JP2010264219A - 移動棚用安全装置および移動棚 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源装置を備えていない手動式移動棚にも容易に組み込むことができる移動棚用安全装置および移動棚を得る。
【解決手段】安全バー8に外力が加わることによって移動すべく構成された受動部材12と、長さ方向の一端部を支点として揺動可能に支持され受動部材12が連係していて受動部材12との連係部を力点とするレバーと、レバーの他端部を作用点としてこの作用点に連係しレバーの揺動と共に移動するストッパ部14と、ストッパ部14、レバー、受動部材12を原位置に復帰させる付勢部材と、を備え、ストッパ部14は、付勢部材の付勢力によって移動しているときは移動棚の車輪6および車輪6をガイドするレール7から離間し、安全バー8が作動したときは受動部材12、レバー、ストッパ部14が付勢部材の付勢力に抗して移動し車輪6およびレール7に接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気的に動作するアクチュエータの類を必要とせず、機械的な構成のみで動作するようにして、手動で駆動する移動棚にも簡単に装着することができる移動棚用安全装置およびこの安全装置を備えた移動棚に関するものである。
移動可能な複数の棚を集合、離散可能に配置し、物品などの出し入れが必要な棚の物品出し入れ面(以下、この面を「前面」または「間口面」という)にのみ作業通路を形成するようにした移動棚装置がある。移動棚装置を構成する個々の移動棚は、それ自体でかなりの重量があり、これに書籍その他の物品を収納した状態では、相当重い重量になる。したがって、一旦移動し始めると大きなエネルギーをもつことになり、人力で移動棚を直接押し止めようとしても止めることは困難である。そこで、例えば、電動式移動棚においては、移動棚の前面に形成されている作業通路に入って物品出し入れ作業などを行っているとき、移動棚が接近してきたとしても、移動棚の台枠前面に設けられている安全バーに作業者が接触すると、安全バーの機械的な動作でスイッチなどを作動させて電気信号に変換し、この電気信号を移動棚の制御回路に入力してモータの駆動を停止し、移動棚を緊急停止させて安全を確保するようにした安全装置を備えたものがある。この安全装置は、人体のみでなく、移動棚の移動通路内に異物が存在する場合も、この異物に安全バーが接触することにより動作して移動棚を緊急停止させるようになっている。
移動棚には、回転ハンドルを人力により回転操作して、あるいは人力により直接押してまたは引いて移動させる手動式移動棚と、移動指令スイッチの操作によって正逆回転するモータの駆動力により移動させる電動式移動棚がある。手動式移動棚においては、電源を備えていないため、電動式移動棚に備えられているような安全バーの動作に基づき電気的な制御によって移動棚を緊急停止させるようにした安全装置を組み込むことはできない。
上記のような安全バーが装着されていなくても、移動棚間に形成されている通路を一定の幅以下に狭めることができないように、通路閉塞防止バーを備えた移動棚がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の発明は、移動棚の支柱に、この支柱に沿った起立状態と支柱に対しほぼ直角をなして移動棚の前面から突出した倒伏状態とをとり得る通路閉塞防止バーを取り付け、通常は通路閉塞防止バーを起立状態に保持し、地震の発生を感知すると、アクチュエータを作動させて通路閉塞防止バーを倒伏させるように構成されている。通路閉塞防止バーは、これを手動により倒伏させることもでき、通路閉塞防止バーが倒伏している状態では、移動棚間の作業通路が少なくとも通路閉塞防止バーの長さ分は確保され、仮にその作業通路に人が入っていたとしても、移動棚間に人や物品が挟まれることが防止される。
しかしながら、特許文献1に記載されているような通路閉塞防止バーを備えた移動棚については、以下のような改良すべき点が指摘されている。
(1)通路閉塞防止バーの長さは450mm程度であって、通常の作業通路幅の50%程度であり、それ以上の長さにすると、通路閉塞防止バーとしての機能を果たすには強度が不足し、あるいは動作の迅速性、操作性が低下する。
(2)地震の発生によって通路閉塞防止バーが倒伏した状態で通路から脱出しようとするとき通路閉塞防止バーが邪魔になる。
(3)手動による通路閉塞防止バーの場合、通路を形成するたびに通路閉塞防止バーをいちいち倒伏させるのが煩わしく、通常、使用されていないのが現状である。
(4)手動式移動棚において、アクチュエータを作動させて通路閉塞防止バーを倒伏させるように構成した場合、別途に電源装置、感震装置、感震装置の検出信号に基づき通路閉塞防止バーを作動させる制御手段を備えなければならない。
特許第3271881号公報
本発明は、従来の移動棚における安全装置の問題点を改良し、移動棚の安全バーが作動すると、純機械的な動作で移動棚を緊急停止させることができるようにして、電源装置を備えていない手動式移動棚にも容易に組み込むことができる移動棚用安全装置および移動棚を提供することを主要な目的とする。
本発明はまた、移動棚の安全バーの作動によって迅速に移動棚を停止させることができる移動棚用安全装置および移動棚を提供することを目的とする。
本発明の他の形態は、既存の移動棚にも簡単に取り付けることができ、安全バーを付勢するばねの定数は小さくすることができ、移動棚の間口方向の幅ないしは長さが長くなっても安全装置の数を少なくすることができる移動棚用安全装置および移動棚を提供することを目的とする。
本発明のさらに他の形態は、部品数を少なくすること、さらに、必要な部品のほとんどをプレス成形によって製作することを可能にし、かつ、組み立てを容易にすることにより、手動式移動棚にも容易に組み込むことができる移動棚用安全装置およびこの安全装置を備えた移動棚を、低コストで提供することを目的とする。
