JP2008070725A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】球形トナーを用いて画像形成を行った時に、ブレードによるクリーニングをスムーズに行える様にする。
【解決手段】平均円形度が、0.940以上0.980以下で、かつ、平均円形度の標準偏差が0.035以上0.050以下であるとともに、球形形状を有するトナーを含有してなるトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられるトナーに関し、特に、その形状が球形のものと非球形のものが混在してなるトナーに関する。
複写機やプリンタなどの電子写真方式による画像形成技術の分野では、デジタル技術の進展に伴い、タンデム方式に代表されるフルカラーの画像形成装置が登場し、写真の様な高画質、高精細な画像の作成が可能になってきた(たとえば、特許文献1参照)。その結果、従来では印刷でしか対応できなかったレベルの画質を有するトナー画像が得られる様になり、電子写真方式の画像形成装置が高解像度、広い色再現領域、高速のプリント作成が求められる印刷業界でも使用される様になってきた。
また、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの微小なドット画像の再現の様な高精細な画像形成も検討され、微小なドット画像を正確に再現させるための手段の1つとしてトナーの小径化が種々検討されていた。その中でも、粒子の形状や大きさを制御により所望のトナーを形成することが可能な重合トナーが注目される様になっている(たとえば、特許文献2参照)。
高精細、高画質な画像形成を可能にするトナー技術として、上記小径化の他に粒子の球形化が挙げられる。すなわち、トナーの形状を球形に近づけると転写性が向上し、それに伴って画質も向上するものと考えられている。また、球形化に伴いトナーの流動性が向上することにより、像担持体表面にトナーが最密充填に近い状態で供給されるので、オリジナル画像に近い濃度のトナー画像が得られ易くなることも考えられる。さらに、球形形状のトナーは、その高い流動性に加えて機械的な負荷を受けにくい形状を有するので、仮に現像装置内で長期間撹拌される様な使用環境に置かれてもほとんど劣化せず、当初の性能を長期にわたり維持することができるものと考えられる。
この様に、電子写真方式における画像形成に使用されるトナーとして、球形トナーの存在が注目されていた。
特開平10−20598号公報 特開2000−214629号公報
しかしながら、トナー粒子の形状を球形に近づけると転がり易くなるため、ブレードを用いたクリーニングでは、エッジにうまく引っかからずにすり抜ける傾向があり、スムーズなクリーニングが行えないという問題を有していた。また、前述した様に、像担持体上に最密充填に近い状態で供給されることもブレードへの負担を増やす要因の1つになるものと考えられる。この様に、球形トナーは高精細な画像形成に有利な反面、ブレードからのすり抜けによるクリーニング不良が発生し易いものであった。
本発明は、球形トナーを用いて画像形成を行った時に、感光体等の像担持体上の残留トナーをブレードでスムーズにクリーニングすることのできるトナーを提供することを目的とするものである。
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
1.
少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーにおいて、
該トナーは、
その平均円形度が、0.940以上0.980以下であり、かつ、該平均円形度の標準偏差が0.035以上0.050以下であるとともに、
球形形状を有するトナーを含有してなるものである、ことを特徴とするトナー。
本発明では、球形トナーに非球形トナーを混在させ、トナーの平均円形度とその標準偏差を特定範囲にすることにより、球形トナーを用いてもブレードからのトナーすり抜けを起こさずに、残留トナーをスムーズに除去することができる様になった。これは、非球形トナーの存在により球形トナーの転がりが抑えられて動きが止められ、ブレードが球形トナーを捕えられる様になったためと推測される。
この様に、本発明によれば、従来より懸念されていた球形トナーのブレードクリーニング性の問題が解消され、高精細なトナー画像を安定して形成できる様になった。
本発明は、球形トナーを含有してなるトナーに関する発明である。
本発明に係るトナーを用いて画像形成を行うと、クリーニング工程においてブレードを用いて像担持体上の残留トナーを除去することができる様になった。この様に、球形トナーが存在してもブレードによるクリーニングをスムーズに行える様にした理由は、前述した様に、非球形トナーを介在させて球形トナーの転がりを防いで動きを止めることで、球形トナーがブレードからすり抜けなくなったものと推測される。
すなわち、本発明は、クリーニング時に起こる球形トナーの転がりを非球形トナーにより阻止することで、この問題を解消させたのである。以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明では、球形トナーは必ずしも円形度が1.000の真球のトナーのみを指すものではなく、従来技術によるブレードクリーニングですり抜けの発生や高い充填性を発現する形状を有するものを球形トナーと呼んでいる。
本発明に係るトナーは、平均円形度が、0.940以上0.980以下であり、かつ、平均円形度の標準偏差が0.035以上0.050以下のものである。この様に、本発明は非球形トナーの含有量をトナーの平均円形度とその標準偏差を特定範囲にすることで制御するものである。
本発明は、トナーの平均円形度が0.940以上0.980以下、好ましくは、0.945以上0.965とするものである。トナーの平均円形度の標準偏差を上記範囲にすることにより、球形トナーの流動性がほどよく発現され、装置内で機械的な負荷を長期間受ける状態に置かれてもトナーの劣化が防止される。また、平均円形度を上記範囲とすることで、クリーニング時に球形トナーがブレードからすり抜けることなく、像担持体上から確実に除去することができる。
この様に、平均円形度を上記範囲にすることで、高精細なトナー画像形成を長期にわたり安定して行えるとともに、円滑なブレードクリーニングを実現することが可能である。
トナーの平均円形度は、下記式で定義される個々のトナー粒子の円形度を足し合わせた値を全トナー数で除して算出した値である。
