JP2010277959A - 二次電池電極用バインダー用樹脂組成物、二次電池電極用バインダー、二次電池電極用バインダーを用いてなる電極及び二次電池 - Google Patents

二次電池電極用バインダー用樹脂組成物、二次電池電極用バインダー、二次電池電極用バインダーを用いてなる電極及び二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質と導電材、さらにこれらと金属集電体との接着性に優れ、電解液に対する耐膨潤性にも優れ、初期特性に優れるのはもちろんのこと、充放電を繰り返しても性能の低下の少ない電池を製造できる二次電池電極用バインダーを提供することを目的とするものであり、さらには、このバインダーを用いた電極及び二次電池を提供する。
【解決手段】酸変性ポリオレフィン樹脂(A)及びポリウレタン樹脂(B)を含有し、(A)100質量部に対して、(B)が0.5〜100質量部であることを特徴とする二次電池電極用バインダー用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二次電池電極用バインダー用樹脂組成物、この樹脂組成物を用いてなるバインダー、さらにはこのバインダーを用いてなる電極及び二次電池に関するものである。
近年、携帯電話やデジタルカメラなどの携帯電子機器の小型軽量化や高機能化の要求に伴い、高性能電池の開発が積極的に進められており、充電により繰り返し使用が可能な二次電池の需要が大きく伸びている。特に、リチウムイオン電池は、携帯電話やノートパソコンなどの用途に加え、電気自動車用途への展開も進められ、その利用範囲は非常に拡大している。
リチウムイオン電池は、正極と負極との間にセパレーターを介して作製された電極を電解液(リチウムイオンポリマー電池の場合は、液状電解液の代わりにゲル状もしくは全固体型の電解質)と共に容器内に収納した構造を有するものである。
リチウムイオン電池の電極は、活物質と、必要に応じて主に炭素材料からなる導電材とが、バインダーを用いてアルミニウム箔や銅箔などの金属集電体上に層形成されたものである。正極用活物質としては、コバルト酸リチウムなどの遷移金属を含むリチウム複合酸化物などが用いられ、負極用活物質としては、炭素材料などが用いられる。そして、このようなリチウムイオン電池の電極は、通常、活物質に(必要に応じて)導電材およびバインダーを添加し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶媒の存在下で混練・調製した電極ペーストを、金属集電体上にドクターブレードなどによりに塗布し、乾燥することによって得られる。ここでバインダーは、活物質と導電材、さらにこれらと金属集電体とを接着するために用いられる。
したがって、電極形成のためのバインダーには、(1)活物質間、および必要に応じて添加する導電材との接着性に優れること、(2)活物質及び導電材と金属集電体との接着性に優れることなどの性能が要求される。
従来、二次電池電極用のバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂などの主にフッ素系樹脂をNMPに溶解した溶液が多く使用されている。
しかしながら、PVDFを用いた溶液をバインダーとして使用した場合、活物質間や導電材との接着性に劣り、また、活物質及び導電材と金属集電体との界面の接着性にも劣るため、極板の裁断工程や捲回工程等の製造工程時に活物質や導電材の一部が金属集電体から剥離・脱落し、微少短絡や電池容量のばらつきを生じる原因となっていた。
さらに、PVDFは電解液に対する耐膨潤性に劣るため、充放電を繰り返すことによってバインダーが電解液中で膨潤し、活物質と導電材との間や活物質及び導電材と金属集電体との接触抵抗が増大したり、活物質及び導電材の一部が金属集電体から剥離したりすることがあり、電池特性に劣り、さらには安全上の問題があった。
したがって、電極形成のためのバインダーには、(3)電解液に対する耐膨潤性に優れる性能も要求される。
また、PVDFを溶解させる溶媒として用いられているNMPは、電極ペーストを金属集電体上に塗布・乾燥する際に蒸発するため、これを安全に回収する必要がある。また昨今の環境関連の法規制によって、加工場によっては環境に影響を及ぼす可能性のある有機溶媒を使用できないところも多くなっている。
これらの問題に対して、二次電池電極用バインダーに関して以下のような技術が開示されている。特許文献1、特許文献2には、電気化学的に安定で電解液に対して膨潤性が小さいオレフィン系重合体の水性分散体をバインダーとして用いる試みが行われている。しかしながら、これらのバインダーは活物質や金属集電体に対する接着力が依然として不十分であり、これらのバインダーを使用した二次電池は長期間の使用が困難であり、サイクル特性に劣るものであった。
また、特許文献3には、弾性及び接着性に優れる電池用バインダーとして、水分散されたポリウレタン高分子化合物が記載されている。しかしながら、このバインダーは電解液に対する耐膨潤性能が不十分であった。このため、充放電を繰り返すことによって膨潤し、接着性能が低下し、活物質と導電材の一部が金属集電体から剥離するという欠点を有し、このバインダーを用いた二次電池は長期間の使用が困難であり、サイクル特性に劣るものであった。
特開2002−251998号公報 特開平9−251856号公報 特開2006−294615号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、活物質と導電材、さらにこれらと金属集電体との接着性に優れ、電解液に対する耐膨潤性にも優れ、初期特性に優れるのはもちろんのこと、充放電を繰り返しても性能の低下の少ない電池を製造できる二次電池電極用バインダー及びこのバインダー用の樹脂組成物を提供することを目的とするものであり、さらには、このバインダーを用いた電極及び二次電池を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題について検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)及びポリウレタン樹脂(B)を含有し、(A)100質量部に対して、(B)が0.5〜100質量部であることを特徴とする二次電池電極用バインダー用樹脂組成物。
(2)ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂もしくはポリエステル型ポリウレタン樹脂である(1)記載の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物。
