JP2014091928A - 吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置及びこれを用いる脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置並びに吊戸式引戸の脱輪防止方法 - Google Patents

吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置及びこれを用いる脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置並びに吊戸式引戸の脱輪防止方法 Download PDF

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Abstract


【課題】吊戸式引戸に衝撃荷重が加えられた際においても脱輪を防止し得る戸車装置を提供する。
【解決手段】レール3上を転動する車輪21が設けられてなる吊下支持部材18に、下面部当接部27と、後面部当接部29を設ける。下面部当接部27は、吊戸6に上下方向の衝撃荷重が加わった場合に、車輪21が浮き上がってレール3から脱輪するのを防止できるようにレールの下面部26と当接できる。後面部当接部29は、吊戸6に前後方向の衝撃荷重が加わって車輪21が前方に移動した場合にレール3の後面部28に当接してレール3から車輪21が脱輪するのを防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置に関するものであり、又、これを用いる脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置に関するものであり、更に、吊戸式引戸の脱輪防止方法に関するものである。
学校や病院、福祉施設等における間仕切り用の引戸の一例として吊戸式引戸が用いられている。該吊戸式引戸は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉するように構成されており、該吊戸式引戸の戸先側と戸尻側に夫々設けられた戸車装置は、該レール上を転動する1個の車輪が回転自在に設けられてなるものであった。
そのため、該吊戸式引戸に衝撃が加えられた際にその衝撃が車輪に伝わり該車輪がレールから脱輪する恐れがあった。このような脱輪が発生する場合の一例としては、例えば、吊戸式引戸を勢いよく閉めた際に該引戸が開口部の縦枠に当たって跳ね返るとき等に発生する上下方向の衝撃で該引戸が浮き上がって脱輪する場合を挙げることができる。特に学校間仕切りの引戸は頻繁に開け閉めされるために、かかる上下方向の衝撃に起因する脱輪の恐れが高かった。又、引戸の側面部に人や車椅子が誤ってぶつかる等して引戸にその側面から衝撃的な横荷重が加わったときも、引戸が浮き上がったり引戸が撓んだりして脱輪する恐れがあった。
そこで、引戸に加えられた衝撃を吸収する機能を有する吊戸式引戸装置として特許文献1が開示するものが提案されている。特許文献1の図5に記載されている吊戸式引戸装置aは、図25に示すように、レールbに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する引戸cと、該引戸cを吊り下げる吊金具dと、レールbの上を走行する車輪eと、該吊金具dと引戸cとを連結する連結部材fと、引戸cに加えられた衝撃を吸収する緩衝部材gを具えている。又、該吊金具dの鉛直板部hには、前記レールbの直下において水平状態に突出する、ネジ軸又はピン等としての軸状支持部材jが突設されている。
そして特許文献1の説明によると、該引戸cに衝撃が加わった際は、図26に示すように、引戸cが傾き、該引戸cと前記吊金具dとによって前記緩衝部材gが弾性的に圧縮され、従って、該引戸cに加えられた衝撃は、緩衝部材gを圧縮する力に変換されて吸収されることとなり、その衝撃による車輪eの離脱が防止されると記載されている。又、引戸cに加えられた衝撃によって吊金具dが持ち上げられると、前記軸状支持部材j(図25)が前記レールbの下面部kに当接することとなり、該緩衝部材gの緩衝機能と相まって、車輪eの離脱が防止されると説明されている。
ところで、前記引戸cに加えられた衝撃のうち上下方向の衝撃によって引戸cが浮き上がった場合は、前記軸状支持部材jが前記レールbの下面部kに当接することによってそれ以上の引戸の浮き上がりを阻止し得ることから車輪eの離脱が防止されると考えられる。しかしながら衝撃的な横方向(前後方向)の荷重に対しては、前記緩衝部材gの緩衝作用によって脱輪を防止できるとは必ずしもいえないと考えられる。なぜなら、特許文献1においては、緩衝部材gが弾性圧縮されることに伴う衝撃吸収によって車輪eの離脱を防止できるとされている(図26)が、横方向(前後方向)の衝撃荷重によって引戸が傾いたときは例えば図27に示すように前記吊金具dも同時に傾くこととなり、これに伴い車輪eが同図に示すように傾き、該衝撃荷重が大きいときは該車輪eがレールbから離脱すると考えられる。
特許文献1の段落0021にも記載されているように、一般に、車輪eを滑らかに走行させるためには、該車輪eの外周面には前記レールbの走行部mに嵌め合わされる円弧状の周溝nが形成されると共に該走行部mの断面形状が略円形乃至円弧状に設定されると考えられるが、そうであるならば、横荷重によって前記引戸cが傾いた際に前記吊金具dが前記走行部mの車輪eとの接触点pを支点としてなお一層傾き易く、該車輪eがレールbから離脱し易いと考えられる。
このように特許文献1に係る吊戸式引戸装置にあっては、上下方向の衝撃荷重に対する脱輪防止は達成されているとしても、横方向の衝撃荷重に対する脱輪防止は不確実であったのである。
特開2008−81956号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、吊戸式引戸に衝撃荷重が加えられた際においても脱輪を防止して吊戸式引戸の外れ防止や転倒防止を図り得る吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置の提供を課題とするものであり、又、脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置の提供を課題とするものである。更に、吊戸式引戸をレールに吊下状態に装着する際において、吊戸式引戸の吊下作業を容易に行うことができながら確実に脱輪防止を達成できる吊戸式引戸の脱輪防止方法の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る吊戸式引戸用の脱輪防止戸車装置(以下、戸車装置という)の第1の態様は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の上部に設けられる脱輪防止戸車装置であって、前記上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなる吊下支持部材の該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、前記吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように該レールの下面部に当接し得る下面部当接部と、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が設けられる如く構成されている。