JP2010270509A - 壁材と幅木の組合せ構造及び壁材と幅木の組合せ方法 - Google Patents

壁材と幅木の組合せ構造及び壁材と幅木の組合せ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】費用や手間をかけず、しかも高い精度で壁下地材等の状態を確認できる、壁材と幅木の組合せ構造及び壁材と幅木の組合せ方法を提供する。
【解決手段】垂直に立設する壁下地材12に室内側Pから固定される壁材13と、壁材13の下部に取付けられる幅木22,23の組合せ構造であって、幅木22,23は上部幅木22とその上部幅木22の下方に配置した下部幅木23とからなり、上部幅木22及び下部幅木23の両者で、壁材13を床材11から上方に離間させた状態で壁下地材12に固定することで壁材13と床材11の間に形成された空隙24を塞ぐように、上部幅木22を壁材13に固定するとともに、下部幅木23を壁下地材12に着脱自在に取付けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅等の内装材に用いられる壁材と幅木の組合せに関するものである。
住宅等の壁は、まず構造材である柱と柱の間に、ランナー、間柱受け材等と呼ばれる横部材を敷設し、その上部に所定間隔で切り欠きを設けるか、あるいは、横部材を用いず、土台、梁の上部に直接、切り欠きを設け、その切り欠きに間柱を嵌め込んで立設する。そして図15に示すように、内壁としてプラスターボード等の壁材13を壁下地材12に室内側から固定し、壁材13の下部には縦幅(高さ)50mm〜80mm程度の幅木14と呼ばれる板状建材が釘15等で固定される。また、外壁としてサイディングやモルタルが施工される。
この幅木14は、壁材13に固定されてしまうため、施工後に生じる床材の寸法変化に対応することが困難である。そのため、幅木14と床材11との間に隙間16が発生して、寒冷地では冷気が室内に流入するといった問題が生じる。また、見栄えが悪くなったり、その隙間16に塵埃がたまって不衛生な状態になるといった問題がある。さらにこの幅木14は、床材11を取り替える場合に取外す必要があるが、幅木14は壁材13に固定されているので、幅木14を取外す際に少なからず壁紙や壁材13を傷めてしまうといった問題もある。
そこで、図16に示すような二分割された幅木17,18が開示されている(例えば特許文献1乃至4参照)。
幅木17,18は、上部幅木17と、その上部幅木17の下方に配置した下部幅木18とからなり、上部幅木17は壁材13へ釘15を用いて固定される。なお、上部幅木17の下部が、下部幅木18の上部と厚さ方向に重なるように壁材13に固定されるが、上部幅木17と下部幅木18とは互いに固定されていない。
したがって、床材11に厚さ方向の寸法変化が生じたとしても、下部幅木18が床材11とともに上下動するので、下部幅木18と床材11との隙間16の発生を防止できる。
ところで、欧米では木造住宅の平均寿命は80〜140年とも言われているが、我が国では20〜30年程度で建て替えられる場合が多く、我が国の木造住宅は際立って短命である。
この原因としては、最近の急激なライフスタイルの変化、建築基準法の改正に伴う耐震性能不足、家族構成の変化、我が国独特の中古住宅の評価の低さ等の理由から、修理を行わずに取り壊して建て替えられる場合が多い点が指摘される。
また、建て替えを希望しなくても、腐朽やシロアリ等の害により構造材が壊滅的打撃を受け、止む無く建て替えられる場合も多いと言われている。高温多湿な我が国では、これらの害を完全に防ぐのは困難な上に、外観上健全なように見えて、壁内部で被害が発生している場合も多く、表面化した時点では、既に広範囲に被害が発生している場合が多い。
ここで、腐朽やシロアリ等の被害が広がる前に壁下地材等の調査を行えば、比較的容易に被害拡大を食い止めることも可能だが、初期の段階で発見するのは容易ではない。したがって、リフォームを行う予定で壁材を剥がしたときに腐朽等の被害が発覚し、その被害の甚大さのために、リフォームの予定を急遽変更し建て替えに至る例も多い。
このような腐朽やシロアリ等の害を最小限に留め木造住宅の寿命を長いものにするためには、人間の癌検診と同様に、木造住宅も定期的な壁下地材等の調査を行うのが好ましい。この調査は、従来は下記の様に行っていた。
(1)外壁側から調査
近年、外壁材として多く使用されるサイディング(窯業系又は金属製)やモルタルは、それ自体は腐朽したりシロアリの食害を受けることはないので、一見して無害とも見えて、実は下地の胴縁、構造用合板、柱といった木質材料が被害を受ける場合が多い。
したがって、サイディングやモルタルを剥して被害を受け易い部分を直接見て調査することが好ましい。しかし、手間と費用の面から定期的に外壁材を全て剥がすことは現実的ではない。よって、実際には土台付近等の特に木造住宅にとって重要で、被害を受けてしまうと致命傷となりかねない部分のみを直接見れるように外壁材を部分的に剥がして調査し、その一部分の結果から全体を推察する場合が多い。
この調査は原則として雨天時以外に限られ、調査終了後は直ちに復旧して、コーキング等の防水処理を行う。
(2)内壁側から調査
壁材として使用されているプラスターボード等を一旦撤去して内部を調査する。一旦内装材を撤去することになるので、リフォーム等の際に行うことが多い。一部ではセンサ等を用いて自動化も試みられている(例えば、特許文献5参照)。
外壁側からの調査とは異なり、天候に関わりなく調査が可能で、浴槽等の水廻りを除けば、コーキング等の防水処理も不要である。
(3)床下から調査