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における酸変性成分の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする(1)または(2)記載の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物と液状媒体とからなる二次電池電極用バインダー。
(5)液状媒体が水である(4)記載の二次電池電極用バインダー。
(6)(4)〜(5)いずれかに記載の二次電池電極用バインダーを用いて形成された二次電池電極。
(7)(6)に記載の二次電池電極を用いて形成された二次電池。
本発明の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物を用いたバインダーは、活物質間、および必要に応じて添加する導電材との接着性に優れる、活物質及び導電材と金属集電体との接着性に優れる、電解液に対する耐膨潤性に優れるという性能を有し、充放電サイクルの進行に伴って、活物質や導電材が金属集電体から脱落することがなく、接着性と導電性を維持できる電極が得られる。したがって、本発明の二次電池電極用バインダーは、初期特性に優れるのはもちろんのこと、充放電サイクルの進行に伴って、電池性能の劣化が生じにくいサイクル特性に優れた二次電池を得ることが可能となる。
また、本発明の二次電池電極及び二次電池は、本発明の二次電池電極用バインダーを用いているため、電池性能の初期特性に優れるとともに、充放電サイクルの進行に伴う劣化が生じにくいサイクル特性に優れたものであり、携帯電話やノートパソコン、デジタルカメラなどの電子機器に広く使用することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物(以下、バインダー用樹脂組成物と略記することがある)は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)を含有するものであるが、(A)と(B)を特定の割合で混合した樹脂を主成分するものであって、バインダー用樹脂組成物中の(A)と(B)の合計質量は80質量%以上であることが好ましい。本発明のバインダー用樹脂組成物を用いることで、活物質及び導電材と金属集電体との接着性が良好なバインダーを得ることができる。
本発明のバインダー用樹脂組成物に用いられる酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、オレフィン成分を主成分とし、酸変性成分を一定量含むものである。主成分であるオレフィン成分としては、プロピレン、エチレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン類が挙げられ、これらのモノマーは2種以上を用いてもよい。中でも、プロピレン、エチレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のオレフィンが好ましく、プロピレン、エチレンがより好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)に含まれる酸変性成分としては、不飽和カルボン酸やその無水物が挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもマレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。
酸変性成分である不飽和カルボン酸やその無水物は、ポリオレフィン樹脂(A)中に、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などにより共重合されていれば特にその形態は限定されない。なお、樹脂中に導入された酸無水物は、樹脂の乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成しているが、後述する水性媒体中に分散させる場合は、水性媒体中でその一部、または全部が開環してカルボン酸、あるいはその塩の構造をとる場合がある。
本発明において、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)に含まれる酸変性成分の量は、活物質、導電材および金属集電体との接着性、後述する水性分散体の調製性、酸やアルカリに対する耐性の点から、酸変性ポリオレフィン樹脂における0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜8質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における酸変性成分の含有量が0.1質量%未満では、活物質及び導電材と金属集電体との接着性が低下する場合があり、また後述するように樹脂を水性媒体中に分散させる場合には、その分散化が困難になりやすい。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における酸変性成分の含有量が10質量%を超えると、酸およびアルカリへの耐性が低下し、電解液中で膨潤しやすいものとなる傾向がある。
本発明で用いる酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の分子量は特に限定されないが、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、通常0.01〜5000g/10分、好ましくは0.1〜1000g/10分、より好ましくは1〜500g/10分、さらに好ましくは2〜300g/10分、特に好ましくは2〜200g/10分のものを用いることができる。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、樹脂の溶液化や分散化は困難になる。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが5000g/10分を超えると、電極がもろくなり、接着性が低下する場合がある。
本発明において用いることのできる市販の酸変性ポリオレフィン樹脂としては、日本ポリエチレン社製レクスパールシリーズ、三井・デュポンポリケミカル社製ニュクレルシリーズ、アルケマ社製ボンダインシリーズなどが挙げられる。
