JP2010276958A - 静電潜像現像用トナー及び静電潜像現像剤 - Google Patents

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敦司 山口
Yukinori Nakayama
幸則 中山
Takanori Tanaka
崇伯 田中
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昌 田中
Noriya Asanuma
範也 浅沼
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Abstract

【課題】従来と比べて、ハイブリッド現像方式において優れたトナー画質を示す静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
【解決手段】トナー粒子を含む静電潜像現像用トナーであって、フロー式粒子像分析装置によって測定される当該トナー中の、投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満のトナーの平均円形度をDnとしたときに、D4からD8までの値がそれぞれ0.940以上であり、D4からD8までの最大値と最小値の差が0.015以下であるトナーを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等の画像形成方法において形成される静電潜像を現像するための静電潜像現像用トナー及び静電潜像現像剤に関する。
高画質なカラー画像を高速で形成する小型の画像形成装置として、小型タンデム型ハイブリッド現像方式を用いた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この現像方式では、現像剤として非磁性トナー及び磁性キャリアを含む2成分現像剤を用いて、各色のトナーに対応した複数の小型画像形成ユニットを並べて配置している。そして、各画像形成ユニットにおいて、現像器に設置した磁気ローラーに2成分現像剤を保持させ、該磁気ローラーに保持された現像剤から一旦現像器に設置した現像ローラーにトナーのみを移行させて現像ローラー表面にトナー薄層を形成し、該現像ローラーと空隙を介して対向する感光体にトナーを飛翔させることで、感光体上にトナー像を現像する方式である。
この現像方式は、感光体と現像ローラー(現像スリーブ)との間に空隙がある非接触現像方式であり、従来の接触現像方式で発生していた感光体へのキャリア付着や磁気ブラシによる感光体の疵付けがないので、出力画像の高画質化が可能である。又、現像剤として2成分系現像剤を採用しているので、現像器内で現像剤を混合することでトナーが帯電される。そのため、高濃度印字や連続印字においても素早くトナーを所望の帯電量にすることができる。
特開2004−280092号公報 特開2001−109242号公報
しかしながら、上記小型タンデム型ハイブリッド現像方式を採用した画像形成装置では、幅方向のサイズを極小にするために、各画像形成ユニットでは感光体の上部方向に縦型の現像器が位置するように、現像ローラーの上側に磁気ローラーを配置している。このため、現像剤はストレスを受けやすく、長期間、特に低濃度印刷を繰り返し行うとトナーへの外添剤の埋め込みが顕著になり、トナーの帯電量上昇による現像ローラーへのトナーの付着等の問題が発生しやすい。
ここで、トナーの帯電量上昇による現像ローラーへのトナー付着について具体的に説明する。
小型タンデム型ハイブリッド現像方式では、所望の帯電量になったトナーを磁気ローラーから現像ローラーに供給するとともに、感光体へ飛翔せずに現像ローラー上に残ったトナーを回収することで、現像ローラーにつねにフレッシュなトナーが供給されている。
しかし、現像ローラーの上側に磁気ローラーが配置されているので、現像ローラー上の残留トナーを回収するときには、重力に逆らってトナーを現像ローラーから磁気ローラーに移動させる必要がある。トナーの帯電量が一旦上昇すると、現像ローラーへの鏡像力も増すので、現像ローラーから磁気ローラーへの剥ぎ取りが行なわれにくくなる。そして、現像ローラーに回収されなかった残留トナーが留まり、トナーの帯電量上昇がさらに加速される。このようにして、現像ローラーへの付着が引き起こされて、現像性が低下する。
このような現像ローラーへの付着対策として、特許文献2に示すように現像ローラーと供給ローラーとに印加するバイアスを制御することが考えられる。具体的には、現像ローラーと供給ローラーとの間にトナーが現像ローラー側へと引き寄せされる方向の電界が作用するようにバイアス電圧を供給可能な構成とし、現像が完了する所定時間前にトナーが供給ローラー側へと引き寄せさせる方向の電界が作用するように切替え制御する方法である。しかしながら、特許文献2では、残留トナーを直接掻き取るために現像ローラーに圧接するように供給ローラーが設けられている。これに対して、小型タンデム型ハイブリッド現像方式では、磁気ローラーが現像ローラーと離間して配置されているので、現像ローラー上に残留したトナーを磁気ローラーが十分に剥ぎ取ることができない。又、特許文献2では、トナー自体を改良することによって現像ローラーへの付着を抑制することについて、全く検討されていない。
又、近年の高画質化への高まりから、トナー粒径はより小粒径化の方向に進んでいる。トナーの粒径を10μm以下にすることで、文字散りや細線再現性は向上する。しかし、小型タンデム型ハイブリッド現像方式において、このような小粒径トナーとして粉砕トナーを用いた場合には、トナーの現像ローラーへの付着が増加し、現像性を低下させている。しかし、特許文献1、2では、小粒径トナーの現像ローラーへの付着を抑制することについて、全く検討されていない。