そして該下面部当接部は、前記下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられると共に、前記後面部当接部は、前記後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられることを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第2の態様は、前記下面部当接部が下面部当接部材を用いて構成されており、該下面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右側に側片が突設されてなり、該両側片は、前記車輪の下側に位置させて前記立壁部に設けられてなる左右の挿通溝にその前側からその後側に向けて挿通されるものであり、該左右の挿通溝を挿通した該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端が前記取着部の上面部に当接する如くなされ、該当接した状態で、該突出部分の上端が前記下面部当接部となることを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第3の態様は、前記後面部当接部が後面部当接部材を用いて構成されており、該後面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される固定片に後方突出片が設けられてなり、該後方突出片は、前記車輪が存する後側に向けて突出し且つ前記レールの後面部に当接し得る前記後面部当接部を有することを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第4の態様は、前記第1、2又は3の態様において、前記後面部当接部が、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第5の態様は、前記第3の態様において、前記後方突出片の下端部分に、前記レールの前記走行部を嵌め入れるための、下端が開放した切欠開口部が設けられており、該切欠開口部の下端の後側の縁部が前記後面部当接部とされていることを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第6の態様は、前記後方突出片の下端部分に、前記レールの前記走行部を嵌め入れるための、下端が開放した切欠開口部が設けられており、該切欠開口部は、円の下端側の部分が切除された円弧状の切欠開口部として構成されており、該円弧状の切欠開口部の下端の後側の縁部が前記後面部当接部とされており、該後面部当接部である該後側の縁部は、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る吊戸式引戸装置は、前記レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸を具える吊戸式引戸装置であって、該吊戸式引戸の上部に、前記第1〜第6の態様に係る戸車装置の何れかが設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る吊戸式引戸の脱輪防止方法の第1の態様は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の脱輪防止方法であり、該吊戸式引戸の上部には吊下支持部材が設けられてなり、該吊下支持部材は、該上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなり該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、該吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの下面部に当接し得る下面部当接部が、該下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く設けられるものとなされると共に、前記吊下支持部材には、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が、該後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く設けられるものとなされており、前記下面部当接部と前記後面部当接部とを前記立壁部から取り外した状態で前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着して後に、該下面部当接部と該後面部当接部を前記立壁部に設けることを特徴とするものである。
本発明に係る吊戸式引戸の脱輪防止方法の他の態様は、前記第1の態様において、前記下面部当接部は下面部当接部材を用いて構成し、該下面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右側に側片が突設されたものとして構成し、前記後面部当接部は後面部当接部材を用いて構成し、該後面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される固定片に、前記レールの後面部に当接し得る前記後面部当接部を有する後方突出片が設けられたものとして構成し、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に、前記立壁部に設けられた左右の挿通溝に前記左右の側片を挿通させると共に該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端を前記取着部の上面部に当接させた状態で前記基片を前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定することによって、該突出部分の上端を前記下面部当接部となし、又、前記後方突出片を、前記後面部当接部が前記レールの前記後面部と対向する状態として後、前記固定片を前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定することを特徴とするものである。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る戸車装置は、下面部当接部と後面部当接部を具える如く構成され、該下面部当接部は、前記レールの下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く設けられると共に、該後面部当接部は、前記レールの後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く設けられている。従って本発明によるときは、吊戸式引戸に上下方向の衝撃荷重や前後方向の衝撃荷重が加えられた際においても脱輪を確実に防止できる戸車装置を提供できることとなる。そして該戸車装置を用いることによって、外れ防止や転倒防止を図り得る安全性の高い吊戸式引戸装置を提供できることとなる。
