JP2010275438A - 光拡散性有機微粒子の製造法及び光拡散フィルム又は成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、バインダー有機溶剤溶液に対して優れた分散性を示す架橋樹脂微粒子と、それを用いた光拡散樹脂フィルムやシートを提供することにある。
【解決手段】架橋剤の存在下、分散剤として鹸化度90〜97%のポバールを用いてビニル性単量体を懸濁重合させることにより得られた有機微粒子は、バインダーの有機溶剤溶液に対して優れた分散性を有し、それを用いた光拡散樹脂フィルムやシートは優れた光拡散性を示す。
【選択図】なし

Description

本発明はバインダーの有機溶剤溶液に対して優れた分散性を示す光拡散性有機微粒子の製造法と、その方法により製造された光拡散性有機微粒子をバインダー溶液に分散させてフィルム又は成形体に塗布した光拡散フィルム又は光拡散成形体に関する。
光拡散剤は、透明なフィルム、たとえばポリエステルフィルムやポリイミドフィルムと言った透明合成樹脂フィルム上にバインダー樹脂とともに層状に塗布したり、透明なアクリル樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂やシクロポリオレフィンポリマーのような熱可塑性樹脂に配合して、蛍光あるいは白色光の照明カバー、バックライト式半透明の看板、ディスプレイ、電飾、内装の半透明パーティションのほか液晶ディスプレイ、液晶テレビの光拡散シートや板、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンなどの光拡散性フィルムや光拡散性成型物を製造するために用いる微粒子であり、近年その需要が増大している。
初期の光拡散剤は二酸化チタン、硫酸バリウム、粉末ガラスなどの無機系のであったが、現在は均一な光拡散性能を有し、しかも全光透過率が高く、機械的強度に優れた有機光拡散剤が知られている。その例として、架橋ポリメチルメタクリレート、架橋ポリスチレン、架橋メチルメタクリレート・スチレン共重合体およびシリコンなどの有機ポリマー微粒子が挙げられる。
その中でも、特に架橋ポリメチルメタクリレート、架橋ポリスチレン、架橋メチルメタクリレート・スチレン共重合体のような架橋ポリビニル重合体は上述の性能に加え、比較的安価であり、また粒子径や形状制御の自由度が高いことから、現在では光拡散性有機微粒子として利用頻度の高い材料の一つであり、これまで様々な製造方法が検討されてきた。
例えば、ビニル性単量体の懸濁重合に際して、分散安定剤として水溶性高分子あるいは水に不溶性である塩を分散安定剤として使用することが特許文献1に記載されている。
しかし、水溶性高分子は目的粒子表面にグラフト重合してしまうので、重合の後に水溶性高分子を取り除くことは困難である。また水不溶性の塩を使用する場合は、酸を添加すれば水不溶性の塩を分解することができるものの、実際には目的物から完全に取り除くことは難しい。
このように、光拡散性粒子表面上に水溶性高分子や無機塩が残存すると、微粒子のバインダー溶液に対する分散を阻害し、微粒子同士の凝集を招くことになり、その結果、フィルムやシートに塗布した際、フィルムやシートの光分散性に欠陥が生じる原因となる。
特開平2002−207107号公報
本発明は、バインダーの有機溶剤溶液に容易且つ均一に分散し、フィルムや成形体に優れた光拡散性能を付与することが出来る有機微粒子を提供すことにある。
本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、懸濁重合の分散安定剤として、特定の鹸化度を有する中間鹸化ポリビニルアルコール即ちポバールを用いることによって、バインダーの有機溶剤溶液に容易に分散し、光拡散性能に優れるフィルムや成形体を製造することが出来る光拡散性有機微粒子、即ち光拡散性架橋ポリビニル樹脂微粒子を得るに至った。
すなわち本発明は、
(1)
架橋剤の存在下、分散剤として鹸化度90〜97%のポバールを用いて単官能ビニル性単量体を懸濁重合させる光拡散性有機微粒子の製造法、
(2)
鹸化度90〜97%のポバールを架橋剤と単官能ビニル性単量体の合計量に対して1〜15重量%用いる(1)記載の光拡散性有機微粒子の製造法、
(3)
懸濁重合に際して、可塑剤、重合安定剤、着色剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、磁性粉、紫外線吸収剤、帯電防止剤又は難燃剤の添加剤を配合する(1)又は(2)記載の光拡散性有機微粒子の製造法、
(4)
(1)〜(3)のいずれかに記載の製造法により製造された光拡散性有機微粒子を、バインダー溶液に分散させてフィルム又は成形体に塗布した光拡散フィルム又は光拡散成形体、
である。
本発明に用いられる鹸化度90〜97%のポバールは一般に中間鹸化ポバールと呼ばれるものであるが、鹸化度90〜96%のものが好ましく、鹸化度91〜94%のものが更に好ましい。