本発明は、ハイブリッド現像方式において、現像ローラーへの付着(スリーブ付着)を抑制することができるトナーを提供することを目的とする。又、該トナーを含有する現像剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、ハイブリッド現像方式でスリーブ付着したトナーの粒径を調査したところ、大半が投影面積円相当径で9μm以下であった。そして、転写中抜けを誘発するものは4〜9μmが多く、又、これらスリーブ付着したトナーの形状は、楕円形や凹没した形状のものが多く、真球形は殆どなかった。これらより、トナー全体の中で、投影面積円相当径が4〜9μmのトナーについて、その形状をむらなく真球形に近づけることで、スリーブ付着の発生を抑制でき、結果として、転写中抜けを低減できることを見出した。又、15μm以下の大小様々な粒径のものが混在するトナーを用いた場合でも、投影面積円相当径4〜9μmのトナーについて、その形状を同程度の円形度に揃えることで、投影面積円相当径4μm未満の粒子(トナー及び外添剤)の数量(粒子数)がトナー全体の6割程度まで占めているときでも、スリーブ付着の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のトナーは、トナー粒子を含む静電潜像現像用トナーであって、フロー式粒子像分析装置によって測定される当該トナー中の、投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満のトナーの平均円形度をDnとしたときに、D4からD8までの値がそれぞれ0.940以上であり、D4からD8までの最大値(Dmax)と最小値(Dmin)の差(Dmax−Dmin)が0.015以下のトナーである。
本発明のトナーは、105℃における粘度が3×10以上なので楕円形状のトナーが少なく、かつ、D4からD8までの値がそれぞれ0.940以上で、D4からD8までの最大値と最小値の差が0.015以下であるので、従来のトナーと比べて、個々のトナーが球形に近い丸みを帯びているとともに、トナー全体においても円形度のバラツキが小さい。これによって、感光体として有機感光体を用いた場合であっても、個々のトナーの付着力を低減させてスリーブ付着の発生を抑制している。
前記トナーにおいて、105℃における粘度が3×10〜7×10Pa・sであることが好ましい。これによって定着性がより高まる。
前記トナーは、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む静電潜像現像剤を担持して搬送する磁気ローラーと、前記磁気ローラーと所定の間隔をあけて対向して配置され、周表面に前記静電潜像現像剤中の非磁性トナーを担持して搬送する現像ローラーと、前記現像ローラーに対向して配置され、静電潜像が形成される有機感光体とを備え、前記磁気ローラーによって搬送された前記静電潜像現像剤中のトナーを前記現像ローラーの周表面に移行させ、前記現像ローラーによって搬送されたトナーを、前記感光体の表面に飛翔させて、前記感光体の表面に予め形成された静電潜像をトナー像として顕像化させ、前記トナー像を記録媒体に転写させることによって画像を形成する画像形成装置において、非磁性トナーとして用いることができる。これによって、表面が平滑なアモルファスシリコン感光体と比べて、表面の凹凸が多い有機感光体を備えたハイブリッド現像方式の画像形成装置においても、スリーブ付着を十分に抑制することができる。
又、本発明の現像剤は、非磁性トナーと、磁性キャリアとを含む静電潜像現像剤であって、非磁性トナーが前記トナーであることを特徴とする現像剤である。この現像剤を用いることで、高画質なカラー画像を形成する際に、画像形成装置においてスリーブ付着の発生を十分に抑制することができる。
本発明によれば、ハイブリッド現像方式において、特に小型タンデム型ハイブリッド現像方式において、現像ローラーへの付着を抑制したトナーを提供することができる。又、該トナーを含有する現像剤を提供することができる。
画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 画像形成装置に備えられている画像形成ユニットの構成概略図である。 実施例及び比較例で得られたトナーの平均円形度の分布図である。
本発明の一実施形態のトナーについて、以下に説明する。
[トナー]
本実施形態のトナーは、トナー粒子を含む静電潜像現像用トナーであって、フロー式粒子像分析装置によって測定される当該トナー全体において、投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満の粒子の平均円形度をDnとしたときに、D4からD8までの値がそれぞれ0.940以上であり、D4からD8までの最大値(Dmax)と最小値(Dmin)の差(Dmax−Dmin)が0.015以下のトナーである。
本実施形態のトナーは、投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満のトナーの平均円形度をDnとしたときに、D4からD8までの値がそれぞれ0.940以上である。すなわち、Dminが0.940以上である。D4からD8のうち、いずれか1つ又は2つ以上が0.940未満の場合には、トナー全体で見ると、丸みのないトナーが増加するので、感光体ドラムとの接触摩擦係数が増大する。その結果、転写時における感光体ドラムからトナーを剥がす際に、十分に剥がれなくなり、転写中抜け等の転写の問題が発生する。一方、Dminは1に近いほど、トナー全体として球状に近い丸みを有したトナーが増加し、転写中抜けの発生が抑制されるので、好ましい。