次に、ポリウレタン樹脂(B)について説明する。
ポリウレタン樹脂とは、主鎖中にウレタン結合を含有する高分子であり、例えばポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応で得られるものである。
本発明におけるポリウレタン樹脂(B)は、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂もしくはポリエステル型ポリウレタンであることが好ましい。ポリエーテル型ポリウレタン樹脂とは、ポリウレタンを構成するポリオール成分としてポリエーテルポリオールを含むものであり、ポリエステル型ポリウレタン樹脂とは、ポリウレタンを構成するポリオール成分としてポリエステルポリオールを含むものである。
例えば、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレンポリオール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリオキシエチレン/プロピレンポリオールなどが挙げられ、なかでもポリエチレングリコールとポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオールが入手しやすいため好ましく、接着性の観点から、ポリテトラメチレングリコールがより好ましい。
ポリエーテルジオールの分子量は特に限定されないが、1000〜10000の範囲のものが好ましく、1000〜5000が特に好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、前記のポリエーテルポリオールで例示したアルコール類とアジピン酸、フマル酸、マレイン酸などの多塩基性カルボン酸との縮合物が挙げられる。また、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール以外のポリオールとして、本発明の効果を損なわない範囲で、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどを用いてもよい。
また、ポリウレタン樹脂(B)を構成するポリイソシアネート成分としては、芳香族、脂肪族および脂環族の公知ジイソシアネート類の1種または2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例としては、トリレンジジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート、およびこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
本発明のバインダー用樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)を含有し、(A)100質量部に対して、(B)が0.5〜100質量部であることが必要であり、中でも(B)は0.5〜80質量部、さらには1.0〜50質量部であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)の含有量が0.1質量部未満では、得られるバインダーはポリウレタン樹脂(B)の添加効果がほとんど見られず、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)のみを用いたバインダーと比べて十分な接着性向上の効果が得られない。一方、ポリウレタン樹脂(B)の含有量が100質量部を超えると、得られるバインダーは酸およびアルカリへの耐性が低下し、膨潤しやすいものとなる。
また、本発明のバインダー用樹脂組成物は、前記したようにバインダー用樹脂組成物中の(A)と(B)の合計質量は80質量%以上であることが好ましい。80質量%未満であると、バインダーとした際に上記したような本発明の効果を奏することが困難となりやすい。
ただし、本発明の効果を損なわない範囲内で、本発明のバインダー用樹脂組成物中には、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(B)以外の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、1−ペンテン、4−メチルー1−ペンテン、3−メチルー1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのアルケン類やジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、き酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビニリデン類、一酸化炭素、二酸化硫黄など、およびこれらの混合物が挙げられる。
次に、本発明の二次電池電極用バインダー(以下、バインダーと略記することがある)について説明する。本発明のバインダーは、上記したような本発明のバインダー用樹脂組成物と液状媒体とからなるものである。液状媒体としては、水、NMP、トリメチルフォスフェート、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられるが、環境への影響を考慮し、中でも水を用いることが好ましい。
そして、本発明のバインダー中には、本発明のバインダー用樹脂組成物を含有するものであるが、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)を合わせた樹脂の固形分濃度が、1〜50質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが特に好ましい。(A)と(B)を合わせた樹脂固形分濃度が50質量%を超えると、バインダーの著しい粘度増加あるいは固化により取扱い性が低下する傾向がある。一方、樹脂固形分濃度が1質量%未満ではバインダーの著しい粘度低下により取扱い性が低下する傾向がある。
上記したように、本発明のバインダーは液状媒体として水を用いることが好ましく、中でも、本発明のバインダー用樹脂組成物の水性分散体であることが好ましい。水性分散体中では、バインダー用樹脂組成物の酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)が均一に混合・分散されていることが好ましい。このような水性分散体を得るには、例えば、それぞれあらかじめ調製された酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体とポリウレタン樹脂(B)の水性分散体とを混合する方法や、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)を混合し、水や溶媒とともに加熱・攪拌を行って水性分散体を得る方法が挙げられる。中でも前者の方法がより簡便であり好ましい。
