JP2010270162A - 光学用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】成形加工時の熱劣化に起因するフィルム欠陥が少なく、優れた透明性を有する光学用フィルムを提供する。
【解決手段】ガラス転移温度が110℃以上であるアクリル系熱可塑性樹脂と、トリアジン系化合物を含む光学用フィルムであって、アクリル系熱可塑性樹脂100重量部に対してトリアジン系化合物を0.01重量部以上、0.2重量部以下含有することで熱安定性の高いフィルムが得られ、成形加工時にフィルム欠陥の少ないフィルムを得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学用フィルムに関するものであり、特に、フィルム成形時における熱劣化に起因するフィルム欠陥の少ない、優れた透明性を有する光学用フィルムに関する。
近年、電子機器はますます小型化し、ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末に代表されるように、軽量・コンパクトという特徴を生かした液晶表示装置が多く用いられるようになってきている。これら液晶表示装置は、偏光フィルムに始まり、その表示品位を保つ為に各種フィルムが用いられている。又、携帯情報端末や携帯電話向けに液晶表示装置を更に軽量化する目的で、ガラス基板の代わりに樹脂フィルムを用いたプラスチック液晶表示装置も実用化されている。
液晶表示装置のように偏光を取り扱う場合、用いる樹脂フィルムは光学的に透明である事の他に、光学的に均質である事、着色や変色が少ない事、点状或いはスジ状等の外観欠陥が少ない事が求められる。又、ガラス基板を樹脂フィルムに代えたプラスチック液晶表示装置用のフィルム基板の場合等のように、複屈折と厚みの積で表される位相差が小さい事が要求されることもある。更に、外部の応力等によりフィルムの位相差が変化しにくい事が要求されることもある。
また、液晶表示装置と同様に、カメラ、フィルム一体型カメラ、ビデオカメラ等の各種撮影装置、CDやDVD等の光ピックアップ装置、プロジェクター等のOA機器等に使用される従来ガラスが用いられていたレンズも、軽量化を目的とした樹脂への置き換えが進んでいる。このようなプラスチックレンズは、温度や湿気等の使用環境による歪みによる焦点距離のズレの発生や射出成形等の加工時の応力発生等による位相差の影響を受けやすいため、外部応力により位相差が変化しにくい事がフィルムと同様に要求されている。これらを満足させる樹脂組成物として従来からのトリアセチルセルロースに代わり、透明性および耐熱性の高い(メタ)アクリル系樹脂の使用が検討されている。
光学フィルムには外観欠点の少ないものが要望されるため、光学フィルム材料として(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする樹脂材料を用いる場合、外観欠点の原因となる樹脂材料中の異物等を除去するため、当該樹脂材料を含有する成型材料を押出し成型して光学フィルムを成型する際にポリマーフィルターに通して異物を除去する必要がある。しかし、このフィルタリングの際にかかる熱によって(メタ)アクリル系樹脂の熱劣化が起こり、成型後のフィルムに分解したモノマーによる発泡や光学的な欠陥が生じるという問題があった。このような(メタ)アクリル樹脂の熱劣化を防ぐためにリン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、及びチオエーテル系化合物などの酸化防止剤を添加することが知られている(特許文献1)。一方、このような光学フィルムでは必要に応じて、トリアジン系化合物に代表される紫外線吸収剤を添加し、紫外線吸収能を付与することもある(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
WO2006/054410号公報 特開2008−76764号公報 特開2009−052021号公報 WO2005/109052号公報
特許文献1の方法では、長時間の生産におけるフィルム欠陥に対し改善の余地があった。
また、特許文献2、3、4のように、トリアジン系化合物は従来紫外線吸収剤として用いられており、十分な紫外線吸収能力を得るためには樹脂100重量部に対して1〜5重量部程度の多量添加が必要であった。その結果コストが上昇したり、フィルムからブリードアウトするといった新たな問題が発生していた。また、短波長領域(380〜400nm)での光線透過率が低下し、幅広い波長範囲での透明性が悪化するという問題もあった。また、トリアジン系化合物は紫外線吸収剤としての用途しか想定されていないため、光学フィルムの分野において、紫外線に曝される量が比較的多い部位に添加することしか想定されていなかった。本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、成型加工時の熱劣化に起因するフィルム欠陥が少なく、優れた透明性を有する光学用フィルムを提供する事を目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、アクリル系熱可塑性樹脂とトリアジン構造を有する化合物を含有する光学フィルムが光学用フィルムとして優れていることがわかった。即ち本発明は、以下に関する。
(i)ガラス転移温度が110℃以上であるアクリル系熱可塑性樹脂と、トリアジン系化合物を含む光学用フィルムであって、アクリル系熱可塑性樹脂100重量部に対してトリアジン系化合物を0.01重量部以上、0.2重量部以下含有することを特徴とする光学用フィルム。
(ii)トリアジン系化合物の1%熱減量温度が340℃以上であることを特徴とする(i)記載の光学用フィルム。
(iii)膜厚40μmにおける380nmの光線透過率が30%以上であることを特徴とする(i)または(ii)記載の光学用フィルム。
(iv)アクリル系樹脂が、ラクトン系樹脂、グルタル酸無水物系樹脂、グルタルイミド系樹脂であることを特徴とする(i)〜(iii)に記載の光学用フィルム。
(v)上記グルタルイミド樹脂が、下記一般式(1)で表される単位と、下記一般式(2)で表される単位とを含むことを特徴とする(iv)に記載の光学用フィルム。
Figure 2010270162
Figure 2010270162
(vi)上記グルタルイミド樹脂が、下記一般式(3)で表される単位をさらに含むことを特徴とする(v)に記載の光学用フィルム。
Figure 2010270162
(vii)アクリル酸エステル単位が1重量%未満であることを特徴とする(v)または(vi)に記載の光学用フィルム。
(viii)延伸されたフィルムであることを特徴とする(i)〜(vii)に記載の光学用フィルム。
(ix)(i)〜(viii)に記載の光学用フィルムを用いてなることを特徴とする偏光子保護フィルム。
(x)(ix)に記載の偏光子保護フィルムを少なくとも1枚含む偏光板。
本発明によれば、成型加工時の熱劣化に起因するフィルム欠陥が少なく、優れた透明性を有する光学用フィルムを得ることが出来る。
本発明の一実施形態について以下、説明する。
本発明の光学用フィルムは、アクリル系樹脂及びトリアジン系化合物を含有する。(アクリル系樹脂) 本発明の光学用フィルムに含まれるアクリル系樹脂は、ガラス転移温度が110℃以上であり、115℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。この範囲を下回ると、フィルムの耐熱性が劣るため、高温時の物性変化が大きくなり、適用範囲が狭くなる。特に光学用途に使用される場合には、ガラス転移温度が上記範囲よりも低いと、フィルムに高温環境下でゆがみなどが生じ易く、安定した光学的特性が得られない傾向があり、好ましくない。
上記アクリル系樹脂は、ガラス転移温度が110℃以上であれば特に限定されるものではないが、具体的には、グルタル酸無水物樹脂、ラクトン環構造を有する樹脂、グルタルイミド樹脂などを挙げることができる。グルタル酸無水物樹脂としては、特に制限されないが、特開2007−254703記載の方法などに従って製造することができる。ラクトン環構造を有する樹脂としては、特開2008−9378記載の方法などに従って製造することができる。(グルタルイミド樹脂)グルタルイミド樹脂について、以下に詳述する。グルタルイミド樹脂としては具体的には、例えば、下記一般式(1)
Figure 2010270162
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)で表される単位(以下、「グルタルイミド単位」ともいう)と、 下記一般式(2)
Figure 2010270162
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)で表される単位(以下、「(メタ)アクリル酸エステル単位」ともいう)とを含むグルタルイミド樹脂を好適に用いることができる。