円形度=(トナー像と同じ投影面積を有する円の周囲長)/(トナー投影像の周囲長)
トナーの平均円形度は、たとえば、「FPIA−2100(Sysmex社製)」に代表されるフロー式粒子像分析装置を用いて算出することが可能である。具体的には、試料となるトナーを界面活性剤を含有した水溶液で処理した後、超音波で1分間分散処理を行い、分散後、試料を上記測定装置に投入する。測定条件を高倍率撮像(HPF)モードに設定し、検出数を3000〜10000個として測定を行う。測定条件をこの範囲とすることで再現性を有する測定値が得られるとされる。
また、本発明に係るトナーは、その平均円形度の標準偏差を0.035以上0.050以下、好ましくは、0.042以上0.048以下とするものである。本発明では、トナーの平均円形度の標準偏差を上記範囲とすること、すなわち、トナーの形状にばらつきをもたせることで、ブレードによるクリーニング性能を向上させている。すなわち、球形トナーのみでトナー画像形成を行うと、形状の揃ったトナーのみで形成される分、像担持体上のトナーの充填性はとても高くなり、ブレードの負荷も大きなものになる。この様なトナーに円形度の低いトナーを混在させて画像形成を行うと、像担持体上におけるトナーの充填状態が緩和され、不揃いのトナーにより充填性が低減する分、像担持体からのトナー除去が行い易くなるものと推測される。
平均円形度の標準偏差は、各トナーの円形度と前述の式により算出される平均円形度との差の2乗和を求め、これを全トナー数で除して、その値の平方根をとったものである。
この様に、球形トナーに非球形トナーを混在させ、平均円形度とその標準偏差を特定することで、球形トナーの転がりを抑止してすり抜け発生を防止し、かつ、像担持体上でのトナー充填性を緩和させることで、クリーニング性を向上させるものと推測される。
次に、本発明に使用可能なトナーの形状を図1を用いて説明する。図1は、電子顕微鏡撮影等の投影により得られるトナーTの形状を示す模式図で、(a)乃至(d)に示すものが非球形トナーTの例であり、(e)に示すものが球形トナーである。
図1(a)と(b)に示すトナーTは、本発明でいう非球形トナーの一例で、(a)のトナーTは非球形トナーのうちでも比較的球形に近い形状を有するもので、(b)に示すトナーTは(a)よりも細長い形状を有するものである。
また、図1(c)と(d)に示すトナーは、(a)や(b)に示す非球形トナーの一例であり、(c)のトナーは、特に、ピーナツの様な形状を有するものである。また、(d)に示すトナーはたわらの様な細長い形状を有するものである。
さらに、図1(e)に示すトナーTは、本発明でいう「球形トナー」と呼ばれるものである。
なお、本発明に使用可能な非球形トナーは、その形状が図1(a)〜(d)に示すものに限定されるものではなく、球形トナーと混合させて、トナーの平均円形度と平均円形度の標準偏差の値を前述した範囲内にすることが可能なものであればよい。
トナーの形状は、トナーを投影して得られる投影画像から特定することが可能である。この投影画像を得る方法としては、たとえば、走査型電子顕微鏡(SEM)により得られる顕微鏡写真が挙げられ、走査型電子顕微鏡写真を解析することにより、その形状を数値的に特定することが可能である。走査型電子顕微鏡(SEM)によりトナー形状を特定する方法は、たとえば、以下の手順で行うことが可能である。
(1)試料作成条件
トナーの形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で特定できるようにトナーをセッティングする。具体的には、薬包紙の上にトナーを広げ、試料台に導電性両面テープを貼り、試料台についている面の反対側の面を薬包紙上のトナーに軽く押し付け、導電性両面テープに付かなかったトナーをブロアーで吹き飛ばし、試料台上にトナーをセッティングする。このとき、ランダムに配置されたトナーが100個以上撮影される様に、試料台上にトナーをセットする。
その後、スパッタコーター「EmscopeSC500」(Emitech社製)を用い、減圧下、コーティング電流10〜15mAにてトナー上にAu−Paコート(層厚7nm)を行い試料作成を行う。
(2)走査型電子顕微鏡の設定条件
走査型電子顕微鏡「JSM−6400F」(日本電子社製)を用い、加速電圧5kVにて観察する。
(3)走査型電子顕微鏡によるトナーの形状特定方法
倍率2000倍で電子顕微鏡写真を撮影する。撮影により得られた写真画像を目視観察することによりトナー形状を確認することが可能である。また、写真画像をスキャナーに取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP((株)ニレコ社製)」を用いて演算処理を行うことでトナーの形状を数値的に算出することも可能である。
以下、本発明に係るトナーの物性について説明する。
本発明に係るトナーは、体積基準におけるメディアン径(D50)が3μm以上8μm以下とすることが好ましい。体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより、たとえば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に小さなドット画像を忠実に再現するとともに、球形トナーによるクリーニング不良も解消される。したがって、クリーニングが十分になされた像担持体上にトナー画像が形成されるので、汚れのない美しい高精細なトナー画像形成が可能になり、印刷画像と同じレベルのプリント物が版を起こす手間をかけずに得られる様になった。特に、オンデマンド印刷と呼ばれる数千枚レベルのプリント注文に対応する印刷分野では、高画質画像に加え商品の迅速な納品が可能等のメリットから高い評価を得ている。
なお、トナーの体積基準メディアン径(D50v径)は、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャ−径は50μmのものを使用する。
本発明のトナーは、その体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)が2%以上21%以下のものが好ましく、5%以上15%以下のものがより好ましい。
体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)とは、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、以下の式によって定義される。このCV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー粒子の大きさがそろっていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナーが得られるので、デジタル画像形成時での微細なドット画像や細線をより高精度に再現させることが可能である。
