JP2010275734A - 車両用ドアハンドル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が衝撃を受けた際にドアの開放を抑制する装置を複数備え、それぞれの装置が最も有効に機能する衝撃の方向が異なるとの特性を備えた車両用ドアハンドル装置を提供する。
【解決手段】車両が衝撃を受けた場合、それにより発生した慣性力によって、ベルクランク4に形成されたピン陥入穴14bにスライドピン14dが陥入することによって、ベルクランク4の回動を抑制する。それに加えて、車両が衝撃を受けた場合、ストッパ部材23が慣性力によって回動してストッパ当接部6に当接してガイドアーム部3の運動を抑制し、さらに突起部22の存在によってベルクランク4の回動が抑制される。スライドピン14dが最も有効に機能する衝撃力の方向と、ストッパ部材23が最も有効に機能する衝撃力の方向とは異なる。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両用ドアハンドル装置に関する。
車両のドア部分には、ドアを開く操作をするために、各種形態のドアハンドル装置が取り付けられている。例えば、ドアハンドル装置のハンドル本体を把持して手前側に引き起こすとドアのロック機構が解除され、更にそのままハンドル本体を引き起こすことによりドアが開けられる構成のものが存している。この種のドアハンドル装置として、特許文献1に開示されるものがある。
このドアハンドル装置は、ドアに固定されるベース部材と、このベース部材に対し、一端部を回動支点として他端部が回動方向に沿って引起し可能に連結されたハンドル本体とを備えている。ハンドル本体の一端部に設けられた支点アーム部は、ベース部材の回動ガイド部に連結されていて、ハンドル本体は、回動ガイド部を中心として引起し方向に回動される。このとき、ハンドル本体の他端部に設けられたガイドアーム部は、ベース部材の動作ガイド部にガイドされ、ベース部材に取り付けられるベルクランクに巻回されたねじりコイルばねのねじり力(弾性復元力)に抗して回動される。
例えば側面衝突により車両の側面の側から、或いは車両の斜めの側から荷重が作用した場合、ドアハンドル装置には、前記荷重の作用方向と反対側の方向に、その反作用(慣性)による力が作用する。このときの力が、ねじりコイルばねのねじり力よりも大きい場合、ハンドル本体が引起し方向に移動して、ドアが開いてしまうおそれがある。これを防止するため、本出願人による車両用ドアハンドル装置の技術が開示されている(特許文献2を参照)。この発明では、衝突時における荷重の慣性力により、スライドピンが圧縮ばねの付勢力に抗して相対的に前進して、ベルクランクのピン嵌入孔に入り込む。これにより、ベルクランクが回動困難になり、ハンドル本体の引起し方向への移動が規制されて、ドアが開いてしまうことが防止される。
特開2003−41811号公報 特開2008−127888号公報
上記特許文献2に開示されたような、車両が衝撃を受けた際にドアの開放を抑制する機能を備えたドアハンドル装置において、車両が衝撃を受ける方向に関しては、主に車両の側方から、といった程度とされていた。
したがって、こうした装置の設計において衝撃の方向をより精緻に考慮すれば、より高性能なドアハンドル装置が実現できると期待される。特に、車両が衝撃を受けた際にドアの開放を抑制する装置を複数備えることとして、それぞれの装置が最も有効に機能する衝撃の方向が異なるようにすれば、より広い範囲からくる衝撃に対して対応できると考えられる。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、車両が衝撃を受けた際にドアの開放を抑制する装置を複数備え、それぞれの装置が最も有効に機能する衝撃の方向が異なるとの特性を備えた車両用ドアハンドル装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を達成するために、本発明に係る車両用ドアハンドル装置は、車両のドアに固定されるベース部と、そのベース部に対し一端部を支点に回動可能に連結されて、取手部位として機能して、引き起し方向の開動作及びこの逆の閉動作がなされるハンドル本体部と、そのハンドル本体部の前記一端部とは異なる他端部から前記車両のドア表面と交差する方向に延設されて、前記ハンドル本体部が前記開動作及び閉動作する際に前記交差する方向に往復運動するアーム部と、前記アーム部の前記往復運動につれて回動するように配置されて、その回動角度が所定角度範囲に入ると前記ドアをロックするロック機構に結合されたベルクランク部と、前記車両が外部から衝撃力を受けた場合に、前記ベルクランク部に直接的に作用して、前記ベルクランク部の回動を前記ロックが開錠されないように抑制する第1抑制部と、前記車両が外部から衝撃力を受けた場合に、前記アーム部に直接的に作用することにより前記往復運動を抑制して、間接的に前記ベルクランク部の回動を前記ロックが開錠されないように抑制する第2抑制部と、を備え、前記第1抑制部が最も有効に機能する前記衝撃力の方向と、前記第2抑制部が最も有効に機能する前記衝撃力の方向とが、異なることを特徴とする。
これにより本発明に係る車両用ドアハンドル装置では、車両が外部から衝撃を受けた場合に、ベルクランク部の回動を抑制する2つの抑制部を備えて、一方の抑制部が最も有効に機能する衝撃力の方向ともう一方の抑制部が最も有効に機能する衝撃力の方向とが異なるようにしたので、一方の抑制部が機能しないような衝撃力の方向に対してはもう一方の抑制部が機能することによって、より広い範囲の衝撃力の方向に対してベルクランク部の回動を抑制できるとの顕著な効果を奏する。したがって車両への衝撃によってドアが開放することを従来よりも抑制できる車両用ドアハンドル装置が実現できる。
また前記第1抑制部は、前記ベルクランク部に形成された孔部と、前記車両が前記衝撃力を受けた場合に、前記衝撃力により発生する慣性力の作用によって前記孔部に進入して、前記ベルクランク部の回転運動を抑制するピン部と、を備え、前記第2抑制部は、前記アーム部において前記往復運動の方向と交差する方向に形成されたストッパ当接部と、前記車両が衝撃力を受けた場合に、前記衝撃力により発生する慣性力の作用によって軸周りに回動して、前記ストッパ当接部に当接する位置へ移動し、前記ハンドル本体部の開動作を抑制するストッパ部と、を備え、前記ピン部が進入する方向と、前記ストッパ部の重心と軸とを結ぶ直線に直交する方向とが異なるとしてもよい。
これにより第1抑制部は、車両が衝撃を受けたらその慣性力によってピン部が孔部に進入してベルクランク部の回動を抑制する機構として実現し、第2抑制部は、車両が衝撃を受けたらその慣性力によってストッパ部がハンドル本体部の運動を抑制する機構として実現し、ピン部の加速度を最大にする衝撃力の方向と、ストッパ部への回転モーメントを最大にする衝撃力の方向とが異なるので、具体的に構成された機構によって、より広い範囲の衝撃力の方向に対してベルクランク部の回動を抑制できる。したがって車両への衝撃によってドアが開放することを従来よりも抑制できる車両用ドアハンドル装置が実現できる。