(2) 特に前記下面部当接部を、前記下面部当接部材を用いて構成すると共に、前記後面部当接部を前記後面部当接部材を用いて構成する場合は、吊戸式引戸をレールに吊下状態に装着する作業を容易に行うことができながら確実に脱輪防止を達成できることとなる。
(3) 前記下面部当接部を、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右両側に側片が突設されてなる下面部当接部材を用いて構成することとし、両側片を前記立壁部に設けられてなる左右の挿通溝に前側からその後側に向けて挿通させ、該左右の挿通溝を挿通した該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端が前記取着部の上面部に当接する如くなし、該当接した状態で、該突出部分の上端が前記下面部当接部となるように構成するときは、該下面部当接部材は、該両側片を一体に有するために剛性が高く、然も、前記突出部分の下端が前記取着部の上面部に当接状態となるため、該下面部当接部に加わった下方向への衝撃荷重によって該突出部分が変形する恐れがない。従って、該衝撃荷重を前記取着部を介して前記吊戸の上部で安定状態で支持できることとなり、前記車輪が前記レールから脱輪するのを効果的に防止できる。
(4) 前記後面部当接部を、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成する場合は、吊戸式引戸に前後方向の衝撃荷重が加えられた際において該鋭部が前記レールの後面部に一瞬、食い込む状態となりやすい。従って、該後面部当接部が該レールの後面部を上滑りしにくく、前記車輪の前後動や上下動をより確実に防止できることとなる。従って吊戸式引戸の脱輪をより効果的に防止できることとなる。
(5) 前記後面部当接部を前記後面部当接部材を用いて構成することとし、該後面部当接部材の有する前記後方突出片の下端部分に、前記レールの走行部を嵌め入れるための円弧状形態を呈する切欠開口部を設ける場合は、前記爪状部を有する切欠開口部を、円形の打ち抜き金型を用いて打ち抜きプレス加工を施すことにより特別な金型を何ら用いることなく簡易に形成できる利点がある。
(6) 又、本発明に係る吊戸式引戸の脱輪防止方法によるときは、吊戸式引戸の吊下作業を容易に行うことができながら確実に脱輪防止を達成できることとなる。
本発明に係る戸車装置が応用された吊戸式引戸装置を示す正面図である。 本発明に係る戸車装置を、その車輪がレールに吊下された状態で示す一部断面正面図である。 本発明に係る戸車装置を分解して示す斜視図である。 戸車装置を示す斜視図である。 戸車装置を示す斜視図である。 下面部当接部材と後面部当接部材を取り外した状態で吊戸をレールに吊下した状態を示す一部断面正面図である。 下面部当接部材と後面部当接部材を取り付けた状態で、吊戸が浮き上がった場合、その浮き上がり量が規制されて車輪の脱輪が防止される作用を説明する説明図である。 吊戸に前後方向の衝撃荷重が加わって車輪が前方に移動した場合、その移動距離が後面部当接部で規制されて車輪の脱輪が防止される作用を説明する説明図である。 引戸に上下方向と前後方向の衝撃荷重が同時に加わった場合において、下面部当接部と後面部当接部の移動規制によって車輪の脱輪が防止される作用を説明する説明図である。 戸車装置の他の態様を示す分解斜視図である。 その戸車装置を示す斜視図である。 その戸車装置を示す側面図である。 円弧状の切欠開口部によって後面部当接部を形成した場合の他の例を示す側面図である。 円弧状の切欠開口部によって後面部当接部を形成した場合のその他の例を示す側面図である。 後面部当接部を爪状部の先端の鋭部を以て構成した場合の他の例を示す側面図である。 後面部当接部を爪状部の先端の鋭部を以て構成した場合のその他の例を示す側面図である。 下面部当接部材を立壁板の左右に設けてなる戸車装置を示す斜視図である。 下面部当接部材を立壁板の後面に設けた保持溝に保持させる戸車装置を示す部分斜視図と断面図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図と断面図である。 立壁板の左右両側に後面部当接部が設けられてなる戸車装置を示す斜視図である。 立壁板の左右両側に後面部当接部が設けられてなる戸車装置の他の態様を示す斜視図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図である。 従来の脱輪防止戸車装置の一例を示す断面図である。 従来の脱輪防止戸車装置の他の例を示す断面図である。 従来の脱輪防止戸車装置の問題点を示す説明図である。
図1において本発明に係る吊戸式引戸装置1は、例えば学校や病院、福祉施設における各種の間仕切り2に用いられる間仕切り用の引戸に応用されており、レール3に吊下状態に装着されて左右方向でスライドでき該間仕切り2の出入り用の開口部5を開閉する吊戸式引戸6を具える。そして該吊戸式引戸(以下吊戸ともいう)6は、その上部7の長さ方向(吊戸6の左右方向)の戸先側9と戸尻側10に戸車装置11,11が設けられている。なお本発明において、前記左右方向と直交する方向を前後方向と言い、前記レール3から離れる方向を前方という。
前記レール3は例えばアルミニウム製であり、図2に示すように、前記開口部5の上枠部12にビス固定される垂直取付け片部13の下端で前方に向けて水平に折曲形成されてなる水平片部15の前端において、垂直に立設されており、その上端の走行部16は、その断面が、上に突の半円弧状を呈している。該レール3は、本実施例においては図1に示すように、前記吊戸6がその自重によって自動的に閉じるように、吊戸の閉じる方向の前側が低い傾斜状態で設けられている。
前記戸車装置11は、図2〜3に示すように、前記上部7に取着される取着部17に立壁部19を立設状態に設けてなる吊下支持部材18の該立壁部19の、前記レール3と相対する後側部20に、前記走行部16を転動する車輪21が回転自在に設けられている。該車輪21は、前記走行部16に嵌め合わされる半円弧状の周溝22を有し該走行部16を転動して前記吊戸6の左右方向のスライドを円滑化する。
前記取着部17は、本実施例においては左右方向に長い矩形板状に形成されると共に、その左右方向の両端部分にボルト挿通孔24,24が設けられており、該ボルト挿通孔24,24を挿通するボルト23を前記引戸6の上部7に設けたネジ孔に螺合し締め付けることによって該上部7に固定される。又、該取着部17の前後方向の前縁部25の長さ方向の中央部分において、略長方形板状を呈する前記立壁部19が垂直状態に折曲形成されている。
そして図2に示すように、該立壁部19には、前記車輪21が浮き上がって前記レール3から脱輪するのを防止できるように該レール3の下面部26と当接し得る下面部当接部27が、前記吊戸6を該レール3に吊下状態に装着した後に設けられる。且つ、前記車輪21が前方に移動して前記レール3から脱輪するのを防止できるように該レール3の後面部28に当接し得る後面部当接部29が、該立壁部19に、前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着した後に設けられる。本実施例において前記下面部26とは、垂直に立設された前記レール3の直下の下面部分26aだけには限られず、前記水平片部15の下面も含むものであり、該下面部当接部27が該下面部26に当接するとは、該下面部26の全体に当接することの他、該下面部26の一部分に当接することも含まれる。