これは床下に潜って土台や床下の調査を実施する方法で、最も確実である。シロアリの場合は地面から蟻道によって水分の通導が図られている場合が多いので、床下に潜ると一目でシロアリの存在がわかる。また、腐朽についても、壁内部は判定が難しいものの、土台角周囲についてはほぼ正確に判定可能である。また、天候に関わりなく壁材等を破壊せずに調査が可能である。
一般にこの作業は、シロアリ駆除業者が独自のマニュアルに基づいて行う場合が多いが、暗くて狭い床下に潜って目視で確認しなければならないので、大きな苦痛を伴う作業である。そこで、一部ではロボット等を用いて自動化も試みられている(例えば、特許文献6参照)。
特開2001−193273号公報 特許第4129401号公報 特開平10−088779号公報 特開平9−112017号公報 特開2003−527118号公報 特開平11−137148号公報
しかしながら、従来のような住宅の壁構造では、腐朽やシロアリの害の調査において以下のような問題がある。
(1)調査の精度が低い
外壁や内壁を剥がすことにより、目視での確認が可能だが、通常は経済的理由から目視で可能な範囲のチェック、部分的除去、ファイバースコープ利用の調査等にて部分的に調査を行って全体を推定する方法が行われる。しかし、このような一部の調査で全体を推定する方法では、被害の見逃しの可能性が高く、精度が高いとは言えない。
(2)費用と手間がかかる
調査のために、外壁や内壁を剥がす場合、多くの手間がかかる。事前の作業として家具の移動だけでなく、壁材の撤去とその処分、調査後の新しい壁材の購入と施工等が必要で、これは新築の場合に匹敵するような作業量とも言える。また、居住したままで作業を行うのが困難な場合には、仮住まいや引っ越し等まで必要となる場合もある。外壁、内壁のいずれを剥がす場合でも、浴室等の水廻りを調査した後には、壁に対して防水処理を完璧に実施しないと、調査した箇所が新たな漏水箇所となってしまう可能性もある。
床下に潜る方法は、確実に土台付近の調査を行えるメリットはあるが、素人である居住者が行うことは困難であるので、シロアリ駆除業者に依頼することになる。しかし、専門家であるシロアリ駆除業者だとしても、床下は狭く暗く汚い場所であるので、過酷な作業と言える。
(3)専門知識と専用の器具が必要とされる
特にファイバースコープの利用や、自動化された方法は、専門知識を持った作業員が専用の探査装置を操作して行うので、一般の居住者が気軽に行える調査ではない。
(4)壁裏の状況がわからない
木材の腐朽は、漏水や結露等による過剰な水分の存在によって発生するが、木材の場合、目視だけでは水分状態の確認はできない。壁内部の壁下地材等の木質材料を含水率計で測定すれば、迅速かつ正確に壁下地材の水分状況の確認を行うことができるが、実際には壁材の存在により、壁材を破壊しないと壁下地材の含水率測定は困難である。
一方、壁材の含水率を測定することで壁下地材等の含水率を予測しようとしても、室内側はプラスターボード、屋外側は窯業系又は金属製サイディングの場合が多く、いずれも非木質系であるので、壁材の含水率からは内部の木質材である壁下地材等の含水率の予測は困難である。
シロアリの存在に関しても、食害を受けた場合に木粉の堆積が発見されれば早期の対策が可能だが、これも内外の壁材を破壊せずには発見困難である。
(5)断熱材の保守点検が困難
また、住宅の壁に関して、近年では断熱材を施工するのが一般的となっている。しかし、よく用いられるグラスウールやロックウール等の繊維系断熱材は、施工から長期間経過すると、結露や漏水等によって吸湿して潰れることで壁内部で脱落してしまい、断熱材としての性能は大幅に低下してしまう傾向にある。この調査も確実に行うためには腐朽やシロアリ等の害の調査と同様に、内側又は外側の壁材を剥がして調査するしかない。
壁材を撤去せずに調査する場合もあるが、床下からは確認することが困難であるので、天井裏からの確認程度しか行えない。しかし、天井裏からの確認では断熱材の脱落の有無を確認できても、奥(壁の下部)に沈み込んだ状態となっているので、潰れ具合や吸水・劣化の程度確認までは困難である。
さらに、調査した結果、断熱材が脱落していることが判明したとき、断熱材の交換は結局壁材を撤去してから行わざるを得ないので、費用や手間がかかることとなる。
そこで、本出願人は壁材と幅木の組合せ構造に着目することで、上記のような問題を解決し、壁下地材等の状態を確認することに成功した。
本発明の目的は、費用や手間をかけず、しかも高い精度で壁下地材等の状態を確認できる、壁材と幅木の組合せ構造及び壁材と幅木の組合せ方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の壁材(13)と幅木(21,22,23)の組合せ構造は、垂直に立設する壁下地材(12)に室内側(P)から固定される壁材(13)と、前記壁材(13)の下部に取付けられる幅木(21,22,23)の組合せ構造であって、前記壁材(13)の下部に空隙(24)を形成するとともに、前記幅木(21,22,23)の縦幅を前記空隙(24)の縦幅以上とし、前記幅木(21,22,23)で前記空隙(24)を塞ぐように前記幅木(21,22,23)を着脱自在に取付けたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の壁材(13)と幅木(22,23)の組合せ構造は、前記幅木(22,23)は上部幅木(22)とその上部幅木(22)の下方に配置した下部幅木(23)とからなり、前記上部幅木(22)及び前記下部幅木(23)の両者若しくは前記下部幅木(23)のみで前記空隙(24)を塞ぐように、前記上部幅木(22)を前記壁材(13)に固定するとともに、前記下部幅木(23)を前記壁下地材(12)に対して着脱自在に取付けたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