JP2010270262A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010270262A
JP2010270262A JP2009124619A JP2009124619A JP2010270262A JP 2010270262 A JP2010270262 A JP 2010270262A JP 2009124619 A JP2009124619 A JP 2009124619A JP 2009124619 A JP2009124619 A JP 2009124619A JP 2010270262 A JP2010270262 A JP 2010270262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
inorganic filler
semiconductor
release agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009124619A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomofumi Kamimura
朋史 上村
Hiroyuki Shiraki
啓之 白木
Takakage Matsumoto
隆景 松本
Terushi Horii
照詞 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Electric Works Co Ltd filed Critical Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority to JP2009124619A priority Critical patent/JP2010270262A/ja
Publication of JP2010270262A publication Critical patent/JP2010270262A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】難燃性付与のために無機充填材の含有量を高めても、トランスファ成形時の溶融粘度が相対的に低い値に抑えられるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、前記無機充填材の表面が、機械的表面処理により、離型剤の層で被覆されている。前記無機充填材は、好ましくは、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物に、87〜90重量%含有されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子搭載用基板に搭載された半導体素子(チップ)を封止するために用いられる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置に関する。
従来、半導体素子搭載用基板に搭載された半導体素子を封止するために用いられる材料として、エポキシ樹脂組成物が広く知られている。このエポキシ樹脂組成物は、一般に、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を必須成分として含有する(特許文献1参照)。この樹脂組成物で半導体素子が封止され保護された構造物はパッケージと呼ばれる。このパッケージは、通常、金型を用いたトランスファ成形で製造される。
トランスファ成形において、エポキシ樹脂組成物は、溶融した状態でキャビティ内に圧送される。キャビティ内には、半導体素子が搭載された基板が仕込まれている。溶融したエポキシ樹脂組成物は、基板上の半導体素子を包み込みながらキャビティ内を流動し、キャビティ内に充満する。数時間の後硬化(ポストキュア)の後、金型が開いて成形物すなわちパッケージが取り出される。エポキシ樹脂組成物には、この型開き時にパッケージがこじれずに金型から円滑に取り出されることを図るための離型剤がしばしば含有される。
前記離型剤としては、例えば、カルナバワックスやモンタンワックス等の高融点のワックス類、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその塩やエステル類、カルボキシル基含有ポリオレフィン等のうちの1種単独又は2種以上組み合わされたものが用いられる(特許文献2参照)。
ところで、パッケージは、用途や構造によって様々な種類に分類される。例えば、電子機器の高機能化・高容量化に対応するため、複数の半導体素子が基板上に積み重ねられた構造を有するスタックチップ型のMCP(Multi Chip Package)と呼ばれるパッケージが知られている。このMCPでは、積み重ねられた半導体素子間、あるいは最上層の半導体素子と金型のキャビティ形成面との間に、数10μm〜数100μmの狭間隙部(狭ギャップ部)が発生することがある。また、半導体素子が基板にフリップチップ接続された構造のパッケージでは、半導体素子と基板との間に、数10μmのアンダーフィル部すなわち狭間隙部が発生する。
したがって、このような狭間隙部が発生するパッケージの成形においては、該狭間隙部に良好に流れ込み、充填され得るエポキシ樹脂組成物の使用が要求される。そして、その要求への1つの対応策として、トランスファ成形時の溶融粘度が相対的に低いエポキシ樹脂組成物が通例用いられる。
特開平5−32867号公報(段落0017) 特開平6−299087号公報(段落0039)
一方、パッケージに難燃性を付与する目的で、エポキシ樹脂組成物に難燃剤が含有されることがある。この難燃剤としては、従来、臭素等のハロゲンやアンチモンを含む化合物が広く採用されている。しかし、毒性問題や環境問題の観点から、そのようなハロゲンやアンチモンを含む難燃剤の使用は規制又は禁止の傾向にある。そのため、従来広く採用されていた難燃剤を用いないでパッケージに難燃性を付与することが要求されている。その要求への1つの対応策として、エポキシ樹脂組成物中の無機充填材の含有量を高めることが知られている。例えばビフェニル型のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填材であるシリカの含有量を87〜90重量%程度まで高めると、難燃性評価に関するUL94−V0規格が達成され得ることが知られている。
しかしながら、難燃性付与のために無機充填材の含有量を高めると、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、エポキシ樹脂組成物が狭間隙部に良好に充填されなくなるという問題がある。