また、上記グルタルイミド樹脂は、必要に応じて、下記一般式(3)
Figure 2010270162
(式中、R7は、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R8は、炭素数6〜10のアリール基である。)で表される単位(以下、「芳香族ビニル単位」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
上記一般式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素またはメチル基であり、R3は水素、メチル基、ブチル基、またはシクロヘキシル基であることが好ましく、R1はメチル基であり、R2は水素であり、R3はメチル基であることがより好ましい。
上記グルタルイミド樹脂は、グルタルイミド単位として、単一の種類のみを含んでいてもよいし、上記一般式(1)におけるR1、R2、およびR3が異なる複数の種類を含んでいてもよい。
グルタルイミド単位は、上記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル単位をイミド化することにより、形成することができる。
また、無水マレイン酸等の酸無水物、または、このような酸無水物と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸等をイミド化することによっても、上記グルタルイミド単位を形成させることができる。
上記一般式(2)において、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素またはメチル基であり、R6は水素またはメチル基であることが好ましく、R4は水素であり、R5はメチル基であり、R6はメチル基であることがより好ましい。
上記グルタルイミド樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単位として、単一の種類のみを含んでいてもよいし、上記一般式(2)におけるR4、R5、およびR6が異なる複数の種類を含んでいてもよい。上記グルタルイミド樹脂にアクリル酸エステル単位を含む場合は、その含有量が1重量%未満であることが好ましく、0.5重量%未満であることがより好ましい。アクリル酸エステル単位が上記範囲内であれば、グルタルイミド樹脂は熱安定性に優れたものになるが、上記範囲を超えると熱安定性が悪くなり、樹脂製造時あるいは成形加工時に樹脂の分子量や粘度低下が発生して物性が悪化する傾向がある。
上記グルタルイミド樹脂において、一般式(1)で表されるグルタルイミド単位の含有量は、特に限定されるものではなく、例えば、R3の構造等に依存して変化させることが好ましい。
一般的には、上記グルタルイミド単位の含有量は、グルタルイミド樹脂の1重量%以上とすることが好ましく、2重量%〜95重量%とすることがより好ましく、2重量%〜90重量%とすることがさらに好ましく、2重量%〜80重量%とすることが特に好ましい。
グルタルイミド単位の含有量が上記範囲内であれば、得られるグルタルイミド樹脂の耐熱性および透明性が低下したり、成形加工性、およびフィルムに加工したときの機械的強度が低下したりすることがない。
一方、グルタルイミド単位の含有量が上記範囲より少ないと、得られるグルタルイミド樹脂の耐熱性が不足したり、透明性が損なわれたりする傾向がある。また、上記範囲よりも多いと、不必要に耐熱性および溶融粘度が高くなり、成形加工性が悪くなったり、フィルム加工時の機械的強度が極端に脆くなったり、透明性が損なわれたりする傾向がある。
上記グルタルイミド樹脂において、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位の含有量は、特に限定されるものではなく、求められる物性に応じて適宜設定することが可能である。使用される用途によっては、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位の含有量は0であってもよい。
上記グルタルイミド樹脂には、必要に応じ、グルタルイミド単位、および(メタ)アクリル酸エステル単位以外のその他の単位がさらに共重合されていてもよい。
その他の単位としては、例えば、スチレン、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を挙げることができる。
これらのその他の単位は、上記グルタルイミド樹脂中に、直接共重合していてもよいし、グラフト共重合していてもよい。
上記グルタルイミド樹脂の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、1×104〜5×105であることが好ましく、5×104〜3×105であることがさらに好ましい。上記範囲内であれば、成形加工性が低下したり、フィルム加工時の機械的強度が不足したりすることがない。
一方、重量平均分子量が上記範囲よりも小さいと、フィルムの機械的強度が不足する傾向がある。また、上記範囲よりも大きいと、溶融押出時の粘度が高く、成形加工性が低下し、成形品の生産性が低下する傾向がある。
また、上記グルタルイミド樹脂の酸価は特に限定されるものではないが、0.5mmol/g以下であることが好ましく、0.35mmol/g以下であることがより好ましい。酸価が上記範囲内であれば、耐熱性、機械物性、成形加工性のバランスに優れたグルタルイミド樹脂を得ることができる。
一方、例えば、酸価が上記範囲より大きいと、溶融押出時の樹脂の発泡が起こりやすくなり、成形加工性が低下し、成形品の生産性が低下する傾向がある。
尚、酸価は、例えば特開2005−23272に記載の滴定法などにより算出することが可能である。
上記グルタルイミド樹脂において、一般式(1)〜(3)で表される単位の含有量(換言すれば、割合)は、特に限定されるものではなく、グルタルイミド樹脂に要求される物性や、本発明にかかる光学用フィルムに要求される光学特性に応じて決定すればよい。(グルタルイミド樹脂の製造方法) ここで、上記グルタルイミド樹脂の製造方法の一実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、(メタ)アクリル酸エステルを重合させることにより、(メタ)アクリル酸エステル重合体を製造する。製造方法としては特に限定されず、公知の乳化重合法、乳化−懸濁重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法などが適用可能であるが、光学分野に用いる場合、不純物が少ないとの観点から、塊状重合法、溶液重合法が特に好ましい。例えば、特開昭56−8404、特公平6−86492、特公昭52−32665などに記載の方法に準じて製造できる。(メタ)アクリル酸エステル重合体として、好ましくはポリメタクリル酸メチルである。本発明のグルタルイミド樹脂が芳香族ビニル単位を含む場合には、(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとを共重合させ、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を製造する。メタクリル酸メチル−スチレン共重合体は、例えば、特開昭57−149311、特開昭57−153009、特開平10−152505、特開2001−31046、特開2004−27191などに記載の方法に従って製造できる。本発明のグルタルイミド樹脂がアクリル酸エステル単位を含む場合には、原料となる(メタ)アクリル酸エステル重合体中のアクリル酸エステル単位が1重量%未満であることが好ましく、0.5重量%未満であることがより好ましい。
この工程において、上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを用いることが好ましく、メタクリル酸メチルを用いることがより好ましい。
これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単一種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。複数種の(メタ)アクリル酸エステルを用いることにより、最終的に得られるグルタルイミド樹脂に複数種類の(メタ)アクリル酸エステル単位を与えることができる。
また、上記グルタルイミド樹脂が芳香族ビニル単位を含む場合、(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルとの重合割合を調整することにより、芳香族ビニル単位の割合を調整することができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、および(メタ)アクリル酸エステル重合体の構造は、特に限定されるものではなく、イミド化反応が可能なものであればよい。具体的には、リニアー(線状)ポリマー、ブロックポリマー、コアシェルポリマー、分岐ポリマー、ラダーポリマー、および架橋ポリマー等のいずれであってもよい。