上記した酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、塩基性化合物、水性媒体とを含有するものであり、不揮発性水性分散化助剤を含有しないことが好ましい。
本発明において、不揮発性水性分散化助剤とは、水性分散化において、水性分散化促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤や化合物を指す。不揮発性水性分散化助剤を含むバインダーを用いた場合、不揮発性水性分散化助剤は電極形成後にも残存し、バインダー樹脂を可塑化することにより、電極の特性、例えば耐電解液特性を悪化させる。不揮発性とは、常圧での沸点を有さないか、もしくは、常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。
不揮発性水性分散化助剤としては、乳化剤などが挙げられ、その具体例としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
また、上記したポリウレタン樹脂(B)の水性分散体は、上記ポリウレタン樹脂(B)を水性媒体に分散した水性分散体であり、市販のものを使用することができ、例えば、アデカ社製のアデカボンターターシリーズ(HUX−320、HUX−380)、第一工業製薬社製のスーパーフレックスシリーズ(110、130)、楠本化成社製のNeoRezシリーズ(R−966、R−600、R−650)などが挙げられる。
また、本発明のバインダーを本発明のバインダー用樹脂組成物の水性分散体とする場合、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で、さらに他の重合体の水性分散体を添加してもよい。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−(メタ)アクリル酸−共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの水性分散体、およびこれらの混合物が挙げられる。
また、本発明のバインダーを本発明のバインダー用樹脂組成物の水性分散体とする場合、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)以外に、水溶性ポリマーを添加してもよい。水溶性ポリマーの具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸またはアクリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、無水マレイン酸またはマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体、変性ポリビニルアルコール、変性ポリアクリル酸などが例示される。
中でも、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体が効果的である。これらのセルロース類は、金属集電体、活物質、導電材料の各材料間の濡れ性を向上させる。配合量としては、ポリオレフィン樹脂(A)、活物質、導電材の計100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜3質量部、さらに好ましくは0.01〜1.5質量部である。
そして、本発明の二次電池電極用バインダーに、活物質と必要に応じて導電材とを含有させることにより二次電池電極用ペーストを得ることができる。
正極用活物質としては、リチウムイオンを可逆的に放出、吸蔵でき、電子伝導度が高い材料が好ましく、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどの遷移金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
負極用活物質としては、例えばグラファイトなどの炭素材が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
導電材としては、炭素材または金属もしくはその化合物を用いることができる。炭素材としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、グラファイト、炭素繊維等を挙げることができ、金属もしくはその化合物としては、ニッケル、コバルト、チタン、酸化コバルト、酸化チタン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、活物質と導電材の合計質量に対して、二次電池電極用バインダーに含まれる酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の含有量((A)と(B)の合計の含有量)は、0.01〜8質量%であることが好ましい。8質量%を超えると、得られる電極における電気抵抗値が高くなる傾向がある。また0.01質量%未満であると、活物質と導電材および金属集電体との十分な接着性を得ることが困難となりやすい。
本発明において二次電池電極用ペーストを製造する条件や方法は特に限定されず、二次電池電極用バインダーと、活物質と、導電材とを常温もしくは適当に制御された温度で混合した後、機械的分散処理、超音波分散処理等が使用できる。混合順序については特に限定されない。また、必要に応じて上述した他成分や溶媒などを添加することもできる。
本発明の二次電池電極は、本発明の二次電池電極用バインダーを用いて形成されたものであるが、例えば上記のようにして製造した二次電池電極用ペーストを集電体上に塗布・乾燥することにより、二次電池電極を形成することができる。集電体としては、導電性を有する物質であればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅などが挙げられる。集電体の厚みに特に制限はないが、通常5〜50μmの薄膜が用いられる。