また前記ベース部と前記ストッパ部との間には、前記車両が衝撃力を受けない場合に、前記ストッパ部を、前記アーム部の前記往復運動に干渉しない退避位置に保持する付勢手段が設けられ、前記ストッパ部は、前記車両が衝撃力を受けて前記付勢手段の付勢力を超える慣性力が生じた場合に、その慣性力によって前記退避位置から前記ストッパ当接部に当接する作動位置へ回動するとしてもよい。
これによりストッパ部材に設けられた付勢手段により、通常時にストッパ部材は確実に退避位置に保持される。これにより、車両の走行中の振動等でストッパ部材が回動して作動位置へ回動し、ハンドル本体の引き起こすことが困難になる不具合を回避できる。
また前記付勢手段は、前記ストッパ部と前記ベース部とを連結し、前記ストッパ部に前記作動位置から前記退避位置へ向かう方向に付勢する付勢力を及ぼす弾性部材であるとしてもよい。
これにより弾性部材による弾性力によって、簡易な方式で確実に付勢力を実現できる。
また前記ストッパ部は、前記ストッパ部の自重による回転モーメントで前記ストッパ部を前記退避位置に保持するように、前記ストッパ部の回動中心に対して該回動中心を通る鉛直線の一方側にずれて前記ストッパ部の重心が配置されているとしてもよい。
これにより例え付勢手段が何らかの理由で故障した場合にも、自重によってストッパ部は退避位置に退避させることができる。また付勢手段が機能している場合は、付勢手段と自重とが相まって、通常は確実にストッパ部を退避位置に退避させることができる。
また前記ストッパ部は、前記車両が衝撃力を受けない場合に、前記ハンドル本体部のアーム部の移動経路から前記退避位置に退避したストッパ機能部と、前記車両が衝撃力を受けない場合に、その移動経路に進入した前記作動位置に保持されるとともに、前記アーム部の移動経路に沿った移動を許容する被回動作用部とを一体的に備え、他方、前記アーム部は、前記ハンドル本体部の原位置と開位置間の動作に応じてそのアーム部が前記移動経路を片方移動又は往復移動する毎に、前記ストッパ部の被回動作用部に作用してそのストッパ部を所定角度範囲で往復回動させる回動作用部を有し、前記車両が衝撃力を受けない場合に、前記ハンドル本体部が原位置に復帰した状態では、前記ストッパ部の被回動作用部が前記作動位置に、また前記ストッパ機能部が前記退避位置にそれぞれ保持され、前記車両が衝撃力を受けた場合に、前記退避位置から前記作動位置に回動した後の前記ストッパ部のストッパ機能部に、前記アーム部のストッパ当接部が当接して、前記ハンドル本体部の開動作が阻止されるとしてもよい。
これによりハンドル本体部が引き起こされる毎に、ハンドル本体部の回動作用部とストッパ部の被回動作用部とが作用し、ストッパ部を往復回動させる。長期間に亘る車両の使用により、ストッパ部の周囲に砂等の異物が侵入し、ストッパ部材が回動困難になるおそれがある。しかし、ストッパ部を頻繁に回動させることにより、ストッパ部を常に回動容易にさせておき、衝撃作用時に確実に回動させることができる。
また前記ストッパ部は前記ハンドル本体部よりも軽量なものとされ、前記車両が衝撃力を受けた場合の慣性力によって、前記ストッパ部が前記ハンドル本体部の移動よりも先に回動するとしてもよい。
これにより衝撃作用時に、ハンドル本体部の引起し方向の開動作を確実に阻止できる。
また前記アーム部には、前記ベルクランク部の軸部からその軸線と交差する方向に突出したレバー体を入り込ませるためのレバー体配置空間部が形成され、更に、前記レバー体配置空間部の内壁面と前記レバー体との隙間を狭くする隙間調整手段が設けられ、前記隙間調整手段により、前記車両が衝撃力を受けた場合に、前記ベルクランク部がドアのロックを解除する方向へ回動するときの回動角度が前記ロックを解除しない範囲の角度とされているとしてもよい。
これにより衝撃作用時に、ストッパ部によってハンドル本体部が引起し方向に移動することを阻止しても、ベルクランク部の回動角度が大きい場合、ドアのロック機構を作動させてしまうおそれがあるが、これを防止するため、アーム部に形成されたレバー体配置空間部における内壁面とベルクランク部のレバー体との隙間を狭くする隙間調整手段を設けることにより、衝撃作用時のベルクランク部の回動角度を小さくできる。
また前記隙間調整手段は、前記ベルクランク部のレバー体に設けられた突起部であり、この突起部により前記隙間が狭くされたとしてもよい。
これにより突起部を形成するとの簡易な方法によって衝撃作用時のベルクランク部の回動角度を確実に小さくできる。
また前記ピン部は、前記ハンドル本体部の開動作の初期に前記孔部に嵌入及び離脱可能な浮動状態で、ばね部材により付勢されて配置され、そのばね部材の付勢力を超える前記ドアに対する衝撃荷重の発生時に、慣性力により相対的にそのピン部が前記孔部に嵌入し、前記ピン部は、前記ベース部に設けられたピンガイド部内に摺動可能に保持されて、そのピンガイド部から前記ハンドル本体部と反対側へ突出し、その突出部分を外側から覆うカバー体が設けられていて、前記ピン部の一部が前記カバー体内を摺動するように該カバー体の内面が摺動ガイド面とされ、かつ前記ピン部の一部が前記カバー体の摺動ガイド面を点接触又は線接触で摺動する形状に形成されているとしてもよい。
これによりベルクランク部に孔部が形成されており、その孔部に嵌入、離脱可能なピン部が、浮動状態で取り付けられている。そしてピン部は、ばね部材により付勢されていて、通常は孔部から離脱されている。車両のドアに衝突等による荷重が作用すると、ばねの付勢力に抗してピン部が、慣性によって孔部に相対的に嵌入される。これにより、ドアの解錠が阻止される。ピン部は、カバー体の内面に点接触又は線接触で摺接されているため、その摺動抵抗が小さくなってスムーズに作動する。この結果、ピン部の作動の信頼性が高くなる。
また前記ピン部は、前記カバー体に密閉状態で収容されているとしてもよい。
これによりピン部の摺動部に、砂や雨水等の異物が浸入することが阻止され、長期間に亘ってピン部の作動の信頼性が高い状態が確保される。
また前記孔部の、少なくとも前記ピン部が嵌入する側の開口部は、前記ベルクランク部の回動方向の寸法がその回動方向に直角な方向の寸法より大きくなるように形成されているとしてもよい。
これによりピン部が孔部に嵌入される前にベルクランク部が先に回動し始めたときであっても、ピン部を嵌入させることができる。このため、ピン部の作動の信頼性が一層高くなる。
また前記ピン部は、前記ハンドル本体部の引き起こし方向に沿って突出されるとしてもよい。
これによりハンドル本体部の引き起こし方向、すなわち車両側方からの衝撃力によって生成された慣性力によって、ピン部はベルクランク部に形成された孔部に進入しやすくなる。よって車両側方から衝撃でドアが開放しにくいドアハンドル装置が実現できる。
また前記ピン部の一部は、前記カバー体の内面に摺接する球体となっていて、その球体の外面と前記カバー体の内面とが点接触されているとしてもよい。
これによりピン部とカバー体との間の摺動抵抗が小さくできるので、車両への衝撃によって発生した慣性力によって確実にピン部はベルクランク部の孔部に進入できる。よって衝撃作用時に確実にドア開放を抑制できる。