鹸化度が91%未満のポバールでは、単官能ビニル性単量体及び架橋剤としての多官能ビニル性単量体を水に分散させた際、単量体液滴は良好な安定性を保つものの、重合反応時にそのポバールが生成した有機粒子の表面にグラフト重合してしまい、重合反応後粒子表面からポバールを取り除くことが困難となる。この結果、バインダー有機溶剤溶液への分散性が低下し、分散液をフィルムなどに塗工する際微粒子の凝集などの不具合が生じる。また、ポバールの鹸化度が96%を超える場合には、水に分散させた際、ビニル性単量体の液滴が不安定であるため懸濁重合そのものが困難となってしまう。
使用する中間鹸化ポバールは架橋剤と単官能ビニル性単量体の合計量に対して1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%用いることができる。また、分散安定性を向上させるため、界面活性剤を併用することができ、その使用量は通常架橋剤と単官能ビニル性単量体の合計量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
使用することが出来る界面活性剤としては、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウムなどのアニオン系界面活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸などのノニオン系界面活性剤、ラウリルベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムなどの反応性界面活性剤などが挙げられ、それらの中ではアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
本ポリビニル樹脂微粒子を造るための単官能ビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどの重合性ビニル単量体を用いることができる。
また架橋剤は有機微粒子の耐溶剤性を向上させるために用いるもので、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能ビニル性単量体を挙げることができ、その使用量は通常単官能ビニル性単量体に対して0.5〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
さらに重合に際して、前記重合性単量体中あるいは水相中には、必要に応じて顔料、染料などの着色剤、あるいはその他の添加剤等の適当量を配合ないし添加することもできる。顔料としては、例えば、鉛白、鉛丹、黄鉛、カーボンブラック、群青、酸化亜鉛、酸化コバルト、二酸化チタン、酸化鉄、シリカ、チタン黄、チタンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、キナクリドン、ジオキサンバイオレット、フタロシアニンブルー、ペリノン顔料、ペリレン顔料、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、染色レーキ等の有機顔料が用いられる。また染料としては、例えば、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン染料、ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン染料、インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料等が用いられる。またその他の添加剤としては、可塑剤、重合安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、磁性粉、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などを挙げることができる。
この重合反応において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスブチロニトリルのようなアゾビス系開始剤等、油溶性の重合開始剤を用いることが出来る。その使用量は架橋剤と単官能ビニル性単量体の合計量に対して、0.1〜2重量%である。
架橋剤及び単官能ビニル性単量体に重合開始剤を溶解後、これを中間鹸化ポバール、又は中間鹸化ポバールと界面活性剤を含む水溶液加え、攪拌条件を調節することにより所望の液滴径に調整する。この混合液を常法に従い窒素雰囲気下、攪拌下、加熱下に懸濁重合させ、所望の光拡散剤粒子を得る。微粒子の平均粒子径は、通常2〜100μm、好ましくは2〜50μm、更に好ましくは2〜30μmである。微粒子の形状は特に限定されないが、球形、回転楕円体などが好ましい。
重合により得られたポリビニルポリマー微粒子は重合反応液から通常の操作により、粉体として取り出して使用される。すなわち、塩析や凍結により凝集させた後、遠心分離による方法、噴霧乾燥などによる方法をとることができる。
本発明の微粒子を、バインダーを含有する有機溶剤に分散後、フィルムや成形体といった基材上に均一に塗布、固着することにより、光拡散フィルムや成形体を製造することができる。
この分散液を塗布、固着させるフィルムや成形体基材の材質は光学的に透明で、耐熱性、耐光性に優れたものがよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、シクロポリオレフィンポリマー樹脂などが挙げられるが、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましく用いられる。