本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物における前記問題に対処するもので、難燃性付与のために無機充填材の含有量を高めても、トランスファ成形時の溶融粘度が相対的に低い値に抑えられるエポキシ樹脂組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、前記無機充填材は、機械的表面処理により、表面が離型剤の層で被覆されていることを特徴とする。
本発明において、前記無機充填材は、エポキシ樹脂組成物に、87〜90重量%含有されていることが好ましい。
また、本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物により、半導体素子搭載用基板に搭載された半導体素子が封止された半導体装置であって、前記無機充填材は、機械的表面処理により、表面が離型剤の層で被覆されていることを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、機械的表面処理により表面が離型剤の層で被覆された無機充填材を含有する。本発明者等は、エポキシ樹脂組成物に含有させる無機充填材の表面を、機械的表面処理(定義は後述する)により、予め離型剤の層で被覆しておくと、その無機充填材を含有したエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が相対的に低くなることを見出した。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、機械的表面処理以外の表面処理(乾式噴霧法、湿式法、オートクレーブ法等)により表面が離型剤の層で被覆された無機充填材を含有した場合や、表面が離型剤の層で被覆されていない無機充填材を含有した場合(すなわち無機充填材と離型剤とをそれぞれ単独に含有させた場合)等に比べて、溶融粘度が低下する。
その結果、本発明のエポキシ樹脂組成物は、たとえ難燃性付与のために無機充填材の含有量を高めても、トランスファ成形時の溶融粘度が相対的に低い値に抑えられ、狭間隙部への良好な充填性が維持される。したがって、本発明の半導体装置は、たとえ狭間隙部があっても、その狭間隙部にはエポキシ樹脂組成物が良好に流れ込み充填されており、ボイド等の発生が低減された良好な製品となる。
本発明において、前記無機充填材がエポキシ樹脂組成物に87〜90重量%含有されていると、従来広く採用されていたハロゲンやアンチモンを含む難燃剤を用いることなく十分な難燃性が達成される。その結果、本発明の半導体装置は、毒性問題や環境問題が低減されつつ難燃性に優れた製品となる。一方、本発明のエポキシ樹脂組成物は、無機充填材が87〜90重量%と大量に含有されていても、トランスファ成形時の溶融粘度の上昇が抑えられ、狭間隙部への充填性が損なわれない。
本発明は、エポキシ樹脂組成物に含有させる無機充填材の表面を、機械的表面処理により、離型剤の層で被覆しておくことに特徴がある。
機械的表面処理とは、例えば圧縮磨砕式微粉砕機を用い、素材の相異なる複数種類の粒子を混合しつつ、圧縮し、磨砕し、掻き取り、分散させて、これらの粒子に衝撃力や剪断力等の機械的エネルギを加えることにより、これらの異種粒子間にメカノケミカル的(機械化学的)な反応を起こさせ、粒子同士を融合させ、粒子表面を改質し、新たな特性を具備した複合粒子を得る技術である。
このような機械的表面処理は、例えば、株式会社奈良機械製作所から市場に提供されるハイブリダイゼーションシステムや、ホソカワミクロン株式会社から市場に提供されるメカノフュージョン(登録商標)システムを用いて実行することができる。
本発明においては、無機充填材を離型剤で機械的表面処理することにより、無機充填材の粒子と離型剤の粒子との間でメカノケミカル的な反応が起こり、無機充填材の粒子の表面が離型剤で成る圧延されたコート層で被覆される。
機械的表面処理を行うと、圧縮力や磨砕力等に起因する機械的エネルギが無機充填材の粒子の表面に作用して、該粒子表面が瞬間的、局所的に高エネルギ状態となり、該粒子表面に離型剤が強固に結合する。したがって、本発明においては、機械的表面処理以外の乾式噴霧法、湿式法、オートクレーブ法等により無機充填材を離型剤で表面処理した場合に比べて、離型剤が無機充填材から遊離し難く、無機充填材を離型剤で表面処理した効果が長く維持される。
本発明においては、エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含有する。これらのうち、無機充填材は、上述のように、その表面に離型剤の層が機械的表面処理により被覆された状態で含有される。その場合、無機充填材は、必ずしもその全量が離型剤で機械的表面処理されていなくてもよい。例えば、エポキシ樹脂組成物に含有させる量の半分の量の無機充填材を離型剤で機械的表面処理し、残りの量の無機充填材は機械的表面処理をせずにそのままエポキシ樹脂組成物に含有させても構わない。ただし、無機充填材を高充填しても溶融粘度が相対的に低い値に抑えられるエポキシ樹脂組成物を提供するという本発明の目的を確実に達成させる観点からは、なるべく多くの量(例えば無機充填材の全量)を離型剤で機械的表面処理することが好ましい。
一方、本発明においては、離型剤は、必ずしもその全量が無機充填材の機械的表面処理に用いられなくてもよい。例えば、エポキシ樹脂組成物に含有させる量の半分の量の離型剤を無機充填材の機械的表面処理に用い、残りの量の離型剤はそのまま単独でエポキシ樹脂組成物に含有させても構わない。ただし、無機充填材を高充填しても溶融粘度が相対的に低い値に抑えられるエポキシ樹脂組成物を提供するという本発明の目的を確実に達成させる観点からは、なるべく多くの量(例えば離型剤の全量)を無機充填材の機械的表面処理に用いることが好ましい。
無機充填材の全量を離型剤で機械的表面処理するか、一部の量を離型剤で機械的表面処理するかは、及び、離型剤の全量を無機充填材の機械的表面処理に用いるか、一部の量を無機充填材の機械的表面処理に用いるかは、エポキシ樹脂組成物に含有させる無機充填材の量と離型剤の量とを比較考量して決めればよい。例えば、本発明者等の知見によれば、無機充填材100重量部に対し、離型剤を0.2〜0.5重量部の範囲で機械的表面処理に用いると、良好な結果が得られる。