ここで、投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満の粒子(例えば、トナー)の平均円形度Dnは、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製、FPIA−2100)に平均円形度Dnを測定する粒子を装入し、装入された粒子全体の中から、測定の対象を投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満の粒子に限定して(但し、nは0以上の整数)、23℃、60%RHの環境下で、当該投影面積円相当径を限定した個々の粒子について、粒子の投影像と同じ投影面積を持つ円の周囲長(L0)と、粒子の投影像を512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理したときの周囲長(L)を測定して、下記の式(1)から円形度(a)を求め、さらに、当該投影面積円相当径に限定した個々の粒子の円形度の総和を、当該投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満の粒子の数量で除した値を、粒度nμmの平均円形度Dnと定義する。
a=L0/L ・・・(1)
又、本実施形態のトナーは、D4からD8までの最大値(Dmax)と最小値(Dmin)の差(Dmax−Dmin)が0.015以下である。Dnの最大値と最小値の差が0.015より大きい場合には、トナー全体で見ると、円形度の分布にばらつきが生じてしまい、個々のトナーの間で、感光体ドラムとの接触摩擦係数がばらつく。その結果、転写時における感光体ドラムからトナーを剥がす際に、均一に剥がれなくなり、転写中抜け等の転写の問題が発生する。
そして、D4からD8までの2つ以上の値が低く、Dnの最大値と最小値の差が大きい(すなわち、円形度の分布にばらつきがある)場合には、トナーの帯電量分布にも影響してトナーの帯電量上昇という現象を引き起こし、現像スリーブ上でトナーが帯電凝集を引き起こすことになる。その結果、現像スリーブ上でのトナー層を形成できなくなり、ベタ画像出力時の画像ムラを生じる。
本実施形態のトナーは、その平均粒径が5〜10μm程度に分級及び粒度調整されていることが好ましい。平均粒径を上記範囲内に調整することで、トナー全体の中で小粒径トナーと大粒径トナーの占める割合が小さくなり、トナー全体で見ると、感光体ドラムとの接触摩擦係数が収束して、転写中抜けの発生がさらに低下するからである。
本実施形態のトナーは、105℃粘度が3×10〜7×10Pa・sであることが好ましく、6×10〜5×10Pa・sであることがより好ましい。トナーの溶融粘度が3×10Pa・s未満の場合には、トナーを製造する際に、小粒径でひずみのあるトナー、すなわち楕円形のトナーが多く形成されやすい。その結果、円形度分布のばらつきが大きくなり、特にD4やD5の低下を引き起こし、転写中抜けや現像スリーブでの帯電凝集によるスリーブ付着が発生しやすくなり、画像むらが多くなる傾向がある。又、溶融粘度が3×10Pa・s未満の場合にはホットオフセットが発生しやすくなる。これに対して、溶融粘度が6×10Pa・s以上の場合には、円形度分布のばらつきが小さくなり、スリーブ付着の発生がより一層抑制される。一方、トナーの溶融粘度が7×10Pa・sを超える場合には、定着性が低下して画像欠陥が発生する傾向がある。又、粉砕性が悪化するので生産性も低下する傾向がある。これに対して、溶融粘度が5×10Pa・s以下の場合には、粉砕性に優れるので生産性が向上する。
本実施形態のトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂に電荷制御剤等の各種トナー配合剤を混合し、押出機等の混練機を用いて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕及び分級することにより得られる。
<トナー原料>
次に、トナー原料の構成成分について詳しく説明する。
(結着樹脂)
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、従来からトナー粒子の結着樹脂として用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。その具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
より具体的には、ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体のほか、スチレンと、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体が挙げられる。他の共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等の他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン等のN−ビニル化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることができる。
又、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られるものが用いられる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。
