本発明は、上記課題を解決するために、ラックに搭載して使用する電子機器をメンテナンスするときなどに、誤って配線用遮断器がオンのままラックに挿入することによって発生する過剰電流による損傷を防止できる電子機器を提供することを第1の目的とする。また、固定用ファスナーとインターロック機構を用い、固定用ファスナーが開いたまま電子機器を運用することによって発生する電子機器のラックからの脱落や脱落による電子機器の損傷を防止し安全に運用できる電子機器を提供することを第2の目的とする。
請求項1に記載の発明は、筐体と、前記筐体の正面側に設けた配線用遮断器と、前記筐体の背面側に設けた電源用コネクタを備え、ラックに搭載して使用する電子機器において、 前記筐体の背面側から正面側に向かって漸次高くなる傾斜面が形成され、前記筐体を前記ラックに挿入するときに、前記傾斜面が前記ラックの所定部分と圧接することによって一部又は全部が前記筐体内部へ押入されるように設けた突出部と、前記配線用遮断器のハンドル部と前記突出部とを接続し、且つ、これらに連動するように設けた連結部を備え、前記配線用遮断器がオン状態のまま前記筐体を前記ラック内部へ挿入すると、前記突出部の一部又は全部が前記筐体内部へ押入されることによって前記連結部が前記ハンドル部を作動させて前記配線用遮断器がオフ状態になるように構成してあるインターロックを有することを特徴とする電子機器である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、前記ラックの前記所定部分に対して圧接する又は離隔することによって、前記筐体を前記ラックに対して固定する又は引抜可能になるように設けた係止部と、前記係止部を作動するように設けた操作部を備えたファスナーを有し、前記連結部は、前記係止部が前記ラックに対して圧接していて、且つ、前記配線用遮断器がオン状態にあるときに、前記係止部に当接することによって前記係止部の前記ラックから離隔する方向への作動を阻止し、前記筐体が前記ラックに対して固定されている状態を保持するように構成してあることを特徴とする電子機器である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記インターロックは、前記筐体を前記ラックに挿入するときに、前記電源用コネクタのピンと前記ラックに設けた前記電源用コネクタのソケットとが接触する前に前記配線用遮断器がオフ状態とし、活線での接続を防止するように前記突出部を配置してあることを特徴とする電子機器である。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記係止部は、前記ラックから離隔していて若しくは完全に圧接していなくて、且つ、前記配線用遮断器がオフ状態にあるときに、前記連結部に当接することによって前記連結部の前記配線用遮断器がオン状態となる方向への作動を阻止し、前記配線用遮断器のオフ状態を保持するように構成してあることを特徴とする電子機器である。
請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記ファスナーは、左右に回転可能な軸体を備え、前記操作部及び前記係止部を前記軸体に固着してあることを特徴とする電子機器である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記係止部は、前記ラックの前記所定部分に対して圧接する又は離隔するように設けた第1のアーム部分と、前記第1のアーム部分が前記ラックに対して圧接していて且つ前記配線用遮断器がオン状態にあるときに前記連結部に当接するように設けた第2のアーム部分と、前記第1のアーム部分が前記ラックから離隔していて且つ前記配線用遮断器がオフ状態にあるときに前記連結部に当接するように設けた第3のアーム部分を備えてあることを特徴とする電子機器である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記係止部は、前記第1のアーム部分と前記第2のアーム部分とが前記軸体を挟んで互いに背向するように延在してあり、前記第1のアーム部分と前記第3のアーム部分とが互いに直交する方向に延在してあることを特徴とする電子機器である。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記係止部は、前記第2のアーム部分及び前記第3のアーム部分が先端近傍の部分を前記筐体の手前側に折曲してあることを特徴とする記載の電子機器である。
請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記係止部は、前記第1のアーム部分を前記筐体の手前側の面を凸状曲面にしてあることを特徴とする電子機器である。
請求項10に記載の発明は、請求項2から請求項9のいずれか一項に記載の発明において、前記係止部は、前記第1のアーム部分が前記ラックの枠部又はフランジ部の縁辺部分と当接することによって、前記ラックの前記所定部分に対して搭載不能に前記第1のアーム部を設けてあることを特徴とする電子機器である。