本発明においては、従来公知の無機充填材が使用可能である。本発明において使用可能な無機充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、流動性(例えばスパイラルフローで評価される)及び充填性(例えばボイドの発生度合いで評価される)の観点から、溶融シリカが好ましく、球状のものが好ましく、真球状に近いものほど好ましく、平均粒径が7〜15μmでかつ最大粒径が74μmのものが好ましい。
BGA(Ball Grid Array)のようなエリア実装型のパッケージでは、半導体素子が搭載された基板の片面だけがエポキシ樹脂組成物で封止される。このような片面封止型のパッケージにおいては、基板と樹脂組成物との熱膨張率の差異に起因する反りの問題がある。無機充填材としてシリカを用いると、シリカは熱膨張率が相対的に低いので、エポキシ樹脂組成物の熱膨張率が低下し、パッケージの反りの問題が抑制されるという利点が併せて得られる。
本発明においては、エポキシ樹脂組成物への無機充填材の含有量は、組成物全体の例えば60〜95重量%であり、好ましくは70〜92重量%であり、さらに好ましくは87〜90重量%である。無機充填材の含有量が60重量%未満の場合は、難燃性付与の効果が過度に不足し、95重量%を超える場合は、充填材表面を機械的表面処理により離型剤の層で被覆して溶融粘度の低下を図っていても、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が過度に高くなる。また、無機充填材の含有量が87重量%未満の場合は、難燃性評価に関するUL94−V0規格が達成される可能性が低くなり、90重量%を超える場合は、充填材表面を機械的表面処理により離型剤の層で被覆して溶融粘度の低下を図っていても、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなる傾向がある。なお、前述したように、エポキシ樹脂組成物への無機充填材の含有量は、エポキシ樹脂組成物への離型剤の含有量との関係に応じて調整することができる。
本発明においては、従来公知の離型剤が使用可能である。本発明において使用可能な離型剤としては、例えば、カルナバワックスやモンタンワックス等の高融点のワックス類、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその塩やエステル類、カルボキシル基含有ポリオレフィン等が挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において離型剤を無機充填材の機械的表面処理に用いるという観点からは、2種以上の離型剤を組み合わせて用いた場合、その全種類を無機充填材の機械的表面処理に用いても、あるいは、1種類だけを無機充填材の機械的表面処理に用い、残りの種類をそのまま単独でエポキシ樹脂組成物に含有させることもできる。
本発明においては、エポキシ樹脂組成物への離型剤の含有量は、組成物全体の例えば0.1〜0.5重量%である。なお、前述したように、エポキシ樹脂組成物への離型剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物への無機充填材の含有量との関係に応じて調整することができる。
本発明においては、従来公知のエポキシ樹脂が使用可能である。本発明において使用可能なエポキシ樹脂としては、例えば、O−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェニレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明においては、エポキシ樹脂組成物へのエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されない。ただし、本発明は、無機充填材の高充填化を図るものであり、無機充填材は、前述したように、組成物全体の例えば60〜95重量%、好ましくは87〜90重量%含有されるので、5〜40重量%未満の値あるいは10〜13重量%未満の値で、他の成分、特に硬化剤との配合割合(後述)等に応じて適宜の値に決めればよい。
本発明においては、従来公知の硬化剤が使用可能である。本発明において使用可能な硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等、各種多価フェノール化合物又はナフトール化合物等が挙げられる。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、エポキシ樹脂組成物への硬化剤の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂との配合割合でいうと、全エポキシ樹脂/全硬化剤(エポキシ当量と水酸基当量との当量比)=0.8〜1.4が好ましく、0.9〜1.2がより好ましい。この配合割合が過度に小さいと、硬化剤が過多となって経済的に不利となる傾向があり、上記配合割合が過度に大きいと、硬化剤が過少となって硬化不足となる傾向がある。
本発明においては、エポキシ樹脂組成物に、上記以外の成分として、本発明の目的である無機充填材の高充填化を阻害しない範囲内で、従来公知の硬化促進剤、シランカップリング剤、着色剤、シリコーン可とう剤、イオントラップ剤等をさらに含有させても構わない。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤の水酸基との反応(硬化反応)を促進するためのものであり、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン類や、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類や、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等が使用可能である。これらは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物への硬化促進剤の含有量は、樹脂成分全体(エポキシ樹脂と硬化剤との合計量)に対して0.4〜3重量%が好ましい。硬化促進剤の含有量がこれより少ないと、硬化促進効果が不足する傾向があり、これより多いと、成形性に不具合が生じる傾向がある。
シランカップリング剤は、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が使用可能である。
着色剤は、例えば、カーボンブラックや各種の顔料等が使用可能である。シリコーン可とう剤は、例えば、シリコーンエラストマ、シリコーンオイル、シリコーンゲル、シリコーンゴム等が使用可能である。