CV値(%)=(個数粒度分布における標準偏差)/(個数粒度分布におけるメディアン径(D50))×100
本発明に係るトナーは、そのガラス転移温度(Tg)が10℃以上45℃以下となるものが好ましく、20℃以上40℃以下となるものがより好ましい。すなわち、この範囲のガラス転移温度を有するトナーは、その製造工程における温度条件等の影響により、球形形状を採り易いものであり、球形トナー単独で画像形成を行った場合、ブレードによるクリーニングが困難なものである。したがって、上記ガラス転移温度を有するトナーでは、平均円形度と円形度の標準偏差の値を前述した範囲内にして本発明の構成とすることにより、スムーズなブレードクリーニングの実現が期待される。
ガラス転移温度の測定は、示差熱量分析装置(DSC)による測定が代表的であり、具体的な測定装置として「DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー製)」、「TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)」が挙げられる。
示差熱量分析装置によるガラス転移温度の具体的な測定方法は、例えば、昇温・冷却条件として、−30℃で1分間放置後、10℃/minの条件で100℃まで昇温し(第一の昇温過程)、次いで100℃で1分間放置後、10℃/minの条件で0℃まで冷却する(第一の冷却過程)。この操作により前履歴を消去する。次いで、0℃で1分間放置後、10℃/minの条件で100℃まで昇温する(第二の昇温過程)。そして、セカンドヒート(第二の昇温)の吸熱ピーク温度を求め、Tgとする方法が挙げられる。
尚、ガラス転移温度Tgは、測定時、ガラス転移領域におけるDSCサーモグラムのガラス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度と定める。
示差熱量分析装置によるガラス転移温度の具体的な測定手順としては、トナー4.5mg〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤しアルミニウム製パン(KITNo.0219−0041)に封入し、装置のサンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件は、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行する。
又、ガラス転移温度は、原子間力顕微鏡を用いて測定することも可能である。即ち、原子間力顕微鏡のステージを0〜60℃まで加熱し、トナー切片やブロックの硬さが変化する温度をガラス転移温度Tgとしてよい。
ガラス転移温度の算出方法として、以下のような理論ガラス転移温度より算出する方法もある。ここで、理論ガラス転移温度とは、共重合体樹脂を構成するそれぞれの成分がホモポリマーを形成した場合に得られるガラス転移温度と組成質量分率を乗じた値を求め、これらの値を用いて算出したものである。
即ち、理論ガラス転移温度Tg(絶対温度Tg′とする)は、共重合体樹脂を構成する成分のホモポリマーのガラス転移温度を用いて下記式(1)から算出される。
式(1)
1/Tg′=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
(式中、W1、W2、・・・Wnは共重合体樹脂を構成する全重合性単量体に対する各重合性単量体の質量分率、Tg1、Tg2・・・Tgnは各重合性単量体を用いて形成されるホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)を示す。)
尚、ガラス転移温度は、ビニル系共重合体を構成する単量体の組成比を変えることにより制御することが可能であり、例えば、スチレンとメタクリル酸ブチルを用いて形成された共重合体樹脂では、スチレンの組成比を増大させ、メタクリル酸ブチルの組成比を減少させることによりガラス転移温度の値が上昇することが確認されている。
尚、本発明のトナーでは、理論ガラス転移温度の値や示差熱量分析装置で得られる測定結果、或いは原子間力顕微鏡での結果に多少の差異を生ずることもあるが、この件については本発明の技術思想を否定したり結果に影響を与えるものではない。
本発明に係るトナーは、その軟化点温度(Tsp)が70℃以上130℃以下となるものが好ましく、70℃以上100℃以下となるものがより好ましい。すなわち、前記範囲の軟化点温度とすることにより、従来技術よりも低い温度でトナー画像定着が行える様になるので、電力消費の低減化を実現した環境に優しい画像形成が可能になる。さらに、トナーの平均円形度と円形度の標準偏差の値を前記範囲内とすることで、ブレードによるクリーニングが円滑に行えるので、汚れのない美しいプリント物を迅速に作成することが可能になる。
トナーの軟化点は、たとえば、以下の方法を単独で、あるいは、組み合わせることにより制御することが可能である。すなわち、
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックス等の種類や添加量を調節する。
トナーの軟化点温度の測定方法は、具体的には「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用い、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×106Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、最初に流出する温度を溶融開始温度、降下量5mmに対する温度を軟化点温度とするものが挙げられる。
本発明に係るトナーは、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなる粒子より構成されるものである。本発明に係るトナーを構成する粒子は、特に限定されるものではなく、従来のトナー製造方法により作製することが可能である。すなわち、混練、粉砕、分級工程を経てトナーを作製するいわゆる粉砕トナーの製造方法(粉砕法)や、重合性単量体を重合させ、同時に、形状や大きさを制御しながら粒子形成を行ういわゆる重合トナーの製造方法(例えば、乳化重合法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法等)を適用することにより作製可能である。