ペーストを集電体上に塗布する方法としては、例えばドクターブレードを用いる方法が挙げられ、水性媒体を除去する方法としては、例えば60〜150℃、好ましくは70〜130℃で5〜120分間乾燥し、さらに例えば120℃で12時間減圧乾燥する方法が挙げられる。塗布、乾燥後の電極の厚みは30〜150μmが好ましい。電極の厚みや密度を制御するために、例えばロールプレス機によってプレスすることが好ましい。
さらに、本発明の二次電池は、本発明の二次電池電極を用いて形成されたものであるが、例えば、上記のようにして製造した二次電池電極を、セパレーターおよび電解液とともに常法に従って容器に封入することにより二次電池を形成することができる。二次電池を構成するセパレーターとしては、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維などが挙げられ、電解液としては、エチレンカーボネートやジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどの非水溶媒を1種類および2種類以上混合した混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウムなどの支持電解塩が添加されたものが挙げられる。
また、セパレーターに代えて固体電解質あるいはゲル電解質を用いてもよい。電解質としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、イオン性液体、硫酸水溶液、水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。電解質を溶解させる溶媒(電解液溶媒)も、一般的に電解液溶媒として用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;スルホラン類;アセトニトリルなどのニトリル類;イオン性液体などが挙げられ、これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
なお、後述する各種の特性は、以下の方法によって測定または評価した。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂に含まれる酸変性成分の含有量
酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価をJIS K5407に記載の方法に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量を求めた。
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d4)中で、120℃にて1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)
酸変性ポリオレフィン樹脂のMFRをJIS 6730に記載(190℃、2160g荷重)の方法で測定した。
(4)バインダーの接着強度測定
得られた二次電池電極用バインダーをアルミ箔の光沢面に乾燥後の接着層の厚みが3μmになるようにメイヤーバーでコートし、90℃で90秒間乾燥した。アルミ箔のバインダー塗布面にアルミ箔の光沢面を貼り合わせ、ヒートプレス機(シール圧0.3MPaで2秒間)にて150℃でプレスした。
得られたアルミ積層体から幅15mm、長さ10cmの測定サンプルを切り出し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張り速度100mm/分の条件にてT型剥離試験を行い、剥離強度を評価した。なお測定は各サンプル5回実施し、その平均値を剥離強度とした。
(5)バインダーの電解液膨潤性
得られた二次電池電極用バインダーをテフロン(登録商標)製の皿に入れた後、65℃で2時間乾燥し、さらに75℃減圧下で15時間乾燥した。固化した樹脂を約1.5g計り取り、正確な質量を測定したのち、電解液(四フッ化ホウ酸リチウムをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒(質量比1/1)に1モル/リットルの濃度で溶解させたもの)に50℃雰囲気下で24時間浸漬した。その後、樹脂の表面に付着した電解液をキムワイプで拭き取り、電解液浸漬後の樹脂の質量を測定し、その増分を電解液膨張率とした。
(6)電極と集電体界面の接着強度測定
正極活物質としてコバルト酸リチウム(日本化学工業社製、セルシード C−10N)92質量%と、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)4質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)(第一工業製薬社製、セロゲンBSH−6)水溶液1質量%と、得られた二次電池電極用バインダー3質量%を、それぞれの固形分が45質量%になるように配合し、十分に混練することにより二次電池電極用ペーストを調製した。
得られたペーストを厚さ18μmのアルミ箔の片面に、乾燥後の厚さが約80μmになるようフィルムアプリケーターを用いて塗布し、80℃で30分熱風乾燥させた後、さらに水分を除去するために120℃で15時間真空乾燥して、アルミ箔上に活物質層を形成して二次電池正極電極を調製した。得られた正極電極について、スパチュラを用いて一定の力で削り、アルミ箔が露出するまでの削った回数に関する下記の基準に基づいてアルミ箔界面の接着強度を測定した。
○:11回以上削ってアルミ箔が露出
△:6〜10回削ってアルミ箔が露出
×:1〜5回削ってアルミ箔が露出
(7)初期充放電効率
(6)の方法で得られた二次電池正極電極を用い、面積が2cmの円形になるように切断し、集電体上の塗膜をプレスにて膜密度が2.3g/cmとなるように成形し、黒鉛電極(宝泉社製)と組み合わせるとともに両極の間にセパレーターを挟んでコイン型電池を作製し、充放電試験を行った。初期充放電効率は25℃環境下、0.2C−4.1V定電流低電圧充電後、0.2C−2.5V定電流放電を行い、放電容量と充電容量より下記式にて算出した。
初期充放電効率(%)=(放電容量/充電容量)×100
(8)サイクル特性
50℃環境下、1C−4.1V定電流定電圧充電後、1C−2.5V定電流放電を繰り返し行うことにより、サイクル特性の評価を行った。初期容量を100%とし、10サイクル後の電池容量を求め、維持率を算出した。