ブロックポリマーの場合、A−B型、A−B−C型、A−B−A型、およびこれら以外のタイプのブロックポリマーのいずれであってもよい。コアシェルポリマーの場合、ただ一層のコアおよびただ一層のシェルのみからなるものであってもよいし、それぞれが多層からなるものであってもよい。
次に、上記(メタ)アクリル酸エステル重合体または(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体にイミド化剤を添加し、イミド化を行う。これにより、上記グルタルイミド樹脂を製造することができる。
上記イミド化剤は、上記一般式(1)で表されるグルタルイミド単位を生成できるものであれば特に限定されず、WO2005/054311記載のもの等が挙げられる。具体的には、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン等の脂肪族炭化水素基含有アミン、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、トリクロロアニリン等の芳香族炭化水素基含有アミン、シクロヘキシルアミン等などの脂環式炭化水素基含有アミンを挙げることができる。
また、尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素のように、加熱により、上記例示したアミンを発生する尿素系化合物を用いることもできる。
上記例示したイミド化剤のうち、コスト、物性の面からメチルアミン、アンモニア、シクロヘキシルアミンを用いることが好ましく、メチルアミンを用いることが特に好ましい。
また、常温にてガス状のメチルアミンなどは、メタノールなどのアルコール類に溶解させた状態で使用してもよい。
なお、このイミド化の工程においては、上記イミド化剤に加えて、必要に応じて、閉環促進剤(触媒)を添加してもよい。
このイミド化の工程において、上記イミド化剤の添加割合を調整することにより、得られるグルタルイミド樹脂におけるグルタルイミド単位および(メタ)アクリル酸エステル単位の割合を調整することができる。
また、イミド化の程度を調整することにより、得られるグルタルイミド樹脂の物性や、本発明にかかるグルタルイミド樹脂を成形してなる光学用フィルムの光学特性等を調整することができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル重合体または(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体をイミド化する方法は、特に限定されなく、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。すなわち、(1)押出機などを用い、溶融状態にある(メタ)アクリル酸エステル重合体または(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体をイミド化剤と反応させたり、(2)イミド化反応に対して非反応性溶媒を用いて、溶液状態の(メタ)アクリル酸エステル重合体または(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体にイミド化剤と反応させること等により、得られる。
上記グルタルイミド樹脂を押出機を用いて製造する場合、用いる押出機は特に限定されるものではなく、各種押出機を用いることができる。具体的には、例えば、単軸押出機、二軸押出機または多軸押出機等を用いることができる。
中でも、二軸押出機を用いることが好ましい。二軸押出機によれば、原料ポリマー(すなわち、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステル重合体)に対するイミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)の混合を促進することができる。
二軸押出機としては、非噛合い型同方向回転式、噛合い型同方向回転式、非噛合い型異方向回転式、および噛合い型異方向回転式等を挙げることができる。中でも、噛合い型同方向回転式を用いることが好ましい。噛合い型同方向回転式の二軸押出機は、高速回転可能であるため、原料ポリマーに対するイミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)の混合を、より一層促進することができる。
上記例示した押出機は単独で用いてもよいし、複数を直列につないで用いてもよい。例えば、特開2008−273140に記載のタンデム型反応押出機を用いることができる。押出機中でイミド化を行う場合は、例えば、原料である(メタ)アクリル酸エステル重合体または(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を押出機の原料投入部から投入し、該樹脂を溶融させ、シリンダ内を充満させた後、添加ポンプを用いてイミド化剤を押出機中に注入することにより、押出機中でイミド化反応を進行させることができる。
この場合、押出機中での反応ゾーンの温度(樹脂温度)を180℃〜300℃にて行うことが好ましく、さらに200〜290℃にて行うことがより好ましい。反応ゾーンの温度(樹脂温度)が180℃未満では、イミド化反応がほとんど進行せず、耐熱性が低下する傾向にある。反応ゾーン温度が300℃を超えると、樹脂の分解が著しくなることから、得られるグルタルイミド系樹脂から形成しうるフィルムの耐折曲性が低下する傾向がある。ここで、押出機中での反応ゾーンとは、押出機のシリンダにおいて、イミド化剤の注入位置から樹脂吐出口(ダイス部)までの間の領域をいう。 押出機の反応ゾーン内での反応時間を長くすることにより、イミド化をより進行させることができる。押出機の反応ゾーン内の反応時間は10秒より長くするのが好ましく、さらには30秒より長くするのがより好ましい。10秒以下の反応時間ではイミド化がほとんど進行しない可能性がある。 押出機での樹脂圧力は、大気圧〜50MPaの範囲内とすることが好ましく、さらには1MPa〜30MPaの範囲内が好ましい。1MPa未満ではイミド化剤の溶解性が低く、反応の進行が抑えられる傾向がある。また、50MPa以上では通常の押出機の機械耐圧の限界を越えてしまい、特殊な装置が必要となりコスト的に好ましくない。
また、押出機には、大気圧以下に減圧可能なベント口を装着することが好ましい。このような構成によれば、未反応のイミド化剤、もしくはメタノール等の副生物やモノマー類を除去することができる。
また、上記グルタルイミド樹脂の製造には、押出機に代えて、例えば住友重機械(株)製のバイボラックのような横型二軸反応装置やスーパーブレンドのような竪型二軸攪拌槽などの高粘度対応の反応装置も好適に用いることができる。
上記グルタルイミド樹脂を、バッチ式反応槽(圧力容器)を用いて製造する場合、そのバッチ式反応槽(圧力容器)の構造は特に限定されるものでない。
具体的には、原料ポリマーを加熱により溶融させ、攪拌することができ、イミド化剤(閉環促進剤を用いる場合は、イミド化剤と閉環促進剤)を添加することができる構造を有していればよいが、攪拌効率が良好な構造を有するものであることが好ましい。
このようなバッチ式反応槽(圧力容器)によれば、反応の進行によりポリマー粘度が上昇し、撹拌が不十分となることを防止することができる。このような構造を有するバッチ式反応槽(圧力容器)としては、例えば、住友重機械(株)製の攪拌槽マックスブレンド等を挙げることができる。イミド化方法の具体例としては、例えば、特開2008−273140、特開2008−274187記載の方法など公知の方法をあげることができる。
上説したような方法によれば、グルタルイミド単位、(メタ)アクリル酸エステル単位、および芳香族ビニル単位の比率が所望に制御されたグルタルイミド樹脂を容易に製造することができる。(トリアジン系化合物)本発明にかかる光学用フィルムに含まれるトリアジン系化合物としては、トリアジン骨格を有するものであれば、特に制限されないが、2−ヒドロキシフェニルー1,3,5−トリアジン骨格を有するものが好ましい。上記骨格を有するものであれば、その他の置換基で置換されていてもよい。具体的には、WO2001/047900記載の下記化合物などがあげられる。
Figure 2010270162
Figure 2010270162
(式中iC817はC7−C9アルキル異性体混合物である)
Figure 2010270162
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また、WO2005/109052記載の下記化合物などがあげられる。