本発明は、移動棚の下部に取り付けられ、上記移動棚の下部の前面に沿って横方向に伸びる安全バーが作動することにより移動棚の移動を停止させる移動棚用安全装置であって、上記安全バーと連係して上記安全バーに外力が加わることによって移動すべく構成された受動部材と、長さ方向の一端部を支点として揺動可能に支持され上記受動部材が連係していてこの受動部材との連係部を力点とするレバーと、上記レバーの他端部を作用点としてこの作用点に連係し上記レバーの揺動と共に移動するストッパ部と、上記ストッパ部、レバーおよび受動部材を原位置に復帰させる付勢部材と、を備え、上記ストッパ部は、上記付勢部材の付勢力によって移動しているときは移動棚の走行車輪およびレール部から離間し、上記安全バーが作動したときは上記受動部材、レバーおよびストッパ部が上記付勢部材の付勢力に抗して移動することにより上記走行車輪およびレール部に接するように構成されていることを最も主要な特徴とする。
本発明に係る移動棚用安全装置は、上記構成に以下のような構成を付加してもよい。
上記ストッパ部は、レバーの作用点に連結されたスライド部材と、このスライド部材に一体的に結合されて移動棚の走行車輪およびレール部に接離する楔形のストッパを備えているとよい。
移動棚の台枠に取り付けるべき台枠固定基板をさらに有し、この台枠固定基板に受動部材、レバーおよびストッパ部が取り付けるとよい。
レバーの力点は、レバーの長さ方向において、支点と作用点の間に設けるとよい。
さらに、レバーの支点から力点までの距離は、レバーの力点から作用点までの距離よりも短くするとよい。
本発明の他の形態に係る移動棚用安全装置は、台枠固定基板、受動部材、レバー、ストッパ部のスライド部材をそれぞれ成形品とし、上記台枠固定基板は、上記受動部材、レバー、スライド部材を保持するとともにこれらの部材の動きをガイドするガイド部を備え、上記台枠固定基板による上記レバーの長さ方向一端部の保持部を支点とし、上記受動部材とレバーを相対回転可能に連結してこの連結部を力点とし、上記レバーの長さ方向他端部と上記スライド部材を相対的な姿勢を変更可能に連係してこの連係部を作用点としたものである。
本発明に係る移動棚は、移動棚の下部前面に沿って横方向に伸びるとともに上記台枠に揺動可能に掛け止められていて外力が加わることによって揺動する安全バーと、上記安全バーが外力で揺動することにより作動して移動棚の移動を停止させる安全装置と、を備え、手動によって移動させられる移動棚であって、上記安全装置は本発明に係る安全装置であることを特徴とする。
上記安全バーは、移動棚の前面に沿って複数個配置し、複数個の安全バーをつなぎ部材により一体に連結して横方向に伸ばすとよい。
移動棚の安全バーに外力が加わって作動すると、受動部材が移動し、レバーの力点が移動する。レバーの長さ方向一端部は支点、他端部は作用点となっているため、上記力点の移動量よりも作用点の移動量が多くなり、上記作用点に連係しているストッパ部が迅速に移動する。このストッパ部の移動は付勢部材の付勢力に抗した移動であり、このストッパ部の移動によりストッパ部が走行車輪およびレール部に接し、ストッパ部が走行車輪の回転を止めて移動棚が直ちに停止する。
このように、純機械的な構成により安全バーの動作で移動棚を緊急停止させることができるため、電源装置を備えていない手動式移動棚に容易に組み込むことができる。
上記安全装置はユニット化するとよい。このユニット化した安全装置は、移動棚の下部に取り付けるだけでよいため、既存の移動棚にも容易に取り付けることができる。
レバーの力点を、レバーの長さ方向において、支点と作用点の間に設け、さらには、レバーの支点から力点までの距離を、レバーの力点から作用点までの距離よりも短くすれば、力点の移動量に対し作用点の移動量を拡大することができ、安全バーがわずかに作動しても移動棚を迅速に停止させることができる。
台枠固定基板、受動部材、レバー、ストッパ部のスライド部材をそれぞれ成形品とし、上記台枠固定基板は、上記受動部材、レバー、スライド部材を保持するとともにこれらの部材の動きをガイドするガイド部を備え、上記台枠固定基板による上記レバーの長さ方向一端部の保持部を支点とし、上記受動部材とレバーを相対回転可能に連結してこの連結部を力点とし、上記レバーの長さ方向他端部と上記スライド部材を相対的な姿勢を変更可能に連係してこの連係部を作用点とすることにより、部品点数が少なく、部品の加工および組立も簡単で、純機械的に動作する移動棚用安全装置を低コストで提供することができる。
本発明に係る移動棚用安全装置および移動棚の実施例の要部を示す一部断面側面図である。 上記実施例の要部を示す正面図である。 上記実施例に係る移動棚の安全バーを示す縦断面図である。 上記実施例における安全装置の部分を示す側面図である。 上記実施例における安全装置の部分を示す平面図である。 上記安全装置の動作態様を示す平面図である。 上記安全装置の一部を省略して示す正面図である。 上記実施例に係る移動棚の安全バーの連結構造部分を示す縦断面図である。 上記安全バーの連結構造部分の背面図である。 本発明に係る移動棚用安全装置および移動棚の他の実施例の要部を示す一部断面図である。 上記実施例の要部を示す正面図である。 本発明に係る移動棚用安全装置の移動棚への各種配置例を示す底面図である。 本発明に係る移動棚用安全装置のさらに他の実施例を示す平面図である。 上記実施例に係る移動棚用安全装置が作動した態様を示す平面図である。 上記実施例の正面図である。 上記実施例の左側面図である。