ここで、粉砕法によるトナー作製方法について説明する。粉砕法によるトナー作製では、最初に、バインダ樹脂、荷電制御剤、及び、着色剤等のトナー構成物をヘンシェルミキサ等を用いて混合した後、混合物を2軸押出混練機等の混練機に投入して混練を行う(混練工程)。
混練物を冷却後、フェザーミル、ハンマーミル等で疎粉砕し、さらに、クリプトロン等の機械式粉砕機やジェットミル等の気流式粉砕機で微粉砕する(粉砕工程)。
次に、微粉砕処理したものを機械式あるいは気流式の分級機に投入し、分級処理を行って、所望の粒径を有する粒子を得る(分級工程)。分級機による分級は、トナーを搬送する風力と搬送の際にトナーに加わる遠心力や向心力とのバランスを利用したり、コアンダ効果と呼ばれる気流の性質を利用する等により行われる。
さらに、上記工程を経て作製された粒子を加熱処理することにより、粒子の円形度を制御する。円形度を制御する装置としては、たとえば、粒子に熱風を接触させて円形度制御を行う「サフュージョンシステム(NPK社製)」等が代表的なものである。
そして、上記手順を経て作製された粒子に、必要とあれば外添剤を添加してトナーを作製する。外添剤処理を施す装置としては、ヘンシェルミキサやコーヒーミル等の機械式の混合装置が挙げられる。
粒子の円形度を制御する円形度制御装置(球形化処理装置)について説明する。
図2は、粒子の円形度を制御する円形度制御装置(球形化処理装置)の一例を示す概略図である。
円形度制御装置は、図2に示すように、トナー等の熱可塑性粒子を熱処理する処理槽10の上部に筒状の熱風供給部材20を設けると共に、この熱風供給部材20の周囲に分散室30を設けている。また、この分散室30の外周側に熱可塑性粒子が分散された分散気流を分散室30内に吹き込む原料供給部材31を接続させる一方、この分散室30の内周側に、その周方向に所要間隔を介して複数の原料噴射ノズル32を設けている。
そして、上記の熱風供給部材20から処理槽10内に熱風を噴射させる一方、上記の原料供給部材31から熱可塑性粒子が分散された分散気流を分散室30内に吹き込み、このように分散室30内に吹き込まれた分散気流を、上記の熱風供給部材20から噴射される熱風に向けて各原料噴射ノズル32から処理槽10内に噴射させるようにしている。
ここで、上記のように各原料噴射ノズル32から分散気流を熱風供給部材20から噴射される熱風に向けて噴射させる場合、各原料噴射ノズル32から噴射される分散気流と熱風供給部材20から噴射される熱風とのなす角度が大きくなると、分散気流が熱風を横切るように噴射され、原料噴射ノズル32から噴射される分散気流が衝突して、分散気流中における熱可塑性粒子が凝集しやすくなる。一方、各原料噴射ノズル32から噴射される分散気流と熱風供給部材20から噴射される熱風とのなす角度が小さくなると、各原料噴射ノズル32から噴射された分散気流が熱風中に十分に導入されず、分散気流中における熱可塑性粒子が十分に熱処理されなくなる。このため、各原料噴射ノズル32から噴射される分散気流と熱風供給部材20から噴射される熱風とのなす角度を20〜40°、好ましくは25〜35°の範囲になるようにする。
そして、この実施形態における熱処理装置においては、上記の熱風供給部材20から処理槽10内に噴射させる熱風を整流させる整流手段として、熱風供給部材20内に仕切り部材を設け、熱風供給部材20内を通過する熱風の通路をこの仕切り部材により複数の小さな通路に分離させている。
このように熱風供給部材20内に仕切り部材を設け、熱風供給部材20内を通過する熱風を仕切り部材により仕切られた複数の小さな通路を通過させると、この小さな通路を通過する間に熱風の乱れが是正され、熱風供給部材20から処理槽10内に熱風が整流された状態で噴射されるようになる。
そして、このように整流された熱風を熱風供給部材20から処理槽10内に噴射させると共に、この熱風に向けて上記の各原料噴射ノズル32から処理槽10内に熱可塑性粒子が分散された分散気流を噴射させると、上記の熱風における乱れが少なくなっているため、分散気流中に含まれる一部の熱可塑性粒子が熱風の乱れによって熱風から遠ざかったり、分散気流中に含まれる熱可塑性粒子が熱風中において集合するのが抑制され、分散気流中に含まれる熱可塑性粒子が均一に熱処理されるようになると共に、処理槽10の上面に設けられた空気導入口11から処理槽10内に導入された冷風によって、熱処理された熱可塑性粒子が適切に冷却され、熱可塑性粒子相互が結合するのも抑制される。
次に、重合法によるトナー作製方法について説明する。
重合法によるトナー作製は、その製造工程で粒子の形状や大きさを制御しながら所望のトナーを形成することが可能で、微小なドット画像を忠実に再現することが可能な小径トナーの作製に最適である。その中でも、乳化重合法や懸濁重合法により予め120nm前後の樹脂微粒子を形成しておき、この樹脂微粒子を凝集させる工程を経て粒子形成を行う乳化会合法は有効な作製方法の1つであるといえる。
以下に、乳化会合法によるトナー作製の例を説明する。乳化会合法では概ね以下の様な手順を経てトナーを作製する。すなわち、
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
(3)樹脂微粒子の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
この工程は、樹脂微粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行うことにより120nm程度の大きさの樹脂微粒子を形成する工程である。樹脂微粒子にワックスを含有させたものを形成することも可能で、この場合、ワックスを重合性単量体に溶解あるいは分散させておき、これを水系媒体中で重合させることにより、ワックスを含有してなる樹脂微粒子が形成される。
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
水系媒体中に着色剤を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤微粒子分散液を作製する工程である。