Figure 2010270162
Figure 2010270162
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Figure 2010270162
Figure 2010270162
Figure 2010270162
また、WO2007/114112記載の下記化合物などもあげられる。
Figure 2010270162
また、特開2007−217667記載の下記化合物などもあげられる。
Figure 2010270162
さらには、
Figure 2010270162
Figure 2010270162
などもあげられる。市販品としては、チバスペシャリティケミカルズ製 商品名チヌビン400、チヌビン460、チヌビン477などがあげられる。これらは単独で使用しても、2種以上を混合してもよい。
上記の中でも、熱安定化効果が高いと想定されることから、置換または無置換のヒドロキシフェニル基を2個以上有するものが好ましいと考えられる。トリアジン系化合物が2種以上の混合物である場合も、1種あたりのヒドロキシフェニル基の個数が多いものが好ましいと考えられる。
また、高温での成形時に副反応が少ないことから、ヒドロキシフェニル基の置換基としては、反応性官能基が少ないことが好ましいと考えられる。
以上のことから、上述したトリアジン系化合物の中では、上記式(7)、(8)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(17)が好ましいと考えられ、上記式(7)、(8)、(11)、(12)、(13)の構造を持つものが特に好ましいと考えられる。
また、トリアジン系化合物は、1%熱減量温度が340℃以上であることが好ましく、350℃以上であることがより好ましく、360℃以上であることがさらに好ましく、380℃以上であることが特に好ましい。340℃未満であると加工温度と近くなることから、揮発する場合が多く好ましくない。上限は特に制限されないが、取り扱いと物性のバランスから500℃以下が好ましい。ここで、1%熱減量温度とは熱減量(重量%)が1%になるとき(もともとの重量を100重量%とすると99重量%となるとき)の温度のことであり、具体的には、トリアジン化合物15mgを用いて、熱重量測定装置(TGA、株式会社島津製作所製TGA−50型)で、窒素雰囲気下、10℃/分で室温から昇温し、熱減量(重量%)が1%になるときの温度のことである。
本発明のトリアジン系化合物はアクリル系樹脂100重量部に対して、(B)トリアジン系化合物0.01〜0.20重量部であることが好ましく、0.05〜0.15重量部であることがより好ましい。
トリアジン系化合物の量が上記範囲内であれば、光学用フィルムの熱劣化に起因する欠陥を少なくすることができ、透明性を高いものとすることができる。
一方、トリアジン系化合物が0.01重量部より少ないと熱劣化によるフィルム欠陥が増え、0.20重量部より多いと特に短波長領域(380〜400nm)、での光線透過率が低下する傾向がある。
本発明のトリアジン系化合物は必要に応じ、他の一般的な熱安定剤と併用することが出来る。併用する熱安定剤としては特に限定されないが、リン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、及びチオエーテル系化合物を好適に用いることが出来るこの中で特にリン系熱安定剤を好適に用いることが出来る。
前記リン系化合物としては、リン酸およびそのアルキルエステル類であれば特に制限はないが、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト等を挙げることができる。
前記ヒンダードフェノール系化合物としては、フェノール性水酸基を含む化合物であれば特に制限はないが、例えば、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−メチル−2'−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(3',5'−ジ−t−アミル−2'−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)メチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチル−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,5−ジ−t−ブチル−6−(3',5'−ジ−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)メチルフェニルアクリレート等を挙げることができる。
前記ラクトン系化合物としては、ラクトン環を含む化合物であれば特に制限はないが、例えば、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンを挙げることができる。
前記ヒンダードアミン系化合物としては、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル基を含む化合物であれば特に制限はないが、例えば、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]{(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)イミノ}]等を挙げることができる。
前記チオエーテル系化合物としては、チオエーテル基を含む化合物であれば特に制限はないが、例えば、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3'−チオプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3'−チオジプロピオネート等を挙げることができる。なお、上説したようなその他の熱安定剤を、本発明にかかる樹脂組成物に含有させる場合であっても、熱可塑性樹脂とトリアジン系化合物との配合比は、上説した範囲内とすることが好ましい。(その他の添加剤) 本発明にかかる光学用フィルムに含有されうるその他の添加剤としては、可塑剤、滑剤、およびフィラー等の従来公知の添加剤を挙げることができる。また、上説したアクリル系樹脂以外の樹脂もまた、その他の添加剤として含有させることができる。なお、その他の添加剤は、任意成分であり、本発明にかかる樹脂組成物は、これらのその他の添加剤を含まなくてもよい。
上記可塑剤には、いわゆる可塑剤に加えて、可撓性を有する高分子(可撓性高分子)等も含まれる。つまり、本明細書では、可塑剤、および可撓性高分子等を総称して、可塑剤と称する。
上記可塑剤は、特に限定されるものではなく、従来公知のあらゆる可塑剤を用いることができる。具体的には、例えば、アジピン酸ジ−n−デシル等の脂肪族二塩基酸系可塑剤やリン酸トリブチル等のリン酸エステル系可塑剤等を挙げることができる。
本発明にかかる樹脂組成物に上記可塑剤を含有させることにより、該樹脂組成物を成形してなるフィルムにおいて、機械的特性を向上させることができる。
一方、上記可塑剤の添加により、得られるフィルムのガラス転移温度が低下して耐熱性が損なわれたり、透明性が損なわれたりするといった問題が生じることがある。
したがって、本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物に上記可塑剤を含有させる場合、該熱可塑性樹脂組成物を成形してなるフィルムにおいて、フィルムの性能が妨げられない範囲で添加することが好ましい。
上記可塑剤の含有量は、具体的には、熱可塑性樹脂組成物において、20重量%以下とすることが好ましく、10重量%以下とすることが好ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。
上説したアクリル系樹脂以外の樹脂を、上記その他の添加剤として用いる場合、該樹脂は特に限定されるものではない。例えば、上説したアクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。中でも、上説したアクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有させることが好ましい。
なお、その他の添加剤として含有させる樹脂は、単一種を単独で用いてもよいし、複数種類の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
その他の添加剤として、上記樹脂を添加する場合、熱可塑性樹脂組成物における含有量は、1重量%〜30重量%とすることが好ましく、2重量%〜20重量%とすることがより好ましく、3重量%〜10重量%とすることがさらに好ましい。