請求項11に記載の発明は、請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の発明において、前記連結部は、前記配線用遮断器側から前記軸体へ向かって延在する分岐部分を備え、前記分岐部分を前記第2のアーム部分又は前記第3のアーム部分に当接可能に配置してあることを特徴とする電子機器である。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記連結部は、前記分岐部分を、前記第2のアーム部分の手前側に折曲した部分が前記分岐部分の側面と当接し、前記第3のアーム部分の手前側に折曲した部分が前記分岐部分の先端面と当接するように設けてあることを特徴とする電子機器である。
請求項1に記載の発明によれば、前記配線用遮断器がオン状態のまま前記筐体を前記ラック内部へ挿入すると、前記突出部の一部又は全部が前記筐体内部へ押入されることによって前記連結部が前記ハンドル部を作動させて前記配線用遮断器がオフ状態になるので、電子機器をラックに搭載するときには配線用遮断器を確実にオフにすることができる。したがって、活線状態のまま搭載することによる損傷を確実に防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記配線用遮断器がオン状態にあるときに、前記係止部に当接することによって前記係止部の前記ラックから離隔する方向への作動を阻止し、前記筐体が前記ラックに対して固定されている状態を保持するので、配線用遮断器がオン状態にあるときにはファスナーを閉じた状態に保たれる。したがって、電子機器のラックからの脱落や脱落による電子機器の損傷を防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、筐体をラックに挿入するときに、活線のまま電源用コネクタのピンとラックのソケットとが接触することをより確実に防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、係止部がラックから離隔している、すなわち、ファスナーが開いている、又は、ほぼ開いた状態にあるときに配線用遮断器がオフからオンになることがないので、電子機器のラックへの搭載後にファスナーを締め忘れまま運用することをより確実に防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、操作部及び係止部を軸体の中心に回転するように作動させるので、操作部及び係止部を直線的に作動させる機構よりも配置スペースを小さくなる。
請求項6に記載の発明によれば、第1のアーム部分、第2のアーム部分及び第3のアーム部分を設けることによって、1つの係止部に対してファスナーとしての機能、電子機器の活線状態での抜き取り防止機能、電子機器のファスナー閉じ忘れ状態での運用防止機能を併せ持つことができる。
請求項7に記載の発明によれば、第1のアーム部分に対して、第2のアーム部分が背向する方向、第3のアーム部分が直交する方向に延在しているので、ファスナーの開閉状態に応じて配線用遮断器のオン・オフ状態を設定する、或いは配線用遮断器のオン・オフ状態に応じてファスナーの開閉状態を設定することが容易になる。
請求項8に記載の発明によれば、第2のアーム部分及び前記第3のアーム部分の先端近傍の部分を折曲することよって連結部に当接させることが容易になる。
請求項9に記載の発明によれば、第1のアーム部分を筐体の手前側の面を凸状曲面にしているので、例えばラックの寸法のばらつきによって第1のアーム部分の縁辺がラックの枠やフランジに当たるなどして、ファスナーが閉じにくくなることを防止できる。
請求項10に記載の発明によれば、電子機器がラックへの不完全な搭載で電子機器を運用することを防止できる。
請求項11に記載の発明によれば、分岐部分を第2のアーム部分又は第3のアーム部分に当接するようにしたので、突出部に連動して配線用遮断器のハンドル部を作動させる部分の形状又は構造を単純で小さくすることが可能になる。
請求項12に記載の発明によれば、分岐部分の側面が第2のアーム部分の手前側に折曲した部分と、分岐部分の先端面が記第3のアーム部分の手前側に折曲した部分とそれぞれ当接するので、直線的に作動する連結部と回転して作動する係止部とを互いに当接させることが容易になる。
以下に本発明の第1の実施の形態に係る電子機器を図面に基づいて説明する。図4は、第1の実施の形態に係る電子機器の斜視図であり、(a)は正面から右側面にかけての斜視図であり、(b)は正面から左側面にかけての斜視図である。また、図5は、第1の実施の形態に係る電子機器のインターロック及びファスナーの周辺部分の前面パネルを透視した状態の斜視図である。図4において、13は突出部、30は電子機器、19はラッチ、20はファスナー、21は係止部、31は筐体、32は前面パネル、33は配線用遮断器、36は挿抜用ハンドル、37はグリル、39はファスナー、40は操作用開口部を示す。また、図5において、11は連結部、28は操作部、34はハンドル部であり、その他の符号は図4と同じものを示す。
なお、この実施の形態では、電子機器30がAC/DC電源ユニットであることを前提として説明するが、電子機器30はこれに限られるものではなく、例えば配電ユニットや、何らかの機器の制御を行うコントロールユニットなどであってもよい。すなわち、ラックに搭載して使用するものであり、前面パネルに配線用遮断器を備え、かつ、背面側に電源用コネクタを備えているものであれば、いずれの機器であっても本発明を好ましく適用できる。
