後、ステップ#82、ステップ#80を経て、再度ステップ#81の実行が開始されるまでの期間は、本例においては50μsであり、タイマなどによって管理されると好適である。これにより、図8に示すように、50μsの間継続し、50μsの間をおいて再度50μs継続する重畳パルスF3aが生成され、周期信号F1に重畳されることになる。
重畳パルスF3aがさらに1パルス生成されると、同様にパルス数Qの値がさらに1つ減じられる(ステップ#82)。そして、再度パルス数Qが0であるか否かが判定される(ステップ#80)。ここで、パルス数Qが0であれば、当該周期において、これ以降は周期信号F1が出力信号Fとして出力される。つまり、図8に示すFcのような波形の出力信号Fが出力される。ここで、パルス数Qがまだ0でなければ、上述したように、重畳パルスF3aがさらに1パルス生成される(ステップ#81)。次に、重畳パルスF3aの生成により、同様にパルス数Qの値がさらに1つ減じられる(ステップ#82)。そして、再度パルス数Qが0であるか否かが判定され(ステップ#80)、0であれば、当該周期において、これ以降は周期信号F1が出力信号Fとして出力される。つまり、図8に示すFdのような波形の出力信号Fが出力される。
本例では、重畳パルスF3aが最大3パルスである場合を例として説明したが、周期信号F1の周期Tの最小値に応じて重畳可能な任意の数を設定可能である。また、本例では、重畳パルスF3aのパルス幅、及びパルス間隔を共に50μsとした場合を例として説明したが、これも周期信号F1の周期Tの最小値に応じて適宜、設定可能である。以下、周期信号F1の1周期における重畳パルスF3aの最大パルス数が、1、2、5、N(3以上の任意の奇数)の場合の内部データMの算出式を示す。これは、上述した式(1)に相当するものであり、参考のため、最大パルス数が3の場合の式も再掲しておく。尚、最大パルス数が、1の場合には、リセット状態を示すことはできない。
最大パルス数1 : M = 2・Σbj − Σaj
最大パルス数2 : M = 2・Σbj − 3・Σaj
最大パルス数3 : M = Σbj − 2・Σaj
最大パルス数5 : M = Σbj − 3・Σaj
最大パルス数N : M = Σbj − {(N+1)/2}・Σaj
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の点については適宜説明を省略すると共に、図面において第1実施形態に対応する点については同一の符号を用いて示す。上記第1実施形態においては、矩形波の1周期におけるハイレベルの所定位置に当該矩形波の波高よりも高い波高を有する狭幅の重畳パルスを重畳される例を用いて説明した。しかし、重畳パルスの形態は、これに限らず、図11に示すような形態を採ることも可能である。尚、図11は、第1実施形態の図8に対応する。
図11に示すように、第2実施形態においても、出力信号Fは、周期信号F1に重畳パルスF3aが合成された信号となる。重畳パルスF3aは差分値に応じて以下の4種類設定され、それに応じて出力信号FもFa〜Fdの4種類の波形を取る。第2実施形態においては、周期信号F1がローレベルのときに、重畳パルスF3aが周期信号F1と間隔を空けることなく、周期信号F1の波高と同一のレベルの信号として重畳される。つまり、結果として、周期信号F1のパルス幅Wが重畳パルスF3aの重畳により延長される。延長された後の周期信号F1の見かけ上のパルス幅をW1とする。
出力信号Faは、重畳パルスF3aが重畳されないケースであり、周期信号F1(出力信号F)においてこの波形が出力される周期は、横力Yを示す情報のリセット状態を示す。出力信号Fbは、重畳パルスF3aが1パルス重畳されるケースである。本例において、重畳パルスF3aの1パルスのパルス幅は、周期信号F1のパルス幅と同一である。図11に示すように、周期信号F1のパルス幅Wが50μsの場合、重畳パルスF3aのパルス幅Wも50μsであり、周期信号F1の見かけ上のパルス幅W1は2W(=100μs)となる。第1実施形態と同様に周期信号F1のこの周期は、前周期に対して横力Yを1単位減ずることを示す。
出力信号Fcは、重畳パルスF3aが2パルス重畳されるケースである。図11に示すように、50μsの重畳パルスF3aが周期信号F1のパルスに対して間隔をおかずに2つ重畳されるので、周期信号F1の見かけ上のパルス幅W1は3W(=150μs)となる。第1実施形態と同様に、この周期は、前周期に対して、横力Yの増減がないことを示す。出力信号Fdは、重畳パルスF3aが3パルス重畳されるケースである。周期信号F1の見かけ上のパルス幅W1は4W(=200μs)となる。第1実施形態と同様に、この周期は、前周期に対して、横力Yを1単位増やすことを示す。
第2実施形態のような構成を採用する際には、周期信号F1は、図12に示すような形態で生成される。図12は、図5に対応する図であり、第1実施形態と重複する点については説明を省略する。検出信号Sの左側の谷のピーク値DPは「23」である。係数kを0.8とすると、小数点以下を切り捨てたしきい値Thは「18」となる。カウンタ24から受け取るデジタルカウント値Dが「18」となると、周期信号生成部3は周期信号F1を生成する。周期信号F1は、基準値Cから正方向へ信号レベルPLの波高、幅Wのパルス幅を有するパルスとして生成される。パルス幅Wは、検出信号Sの周期Tに比べて充分に狭幅である。ここでは、上述したように、パルス幅Wは50μsである。以降、谷のピーク値DPにより設定されるしきい値Thに基づいて、検出信号Sが谷側から山側へ変化している際に、周期信号F1のパルスが生成される。