一方、上記樹脂の含有量が上記範囲よりも多いと、上説したアクリル系樹脂およびトリアジン系化合物の性能が十分に発揮されなくなる傾向がある。一方、上記樹脂の含有量が上記範囲よりも少ないと、上記樹脂の添加効果が得られにくくなることがある。
上記フィラーは、特に限定されるものではなく、フィルムに用いられる従来公知のあらゆるフィラーを用いることができる。また、フィラーは、無機の微粒子であってもよいし、有機の微粒子であってもよい。
無機の微粒子であるフィラーとしては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、およびケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩微粒子、並びに炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、およびリン酸カルシウム等を挙げることができる。
有機の微粒子であるフィラーとしては、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、および架橋スチレン系樹脂等の樹脂微粒子を挙げることができる。
このようなフィラーを添加することにより、フィルムの滑り性を改善することができる。
上記フィラーの添加量は特に限定されるものではないが、本発明にかかるアクリル系樹脂組成物を成形して光学用フィルムとする場合、得られるフィルムの光学特性が著しく損なわない範囲とすることが好ましい。
一般的には、本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物において、上記フィラーの含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
なお、上説したようなその他の添加剤を、本発明にかかる樹脂組成物に含有させる場合であっても、アクリル系樹脂とトリアジン系化合物との配合比は、上説した範囲内とすることが好ましい。
(光学用フィルムおよびその製造方法)
本発明にかかる光学用フィルムとしては、位相差フィルムや偏光子保護フィルム、位相差発現機能を有する偏光子保護フィルム、光学補償機能を付与するコーティング材のベースフィルムなどを挙げることができる。本発明にかかる光学用フィルムは、上記に示した条件を満たすフィルムであればよいが、延伸されたフィルム、すなわち、延伸フィルムであることが好ましい。延伸フィルムによれば、機械的特性を向上させることができる。
なお、本発明にかかる光学用フィルムが延伸フィルムである場合、一軸延伸した一軸延伸フィルムであってもよいし、さらに延伸工程を組み合わせて行って得られる二軸延伸フィルムであってもよい。
本発明にかかる光学用フィルムが延伸フィルムである場合、その厚みは、特に限定されるものではないが、10μm〜200μmであることが好ましく、20μm〜150μmであることがより好ましく、30μm〜100μmであることがさらに好ましい。
フィルムの厚みが上記範囲内であれば、光学特性が均一で、ヘーズが良好な光学用フィルムとすることができる。
一方、フィルムの厚みが上記範囲を越えると、フィルムの冷却が不均一になり、光学的特性が不均一になる傾向がある。また、フィルムの厚みが上記範囲を下回ると、延伸倍率が過大になり、ヘーズが悪化する傾向がある。
本発明にかかる光学用フィルムは、膜厚40μmにおける波長380nmの光線透過率が30%以上であり、40%以上であることがより好ましい。
また、膜厚40μmにおける波長400nmの光線透過率は、80%以上であり、85%以上であることがより好ましい。400nmは可視光領域であり、特にこの波長での光線透過率は高いことが好ましい。
膜厚40μmにおける波長380nm及び400nmの光線透過率が、上記範囲内であれば、フィルムの無色透明性を高いものとすることができる。それゆえ、本発明にかかる光学用フィルムを、無色透明性が要求される用途に好適に用いることができる。
本発明にかかる光学用フィルムは、ヘーズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
本発明にかかる光学用フィルムのヘーズが上記範囲内であれば、フィルムの透明性を高いものとすることができる。それゆえ、本発明にかかる光学用フィルムを、透明性が要求される用途に好適に用いることができる。
本発明にかかる光学用フィルムは、全光線透過率が85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましい。
全光線透過率が、上記範囲内であれば、フィルムの透明性を高いものとすることができる。それゆえ、本発明にかかる光学用フィルムを、透明性が要求される用途に好適に用いることができる。
本発明にかかる光学用フィルムは、偏光子保護フィルムとして使用する場合、光学異方性が小さいことが好ましい。特に、フィルムの面内方向(長さ方向、幅方向)の光学異方性だけでなく、厚み方向の光学異方性についても小さいことが好ましい。換言すれば、面内位相差および厚み方向位相差がともに小さいことが好ましい。
より具体的には、面内位相差は原料フィルムに関しては、10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましく、3nm以下であることがさらに好ましい。また、面内位相差は延伸フィルムに関しては、10nm以下であることが好ましく、6nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。
また、厚み方向位相差は原料フィルムに関しては、50nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。また、厚み方向位相差は延伸フィルムに関しては、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
このような光学特性を有する構成とすれば、本発明にかかる光学用フィルムを、液晶表示装置の偏光板に備える偏光子保護フィルムとして好適に用いることができる。
フィルムの面内位相差が10nmを超えたり、厚み方向位相差が50nmを超えたりすると、本発明にかかる光学用フィルムを用いた偏光子保護フィルムを、液晶表示装置の偏光板として用いる場合、液晶表示装置においてコントラストが低下するなどの問題が発生する場合がある。
一方、本発明にかかる光学用フィルムを、位相差フィルムや位相差発現機能を有する偏光子保護フィルムなどに使用する場合には、光学異方性が大きい方が好ましい。
具体的には、光学フィルムの面内位相差(Re)が30〜100nmであり、かつ、厚み方向位相差(Rth)が50〜320nmであることが好ましい。光学フィルムの面内位相差は、より好ましくは40〜100nmである。厚み方向位相差は、より好ましくは100〜300nmである。光学フィルムの面内位相差が30nm以下の場合は、必要とする位相差を付与できないとの問題が発生する場合がある。
なお、面内位相差(Re)および厚み方向位相差(Rth)は、それぞれ、以下の式により算出することができる。
Re=(nx−ny)×d Rth=|(nx+ny)/2−nz|×d なお、上記式中において、nx、ny、およびnzは、それぞれ、面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率を表す。また、dはフィルムの厚さ、||は絶対値を表す。
また、本発明にかかる光学用フィルムは、偏光子保護フィルムとして使用する場合、配向複屈折の値が0〜0.1×10-3であることが好ましく、0〜0.01×10-3であることがより好ましい。
配向複屈折が上記範囲内であれば、環境の変化に対しても、成形加工時に複屈折が生じることなく、安定した光学的特性を得ることができる。
一方、一方、本発明にかかる光学用フィルムを、位相差フィルムや位相差発現機能を有する偏光子保護フィルムなどに使用する場合には、配向複屈折の値が1.0×10-3以上であることが好ましく、2.0×10-3以上であることがより好ましい。
なお、本明細書において、特にことわりのない限り、「配向複屈折」とは、熱可塑性樹脂のガラス転移温度より5℃高い温度で、100%延伸した場合に発現する複屈折が意図される。配向複屈折(△n)は、前述のnx、nyを用いて説明すると、△n=nx−ny=Re/dで定義され、位相差計により測定することができる。
本発明にかかる光学用フィルムは、光弾性係数の絶対値が、20×10-122/N以下であることが好ましく、10×10-122/N以下であることがより好ましく、5×10-122/N以下であることがさらに好ましい。
光弾性係数が上記範囲内であれば、本発明にかかる光学用フィルムを液晶表示装置に用いても、位相差ムラが発生したり、表示画面周辺部のコントラストが低下したり、光漏れが発生したりすることがない。