の壁材(13)と幅木(22,23)の組合せ構造は、前記上部幅木(22)の下端部には下向き凸部(22a)が形成されるとともに、前記下部幅木(23)の上端部には上向き凸部(23a)が形成され、前記上部幅木(22)の下向き凸部(22a)の室内側(P)に前記下部幅木(23)の上向き凸部(23a)の室外側(Q)を当接させたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の壁材(13)と幅木の組合せ構造は、前記空隙(24)は、前記壁材(13)を前記床材(11)から上方に離間させた状態で前記壁下地材(12)に固定することで前記壁材(13)と前記床材(11)の間に形成されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の壁材(13)と幅木(22,23)の組合せ構造は、前記壁材(13)の厚さと前記上部幅木(22)の下向き凸部(22a)の厚さとを加算した厚さは、前記下部幅木(23)の上向き凸部(23a)の室外側(Q)の面から前記下部幅木(23)の室外側(Q)の面までの厚さと等しいことを特徴とする。
また、請求項6に記載の壁材(13)と幅木(21,22,23)の組合せ方法は、垂直に立設する壁下地材(12)に室内側(P)から固定される壁材(13)と、前記壁材(13)の下部に取付けられる幅木(21,22,23)の組合せ方法であって、前記壁材(13)を前記床材(11)から上方に離間させた状態で前記壁下地材(12)に固定して前記壁材(13)の下部に空隙(24)を形成し、縦幅が前記空隙(24)の縦幅以上である前記幅木(21,22,23)で前記空隙(24)を塞ぐように、前記幅木(21,22,23)を着脱自在に取付けることを特徴とする。
また、請求項7に記載の壁材(13)と幅木(22,23)の組合せ方法は、垂直に立設する壁下地材(12)に室内側(P)から固定される壁材(13)と、上部幅木(22)と下部幅木(23)からなり、前記壁材(13)の下部に取付けられる幅木の組合せ方法であって、
前記壁材(13)を前記床材(11)から上方に離間させた状態で前記壁下地材(12)に固定して前記壁材(13)の下部に空隙(24)を形成し、前記上部幅木(22)を前記空隙(24)の上方の前記壁材(13)に固定した後、前記下部幅木(23)を前記上部幅木(22)の下方の前記壁下地材(12)に着脱自在に取付けて、前記上部幅木(22)及び前記下部幅木(23)の両者若しくは前記下部幅木(23)のみで前記空隙(24)を塞ぐことを特徴とする。
なお、壁下地材(12)とは柱、間柱、ランナー、間柱受け材といった横部材、構造用合板、胴縁等の壁材(13)の下地となる建材のことを指す。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の請求項1に記載の壁材と幅木の組合せ構造によれば、壁材の下部に空隙を形成するとともに、幅木の縦幅を空隙の縦幅以上とし、幅木で空隙を塞ぐように幅木を着脱自在に取付けたので、以下の効果がある。
(1)調査の精度が高い
腐朽やシロアリの被害調査に関して、外壁や内壁を全て剥がした場合に近い調査結果を得ることができる。
シロアリは、地中に巣を作り、巣を拠点として住宅の基礎、土台、壁下地材といった順に、食害範囲が上方へ拡大する傾向にある。この食害拡大経路の途中には必ず土台や壁下地材が含まれる。
また、腐朽に関しても、原因となる水分は床下の地面に最も多く含まれ、ここから発生した水蒸気が換気不十分であると床下に停滞し、土台角や床下地材、次いで壁下地材の下部といった順番で木質材料の含水率が上昇する。つまり、壁下地材の下部が早期に腐朽する。
したがって、腐朽やシロアリの害の最も被害を受け易い部分を空隙から全て直接目視にて確認可能となるので、被害見逃しの可能性が低く、調査の精度が高い。
また、居住者自身が行う調査であっても、例えばシロアリの食害で発生する木粉に注意する等の簡単な知識があれば、日常の調査によっていち早く異常を察知することが可能となる。
腐朽についても、壁下地材の下部を空隙から含水率計を差し込んで調べることが可能なので、極めて精度の高い調査結果を得られる。
(2)費用と手間がかからない
壁際に設置された家具等の移動を行い、幅木を取外すだけで空隙から壁下地材等の調査を行うことができる。また、調査完了後は再び元のように幅木を設置して、家具を元通りの位置に戻すだけでよい。調査によって壁材や幅木の破損・交換が必要とはならないので、壁材の撤去や新しい壁材に掛かる費用が発生しない。よって、部屋の模様替えや掃除の際に、居住者が気軽にこれらの調査を行うことができる。
(3)専門知識や専用の器具は不要
定期的な調査では、着脱自在に取付けられた幅木を外し、目視で確認するだけでよい。素人でもわかる木粉の堆積、シロアリの個体、巣穴、蟻道等の発見といった何らかの異常が発見された段階で専門家を呼べばよい。
(4)壁裏の状況がわかる
腐朽やシロアリ等の目に見える異常が発見されなくとも、含水率計を用いて壁下地材等の木質材料の含水率を調べれば、壁内部の状況がわかり、将来的な危険性を判断できる。通常は含水率10〜12%程度で出荷される壁下地材等の木質材料の含水率が20〜30%といったように非常に高くなっている場合、壁内部は腐朽やシロアリの生存に適した環境となっていることがわかる。また、このような高含水率を示すということは、グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材が吸湿して、潰れ(劣化)が生じ、断熱性能の大幅低下という危険性があることも同時に示している。
(5)断熱材の保守点検が容易