本発明の実施例1のドアハンドル装置101の斜視図である。 同じく正面図である。 同じく平面図である。 同じく底面図である。 (a)は格納状態のハンドル本体110を示す底面断面図、(b)は引起し状態のハンドル本体110を示す底面断面図である。 ベース部材120の動作ガイド部12の背面斜視図である。 図2のX−X線断面図である。 通常時におけるハンドル本体110の作用説明図である。 衝撃荷重Fの作用時におけるハンドル本体110の作用説明図である。 衝撃荷重Fの作用時に、ベルクランク4のレバー体7が、ガイドアーム部3の内壁面9aに当接する状態の作用説明図である。 (a)は実施例2のドアハンドル装置102のストッパ装置130の断面図、(b)は同じく作用説明図である。 (a)は実施例3のドアハンドル装置103のストッパ装置130の断面図、(b)は同じく作用説明図である。 (a)は実施例4のドアハンドル装置104のストッパ装置130の断面図、(b)は同じく作用説明図である。 図5のX2−X2線断面図である。 (a)は、図14のY1−Y1線拡大断面図であり、(b)は同じくY2−Y2線拡大断面図である。 荷重Fが作用したときのドアハンドル装置101の作用説明図である。 図16のZ−Z線断面図である。 (a)、(c)、(e)は、別の実施例のスライドピンとケース体の正面図であり、(b)、(d)、(f)はそれらの底面図である。 別の実施例のドアハンドル装置101の要部の拡大図である。 スライドピンとストッパ部材に作用する慣性力を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施例1のドアハンドル装置101の斜視図、図2は同じく正面図、図3は同じく平面図、図4は同じく底面図、図5は格納状態及び引起し状態のハンドル本体110を示す底面断面図、図6はベース部材120の動作ガイド部12の背面斜視図、図7は図2のX−X線断面図である。なお、本実施例のドアハンドル装置では、既存のドアハンドル装置に使用されている部材との互換性を図るために、可能な限り既存の部材を改良して使用し、全く新規な部材の使用を極力抑えている。このため、本明細書では、各部材については、既存の部材との差異を中心に説明することとする。
図1ないし図4に示されるように、車両のドア(図示せず)の部分には、ドアハンドル装置101が取り付けられている。本発明の実施例1のドアハンドル装置101は、ハンドル本体110とベース部材120とを備え、ベース部材120にストッパ装置130が取り付けられている。ハンドル本体110は、ベース部材120に一体に組み付けられ、回動支点Cを中心として回動自在であり、ベース部材120に対して引起し方向Pに引き起こすことができる(図5参照)。
最初に、ハンドル本体110について説明する。実施例1のドアハンドル装置101におけるハンドル本体110は、既存のハンドル本体110と同一形状である。図5に示されるように、本実施例のハンドル本体110は、ポリカーボネート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ナイロン系樹脂等の単一又は複数種類の樹脂材より成形された弓成り形状のグリップ部1と、グリップ部1における車両前側(図5の図面視における左側)の端部から突出する支点アーム部2と、同じく車両後側(同じく右側)の端部から突出するガイドアーム部3とを備えている。ハンドル本体110のグリップ部1は、把持したときの感触が良好になるように、全体が滑らかな曲面形状となっている。ベース部材120に組み付けられたハンドル本体110は、支点アーム部2に形成される回動支点Cを中心として、円弧状に回動される。
図5及び図6に示されるように、グリップ部1における後側から、略L字状のガイドアーム部3が延設されている。ガイドアーム部3の先端部は、前方(支点アーム部2の側)に向って屈曲されていて、当該屈曲部分にベース部材120に取り付けられるベルクランク4(後述)と係止されるベルクランク当接部5が設けられている。このベルクランク当接部5は側方にも張り出しているため、ベルクランク当接部5の側壁部5aとガイドアーム部3の側壁部3aとの間に段付き部(ストッパ当接部6)が形成されている。
図5ないし図7に示されるように、ハンドル本体110のガイドアーム部3の前部には、ベルクランク4の一方のレバー体7(後述)を入り込ませるための凹溝部8が設けられている。この凹溝部8は、ガイドアーム部3の長手方向(延設方向)とほぼ直交して設けられている。そして、凹溝部8におけるグリップ部1の側(ガイドアーム部3の基端部の側)の内壁面9a、9bは、ガイドアーム部3の前面視において、ガイドアーム部3の厚み方向のほぼ中心部から各側壁部3aの側に向かって対称形状となるように斜めに形成されている。
次に、ベース部材120について説明する。図3及び図4に示されるように、ベース部材120の前部には、ハンドル本体110の支点アーム部2を連結するための回動ガイド部11が形成されている。同じく後部には、ハンドル本体110のガイドアーム部3を連結して、その引起し方向Pへの移動を案内するための動作ガイド部12が形成されている。ベース部材120の回動ガイド部11には、ハンドル本体110の支点アーム部2を挿入するための前側開口(図示せず)が設けられていて、同じく動作ガイド部12には、ハンドル本体110のガイドアーム部3を挿入するための後側開口13が設けられている。
図6及び図7に示されるように、ベース部材120の動作ガイド部12には、ハンドル本体110のガイドアーム部3とドアのロック機構(後述)とを連結するためのベルクランク4が取り付けられている。本実施例のベルクランク4は、ベース部材120の動作ガイド部12に取り付けられる軸部14と、軸部14から半径方向に所定角度をおいて延設された一対のレバー体7、15を備えている。ベルクランク4は、その軸部14をベース部材120の長手方向にほぼ沿わせた状態で、ベース部材120に取り付けられていて、その軸線14aを中心に回動自在である。ベルクランク4の軸部14には、ねじりコイルばね16が巻回されている。これにより、ベルクランク4には、ねじりコイルばね16のねじり力(弾性復元力)が矢印P1の方向に常に作用している。車両のユーザ(例えば、運転者)は、ねじりコイルばね16のねじり力に抗してハンドル本体110を引き起こす。
引き起こされたハンドル本体110のガイドアーム部3は、ベース部材120の動作ガイド部12の内側部分に設けられた移動経路21に案内され、引起し方向Pに沿って移動する。
ベルクランク4の一方のレバー体7は、通常時(車両に衝撃荷重Fが作用していない状態)において、ガイドアーム部3の凹溝部8に配置されている。そして、レバー体7の側壁部7aは、ガイドアーム部3の凹溝部8の一方の内壁面9aと対向配置されている。ここで、実施例1のベルクランク4における一方のレバー体7の側壁部7aには、凹溝部8の内壁面9aに向かって突出する突起部22が設けられている。これにより、レバー体7の側壁部7aと凹溝部8の内壁面9aとの隙間ε(後述するオーバーラン隙間)が狭くなっている。なお、図7において、既存のベルクランク4における側壁部7aを二点鎖線で示す。
ベルクランク4の他方側のレバー体15は、ドアのロック機構(図示せず)に連結されている。このロック機構により、車両のドアは、ハンドル本体110の閉状態でロックされて保持される。ユーザによってハンドル本体110が引き起こされたとき、ベルクランク4の一方のレバー体7の先端部とガイドアーム部3のベルクランク当接部5とが当接している。このため、ベルクランク4の一方のレバー体7が押し込まれ、ベルクランク4は、その軸部14の軸心(軸線14a)を中心に時計回りの方向(矢印P1の反対方向)に回動する。これにより、ベルクランク4の他方のレバー体15が同方向に回動する。他方のレバー体15が一定角度以上回動することにより、ロック機構におけるドアのロック状態が解除され、ドアが開かれる。