参考例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂〔ボンダインTX−8030、アルケマ社製〕、60.0gのイソプロパノール(和光純薬社製)、2.2gのトリエチルアミン(和光純薬社製)および177.8gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を120℃に保ってさらに20分間撹拌した。
その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−1」(固形分濃度20質量%)を得た。
参考例2
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合樹脂(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708)280gを、4つ口フラスコ中において窒素雰囲気下で加熱溶解させた。その後、系内温度を170℃に保って、攪拌下、不飽和カルボン酸としての無水マレイン酸32.0gとラジカル発生剤としてのジクミルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥して酸変性ポリオレフィン樹脂「P−1」を得た。ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、酸変性ポリオレフィン樹脂として60.0gのポリオレフィン樹脂「P−1」、90.0gのノルマルプロパノール、6.2gのトリエチルアミン、143.8gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌しながら加熱し、系内温度を140℃に保って60分間撹拌した。
その後、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却し、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)し、乳白黄色の酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−2」(固形分濃度20質量%)を得た。
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−1」、「E−2」の製造に使用した酸変性ポリオレフィン樹脂の組成、MFRを表1に示す。
実施例1
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−1」とポリエーテル型ポリウレタン樹脂の水性分散体〔楠本化成社製NeoRezR−600(固形分濃度33質量%)〕「U−1」を用い、ポリオレフィン樹脂(固形分)100質量部にポリウレタン樹脂(固形分)1質量部となるように配合し、室温で5分間、混合攪拌し、二次電池電極用バインダー「T−1」を得た。
得られた二次電池電極用バインダー及びこの二次電池電極用バインダーを用いた電極、電池の特性値と評価結果を表2に示す。
実施例2〜7、比較例1〜2
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−1」とポリエーテル型ポリウレタン樹脂の水性分散体「U−1」の混合量を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で、二次電池電極用バインダー「T−2」〜「T−7」及び「H−1」〜「H−2」を得た。
得られた二次電池電極用バインダー及びこの二次電池電極用バインダーを用いた電極、電池の特性値と評価結果を表2に示す。
実施例8、比較例3〜4
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体「E−2」とポリエステル型ポリウレタン樹脂の水性分散体〔アデカ社製アデカボンターターHUX−380(固形分濃度37質量%)〕「U−2」を用い、ポリオレフィン樹脂(固形分)100質量部にポリウレタン樹脂(固形分)40質量部となるように配合し、室温で5分間、混合攪拌し、二次電池電極用バインダー「T−8」及び「H−3」〜「H−4」を得た。
得られた二次電池電極用バインダー及びこの二次電池電極用バインダーを用いた電極、電池の特性値と評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1〜8で得られた二次電池電極用バインダーは、電解液膨潤性評価が高く、アルミ箔への接着性が良好なことから電極と集電体界面との接着性にも優れていた。さらに、この二次電池電極用バインダーを用いた二次電池は、初期充放電特性、サイクル特性ともに良好な電池特性を示していた。
一方、比較例1、比較例3で得られた二次電池電極用バインダーは、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)のみからなるものであったため、接着性に劣るものであり、これらのバインダーを用いた二次電池は、初期充放電特性、サイクル特性ともに劣るものであった。比較例2、比較例4の二次電池電極用バインダーは、ポリウレタン樹脂(B)のみからなるものであったため、電解液膨潤性評価が低く、これらのバインダーを用いた二次電池は、サイクル特性に劣るものであった。

Claims (7)

  1. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)及びポリウレタン樹脂(B)を含有し、(A)100質量部に対して、(B)が0.5〜100質量部であることを特徴とする二次電池電極用バインダー用樹脂組成物。
  2. ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂もしくはポリエステル型ポリウレタン樹脂である請求項1記載の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物。
  3. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における酸変性成分の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の二次電池電極用バインダー用樹脂組成物と液状媒体とからなる二次電池電極用バインダー。
  5. 液状媒体が水である請求項4記載の二次電池電極用バインダー。
  6. 請求項4〜5いずれかに記載の二次電池電極用バインダーを用いて形成された二次電池電極。
  7. 請求項6に記載の二次電池電極を用いて形成された二次電池。

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