本発明は、エポキシ樹脂組成物に無機充填材を高充填して難燃性付与を図るものであるが、ハロゲンフリー又はアンチモンフリーの難燃剤として、例えば、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムあるいは水酸化カルシウム等の金属水酸化物(金属水和物)をさらにエポキシ樹脂組成物に含有させても構わない。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば次のようにして調製される。すなわち、まず、ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所製)又はメカノフュージョン(登録商標)システム(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、無機充填材を機械的表面処理により離型剤で表面処理し、無機充填材の表面を離型剤の層で予め被覆しておく。次に、エポキシ樹脂、硬化剤、及び上記のように機械的表面処理した無機充填材、さらにはその他の成分(無機充填材の機械的表面処理に用いなかった離型剤を含む)をそれぞれ所定の量づつ配合し、ミキサーやブレンダー等で均一に混合した後、ニーダーやロール等で加熱しながら混練する。そして、混練後に冷却固化し、必要に応じて粉砕して、粉状又は粒状のエポキシ樹脂組成物とする。
本発明の半導体装置は、例えば次のようにして製造される。すなわち、半導体素子搭載用基板に半導体素子を搭載し、ワイヤボンディングやフリップチップボンディングした後、基板上の半導体素子を本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で封止する。この封止を実行するには金型を用いたトランスファ成形を採用することができる。つまり、半導体素子が搭載された基板を金型のキャビティ内に配置した後、このキャビティ内に溶融状態のエポキシ樹脂組成物を所定の圧力で注入し、キャビティ内に充満させる。このときの注入圧力は、例えば4〜7MPa、金型温度は、例えば160〜190℃、成形時間は、例えば45〜300秒等に設定される(エポキシ樹脂組成物や半導体装置の種類に応じて適宜変更可能)。次に、金型を閉じたまま後硬化(ポストキュア)を行った後、型開きして成形物すなわち半導体装置(パッケージ)を取り出す。このときの後硬化条件は、例えば160〜190℃で2〜8時間等に設定される(エポキシ樹脂組成物や半導体装置の種類に応じて適宜変更可能)。
以下、実施例を通して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合(重量%)で、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、離型剤等の各成分をブレンダーで30分間混合し均一化した後、80℃に加熱した2本ロールで溶融させながら混練し、冷却後、粉砕機で所定粒度に粉砕して、粉状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を調製した。
実施例1、2及び比較例1〜3において用いた材料は次の通りである。
(エポキシ樹脂)
・ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン株式会社製の「YX4000HK」(エポキシ当量:195、軟化点:95℃)
(硬化剤)
・フェノールノボラック樹脂:明和化成株式会社製の「H−1M」(水酸基当量:105)
(無機充填材)
・溶融シリカ:電気化学工業株式会社製の「FB60」(平均粒径:15μm、最大粒径:74μm)
(離型剤)
・カルナバワックス:大日化学株式会社製の「F1−100」
(硬化促進剤)
・トリフェニルホスフィン:北興化学工業株式会社製の「TPP」
(その他の成分)
・メルカプトシランカップリング剤:信越化学工業株式会社製の「KBM803」
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製の「♯40」
実施例1で用いた溶融シリカ1は、溶融シリカ90重量%に対してカルナバワックス0.2重量%を混合し、ホソカワミクロン株式会社製のメカノフュージョン(登録商標)システム「AMS型」を用いて機械的表面処理を行い、溶融シリカの表面をカルナバワックスの層で予め被覆したものである。なお、実施例1では、エポキシ樹脂組成物に、カルナバワックスを単独でさらに0.2重量%含有させている。
実施例2で用いた溶融シリカ2は、溶融シリカ90重量%に対してカルナバワックス0.4重量%を混合した他は、溶融シリカ1と同様である。なお、実施例2では、エポキシ樹脂組成物に、カルナバワックスを単独で含有させていない。
比較例1で用いた溶融シリカ3は、溶融シリカ90重量%に対してカルナバワックス0.4重量%を、湿式法(カルナバワックスを有機溶媒に溶解させ、この溶液に溶融シリカを浸漬させた後、溶融シリカを乾燥し、さらに熱処理により有機溶媒を蒸発させる方法)で表面処理し、溶融シリカの表面をカルナバワックスの層で予め被覆したものである。なお、比較例1では、エポキシ樹脂組成物に、カルナバワックスを単独で含有させていない。
比較例2で用いた溶融シリカ4は、溶融シリカ90重量%を何も表面処理しなかったものである。なお、比較例2では、エポキシ樹脂組成物に、カルナバワックスを単独で0.4重量%含有させている。
上記のように調製した各エポキシ樹脂組成物について次の評価を行った。
(ゲルタイム)
電気機能材料工業会規格(EIMS)の半導体封止用成形材料の試験方法に準じ、トルク計測法で、加熱環境の下でエポキシ樹脂組成物がゲル化するまでの時間を計測した。
(粘度)
トランスファ成形に類似して、金型温度を175℃とし、0.4mmの間隙に溶融状態のエポキシ樹脂組成物を6.86MPaの圧力で注入し、間隙の内部に配設した圧力センサで樹脂組成物の圧力を検出し、圧力の損失度合いから樹脂組成物の溶融粘度を算出した。
結果を表1に示す。
Figure 2010270262
表1の結果から明らかなように、溶融シリカを90重量%と高充填したエポキシ樹脂組成物において、機械的表面処理により表面をカルナバワックスの層で予め被覆した溶融シリカ1、2を用いた実施例1、2は、機械的表面処理以外の湿式法により表面をカルナバワックスの層で予め被覆した溶融シリカ3を用いた比較例1、及び表面をカルナバワックスの層で被覆していない溶融シリカ4を用いた比較例2と比べて、ゲルタイムに変わりがなかった。