次に本発明の特徴要件であるスライドピン14dに関して説明する。図5に示されるように、ベース部材120の回動案内部120aにおける本体部120bで、ベルクランク4の軸部14の直下の部分には、ケース体14gが取り付けられていて、このケース体14gに、浮動状態でスライドピン14dが収容されている。図5、6、14、15に示されるように、スライドピン14dの中心軸14cは、ベルクランク14の軸部14と交差する方向とされている。そしてケース体14gは上面が開口され、下面が閉塞された角筒状で、その下半部には幅が狭くなった狭幅部14jが形成されている。スライドピン14dは、ベルクランク4の軸部14のピン嵌入穴14bに嵌入されるピン部14iと、ピン部14iよりも大径の球体で形成され、所定の重量を有する支持部14fとを備えている。ケース体14gの狭幅部14jの内幅W1、W2は、スライドピン14dの支持部14fの外径よりも僅かに大きい。このため、スライドピン14dの支持部14fは、ケース体14gの狭幅部14jの内壁面に対し、4箇所の摺接部e1〜e4において点接触された状態で支持されている。
そして、ベース部材120の本体部120bには、スライドピン14dのピン部14iを案内するためのピン案内溝部14hが形成されている。また、スライドピン14dの支持部14fとベース部材120の本体部120bとの間には、スライドピン14dをケース体14gの狭幅部14jの側に付勢する圧縮ばね14eが弾装されている。圧縮ばね14eの付勢力は小さく、車両のドアDに所定の大きさ以上の荷重Fが作用したときにスライドピン14dに作用する慣性よりも小さい。換言すれば、車両のドアDに所定の大きさ以上の荷重Fが作用したとき、スライドピン14dは、圧縮ばね14eの付勢力に抗して相対的にスライドされる(後述)。通常の状態で、スライドピン14dの支持部14fは、ケース体14gの狭幅部14jに収容され、その底面部14tに押し付けられている。このとき、スライドピン14dのピン部14iの先端部は、ベース部材120の本体部120bのピン案内溝部14hに配置されていて、ベース部材120から突出することはない。換言すれば、スライドピン14dのピン部14iは、ベルクランク4の軸部14のピン嵌入穴14bから離脱されている。このため、ベルクランク4の軸部14の回動に支障をきたすことはない。また、スライドピン14dは、その全体が、ケース体14gに対して密閉状態で収容されている。これにより、スライドピン14dの摺動部分に砂や雨水等が浸入することの防止が図られている。
図14及び図15の(a)に示されるように、ベルクランク4における軸部14のピン嵌入穴14bの入口部は、軸部14における回動方向の寸法L1よりも、その回動方向に直角な方向の寸法L2の方が大きくなっている。即ち、軸部14の半径方向で、かつハンドル110が引き起こされたときに回動される方向(矢印22で示される方向)の後よりの部分が斜めに切り欠かれていて、切欠部31が形成されている。これにより、ピン嵌入穴14bの入口部は、周方向に長穴となっていて、スライドピン14dのピン部14iが嵌入され易くなっている。
本実施例のドアハンドル装置101の作用について説明する。図5及び図14に示されるように、通常の状態で、ハンドル110はベース部材120と連結されていて、その支点アーム部2の回動支点Cを中心に回動自在である。このとき、ハンドル110のガイドアーム部3の係止部5は、ねじりコイルばね16のねじり力が作用したベルクランク4のレバー体15に係止されている。使用者によって引き起こされたハンドル110は、ねじりコイルばね16のねじり力に抗して、回動支点Cを中心に手前側(使用者の側で、矢印Pの方向)に向かって回動される。
図16及び図17に示されるように、車両のドアDに、ハンドル110の引き起こし方向(矢印Pの方向)と反対の方向に所定の大きさの荷重Fが作用すると、ベース部材120にも同一の荷重Fが作用する。このときの反作用により、ハンドル110が引き起こし方向に回動されようとし、車両のドアDが開いてしまうおそれがある。しかし、本実施例のドアハンドル装置101では、スライドピン14dの支持部14fの重量に起因する慣性によってその静止状態が維持され、圧縮ばね14eの付勢力に抗して、荷重Fの作用方向と反対の方向に相対的にスライドされる。これにより、スライドピン14dのピン部14iがベース部材120の本体部120bから突出し、ドアDの解錠がなされる前(ハンドル110の開動作の初期に対応する位相の状態)に、ベルクランク4の軸部14のピン嵌入穴14bに嵌入される。この結果、ベルクランク4の軸部14の回動が阻止され、ハンドル110が引き起こし方向に回動することが阻止される。
もし、スライドピン14dのピン部14iが、ベルクランク4の軸部14のピン嵌入穴14bに入り込む前に、ベルクランク4の軸部14が先に回動された場合であっても、軸部14のピン嵌入穴14bの入口部に切欠部31が斜めに設けられて長穴形状となっているため、スライドピン14dのピン部14iが確実に軸部14のピン嵌入穴14bに嵌入される。
従来のドアハンドル装置の場合、スライドピン14dがケース体14gの内壁面に対して面接触状態で支持されている。このため、スライドピン14dの摺動抵抗が大きく、作動の信頼性が低かった。これに対して、本実施例のドアハンドル装置100の場合、スライドピン14dがケース体14gの内壁面に対して、4箇所の摺接部e1〜e4において点接触状態で支持されている。このため、スライドピン14dの摺動抵抗が小さくなり、作動の信頼性が向上するという効果が奏される。
車両のドアDに作用する荷重Fが消滅すると、スライドピン14dは圧縮ばね14eの付勢力(弾性復元力)によって逆方向に相対的にスライドされ、ピン部14iがベルクランク4の軸部14のピン嵌入穴14bから抜け出る。このため、ベルクランク4の軸部14が回動自在となる。この結果、ハンドル110が引き起こし可能となる。
本実施例のドアハンドル装置101の場合、スライドピン14dの軸線が、ハンドル110の引き起こし方向(矢印Pの方向)にほぼ沿って配置されている。このため、車両のドアDに対してほぼ直角に荷重Fが作用した場合(例えば、車両の側面衝突)に、スライドピン14dが確実に作動される。
本実施例のドアハンドル装置101の場合、スライドピン14dの全体が、ケース体14gに密閉状態で収容されている。このため、ケース体14gの内側に砂や雨水等が浸入するおそれはなく、スライドピン14dの作動の信頼性を向上させることができると共に、その信頼性が高い状態を、長期間に亘って維持させることができる。
本実施例のドアハンドル装置101では、スライドピン14dをスライドさせることにより、ハンドル110が回動されることを阻止している。スライドピン14d及びケース体14gの取付けスペースは、従来のドアハンドル装置におけるカウンタウエイトよりも小さくて済むため、省スペースが図られる。また、従来のドアハンドル装置では、ベース部材120における本体部120bの長手方向のほぼ中央部に取り付けられていたガラス止め部を、ベース部材120における回動案内部120aに取り付けることもできる。