図4(a)及び(b)に示すように、この実施の形態に係る電子機器30は、比較的薄型の筐体31の正面(手前)側に前面パネル32を設けている。また、前面パネル32の中央には、放熱用のグリル37を設けており、右端と左端との近傍にファスナー20とファスナー39をそれぞれ配置している。さらに、右側に位置するファスナー20の近傍には、配線用遮断器33と挿抜用ハンドル36とを設けている。配線用遮断器33は、前面パネル32に操作用開口部40を設けているので、正面側に露出している。筐体31の右側面の前面パネル32の近傍には、インターロックの一部である突出部13と、突出部13と一体的に設けられたラッチ19、さらにファスナー20の一部である係止部21が筐体31の外部へ突出可能な状態に設けてある。なお、筐体31の形状は、特に限定されるものではなく、背の高いタワー型など他の形状であってもよい
また、図5に示すように、前面パネル32の内側で配線用遮断器33の近傍に、前面パネル32のインターロックの一部である連結部11を配置している。連結部11は、突出部13と一体のものであり、配線用遮断器33のハンドル部34を作動できるように配置している。また、ファスナー20では、前面パネル32の正面側に回転可能な操作部28を設けている。操作部28と係止部21とは、前面パネル32を貫通する軸体に固定されており、操作部28の回転に応じて係止部21も回転する。
さらに、第1の実施の形態に係る電子機器の搭載関連部分の構造について説明する。図6は、第1の実施の形態に係る電子機器の側面にレールを設けた状態を示す斜視図である。また、図7は、レールを設けたラックの概略構造を示す斜視図である。図6において、35はレールであり、その他の符号は図5と同じものを示す。図7において、45a及び45bは側面パネル、46a、46b、46c、46d、46e、46f、46g、46h及び46iはフランジ、47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g、47hはレール、48a、48b、48c、48d、48e、48f、48g及び48hはコネクタユニット取付部である。なお、図7においては、側面パネルのみを示し、ラックの背面、平面(天面)及び底面の各パネルは記載を省略している。
電子機器30の搭載関連部分の構造としては色々なものが存在するが、図7では、筐体31の側面の前後方向にレール35を設けたものを示している。また、レール35を設けた筐体31を搭載するラックとしては、図7に示したものが好適である。すなわち、このラックは8段の段数を有し、ラックの側面パネル45aに、レール47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g及び47hを設け、筐体31のレール35をいずれかのレールに装着して、電子機器30の挿入又は抜出しが容易にできるようにしている。また、各段の正面側の枠に、フランジ46a、46b、46c、46d、46e、46f、46g、46h及び46iを設けていて、後述する手段であるインターロックによって配線用遮断器33を自動的にオフすることと、ファスナー20による固定を可能にしている。さらに、背面側に、コネクタユニット取付部48a、48b、48c、48d、48e、48f、48g及び48hを設けている。
なお、電子機器30を搭載するラックは、図7に示したものに限られない。例えば、レール47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g及び47hを設けることに代えて各段に仕切板を設け、この仕切板の上に電子機器30を載置する、つまり仕切板によって電子機器30の荷重を支える構造にしてもよい。また、薄い板状のフランジに代えて厚みがある枠が設けてあってもよい。くわえて、電子機器30の底面にキャスターを設け、キャスターを使って動かすようにしてもよい。さらに、ラックの段数も1段以上であれば何段であってもよい。また、他の機器、例えばAC/DC電源の電力が供給される機器にラックを組み込んでもよいし、建造物にラックを組み込んであってもよい。さらに、前面(正面)扉などが設けられていてもよい。
インターロック及びファスナーの構造について、さらに詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態に係る電子機器のラックに対する挿抜過程を示す部分斜視図(1)であり、(a)は配線用遮断器オン/ファスナークローズの状態、(b)は配線用遮断器オフ/ファスナークローズの状態を示す。また、図8は、第1の実施の形態に係る電子機器及びラックのコネクタの配置を示す説明図(1)であり、(a)は平面図であり、(b)は側面図を示す。さらに、図9は、第1の実施の形態に係る電子機器及びラックのコネクタの配置を示す説明図(2)であり、(a)は平面図であり、(b)は側面図を示す。また、図10は、インターロックの連結部の説明図(1)であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示す。