JP6620585B2 - パルス検出装置 - Google Patents
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Description
Vo=(C×V12−V22)/(C−1) … (1)
として算出する。
V11e=(V22−V12)/(C−1) … (2)
V21e=C×(V22−V12)/(C−1) … (3)
として算出する。
図1は、パルス検出システム1のブロック図である。図1に示されるように、パルス検出システム1は、センサ10およびセンサ制御部20を備える。センサ10は、パルス状のアナログの検出信号を出力する。センサ10による検出信号は、配線等の信号伝達経路を経由して、センサ制御部20に入力される。センサ制御部20は、検出信号と所定の閾値との比較により、検出信号のロー状態に対応したロー信号と、検出信号のハイ状態に対応したハイ信号とを出力する。センサ制御部20から出力されるロー信号およびハイ信号は、例えば、デジタル信号であり、ロー信号に対して「0」、ハイ信号に対して「1」が、それぞれ割り当てられる。ロー信号は、所定の時間間隔で出力される複数の「0」であり、ハイ信号は、当該時間間隔で出力される複数の「1」である。センサ制御部20から出力されたパルスの検出結果としてのロー信号およびハイ信号は、ECU30(electronic control unit)に入力され、ECU30による駆動装置(不図示)や出力部40の制御に用いられる。なお、本実施形態では、パルス検出システム1が自動車等の車両に装備された車輪速センサを含むシステムとして実施された場合が例示されるが、パルス検出システム1は、車輪速センサを含むシステムには限定されない。センサ制御部20は、パルス検出装置の一例である。
センサ10は、例えば、歯車状の磁性体であるロータ(不図示)に間隔をあけて面したホール素子や、トランジスタ等(いずれも不図示)を有する。センサ10には、センサ制御部20の電源部201から電力が供給される。ホール素子の出力は、ロータの歯先に対向した状態と歯元に面した状態とで切り替わる。また、トランジスタのオン状態とオフ状態とは、ホール素子の出力に応じて切り替わる。よって、ロータの回転に伴って、ホール素子がロータの歯先に面した状態と、ホール素子がロータの歯元に面した状態とが切り替わり、これにより、センサ10による検出信号の電流値が変化する。センサ10と、センサ制御部20との間には、プルダウン抵抗11が設けられている。したがって、検出信号の電流値の変化に応じて、検出信号の電圧値が変化する。すなわち、検出信号の電圧は、第一の電圧と第二の電圧(>V11)との間でパルス状に変化する。なお、プルダウン抵抗11は、センサ制御部20内に設けられてもよい。
図3は、検出信号と出力パルスの経時変化の一例を示している。図3の上段に示されるように、検出信号の電圧は、第一の電圧V11と第二の電圧V21との間で交互に変化している。図3の例では、時刻tsにおいて、何らかの原因で、検出信号の電圧が上昇している、すなわち、電圧のオフセットが生じている。オフセットが生じたことにより、第一の電圧は、V11からV12へ上昇し、第二の電圧は、V21からV22へ上昇している。また、オフセットが生じた後においても、検出信号の電圧は、第一の電圧V21と第二の電圧V22との間で交互に変化している。すなわち、オフセットの有無によらず、検出信号(の電圧)は、パルス状である。第一の電圧のV11からV12へのオフセット量Voは、第二の電圧のV21からV22へのオフセット量Voと略同じである。このような検出信号の電圧のオフセットは、例えば、センサ10とセンサ制御部20との間の配線と電位が高い部位や低い部位との短絡等に起因して、起こりうる。
オフセットが生じた場合にあっては、閾値設定部224Lにおける第一の閾値Vtl1および閾値設定部224Hにおける第二の閾値Vth1がオフセットが生じていない状態のままの値では、コンパレータ221L,221Hにおいてロー状態およびハイ状態を正しく検出できない。発明者は、鋭意研究により、オフセットが生じた状態(第二の状態)における第一の電圧V12や第二の電圧V22等に基づいて、オフセット量を算出できることを見いだした。