断熱材の吸湿と劣化が軽微な場合、幅木を取外して壁材下部の空隙から天井裏に乾燥空気を流し込み、断熱材を乾燥させることができる。吸湿と劣化が顕著で回復が望めない場合には、幅木を取外して断熱材を壁材下部の空隙から引っ張り出して撤去し、空隙から新たな断熱材を配置することもできる。
(6)外観が従来の壁と同じ
従来から用いられている幅木(幅木の裏側)に点検窓としての役目を持たせたので、壁の外観は従来の壁と同じである。つまり、点検窓を形成して、それを従来では用いない部材で塞ぐという構造ではなく、元々別の目的のために必要な幅木に、新たに点検窓としての空隙を塞ぐという役目も持たせたので、見た目にも違和感がなく、また別部材を用いないのでその費用もかからない。
また、請求項2に記載の壁材と幅木の組合せ構造によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、幅木は上部幅木とその上部幅木の下方に配置した下部幅木とからなり、上部幅木及び下部幅木の両者若しくは下部幅木のみで空隙を塞ぐように、上部幅木を壁材に固定するとともに、下部幅木を壁下地材に対して着脱自在に取付けたので、床材の不陸や沈下等が発生して下部幅木と床材との間に隙間ができたとしても、一旦下部幅木を壁下地材から取外した後に付け直すことで、下部幅木と床材との隙間をなくすことができる。
また、請求項3に記載の壁材と幅木の組合せ構造によれば、請求項2に記載の発明の作用効果に加え、上部幅木の下端部には下向き凸部が形成されるとともに、下部幅木の上端部には上向き凸部が形成され、上部幅木の下向き凸部の室内側に下部幅木の上向き凸部の室外側を当接させたので、壁下地材の調査を行う際に、上部幅木を壁材から取外すことなく、下部幅木だけを壁下地材から取外すだけでよい。よって、より少ない手間で壁下地材の調査を行うことができる。
また、床材を張り替える場合にも下部幅木のみを取外すだけでよく、下部幅木は壁材と接触していないので、床材を張り替える際に下部幅木で壁材を傷つけることもない。
また、請求項4に記載の壁材と幅木の組合せ構造によれば、請求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加え、空隙は壁材を床材から上方に離間させた状態で壁下地材に固定することで壁材と床材の間に形成されるので、形成された空隙は壁材の一端から他端に亘って開口する。よって、全ての間柱等の壁下地材を見逃すことなく調査できるので、より調査が精度の高いものとなる。
また、請求項5に記載の壁材と幅木の組合せ構造によれば、請求項3又は4に記載の発明の作用効果に加え、壁材の厚さと上部幅木の下向き凸部の厚さとを加算した厚さは、下部幅木の上向き凸部の室外側の面から下部幅木の室外側の面までの厚さと等しいので、上部幅木の下向き凸部の室内側に下部幅木の上向き凸部の室外側を当接させたときに、下部幅木の室外側が壁下地材に当接しており、強度がある。よって、例えば床掃除の際には、掃除機の吸引ヘッドが下部幅木に勢いよく当たることが多いが、そのときに下部幅木の位置がずれることがない。
また、請求項6に記載の壁材と幅木の組合せ方法によれば、垂直に立設する壁下地材に室内側から固定される壁材と、壁材の下部に取付けられる幅木の組合せ方法であって、壁材を床材から上方に離間させた状態で壁下地材に固定して壁材の下部に空隙を形成し、縦幅が空隙の縦幅以上である幅木で空隙を塞ぐように、幅木を着脱自在に取付けるので、壁材の一端から他端に亘って開口し、壁内部の調査を行うことができる空隙を一つの工程で一度に形成することができる。よって、空隙の形成に要する時間が短い。
また、請求項7に記載の壁材と幅木の組合せ方法によれば、垂直に立設する壁下地材に室内側から固定される壁材と、上部幅木と下部幅木からなり、壁材の下部に取付けられる幅木の組合せ方法であって、壁材を床材から上方に離間させた状態で壁下地材に固定して壁材の下部に空隙を形成し、上部幅木を空隙の上方の壁材に固定した後、下部幅木を上部幅木の下方の壁下地材に着脱自在に取付けて、上部幅木及び下部幅木の両者若しくは下部幅木のみで空隙を塞ぐので、分離型の幅木を用いる場合も、壁材の一端から他端に亘って開口し、壁内部の調査を行うことができる空隙を一つの工程で一度に形成することができる。
なお、本発明の壁材と幅木の組合せ構造及び壁材と幅木の組合せ方法のように、壁材の下部に空隙を形成して、その空隙を幅木で塞ぐようにする点は、上述した特許文献1乃至6には全く記載されていない。
本発明の第一実施形態に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す斜視図である。 図1に示す壁材と幅木の組合せ構造の分解斜視図である。 図1に示す壁材と幅木の組合せ構造のA−A線断面図である。 図1に示す壁材と幅木の組合せ構造のA−A線断面分解図である。 図1に示す壁材と幅木の組合せ構造のB−B線断面図である。 図1に示す壁材と幅木の組合せ構造のB−B線断面分解図である。 本発明の第二実施形態に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す要部断面図である。 図7に示す壁材と幅木の組合せ構造の要部断面分解図である。 本発明の第三実施形態に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す要部断面図である。 本発明の第四実施形態に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す要部断面図である。 図10に示す壁材と幅木の組合せ構造の要部断面分解図である。 本発明の別の実施形態に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す要部断面図である。 図12に示す壁材と幅木の組合せ構造の要部断面分解図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す要部断面図である。 従来例に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す要部断面図である。 別の従来例に係る壁材と幅木の組合せ構造を示す要部断面図である。