以下、本発明に係る移動棚用安全装置および移動棚の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1、図2において、符号1は移動棚を示している。移動棚1は、底部に台枠2を有している。台枠2は平面形状が長方形の枠形で、移動棚の基台をなし、その上面から適宜数の支柱3が立ち上がっている。長方形状の台枠2の長辺方向が間口面すなわち物品の出し入れ面になっていて、間口面方向に一定の間隔で支柱3が立てられている。間口方向に隣接して並ぶ2本の支柱3相互の間隔を「連」という。移動棚の間口方向の大きさは「連」を単位としていて、1連を最小単位として2連、3連、・・・n連というように順に大きくなり、これに従って間口方向の支柱の数も増える。長方形状の台枠2の短辺方向が奥行き方向で、奥行き方向にも少なくとも2本の支柱3が並んで立てられている。奥行き方向に並ぶ支柱3にまたがって図示されない棚受けが掛け止められ、間口方向に互いに隣接する支柱3の相対向する面にそれぞれ掛け止められている一対の棚受けによって一つの棚板5の両端部が掛け止められている。棚板5は、上下方向に任意の段数に設置することができる。図1では、最下位の棚板5のみが描かれている。
上記台枠2内には、奥行き方向に適宜数の梁27が固定され、一定間隔離れた少なくとも二つの梁27の底面には軸受け28が固定されている。間口方向に並べて固定された複数の軸受28によって車輪軸29が回転可能に支持されている。車輪軸29には少なくとも2個の車輪6の中心軸孔が嵌められて一体に結合されている。これらの車輪6は、移動棚の設置床にレール受け31を介して敷設されているレール7の上に乗せられ、レール7に沿って車輪6が回転することにより移動棚1が移動することができるようになっている。移動棚1は複数台がレール7上に載せられ、任意の移動棚を移動させることにより、任意の移動棚間に作業用の通路を形成することができる。移動棚1の駆動方式は問わない。本発明に係る安全装置は、後で詳細に説明するように、電源を必要としない純機械的な構成になっているので、手動式移動棚に適用することができる。
上記台枠2の前面には、この前面に沿って横方向に伸びる安全バー8が取り付けられている。台枠2の前面には安全バー保持部材24が固定されていて、この安全バー保持部材24に安全バー8が揺動可能に掛け止められ、安全バー8に外力が加わると安全バー8は安全バー保持部材24による係止部を支点として揺動するようになっている。台枠2の前面にはまた、安全バー8が安全バー保持部材24による掛け止め部から脱落しないように安全バー8の移動を規制する安全バー押さえ部材32が固定され、安全バー8の上方に進出している。
安全バー保持部材24は、金属板のプレス成形品で、下半部が台枠への固定部となっており、上半部が台枠2の前方に突出しかつ上方に伸び上って、安全バー8の係止部となっている。この実施例における安全バー8は金属板のプレス成形による製作を想定していて、図3、図8、図9に示すように、金属板のプレス成形による溝形の安全バー本体33を主体としてなる。安全バー本体33は、横断面が溝形になるように上下の縁部が折り曲げ加工されるとともに、安全バー本体33の上縁部は、安全バー本体33の内方においてその上面と平行をなす庇状の部分が折り曲げによって形成され、この庇状の部分は、上記安全バー保持部材24に係止するための孔などが形成された係止部35となっている。この係止部35を安全バー保持部材24に係止することにより、安全バー8が揺動可能に掛け止められる。
台枠2の前面には、安全バー8の上方において当たりゴム9が取り付けられている。当たりゴム9は安全バー8よりも前方に突出している。当たりゴム9は、隣り合っている移動棚が接近してきたとき、最初に双方の移動棚の当たりゴム同士が衝突し、衝撃力が双方の弾性力で緩衝されるようになっている。
安全バー8の長さは、前記「連」の長さに合わせて標準化され、1連の長さと同じ長さになっている。したがって、移動棚の間口数が2連以上になると、その連数に応じた数の安全バー8が以下のような連結構造によって一体に連結される。図3、図8、図9に示す例では、互いに突き合わせて連結すべき双方の安全バー8の端部において、安全バー本体33に長さ方向の凹み36が形成されている。双方の安全バー本体33の上記凹み36にまたがってつなぎ部材としてのつなぎ金具37が添えられ、双方の安全バー本体33とつなぎ金具37がボルトとナットで締結されることにより、つなぎ金具37の介在のもとに双方の安全バー本体33が一体に連結され、台枠の前面に沿い横方向に伸びている。
安全バー本体33の上記凹み36の外側面にはばね固定金具38が固定され、このばね固定金具38に設けられた突起に安全バー付勢部材としてのコイルばね25の一端が嵌められている。コイルばね25の他端は、台枠2の前面に設けられているばね掛けに係止されている。図1に示すように、圧縮コイルばね25の反発力により、安全バー8は、安全バー保持部材24による係止部を支点にして、その下縁部が移動棚1の前方に向かって突出するように付勢されている。間口方向に隣接する双方の安全バー本体33の上記連結構造部分を覆ってカバー39が設けられ、安全バー8の体裁が整えられている。
なお、次に説明する安全装置の付勢力によって安全バーも付勢するようにすれば、安全バー付勢部材としてのコイルばね25を省略することができる。
次に、上記安全バー8と連動して動作する安全装置の実施例について説明する。図1、図4ないし図7において、台枠2の底部に安全装置10が取り付けられている。安全装置10は、台枠固定基板11に以下のような各部材が組み込まれることによってユニット化されている。台枠固定基板11は、上部が開放した細長い長方形状の箱型をしている。台枠固定基板11の長辺方向が移動棚1の間口方向、短辺方向が移動棚1の前後方向すなわち奥行き方向になっている。台枠固定基板11の底板にはその長さ方向両端部寄りに軸15が設けられ、これらの軸15を中心に水平面内においてすなわち上記底板と平行をなす面内において回転可能に2個一対のレバー13が支持されている。一対のレバー13の先端部は軸17によって相対回転可能に連結されている。ただし、軸17とこの軸17が嵌まる一対のレバー13の軸孔との間には適宜の隙間があって、一対のレバー13の軸15を中心とした回転を許容している。