V21=V11×C ・・・ (11)
ここに、Cは、係数であり、正の実数である。なお、第一の状態は、初期状態や、基準状態、正常状態、設定状態、非オフセット状態等と称されうる。
オフセット量をVoとすると、以下の式(12),(13)が成り立つ。
V12=V11+Vo ・・・ (12)
V22=V21+Vo ・・・ (13)
これらの式(11)〜(13)から、オフセット量Voは、第二の状態における第一の電圧V12および第二の電圧V22と、係数Cとを用いて、次の式(14)のように表すことができる。
Vo=(C×V12−V22)/(C−1) ・・・ (14)
なお、第二の状態は、異常状態、オフセット状態等と称されうる。
Vtl2=Vtl1+Vo ・・・ (15)
Vth2=Vth1+Vo ・・・ (16)
すなわち、閾値可変制御部216は、オフセット量Voの上昇量が大きいほど、第一の閾値Vtl2および第二の閾値Vth2が大きくなるよう、換言すれば、オフセット量Voの低下量が大きいほど、第一の閾値Vtl2および第二の閾値Vth2が小さくなるよう、第一の閾値Vtl2および第二の閾値Vth2を設定する。なお、第一の閾値Vtl1,Vtl2、および第二の閾値Vth1,Vth2は、連続可変に設定される必要は無く、複数段階に設定されてもよい。この場合、第一の閾値Vtl2および第二の閾値Vth2として、式(15),(16)により算出された値に最も近い値が選択されてもよい。
発明者は、鋭意研究により、オフセットが生じた状態(第二の状態)における第一の電圧V12や第二の電圧V22等に基づいて、オフセットが生じていない状態(第一の状態)における第一の電圧の推定値V11eおよび第二の電圧の推定値V21eを算出できることを見いだした。式(11)〜(13)から、第一の状態における第一の電圧V11および第二の電圧V12を、第二の状態における第一の電圧V12および第二の電圧V22と、係数Cとを用いて、次の式(17),(18)のように表すことができる。
V11=(V22−V12)/(C−1) ・・・ (17)
V21=C×(V22−V12)/(C−1) ・・・ (18)
そこで、演算部214の電圧推定部214bは、式(17)および(18)から、第一の状態における第一の電圧の推定値V11eおよび第二の電圧の推定値V21eを、次の式(19),(20)を用いて算出する。
V11e=(V22−V12)/(C−1) ・・・ (19)
V21e=C×(V22−V12)/(C−1) ・・・ (20)
V21=V11×C ・・・ (11)
そこで、第二の異常判断部214dは、第一の電圧の推定値V11eと第二の電圧の推定値V21eとの推定係数Ce(推定比)を、次の式(21)を用いて算出する。
V21e/V11e=Ce ・・・ (21)
演算部214の第二の異常判断部214dは、推定係数Ceと係数Cとの差分の絶対値δと係数Cに対応して設定された係数差分閾値Cthとを比較することにより、差分の絶対値δが係数差分閾値Cthと同じかあるいはより大きい場合に、センサ異常が生じたと判断することができる。この場合、第二の異常判断部214dは、センサ異常を示す信号を出力する。センサ異常を示す信号は、例えばフラグであり、異常が無い場合、すなわち正常な場合には「0」、異常がある場合には「1」に設定される。センサ異常を示す信号は、データ変換部217を経て、ECU30へ伝達されうる。したがって、ECU30の駆動制御部31や制動制御部(不図示)は、センサ異常が生じた場合にあっては、例えば、車両の上限速度が設定されたり、車両が減速したり、車両が停止したりするよう、駆動装置や制動装置を制御することができる。また、ECU30の出力制御部32は、センサ異常が生じたことを示す表示出力や音声出力が、車両の乗員、ユーザ、オペレータ等に提示されるよう、出力部40を制御することができる。出力制御部32は、異常出力制御部の一例である。推定係数Ceは、算出値の一例であり、係数差分閾値Cthは、基準値の一例である。なお、係数・基準値記憶部215が、第一の状態の第一の電圧V11または第二の電圧V21に対応した基準値V11s,V21sを記憶し、第二の異常判断部214dが、第一の電圧および第二の電圧の推定値V11e,V21eと基準値V11s,V21sとを比較することにより、センサ異常の有無を判断してもよい。