次に、本発明の特徴要件であるストッパ装置130について説明する。本実施例のドアハンドル装置101の場合、ベース部材120の動作ガイド部12にストッパ装置130が取り付けられている。図6及び図7に示されるように、本実施例のストッパ装置130は、ストッパ部材23と、ストッパ部材23をガイドアーム部3の移動経路21から退避させた状態(以下、「退避位置」と記載する。)で保持するためのねじりコイルばね24(弾性部材)とを備えている。ベース部材120における動作ガイド部12の底面部には、ストッパ部材23をガイドアーム部3の移動経路21に進入させるための窓部25が開口されている。この窓部25の周縁部から、一対の支持壁部26が下方に向かって突設されている。そして、一対の支持壁部26にストッパ部材23と、ねじりコイルばね24が取り付けられる。ストッパ部材23と窓部25との間には一定の隙間が形成されていて、この隙間が水抜けの機能を有している。なお、図7以下においては、図示を容易にするため、ねじりコイルばね24を引張りばねとみなしてその作用を説明する。
ストッパ部材23は、方形ブロック状の本体部27からストッパ片28(ストッパ機能部)と突片29(被回動作用部)が、二股状に突設した形態である。ストッパ片28は、本体部27における背面側の側壁部27aから略L字状に突設されていて、突片29は、本体部27の上面部27bの正面側の端部からまっすぐに(上面部27bとほぼ直交して)突設されている。また、本体部27の下端部には、一対の支持壁部26に嵌合支持される各支点ピン31が突設されている。一対の支持壁部26に支持されたストッパ部材23は、各支点ピン31の軸線31aを中心に回動自在である。ストッパ片28は、通常時には退避位置に配置されるとともに、衝撃作用時にガイドアーム部3の移動経路21に進入するように回動して(以下、「作動位置」と記載する。)そのストッパ当接部6を当接させるストッパ機能を有する。また、突片29は、常に作動位置に配置されている。
上記したように、ストッパ部材23のストッパ片28は、ストッパ部材23の本体部27から大きく側方に張り出している。このため、ストッパ部材23の重心Gは、ストッパ部材23の回動中心32(支点ピン31の軸線31aと等しい。)よりも上方で、かつ回動中心32を通る直線33(鉛直線)から所定距離Lだけストッパ片28の側に離れた位置に配置される。これにより、ストッパ部材23には常に、その回動中心32を中心に時計回り(ストッパ片28を降下させる方向)のモーメントMが作用する。そして、ストッパ片28の底面部を、ベース部材120から張り出した凸部34に当接させている。この状態で、ストッパ部材23のストッパ片28の上面が、ガイドアーム部3の移動経路21から退避位置に保持される。
これに対して、通常時におけるストッパ部材23の突片29は、作動位置に配置されている。図8に示されるように、ハンドル本体110が引き起こされると、ガイドアーム部3が移動経路21を引起し方向Pに沿って移動する。このとき、ガイドアーム部3のベルクランク当接部5は、ストッパ片28の直上を通過する。そして、ガイドアーム部3のストッパ当接部6が突片29に当接し、突片29を押し込みながら、ストッパ部材23を反時計回りの方向(矢印35の方向)に回動させる。ストッパ部材23は、本体部27及び突片29の正面側の側壁部27cをベース部材120の内壁面に当接させる。これにより、ハンドル本体110が開位置に配置される。また、ストッパ部材23のストッパ片28は、ストッパ部材23の回動に伴い、ガイドアーム部3のベルクランク当接部5の背面側(図8の図面視における右側)で、作動位置に配置される。ハンドル本体110が戻されるとき、ストッパ部材23は、ガイドアーム部3のベルクランク当接部5がストッパ部材23のストッパ片28を押すこと、及びその自重によるモーメントMとねじりコイルばね24のねじり力(弾性復元力)とによって時計回りの方向に回動し、退避位置に復帰する。
上記したように、ハンドル本体110が引き起こされたり戻されたりすることにより、ストッパ部材23も往復回動する。即ち、ストッパ部材23を頻繁に回動させることにより、動作ガイド部12に侵入した砂や塵埃等の異物によりストッパ部材23がこじて、衝撃荷重Fの作用時(後述)に回動不能となることを防止している。
衝撃荷重Fの作用時に、その慣性によってストッパ部材23を回動させる慣性力K1(図9参照)は、ストッパ部材23の重量によって定められる。この慣性力K1は、車両に衝撃荷重F(例えば、側面衝突時に外部からドアに作用する荷重)が作用したときに、ストッパ部材23の自重によるモーメントMとねじりコイルばね24のねじり力との合計よりも大となるように設定される。これにより、図9に示されるように、車両に衝撃荷重Fが作用したとき、その慣性力K1によってストッパ部材23が反時計回りの方向に回動し、作動位置に配置される。そして、ストッパ部材23のストッパ片28にガイドアーム部3のストッパ当接部6が当接する。この結果、ハンドル本体110の引起し方向Pのそれ以上の引起しが阻止される。なお、ハンドル本体110の重量は、ストッパ部材23の重量に比べて遥かに大きいため、衝撃荷重Fの作用時の慣性によってストッパ部材23が回動するよりも先にガイドアーム部3が移動することはない。
このストッパ部材23は、経年による損傷を防止するため、金属材又は硬質な樹脂材より成形することが望ましい。
上記したように、車両に衝撃荷重Fが作用し、その慣性によってハンドル本体110が引き起こされる。これに伴い、ベルクランク4もハンドル本体110のガイドアーム部3に押し込まれて回動する。図9において、引き起こされる前のガイドアーム部3のベルクランク当接部5を一点鎖線で示す。
前述したように、衝撃荷重Fの慣性力K1によりストッパ部材23が回動してそのストッパ片28がハンドル本体110のガイドアーム部3のストッパ当接部6と当接する。これにより、ハンドル本体110のそれ以上の引起しが阻止される。このとき、ベルクランク4に作用する慣性力K2(衝撃荷重Fの慣性により、ベルクランク4を時計回りの方向に回動させる力)が、ねじりコイルばね16のねじり力(弾性復元力)よりも大きい場合、ベルクランク4はそのまま回動し、一方のレバー体7の突起部22がガイドアーム部3の内壁面9aに当接する(図10参照)。このときのベルクランク4の回動角度が大きい場合、ハンドル本体110の引起しを阻止したにも拘らず、ドアのロック機構(図示せず)を解除させてしまうおそれがある。特に、既存のベルクランク4を使用した場合、図9に二点鎖線で示す一方のレバー体7の側壁部7aとガイドアーム部3の内壁面9aとの間に大きな隙間ε(オーバーラン隙間)が形成されているため、ベルクランク4の回動角度は大きくなる。これを防止するため、本実施例のベルクランク4では、図10に示されるように、一方のレバー体7の側壁部7aに突起部22を設け、レバー体7の突起部22とガイドアーム部3の内壁面9aとを早期に当接させて、慣性力K2によるベルクランク4の回動角度を小さくしている。