一対のレバー13の長さ方向の中間部には、安全バー8によって押される受動部材12がそれぞれ軸16によって相対回転可能に連結されている。各受動部材12はL字状をなしていて、その水平部分の外端部が上記軸16でレバー13に連結されている。また、各受動部材12の上記水平部分にはこの水平部分の長さ方向に長孔23が形成され、これらの長孔23を貫通したガイド軸43が台枠固定基板11の底板に固定されることにより、各受動部材12は長孔23によって許容される範囲内で前後に進退できるように取り付けられている。各受動部材12の上記水平部分は、台枠固定基板11の前側の壁に形成された切り欠きから手前に突出している。各受動部材12の前端は台枠固定基板11の外側において立ち上がった垂直辺になっていて、これらの垂直片がトリガー板22によって一体的に連結されている。
このように、一対の受動部材12がトリガー板22で一体に連結され、一対の受動部材12は軸43で移動がガイドされるとともに軸16でそれぞれレバー13に連結され、各レバー13は軸15と軸17で回転態様が規制されていて、これらの部材が所定の動きをするリンク機構を構成している。したがって、トリガー板22を前側から押す力がトリガー板22のどの位置に加わっても、一対のレバー13を、軸15を中心に互いに反対向きに対称的に回転させることができる。
一対のレバー13を支持する軸15は支点としての役割を持ち、長さ方向中間部の軸16は外力が加わる力点としての役割を持ち、一対のレバー13を連結する軸17は作用点としての役割を持つ。レバー13の長さ方向において、支点と作用点との間に力点を有することによって、力点の移動量よりも作用点の移動量を大きくすることができる。また、レバー13の支点から力点までの距離は、レバー13の力点から作用点までの距離よりも短くなっていて、力点の移動量に対し作用点の移動量を2倍以上にすることができるようになっている。図示の実施例では、支点から力点までの距離に対し力点から作用点までの距離が2.5倍になっていて、力点の移動量に対し作用点の移動量が3.5倍になるように設定されている。したがって、トリガー板22および受動部材12が押されて2mm移動したとすると、作用点は7mm移動するようになっている。
上記軸17にはまたストッパ部14が連結されている。ストッパ部14は、レバー13の作用点に軸17で連結されたスライド部材20と、このスライド部材20に一体的に結合されて移動棚1の走行車輪6およびレール7の上面に接離する楔形のストッパ21を備えている。スライド部材20は、金属板からなりその奥方の端部を垂直方向に立ちあがらせた形をしていて、水平部分が台枠固定基板11の底面に沿って移動するようになっている。また、上記水平部分から上記軸17が立ち上がっている。台枠固定基板11の前側の壁は長さ方向の中央において前方に突出した一定幅の突出部になっていて、この突出部はばね掛け部になっている。このばね掛け部と上記スライド部材20の水平部分の前端との間には付勢部材としての引っ張りコイルばね18が掛けられている。スライド部材20の上記立ち上がり部にはストッパ21がねじ止めなどの適宜の固着手段によって固着されている。ストッパ21は、前記レール7の上面と、このレールに乗っている移動棚1の車輪6の周面とで形成される楔状の空間に合わせた楔形をしている。ストッパ部14は、台枠固定基板11の後ろ側の壁に形成された切り欠きから後方に突出している。スライド部材20は比較的摩擦抵抗の小さい素材からなっているのに対し、ストッパ21は、レール7との接触部分が比較的摩擦抵抗の小さい樹脂、車輪との接触部が比較的摩擦抵抗の大きいウレタンなどの樹脂の積層構造になっている。
台枠固定基板11の上部は開放していて、この開放した台枠固定基板11の上端にはカバー19が被せられ、ネジによって台枠固定基板11に固定されている。このようにしてユニット化された安全装置10が構成され、台枠固定基板11またはカバー19が台枠2にねじ止めされることにより、前記トリガー板22および一対の受動部材12が前方に突出した態様で安全装置10が台枠2に固定されている。
図1、図5は、引っ張りコイルばね18の付勢力によって各部材が移動している通常の状態を示している。この通常の状態では、図5において右側のレバー13が反時計方向に、左側のレバー13が時計方向に、それぞれ軸15を中心に回転し、各レバー13の先端部の軸17が手前(図5において下側)に移動し、ストッパ部14も手前に移動している。この状態において、ストッパ21が移動棚1の車輪6の外周から所定の間隔だけ離間するように、ユニットとしての安全装置10の取り付け位置が調整されている。また、上記通常の状態では、図1に示すように、安全バー付勢部材としてのコイルばね25により安全バー8が付勢され、安全バー保持部材24による係止部を中心に揺動している安全バー8の裏面側下端部が、トリガー板22の上縁近くに接触または近接している。
いま、移動棚間に形成されている作業通路内に作業者が入っているとき、または、上記作業通路内に物品が落下している状態で、移動棚が上記作業通路を狭める向きに移動させられたとする。作業者または物品に近づいてくる移動棚1の安全バー8が作業者または物品に接触すると、安全バー8が押されてコイルばね25による付勢力に抗して図1において時計方向に回転する。この回転によって安全バー8がトリガー板22を押し、トリガー板22と実質一体で一対の受動部材12が押され、各受動部材12と軸16によって連結されている一対のレバー13が付勢部材であるコイルばね18の付勢力に抗して回転する。図6はこの状態を示しており、右側のレバー13は時計方向に、左側のレバー13は反時計方向に回転する。一対のレバー13の回転により、作用点としての軸17が奥の方に押され、軸17に連結されているストッパ部材14が奥の方に移動する。このストッパ部材14の移動により、ストッパ21が走行車輪6の外周面に押し付けられる。上記作業者または物品に近づいてくる移動棚1の車輪6の回転の向きは、ストッパ21を車輪6の外周面とレール7の上面との間に引き込もうとする力が生じる向きである。これに加えて、ストッパ21の形状は車輪6の外周面とレール7の上面とで形成される楔状の空間に合わせた楔状になっているため、ストッパ21が車輪6の外周面とレール7の上面との間に食い込み、直ちに車輪6の回転が阻止され、移動棚1が緊急停止させられる。