(第一実施形態)
図1乃至図6を参照して、本発明の第一実施形態に係る壁材13と幅木22,23の組合せ構造及び壁材13と幅木22,23の組合せ方法を説明する。
この壁材13と幅木22,23は、住宅等の壁を構成する内装材の構成物品である。
床材11は、住宅の床を形成するもので、複数枚のフローリングからなる。各フローリングの一方の側面には雄実が、また他方の側面には雌実が形成されており、雌実に雄実を嵌めることで複数枚のフローリングは連結される。
壁下地材12は、垂直に立設する柱や間柱等である。
1つの柱12から他の柱12に延びる梁には、所定間隔を開けてそれぞれ10mm程度の切り欠きが形成され、その切り欠きに対して間柱12を嵌めて立てる。つまり、柱12と柱12の間に、間柱12が柱12に平行に立設されている。
また、柱12と間柱12の間や、間柱12同士の間には、グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材が配置されている。
壁材13は、壁下地材12に室内側Pから固定される建築材で、プラスターボードが用いられることが多い。本実施形態においては、壁材13の厚さT1は9mmである。
壁材13の施工は、壁下地材12が立設した段階において、壁材13を床材11から上方に40mm程度離間させた状態で壁下地材12に固定する。こうすることで壁材13の下部に、つまり壁材13と床材11の間に空隙24を形成する。壁材13は二つの柱12間の一面全てに施されるので、この空隙24が二つの柱12間に亘って大きく開口した状態で形成される。
幅木22,23は、上部幅木22とその上部幅木22の下方に配置した下部幅木23とからなる。
上部幅木22及び下部幅木23は横幅方向(壁に向かって左右方向)に延び、上部幅木22及び下部幅木23の横幅は空隙24の横幅と同程度である。すなわち、空隙24を部屋の四方全面や一側面の端から端まで設けた場合には、コーナー部においてはそのコーナー部に向かって延びる幅木間にコーナー部材を使用して施工の簡素化を図ることがあるので、上部幅木22及び下部幅木23の横幅は空隙24の横幅より若干小さくなることがあり、空隙24を部屋の一側面に部分的に設けた場合には、上部幅木22及び下部幅木23の横幅は空隙24の横幅より若干大きくなる。
上部幅木22の室外側Qの下端部には下向き凸部22aが形成されており、上部幅木22の断面は上下逆のL字状である。下向き凸部22aの室外側Qを壁材13に当接した状態で、下向き凸部22aに室内側Pから釘15あるいはフィニッシュネイル等を打つことで、上部幅木22を壁材13に固定している。なお、下向き凸部22aの下端は、壁材13の下端よりも下方に位置している。
下部幅木23の室内側Pの上端部には上向き凸部23aが形成され、その下方の室内側Pの面には、横幅方向に延びる側面溝23bが形成されている。
図2、図4、及び図6に示すように、壁材13が床下地材12に固定された後、上部幅木22が壁材13に固定された段階で、上部幅木22の下向き凸部22aの室内側Pに下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qを当接させ、上部幅木22及び下部幅木23の両者で空隙24を塞ぐように、下部幅木23を壁下地材12に木ねじ27で着脱自在に取付ける。なお、上部幅木22の固定は、下部幅木23を空隙24を塞ぐように置き、その下部幅木23の上向き凸部23aの上面と上部幅木22の間にスペーサー(図示しない)をかませて上部幅木22の位置決めをしてから行う。
下部幅木23の上向き凸部23aを含めた縦幅H1(高さ方向の幅)は、空隙24の縦幅よりも若干大きいだけだが、上部幅木22の凸部の下端が、壁材13の下端よりも下方に位置しているので、上部幅木22及び下部幅木23の両者で空隙24を完全に塞ぐことができる。
木ねじ27は下部幅木23の側面溝23bにねじ込まれており、木ねじ27の頭が下部幅木23の室内側Pの面から出ることはない。下部幅木23の下端は、床材11の上面に接している。
壁材13の厚さT1と上部幅木22の下向き凸部22aの厚さT2とを加算した厚さは、下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qの面から下部幅木23の室外側Qの面までの厚さT3と等しい。
なお、下部幅木23を壁下地材12に対して着脱自在とする場合、ここでは木ねじ27で下部幅木23を壁下地材12にねじ込んで固定したが、下部幅木23を床材11に対して木ねじでねじ込んで固定することも考えられる。しかし、下部幅木23に下孔を設けないのであれば、壁下地材12に対して水平に木ねじ27をねじ込む方が不具合なく効率的に施工することができる。
壁下地材12は所定間隔を開けて立設しているので、壁下地材12が立設された箇所の断面である図1のA−A断面では図3に示すように壁下地材12に下部幅木23が当接している。一方、壁下地材12がない箇所の断面である図1のB−B断面においては、図6に示すように下部幅木23を取付けていない状態では、空隙24を通じて室内側Pから壁の内部にアクセス可能である。
なお、図1以下全ての図面において、壁下地材12よりも室外側Qの外壁は省略している。