さらに、図11は、インターロックの連結部の説明図(2)であり、(a)はラックのフランジ側の斜視図、(b)は配線用遮断器側の斜視図を示す。くわえて、図12は、ファスナーの係止部の説明図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図を示す。図1において、38はねじ、46はフランジであり、その他の符号は図5と同じものを示す。また、図8において、10はインターロック、29は軸体、41は電源用コネクタ、42はコネクタユニット、43は電源用コネクタ、44コネクタ取付部である。また、図9において用いた符号は、すべて図8と同じものを示す。さらに、図10において、12はスリット、13は突出部、14はハンドル当接部、15は分岐部分、16は垂直面部分、17は水平面部分、18a及び18bは円孔、49は本体部分であり、その他の符号は図5と同じものを示す。また、図11において用いた符号は、すべて図10と同じものを示す。さらに、図12において、21は係止部、22は第1係止部分、22a及び22bは折曲部分、23は方形孔、24は第2係止部分、25は直立部分、26は第3係止部分、27は直立部分である。なお、図1は、インターロック及びファスナーの周辺部分の前面パネルを透視した状態を示している。また、図11では、ラッチ19の記載を省略している。
まず、インターロックについて図10及び図11に基づいて説明する。連結部11は、筐体31のラックへの挿入に伴って、ラックのフランジが突出部13のラッチに当接して筐体31の内部へ向かって押し込まれたときに、この力をハンドル当接部14を介して配線用遮断器33に伝えて、配線用遮断器33をオフする役割を果すものである。連結部11は、略矩形板状の本体部分49と、本体部分49から分岐する分岐部分15を備えている。本体部分49には、スリット12と円孔18a及び18bを形成している。また、図10(b)に示す連結部11の左側、つまり配線用遮断器33がある側にはハンドル当接部14、連結部11の右側、つまりラックのフランジ側には突出部13を連結部11と一体に設けている。円孔18a及び18bは、ラッチ19をねじで止着するための開口である。
スリット12は、連結部11を筐体31に取り付けるために形成している。図1に示すように、連結部11は、スリット12を貫通するねじ38によって左右に摺動可能な状態で筐体31に取り付けてある。したがって、連結部11の作動範囲は、図10(b)におけるスリット12の左右方向の長さによって規定される。連結部11がもっとも配線用遮断器33側に移動したときに、突出部13とラックのフランジがまだ当接した状態にあると、突出部13をそれ以上に筐体31の内部へ押し込むことができない。すなわち、突出部13を押し込めなければ、筐体31をラックの内部に完全に挿入することができないことになる。よって、スリット12は、少なくとも突出部13の先端とフランジの先端とが当接した状態、つまり突出部13がフランジと当接している領域を通過する直前の状態において、スリット12の右端とねじ38とが当接した状態になるように設定されている必要がある。ラックや筐体31の寸法のばらつきを考慮すると、突出部13の先端とフランジの先端とが当接した状態において、スリット12の右端とねじ38とが当接していない、つまり、さらに配線用遮断器33側へ移動する余地が残っていることが望ましい。
なお、突出部13の先端とフランジの先端とが当接する前の状態において、配線用遮断器33のハンドル部34がすでにオフ側に位置しているにも関わらず、フランジから突出部13への押圧力によってハンドル当接部14がハンドル部34をさらに押し続けると、配線用遮断器33が破壊される可能性がある。したがって、ハンドル当接部14がハンドル部34を押して、ハンドル部34がオフ側に位置した後は、ハンドル当接部14がハンドル部34と離隔するように連結部11の左右方向の長さを設定することが望ましい。くわえて、突出部13の全体が筐体31の内部に完全に入り込む構成であると、突出部13の先端が筐体31の開口の縁辺に掛かって突出部13が外部へ出なくなる可能性があるので、連結部11及びスリット12の左右方向の長さは、連結部11がもっとも配線用遮断器33側に移動した状他において、突出部13の一部が筐体31の外に出ていることが望ましい。
突出部13は、ラッチ19と共に、配線用遮断器33がオン状態のまま筐体31をラックに挿入したときに、配線用遮断器33をオフ状態に切り替える動作の起点となる構成要素である。突出部13は、板金を加工することによって連結部11と一体に成形されている。また、図1に示すように、突出部13の背面側にはラッチ19を付設してある。なお、突出部13は、背面側に向かってクランク状に折曲してあるが、これはラッチ19を後述する位置に配置するためにこのような形状にしている。