まず、2価又は3価以上のアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
次に、2価又は3価以上のカルボン酸成分としては、2価又は3価カルボン酸、この酸無水物又はこの低級アルキルエステルが挙げられる。2価カルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等が挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等が挙げられる。
そして、ポリエステル系樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好な観点から上記のような熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂のみを使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、熱硬化性樹脂を一部使用してもよい。このように結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性又は耐久性を向上させることができる。
上記のような熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等を使用することができる。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)としては、50〜65℃であることが好ましく、50〜60℃であることがより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が50℃よりも低い場合には、画像形成装置の使用時に得られるトナー同士が現像器内で融着したり、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着し、保存安定性が低下する傾向がある。又、樹脂強度が低いため、感光体へのトナー付着が生じる傾向がある。一方、ガラス転移点が65℃よりも高い場合には、トナーの低温定着性が低下する傾向がある。尚、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計DSC−6200を用い、測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空(カラ)のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて吸熱曲線を測定し、得られた吸熱曲線の変化点よりガラス転移点を求めることができる。
(着色剤)
トナー原料を構成する着色剤としては、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。色調を調整するために、カーボンブラックの如き顔料やアシッドバイオレットの如き染料を着色剤として結着樹脂中に分散させることができる。カラートナー用の顔料を用いてもよい。着色剤の配合量は、通常、上記結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部である。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合される。すなわち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加することができ、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができる。
トナー原料を構成する電荷制御剤としては、従来からトナー粒子の電荷制御剤として用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダ−クグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW及びアジンディーブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合せて用いてもよい。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点から、正帯電性トナーとしての使用に最適である。
又、正帯電性電荷制御剤として、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩又はカルボキシル基を官能基として有する樹脂又はオリゴマ−等も使用することができる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる観点から、最適である。この場合において、上記スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。又、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好ましく用いられる。又、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性を示す電荷制御剤としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効である。キレート化合物の例として、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等が挙げられる。有機金属錯体としては、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体又は塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が特に好ましい。
