JP2010265173A - 磁気ヘッド用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】
導電性付与剤を構成する導電性化合物粒子が焼結体中に均一に分散しておらず、磁気ヘッド用基板として放熱性が低く、磁気ヘッドに形成されたコイルから発熱した熱により磁気ディスクに保存された記録を破壊しやすい。
【解決手段】
主成分であるアルミナと、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、Wの群から選ばれる少なくとも1種以上の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる導電性化合物粒子からなる導電性付与剤とを含む焼結体からなり、磁気ヘッド用素子を形成するための主面を有する磁気ヘッド用基板であって、上記導電性化合物粒子が上記主面から深さ1mmまでの領域の主面に平行な面において分布密度5×10個/mm以上に分散していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高密度記録装置であるハードディスクドライブやテープドライブ等に用いられる磁気抵抗効果(MR)ヘッドや巨大磁気抵抗効果(GMR)ヘッド用の基板に関する。
近年、磁気記録の高密度化は急速に進んでおり、一般に記録再生用の磁気ヘッドとして磁性薄膜を利用した薄膜磁気ヘッドが使用されている。
かかる薄膜磁気ヘッドには、耐摩耗性、摺動面における表面平滑性及び機械加工性に優れることが要求されており、Al−TiC系セラミックスから成るセラミック基板上にアモルファスアルミナから成る絶縁膜をスパッタリング法により成膜し、表面に鏡面加工を施してABS(エア・ベアリング・サーフェイス)面を形成した後、磁気抵抗効果を用いたMR(Magnetro Resistive)素子(以下、MR素子と称す。)、或いはGMR(Giant Magnetro Resistive)素子(以下、GMR素子と称す。)を形成し、イオンミリング加工や反応性イオンエッチングによって溝加工を施したものが用いられている。
最近では、ハードディスクドライブ用のMR素子あるいはGMR素子を備えた磁気ヘッドの場合、記録密度を大きくするため、磁気ヘッドの浮上量(磁気ヘッドと記録媒体であるディスクとの隙間)が10nm程度と低浮上量になってきており、磁気ヘッドに形成されたコイルから発生した熱の影響が相対的に強くなり、磁気ディスクに保存された記録が破壊するという問題を生じている。
このような問題を解決するために、磁気ヘッド用基板を形成する材料として特許文献1〜3では、種々のセラミックスが提案されている。
特許文献1では0.5μm〜100μmの結晶粒子を有するAlの結晶粒内に粒子径2.0μm以下のTiN微粒子を分散させたアルミナ系複合セラミックスが提案されている。
また、特許文献2ではTiNを25〜10重量%を含み、Alの結晶粒内にTiN超微粒子が均一分散した、相対密度が96%以上、かつ比抵抗値が1×10〜5×10Ω・cmの範囲に制御された焼結体からなるアルミナ系複合セラミックスが提案されている。
また、特許文献3ではアルミナ粒子77〜96体積%と、炭化チタン、窒化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化ハフニウム、窒化ハフニウム、炭化ニオブ、窒化ニオブ、炭化タンタルおよび窒化タンタルからなる群から選ばれる1種以上の導電性化合物粒子4〜23体積%とを含み、アルミナ粒子と前記導電性化合物粒子の平均粒径がいずれも5μm以下であって、面抵抗率が10〜1010Ω/cmであるアルミナ系複合セラミックスが提案されている。
近年、このような磁気ヘッド基板に対し、要求される放熱性及び導電性は一段と高まる傾向にある。
特許2664759号公報 特開平8−119722号公報 特許3313380号公報
しかしながら、特許文献1で提案されたアルミナ系複合セラミックスは、高強度、高耐熱衝撃性の複合セラミックスであるものの、焼成温度が1500℃以上と高いために、TiN微粒子が十分均一に分散することなく凝集し、そのために放熱性が低く、磁気ヘッド基板として用いることができなかった。