前記下面部当接部27は、本実施例においては図2〜5に示すように、前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着した後に前記立壁部19に設けられる下面部当接部材30を用いて構成されている。該下面部当接部材30は、例えば鉄製であり、図3に示すように平面視でコ字状を呈している。より具体的には、前記立壁部19の前面部31に当接する状態で着脱可能にビス固定される矩形板状を呈する基片32の左右側(本実施例においては左右端)に、矩形板状を呈する側片35,35が屈曲により突設されてなる。そして該両側片35,35は、前記車輪21の下側に位置させて前記立壁部19に設けられた左右の挿通溝(上下方向に長い挿通溝)33,33に、その前側からその後側に向けて挿通される。
本実施例においては、図4に示すように、該左右の挿通溝33,33を挿通した該両側片35,35の該挿通溝33,33からの突出部分36,36の下端37,37が、前記取着部17の上面部39に当接する如くなされている。そして、該突出部分36,36の下端37,37が該取着部17の上面部39に当接した状態で、該突出部分36,36の上端40,40が、前記レール3の下面部26と当接し得る前記下面部当接部27を構成する。
該下面部当接部27は、図2(B)に拡大して示すように、該下面部26から下方に下方規制距離(0.1〜0.7mm程度、例えば0.5mm程度)L1を隔てて配設される。前記基片32の中央部には、図3に示すようにビス挿通孔41が設けられており、該ビス挿通孔41を挿通するビス42が、前記左右の挿通溝33,33間で設けたネジ孔43に螺合され締め付けられることによって、図5に示すように、該基片32が前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される。
又、前記後面部当接部29は、前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着した後に前記立壁部19に設けられる後面部当接部材45を用いて構成されている。該後面部当接部材45は、例えば鉄製であり、本実施例においては図3〜5に示すように、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される固定片46に後方突出片47を設けてなる。本実施例においては該固定片46は、上下に長い矩形板状に構成されており、前記左右方向で見た一方側の縁34において、後方に突出する矩形板状の前記後方突出片47が、前記車輪21が存する後側に向けて突設されている。該後方突出片47の下端部分38には、前記レール3の前記走行部16を嵌め入れるための切欠開口部48が設けられている。該切欠開口部48は、本実施例においては図2〜3に示すように、円の下端側の部分が例えば1/4程度切除された、下端49が開放した円弧状の切欠開口部として構成されている。該円弧状の切欠開口部の下端49の後側の縁部分61は、図2(C)に拡大して示すように、前方に向けて先細となる爪状部61aとして構成されており、該爪状部61aの先端の鋭部62が、前記レール3の後面部28に当接し得る前記後面部当接部29とされている。該円弧状の切欠開口部としての前記切欠開口部48は、例えば、円形の打ち抜き金型を用いて打ち抜きプレス加工を施すことにより簡易に形成できる。
該後面部当接部29は、本実施例においては、図2(C)に拡大して示すように、前記レール3の後面部28から後方に後方規制距離(0.1〜2.6mm程度、例えば1.8mm程度)L2を隔てて配設される。
本実施例においては図3に示すように、前記固定片46の上下部分にビス挿通孔50,50が設けられると共に、該ビス挿通孔50,50を挿通するビス51が、前記立壁部19の左右方向の前記一方側の上下に設けられているネジ孔52,52に螺合され締め付けられることによって、図5に示すように、該固定片46が、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される如くなされている。
前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着するに際しては、前記下面部当接部材30と前記後面部当接部材45を前記立壁部19から取り外した状態で行う。図6は、吊戸6をレール3に装着した状態を示している。その後、この状態で図2、図4〜5に示すように、前記下面部当接部材30を前記立壁部19に取り付ける。なお、図4〜5においては、前記吊戸6の図示が省略されている。該下面部当接部材30の取り付けは、前記両側片35,35を、前記左右の挿通溝33,33に、前記前後方向の前側からその後側に向けて挿通させ、前記基片32を前記立壁部19の前面31に当接させて行う。この状態で図2(A)、図4に示すように、該両側片35,35の、該挿通溝33,33から後方に突出した突出部分36,36の下端37,37が、前記取着部17の上面部39に当接した状態となる。その後、前記基片32に設けられているビス挿通孔41に、前側からビス42を挿通し、そのネジ軸部53を前記ネジ孔43に螺合し締め付ける。これによって前記下面部当接部材30は、図2(A)、図4〜5に示すように、立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定されると共に両側片35,35の下端37,37が前記取着部17の上面部39に当接した安定状態で固定されることになる。この状態で、図2(A)(B)に示すように、前記レール3の下面部26に当接し得る下面部当接部27が、該下面部26から下方に下方規制距離(前記L1)を隔てて配設されることになる。
又図4〜5に示すように、前記切欠開口部48に前記レール3の前記走行部16を嵌め入れた状態にすると共に、前記後面部当接部材45の前記固定片46を前記立壁部19の前面部31に当接させ、前記上下のビス挿通孔50,50に前側から挿通するビス51,51のネジ軸部54,54(図3)を、前記上下のネジ孔52,52に螺合し締め付ける。これによって、図2(A)(C)に示すように、前記レール3の後面部28に当接し得る後面部当接部29が、該後面部28から後方に前記後方規制距離(前記L2)を隔てて配設されることになる。
前記下面部当接部材30と前記後面部当接部材45をこのように固定するのであるが、通常状態においては、図2に示すように、前記下面部当接部27が前記レール3の下面部26から下方規制距離L1分だけ下方に位置して該下面部26に接触しない。又、前記後面部当接部29が前記レール3の後面部28から後方規制距離L2分だけ後方に位置して該後面部28に接触しない。従って、該下面部当接部27と該後面部当接部29が吊戸6のスライドを阻害することはない。
吊戸6に上下方向の衝撃荷重が加わって前記吊戸6が浮き上がった場合は、図7に示すように、前記車輪21の浮き上がり量を、最大で、前記下方規制距離L1に相当する量に規制できるため、該下面部当接部27が該レール3の下面部26と当接することによって、前記車輪21がレール3から脱輪するのを防止できることとなる。