また、一対のレバー13の支点となる軸15と作用点となる軸17との間に、力点となる軸16によって受動部材12が連結されているため、作用点の移動量は安全バー8によって押される受動部材12の移動量よりも拡大される。ちなみに、実施例では3.5倍に拡大されるため、安全バー8が僅かに押されるだけでストッパ21が車輪6に接触し、移動棚1を迅速に停止させることができる。車輪6の外周面に対するストッパ21の接触長さは車輪6の周方向において5mm程度であり、この程度の接触長さでも十分な緊急停止効果を発揮することができる。
上記実施例は、安全バー8の付勢部材と、安全装置10の付勢部材を個別に備えている。このような構成にしておけば、安全バー8についてはその構造あるいは安全バー8の質量などに対応して適切な付勢力を与え、安全装置10についてはその構造あるいは動作に必要な力量などに対応した適切な付勢力を与えることができる。ちなみに、安全装置10を作動させるのに必要な力量は1kg程度あればよく、この力量を解放すれば、安全装置を構成する各部材はただちに原位置に復帰する。
前述のように、安全装置14を構成している一対の受動部材12、一対のレバー13、トリガー板22は一種のリンク機構を構成していて、受動部材12のどの位置に押圧力が加わっても、ストッパ部14を移動させて移動棚1を緊急停止させることができる。かかる作用効果を得ることができることから、移動棚の前記連数が増えても、安全バー8を実質一体に連結すれば、安全装置を確実に動作させて移動棚を緊急停止させることができ、安全装置の数を移動棚の連数に応じて増やす必要はない。
以上説明した実施例では、移動棚1の基台として台枠2を有していて、台枠2に本発明に係る安全装置が組み込まれた構造になっている。しかしながら、移動棚の構造によっては、台枠2に相当する部分と物品収納部に相当する部分とを区別することができない一体構造になっていることもあり得る。かかる構造の場合、安全バー8および安全装置10は移動棚の下部に装着されることになる。
また、上記実施例では、ストッパ21の形状が楔形になっていて、安全バー8の作動によりストッパ21が車輪6の周面とレール7の上面との間に介在するようになっている。これによって、大きなブレーキ力が迅速に生じる効果がある。しかしながら、必ずしもストッパ21は楔形である必要はない。例えば、ウレタンを素材とするストッパ21が、レール上面から5mm程度突出した接触面があれば、レールと車輪との間に介在するので、十分なブレーキ力を得ることができる。
さらに、ストッパ21は、車輪6のレール7との接触面以外の面、例えばフランジの周面とレール受けの上面に介在して両者に接触するように構成してもよい。
ストッパ21が車輪とレールまたは車輪フランジ部とレール受けとの間に介在するようにしたことにより、車輪の回転を止めるのに必要な力が大きくなっても、安全装置の動作のトリガーとなる安全バーを押す力は一定で、例えば、床面に落下しているファイルに安全バーが当たっても停止するぐらいの小さな力(1kg程度)でよい。
図12は、2連以上の移動棚1における安全装置10の各種配置例を示す台枠2の底面図である。図12(a)は2連の場合、図12(b)は4連の場合、図12(c)は6連の場合、図12(d)は7連の場合を示す。移動棚は往復移動するものであるため、いずれの例も前後両側に安全バーがあり、安全装置も前後両側に配置されている。図12(a)〜(c)に示すように、6連の移動棚までは、間口方向の1か所に安全装置10を配置している。図12(d)に示すように7連構成の移動棚では、安全装置の動作の安定性を確保するために、間口方向の2か所に安全装置10を配置している。このように、移動棚の連数が多くなっても、安全装置の設置数は少なくてもよく、移動棚用安全装置を低コストで提供することができる。
図12(a)に示すような2連の場合、あるいは、図示されていないが1連の場合も、安全装置10が移動棚1の間口方向端部に偏って配置されることになるため、安全装置10の構成によってはその一部が移動棚1の間口方向端部からはみ出すこともあり得る。そこで、安全装置10を、図5ないし図7で示した前述の例のように受動部材12、レバー13などを2個一対として対称形に形成することなく、受動部材12およびレバー13を1個ずつ用いて安全装置10を構成してもよい。かかる構成にしても、安全装置10の作用および効果は図5ないし図7に示す例のものと変わりがなく、安全装置10の一部が移動棚1の間口方向端部からはみ出すことを回避することができる。
なお、図12に示す移動棚は、手動によって回転駆動されるハンドルの回転力を車輪6に伝達して走行する手動式の移動棚である。図12に示すいずれの移動棚も、一方の側面に設けられた回転操作ハンドル(図示されず)の回転力を、動力伝達手段であるチェーンを介して台枠2の外側に設けられているスプロケット50に減速して伝達するようになっている。スプロケット50は台枠2内をその長手方向に伸びている中間駆動軸51の一端部に一体に取り付けられている。中間駆動軸51は、台枠2内に取り付けられた軸受によって回転可能に支持されている。台枠2内には、その幅方向すなわち奥行き方向の前後に、駆動軸52と従動軸53が配置されている。駆動軸52と従動軸53は台枠2の長手方向に伸びていて、台枠2内に取り付けられた軸受によって回転可能に支持されている。駆動軸52と従動軸53の長さは移動棚の前記連数に対応した長さになっていて、それぞれの軸52,53には適宜の間隔で車輪6が一体に設けられている。中間駆動軸51と駆動軸52には台枠2の長さ方向の同じ位置にスプロケット54,55が一体に取り付けられていて、これらのスプロケット54,55間には図示されないチェーンが掛けられている。スプロケット54の径よりもスプロケット55の径が大きく、中間駆動軸51の回転力が減速されて駆動軸52に伝達されるように構成されている。