ラッチ19は、図9(a)から分かるように、筐体31の背面側から正面側に向かって漸次高くなる傾斜面が形成されていて、筐体31を前記ラックに挿入するときに、この傾斜面がラックのフランジ46と圧接して突出部13及びラッチ19が筐体31の内部へ押し入れられる。また、ラッチ19は、円孔18a及び18bを貫通するねじで止着されている。さらに、ラッチ19は、フランジ46の塗装の剥離を防止し、かつ、フランジ46と当接したときに接触面同士が滑りやすくなるようにしている。なお、ラッチ19の傾斜面の傾斜角は、図9(a)に示したものに限られるものではなく、フランジ46と当接したときに、接触面同士が滑り動いて突出部13及びラッチ19が筐体31の内部に押し込まれる傾斜角であれば、何度であってもよい。また、例えば一部を凸状曲面にするなど傾斜面の一部又は全部が曲面であってもよい。また、材質はアルミ合金などを利用できるが、特定の材料に限定されない。また、突出部13とラッチ19とを一体に成形する、例えば板金の折曲加工によって突出部13とラッチ19とを一体成形しても良い。突出部13とラッチ19と一体成形したものを連結部11に止着してもよいし、連結部11やハンドル当接部14を含んで一体成形してもよい。
次に、突出部13及びラッチ19の奥行き方向における配置について説明する。図9に示すように、筐体31のファスナー20等を設けた側、すなわち右側の背面側には電源用コネクタ41を設けている。また、電源用コネクタ41には、コネクタユニット42の電源用コネクタ43を嵌合する。コネクタユニット42は、ラック側のコネクタであり、図7のコネクタユニット取付部48a、48b、48c、48d、48e、48f、48g及び48hのいずれかにコネクタ取付部44を取り付ける構造としている。したがって、配線用遮断器33がオン状態のまま筐体31をラックに挿入してもコネクタに過剰電流が流れないようにするためには、電源用コネクタ41のピンと電源用コネクタ43のソケットとが接触する前に、フランジ46と圧接して突出部13及びラッチ19が筐体31の内部へ動き始めていることが望ましい。くわえて、電源用コネクタ41のピンと電源用コネクタ43のソケットとが接触する前に、図8に示すように、突出部13及びラッチ19が筐体31の内部へ押し込まれて、連結部11及びハンドル当接部14が作動し、配線用遮断器33のハンドル部34がオフ側に位置することがさらに望ましい。したがって、突出部13の背面側に向かってクランク状に折曲している部分の長さは、電源用コネクタ41のピンと電源用コネクタ43のソケットとが接触する前にラッチ19がフランジ46と圧接するように設定することが望ましく、電源用コネクタ41のピンと電源用コネクタ43のソケットとが接触する前に配線用遮断器33がオフに切り替わるように設定することがさらに望ましい。
ハンドル当接部14と配線用遮断器33のハンドル部34とは一体となっていないが、ハンドル部34にハンドル当接部14を連結させて配線用遮断器33のオン・オフ共に連動できる構造にしてもよい。
続けて、連結部11の分岐部分15について説明する。図11に示すように、分岐部分15は、連結部11の本体部分49に連続するクランク状に折曲された部分と、クランク状に折曲された部分から垂下するように設けた部分と、突出部13側に向かって水平に延び水平な面を持つ水平面部分17と、水平面部分17の突出部13側から垂下するように設けた垂直面部分16を備えている。この中では、水平面部分17がファスナー20の係止部21と干渉し合うことによって両者の作動を阻止する役割を果たす重要な部分である。すなわち、水平面部分17は、配線用遮断器33がオフ状態のときに、その先端が後述する係止部21の第3係止部分26と当接することによって配線用遮断器33がオン状態に切り替わることを阻止する。また、水平面部分17は、配線用遮断器33がオン状態でかつファスナー20が閉状態のときに、係止部21の第2係止部分24に当接して係止部21の回転を阻止してファスナー20が開状態に切り替わらないようにする。
垂直面部分16は、水平面部分17と共に、その先端が第3係止部分26と当接することによって配線用遮断器33がオン状態に切り替わることを阻止する。また、水平面部分17の突出部13側を折曲して垂直面部分16を設けることによって、水平面部分17の剛性を確保している。つまり、水平面部分17だけでは、電子機器30を長期間使用する間に水平面部分17の突出部13側が上方又は下方に曲がるなどの変形を生じて、配線用遮断器33のオン状態への切替えを阻止できなくなることを防止するために設けている。分岐部分15の他の部分は、垂直面部分16及び水平面部分17の配置を所定位置に調整するために設けた部分である。
次に、ファスナー20の係止部21について説明する。図3は、第1の実施の形態に係るインターロックの連結部とファスナーの係止部との関係を示す正面図であり、(a)は配線用遮断器オン/ファスナークローズの状態、(b)は配線用遮断器オフ/ファスナークローズの状態、(c)は配線用遮断器オフ/ファスナーオープンの状態を示す。図3において用いた符号は、図1、図10及び図12と同じものを示す。なお、図3では、フランジ46を透視した状態に表している。