そして、溶融シリカを90重量%と高充填したエポキシ樹脂組成物において、実施例1、2は、比較例1、2と比べて、溶融粘度が低下していた。その低下の程度は、エポキシ樹脂組成物に含有させる量(0.4重量%)の半分の量(0.2重量%)のカルナバワックスを溶融シリカの機械的表面処理に用い、残りの量(0.2重量%)のカルナバワックスをそのまま単独でエポキシ樹脂組成物に含有させた実施例1よりも、エポキシ樹脂組成物に含有させる量(0.4重量%)の全量のカルナバワックスを溶融シリカの機械的表面処理に用いた実施例2がさらに優れていた。
一方、溶融シリカの表面をカルナバワックスの層で予め被覆したけれども湿式法で被覆した比較例1は、溶融シリカの表面をカルナバワックスの層で被覆しなかった比較例2と同じく、溶融粘度が低下していなかった。これは、機械的表面処理した場合は、溶融シリカの表面にカルナバワックスが強固に結合し、エポキシ樹脂組成物の調製中に他の成分等と激しく混合され溶融され混練されても、カルナバワックスが溶融シリカから遊離し難く、溶融シリカをカルナバワックスで表面処理した効果が長く維持されるのに対し、湿式法で表面処理した場合は、溶融シリカとカルナバワックスとの結合が相対的に弱く、エポキシ樹脂組成物の調製中にカルナバワックスが溶融シリカから遊離し易く、溶融シリカをカルナバワックスで表面処理した効果が容易に喪失されるからであると考察される。
なお、エポキシ樹脂として、ビフェニル型エポキシ樹脂に代えて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、又はオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いて、上記と同様にエポキシ樹脂組成物を調製し、評価を行ったが、結果は同様であった。

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
    前記無機充填材は、機械的表面処理により、表面が離型剤の層で被覆されていることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記無機充填材が、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物に、87〜90重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物により、半導体素子搭載用基板に搭載された半導体素子が封止されていることを特徴とする半導体装置。
JP2009124619A 2009-05-22 2009-05-22 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置 Pending JP2010270262A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009124619A JP2010270262A (ja) 2009-05-22 2009-05-22 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009124619A JP2010270262A (ja) 2009-05-22 2009-05-22 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010270262A true JP2010270262A (ja) 2010-12-02

Family

ID=43418547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009124619A Pending JP2010270262A (ja) 2009-05-22 2009-05-22 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010270262A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015178636A (ja) * 2015-06-17 2015-10-08 積水化学工業株式会社 光半導体装置用白色硬化性材料、及び光半導体装置用白色硬化性材料の製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02124928A (ja) * 1988-11-02 1990-05-14 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂成形材料
JPH02153947A (ja) * 1988-12-05 1990-06-13 Matsushita Electric Works Ltd 成形材料の製造方法
JPH02166753A (ja) * 1988-12-21 1990-06-27 Matsushita Electric Works Ltd 半導体封止用樹脂成形材料
JPH10292094A (ja) * 1997-02-20 1998-11-04 Toshiba Corp エポキシ樹脂組成物、これを用いた樹脂封止型半導体装置、エポキシ樹脂成形材料、およびエポキシ樹脂複合タブレット
JP2000344917A (ja) * 1999-06-04 2000-12-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 難燃性プリプレグ及び積層板
JP2001213943A (ja) * 2000-02-07 2001-08-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2002121264A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2003155329A (ja) * 2001-11-22 2003-05-27 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2003234438A (ja) * 2002-02-07 2003-08-22 Toda Kogyo Corp 半導体封止材料用黒色複合粒子粉末及び半導体封止材料
JP2003297863A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Sumitomo Bakelite Co Ltd 改質無機充填材の製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02124928A (ja) * 1988-11-02 1990-05-14 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂成形材料