上記回転操作ハンドルを手動で回転させると、その回転力はスプロケット50から中間駆動軸51に減速されて伝達され、中間駆動軸51の回転力はさらに減速されて駆動軸52に伝達され、駆動軸52と一体の車輪が回転駆動されて移動棚が前記レール7に沿って移動するようになっている。
台枠2の前面すなわち間口面には、間口方向全域にわたって前記安全バー8が配置されている。また、互いに隣接する安全バー8は前述の連結構造によって一体に連結され、安全バー8がどの位置で押されたとしても前記安全装置10が作動して移動棚を緊急停止させ、移動棚間の作業者の安全を確保することができる。
以上説明した実施例に係る安全装置10は、図4ないし図7からもわかるようにユニット化されているので、安全装置を備えていない既存の移動棚にも容易に取り付けることができる。
また、安全装置10は純機械的に構成されているため、電源を備えていない手動式の移動棚にも組み込むことができる。
次に、図10、図11に示す移動棚用安全装置の第2の実施例について説明する。この実施例が前記第1の実施例と異なる点は、安全装置が、レールの周端部に設けられたエンドストッパと協働するようになっている点と、安全バーと安全装置との連係部の構成が若干異なる点である。その他の構成は第1の実施例の構成と同じであるから、同じ構成部分には同じ符号を付し、異なる構成部分を中心に説明する。
図10、図11において、移動棚1はレール7上に移動可能に載せられた複数の移動棚のうち最も外側にある移動棚を示している。この移動棚1の台枠2に組み付けられている安全装置10の一部であるトリガー板22にはエンドストッパ当たり部材45が一体に取り付けられている。エンドストッパ当たり部材45はレール7の側方に垂下するとともに、下端部は水平方向に向くように側方に折り曲げられている。したがって、エンドストッパ当たり部材45は移動棚の間口面側から見てL字形になっている。レール7の周端部側方のレール受け31にはエンドストッパ46が固定され、レール受け46の一端部は折り曲げられて上記エンドストッパ当たり部材45の進路上に立ち上がっている。移動棚1が移動することにより、エンドストッパ当たり部材45がエンドストッパ46に当接すると、安全バー8でトリガー板22が押されたのと同じ動き、すなわち付勢部材18の付勢力に抗した動きになり、前記実施例と同様に、ストッパ21が車輪6の周面とレール7の上面との間に食い込み、移動棚1が緊急停止する。
このように、第2の実施例によれば、安全装置10を利用してエンドストッパの機能と同等の機能を持たせることができるため、エンドストッパの構成を簡略化することができる。従来の移動棚のエンドストッパは、移動棚の一部が当接することができるように、レールの上面よりも突出させており、設置床面の一部が突出して、歩行や作業台車の走行の障害になっていた。上記第2の実施例によれば、エンドストッパ46はレール7の上面よりも低い位置に設けることができるため、上記の障害を解消することができる。
エンドストッパ46の取り付け位置を調整することにより、あるいは、エンドストッパ当たり部材45の取り付け位置を調整することにより、移動棚1の停止位置を調整することができる。
図10、図11に示す実施例では、安全装置10のトリガー板22に当たる安全バー8の下端部を垂直方向に向くように折り曲げ、この折り曲げ部がトリガー板22の前面に面接触するように、かつ、トリガー板22の下縁部に当接するように構成されている。このような構成にすることにより、安全バー8から安全装置10に力が加えられる高さ位置と受動部材12の移動がガイドされる高さ位置とがほぼ一致し、安全装置が円滑に作動する。
第2の実施例においても、第1の実施例について述べたように変形することができる。例えば、台枠を別体として備えていなくてもよく、その場合、安全バーおよび安全装置は移動棚の下部に装着されることになる。
ストッパ21の構造についても同様で、楔形に限定されるものではない。
次に、本発明に係る移動棚用安全装置の第3の実施例について図13ないし図16を参照しながら説明する。この実施例は、移動棚用安全装置およびこの安全装置を備えた移動棚の低コスト化を図るために、部品数を少なくするとともに、必要な部品のほとんどをプレス成形によって製作することを可能にし、かつ、組み立てが容易になるように、構成を工夫したものである。
図13ないし図16において、符号110は、台枠固定基板を示している。この台枠固定基板110は前記実施例における台枠固定基板11に対応する部材である。台枠固定基板110は金属板をプレス成形することによって長方形の箱形に製作されていて、底板をベースにして長辺方向の縁部から前後の壁111、112が立ち上がり、短辺方向の縁部から側壁が立ち上がっている。台枠固定基板110の前壁111は後壁112よりも高く立ち上がっていて、この前壁111を移動棚の前記台枠に固定することにより、本実施例に係る安全装置を移動棚に装着することができるようになっている。