上述した正帯電性或いは負帯電性の電荷制御剤の添加量は、トナーの全体量100質量部に対して、一般に0.5〜15質量部であり、好ましくは0.5〜8.0質量部であり、最も好ましくは0.5〜7.0質量部である。電荷制御剤の添加量が0.5質量部よりも少量である場合には、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となる傾向があり、該トナーを用いて静電潜像の現像を行って画像形成を行ったとき、画像濃度が低くなったり、画像濃度を一定に維持しにくくなる傾向がある。又、電荷制御剤の分散不良が起こりやすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染が激しくなる等の傾向がある。一方、電荷制御剤の添加量が15質量部よりも多量である場合には、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。
(ワックス)
ワックスは、定着性やオフセット性を向上させるために配合される。トナー原料を構成するワックスとしては、従来からトナー粒子のワックス類として用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。好ましくは、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらワックスは単独で用いても、2種以上を組み合せて用いてもよい。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止することができる。
ワックスの配合量に特に制限はないが、トナーの全体量100質量部に対して、1〜5質量部であることが好ましい。ワックスの配合量が1質量部未満の場合には、オフセット性や像スミアリング等を効率的に防止することができない傾向がある。一方、ワックスの配合量が5質量部を超える場合には、トナー同士が融着してしまい、保存安定性が低下する傾向がある。
<外添剤>
本実施形態のトナーは、前記トナー粒子のみからなるものであってもよし、トナー粒子の表面に外添剤を外添して得られたもの(外添処理済のトナー)であってもよい。
外添剤としては、従来からトナー粒子を外添処理するものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、トナーの流動性や保存安定性を維持する目的の外添剤として、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素等が挙げられる。これら外添剤には必要に応じてアミノシラン、シリコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤等で表面処理を施すこともできる。
シリカ微粒子、酸化チタンの外添処理は、上記トナー粒子と乾式で攪拌混合することにより行われる。微粒子である外添剤がトナー粒子中に埋め込まれないように、攪拌混合はヘンシェルミキサーやナウターミキサー等を用いて行うことが好ましい。
[現像剤]
本実施形態の現像剤は、前記トナーのみからなる1成分現像剤であってもよいし、前記トナーとキャリアとを含有する2成分現像剤であってもよい。
<磁性キャリア>
本実施形態のトナーを2成分現像剤のトナーとして用いる場合には、前記トナーにキャリアを含有させる。
前記キャリアは、従来から現像剤のキャリアとして用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、キャリアコア材である磁性体粒子の表面を樹脂で被覆したものを用いることができる。キャリアコア材として、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体金属、これらの合金、希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、リチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライト等の鉄系酸化物、これらの混合物等の磁性体材料を、焼結及びアトマイズ等を行うことによって製造した磁性体粒子が挙げられる。
上述のようにして得られたキャリアコア材の表面を被覆する表面コート剤として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系結着樹脂が挙げられる。
キャリアの粒子径は、一般に電子顕微鏡法による粒径で表して20〜200μmの範囲内であることが好ましく、30〜150μmの範囲内であることがより好ましい。キャリアの見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は磁性体の組成や表面構造等によっても相違するが、一般に2.4〜3.0g/cmの範囲内であることが好ましい。
前記トナーとキャリアとを含む2成分現像剤中のトナー濃度は、1〜20重量%である。好ましくは3〜15重量%である。トナー濃度が1重量%未満の場合には、画像濃度が薄くなりすぎる。一方、トナー濃度が20重量%を超える場合には、現像装置内でトナー飛散が発生し、機内汚れや転写紙等の背景部分にトナーが付着する不具合が生じる虞がある。