一方、光弾性係数の絶対値が20×10-122/Nより大きいと、本発明にかかる光学用フィルムを液晶表示装置に用いた場合、位相差ムラが発生したり、表示画面周辺部のコントラストが低下したり、光漏れが発生しやすくなったりする傾向がある。この傾向は、高温多湿環境下において、特に顕著となる。
なお、等方性の固体に外力を加えて応力(△F)を発生させると、一時的に光学異方性を呈し、複屈折(△n)を示すようになるが、本明細書において、「光弾性係数」とは、その応力と複屈折との比が意図される。すなわち、光弾性係数(c)は、以下の式により算出される。
c=△n/△F ただし、本発明において、光弾性係数はセナルモン法により、波長515nmにて、23℃、50%RHにおいて測定した値である。
本発明にかかる光学用フィルムは、必要に応じて、表面処理が施されていてもよい。具体的には、例えば、本発明にかかる光学用フィルムを、表面にコーティング加工等の表面加工を施したり、表面に別のフィルムをラミネートしたりして用いる場合、本発明にかかる光学用フィルムに表面処理を施すことが好ましい。
このような表面処理を施すことにより、本発明にかかる光学用フィルムと、コーティングまたはラミネートされる別のフィルムとの間の相互の密着性を向上させることができる。
なお、本発明にかかる光学用フィルムに対する表面処理の目的は、作用効果を目的とするものに限定されるものではない。つまり、本発明にかかる光学用フィルムは、その用途に関係なく、表面処理が施されていてもよい。
上記表面処理は、特に限定されるものではないが、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射およびアルカリ処理等を挙げることができる。中でも、コロナ処理であることが好ましい。
本発明にかかる光学用フィルムは、上説したような特性を有するため、そのまま最終製品として各種用途に用いることができる。また、上説したような各種加工を施すことにより、用途の幅を広げることができる。
本発明にかかる光学用フィルムの用途は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、カメラやVTR、プロジェクター用の撮影レンズやファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなどの映像分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤーなどの光ディスク用ピックアップレンズなどのレンズ分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤーなどの光ディスク用の光記録分野、液晶用導光板、偏光子保護フィルムや位相差フィルムなどの液晶ディスプレイ用フィルム、表面保護フィルムなどの情報機器分野、光ファイバ、光スイッチ、光コネクターなどの光通信分野、自動車ヘッドライトやテールランプレンズ、インナーレンズ、計器カバー、サンルーフなどの車両分野、眼鏡やコンタクトレンズ、内視境用レンズ、滅菌処理の必要な医療用品などの医療機器分野、道路透光板、ペアガラス用レンズ、採光窓やカーポート、照明用レンズや照明カバー、建材用サイジングなどの建築・建材分野、電子レンジ調理容器(食器)等に好適に用いることができる。
本発明にかかる光学用フィルムは、上説したように、光学的均質性、透明性等の光学特性に優れている。そのため、これらの光学特性を利用して、光学的等方フィルム、偏光子保護フィルムや透明導電フィルム等液晶表示装置周辺等の公知の光学的用途に特に好適に用いることができる。
また、本発明の光学用フィルムは、偏光子に貼り合わせて、偏光板として用いることができる。すなわち、本発明にかかる光学用フィルムは、偏光板の偏光子保護フィルムとして用いることができる。上記偏光子は、特に限定されるものではなく、従来公知の任意の偏光子を用いることができる。具体的には、例えば、延伸されたポリビニルアルコールにヨウ素を含有させて得た偏光子等を挙げることができる。
本発明の光学用フィルムは、上述のように偏光子保護フィルムとしても、位相差フィルムとしても用いることができるが、その特性から紫外線の曝露量が少ない部位に使用することがより効果を発揮するため好ましい。即ち、液晶及び2枚の偏光板を含む液晶表示装置を想定した場合、最表面に使用される偏光子保護フィルムが最も紫外線の曝露量が多いことから、最表面以外に使用されることが好ましい。
ここで、本発明にかかる光学用フィルムを製造する方法の一実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。つまり、本発明にかかる光学用フィルムを製造できる方法であれば、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。
具体的には、例えば、射出成形、溶融押出フィルム成形、インフレーション成形、ブロー成形、圧縮成形、紡糸成形、溶液流延成形、スピンコート成形等を挙げることができる。
中でも、溶剤を使用しない溶融押出法を用いることが好ましい。溶融押出法によれば、製造コストや溶剤による地球環境や作業環境への負荷を低減することができる。
以下、本発明にかかるフィルムの製造方法の一実施形態として、本発明にかかる光学用フィルムを溶融押出法により製造する方法について詳細に説明する。なお、以下の説明では、溶融押出法で成形されたフィルムを、溶液流延法等の他の方法で成形されたフィルムと区別して、「溶融押出フィルム」と称する。
本発明にかかる光学用フィルムを溶融押出法により成形する場合、まず、上述のアクリル系樹脂組成物を、押出機に供給し、該樹脂組成物を加熱溶融させる。
樹脂組成物は、押出機に供給する前に、予備乾燥することが好ましい。このような予備乾燥を行うことにより、押出機から押し出される樹脂の発泡を防ぐことができる。
予備乾燥の方法は特に限定されるものではないが、例えば、原料(すなわち、本発明にかかる樹脂組成物)をペレット等の形態にして、熱風乾燥機等を用いて行うことができる。
次に、押出機内で加熱溶融された樹脂組成物を、ギアポンプやフィルターを通して、Tダイに供給する。このとき、ギアポンプを用いれば、樹脂の押出量の均一性を向上させ、厚みムラを低減させることができる。一方、フィルターを用いれば、熱可塑性樹脂組成物中の異物を除去し、欠陥の無い外観に優れたフィルムを得ることができる。
次に、Tダイに供給された樹脂組成物を、シート状の溶融樹脂として、Tダイから押し出す。そして、該シート状の溶融樹脂を2つの冷却ロールで挟み込んで冷却し、フィルムを成膜する。
上記シート状の溶融樹脂を挟み込む2つの冷却ロールの内、一方は、表面が平滑な剛体性の金属ロールであり、もう一方は、表面が平滑な弾性変形可能な金属製弾性外筒を備えたフレキシブルロールであることが好ましい。
このような剛体性の金属ロールと金属製弾性外筒を備えたフレキシブルロールとで、上記シート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却して成膜することにより、表面の微小な凹凸やダイライン等が矯正されて、表面が平滑で厚みムラが5μm以下であるフィルムを得ることができる。
なお、本明細書において、「冷却ロール」とは、「タッチロール」および「冷却ロール」を包含する意味で用いられる。
上記剛体性の金属ロールとフレキシブルロールとを用いる場合であっても、何れの冷却ロールも表面が金属であるため、成膜するフィルムが薄いと、冷却ロールの面同士が接触して、冷却ロールの外面に傷が付いたり、冷却ロールそのものが破損したりすることがある。
そのため、上説したような2つの冷却ロールでシート状の溶融樹脂を挟み込んで成膜する場合、まず、該2つの冷却ロールで、シート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却し、比較的厚みの厚い原料フィルムを一旦取得する。その後、該原料フィルムを、一軸延伸または二軸延伸して所定の厚みのフィルムを製造することが好ましい。
より具体的に説明すると、厚み40μmの光学用フィルムを製造する場合、また、上記2つの冷却ロールで、シート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却し、一旦、厚み150μmの原料フィルムを取得する。その後、該原料フィルムを縦横二軸延伸により延伸させ、厚み40μmのフィルムを製造すればよい。
このように、本発明にかかる光学用フィルムが延伸フィルムである場合、本発明にかかる樹脂組成物を一旦、未延伸状態の原料フィルムに成形し、その後、一軸延伸または二軸延伸を行うことにより、延伸フィルムを製造することができる。
本明細書では、説明の便宜上、本発明にかかる樹脂組成物をフィルム状に成形した後、延伸を施す前のフィルム、すなわち未延伸状態のフィルムを「原料フィルム」と称する。なお、該原料フィルムもまた、本発明にかかる光学用フィルムの一実施形態であることを付言しておく。