なお、本実施例のドアハンドル装置101の場合、前述したように既存の部材を可能な限りそのまま使用することを前提としているため、ハンドル本体100のガイドアーム部3の形状をそのままにし、ベルクランク4に突起部22を設ける(これに伴う成形型の修正は容易である。)ことによってオーバーラン隙間εを小さくしている。しかし、既存の部材との互換性を考慮しなくてもよいのであれば、ハンドル本体100のガイドアーム部3の形状又はベルクランク4の形状を変更することにより、オーバーラン隙間εを小さくしてもよい。
本実施例のドアハンドル装置101の作用について説明する。車両のユーザがドアを開けるとき、ユーザはハンドル本体110のグリップ部1を把持し、支点アーム部2の回動支点Cを中心に回動させるようにして、ハンドル本体110を引起し方向Pに引き起こす。ハンドル本体110のガイドアーム部3が、移動経路21を引起し方向Pに沿って移動する。通常時において、ストッパ部材23のストッパ片28は退避位置に配置されているため、ガイドアーム部3はそのまま移動し、ストッパ部材23の突片29に当接する。そして、突片29を押し込みながら、ストッパ部材23を反時計回りの方向に回動させる。ストッパ部材23の突片29が、ベース部材120と当接することによって、ハンドル本体110が開位置に配置され、それ以上引起し不能となる。
また、ベルクランク4は、その一方のレバー体7がハンドル本体110のガイドアーム部3のベルクランク当接部5に押圧されることによって時計回りの方向に回動する。ユーザは、ベルクランク4に巻回されたねじりコイルばね16のねじり力に抗して、ハンドル本体110を引き起こす。このときの作用は、従来のものと同様であるため、ハンドル本体110を引き起こすときのフィーリングを悪化させることはない。ベルクランク4が一定角度以上回動すると、ベルクランク4の他方のレバー体15に連結されたドアのロック機構が解除され、ドアが開く。
ユーザがハンドル本体110のグリップ部1を把持する力を解放すると、ハンドル本体110は、ねじりコイルばね16のねじり力により、移動経路21を逆方向に移動する。ストッパ部材23の突片29とガイドアーム部3のストッパ当接部6との当接状態が解放され、ストッパ部材23は、自重によるモーメントMとねじりコイルばね24のねじり力(引張り力)及びガイドアーム部3のベルクランク当接部5に押されることにより時計回りの方向に回動し、最初の位置に復帰する。
車両のドアに外部から衝撃荷重Fが作用したとき、その慣性により、ハンドル本体110が引起し方向Pに移動しようとするとともに、ストッパ部材23が反時計回りの方向に回動しようとする。ここで、ストッパ部材23は、ハンドル本体110よりも遥かに軽量であるため、最初にストッパ部材23が慣性力K1によって回動し、続いてハンドル本体110が移動する。ストッパ部材23のストッパ片28が作動位置に進入するように回動し、このストッパ片28にガイドアーム部3のストッパ当接部6が当接する。これにより、ハンドル本体110の引起し方向Pの開動作が阻止される。
また、ベルクランク4も、ガイドアーム部3のストッパ当接部6がストッパ部材23のストッパ片28に当接するまで回動する。このとき、ベルクランク4の一方のレバー体7の側壁部7aに突起部22が設けられ、ガイドアーム部3の内壁面9aとのオーバーラン隙間εが小さくなっているため、ベルクランク4の回動角度も小さくなり、ロック機構を解除させない。これにより、衝撃荷重Fの作用時に、車両のドアが不用意に開いてしまうことが防止される。
次にスライドピン14dとストッパ部材23とを併置させた効果を説明する。図20に、その効果が説明されている。図20の(a)、(b)はそれぞれ、車両が受けた衝撃力の方向が異なる場合に、スライドピン14dとストッパ部材23に発生する慣性力を示している。なお図20の矢印(の大きさ)は力の大きさを表すとしてもよく、加速度を表すとしてもよい。以下では適宜加速度として説明する。
図20(a)には車両が衝撃力F1を受けた場合が示されている。力F1の方向とスライドピン14dの運動方向は平行であるとする。この場合、慣性力によるスライドピン14dの加速度F2はF1と反対向きとなる。つまり衝撃力F1の方向は、最も有効にスライドピン14dの慣性力が発生する方向である。
一方ストッパ部材23の重心Gには、慣性力によってF1と反対向きの加速度F4が発生するが、軸32が固定されているため、ストッパ部材23に作用するモーメント(による加速度)は、F3を、軸中心32と重心Gとを通る直線L1に直交する方向に射影したF4となる。つまり衝撃力F1はストッパ部材23に有効にモーメントを発生させることなく、F3からF4への比率分だけモーメントは減少する。
図20(b)には車両が衝撃力F5を受けた場合が示されている。力F5の方向と直線L1とは直交するとする。この場合、ストッパ部材23の重心Gには、慣性力によってF5と反対向きの加速度F6が発生する。F6の方向と直線L1とが直交しているので、衝撃力F5によって最も有効に14dの慣性力が発生する。
一方慣性力によってスライドピン14dには、F5と反対方向のF7方向の慣性力が発生するが、スライドピン14dの運動方向が規制されているので、実際のスライドピン14dの加速度はF7を射影したF8となる。つまり衝撃力F5はスライドピン14dに最も有効にモーメントを発生させることなく、F7からF8への比率分だけモーメントは減少する。
以上のとおり、衝撃力F1が作用した場合は、慣性力によってスライドピン14dが最も有効に機能し、衝撃力F5が作用した場合は、慣性力によってストッパ部材23が最も有効に機能する。したがって車両が受けた衝撃力の方向によって、スライドピン14dとストッパ部材23とのうち、一方が有効に機能しなくても他方が機能することが期待できる。したがってスライドピン14dとストッパ部材23とを両方装備することによって、どちらか一方のみを装備する場合よりも、より広い範囲の衝撃力の方向に対応してドア開放を抑制できるとの顕著な効果を奏する。
次に、実施例2のドアハンドル装置102のストッパ装置130について説明する。図11の(a)に示されるように、実施例2のドアハンドル装置102のストッパ部材36は棒状で、下方側の端部に設けられた回動中心36aを中心に回動自在である。また、この実施例のドアハンドル装置102の場合、ねじりコイルばね24は取り付けられていない。ストッパ部材36には、自重による回転モーメントMによって該ストッパ部材36を時計回りの方向に回動する力が作用している。また、ストッパ部材36は、ベース部材120の凸部34に当接して支持されていて、退避位置に配置されている。
図11の(b)に示されるように、車両のドアに外部から衝撃荷重Fが作用すると、その慣性(慣性力K)によりストッパ部材36が反時計回りの方向に回動して作動位置に配置されるとともに、ハンドル本体110のガイドアーム部3が、移動経路21を引起し方向Pに移動する。このとき、実施例1の場合と同様に、最初にストッパ部材36が回動して作動位置に配置され、ガイドアーム部3のストッパ当接部6が当接する。これにより、ハンドル本体110の引起し方向Pの開動作が阻止される。衝撃荷重Fが消滅した後、ストッパ部材36は自重によって退避位置に復帰する。
次に、実施例3のドアハンドル装置103のストッパ装置130について説明する。図12の(a)に示されるように、実施例3のドアハンドル装置103の構成するストッパ装置130は、ハンドル本体110のガイドアーム部3の上方に取り付けられていて、ストッパ部材38はその回動中心38aを中心に回動自在である。ストッパ部材38には、該ストッパ部材38を引き上げる方向にねじりコイルばね24が取り付けられている。これにより、ストッパ部材38は、ベース部材120の凸部34に当接して退避位置に配置されている。