本実施形態の現像剤は、前記トナーを前記キャリアと適切な割合で混合した2成分現像剤であり、例えば、後述の画像形成装置で使用することができる。
[画像形成装置]
本実施形態の現像剤を用いる画像形成装置について説明する。図1は、小型タンデム型ハイブリッド現像方式を用いた画像形成装置1の概略構成を示す断面図である。画像形成装置1は、電子写真法によって給紙カセット22から送り出された記録紙に所定の画像を形成する装置である。画像形成装置1の画像形成装置本体2内には、水平方向に図1の左から右に向かって、ブラック用画像形成ユニット3、シアン用画像形成ユニット4、マゼンタ用画像形成ユニット5及びイエロー用画像形成ユニット6が順に配置されている。図2は、画像形成装置1に備えられているブラック用画像形成ユニット3を拡大して示す構成概略図である。図2に示す画像形成ユニット3は、その他の画像形成ユニット4、5及び6と同様に、感光体ドラム10、帯電器12、露光装置14、現像装置100、転写装置16、クリーニング装置18を備えている。画像形成装置1は小型化を図るために、縦型の現像装置100を感光ドラム10の斜め上方に配置している。
感光体ドラム10は有機感光体(OPC)である。帯電器12は、コロナ放電を発生させることによって感光体ドラム10の表面に所定電位を与えるものである。露光装置14は、画像データに基づく光を照射することにより感光体ドラム10の表面電位を選択的に減衰させて静電潜像を形成するものである。現像装置100は、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して、トナー像を形成するものである。転写装置16は、感光体ドラム10上に形成されたトナー像を記録紙上に転写するものである。クリーニング装置18は、感光体ドラム10の表面に残留したトナー等を除去するものである。
画像形成装置1は、記録紙の搬送方向下流側に、加熱ローラーと加圧ローラーを有する定着装置24をさらに備えている。定着装置24は、トナー像が転写された記録紙に熱と圧力とを加えてトナー像を定着させて、記録紙上に所定の画像を形成させる。
以下、画像形成装置1に用いられる現像装置100について図2を参照しながら説明する。
現像装置100は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含む2成分現像剤を収容するハウジング110と、第1と第2の現像剤撹拌室112、114内でそれぞれらせん状羽根を回転させる攪拌ローラー122、124を有し、収容された2成分現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送手段120と、現像剤を周表面に磁気的に吸引保持して搬送する磁気ローラー130と、磁気ローラー130及び感光体ドラム10の各々の周表面に対し所定の間隔をあけて配設されてトナーのみが付着させられる現像ローラー140とを備えている。撹拌搬送手段120、磁気ローラー130及び現像ローラー140はハウジング110内にそれぞれ回転自在に配設されている。
撹拌ローラー112、114は、らせん状羽根を回転させて、互いに逆方向に2成分現像剤を搬送しながら攪拌して、2成分現像剤のトナーを帯電させる。さらに、撹拌ローラー122は、帯電させたトナーとキャリアとを含む2成分現像剤を磁気ローラー130に供給する。磁気ローラー130は、内部に配置された磁石134によって2成分現像剤が穂立ちを形成するように吸着させて、2成分現像剤を搬送する。このとき、2成分現像剤は、磁気ローラー130の内部の磁石によって磁気ブラシとなっており、層厚規制ブレード117と磁気ローラー130との間を磁気ブラシが通過する際に、磁気ブラシの厚さが規制される。そして、磁気ローラー130の下側に配置された現像ローラー140は、磁気ローラー130上に穂立ちした2成分現像剤に接触することで、磁気ブラシ中のトナーを容易に現像ローラー140の周表面に移行させることができ、現像ローラー140の周表面にトナーの薄層を形成する。この現像ローラー140上で薄層を形成しているトナーは、感光体ドラム31の近傍まで搬送された際に、感光体ドラム10と現像ローラー140との間に発生させた電位差によって、感光体ドラム31へと飛翔する。
以上の画像形成動作によって、現像装置100は、感光体ドラム10上に形成されている静電潜像に基づく現像を行う。
尚、現像装置100では、キャリアは現像によって消費されず、そのまま装置内に回収され、再びトナーと混合されて使用される。一方、現像装置100の上方に装着されたトナーコンテナ100Aが現像によって消費されたトナーを補給する。
小型タンデム型画像形成装置はコンパクトでありながら、優れた高速性を有するとともに、磁気ブラシが感光体ドラムに接触しない非接触現像方式の現像装置を採用しているので、感光体へのキャリア付着がなく、磁気ブラシによる感光体への傷が生じず、高画質化が可能である。
上記画像形成装置は、複数色のトナー像を中間転写ベルトに一旦転写して、その中間転写ベルトに転写された複数色のトナー像を用紙に転写する装置であったが、このような画像形成装置に限定されない。例えば、用紙に直接トナー像を転写する画像形成装置であってもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例における溶融粘度の測定及び各粒度の平均円形度の測定は、次のように行った。
<溶融粘度の測定>
後述する各実施例、比較例で製造した静電潜像現像用トナー2gを秤量し、フローテスター(株式会社島津製作所製、CFT−500D)のシリンダの内径に対応した内径を有する圧縮成形用の型内に充填した状態で、1000kg/cmの圧力で圧縮成形して、タブレット状の測定用試料を作製した。