より詳しく説明すれば、前記下面部当接部材30は、前記両側片35,35を一体に有するために剛性が高く、然も、前記突出部分36,36の下端37,37が前記取着部17の上面部39に当接状態にあるため、該下面部当接部27に加わった下方向への衝撃荷重によって該突出部分36,36が変形する恐れがない。従って、該衝撃荷重を、前記取着部17を介して前記吊戸6の上部7で安定状態で支持できることとなり、前記車輪21が前記レール3から脱輪するのを効果的に防止できる。
又、前記吊戸6に前方向の衝撃荷重が加わって前記車輪21が前方に図8に示すように移動した場合は、その移動距離を、最大で、前記後方規制距離L2に相当する量に規制できる。従って、該後面部当接部29が前記レール3の後面部28に当接することによって車輪21の前方への移動を規制でき、該車輪21が前記レール3の前方側で脱輪するのを防止できる。本実施例においては、前記レール3がアルミニウム製であり且つ前記後面部当接部材45が鉄製であるため、前方向への衝撃荷重が加わったとき、前方に向けて先細となる前記爪状部61aの先端の鋭部62(前記後面部当接部29)が、前記レール3の後面部28に一瞬、食い込む状態となりやすい。このように食い込む状態となった時は、該後面部当接部29が該レール3の後面部28を上滑りしにくく、吊戸式引戸の脱輪をより効果的に防止できることとなる。
図9は、吊戸6に上下方向の衝撃荷重と前後方向の衝撃荷重が同時に加わった場合を示すものであり、前記下面部当接部27が該レール3の下面部26と当接し且つ前記後面部当接部29が前記レール3の後面部28に当接することによって、前記車輪21が前記レール3から脱輪するのを防止できる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記下面部当接部材30は、前記吊戸6に上下方向の衝撃荷重が加えられたときに前記車輪21が浮き上がって前記レール3から脱輪するのを防止できる限り、前記突出部分36,36が前記取着部17の上面部39から浮き上がった状態とされてもよい。
(2) 図10〜13は、前記下面部当接部材30の他の態様を示すものであり、側面視でL字状を呈している。より具体的には、前記立壁部19の前面部31に当接状態で着脱可能にビス固定される、左右方向に長い矩形板状を呈する垂直片63の下端で、後方に突出する矩形板状を呈する水平片65が、前記車輪21が存する後側に向けて突設されている。該垂直片63には、図10に示すように、その左右両側にビス挿通孔66,66が設けれている。そして該水平片65は、前記車輪21の下側に位置させて前記立壁部19に設けられてなる左右方向に長い横挿通溝66に、その前側から後側に向けて挿通される。
そして図11〜12に示すように、前記水平片65を前記横挿通溝67に、その前側からその後側に向けて挿通させ、前記垂直片63を前記立壁部19の前面部31に当接させた状態で、前記ビス挿通孔66,66を挿通するビス69が、前記立壁部19の前記横挿通溝67の上側に位置させて設けた左右のネジ孔70,70に螺合され締め付けられることによって、図11に示すように、前記垂直片63が、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される。そして、前記横挿通溝67からの突出部分71の矩形状を呈する水平な上面72(図11(B)、図12)が、前記レール3の下面部26と当接し得る前記下面部当接部27を構成する。該下面部当接部27は、図12(B)に示すように、該下面部26から下方に前記下方規制距離L1を隔てて配設される。なお図11(A)(B)においては、前記吊戸6の図示が省略されている。
(3) 前記後方規制距離L2は、前記のように0.1〜2.6mm程度に設定するのが好ましい。図13、図14は、前記欠切開口部48を直径が13mmの円弧状の切欠開口部として構成した場合を示すものである。図13においては、円の下端側の部分が切除されて、前記後方規制距離L2が2.6mmに設定されている。又図14においては、円の下端側の部分が切除されて、前記後方規制距離L2が0.1mmに設定されている。
(4) 図15、図16は、前記後面部当接部29が、前方に向けて先細となる爪状部61aの先端の鋭部62として構成された場合の他の態様を示すものである。図15においては、前記欠切開口部48がU字状に形成されている。又図16は、前記後面当接部材45を構成する垂下板部73に、前方に向けて先細となる爪状部61aを設け、該爪状部61aの先端の鋭部62を後面部当接部29としている。
(5) 又、前記下面部当接部材30は、図17に示すように、前記側片35,35が、前記立壁部19の左右端55,56の稍内方に位置させて設けられることもある。なお図17において、前記吊戸6の図示が省略されている。
前記下面部当接部材30は、例えば図18に示すように、前記立壁部19の後面57に設けた保持部(保持溝部や保持軸等)59に保持された状態で、前記立壁部19にその前側から、着脱可能にビス60で固定される如く構成することもある。前記下面部当接部材30は、例えば図17、図18に示すようなL字状を呈するものであってもよい他、例えば特許文献1に示されているような軸状支持部材を以て構成することもできる。
(6) 前記後面部当接部29は、前記吊戸6に前後方向の衝撃荷重が加わった場合において、前記車輪21が前後方向で移動して前記レール3から脱輪するのを防止できる限り各種に構成され得る。
例えば図19に示すように、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される固定片46の上側部分の、前記左右方向で見た一方側の縁49において、後方に突出する矩形板状の前記後方突出片47が、前記車輪21が存する後面側に向けて突設されており、その後側部分の下端には、前記レール3の前記後面部28に当接し得る後面部当接部29が設けられている。該後面部当接部29は、前記と同様の円弧状の切欠開口部48を以て構成されている。
又図20に示すように、前記後面部当接部29を有する前記後方突出片47は、前記立壁部19の前面31に着脱可能にビス固定される固定片46の上端で連設されてもよい。
又、前記後面部当接部材45は、例えば図21に示すように、前記立壁部19の後面57に設けた保持部(保持溝や保持軸等)59に保持された状態で前記立壁部19に着脱可能にビス固定される如く構成することもある。又前記後面部当接部29は、例えば図22、図23に示すように、前記立壁板19の左右両側に設けられることもある。
図20、図21、図22においては、前記後面部当接部材45を構成する後面部当接部29が平面状に形成されているが、線状や点状等の突部を以て構成されることもある。なお図19〜22においては、前記吊戸6の図示が省略されている。
(7) 前記下面部当接部材30と前記後面部当接部材45は、前記立壁部19に設けられることの他、前記基板17を含めて、前記吊下支持部材18(図3)の適宜の部位に設けることができる。
(8) 前記実施例においては、前記固定片46を上下2本のビス51,51を用いて立壁部19に着脱可能に固定する場合が示されているが、例えば図24に示すように、該固定片46の下端部分57を保持溝部59に挿入させた状態で該固定片46の上側部分60を1本のビス51を用いて立壁板19に着脱可能にビス固定することもある。なお図24においては、前記吊戸6の図示が省略されている。