以上のように構成された壁材13と幅木22,23の組合せ構造によれば、壁材13の下部に空隙24を形成し、上部幅木22及び下部幅木23の両者で空隙24を塞ぐように下部幅木23を着脱自在に取付けたので、下部幅木23を取外すだけで腐朽やシロアリの被害を受け易い壁下地材12の下部を直接目視にて確認可能である。また、壁下地材12がない箇所においては、空隙24から壁の内部を調査できる。
また、空隙24の横幅は二つの柱12間に渡り大きく開口し、しかもこの空隙24は腐朽やシロアリの害を最も受け易い壁材13の下部に形成されているので、被害見逃しの可能性が低く、調査の精度が高い。
しかも、壁材13や幅木22,23を破壊することなく壁下地材12の状態調査を行えるので、調査の段階では大規模な工事とならず、手間がかからない。また、壁材13等を破壊しなくてよいので、壁材13の撤去や新しい壁材13等の費用が発生しない。
また、空隙24から目視で木粉の堆積やシロアリの個体を確認することができるので、専門知識を持っていない居住者であっても、専門家に依頼することなく、調査を行うことができる。木粉の堆積等を確認したときに初めて専門家を呼べばいいので、通常の調査では費用はかからない。
一方、腐朽やシロアリ等の目に見える異常が発見されなくとも、含水率計を空隙24から差し込んで壁下地材12等の木質材料の含水率を調べれば、壁内部の状況がわかるので、将来的な危険性も判断できる。したがって、調査結果に応じて、壁内部を通気して乾燥させたり、シロアリ駆除剤を散布する等の適切な対処を行えるので、壁下地材12の腐朽やシロアリによる食害を食い止めることができる。
また、壁下地材12間に配置された断熱材の保守や交換も空隙24から可能であるので、壁材13を破壊することなく、断熱材の効果を維持することもできる。
このような壁内部の調査を行う空隙24を、従来から用いられている幅木の裏側に設けたので、以上のように非常に有益な壁材13と幅木22,23の組合せ構造にもかかわらず、壁の外観は従来の壁と同じである。よって、外観上違和感がなく、しかも新たな部材を用いないのでその費用もかからない。
また、このような壁材13と幅木22,23の組合せ方法によれば、壁材13の一端から他端に亘って開口し、壁内部の調査を行うことができる空隙24を一つの工程で一度に形成することができる。よって、空隙24の形成に要する時間が短い。
(第二実施形態)
次に図7と図8を参照して、本発明の第二実施形態に係る壁材13と幅木22,23の組合せ構造を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、第一実施形態における壁材13よりも壁材13が3mm厚く、12mmであることと、下部幅木23が下部厚さ調整板26を備えることであり、その他の構成要素及び組合せ方法に関しては第一実施形態と同一である。
下部幅木23は室外側Q表面に、例えば弱粘着の接着剤によって分離自在に接着された下部厚さ調整板26を備える。
この下部厚さ調整板26の横幅は下部幅木23の横幅と等しく、また下部厚さ調整板26の縦幅H4は下部幅木23の室外側Q表面の縦幅H3と等しい。厚さT4は3mmであり、断面は矩形状である。
そして、壁材13の厚さT1と上部幅木22の下向き凸部22aの厚さT2とを加算した厚さは、下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qの面から下部幅木23の室外側Qの面までの厚T3さと下部厚さ調整板26の厚さT4とを加算した厚さに等しい。つまり、壁材13の厚さT1は第一実施形態に比べ3mm増加しており、下部幅木23は厚さT3が3mmの下部厚さ調整板26を備えることで第一実施形態に比べ、実質的に厚さを増加している。
下部幅木23の壁下地材12への固定は、木ねじ27によって下部幅木23の室内側Pから下部厚さ調整板26を貫通して行われる。
本実施形態における壁材13と幅木22,23の組合せ構造では、下部幅木23は室外側Q表面に分離自在な下部厚さ調整板26を備え、壁材13の厚さT1と上部幅木22の下向き凸部22aの厚さT2とを加算した厚さは、下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qの面から下部幅木23の室外側Qの面までの厚さT4と下部厚さ調整板26の厚さT3とを加算した厚さに等しいので、厚い壁材13に対しても同じ上部幅木22を用いることができる。つまり、下部厚さ調整板26で下部幅木23の厚さを増しているので、通常の厚さの壁材13で用いる上部幅木22を用いても、上部幅木22の下向き凸部22aの室内側Pに下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qを当接したときに、下部幅木23と壁下地材12の間に隙間ができない。よって、異なる厚さの下部幅木23を用意する必要がなく、経済的である。
また、このような下部幅木23を用意しておくと、壁材13の厚さT1が9mmである場合には、施工前に厚さT3が3mmの下部厚さ調整板26を分離させるだけで、対応可能である。つまり、このときは第一実施形態に示した下部幅木23と同一である。
なお、下部厚さ調整板26は、幅木出荷時には下部幅木23と一体化せず、壁材13の厚みに対応させて施工現場で一体化させたりあるいは挟み込みしたりすることもできる。
ここでは、下部厚さ調整板26の厚さT4を壁材13の厚さT1の半分以下のものを示したが、例えば、下部厚さ調整板26の厚さT4を壁材13の厚さT1と同程度にするなど、様々な厚さT4の下部厚さ調整板26を採用することができる。
(第三実施形態)
次に図9を参照して、本発明の第三実施形態に係る壁材13と幅木22,23の組合せ構造を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、第一実施形態における下部幅木23よりも本実施形態における下部幅木23が3mm厚いことと、上部幅木22が上部厚さ調整板25を備えることであり、その他の構成要素及び組合せ方法に関しては第一実施形態と同一である。