これらの基材フィルムの厚みはディスプレイの大きさに応じて通常10〜1000μmのものが選択され、本発明におけるフィルムはシートの概念も含むものである。成形体は、例えば原料樹脂の射出成形、押出成形、圧縮成型などにより得られる通常板状の成形体である。
これらフィルムや成形体の板上に設けるビーズ層の厚みは、通常10〜150μm、好ましくは15〜50μm程度である。
また、上記のバインダーとしては透明樹脂、たとえばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが用いられ、乾燥時にウレタン系架橋剤などで固着させてもよい。バインダーの溶剤として使用する有機溶剤としては、例えば酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。透明樹脂に対する有機微粒子の割合は特に限定されるものではないが、光拡散性能を考慮すればバインダーとしての透明樹脂100重量部に対して30〜500重量部、好ましくは50〜300重量部である。
有機微粒子の基板表面への塗布方法としては、ロールコート法、ディッピング法、スプレーコティング法、スピンコーティング法、ラミネート法、掛け流し法等各種の方法が行われるが特に限定されるものではない。
本発明の製造法により製造された有機微粒子においては、分散剤として鹸化度90〜97%のポバールを用いたことによって、バインダー有機溶剤溶液に容易に分散し、その分散液の塗布により優れた光拡散性能を有するフィルムや成形体を得ることができる。
以下に実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、別段断りのない限り、部は重量部である。
分散容器に、脱イオン水300部、鹸化度91〜94%の中間鹸化ポバール(日本合成(株)社製 AL-06R)5部を入れ、完全に溶解させた。これとは別に、メタクリル酸メチル80部、エチレングリコールジメタクリレート20部及び反応開始剤であるベンゾイルパーオキサイド0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌し、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の分散液を濾過、洗浄、乾燥することにより平均粒子径12.4μmの球状有機微粒子を得た。
分散容器に、脱イオン水300部、鹸化度91〜94%の中間鹸化ポバール(日本合成(株)社製 AL-06R)5部、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム1部を入れ、完全に溶解させた。これとは別に、メタクリル酸メチル80部、エチレングリコールジメタクリレート20部及びベンゾイルパーオキサイド0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌し、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の分散液を濾過、洗浄、乾燥することにより平均粒子径12.0μmの球状有機微粒子を得た。
分散容器に、脱イオン水300部、鹸化度95〜97%の中間鹸化ポバール(日本合成(株)社製 P-610)5部、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム2部を入れ、完全に溶解させた。これとは別に、メタクリル酸メチル80部、エチレングリコールジメタクリレート20部及びベンゾイルパーオキサイド0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌し、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子は簡易凝集をしていたが、分散液を濾過、洗浄、乾燥することにより平均粒子径12.6μmの球状有機微粒子を得た。
分散容器に、脱イオン水300部、鹸化度91〜94%の中間鹸化ポバール(日本合成(株)社製 AL-06R)7部、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム1部を入れ、完全に溶解させた。これとは別に、メタクリル酸ブチル60部、アクリル酸ブチル20部、エチレングリコールジメタクリレート20部及びアゾビスイソブチロニトリル0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌し、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の分散液を濾過、洗浄、乾燥することにより平均粒子径12.7μmの球状有機微粒子を得た。
[比較例1]
分散容器に、脱イオン水300部、鹸化度86.5〜89.5%の部分鹸化ポバール((株)デンカ社製 B-05)5部を入れ完全に溶解させた。これとは別に、メタクリル酸メチル80部、エチレングリコールジメタクリレート20部及びベンゾイルパーオキサイド0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の分散液を濾過、洗浄、乾燥することにより平均粒子径12.2μmの球状有機微粒子を得た。