まず、図9に示すように、係止部21は、前面パネル32の背面側に軸体29によって左右に回転可能に支持されている。また、前述のように、前面パネル32の正面側に設けた操作部28によって操作される。図12に示すように、係止部21は、中央に軸体29を通す方形孔23が形成され、方形孔23を挟んで互いに背向するように第1係止部分22と第2係止部分24とを形成している。さらに、第1係止部分22と直交し、かつ、第1係止部分22がラックのフランジ46側に向いているときに上方を向くように第3係止部分26を形成している。したがって、操作部28を正面から見て右回転させると、図3(a)に示すように、第1係止部分22がフランジ46に圧接する。次に左回転させると、図3(c)に示すように、第1係止部分22がフランジ46から離れる構造となっている。また、第1係止部分22がフランジ46に圧接しているときは、第2係止部分24が連結部11の水平面部分17にきわめて接近し、第1係止部分22がフランジ46から離れているときには、第3係止部分26が連結部11の水平面部分17にきわめて接近するように設けてある。
第1係止部分22は、フランジ46と圧接することによって筐体31を背面側に押し付け、この作用によって電子機器30をラックに固定するために設けてある。フランジ46からの押圧力によって変形することを防止するために、3つの係止部分の中でもっとも幅を広く形成している。また、方形孔23側から先端側に向かって延びる2つの縁辺の近傍を、筐体31の背面側に向かって略三角形に折曲して折曲部22a及び22bを設け、全体として正面から見て凸状曲面をなすように形成してある。折曲部22a及び22bは、ファスナー20の開閉時に第1係止部分22の縁辺がフランジ46の表面や端面に引っ掛かって、開閉を妨げることのないように形成したものである。なお、折曲部22a及び22bのような領域を形成せずに、例えば第1係止部分22全体を略かまぼこ状のなめらかな曲面に形成してもよい。
第2係止部分24は、配線用遮断器33がオン状態にあるときに、作業者がファスナー20を閉状態から開状態へ切り替えることを阻止し、活線状態での筐体31の抜出しを防止するために設けている。また、第2係止部分24の先端側は、水平面部分17との当接を容易にするために、正面側に折曲させて直立部分25を形成している。配線用遮断器33がオン状態にすると、連結部11がフランジ側に作動するので、水平面部分17も軸体29に近づく。このとき、ファスナー20が閉状態にあると、水平面部分17は直立部分25の直下の近傍に位置することになる。この状態において、ファスナー20を閉状態から開状態へ、つまり操作部28を左回転させようとすると、図3(a)に示すように、直立部分25が水平面部分17に直ちに当接するので、操作部28をほとんど回転させられない。したがって、第1係止部分22がフランジ46に圧接した状態はほとんど変化がなく、ファスナー20の閉状態が保たれる。なお、第2係止部分24を3つの係止部分の中でもっとも幅を狭く形成しているが、水平面部分17が直下に位置することを考慮したことによる。
第3係止部分26は、ファスナー20が開状態にあるときに、配線用遮断器33をオフ状態からオン状態へ切り替えることを阻止する、つまり、ファスナー20を開状態にしたまま電子機器30を運用することを防止するために設けてある。第3係止部分26の先端側は、垂直面部分16及び水平面部分17との当接を容易にするために、正面側に折曲させて直立部分27を形成している。ファスナー20が開状態にあるときに、配線用遮断器33をオフ状態からオン状態への切り替えるためにハンドル部34を右に移動しようとすると、第3係止部分26が水平方向を向いているので、図3(c)に示すように、垂直面部分16及び水平面部分17は直立部分27に直ちに当接する。したがって、ハンドル部34はオン状態へ切り替えられるところまで動かないので、配線用遮断器33をオン状態にすることができない。
次に、第1の実施の形態に係る電子機器の動作について説明する。図2は、第1の実施の形態に係る電子機器のラックに対する挿抜過程を示す部分斜視図(2)であり、(a)は配線用遮断器オフ/ファスナーオープンの状態、(b)は配線用遮断器オン/ファスナークローズの状態を示す。なお、図2は、インターロック及びファスナーの周辺部分の前面パネルを透視した状態を示している。図2において用いた符号は、図1と同じものを示す。
まず、電子機器30をラックから取り出してメンテナンスを行う際に、配線用遮断器33をオン状態とし、ファスナー20を閉状態とし、誤ってそのまま筐体31をラックへ挿入しようとした場合の動作について述べる。筐体31をラックへ挿入し始めたところでは、図1(a)に示すように、突出部13及びラッチ19と、係止部21とは、フランジ46の手前に位置している。そのまま挿入するとラッチ19の傾斜面がフランジ46に当接し、さらに挿入を続けると、フランジ46と圧接しているラッチ19は、突出部13と共に筐体31の内部に向かって押し込まれるので、突出部13と一体に設けた連結部11は配線用遮断器33側に作動する。そうすると、ハンドル当接部14がハンドル部34を左側へ押して、図1(b)に示すように、配線用遮断器33はオフ状態となる。この状態において、筐体31に設けた電源用コネクタ41は、ラックの電源用コネクタ43に完全には嵌合していない、又は全く嵌合していないので、電源用コネクタ41に過剰電流が流れることによる損傷を免れる。なお、ファスナー20が閉状態のままなので、フランジ46と係止部21とが当接したところでラックに挿入できなくなる。