台枠固定基板110には、図13ないし図15において左端寄りの位置に前後の壁111、112を貫いてガイド孔113、114が形成され、これらのガイド孔113、114の両者を貫通して受動部材120が挿入されている。受動部材120はガイド孔113、114にガイドされて前後方向に移動可能に保持されている。受動部材120も金属板をプレス成形することによって製作されていて、前側の端縁部は上方に向かい折り曲げられることにより上記安全バーから押圧力を受ける受動部121となっており、後端縁部122は上記ガイド孔114から外方に突出している。
台枠固定基板110には、その底板の上面に重ねてレバー130が配置されている。レバー130も金属板をプレス成形することによって製作されていて、長手方向の途中から両側方にガイド突起132、133が突出することにより平面形状が十字状に形成されている。レバー130の長手方向一端部(図13ないし図15において左端部)131は幅が狭くなっていて、この一端部131は、台枠固定基板110の側壁に形成された規制孔115に緩やかに嵌められている。レバー130の上記一端部131と台枠固定基板110の規制孔115の緩やかな嵌合部はレバー130の支点になっていて、この支点を中心にしてレバー130は台枠固定基板110の底板面と平行な面内において回転することができる。
レバー130は長手方向を台枠固定基板110の長手方向に向けて上記受動部材120の下方に配置され、レバー130と受動部材120がほぼ直交した態勢で上下に位置している。レバー130と受動部材120が上下に重なる位置において、レバー130の孔を貫通したネジ160が受動部材120にねじ込まれることにより、レバー130が受動部材120に対して相対回転可能に連結されている。このネジ160によるレバー130と受動部材120の連結位置が力点となっていて、受動部材120に加わる押圧力が上記力点に加わることにより、レバー130は上記支点を中心にして回転することができる。
レバー130の前記ガイド突起132,133は、台枠固定基板110の前後の壁111、112に形成されたガイド孔116、ガイド溝117に緩やかに嵌まり合っていて、これによりレバー130の上記支点を中心とした回転が許容されるとともに、レバー130の上下方向の位置が規制されるようになっている。上記ガイド溝117は、図15に示すように一方の上部が庇状に覆い被さっていて、そのほか大半は上部が開放されている。
レバー130の他端部(図13ないし図15において左端部)は上方に向けた折り曲げ部135となっている。レバー130の他端部にほぼ直角に交差するようにしてストッパ部140のスライド部材200が配置されている。スライド部材200はレバー130の上方にあり、台枠固定基板110の前後壁111、112に形成されているガイド孔118、119を貫通し、これらのガイド孔118、119にガイドされて前後方向に移動可能に保持されている。スライド部材200は、上面から見てレバー130と交差する位置にレバー130に対する逃げとなる切り欠き201が形成され、レバー130の折り曲げ部135と上記切り欠き201が緩やかに嵌まり合っている。この嵌まり合い位置が作用点となっている。レバー130が前記支点を中心に回転すると、上記作用点が移動し、スライド部材200が前後に移動するようになっている。スライド部材200も金属板をプレス成形することによって製作されている。
スライド部材120の後端部は、図16に示すように下方への折り曲げ部203となっていて、この折り曲げ部203にストッパ210が固着されている。ストッパ210は、前記実施例におけるストッパ21と同様に楔形に形成されていて、移動棚の走行車輪の外周面およびガイドレールの近傍に位置している。スライド部材120の後端部と台枠固定基板110の前壁111の上部にはそれぞればね掛け204、150が形成され、これらばね掛け204、150間に引っ張りコイルばね180が掛けられている。ばね180の付勢力によりスライド部材200は前方(図14、図15において下方)に移動し、ストッパ210は上記車輪とレールから離間している。ばね180の付勢力によるスライド部材200の移動は、スライド部材200の前端側の一部が切り欠かれることによって形成された段部202が台枠固定基板110の前壁111に当たることによって規制され、スライド部材200に連動するすべての部材が初期位置にある。
受動部材120、レバー130、ストッパ部140は互いに連携しているので、これらの部材を付勢する付勢部材は、台枠固定基板110と上記部材のいずれかとの間に介在していればよい。上記実施例のように、台枠固定基板110とストッパ部140のスライド部材120との間にばね180を掛けた構成に限定されるものではない。例えば、図13において符号180Aを付した仮想線で示すように、台枠固定基板110の前側の壁とレバー130のガイド突起133との間に引っ張りコイルばねからなる付勢部材を設けてもよい。
また、本実施例においても、安全装置側の付勢部材による付勢力で安全バーも付勢するようにして、安全バーのみを付勢するための付勢手段を省略してもよい。
以上説明した移動棚用安全装置の実施例は、前述の実施例と同様に、台枠固定基板110をベースとしてこれに受動部材120、レバー130、ストッパ部140を組み込むことによりユニット化されていている。この安全装置ユニットを図1に示す例と同様に移動棚の台枠の下部に取り付け、受動部材120の折り曲げ部121が安全バー8に近接するように位置調整する。図13は安全バーが作動しない平常時の状態を示しており、すべての可動部材はばね180の付勢力によって初期位置にあり、ストッパ210は走行車輪およびレールから離間している。