また、特許文献2及び特許文献3で提案されたアルミナ系複合セラミックスは、高強度、高密度の複合セラミックスであるものの、特許文献1と同様、焼成温度が1550℃以上と高いために、導電性化合物粒子が十分均一に分散することなく凝集し、体積固有抵抗が高い上、放熱性も低くなり、磁気ヘッド基板として用いることができなかった。
特許文献1〜3で提案されたアルミナ系複合セラミックスは、いずれも磁気ヘッド用基板及びこの磁気ヘッド用基板から作製される磁気ヘッドとも放熱性が低く、磁気ヘッドに形成されたコイルから発熱した熱により磁気ディスクに保存された記録を破壊するという問題があった。
本発明は上述のような問題を解決するためになされたものであり、導電性を維持しつつ、放熱性を向上させ、安定した浮上量を保持できる磁気ヘッド用の基板を提供することを目的とする。
本発明の磁気ヘッド用基板は、主成分であるアルミナと、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、Wの群から選ばれる少なくとも1種以上の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる導電性化合物粒子からなる導電性付与剤とを含む焼結体からなり、磁気ヘッド用素子を形成するための主面を有する磁気ヘッド用基板であって、上記主面から深さ1mmまでの領域の主面と平行な面において上記導電性化合物粒子が分布密度5×10個/mm以上で分散していることを特徴とするものである。
また、上記アルミナを70〜90質量%、導電性付与剤を10〜30質量%の範囲とするとともに、上記導電性化合物粒子の平均結晶粒径を10〜200nmであることを特徴とするものである。
さらに、上記導電性化合物粒子が、楔形形状の粒子を含むことを特徴とするものである。
またさらに、熱伝導率が22W/(m・k)以上とすることを特徴とするものである。
さらにまた、抗折強度が550MPa以上とすることを特徴とするものである。
本発明の磁気ヘッド用基板によれば、主成分であるアルミナと、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、Wの群から選ばれる少なくとも1種以上の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる導電性化合物粒子からなる導電性付与剤とを含む焼結体からなり、磁気ヘッド用素子を形成するための主面を有する磁気ヘッド用基板であって、上記主面から深
さ1mmまでの領域の主面と平行な面において上記導電性化合物粒子が分布密度5×10個/mm以上で分散していることから、磁気ヘッドにした場合に導電性を維持しつつ、放熱性を良好なものとすることができる。
また、本発明の磁気ヘッド用基板によれば、アルミナを70〜90質量%、導電性付与剤を10〜30質量%の範囲とするとともに、上記導電性化合物粒子の平均結晶粒径を10〜200nmとすることで、さらに導電性良好な磁気ヘッドを得ることができる。
さらに、本発明の磁気ヘッド用基板によれば、導電性化合物粒子が楔形形状の粒子を含むことで、磁気ヘッドを作製する際、アルミナ粒子に対する導電性化合物粒子のアンカー効果により、アルミナ粒子、導電性化合物粒子とも脱粒が防止できる。
さらにまた、本発明の磁気ヘッド用基板によれば、熱伝導率を22W/(m・k)以上の磁気ヘッド用基板とすることで、磁気ヘッドに形成されたコイルから発生した熱を速やかに排熱することができるため、磁気ディスクに保存された記録は破壊されずに済む。
また、本発明の磁気ヘッド用基板によれば、抗折強度を550MPa以上の磁気ヘッド用基板とすることで、マイクロクラックを防止することができ、その結果、脱粒が起こらないため良好なCSS特性を有する磁気ヘッドを得ることができる。
本発明の磁気ヘッド用基板の組織構造を示す模式図である。 楔形形状の導電性化合物粒子の模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の磁気ヘッド用基板は、主成分であるアルミナと、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、Wの群から選ばれる少なくとも1種以上の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる導電性付与剤とを含む焼結体からなり、磁気ヘッド用素子を形成するための主面を有するものであり、図1に示すように、上記アルミナの結晶層1に、導電性付与剤と