JPH02153947A (ja) * 1988-12-05 1990-06-13 Matsushita Electric Works Ltd 成形材料の製造方法
JPH02166753A (ja) * 1988-12-21 1990-06-27 Matsushita Electric Works Ltd 半導体封止用樹脂成形材料
JPH10292094A (ja) * 1997-02-20 1998-11-04 Toshiba Corp エポキシ樹脂組成物、これを用いた樹脂封止型半導体装置、エポキシ樹脂成形材料、およびエポキシ樹脂複合タブレット
JP2000344917A (ja) * 1999-06-04 2000-12-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 難燃性プリプレグ及び積層板
JP2001213943A (ja) * 2000-02-07 2001-08-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2002121264A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2003155329A (ja) * 2001-11-22 2003-05-27 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2003234438A (ja) * 2002-02-07 2003-08-22 Toda Kogyo Corp 半導体封止材料用黒色複合粒子粉末及び半導体封止材料
JP2003297863A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Sumitomo Bakelite Co Ltd 改質無機充填材の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015178636A (ja) * 2015-06-17 2015-10-08 積水化学工業株式会社 光半導体装置用白色硬化性材料、及び光半導体装置用白色硬化性材料の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6320239B2 (ja) 半導体チップ封止用熱硬化性樹脂シート及び半導体パッケージの製造方法
JP5177763B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP4973322B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2016040383A (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置
JP2009275146A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2004018803A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2006206827A (ja) 液状封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2005239892A (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2006008956A (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
KR100774798B1 (ko) 반도체 캡슐화용 에폭시 수지 조성물 및 이것을 이용한 반도체 장치
JP2013119588A (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置
JP2010270262A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置
JP2008184584A (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP4421939B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2004099778A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2011026501A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び該組成物を用いて半導体素子が封止された半導体装置
JP5038972B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびその製法、ならびにそれを用いた半導体装置
JP2005162846A (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2008291189A (ja) 封止用の液状エポキシ樹脂組成物と封止半導体装置
JP2005325210A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2006028258A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2003327792A (ja) 封止用樹脂組成物および半導体封止装置
JP2009256475A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2006143784A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2008184585A (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20100826

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120111

A977 Report on retrieval

Effective date: 20120203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120207

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02