原料フィルムを延伸する場合、原料フィルムを成形後、直ちに、該原料フィルムの延伸を連続的に行ってもよいし、原料フィルムを成形後、一旦、保管または移動させて、該原料フィルムの延伸を行ってもよい。
なお、原料フィルムに成形後、直ちに該原料フィルムを延伸する場合、フィルムの製造工程において、原料フィルムの状態が非常に短時間(場合によっては、瞬間的)しか存在しないことがありうる。
また、上記原料フィルムは、その後、延伸される場合、延伸されるのに充分な程度のフィルム状を維持していればよく、完全なフィルムの状態である必要はない。また、上記原料フィルムは、完成品である光学用フィルムとしての性能を有していなくてもよい。
原料フィルムを延伸する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の任意の延伸方法を用いればよい。具体的には、例えば、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸、及びこれらを逐次組み合わせた逐次二軸延伸等を用いることができる。
また、縦と横とを同時に延伸する同時二軸延伸方法を用いたり、ロール縦延伸を行った後、テンターによる横延伸を行う方法を用いたりすることもできる。
原料フィルムを延伸するとき、原料フィルムを一旦、延伸温度より0.5℃〜5℃、好ましくは1℃〜3℃高い温度まで予熱した後、延伸温度まで冷却して延伸することが好ましい。
上記範囲内で予熱することにより、原料フィルムの厚みを精度よく保つことができ、また、延伸フィルムの厚み精度が低下したり、厚みムラが生じたりすることがない。また、原料フィルムがロールに貼り付いたり、自重で弛んだりすることがない。
一方、原料フィルムの予熱温度が高すぎると、原料フィルムがロールに貼り付いたり、自重で弛んだりするといった弊害が発生する傾向にある。また、原料フィルムの予熱温度と延伸温度との差が小さいと、延伸前の原料フィルムの厚み精度を維持しにくくなったり、厚みムラが大きくなったり、厚み精度が低下したりする傾向がある。
なお、本発明にかかる樹脂組成物は、原料フィルムに成形後、延伸する際、ネッキング現象を利用して、厚み精度を改善することが困難である。したがって、本発明では、上記予熱温度の管理を行うことは、得られる光学用フィルムの厚み精度を維持したり、改善したりするためには重要となる。
原料フィルムを延伸するときの延伸温度は、特に限定されるものではなく、製造する延伸フィルムに要求される機械的強度、表面性、および厚み精度等に応じて、変更すればよい。
一般的には、DSC法によって求めた原料フィルムのガラス転移温度をTgとした時に、(Tg−30℃)〜(Tg+30℃)の温度範囲とすることが好ましく、(Tg−20℃)〜(Tg+20℃)の温度範囲とすることがより好ましく、(Tg)〜(Tg+20℃)の温度範囲とすることがさらに好ましい。
延伸温度が上記温度範囲内であれば、得られる延伸フィルムの厚みムラを低減し、さらに、伸び率、引裂伝播強度、および耐揉疲労等の力学的性質を良好なものとすることができる。また、フィルムがロールに粘着するといったトラブルの発生を防止することができる。
一方、延伸温度が上記温度範囲よりも高くなると、得られる延伸フィルムの厚みムラが大きくなったり、伸び率、引裂伝播強度、および耐揉疲労等の力学的性質が十分に改善できなかったりする傾向がある。さらに、フィルムがロールに粘着するといったトラブルが発生しやすくなる傾向がある。
また、延伸温度が上記温度範囲よりも低くなると、得られる延伸フィルムのヘーズが大きくなったり、極端な場合には、フィルムが裂けたり、割れたりするといった工程上の問題が発生したりする傾向がある。
上記原料フィルムを延伸する場合、その延伸倍率もまた、特に限定されるものではなく、製造する延伸フィルムの機械的強度、表面性、および厚み精度等に応じて、決定すればよい。延伸温度にも依存するが、延伸倍率は、一般的には、1.1倍〜3倍の範囲で選択することが好ましく、1.3倍〜2.5倍の範囲で選択することがより好ましく、1.5倍〜2.3倍の範囲で選択することがさらに好ましい。
延伸倍率が上記範囲内であれば、フィルムの伸び率、引裂伝播強度、および耐揉疲労等の力学的性質を大幅に改善することができる。それゆえ、厚みムラが5μm以下であり、さらに、ヘーズが1%以下である延伸フィルムを製造することができる。
また、本発明にかかる光学用フィルムにおいて、アクリル系熱可塑性樹脂とトリアジン系化合物との混合割合を上説した範囲で調整し、適切な延伸条件を選択することにより、ヘーズの増大を実質的に伴うことなく、厚みムラの小さなフィルムを容易に製造することができる。
本発明にかかる光学用フィルムは、必要に応じて、粘着剤等により別のフィルムをラミネートしたり、表面にハードコート層や光学補償機能を有する化合物等のコーティング層を形成させたりして用いることができる。
本発明にかかる光学用フィルムの表面にコーティング加工等の表面加工を施したり、表面に別のフィルムをラミネートしたりする場合、上記方法で製造した延伸フィルム(原料フィルムを本発明にかかる光学用フィルムとする場合には、該原料フィルム)に表面処理を施すことが好ましい。
なお、表面処理の種類については、上説した通りである。また、本発明にかかるフィルムにおいて、表面処理を施す場合、その表面処理の程度は特に限定されるものではないが、50dyn/cm以上であることが好ましく、50dyn/cm〜80dyn/cm以下であることがより好ましい。
このような程度の表面処理であれば、従来公知の表面処理設備を用いて表面処理を施すことができる。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
〔イミド化率の算出〕 1H−NMR BRUKER AvanceIII(400MHz)を用いて、樹脂の1H−NMR測定を行った。3.5から3.8ppm付近のメタクリル酸メチルのO−CH3プロトン由来のピークの面積Aと、3.0から3.3ppm付近のグルタルイミドのN−CH3プロトン由来のピークの面積Bより、次式で求めた。
Im%=B/(A+B)×100 なお、ここで、「イミド化率」とは全カルボニル基中のイミドカルボニル基の占める割合をいう。
〔ガラス転移温度〕 アクリル系樹脂10mgを用いて、示差走査熱量計(DSC、株式会社島津製作所製DSC−50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定し、中点法により決定した。
〔酸価〕 ジクロロメタン37.5mlにアクリル系樹脂のペレット0.3gを溶解させ、メタノール37.5mlを添加した。この溶液に1wt%フェノールフタレインエタノール溶液を2滴添加し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液5mlを添加して1時間攪拌した。この溶液に0.1N塩酸を滴下して溶液の赤紫色が消失するまでの0.1N塩酸の滴下量(Aml)を測定した。 次に、ジクロロメタン37.5mlとメタノール37.5mlの混合液に1wt%フェノールフタレインエタノール溶液を2滴添加した。これに0.1N水酸化ナトリウム水溶液5mlを添加して1時間攪拌した。この溶液に0.1N塩酸を滴下して溶液の赤紫色が消失するまでの0.1N塩酸の滴下量(Bml)を測定した。 樹脂中に残存する酸成分(カルボキシル基および酸無水物基由来のモノ)の割合を酸価Cmmol/gとし、次式で求めた。 C=0.1×((5−A−B)/0.3) また、反応が定常状態に到達後から1時間の間に、10分毎にサンプリングしたペレットの中に残存する酸成分の割合の最大値と最小値の差をバラツキと定義した。
[トリアジン系化合物の1%熱減量温度の測定]トリアジン化合物15mgを用いて、熱重量測定装置(TGA、株式会社島津製作所製TGA−50型)で、窒素雰囲気下、10℃/分で室温から昇温し、熱減量(重量%)が1%になるときの温度を測定した。
〔熱減量測定〕 アクリル系樹脂とトリアジン系化合物を含有する樹脂15mgを用いて、熱重量測定装置(TGA、株式会社島津製作所製TGA−50型)で、空気雰囲気下、290℃に加熱し90分経過した時点での熱減量(重量%)を測定した。
〔光線透過率〕 光線透過率は紫外可視分光光度計(日本分光、V−560)を用いて380nm及び400nmの透過率を測定することにより評価した。
〔フィルム外観評価〕 得られたフィルムから縦210mm、横300mmのサイズの試験片を切り出し、暗室にてデスクスタンド(ナショナル製SQ948H、蛍光灯27W)の光を照射しながら、目視で観察されるフィルム欠陥の周囲を油性ペンでチェックした。次いで、倍率50倍の透過型光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープ(VH−Z75)、株式会社キーエンス製)でチェックした欠陥を観察した。上記観察をフィルムの両面について行い、欠陥の総数、種類を測定した。樹脂の熱劣化に起因する樹脂由来欠陥と、トリアジン系化合物のブリードアウトによりロールが汚染されることに由来する欠陥、さらに、一般異物による欠陥とを見分けるのに、倍率50倍以上の透過型光学顕微鏡で観察したときの欠陥の色で判断した。熱劣化に起因する欠陥は、黄色および無色透明である。樹脂由来欠陥は数を数えた。ロールが汚染されることに由来する欠陥数は、欠陥数が非常に多いものを×、欠陥数が数個みられるものを○、欠陥数がないものを◎とした。