(3)樹脂微粒子の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集させ、凝集させたこれらの粒子を融着させて粒子を得る工程である。この工程では、樹脂微粒子と着色剤粒子とが存在している水系媒体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで凝集を進行させると同時に樹脂微粒子同士の融着を行う。具体的には、前述の手順で作製した樹脂微粒子と着色剤粒子とを反応系に添加し、塩化マグネシウム等の凝集剤を添加することにより、樹脂微粒子と着色剤粒子とを凝集させると同時に微粒子同士を融着させて粒子形成を行う。そして、粒子の大きさが目標の大きさになった時に、食塩水等の塩を添加して凝集を停止させる。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより粒子の形状が所望の平均円形度になるまで熟成を行う工程である。
(5)冷却工程
この工程は、前記粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された粒子分散液から粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのケーキ状集合体にした粒子から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去するための洗浄工程からなる。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された粒子を乾燥処理し、乾燥された粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
また、乾燥された粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥された粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に、本発明に係るトナーを構成する樹脂、着色剤、ワックス等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂は、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られた重合体を用いることができる。
本発明に係る樹脂は少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることも可能である。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
本発明に係るトナーに使用可能な着色剤としては公知のものが挙げられる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
次に、本発明に係るトナーを用いて画像形成が可能な画像形成装置について説明する。
本発明では、球形トナーと特定形状を有する非球形トナーとを混在させてなるトナーを用いることにより、球形トナーを用いた画像形成では球形トナーがブレードからすり抜けを起こすことなく像担持体上からトナーの除去が行える様になった。特に、球形形状を採ることの多い定温定着対応のトナーを用いた画像形成方法では、良好なクリーニング性能が発現されるとともに、従来よりも低い定着温度下で十分な強度を有するトナー画像の定着が行える様になった。また、球形トナーを用いてスムーズな画像形成が行える様になるので、球形トナーのもつ高精細な画像形成性能を十分発現することができる様になった。
図3は、本発明に係るトナーが使用可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。
図3において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像手段、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング手段、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ロール71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、熱ロール式定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明においては、像担持体(感光体及び無端ベルト状中間転写体)上に残留するトナーを除去するのにクリーニングブレードを用いる。
以下、クリーニングブレードに弾性体ゴムブレードを用い、転写されず感光体上に残留するトナーをクリーニングする手段について説明する。
弾性体ゴムブレードの感光体に対する当接条件は、クリーニング性を向上させる観点から線圧5〜50N/mの圧接力で当接することが好ましい。圧接力を前記範囲とすることによりトナーのすり抜けが発生しにくくなり、ブレードメクレも発生もしにくくなる。圧接の方法としては予めブレードの当接位置を決めてブレードを固定する方法、重りにより荷重を調節する方法、ばねを利用する方法等があるが、圧接力のばらつきを低減させるには重り荷重方式が好ましい。
尚クリーニング工程の前段階においては、クリーニングを容易にするために感光体表面を除電する除電工程を付加することが好ましい。この除電工程は、例えば交流コロナ放電を生じさせる除電器により行われる。
図4は、クリーニングブレードを用いるクリーニング装置の一例を示す概略図である。
図4において、電子写真感光体は1、ブレード当接角はθで表される。また、前記クリーニングブレード2の自由長Lは図4に示すようにホルダー3(ブレードホルダー)の端部Bから変形前のブレードの先端点の長さを表す。hはブレードの厚さを示す。またブレード当接角θは感光体の当接点Aにおける接線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)とのなす角を表す。また食い込み量aは図4に示すように感光体外周S0の半径r0と変形前のブレード(図面では点線で示した)の位置A′を一点とする感光体と同一中心軸Cを中心とした円S1の半径r1との差である。該クリーニングブレードの感光体への当接角θの好ましい値としてはθ=5〜35°である。また、前記クリーニングブレードの自由長Lは図4に示すように支持部材191の端部から変形前のブレードの先端点の長さを表す。該自由長の好ましい値としてはL=6〜15mm、である。前記クリーニングブレードの厚さは0.5〜10mmが好ましい。