して、炭化チタン、窒化チタン、炭窒化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化ハフニウム、窒化ハフニウム、炭化ニオブ、窒化ニオブ、炭化タンタル、窒化タンタル、炭化クロム、窒化クロム、炭化モリブデン、窒化モリブデンからなる群から選ばれる1種以上の導電性化合物粒子2が分散しているものである。
本発明では、上記導電性化合物粒子2が磁気ヘッド用基板の主面から深さ1mmまでの領域で、主面に平行な面において分布密度5×10個/mm以上に分散していることが重要である。
これは、アルミナの有する機械的強度、耐摩耗性及び耐熱性を保持したまま、導電性化合物粒子により速やかに電荷を除去することができる。
これは、導電性化合物粒子2が均一に分散する状態を、本発明では磁気ヘッド用基板をなす焼結体の主面から深さ1mmまでの領域で、主面に平行な面において分布密度5×10個/mm以上で示したものであり、分布密度が5×10個/mm以上とは、例えば主面上の20μm×20μmの面において、導電性化合物粒子2が200個以上存在する状態をいい、走査型電子顕微鏡で撮影した倍率7000倍〜10000倍の写真から求めることができる。また、隣り合う導電性化合物粒子の間隔についても分布密度と同様、走査型電子顕微鏡で撮影した倍率7000倍〜10000倍の写真から求めることがで
きる。
なお、上記分布密度を5×10個/mm以上としたのは、個々の導電性化合物粒子2は放熱性も良好であるため、分布密度を5×10個/mm以上と高くすることで焼結体全体として放熱性を高めることができるからである。また、分布密度を測定する領域を主面から深さ1mmまでの領域で、主面に平行な面としたのは、磁気ヘッドとした際に磁気ヘッド素子が形成される主面の放熱性が、磁気ヘッドの浮上量等に作用するため、主面側の面とした。この測定する面はこの領域内であれば主面でも断面でもよく、範囲は20μm×20μmとすることで十分に導電性化合物粒子2の分散を確認することができる。
また、この領域において、隣り合う導電性化合物粒子2の間隔を2μm以下とすることがより好ましい。この間隔を2μm以下にすることで隣り合う導電性化合物粒子2間で放電が順次発生し、焼結体全体として良好な導電性を維持することができるからである。さらに、上記分布密度を1×10個/mm以上とすることがより好ましく、またさらに、導電性化合物粒子2の間隔を1.5μm以下とすることが好ましい。
また、上記アルミナを70〜90質量%、導電性付与剤を10〜30質量%の範囲とするとともに、上記導電性化合物粒子2の平均結晶粒径が10〜200nmとすることが好ましい。
これにより、導電性化合物粒子2の平均結晶粒径が非常に小さいため、磁気ヘッド用基板全体にわたって抵抗値を均一にすることができ、同時に体積固有抵抗を1〜10Ω・cmの範囲とすることができる。
上記アルミナ及び導電性化合物粒子2を上記範囲としたのは、導電性化合物粒子2が10量%未満ではスライシング加工等機械加工における耐チッピング性や電荷の除去速度が低下したりする場合があるからであり、30質量%を超えると、表面品位は向上するものの、磁気ヘッドに組み立てた場合、磁気ディスクとの接点が増えるため、磁気ヘッドとしての摺動特性が低下しやすくなるからである。特に、上記アルミナは70〜85質量%、導電性付与剤を15〜30質量%とすることが好適である。
また、上記導電性化合物粒子2が、楔形形状の粒子を含むことが好ましく、導電性化合物粒子2が球形あるいは球形に類似した形状に比べ、アルミナを主成分とする結晶層に対して導電性化合物粒子2がアンカーとして機能するため、導電性化合物粒子2が脱落しにくくなり、より耐摩耗性に優れた磁気ヘッド用基板とすることができる。
ここで、楔形形状の粒子とは、暴露面を走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察した場合、図2に示されるように導電性化合物粒子の輪郭線によって形成される交差角θ(n=1,2,・・・)が90°未満の角度を少なくとも1個以上有する粒子をいう。特に、交差角θを60°以下とすることでさらに脱粒しにくくすることができる。