下部幅木23は第一実施形態におけるものと横幅や縦幅等は等しく、上向き凸部の室外側の面から下部幅木の室外側の面までの厚さT3のみが3mm厚い。
上部幅木22は室外側Q表面に、弱粘着の接着剤によって分離自在に接着された上部厚さ調整板25を備える。
上部厚さ調整板25の上端は、上部幅木22の上端に合わせた状態で、上部厚さ調整板25は上部幅木22に接着されている。この上部厚さ調整板25の横幅は上部幅木22の横幅と等しく、縦幅は上部幅木22の縦幅に比べ若干小さい。厚さT5は3mmであり、断面は矩形状である。
このような上部幅木22を、壁材13の下端に上部厚さ調整板25の下端を合わせるように配置し、下向き凸部22aに対して室内側Pから釘15を打ち付けて上部幅木22を壁材13に固定する。
なお、壁材13の厚さT2は第一実施形態におけるものと等しく、厚さ9mmである。
したがって、壁材13の厚さT2と上部厚さ調整板25の厚さT5と上部幅木22の下向き凸部22aの厚さT2とを加算した厚さは、下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qの面から下部幅木23の室外側Qの面までの厚さT3と等しい。
つまり、上部厚さ調整板25で上部幅木22の厚さを増しているので、下部幅木23の室外側Q表面を壁下地材12に当接したときに、上部幅木22と下部幅木23との間に隙間ができない。具体的には、上部幅木22が、厚さT5が3mmの上部厚さ調整板25を備えているので、上部厚さ調整板25を着脱することで、一種類の上部幅木22で厚さT2が9mmと12mmの二種類の壁材13に対応できる。
よって、複数の下部幅木23を用意する必要がなく、経済的である。
なお、上部幅木22に対してはその表面を一枚の化粧材で巻いておいてカットすることで上部厚さ調整板25と分離可能にすることもできる。
(第四実施形態)
次に図10及び図11を参照して、本発明の第四実施形態に係る壁材13と幅木22,23の組合せ構造を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、下部幅木23の形状のみである。
下部幅木23の室外側Q下端部には、断面斜めに切欠いた切欠部23cが形成されている。
また、上面には室内側Pに上向き凸部23aが形成されるとともに、上向き凸部23aと平行に上面溝が形成されている。
上面溝の厚さ方向の幅T6は、下向き凸部22aの厚さT2より若干広い。また、壁材13の厚さT1と上部幅木22の下向き凸部22aの厚さT2とを加算した厚さは、下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qの面から下部幅木23の室外側Qの面までの厚さT3と等しいので、上部幅木22の下向き凸部22aの室内側Pに下部幅木23の上向き凸部23aの室外側Qを当接させたときに、下部幅木23の室外側Qが壁下地材12に当接し、しかも上面溝に下向き凸部22aが嵌め込まれた状態となる。
この下部幅木23の組合せ方法は、図11に示すように、下部幅木23を前傾させて、固定された上部幅木22の下向き凸部22aを下部幅木23の上面溝23dに嵌めるようにする。その後、下部幅木23の下部を室外側Qへ押し込むようにして取付ける。
切欠部23cを形成することによって、上部幅木22を固定した後に下部幅木23を脱着する場合、床材11との接触抵抗を小さくすることができ、下部幅木23の取付け及び取外しを容易に行うことができる。
なお、第一乃至第四実施形態において、幅木22,23は上部幅木22と下部幅木23とに分かれたとしたが、図12及び図13に示すように、一体型の幅木21であってもよい。
これは第一実施形態における上部幅木22と下部幅木23が一体化したものであり、他の空隙24等に関しては第一実施形態と同じ構成及び組合せ方法である。幅木21の上部室外側Qが壁材13に当接するとき、幅木21の下部室外側Qが壁下地材12と当接するようになっており、幅木21で空隙24を塞ぐ。
なお、幅木21の壁材13及び壁下地材12への固定は、いずれも木ねじ27で行う。壁内部の調査のために、着脱自在でなければならないためである。
このような一体型の幅木21であっても、幅木21を取外すだけで空隙24が現れるので、他の実施形態と同様に、壁内部調査に費用や手間がかからず、しかも調査の精度は高い。
また、図14に示すように、梁(図示しない)の上に間柱受け材28を寝かせて、間柱受け材28に10mmほど切り欠いて、そこに間柱12を立設してもよい。この間柱受け材28は縦幅H5(高さ)30mm、横幅(長さ)805mmで、横幅は柱と柱の内々寸法と等しい。また、下部幅木23は木ねじ27によって間柱受け材28に着脱自在に固定されている。
なお、壁材13、上部幅木22、下部幅木23、床材11の構造や位置関係及び組合せ方法は第一実施形態と同一である。
間柱受け材28の縦幅H5は30mm程度なので、空隙24の縦幅H2は40mm程度であれば、間柱受け材28の上部の隙間から、柱や間柱12の壁内部側に位置する側面、あるいは柱の屋外側に貼られた構造用合板の状態を、目視又は触診で確認することができる。もちろん、含水率計で間柱受け材28や柱等の含水率を測定することもできる。
また、空隙24は壁材13を床材11から上方に離間させた状態で壁下地材12に固定することで形成したが、従来通り壁材13を床材11から離間させることなく、床材11に立設した状態で固定され、その後に壁材13の下部に穿設することで空隙24を形成してもよい。このとき、壁材13の横幅全てに渡り空隙24を穿設してもよく、またそれよりも狭い横幅の空隙24を、所定間隔を開けて複数設けてもよい。これは従来の壁材12の施工方法と同じなので、容易に空隙24を形成できる。このように、空隙24の横幅を狭くしたとき、それ以上の横幅の幅木21,22,23を使用する。