図1(b)に示す状態に至った後は、図2(a)に示すように、ファスナー20をいったん開状態にし、さらに筐体31の挿入を続ければ、筐体31をラックに完全に挿入することができる。次に、図1(b)に示すように、ファスナー20を閉状態にすれば、係止部21は図3(b)に示す状態になるので、図2(b)に示すように、配線用遮断器33を手動操作でオン状態にする。この状態において、電子機器30のラックへの搭載が正しく完了したことになる。なお、ファスナー20が開状態のままで配線用遮断器33をオンしようとしても、図3(c)に示す状態となってオンすることができない。
搭載した電子機器30のラックからの取出しは、以上の説明とは逆の手順となる。すなわち、図2(b)に示した状態において、まず配線用遮断器33を手動操作でオフ状態にし、さらに手動でハンドル当接部14を配線用遮断器33側に作動させて、突出部13及びラッチ19を筐体31側へ引き込む。あるいは、最初から手動でハンドル当接部14を配線用遮断器33側に作動させて、配線用遮断器33をオフ状態にしてもよい。なお、ファスナー20を先に開状態にしようとしても、図3(a)に示すように、係止部21を回転することができないので、これは実行できない。
上記の手順によって、図2(a)に示す状態になる。さらに、ファスナー20を開状態にすれば、図3(c)に示す状態になるので筐体31を抜き取ることができる。なお、筐体31を抜取り始めたところで誤ってハンドル部34に触れたとしても、ファスナー20が開状態となっているので連結部11は作動せず、配線用遮断器33をオン状態にできない。
以上のように、この実施の形態に係る電子機器30は、メンテナンス作業後に筐体31をラックへ挿入するときに配線用遮断器33がオン状態にあったとしても、途中でラッチ19がフランジ46に当接し、ラッチ19及び突出部13が筐体31の内部に向かって押し込まれるので、連結部11を介して設けたハンドル当接部14が配線用遮断器33を必ずオフにする。したがって、電子機器30を活線状態のまま挿入することに起因する過剰電流による損傷を発生することがない。また、筐体31の挿入完了後に、配線用遮断器33をオフ状態からオン状態へ切り替えようとしても、ファスナー20を閉状態にしない限りオンできないので、ファスナー20を閉め忘れたまま電子機器30を運用することを確実に防止できる。さらに、電子機器30のメンテナンスのために、筐体31をラックから抜き取るときにも、配線用遮断器33をオン状態からオフ状態へ切り替えなければ、ファスナー20を開状態にできないので、電子機器30を活線状態のまま抜き取ることを確実に防止できる。くわえて、配線用遮断器33に対して、例えばバーを取り付けるなどの2次加工をする必要がないので、費用的負担が少ない。また、係止部21を上下、左右又は前後方向への摺動ではなく、回転によって作動するようにしたので、係止部21を前面パネル32の縁辺に設けるので、ファスナー20の設置スペースをあまり必要としないという利点もある。
なお、電子機器30の固定手段として、ファスナー20及びファスナー39のものを利用せず、ねじで固定する場合もある。そのような構成の電子機器についても、インターロック10は、活線状態で筐体31を挿入したときに配線用遮断器33を確実にオフ状態にできるので、この場合においても非常に有用であると言える。また、係止部21の形状等によっては、筐体31の電源用コネクタ41とラックの電源用コネクタ43とが完全に嵌合しないと、配線用遮断器33がオンしないようにできるので、筐体31を完全に搭載できているか確認する必要がなくなるという、本発明の課題とは異なる局面における利点もある。
さらに、本発明の第2の実施の形態に係る電子機器を図面に基づいて説明する。図13は、第2の実施の形態に係る電子機器のラックに対する挿抜過程を示す部分斜視図(1)であり、(a)は配線用遮断器オン/ファスナークローズの状態、(b)は配線用遮断器オフ/ファスナークローズの状態を示す。また、図14は、第2の実施の形態に係る電子機器のラックに対する挿抜過程を示す部分斜視図(2)であり、(a)は配線用遮断器オフ/ファスナークローズの状態、(b)は配線用遮断器オフ/ファスナーオープン可能の状態を示す。くわえて、図15は、第2の実施の形態に係る電子機器のラックに対する挿抜過程を示す部分斜視図(3)であり、配線用遮断器オフ/ファスナーオープンの状態を示す。図13において、50はファスナー、51は本体部、52は突出部、53は操作部、54は分岐部、55は垂直面部、56は水平面部、57はスリット、58は支持部であり、その他の符号は、図1と同じものを示す。なお、図13、図14及び図15では、ファスナーとインターロック以外の記載は省略する(ラッチ19も省略)。
第2の実施の形態に係る電子機器では、ファスナーのみが第1の実施の形態に係る電子機器と異なっているので、ファスナー以外のものについては個別の説明を省略する。図13から分かるように、ファスナー50は回転によって作動するものではない。本体部51から支持部58までの構成要素は、操作部53の一部を除いて図示していない前面パネルの背面側に配置している。本体部51は、ファスナー50の基礎となるものであり、インターロック10の連結部11とほぼ平行に設けている。また、ラックのフランジ側へ突出する突出部52と、中央から垂下する分岐部54を一体に設けている。さらに、本体部51にはスリット57が形成され、スリット57を貫通する支持部58によってファスナー50全体(支持部58を除く)が摺動可能な状態で支持されている。