[比較例2]
分散容器に、脱イオン水300部、鹸化度86.5〜89.5%の部分鹸化ポバール((株)デンカ社製 B-05)5部、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム1部を入れ、完全に溶解させた。これとは別に、メタクリル酸メチル80部、エチレングリコールジメタクリレート20部及びベンゾイルパーオキサイド0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の分散液を濾過、洗浄、乾燥することにより平均粒子径12.0μmの球状有機微粒子を得た。
[比較例3]
分散容器に、脱イオン水300部、分散安定剤としてのリン酸三カルシウム10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸0.2部を入れた。これとは別に、メタクリル酸メチル80部、エチレングリコールジメタクリレート20部及びベンゾイルパーオキサイド0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
得られたポリマー粒子の分散液を濾過、洗浄、乾燥することにより平均粒子径11.9μmの球状有機微粒子を得た。
[比較例4]
分散容器に、脱イオン水300部、鹸化度97.5〜98.5%の完全鹸化ポバール((株)デンカ社製 K-05)5部、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム1部を入れ、完全に溶解させた。これとは別に、メタクリル酸メチル80部、エチレングリコールジメタクリレート20部及びベンゾイルパーオキサイド0.5部から単量体溶液を調製し、上記の分散容器に加えた。得られた混合液をホモミキサーを用いて分散処理し、液滴径を調整した分散液を得た。この分散液を撹拌機、温度計、環流冷却器及び窒素導入口を備えた重合反応機に注入し、窒素気流下70℃で撹拌、次いで80〜90℃で3時間の重合反応を行った。
反応中、分散単量体は凝集し、ポリマー粒子を得ることは出来なかった。
[試験例1]
光拡散層用塗料Aの調製
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
実施例1の微粒子 100部
アクリル樹脂溶液「ダイヤナールLR−1532」 100部
[三菱レーヨン社製]
以上の成分をスリーワンモーターで室温下、16時間攪拌混合し、次いでポリイソシアネート「コロネートHL」(日本ポリウレタン工業製)10部を添加し、室温下20分撹拌混合することで光拡散層用塗料Aを得た。
基材として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用し、この一方の面に上記光拡散層用塗料Aを、乾燥膜厚が約20μmになるように塗布し、熱風乾燥させて光拡散層の乾燥塗膜を得た。
同様にして実施例2〜3、及び比較例1〜3に示される微粒子を用い、光拡散層用塗料Aの調製と同様にして塗布作業を行い、光拡散フィルムを作成した。
光学特性の評価
ヘイズガードII(東洋精機株式会社製)を使用して光拡散フィルムの全光線透過率とヘイズを測定した。評価結果を表1に示した。
輝度はミノルタ社製SL−110を用いて測定、比較例1を100%とし各試料を相対評価であらわした。
表面状態の評価
作成した光拡散フィルムの表面状態を目視、及び顕微鏡(×100)にて観察し、光拡散層の凝集度合いを評価し、評価結果を表1に示した。
尚、評価は以下の基準に従い行った。
○:光拡散層に凝集が確認されず、粒子が均一に塗布されている。
△:光拡散層に凝集は確認されないが、層の所々に粒子の存在しない箇所が存在する。
×:光拡散層に凝集が確認される。
本発明の光拡散樹脂組成物は優れた光拡散性、全光透過性を有しているので、特に液晶テレビの光拡散シート、蛍光あるいは白色光の照明カバー、バックライト式半透明の看板、ディスプレイ、電飾、内装の半透明パーティション、液晶ディスプレイ、プロジェクターやプロジェクションテレビのスクリーンなど多方面への利用が可能である。

Claims (4)

  1. 架橋剤の存在下、分散剤として鹸化度90〜97%のポバールを用いて単官能ビニル性単量体を懸濁重合させる光拡散性有機微粒子の製造法。
  2. 鹸化度90〜97%のポバールを架橋剤及び単官能ビニル性単量体の合計量に対して1〜15重量%用いる請求項1記載の光拡散性有機微粒子の製造法。
  3. 懸濁重合に際して、可塑剤、重合安定剤、着色剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、磁性粉、紫外線吸収剤、帯電防止剤又は難燃剤の添加剤を配合する請求項1又は2記載の光拡散性有機微粒子の製造法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造法により製造された光拡散性有機微粒子を、バインダー溶液に分散させフィルム又は成形体に塗布した光拡散フィルム又は光拡散成形体。
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