(9) 前記レール3は水平状態に設けられることがある。この場合は、前記吊戸6を、例えば公知の引戸クローザー(図示せず)により自動的に閉じるように構成することができる。
(10)前記したように、前記下方規制距離L1は例えば0.1〜0.7mm程度に設定でき、又前記後方規制距離L2は例えば0.1〜2.6mm程度に設定できるが、前記L1やL2の大きさは、前記戸車装置11や前記吊戸6等の製作誤差、各種の施工誤差、吊戸の走行状態を考慮して、本発明の前記課題を達成できるように所要値に設定するものである。
(11)前記吊下支持部材18を構成する前記取着部17や前記立壁部19は、前記実施例で示した板状を呈するものには限定されない。
(12)前記下面部当接部27と前記後面部当接部29は、一つの部材に組み込まれることもある。
(13)前記吊戸6は、前記開口部5を開いた状態において、戸袋内に納まるように設置されることがある他、戸袋を設けないで、間仕切り壁2に重なるように設置されることもある。
(14)本発明は、各種の間仕切り用の吊戸式引戸に対して応用でき、例えば家庭用の吊戸に対しても応用できる。
1 吊戸式引戸装置
2 間仕切り
3 レール
5 開口部
6 吊戸式引戸
7 上部
11 戸車装置
16 走行部
17 取着部
19 立壁部
21 車輪
22 周溝
26 下面部
27 下面部当接部
28 後面部
29 後面部当接部
30 下面部当接部材
31 前面
33 挿通溝
35 側片
36 突出部分
37 下端
39 上面
40 上端
45 後面部当接部材
46 固定片
47 後方突出片
48 欠切開口部
59 保持部
本発明は、吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置に関するものであり、又、これを用いる脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置に関するものであり、更に、吊戸式引戸の脱輪防止方法に関するものである。
学校や病院、福祉施設等における間仕切り用の引戸の一例として吊戸式引戸が用いられている。該吊戸式引戸は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉するように構成されており、該吊戸式引戸の戸先側と戸尻側に夫々設けられた戸車装置は、該レール上を転動する1個の車輪が回転自在に設けられてなるものであった。
そのため、該吊戸式引戸に衝撃が加えられた際にその衝撃が車輪に伝わり該車輪がレールから脱輪する恐れがあった。このような脱輪が発生する場合の一例としては、例えば、吊戸式引戸を勢いよく閉めた際に該引戸が開口部の縦枠に当たって跳ね返るとき等に発生する上下方向の衝撃で該引戸が浮き上がって脱輪する場合を挙げることができる。特に学校間仕切りの引戸は頻繁に開け閉めされるために、かかる上下方向の衝撃に起因する脱輪の恐れが高かった。又、引戸の側面部に人や車椅子が誤ってぶつかる等して引戸にその側面から衝撃的な横荷重が加わったときも、引戸が浮き上がったり引戸が撓んだりして脱輪する恐れがあった。
そこで、引戸に加えられた衝撃を吸収する機能を有する吊戸式引戸装置として特許文献1が開示するものが提案されている。特許文献1の図5に記載されている吊戸式引戸装置aは、図25に示すように、レールbに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する引戸cと、該引戸cを吊り下げる吊金具dと、レールbの上を走行する車輪eと、該吊金具dと引戸cとを連結する連結部材fと、引戸cに加えられた衝撃を吸収する緩衝部材gを具えている。又、該吊金具dの鉛直板部hには、前記レールbの直下において水平状態に突出する、ネジ軸又はピン等としての軸状支持部材jが突設されている。
そして特許文献1の説明によると、該引戸cに衝撃が加わった際は、図26に示すように、引戸cが傾き、該引戸cと前記吊金具dとによって前記緩衝部材gが弾性的に圧縮され、従って、該引戸cに加えられた衝撃は、緩衝部材gを圧縮する力に変換されて吸収されることとなり、その衝撃による車輪eの離脱が防止されると記載されている。又、引戸cに加えられた衝撃によって吊金具dが持ち上げられると、前記軸状支持部材j(図25)が前記レールbの下面部kに当接することとなり、該緩衝部材gの緩衝機能と相まって、車輪eの離脱が防止されると説明されている。
ところで、前記引戸cに加えられた衝撃のうち上下方向の衝撃によって引戸cが浮き上がった場合は、前記軸状支持部材jが前記レールbの下面部kに当接することによってそれ以上の引戸の浮き上がりを阻止し得ることから車輪eの離脱が防止されると考えられる。しかしながら衝撃的な横方向(前後方向)の荷重に対しては、前記緩衝部材gの緩衝作用によって脱輪を防止できるとは必ずしもいえないと考えられる。なぜなら、特許文献1においては、緩衝部材gが弾性圧縮されることに伴う衝撃吸収によって車輪eの離脱を防止できるとされている(図26)が、横方向(前後方向)の衝撃荷重によって引戸が傾いたときは例えば図27に示すように前記吊金具dも同時に傾くこととなり、これに伴い車輪eが同図に示すように傾き、該衝撃荷重が大きいときは該車輪eがレールbから離脱すると考えられる。
特許文献1の段落0021にも記載されているように、一般に、車輪eを滑らかに走行させるためには、該車輪eの外周面には前記レールbの走行部mに嵌め合わされる円弧状の周溝nが形成されると共に該走行部mの断面形状が略円形乃至円弧状に設定されると考えられるが、そうであるならば、横荷重によって前記引戸cが傾いた際に前記吊金具dが前記走行部mの車輪eとの接触点pを支点としてなお一層傾き易く、該車輪eがレールbから離脱し易いと考えられる。
このように特許文献1に係る吊戸式引戸装置にあっては、上下方向の衝撃荷重に対する脱輪防止は達成されているとしても、横方向の衝撃荷重に対する脱輪防止は不確実であったのである。
特開2008−81956号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、吊戸式引戸に衝撃荷重が加えられた際においても脱輪を防止して吊戸式引戸の外れ防止や転倒防止を図り得る吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置の提供を課題とするものであり、又、脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置の提供を課題とするものである。更に、吊戸式引戸をレールに吊下状態に装着する際において、吊戸式引戸の吊下作業を容易に行うことができながら確実に脱輪防止を達成できる吊戸式引戸の脱輪防止方法の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る吊戸式引戸用の脱輪防止戸車装置(以下、戸車装置という)の第1の態様は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の上部に設けられる脱輪防止戸車装置であって、前記上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなる吊下支持部材の該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、前記吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように該レールの下面部に当接し得る下面部当接部と、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が設けられる如く構成されており、該下面部当接部は、前記下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられると共に、前記後面部当接部は、前記後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられてなる吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置である。