図14は、安全バー8が作業者あるいは物品に触れて回転したときの動作態様を示している。安全バー8の回転によって受動部材120の折り曲げ部121が押され、受動部材120が奥の方(図14において上方)に向かって移動する。この動作によってレバー130の力点であるねじ160の位置が奥方に移動し、レバー130はその一端部131を支点として図14において反時計方向に回転する。この回転によりレバー130の作用点である他端部の折り曲げ部135が奥の方に移動するため、スライド部材200の切り欠き201の壁面が上記折り曲げ部135に押され、スライド部材200も奥の方に移動する。スライド部材200と一体にストッパ210も奥の方に移動し、前記実施例と同様にストッパ210が走行車輪とレールとの間に食い込み、移動棚の移動が瞬時に停止する。この移動棚の停止に至る動作は、ばね180の付勢力に抗して行われ、上記安全バーを押圧する力がなくなると、安全装置の可動部材は付勢力によって図13に示す原位置に復帰する。
このように、上記実施例によれば、主要な部品はすべてプレス成形品で製作することができるから、製造コストを安くすることができる。また、台枠固定基板110をベースにしてこれに受動部材120、レバー130、スライド部材200を挿入し、ねじ160で受動部材120とレバー130を結合すれば組立作業の大半は終了するから、組み立てがきわめて簡単であるとともに、部品数を大幅に削減することができる。
この実施例においても、レバー130の支点から力点までの距離は、レバー130の力点から作用点までの距離よりも短くなっているため、安全バーによって押される受動部材120の移動ストロークが拡大されてストッパ部140に伝達されるため、安全バーの動作によって安全装置が迅速に動作し、移動棚の安全性をより高めることができる。
本発明によれば、移動棚の安全性、特に手動式移動棚の安全性をより高めることができるとともに、安全装置を低コストで提供することができるため、手動式移動棚の需要を高めることができる。また、純機械的な安全装置を備えていない既存の移動棚にも安全装置を後付けすることも可能である。
1 移動棚
2 台枠
3 支柱
4 棚受け
5 棚板
6 車輪
7 レール
8 安全バー
9 当たりゴム
10 安全装置
11 台枠固定基板
12 受動部材
13 レバー
14 ストッパ部
15 軸(支点)
16 軸(力点)
17 軸(作用点)
18 付勢部材
19 カバー
20 スライド部材
21 ストッパ
22 トリガー板
23 長孔
24 安全バー保持部材
25 安全バー付勢部材(コイルばね)
110 台枠固定基板
120 受動部材
130 レバー
140 ストッパ部
180 付勢部材
200 スライド部材
210 ストッパ

Claims (10)

  1. 移動棚の下部に取り付けられ、上記移動棚の下部の前面に沿って横方向に伸びる安全バーが作動することにより移動棚の移動を停止させる移動棚用安全装置であって、
    上記安全バーと連係して上記安全バーに外力が加わることによって移動すべく構成された受動部材と、
    長さ方向の一端部を支点として揺動可能に支持され上記受動部材が連係していてこの受動部材との連係部を力点とするレバーと、
    上記レバーの他端部を作用点としてこの作用点に連係し上記レバーの揺動と共に移動するストッパ部と、
    上記ストッパ部、レバーおよび受動部材を原位置に復帰させる付勢部材と、を備え、
    上記ストッパ部は、上記付勢部材の付勢力によって移動しているときは移動棚の走行車輪およびレール部から離間し、上記安全バーが作動したときは上記受動部材、レバーおよびストッパ部が上記付勢部材の付勢力に抗して移動することにより上記走行車輪およびレール部に接するように構成されている移動棚用安全装置。
  2. ストッパ部は、レバーの作用点に連結されたスライド部材と、このスライド部材に一体的に結合されて移動棚の走行車輪およびレール部に接離する楔形のストッパを備えている請求項1記載の移動棚用安全装置。
  3. 移動棚の台枠に取り付けるべき台枠固定基板をさらに有し、この台枠固定基板に受動部材、レバーおよびストッパ部が取り付けられている請求項1または2記載の移動棚用安全装置。
  4. レバーの力点は、レバーの長さ方向において、支点と作用点の間に設けられている請求項1記載の移動棚用安全装置。
  5. レバーの支点から力点までの距離は、レバーの力点から作用点までの距離よりも短い請求項4記載の移動棚用安全装置。
  6. 台枠固定基板、受動部材、レバー、ストッパ部のスライド部材はそれぞれ成形品からなり、上記台枠固定基板は、上記受動部材、レバー、スライド部材を保持するとともにこれらの部材の動きをガイドするガイド部を有し、上記台枠固定基板による上記レバーの長さ方向一端部の保持部は支点となっており、上記受動部材とレバーは相対回転可能に連結されていてこの連結部は力点となっており、上記レバーの長さ方向他端部と上記スライド部材は相対的な姿勢を変更可能に連係されていてこの連係部が作用点となっている請求項3記載の移動棚用安全装置。
  7. 台枠固定基板、受動部材、レバー、ストッパ部のスライド部材は、それぞれ金属板のプレス成形品である請求項6記載の移動棚用安全装置。
  8. 支点は台枠固定基板とレバーの緩やかな嵌まり合い、力点はネジによる受動部材と上記レバーの連結、作用点は上記レバーとスライド部材の緩やかな嵌まり合いによって構成されている請求項6記載の移動棚用安全装置。
  9. 移動棚の下部前面に沿って横方向に伸びるとともに上記台枠に揺動可能に掛け止められていて外力が加わることによって揺動する安全バーと、
    上記安全バーが外力で揺動することにより作動して移動棚の移動を停止させる安全装置と、を備え、手動によって移動させられる移動棚であって、
    上記安全装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の移動棚用安全装置である移動棚。
  10. 安全バーは、移動棚の前面に沿って複数個配置されるとともに、複数個の安全バーがつなぎ部材により一体に連結されて横方向に伸びている請求項9記載の移動棚。
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