前記弾性体ゴムブレードの材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。例えば、特開昭59−30574号に記載のポリカプロラクトンエステルとポリイソシアネートとを反応硬化せしめて得られるウレタンゴム等が好ましい。
本発明においては、トナー像を記録部材に定着する定着装置としては、加熱ローラを装着した装置が好ましく用いられる。
図5は、加熱ローラを用いた定着装置の一例を示す概略図である。
図5に示す定着装置10は、加熱ロール71と、これに当接する加圧ロール72とを備えている。尚、図5において、90は分離爪、17は転写材(転写紙)P上に形成されたトナー像である。
加熱ロール71は、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属或いはこれらの合金を挙げることができる。
芯金81の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層82の表面を構成するフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつき易く、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
また、被覆層82を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
被覆層82を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
また、弾性体からなる被覆層82の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ロール72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの各種軟質ゴム及びスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムを用いることが好ましい。
また、被覆層84の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
また、定着温度(加熱ロール10の表面温度)は70〜180℃、定着線速は80〜640mm/secが好ましい。また、加熱ロールのニップ幅は8〜40mm、好ましくは11〜30mmに設定する。
尚、分離爪90は、加熱ロールに熱定着された転写材が、加熱ロールに巻き付くのを防止するため設けられている。
尚、加熱ロールは、シリコンオイルを1プリント当たり0.3mg以下塗布して用いても良いが、オイルレスで用いても良い。
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
1.トナーの作製
以下の手順によりトナーを作製した。
(1)トナー1〜5の作製(重合トナー)
円形度の異なる着色粒子を2水準作成し、それぞれ「着色粒子A」、「着色粒子B」とした。それらをある割合で混合し、その混合割合を変えたものに対して外添剤を添加し混合することにより、種々の平均円形度と円形度の標準偏差を持つ「トナー1〜3」を作製した。
また、「着色粒子A」単独からなるものを「トナー4」、「着色粒子B」単独からなるものを「トナー5」とした。
(着色粒子Aの作製)
第一段重合(核粒子の調整)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000質量部のセパラブルフラスコに、ドデシル硫酸ナトリウム(オキシエチレン付加物)4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を添加し、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
スチレン 528質量部
n−ブチルアクリレート 204質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 24.4質量部
第二段重合(中間層の形成)
スチレン 95質量部
n−ブチルアクリレート 36質量部
メタクリル酸 9質量部
n−オクチルメルカプタン 0.59質量部
からなる単量体混合液を、攪拌装置を取り付けたフラスコ内に入れ、そこにペンタエリスリト−ルテトラベヘン酸エステル77質量部を添加し、90℃に加温し溶解させて調製した。
一方、ドデシル硫酸ナトリウム(オキシエチレン付加物)1質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)(エム・テクニック(株)製)」により、上記単量体溶液を8時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックスを得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
第三段重合(外層の形成)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、過硫酸カリウム6.8質量部をイオン交換水265質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
スチレン 249質量部
n−ブチルアクリレート 88.2質量部
メタクリル酸 19.4質量部
n−オクチルメルカプタン 7.45質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃に冷却してラテックスを得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
作製された「ラテックス(1HML)」の平均粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、122nmであった。
(着色剤分散液1の調製)
ドデシル硫酸ナトリウム(オキシエチレン付加物)90質量部をイオン交換水1600質量部に攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R(キャボット社製)」400.0質量部を徐々に添加した。次いで、攪拌装置「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液1」という。)を調製した。この「着色剤分散液1」における着色剤粒子の平均粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、110nmであった。
(凝集・融着)