尚、山のピーク値DP、谷のピーク値DPの双方により設定されるしきい値Thに基づいて、周期信号Sが山から谷、谷から山へ変化している双方において、パルスが生成されてもよい。この場合、周期信号F1のパルス間隔は、検出信号Sの半周期(=T/2)となる。何れにせよ、周期信号生成部2は、検出信号Sの波高(ピーク値DP)に応じて設定されるしきい値Thに基づいて検出信号Sの周期に応じた(周期に比例する)周期を有する周期信号F1を生成する。
図11を用いて上述したように、第2実施形態では、周期信号F1がローレベルのときに、周期信号F1と間隔を開けることなく、周期信号F1の波高と同一のレベルの重畳パルスF3aが重畳される。従って、図12に示すように、周期信号F1の立ち上がりと立ち上がりとの間隔は、重畳パルスF3aが重畳されるパルス数に拘わらず、検出信号Sの周期に応じた周期を示すものである。
図13は、第1実施形態の図7に対応する。第1実施形態と同様に、図13に示すように、周期信号F1の各周期において横力Yを示す値そのものが重畳されるのではなく、前の周期との差分の値が出力される。ラーニングモードと通常モードとが設けられて、ラーニングモードにおいて例えばゼロである初期値と横力Yとの差分値が縮められ、通常モードにおいて横力Yの変化量が差分値として出力される。
第1実施形態においては、図9に示すように、基準aにおけるパルス数ajと、基準bにおけるパルス数bjとに基づいて横力Yの値や差分値を求めた。第2実施形態においても、同様に横力Yの値や差分値を求めることが可能である。第2実施形態では、基準bにおけるパルス数に代わり、bjとして、周期信号F1の見かけ上のパルス幅W1を用いればよい。具体的には、「bj=(W1/W)−1」とすることにより、重畳パルスF3bのパルス数を算出することが可能である。
〔その他の実施形態〕
周期信号F1は、回転状態を示す信号に限定されることなく、周期が物理量(第1の物理量)を示すものであれば他の信号であってもよい。また、周期的な信号(周期は変動してもよい。)であれば、他の信号であってもよい。また、第2の物理量は、横力Yに限定されることなく、他の物理量であってもよい。例えば、温度であったり、車輪の空気圧であったりしてもよい。また、本実施形態では、1つの磁気センサ10によって検出された検出結果に基づいて、第1の物理量及び第2の物理量を取得する場合を例示したが、このような構成に限定されることもない。図3に示したブロック図において、付加信号生成部として機能する横力検出信号生成部5に、他のセンサからの検出結果が入力される構成とすることで、異なるセンサの検出結果を共通の信号線で伝送することが可能である。また、上記例では、ラーニングモードにおいて第2の物理量を示す値が増加する場合を例示したが、当然ながら本発明はこれに限定されない。初期値が高い値であって、ラーニングモードにおいて値が減少する物理量であってもよい。
以上説明したように、本発明によって、共通の信号線で異なる物理量を伝送するデータ通信方法を提供することが可能となる。このデータ通信方法は、車輪の状態を示す物理量と共に他の物理量を伝送する車輪の状態検出装置に適用することが可能である。
F1:周期信号(矩形波、回転検出信号)
F3a:重畳パルス(付加信号)
3:周期信号生成部(回転検出信号生成部)
4:出力部
5:横力検出信号生成部(付加信号生成部)
9:車輪

Claims (6)

  1. 少なくとも矩形波の周期により第1の物理量を伝達すると共に、当該矩形波の1周期におけるハイレベル及びローレベルの何れか一方の所定位置に重畳される重畳パルスによって前記第1の物理量とは異なる第2の物理量を伝達するデータ通信方法であって、
    各周期における前記重畳パルスのパルス数によって前周期までに伝達された前記第2の物理量の増減を表して前記第2の物理量を伝達するデータ通信方法。
  2. 前記重畳パルスは、各周期において2つ以上重畳可能であり、パルス数によってゼロを含む増減数を示す請求項1に記載のデータ通信方法。
  3. 所定の期間における前記矩形波の周期数と、前記重畳パルスのパルス数とに基づいて、前記第2の物理量の値を示す請求項1又は2に記載のデータ通信方法。
  4. 前記第1の物理量は、車輪の回転状態を示す物理量である請求項1〜3の何れか一項に記載のデータ通信方法。
  5. 前記第2の物理量は、前記車輪の回転軸方向に沿った方向から前記車輪に印加される横力を示す物理量である請求項1〜4の何れか一項に記載のデータ通信方法。
  6. 車輪の回転に応じて出力される交流の検出信号に基づいて、第1の物理量を伝達する信号として、当該検出信号の周期に応じた周期を有する矩形波の回転検出信号を生成する回転検出信号生成部と、
    前記回転検出信号の各周期において重畳可能であり、各周期において重畳されるパルス数によって、前周期までに伝達された値に対する増減を表して、前記第1の物理量とは異なる第2の物理量を伝達する付加信号を生成する付加信号生成部と、
    前記回転検出信号の1周期におけるハイレベル及びローレベルの何れか一方の所定位置に、前記付加信号を重畳する出力部と、
    を備える車輪の状態検出装置。
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