図12の(b)に示されるように、車両のドアに外部から衝撃荷重Fが作用すると、その慣性(慣性力K)によりストッパ部材38が、回動中心38aを中心に時計回りの方向に回動するとともに、ハンドル本体110のガイドアーム部3が、移動経路21を引起し方向Pに移動する。実施例1の場合と同様に、ガイドアーム部3の移動開始よりも先にストッパ部材38が回動して作動位置に配置されるため、ストッパ部材38の一端部にガイドアーム部3のストッパ当接部6が当接する。これにより、ハンドル本体110の引起し方向Pの開動作が阻止される。
衝撃荷重Fが消滅した後、ストッパ部材38は、ねじりコイルばね24の弾性復元力によって退避位置に復帰する。実施例3のドアハンドル装置103のストッパ装置130の場合、衝撃荷重Fの作用時の慣性によってストッパ部材38を回動させる力が、ストッパ部材38の自重によるモーメントの分だけ小さくて済むという利点がある。
次に、実施例4のドアハンドル装置104のストッパ装置130について説明する。図13の(a)、(b)に示されるように、実施例4のドアハンドル装置130のストッパ部材39は、ハンドル本体110のガイドアーム部3の下方に取り付けられていて、その回動中心39aを中心に回動自在である。ストッパ部材39の一端部から突起部41が突設されており、突起部41にコマ体42が載置されている。通常時において、コマ体42は退避位置に配置されている。
図13の(b)に示されるように、車両のドアに外部から衝撃荷重Fが作用すると、その慣性(慣性力K)によりストッパ部材39が、回動中心39aを中心に時計回りの方向に回動し、コマ体42を押し上げる。コマ体42が作動位置に配置され、このコマ体42にガイドアーム部3のストッパ当接部6が当接する。これにより、ハンドル本体110の引起し方向Pの開動作が阻止される。
衝撃荷重Fが消滅した後、ストッパ部材39は、自重によるモーメントによって最初の位置に復帰する。それに伴い、コマ体42も自重によって降下し、退避位置に配置される。ストッパ部材39に、例えばねじりコイルばね(図示せず)を取り付け、ストッパ部材39の自重とねじりコイルばねの付勢力とによって最初の位置に復帰させてもよい。
実施例4のドアハンドル装置104のストッパ装置130の場合、コマ体42の重量や大きさを調整することが容易にできるという利点がある。
本発明に係るドアハンドル装置101〜104では、通常時において退避位置に配置されているストッパ部材23、36、38、39を、衝撃作用時にその慣性によって回動させて作動位置に配置し、ハンドル本体110のガイドアーム部3の移動を直接的に停止させる。このため、従来のドアハンドル装置に設けられているカウンター部材をなくすことができ、ドアハンドル装置の重量を軽減できる。また、簡単な部品を追加したり、既存の部材を追加工することによって実施可能であるため、ハンドル本体110が引き起こされるときのフィーリングを損なうことはない。更に、1台の車両におけるすべてのドアハンドルに適用することができる。特に、衝撃荷重Fの慣性の大きさを考慮する必要がないため、ドアハンドルの大きさ(即ち、車両の大きさ)に関係なく、あらゆる車両に適用することができる。
次に実施例5の車両用ドアハンドル装置を説明する。この実施例では、上記実施例1から4におけるスライドピンに関する部分が変更される。それ以外は変更されないので説明を省略する。
上記した実施例のドアハンドル装置101のスライドピン14dは、その支持部14fとケース体14gの内壁面とが点接触状態で支持される場合である。しかし、スライドピン14dがケース体14gの内壁面と線接触状態で支持されていてもよい。図18の(a)〜(f)にそれらの実施例を示す。図18の(a)、(b)に示される実施例は、スライドピン14kの支持部14rが角柱状になっていて、それらの稜線部14pがケース体14gの内壁面と線接触している場合である。また、図18の(c)、(d)は、図18の(a)、(b)の実施例の場合と同一のスライドピン14kの支持部14rの各稜線部14pが、円筒形状の狭幅部14nを有するケース体14mの内壁面と線接触している場合である。そして、図18の(e)、(f)は、前述した実施例の場合と同一のスライドピン14dが、図18の(c)、(d)の場合と同一のケース体14mの狭幅部14nの内壁面と線接触している場合である。この実施例の場合、スライドピン14dの球形状の支持部14fにおける大円部分14sで、ケース体14mの狭幅部14nの内壁面と線接触している。
上記した各実施例の場合のように、スライドピン14d、14kの各支持部14f、14rとケース体14g、14mの狭幅部14j、14nの内壁面とが線接触している場合であっても、従来の場合のように面接触している場合と比較して摺動抵抗が小さくなり、それらの作動の信頼性を向上させることができる。
上記した各実施例では、ベルクランク4の軸部14のピン嵌入穴14bの入口部が長穴となっていて、かつスライドピン14d、14kが、ケース体14g、14mに対して密閉状態で収容されている場合である。しかし、図19に示される実施例のドアハンドル装置101のように、スライドピン14dの支持部14fが、ケース体14gに対して点接触状態で支持されているのであれば、ベルクランク4の軸部14のピン嵌入穴14bの入口部がストレート形状である場合や、スライドピン14dが、ケース体14gに対して開放状態で収容されている場合(例えば、ケース体14g、14mに通気孔14qが設けられている場合)であってもよい。
101〜104 ドアハンドル装置
110 ハンドル本体(ハンドル本体部)
120 ベース部材(ベース部)
3 ガイドアーム部(アーム部)
3a 側壁部
4 ベルクランク(ベルクランク部)
5 ベルクランク当接部(回動作用部)
6 ストッパ当接部
7、15 レバー体
7a 側壁部(内壁面との対向面)
8 凹溝部(レバー体配置空間部)
9a、9b 内壁面
11 回動ガイド部(ベース部材の一端部)
12 動作ガイド部(ベース部材の他端部)
14 軸部(ベルクランクの軸部)
14a 軸線
14b ピン陥入穴(孔部)
14d スライドピン(ピン部)
14g ケース体
21 移動経路
22 突起部(隙間調整手段)
23、36、38、39 ストッパ部材(ストッパ部)
24 ねじりコイルばね(付勢手段、弾性部材)
28 ストッパ片(ストッパ機能部)
29 突片(被回動作用部)
32 回動中心(ストッパ部材の回動中心)
33 鉛直線
42 コマ体(ストッパ部材)
F 衝撃荷重(衝撃、衝撃力)
G 重心
K、K1、K2 慣性力(慣性、慣性荷重)
M 回転モーメント
P 引起し方向
Q ベルクランクの回動方向
ε オーバーラン隙間(隙間)

Claims (14)

  1. 車両のドアに固定されるベース部と、
    そのベース部に対し一端部を支点に回動可能に連結されて、取手部位として機能して、引き起し方向の開動作及びこの逆の閉動作がなされるハンドル本体部と、
    そのハンドル本体部の前記一端部とは異なる他端部から前記車両のドア表面と交差する方向に延設されて、前記ハンドル本体部が前記開動作及び閉動作する際に前記交差する方向に往復運動するアーム部と、