Vo=(C×V12−V22)/(C−1) … (1)
として算出する。また、閾値可変制御部216は、オフセット量Voの上昇量が大きいほど第一の閾値Vtl2および第二の閾値Vth2が大きくなるよう、第一の閾値Vtl2および第二の閾値Vth2を変更する。よって、例えば、コンパレータ221L(第一の検出部)およびコンパレータ221H(第二の検出部)は、検出信号の電圧がオフセットした場合にあっても、オフセット量Voに応じて変更された閾値Vtl2,Vth2に基づいて、より精度良くロー状態またはハイ状態を検出することができる。また、オフセット量算出部214aは、式(1)により、電圧のオフセット量Voを、例えば、より容易にあるいはより迅速に、推定することができる。
V11e=(V22−V12)/(C−1) … (2)
V21e=C×(V22−V12)/(C−1) … (3)
として算出する。また、第二の異常判断部214dは、第一の電圧の推定値V11eと基準値V11sとの比較結果や、第二の電圧の推定値V21eと基準値V21sとの比較結果、推定係数Ceと係数Cとの差分の絶対値δ(算出値)と係数差分閾値Cth(基準値)との比較結果等に基づいて、センサ10の異常の有無を判断する。よって、例えば、センサ異常に基づく不都合な事態が生じるのが、回避されうる。
Claims (5)
- 第一の電圧と当該第一の電圧よりも高い第二の電圧との間で交互に変化するパルス状の検出信号であって、第一の状態においては前記第二の電圧が前記第一の電圧に正の実数である係数を乗算した値に略等しい前記検出信号と、第一の閾値と、の比較により、ロー状態を検出する第一の検出部と、
前記検出信号と、前記第一の閾値よりも高い第二の閾値と、の比較により、ハイ状態を検出する第二の検出部と、
第二の状態における前記第一の電圧および前記第二の電圧と、前記係数とから、前記第二の状態における前記検出信号の電圧の前記第一の状態に対するオフセット量を算出するオフセット量算出部と、
前記オフセット量の上昇量が大きいほど前記第一の閾値および前記第二の閾値が大きくなるよう、前記オフセット量に応じて前記第一の閾値および前記第二の閾値を変更する閾値可変制御部と、
を備えた、パルス検出装置。 - 前記オフセット量算出部は、前記第二の状態における前記第一の電圧をV12、前記第二の状態における前記第二の電圧をV22、前記係数をC、としたとき、前記オフセット量Voを、
Vo=(C×V12−V22)/(C−1) ・・・ (1)
として算出する、請求項1に記載のパルス検出装置。 - 前記オフセット量とオフセット閾値との比較に基づいてオフセット異常の有無を判断する第一の異常判断部を備えた、請求項1または2に記載のパルス検出装置。
- 第一の電圧と当該第一の電圧よりも高い第二の電圧との間で交互に変化するパルス状の検出信号であって、第一の状態においては前記第二の電圧が前記第一の電圧に正の実数である係数を乗算した値に略等しい前記検出信号と、第一の閾値と、の比較により、ロー状態を検出する第一の検出部と、
前記検出信号と、前記第一の閾値よりも高い第二の閾値と、の比較により、ハイ状態を検出する第二の検出部と、
第二の状態における前記第一の電圧および前記第二の電圧と、前記係数とから、前記第一の状態における前記第一の電圧または前記第二の電圧の推定値を算出する、電圧推定部と、
前記第一の電圧の推定値もしくは前記第二の電圧の推定値、または前記第一の電圧の推定値もしくは前記第二の電圧の推定値に基づく算出値と、基準値との比較に基づいて、センサの異常の有無を判断する第二の異常判断部と、
を備えた、パルス検出装置。 - 前記電圧推定部は、前記第二の状態での第一の電圧をV12、前記第二の状態での第二の電圧をV22、前記係数をC、としたとき、前記第一の状態における前記第一の電圧の推定値V11eまたは前記第二の電圧の推定値V21eを、
V11e=(V22−V12)/(C−1) ・・・ (2)
V21e=C×(V22−V12)/(C−1) ・・・ (3)
として算出する、請求項4に記載のパルス検出装置。
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