なお、楔形形状の粒子は、最小となる交差角θが磁気ヘッドの浮上面に対し、垂直方向に位置することが最も高いアンカー効果が得られるため好ましいが、これに限定されるものではない。
さらに、本発明の磁気ヘッド用基板は、熱伝導率が22W/(m・k)以上であることが好ましい。熱伝導率を22W/(m・k)以上とすることで、磁気ヘッドの浮上量が数nmとなり、磁気ディスクに保存された記録がコイルから発生した熱の影響を受けやすい状態となっても、この熱を速やかに排熱きるため、磁気ディスクに保存された記録は破壊
されずに済むからである。熱伝導率は、JIS R 1611−1997に準拠して測定することができる。
またさらに、抗折強度が550MPa以上であることが好ましい。抗折強度を550MPa以上とすることでマイクロクラックを防止することができ、その結果、脱粒が起こらないため良好なCSS特性を有する磁気ヘッドを得ることができるからである。抗折強度は、JIS R 1601−1995に準拠して3点曲げ強度で評価することができる。
次に、本発明の磁気ヘッド用基板の製造方法について説明する。
本発明の磁気ヘッド用基板を得るには、平均粒径0.3〜0.7μmのアルミナ粉末70〜90質量%と平均粒径10〜60nmの導電性化合物粉末10〜30質量%を調合して調合原料とし、ボールミル、振動ミル、コロイドミル、アトライター、高速ミキサー等で均一に混合する。また、焼結を促進してより緻密にするために、上記調合原料に対しYb、Y、MgOの少なくともいずれか1種を0.1〜0.2質量%加えてもよい。
アルミナ粉末の平均粒径を0.3〜0.7μmとしたのは、アルミナの平均粒径が0.7μmを超えると、焼結体の緻密化が不十分となり、強度不足となるからであり、0.3μm未満では成形性が低下しやすく、そのため焼結における制御も難しくなるからである。
アルミナ粉末の平均粒径を0.3〜0.7μmとすることで、緻密化は促進され、磁気ヘッド用基板として必要な強度を容易に得ることができる。
また、導電性化合物粉末の平均粒径を10〜60nmとしたのは、平均粒径が10nm未満では、導電性化合物粉末の凝集力が強過ぎるため、凝集体が形成されやすくなるからであり、60nmを超えると、低温での焼結性が悪化する傾向にあるからである。導電性化合物粉末の平均粒径を10〜60nmとすることで、凝集体が形成されず、低温での焼結性も良好な磁気ヘッド用基板を得ることができる。
なお、上記アルミナ粉末、導電性化合物の粉末の各平均粒径は液相沈降法、光投下法、レーザー散乱回折法等により測定することができる。
次に、調合原料に結合剤、分散剤等成形助剤を添加して均一に混合した後、転動造粒機、スプレードライヤー、圧縮造粒機、押し出し造粒機等各種造粒機を用いて顆粒にする。
その後、得られた顆粒を乾式加圧成形、冷間等方静水圧成形等の成形手段で所望の形状に成形して成形体とした後、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、真空等の非酸化雰囲気中、1220〜1480℃で加圧焼結することで本発明の磁気ヘッド用基板とすることができる。
ここで、加圧焼結温度は1220〜1480℃とすることが重要で、1220℃未満では、十分焼結させることができないからであり、1480℃を超えると、導電性化合物粒子が凝集しやすく、導電性化合物粒子が本来備えている機能を十分に発揮することができないからである。加圧焼結温度を1220〜1480℃とすることで、導電性化合物粒子を均一に分散することができるとともに、その分布密度が5×10個/mm以上であって、隣り合う導電性化合物粒子の間隔を2μm以下とすることができる。
なお、導電性化合物粒子の一部を楔形形状にするためには、ある程度凝集させることで
その形状が得られるため、加圧焼結温度を1300℃以上にすればよい。
また、焼結方法のうち、加圧焼結を選択したのは、緻密化を促進し、磁気ヘッド用基板として求められる強度を得るためであり、加圧力は30MPa以上とすることが好適である。
また、炭素質材料を含む遮蔽材を上記成形体の周囲に配置して加圧焼結することが好適である。このようにすることで、導電性化合物粒子が酸化物粒子に変質することを防止でき、機械的特性の優れた磁気ヘッド用基板とすることができるからである。
以下、本発明の実施例を説明する。