そして、前記下面部当接部は下面部当接部材を用いて構成されており、該下面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右側に側片が突設されてなり、該両側片は、前記車輪の下側に位置させて前記立壁部に設けられてなる左右の挿通溝にその前側からその後側に向けて挿通されるものであり、該左右の挿通溝を挿通した該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端が前記取着部の上面部に当接する如くなされ、該当接した状態で、該突出部分の上端が前記下面部当接部となることを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第2の態様は、前記第1の態様において、前記後面部当接部が後面部当接部材を用いて構成されており、該後面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される固定片に後方突出片が設けられてなり、該後方突出片は、前記車輪が存する後側に向けて突出し且つ前記レールの後面部に当接し得る前記後面部当接部を有することを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第3の態様は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の上部に設けられる脱輪防止戸車装置であって、前記上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなる吊下支持部材の該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、前記吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように該レールの下面部に当接し得る下面部当接部と、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が設けられる如く構成されており、該下面部当接部は、前記下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられると共に、前記後面部当接部は、前記後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられてなる吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置である。そして、前記後面部当接部は、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る戸車装置の第4の態様は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の上部に設けられる脱輪防止戸車装置であって、前記上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなる吊下支持部材の該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、前記吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように該レールの下面部に当接し得る下面部当接部と、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が設けられる如く構成されており、該下面部当接部は、前記下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられると共に、前記後面部当接部は、前記後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられてなる吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置である。そして、前記後面部当接部は後面部当接部材を用いて構成されており、該後面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される固定片に後方突出片が設けられてなり、該後方突出片は、前記車輪が存する後側に向けて突出し且つ前記レールの後面部に当接し得る前記後面部当接部を有しており、前記後方突出片の下端部分に、前記レールの前記走行部を嵌め入れるための、下端が開放した切欠開口部が設けられており、該切欠開口部は、円の下端側の部分が切除された円弧状の切欠開口部として構成されており、該円弧状の切欠開口部の下端の後側の縁部が前記後面部当接部とされており、該後面部当接部である該後側の縁部は、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置は、前記レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸を具える吊戸式引戸装置であって、該吊戸式引戸の上部に、前記第1、第2、第3又は第4の態様に記載の吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置が設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る吊下式引戸の脱輪防止方法は、レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の脱輪防止方法であって、該吊戸式引戸の上部には吊下支持部材が設けられてなり、該吊下支持部材は、該上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなり該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、該吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの下面部に当接し得る下面部当接部が、該下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く設けられるものとなされると共に、前記吊下支持部材には、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が、該後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く設けられるものとなされており、前記