なお、施工現場で壁材13を立設してから空隙24を穿設する場合であって、立設する前に部分的に空隙24を穿設する場合、例えば、予め壁材工場で部分的に空隙24を穿設するようにしてもよい。
また、上部幅木22には下向き凸部22aを、下部幅木23に上向き凸部23aを形成したとしたが、これに限られるものではなく、上部幅木22及び下部幅木23の両者若しくは下部幅木23のみで空隙24を塞ぐことができればよい。
また、異なる厚さT1の壁材13に対応させるために上部厚さ調整板25や下部厚さ調整板26を設けたが、これらは必須ではなく、上向き凸部23aの室外側Qの面と壁材13との間や、下部幅木23の室外側Qの面と壁下地材12との間に隙間が形成されたとしても、本発明の目的は達成しうる。
また、幅木を着脱可能に固定するために木ねじ27を使用したが、容易に着脱できればこれに限られるものではなく、他の従来から存在する部材を用いてもよい。
また、空隙24の縦幅を40mmとしたが、これは最適な数値であって、30mmから50mmの範囲内であることが好ましい。
また、通常の室内用幅木について説明したが、上部幅木22と下部幅木23との接合部分にパッキン等の防水手段を用いて、浴室等の水廻りにも用いることができる。
本実施形態における壁材と幅木の組合せ構造は、特に、壁体内に結露が発生しやすく強度を確保する必要のある建物外周の構造壁、特に北側の壁に適用すると有効である。
また、第一乃至第四実施形態においては、はじめから下部幅木23を上部幅木22より厚い仕様としたが、両幅木を同じ厚さとしておき、施工現場で壁材13の厚さT1に合う調整板26を下部幅木23の室外側に設ける仕様にすれば、場合によっては上部幅木22と下部幅木23を上下反転させ、上部幅木22が下、下部幅木23が上となるように施工することにより、不陸対応の幅木としても用いることができるようになる。このような仕様とする場合は、下部幅木23の下面にも化粧材を貼っておくと良い。
11 床材
12 壁下地材(柱、間柱)
13 壁材
14 幅木
15 釘
16 隙間
17 上部幅木
18 下部幅木
21 幅木
22 上部幅木
22a 下向き凸部
23 下部幅木
23a 上向き凸部
23b 側面溝
23c 切欠部
23d 上面溝
24 空隙
25 上部厚さ調整板
26 下部厚さ調整板
27 木ねじ
28 間柱受け材
H1 下部幅木の縦幅
H2 空隙の縦幅
H3 下部幅木の室外側表面の縦幅
H4 下部厚さ調整板の縦幅
H5 間柱受け材の縦幅
T1 壁材の厚さ
T2 上部幅木の下向き凸部の厚さ
T3 下部幅木の上向き凸部の室外側の面から下部幅木の室外側の面までの厚さ
T4 下部厚さ調整板の厚さ
T5 上部厚さ調整板の厚さ
T6 下部幅木の上面溝の厚さ方向の幅
P 室内側
Q 室外側

Claims (7)

  1. 垂直に立設する壁下地材に室内側から固定される壁材と、前記壁材の下部に取付けられる幅木の組合せ構造であって、
    前記壁材の下部に空隙を形成するとともに、前記幅木の縦幅を前記空隙の縦幅以上とし、前記幅木で前記空隙を塞ぐように前記幅木を着脱自在に取付けたことを特徴とする壁材と幅木の組合せ構造。
  2. 前記幅木は上部幅木とその上部幅木の下方に配置した下部幅木とからなり、
    前記上部幅木及び前記下部幅木の両者若しくは前記下部幅木のみで前記空隙を塞ぐように、前記上部幅木を前記壁材に固定するとともに、前記下部幅木を前記壁下地材に対して着脱自在に取付けたことを特徴とする請求項1に記載の壁材と幅木の組合せ構造。
  3. 前記上部幅木の下端部には下向き凸部が形成されるとともに、前記下部幅木の上端部には上向き凸部が形成され、前記上部幅木の下向き凸部の室内側に前記下部幅木の上向き凸部の室外側を当接させたことを特徴とする請求項2に記載の壁材と幅木の組合せ構造。
  4. 前記空隙は、前記壁材を前記床材から上方に離間させた状態で前記壁下地材に固定することで前記壁材と前記床材の間に形成されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の壁材と幅木の組合せ構造。
  5. 前記壁材の厚さと前記上部幅木の下向き凸部の厚さとを加算した厚さは、前記下部幅木の上向き凸部の室外側の面から前記下部幅木の室外側の面までの厚さと等しいことを特徴とする請求項3又は4に記載の壁材と幅木の組合せ構造。
  6. 垂直に立設する壁下地材に室内側から固定される壁材と、前記壁材の下部に取付けられる幅木の組合せ方法であって、
    前記壁材を前記床材から上方に離間させた状態で前記壁下地材に固定して前記壁材の下部に空隙を形成し、
    縦幅が前記空隙の縦幅以上である前記幅木で前記空隙を塞ぐように、前記幅木を着脱自在に取付けることを特徴とする壁材と幅木の組合せ方法。
  7. 垂直に立設する壁下地材に室内側から固定される壁材と、上部幅木と下部幅木からなり、前記壁材の下部に取付けられる幅木の組合せ方法であって、
    前記壁材を前記床材から上方に離間させた状態で前記壁下地材に固定して前記壁材の下部に空隙を形成し、
    前記上部幅木を前記空隙の上方の前記壁材に固定した後、前記下部幅木を前記上部幅木の下方の前記壁下地材に着脱自在に取付けて、前記上部幅木及び前記下部幅木の両者若しくは前記下部幅木のみで前記空隙を塞ぐことを特徴とする壁材と幅木の組合せ方法。
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