先ず、アルミナ粉末、導電性化合物の粉末及び成形用結合剤及び分散剤を均一に混合し、スラリーを作製した。このスラリーを噴霧乾燥機に投入し、顆粒とした後、乾式加圧成形にて成形体を得た。次に、この成形体を所定の金型に配置し、窒素雰囲気中で加圧焼結して、厚み2mm、直径152mm(6インチ)の磁気ヘッド用基板を作製した。
なお、上述の方法で用いたアルミナ粉末、導電性化合物粉末の平均粒径及び比率、導電性化合物の種類、焼結方法及び焼成温度は、表1に示す通りである。
得られた試料については、走査型電子顕微鏡を用い、試料の各評価項目に応じて、倍率20〜800倍あるいは300〜5000倍の中から最適な倍率を選択して、試料の主面のうち20μm×20μmの面の導電性化合物粒子の分布密度、隣り合う導電性化合物粒子の間隔及び粒子の形状を評価した。
また、上記試料の体積固有抵抗、熱伝導率及び抗折強度についてはJIS C 2141−1992、JIS R 1611−1997及びJIS R 1601−1995に準拠して測定した。
Figure 2010265173
表1に示す通り、導電性化合物粒子の分布密度が5×10個/mm未満の試料(No.1,3〜5,7,15,16,18,19,21)は、導電性化合物粉末の凝集力が強過ぎるため、均一に分散されることなく、体積固有抵抗は高く、熱伝導率は低かった。
この中で、試料No.1は、アルミナ粉末の平均粒径が0.3μm未満であるため、アルミナ粉末自体の分散性が悪くなり、その結果成形体としての保形性が悪く、焼結させることができなかった。試料No.7は加圧焼結温度が1220℃未満であったため、また、試料No.16は常圧焼結を用いたために焼結させることができなかった。試料No.15は加圧焼結温度が1480℃を超えていたため、導電性化合物粒子が凝集し、体積固有抵抗が高く、熱伝導率は低かった。また、試料No.18,19は導電性化合物の粉末が60μmより大きいために、導電性化合物粒子の分布密度は5×10個/mm未満と低く、また、試料No.20はアルミナ粉末の平均粒径が0.7μmより大きいために、導電性化合物粒子の間隔は2μmを超え、いずれの試料も体積固有抵抗が高く、熱伝導率は低かった。
一方、本発明の試料No.2,6,8〜14,17,20,22〜37は、導電性化合物粒子の分布密度が5×10個/mm以上であるため、体積固有抵抗は90Ω・cm以下と低く、熱伝導率、抗折強度ともそれぞれ22W/(m・K)以上、540MPa以上と高いことが判った。
特に、アルミナ粒子70〜90質量%と、上記導電性化合物粒子10〜30質量%とから構成され、導電性化合物粒子の平均結晶粒径が10〜200nmである試料No.2,8,10〜12,22〜37は、体積固有抵抗が10Ω・cmとさらに低いことが判った。
1:Alを主成分とする結晶
2:導電性化合物粒子

Claims (5)

  1. 主成分であるアルミナと、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、Wの群から選ばれる少なくとも1種以上の炭化物、窒化物または炭窒化物からなる導電性化合物粒子からなる導電性付与剤とを含む焼結体からなり、磁気ヘッド用素子を形成するための主面を有する磁気ヘッド用基板であって、上記主面から深さ1mmまでの領域の主面と平行な面において上記導電性化合物粒子が分布密度5×10個/mm以上で分散していることを特徴とする磁気ヘッド用基板。
  2. 上記アルミナを70〜90質量%、導電性付与剤を10〜30質量%の範囲とするととともに、上記導電性化合物粒子の平均結晶粒径が10〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  3. 上記導電性化合物粒子が、楔形形状の粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ヘッド用基板。
  4. 上記焼結体の熱伝導率が22W/(m・k)以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ヘッド用基板。
  5. 上記焼結体の抗折強度が550MPa以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁気ヘッド用基板。
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