次に、前記測定用試料を前記フローテスターのシリンダ内に収容し、測定用試料に30kgfの荷重をかけながら、前記シリンダの温度を、毎分4℃の昇温速度で徐々に上昇させた。そして、測定用試料が溶融して、シリンダの底部に設けた直径1mm、長さ1mmのダイの細孔を通して、前記シリンダ外へ流出する際の、流出速度の推移を測定した。前記測定値から、溶融粘度の、温度上昇に伴う推移を求めて、溶融粘度−温度特性のグラフを作成し、105℃における溶融粘度を求めた。
<各粒度の平均円形度の測定>
まず、後述する各実施例、比較例で製造した静電潜像現像用トナーを、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製、FPIA−2100)に装入する。
次に、装入されたトナー全体の中から、測定の対象を投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満のトナーに限定して(但し、nは4から8までの自然数)、23℃、60%RHの環境下で、当該投影面積円相当径(nμm以上n+1μm未満)に限定した個々のトナーについて、そのトナーの投影像と同じ投影面積を持つ円の周囲長(L0)と、そのトナーの投影像を512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理したときの周囲長(L)を測定し、下記の式(1)から円形度(a)を求める。
a=L0/L ・・・(1)
そして、当該投影面積円相当径(nμm以上n+1μm未満)に限定した各トナーの円形度の総和を、当該投影面積円相当径(nμm以上n+1μm未満)に限定したトナーの数量で除した値を、粒度nμmの平均円形度Dnとした。
具体的には、前記フロー式粒子像分析装置に装入された静電潜像現像用トナー全体の中から、まず、測定の対象を投影面積円相当径が4μm以上5μm未満のトナーに限定して、D4を求めた。そして、同様にしてD5、D6、D7、D8を求めた。
(実施例1)
<結着樹脂の合成>
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770gの原料モノマー及び酸化ジブチル錫4gを窒素雰囲気下、235℃で8時間かけて反応させた後、さらに235℃に維持したまま8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、180℃で無水トリメリット酸を所望の酸価になるように反応系に添加し、10℃/時間の速度で210℃まで昇温し、反応させて、結着樹脂であるポリエステル樹脂を得た。
<トナー粒子の製造>
得られたポリエステル樹脂100質量部と、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製、カルバナワックス1号)5質量部と、電荷制御剤(オリエント化学工業株式会社製、P−51)2質量部と、着色剤(カーボンブラック:三菱化学株式会社製、MA−100)5質量部とをトナー原料として前混合した後、溶融混練した。そして、混練物を機械式粉砕機で粗粉砕及び微粉砕した後、微粉砕物に対して球形化処理と分級処理を行った。このようにしてトナー粒子を製造した。得られたトナー粒子の体積平均粒径は、6.8μmであった。
<静電潜像現像用トナーの製造>
得られたトナー粒子100質量部に対して、外添剤として、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、REA200)1.8質量部と酸化チタン(チタン工業株式会社製、EC−100)1.0質量部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて回転周速30m/sで5分間攪拌混合することにより、表1の実施例1に示す静電潜像現像用トナー(ブラックトナー)を製造した。
前記静電潜像現像用トナーに対して、D4からD8までの各値を測定し、Dmax及びDminを求めた。又、105℃における粘度を測定した。D4〜D8、Dmax、Dmin、Dmax−Dmin及び105℃における粘度を表1に示す。
(実施例2〜6及び比較例1〜6)
トナー粒子の製造において、溶融混練条件、粉砕条件及び分級条件を実施例1から変更した以外は、実施例1と同じ条件で、実施例2〜6及び比較例1〜6の静電潜像現像用トナー(ブラックトナー)を製造した。各トナーのD4〜D8、Dmax、Dmin、Dmax−Dmin及び105℃における粘度を表1に示す。
Figure 2010276958
<実機試験>
実施例1〜6及び比較例1〜6で調製した静電潜像現像用トナーそれぞれを、フェライトキャリア(パウダーテック株式会社製:京セラミタ製FS−C5016用キャリア)100質量部あたり10質量部の割合で配合して、各2成分現像剤を調製した。そして、前記各2成分現像剤を、京セラミタ株式会社製のFS−C5016を改造した改造機(線速を略2.3倍にするための機構系及び制御系の改造機)に、スタート現像剤として使用すると共に、前記各2成分現像剤に使用したのと同じ静電潜像現像用トナーを補給用トナーとして使用して、温度20〜23℃、相対湿度50〜65%RHの常温、常湿環境下で画像形成して、下記の評価を行った。
<画像濃度測定>
前記常温、常湿環境下で、印字率5%の標準パターンを5千枚、連続して画像形成(5千枚耐刷)した。尚、耐刷の前後と1000枚おきに測定用のサンプル画像を出力した。サンプル画像のソリッド部(印字率100%)の画像濃度を、反射濃度計(東京電色株式会社製、のTC−6D)を用いて測定して画像濃度とした。