「ラテックス(1HML)」420.7質量部(固形分換算)、イオン交換水900質量部、及び、「着色剤分散液1」200質量部を、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応装置に投入した。その後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物12.1質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。添加後、3分間放置してから昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温して、「ラテックス(1HML)」と着色剤とを凝集、融着を開始した。
撹拌と加熱を継続しながら、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」で粒径を測定し、体積基準メディアン径が5.0μmになった時に、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加し、凝集を停止させた。さらに、熟成処理として、液温度98℃下で6時間加熱撹拌を行って融着を継続させ、体積平均基準におけるメディアン径(D50)6.5μmの着色粒子を作製した。
(洗浄・乾燥工程)
着色粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、「着色粒子A」を得た。「着色粒子A」は、平均円形度が0.974、円形度の標準偏差(SD)が0.028であった。
(着色粒子Bの作製)
「着色粒子A」の作製における凝集・融着工程において、熟成処理の時間を4時間に変更した以外は同様にして「着色粒子B」を作製した。「着色粒子B」は、体積平均基準におけるメディアン径(D50)が6.4μm、平均円形度が0.910、円形度の標準偏差(SD)が0.057であった。
(着色粒子1〜3の作製)
「着色粒子A」と「着色粒子B」を下記の表1に示す割合に「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用いて混合し、「着色粒子1〜3」を調製した。
(着色粒子4の作製)
上記で作製した「着色粒子A」のみからなるものを用意し、これを「着色粒子4」とした。
(着色粒子5の作製)
上記で作製した「着色粒子B」のみからなるものを用意し、これを「着色粒子5」とした。
(トナーの調製)
上記で作製した「着色粒子1〜5」のそれぞれに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量%、疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)により混合する方法で「トナー1〜5」を調製した。尚、得られた「トナー1〜5」の平均円形度、円形度の標準偏差及び体積基準におけるメディアン径(D50)は「着色粒子1〜5」と同等であったので省略する。
(1)トナー6〜8の作製(粉砕トナー)
下記手順の工程を経て、粉砕系の「トナー6〜8」を作製した。
〈着色粒子6の作製〉
下記材料を「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)で十分混合した後、該混合物を2軸押出混練機「PCM−30」(池貝鉄工社製)で溶融混練し、迅速に冷却した後、「フェザーミル」(ホソカワミクロン社製)で粗粉砕した。
次に、該粉粗砕物をジェット粉砕機「IDS」(日本ニューマチック工業社製)で粉砕・分級して、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.4μmの「分級完粒子6」を得た。
ポリエステル樹脂(Tg:62℃、Tsp:110℃) 100質量部
カーボンブラック「モーガルL(キャボット社製)」 8質量部
サリチル酸亜鉛金属錯体「E84(オリエント化学工業社製)」 3質量部
ポリプロピレン「ビスコールTS200(三洋化成工業社製)」 2質量部
この「分級完粒子6」を「着色粒子6」とする。着色粒子6の体積基準におけるメディアン径(D50)は6.4μm、Tgは60℃、Tspは109℃であった。尚、着色粒子6は、平均円形度が0.932、円形度の標準偏差(SD)が0.053であった。
〈着色粒子7の作製〉
上記で得られた「分級完粒子6」100質量部に対して、流動化剤である疎水性シリカ(日本アエロジル社製:R−974)を1質量部の割合で添加し、これを「ヘンシェルミキサー(三井三池化工社製)」を用い、30m/秒の速度で2分間混合して前処理を行い「前処理完着色粒子7」を調製した。
次に、図2に示す円形度制御装置(球形化処理装置)を用い、熱風供給部材20から処理槽10内に温度が250℃の熱風を風量0.5m3/分の条件で噴射させる一方、原料供給部材31から分散室30内に吹き込む分散気流の風量を0.05m3/分にして、上記の「前処理完着色粒子7」を2kg/時間の割合で供給した。この様に分散室30内に吹き込まれた分散気流を、熱風供給部材20から噴射される熱風に向けて、各原料噴射ノズル32から処理槽10内に噴射させ、分散気流中に含まれる「前処理完着色粒子7」を熱処理を行った。
その後、円形振動篩器(目開き77μm)にてふるい、体積基準におけるメディアン径(D50)が7.0μm、Tg:59℃、Tsp:108℃の「着色粒子7」を得た。尚、着色粒子7は、平均円形度が0.940、円形度の標準偏差(SD)が0.040であった。
〈着色粒子8の作製〉
(マゼンタマスターバッチの調製)
下記材料よりなる混合物を加圧ニーダーに仕込み混練した後、得られた混練物を冷却後フェザーミルにより粉砕し、顔料マスターバッチを調製した。
ポリエステル樹脂(Tg:61℃、Tsp:102℃) 70質量部
マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド184) 30質量部
(カラー着色粒子の作製)
下記材料を「ヘンシェルミキサー」で十分混合した後、該混合物を2軸押出混練機「PCM−30」で溶融混練し、迅速に冷却した後、「フェザーミル」で粗粉砕した。
次に、該粗砕物をジェット粉砕機「IDS」で粉砕・分級して、体積基準におけるメディアン径(D50)が7.0μmのカラーの「分級完粒子8」を得た。
ポリエステル樹脂(Tg:61℃、Tsp:102℃) 93質量部
上記顔料マスターバッチ 10質量部
サリチル酸亜鉛金属錯体(E84;オリエント化学工業社製) 2質量部
酸化型低分子ポリプロピレン(ビスコールTS200;三洋化成工業社製) 1質量部