〔製造例1〕 原料の樹脂としてメタクリル酸メチル重合体(Mw:10.5万)、イミド化剤としてモノメチルアミンを用いて、イミド化樹脂を製造した。
使用した押出機は口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機である。押出機の各温調ゾーンの設定温度を230〜250℃、スクリュー回転数は150rpmとした。原料樹脂を2kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルから樹脂に対して2重量部のモノメチルアミン(三菱ガス化学株式会社製)を注入した。反応ゾーンの末端にはリバースフライトを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンをベント口の圧力を−0.092MPaに減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することにより、イミド化樹脂(I)を得た。
次いで、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機にて、押出機各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpmとした。ホッパーから得られたイミド化樹脂(I)を1kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルから樹脂に対して0.8重量部の炭酸ジメチルと0.2重量部のトリエチルアミンの混合液を注入し樹脂中のカルボキシル基の低減を行った。反応ゾーンの末端にはリバースフライトを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰の炭酸ジメチルをベント口の圧力を−0.092MPaに減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化し、酸価を低減したイミド化樹脂(II)を得た。
さらに、イミド化樹脂(II)を、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機に、押出機各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpm、供給量1kg/hrの条件で投入した。ベント口の圧力を−0.095MPaに減圧して再び未反応の副原料などの揮発分を除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた脱揮したイミド樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することにより、イミド化樹脂(III)を得た。
なお、イミド化樹脂(III)は、上説の実施形態に記載した一般式(1)で表されるグルタミルイミド単位と、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル単位と、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位とが共重合したグルタルイミド樹脂に相当する。
イミド化樹脂(III)について、上記の方法に従って、イミド化率、ガラス転移温度および酸価を測定した。その結果、イミド化率は4モル%、ガラス転移温度は127℃、酸価は0.28mmol/gであった。
〔実施例1〕 製造例1で得られたイミド化樹脂(3)100重量部と、トリアジン系化合物として、1%熱減量温度が350℃であるTinuvin477(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)0.12重量部とを単軸押出機を用いてペレットにし、ペレット状の樹脂組成物を得た。このペレットの熱減量測定を行った。
このペレット状の樹脂組成物を、100℃で5時間乾燥後、40mmφ単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて270℃で押し出すことにより得られたシート状の溶融樹脂を冷却ロールで冷却して幅300mm、厚み130μmのフィルムを得た。このフィルムについて上記の方法に従ってフィルム外観評価を行った(表1)。
このフィルムについて、延伸倍率2 倍(縦・横)、ガラス転移温度より10 ℃ 高い温度で同時二軸延伸(株式会社東洋精機製 二軸延伸装置 X4HD)を行ない、二軸延伸フィルムを作成した。この二軸延伸フィルムについて、上記の方法に従って、波長380nmの光線透過率を測定した(表1)。
[実施例2] トリアジン系化合物をTINUVIN460(チバ・スペシャリティケミカルズ製)0.10重量部とした以外は、実施例1と同様にフィルムを作成した。結果を表1に示す。
[実施例3] トリアジン系化合物をTINUVIN400(チバ・スペシャリティケミカルズ製)0.20重量部とした以外は、実施例1と同様にフィルムを作成した。結果を表1に示す。
[実施例4] トリアジン系化合物として前記一般式(11)(WO2005/109052記載の化合物NO.18)で表される化合物0.10重量部とした以外は、実施例1と同様にフィルムを作成した。結果を表1に示す。
[比較例1] トリアジン系化合物を添加しなかった以外は、実施例1と同様にフィルムを作成した。結果を表1に示す。
[比較例2] トリアジン系化合物として、TINUVIN477を1.20重量部用いた以外は、実施例1と同様にフィルムを作成した。結果を表1に示す。
[比較例3] トリアジン系化合物を1.00重量部とした以外は、実施例4と同様にフィルムを作成した。結果を表1に示す。
[比較例4] トリアジン系化合物のかわりに、ヒンダードフェノール系化合物であるAO330(ADEKA製)0.10重量部を用いた以外は実施例1と同様にフィルムを作成した。結果を表1に示す。
Figure 2010270162

Claims (10)

  1. ガラス転移温度が110℃以上であるアクリル系熱可塑性樹脂と、トリアジン系化合物を含む光学用フィルムであって、アクリル系熱可塑性樹脂100重量部に対してトリアジン系化合物を0.01重量部以上、0.2重量部以下含有することを特徴とする光学用フィルム。
  2. トリアジン系化合物の1%熱減量温度が340℃以上であることを特徴とする請求項1記載の光学用フィルム。
  3. 膜厚40μmにおける380nmの光線透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の光学用フィルム。
  4. アクリル系樹脂が、ラクトン系樹脂、グルタル酸無水物系樹脂、グルタルイミド系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3に記載の光学用フィルム。
  5. 上記グルタルイミド樹脂が、下記一般式(1)で表される単位と、下記一般式(2)で表される単位とを含むことを特徴とする請求項4に記載の光学用フィルム。
    Figure 2010270162
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)
    Figure 2010270162
    (式中、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)
  6. 上記グルタルイミド樹脂が、下記一般式(3)で表される単位をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の光学用フィルム。
    Figure 2010270162
    (式中、R7は、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R8は、炭素数6〜10のアリール基である。)
  7. アクリル酸エステル単位が1重量%未満であることを特徴とする請求項5または6に記載の光学用フィルム。
  8. 延伸されたフィルムであることを特徴とする請求項1〜7に記載の光学用フィルム。
  9. 請求項1〜8に記載の光学用フィルムを用いてなることを特徴とする偏光子保護フィルム。
  10. 請求項9に記載の偏光子保護フィルムを少なくとも1枚含む偏光板。
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