    前記アーム部の前記往復運動につれて回動するように配置されて、その回動角度が所定角度範囲に入ると前記ドアをロックするロック機構に結合されたベルクランク部と、
    前記車両が外部から衝撃力を受けた場合に、前記ベルクランク部に直接的に作用して、前記ベルクランク部の回動を前記ロックが開錠されないように抑制する第1抑制部と、
    前記車両が外部から衝撃力を受けた場合に、前記アーム部に直接的に作用することにより前記往復運動を抑制して、間接的に前記ベルクランク部の回動を前記ロックが開錠されないように抑制する第2抑制部と、
    を備え、
    前記第1抑制部が最も有効に機能する前記衝撃力の方向と、前記第2抑制部が最も有効に機能する前記衝撃力の方向とが、異なることを特徴とする車両用ドアハンドル装置。
  2. 前記第1抑制部は、
    前記ベルクランク部に形成された孔部と、
    前記車両が前記衝撃力を受けた場合に、前記衝撃力により発生する慣性力の作用によって前記孔部に進入して、前記ベルクランク部の回転運動を抑制するピン部と、を備え、
    前記第2抑制部は、
    前記アーム部において前記往復運動の方向と交差する方向に形成されたストッパ当接部と、
    前記車両が衝撃力を受けた場合に、前記衝撃力により発生する慣性力の作用によって軸周りに回動して、前記ストッパ当接部に当接する位置へ移動し、前記ハンドル本体部の開動作を抑制するストッパ部と、を備え、
    前記ピン部が進入する方向と、前記ストッパ部の重心と前記軸とを結ぶ直線に直交する方向とが異なる請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置。
  3. 前記ベース部と前記ストッパ部との間には、前記車両が衝撃力を受けない場合に、前記ストッパ部を、前記アーム部の前記往復運動に干渉しない退避位置に保持する付勢手段が設けられ、
    前記ストッパ部は、前記車両が衝撃力を受けて前記付勢手段の付勢力を超える慣性力が生じた場合に、その慣性力によって前記退避位置から前記ストッパ当接部に当接する作動位置へ回動することを特徴とする請求項2に記載の車両用ドアハンドル装置。
  4. 前記付勢手段は、前記ストッパ部と前記ベース部とを連結し、前記ストッパ部に前記作動位置から前記退避位置へ向かう方向に付勢する付勢力を及ぼす弾性部材であることを特徴とする請求項3に記載の車両用ドアハンドル装置。
  5. 前記ストッパ部は、前記ストッパ部の自重による回転モーメントで前記ストッパ部を前記退避位置に保持するように、前記ストッパ部の回動中心に対して該回動中心を通る鉛直線の一方側にずれて前記ストッパ部の重心が配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用ドアハンドル装置。
  6. 前記ストッパ部は、前記車両が衝撃力を受けない場合に、前記ハンドル本体部のアーム部の移動経路から前記退避位置に退避したストッパ機能部と、前記車両が衝撃力を受けない場合に、その移動経路に進入した前記作動位置に保持されるとともに、前記アーム部の移動経路に沿った移動を許容する被回動作用部とを一体的に備え、
    他方、前記アーム部は、前記ハンドル本体部の原位置と開位置間の動作に応じてそのアーム部が前記移動経路を片方移動又は往復移動する毎に、前記ストッパ部の被回動作用部に作用してそのストッパ部を所定角度範囲で往復回動させる回動作用部を有し、
    前記車両が衝撃力を受けない場合に、前記ハンドル本体部が原位置に復帰した状態では、前記ストッパ部の被回動作用部が前記作動位置に、また前記ストッパ機能部が前記退避位置にそれぞれ保持され、
    前記車両が衝撃力を受けた場合に、前記退避位置から前記作動位置に回動した後の前記ストッパ部のストッパ機能部に、前記アーム部のストッパ当接部が当接して、前記ハンドル本体部の開動作が阻止されることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の車両用ドアハンドル装置。
  7. 前記ストッパ部は前記ハンドル本体部よりも軽量なものとされ、前記車両が衝撃力を受けた場合の慣性力によって、前記ストッパ部が前記ハンドル本体部の移動よりも先に回動することを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の車両用ドアハンドル装置。
  8. 前記アーム部には、前記ベルクランク部の軸部からその軸線と交差する方向に突出したレバー体を入り込ませるためのレバー体配置空間部が形成され、更に、前記レバー体配置空間部の内壁面と前記レバー体との隙間を狭くする隙間調整手段が設けられ、
    前記隙間調整手段により、前記車両が衝撃力を受けた場合に、前記ベルクランク部がドアのロックを解除する方向へ回動するときの回動角度が前記ロックを解除しない範囲の角度とされていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1項に記載の車両用ドアハンドル装置。
  9. 前記隙間調整手段は、前記ベルクランク部のレバー体に設けられた突起部であり、この突起部により前記隙間が狭くされたことを特徴とする請求項8に記載の車両用ドアハンドル装置。
  10. 前記ピン部は、前記ハンドル本体部の開動作の初期に前記孔部に嵌入及び離脱可能な浮動状態で、ばね部材により付勢されて配置され、そのばね部材の付勢力を超える前記ドアに対する衝撃荷重の発生時に、慣性力により相対的にそのピン部が前記孔部に嵌入し、
    前記ピン部は、前記ベース部に設けられたピンガイド部内に摺動可能に保持されて、そのピンガイド部から前記ハンドル本体部と反対側へ突出し、その突出部分を外側から覆うカバー体が設けられていて、
    前記ピン部の一部が前記カバー体内を摺動するように該カバー体の内面が摺動ガイド面とされ、かつ前記ピン部の一部が前記カバー体の摺動ガイド面を点接触又は線接触で摺動する形状に形成されていることを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に車両用ドアハンドル装置。
  11. 前記ピン部は、前記カバー体に密閉状態で収容されていることを特徴とする請求項10に記載の車両用ドアハンドル装置。
  12. 前記孔部の、少なくとも前記ピン部が嵌入する側の開口部は、前記ベルクランク部の回動方向の寸法がその回動方向に直角な方向の寸法より大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2ないし11のいずれか1項に記載の車両用ドアハンドル装置。
  13. 前記ピン部は、前記ハンドル本体部の引き起こし方向に沿って突出されることを特徴とする請求項2ないし12のいずれか1項に記載の車両用ドアハンドル装置。
  14. 前記ピン部の一部は、前記カバー体の内面に摺接する球体となっていて、その球体の外面と前記カバー体の内面とが点接触されていることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項に記載の車両用ドアハンドル装置。
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