「分級完粒子8」を「着色粒子7」と同様にして熱処理を行い、体積基準におけるメディアン径(D50)が7.1μm、Tgが57℃、Tspが100℃の「着色粒子8」を得た。尚、着色粒子8は、平均円形度が0.949、円形度の標準偏差(SD)が0.035であった。
(トナーの調製)
上記で作製した「着色粒子6〜8」のそれぞれに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量%、疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)により混合する方法で「トナー6〜8」を調製した。尚、得られた「トナー6〜8」の平均円形度、円形度の標準偏差及び体積基準におけるメディアン径(D50)は「着色粒子6〜8」と同等であったので省略する。
表1に、着色粒子の製造方法、得られたトナーの平均円形度、円形度の標準偏差及び体積基準におけるメディアン径(D50)を示す。
Figure 2008070725
(現像剤の調製)
上記で調製した「トナー1〜8」の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜8」を調製した。
2.評価実験
評価装置として、図3の画像形成装置に対応する市販の複合プリンタ「bizhub Pro C500(コニカミノルタビジネステクノロジー(株)製)」に、上記現像剤を投入した現像装置を装填して評価を行った。
尚、上記プリンタの定着装置に搭載される加熱ローラの表面材質、表面温度は以下のようにした。
定着速度:230mm/sec
加熱ローラの表面材質:ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)
加熱ローラの表面温度:125℃(但し、織り目定着強度評価時は以下の様に設定)
また、上記プリンタの感光体ドラム表面の残留トナーを除去するクリーニング手段として、図5に示すクリーニングユニットを上記装置に搭載した。クリーニングブレードは、材質がウレタンゴム製、自由長9mm、厚さ2mmのものを用意した。尚、ブレード先端部の感光体ドラムへの当接力を13.7N/mにした。
評価は、上記評価装置に上記で作製したトナーを順番に装填し、常温常湿(20℃、55%RH)の環境下で、以下の項目について評価を行った。
プリントは、常温常湿(25℃、55%RH)環境下にて、画像濃度0.4のハーフトーン画像、白地ベタ画像、画像濃度0.8のべた黒画像、及び、細線画像がそれぞれ1/4等分となるA4サイズのプリント画像を連続3000枚行った。
〈ハーフトーン画像評価〉
3000枚目のプリント上に出力された画像濃度0.4のハーフトーン画像のざらつき感を目視で評価した。画像を10点満点で評価し、数値が高いものほどざらつきがなくきめ細かな画像が得られたものとして評価した。6点以上を合格とした。
10〜9点:ざらつきがなく、ムラのないきめ細かな画像が得られた
8〜6点 :若干のざらつき感を感じるが、ムラは確認されなかった
5点以下 :ざらつきが目立ち、しかも、ムラの発生が確認された。
〈残留トナー確認〉
3000枚の連続プリント実施後の感光体ドラム表面を倍率10倍のルーペで目視観察し、残留トナーの有無を評価した。
A:残留トナーが確認されなかった
B:残留トナーがルーペ観察によりわずかに観察されたが、後述する画像評価で問題なかったレベル
C:残留トナーの存在が確認され、後述する画像評価でも欠陥が確認された。
〈トナーすり抜け〉
トナーすり抜けの評価は、3000枚の連続プリントのラスト3枚のプリント画像上の黒すじ発生の有無から評価し、連続プリントを通して黒すじが発生しなかったものを合格とした。
〈画像汚れ〉
画像汚れは、3000枚連続プリント後に作成したプリント画像上の白地部分の反射濃度(カブリ濃度)が0.01未満であるものを合格とした。白地部分の反射濃度測定は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて行った。
結果を表2に示す。
Figure 2008070725
表2に示す様に、本発明に係るトナーに該当するトナーを用いた実施例1〜5は、いずれも上記評価項目が良好な結果が得られ、本発明の効果が発現されていることを示す結果が得られた。一方、本発明外のトナーを用いた比較例1〜3では、上記評価項目に対し実施例で得られた様な結果が得られず、本発明の効果が発現されていないことが確認された。
上記実施例の結果からも確認される様に、本発明に係るトナーによれば、感光体等の像担持体上に球形トナーが残存していてもブレードによるクリーニングがスムーズに行える様になり、球形トナーによる高精細な画像形成が安定して行える様になった。
本発明に使用可能なトナーの形状の例を示す模式図である。 粒子の円形度を制御する円形度制御装置(球形化処理装置)の一例を示す概略図である。 本発明に係るトナーが使用可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。 クリーニングブレードを用いるクリーニング装置の一例を示す概略図である。 加熱ローラを用いた定着装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K 感光体
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 1次転写手段としての1次転写ローラ
5A 2次転写手段としての2次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット

Claims (1)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナーにおいて、
    該トナーは、
    その平均円形度が、0.940以上0.980以下であり、かつ、該平均円形度の標準偏差が0.035以上0.050以下であるとともに、
    球形形状を有するトナーを含有してなるものである、ことを特徴とするトナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010276958A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Kyocera Mita Corp 静電潜像現像用トナー及び静電潜像現像剤

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