突出部52は、第1の実施の形態の第1係止部分22と同様に、筐体31のフランジ46と圧接することによって筐体31を背面側に押し付け、この作用によって電子機器30をラックに固定する。分岐部54には、垂直面部55及び水平面部56を設けている。垂直面部55及び水平面部56は、第1の実施の形態の垂直面部分16及び水平面部分17と同様に、干渉する他の部材の作動を阻止するものである。操作部53は、図示していない前面パネルの開口から先端側が突出しており、突出した部分を手動で操作する。支持部58は、筐体31に固定されている。なお、支持部58としては、ねじが好ましいが、前面パネル32から突出した突起などであってもよい。また、連結部11を支持するねじを共用してもよい。
次に、第2の実施の形態に係る電子機器の動作について説明する。なお、ファスナー50とインターロック以外の説明は省略する。図13(a)は、突出部13と突出部52とが筐体31の側面から突出しており、配線用遮断器33がオン状態、ファスナー50が閉状態にあるところを示している。この状態において、支持部58は、スリット57の左下端部に接しており、本体部51は左右に摺動できない状態にある。よって、操作部53を配線用遮断器33側へ動かして突出部52をフランジ46から離隔させようとしても、本体部51が左右方向に動かない。さらに、水平面部56の直下に水平面部分17が位置しているので、操作部53を下方に動かすこともできない。結局、この状態においては、ファスナー50を閉状態でロックされている。
この状態から、図13(b)に示すように、まず配線用遮断器33を手動操作でオフ状態にし、さらに手動でハンドル当接部14を配線用遮断器33側に作動させて、突出部13及びラッチ19を筐体31側へ引き込む。この状態においては、突出部52は、まだフランジ46に圧接しており、筐体31はラックに固定されている。また、垂直面部分16及び水平面部分17は配線用遮断器33側に作動して、垂直面部55及び水平面部56から離隔している。したがって、操作部53を下方に操作することが可能になっている。
続けて、図14(a)に示すように、操作部53を下方に操作する。そうすると、本体部51等は、支持部58がスリット57の左上端部に当接するところまで下へ摺動する。次に、図14(b)に示すように、操作部53を配線用遮断器33側に操作する。そうすると、本体部51等は、支持部58がスリット57の右下端部に当接するところまで配線用遮断器33側に摺動する。このとき、突出部52は、フランジ46から離隔して筐体31の内部へ向かって移動する。したがって、配線用遮断器33はオフ状態で、ファスナー50は開状態となる。
次に、図15に示すように、操作部53を上方に操作する。そうすると、本体部51等は、支持部58がスリット57の右上端部に当接するところまで摺動する。この状態においては、操作部53を左右に動かすことができないので、ファスナー50は開状態でロックされていることになる。また、円形に切り出した部分拡大図に示しているように、インターロック10の垂直面部分16及び水平面部分17の先端は、垂直面部55に接している、又は、垂直面部55のきわめて近傍に位置している。したがって、この状態において、配線用遮断器33をオン状態に切り替えようとしても、垂直面部55が垂直面部分16及び水平面部分17の右側への作動を阻止するので、ハンドル部34はほとんど動かない。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る電子機器30においては、第1の実施の形態に係る電子機器30と同様の作用効果が得られる。また、ファスナー20の係止部21を回転によって作動させる第1の実施の形態よりもファスナーの設置スペースが大きくなる点で不利だが、回転を支持する軸体29が不要になるので、軸体29を配置するための奥行き方向のスペースの必要性がやや低くなる利点がある。さらに、第1の実施の形態では、係止部21の径に配慮して操作部28を前面パネル32の縁辺に設ける必要があるが、操作部53は配置上の制約があまりないという利点もある。また、ファスナー50の大部分を板金加工で成形できるので、費用的にも有利である。
以上、本発明の2つの実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。一例として、配線用遮断器33のハンドル部34においてオン・オフの方向が逆である場合には、インターロックをリンク機構、すなわち、配線用遮断器33の近傍に支点を設け、さらに中央付近がこの支点によって揺動可能に支持された揺動部を設け、揺動部と突出部13とを第1アームで連結し、ハンドル部34と揺動部とを第2アームで連結し、突出部13が筐体31の内部へ押し込まれると、第1アームが揺動部を揺動し、第2アームがハンドル部34を牽引して配線用遮断器33がオン状態からオフ状態になるようにすることもできる。また、揺動部と支点の位置を適宜設定することによって、突出部13及びラッチを筐体31の上面又は下面から突出するようにもできる。さらに、連結部11と係止部21とのいずれの一部が相手側に対して直交するように作動し、直交する部が相手側の開口に入り込むことによって相手側の作動を阻止するようにしてもよい。