<スリーブ付着の観察>
上記サンプル画像について、スリーブ付着に起因する画像の不具合の有無を観察した。スリーブ付着は以下の基準によって、4以上を合格、3以下を不合格として評価した。
5 現像スリーブ上に付着はなく、ベタ画像・50%ハーフ画像共に良好である。
4 現像スリーブ上に付着が少し発生しているが、ベタ画像・50%ハーフ画像共に良好である。
3 現像スリーブ上に付着が多く発生しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラーピッチで画像欠損(スリーブ層むら)が発生している。
2 現像スリーブ上に付着が多く発生しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラーピッチで画像欠損(スリーブ層むら)が多く発生している。又、耐刷途中から、スリーブ付着が発生しており、トナー画質として問題となるレベルである。
1 現像スリーブ上に付着が多く発生しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラーピッチで画像欠損(スリーブ層むら)が多く発生している。又、初期画像から、スリーブ付着が発生しており、トナー画質として問題となるレベルであり実使用に耐えない。
<転写性評価(中抜け評価)>
上記サンプル画像に形成された細線画像ついて、細線中の中抜け具合をルーペで観察した。転写性評価(形成された画像の官能評価)は以下の基準によって、4以上を合格、3以下を不合格として行った。
5 中抜け未発生
4 中抜けが非常に軽微に発生(許容範囲内である)
3 中抜けが多く発生
2 中抜けが顕著に発生
1 中抜けが広範囲に顕著に発生
<定着性の評価>
定着温度を180℃に設定し、通常環境(20℃、65%RH)下で、電源OFFの状態で10分間冷却した後、電源ONし、定着パターンソリッド画像を連続5枚印字し、測定用画像を得た。そして、この画像に綿布で包んだ黄銅製分銅(1kg)の荷重をかけて、10往復擦った。
この操作の前後の画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、その濃度の比率を求めた。定着性は以下の基準によって、○を合格、△と×を不合格として評価した。
○:定着率が95%以上。
△:定着率が90%以上95%未満。
×:定着率が90%未満。
<ホットオフセット性の評価>
通常環境(20℃、65%RH)下で、定着温度を230℃に設定して、オフセットパターン画像を連続10枚印字し、測定用画像を得た。ホットオフセット性の評価は、測定用画像を目視判断で、以下の基準によって、○を合格、×を不合格として行った。
○:ホットオフセット発生なし。
×:ホットオフセットが発生。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2010276958
実施例及び比較例で得られたトナーの平均円形度の分布図を図3に示す。図3と表2に示すように、Dminが0.940以上でDmaxとDminとの差が0.015以下である静電潜像現像用トナーを含む現像剤(実施例1〜6)は、Dminが0.940未満又はDmaxとDminとの差が0.015を超えている静電潜像現像用トナーを含む現像剤(比較例1〜6)に比べて、現像ローラーにおいてトナーのスリーブ付着を抑制し、高い転写性を示している。
1 画像形成装置
3 ブラック用画像形成ユニット
10 感光体ドラム
12 帯電器
14 露光装置
16 転写装置
18 クリーニング装置
100 現像装置
130 磁気ローラー
140 現像ローラー

Claims (4)

  1. トナー粒子を含む静電潜像現像用トナーであって、
    フロー式粒子像分析装置によって測定される当該トナー中の、投影面積円相当径がnμm以上n+1μm未満のトナーの平均円形度をDnとしたときに、
    D4からD8までの値がそれぞれ0.940以上であり、
    D4からD8までの最大値(Dmax)と最小値(Dmin)の差(Dmax−Dmin)が0.015以下である静電潜像現像用トナー。
  2. 105℃における粘度が3×10〜7×10Pa・sである請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 非磁性トナーと磁性キャリアとを含む静電潜像現像剤を担持して搬送する磁気ローラーと、前記磁気ローラーと所定の間隔をあけて対向して配置され、周表面に前記静電潜像現像剤中の非磁性トナーを担持して搬送する現像ローラーと、前記現像ローラーに対向して配置され、静電潜像が形成される有機感光体とを備え、
    前記磁気ローラーによって搬送された前記静電潜像現像剤中のトナーを前記現像ローラーの周表面に移行させ、前記現像ローラーによって搬送されたトナーを、前記感光体の表面に飛翔させて、前記感光体の表面に予め形成された静電潜像をトナー像として顕像化させ、前記トナー像を記録媒体に転写させることによって画像を形成する画像形成装置において、
    前記非磁性トナーとして使用される請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 非磁性トナーと、磁性キャリアとを含む静電潜像現像剤であって、前記非磁性トナーが請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーである静電潜像現像剤。
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