下面部当接部と前記後面部当接部とを前記立壁部から取り外した状態で前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着して後に、該下面部当接部と該後面部当接部を前記立壁部に設けることとし、又、前記下面部当接部は下面部当接部材を用いて構成し、該下面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右側に側片が突設されたものとして構成し、前記後面部当接部は後面部当接部材を用いて構成し、該後面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される固定片に、前記レールの後面部に当接し得る前記後面部当接部を有する後方突出片が設けられたものとして構成し、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に、前記立壁部に設けられた左右の挿通溝に前記左右の側片を挿通させると共に該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端を前記取着部の上面部に当接させた状態で前記基片を前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定することによって、該突出部分の上端を前記下面部当接部となし、又、前記後方突出片を、前記後面部当接部が前記レールの前記後面部と対向する状態として後、前記固定片を前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定することを特徴とするものである。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る戸車装置は、下面部当接部と後面部当接部を具える如く構成され、該下面部当接部は、前記レールの下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く設けられると共に、該後面部当接部は、前記レールの後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く設けられている。従って本発明によるときは、吊戸式引戸に上下方向の衝撃荷重や前後方向の衝撃荷重が加えられた際においても脱輪を確実に防止できる戸車装置を提供できることとなる。そして該戸車装置を用いることによって、外れ防止や転倒防止を図り得る安全性の高い吊戸式引戸装置を提供できることとなる。
(2) 特に前記下面部当接部を、前記下面部当接部材を用いて構成すると共に、前記後面部当接部を前記後面部当接部材を用いて構成する場合は、吊戸式引戸をレールに吊下状態に装着する作業を容易に行うことができながら確実に脱輪防止を達成できることとなる。
(3) 前記下面部当接部を、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右両側に側片が突設されてなる下面部当接部材を用いて構成することとし、両側片を前記立壁部に設けられてなる左右の挿通溝に前側からその後側に向けて挿通させ、該左右の挿通溝を挿通した該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端が前記取着部の上面部に当接する如くなし、該当接した状態で、該突出部分の上端が前記下面部当接部となるように構成するときは、該下面部当接部材は、該両側片を一体に有するために剛性が高く、然も、前記突出部分の下端が前記取着部の上面部に当接状態となるため、該下面部当接部に加わった下方向への衝撃荷重によって該突出部分が変形する恐れがない。従って、該衝撃荷重を前記取着部を介して前記吊戸の上部で安定状態で支持できることとなり、前記車輪が前記レールから脱輪するのを効果的に防止できる。
(4) 前記後面部当接部を、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成する場合は、吊戸式引戸に前後方向の衝撃荷重が加えられた際において該鋭部が前記レールの後面部に一瞬、食い込む状態となりやすい。従って、該後面部当接部が該レールの後面部を上滑りしにくく、前記車輪の前後動や上下動をより確実に防止できることとなる。従って吊戸式引戸の脱輪をより効果的に防止できることとなる。
(5) 前記後面部当接部を前記後面部当接部材を用いて構成することとし、該後面部当接部材の有する前記後方突出片の下端部分に、前記レールの走行部を嵌め入れるための円弧状形態を呈する切欠開口部を設ける場合は、前記爪状部を有する切欠開口部を、円形の打ち抜き金型を用いて打ち抜きプレス加工を施すことにより特別な金型を何ら用いることなく簡易に形成できる利点がある。
(6) 又、本発明に係る吊戸式引戸の脱輪防止方法によるときは、吊戸式引戸の吊下作業を容易に行うことができながら確実に脱輪防止を達成できることとなる。
本発明に係る戸車装置が応用された吊戸式引戸装置を示す正面図である。 本発明に係る戸車装置を、その車輪がレールに吊下された状態で示す一部断面正面図である。 本発明に係る戸車装置を分解して示す斜視図である。 戸車装置を示す斜視図である。 戸車装置を示す斜視図である。 下面部当接部材と後面部当接部材を取り外した状態で吊戸をレールに吊下した状態を示す一部断面正面図である。 下面部当接部材と後面部当接部材を取り付けた状態で、吊戸が浮き上がった場合、その浮き上がり量が規制されて車輪の脱輪が防止される作用を説明する説明図である。 吊戸に前後方向の衝撃荷重が加わって車輪が前方に移動した場合、その移動距離が後面部当接部で規制されて車輪の脱輪が防止される作用を説明する説明図である。 引戸に上下方向と前後方向の衝撃荷重が同時に加わった場合において、下面部当接部と後面部当接部の移動規制によって車輪の脱輪が防止される作用を説明する説明図である。 戸車装置の他の態様を示す分解斜視図である。 その戸車装置を示す斜視図である。 その戸車装置を示す側面図である。 円弧状の切欠開口部によって後面部当接部を形成した場合の他の例を示す側面図である。 円弧状の切欠開口部によって後面部当接部を形成した場合のその他の例を示す側面図である。 後面部当接部を爪状部の先端の鋭部を以て構成した場合の他の例を示す側面図である。 後面部当接部を爪状部の先端の鋭部を以て構成した場合のその他の例を示す側面図である。 下面部当接部材を立壁板の左右に設けてなる戸車装置を示す斜視図である。 下面部当接部材を立壁板の後面に設けた保持溝に保持させる戸車装置を示す部分斜視図と断面図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図と断面図である。 立壁板の左右両側に後面部当接部が設けられてなる戸車装置を示す斜視図である。 立壁板の左右両側に後面部当接部が設けられてなる戸車装置の他の態様を示す斜視図である。 戸車装置のその他の態様を示す斜視図である。 従来の脱輪防止戸車装置の一例を示す断面図である。 従来の脱輪防止戸車装置の他の例を示す断面図である。 従来の脱輪防止戸車装置の問題点を示す説明図である。
図1において本発明に係る吊戸式引戸装置1は、例えば学校や病院、福祉施設における各種の間仕切り2に用いられる間仕切り用の引戸に応用されており、レール3に吊下状態に装着されて左右方向でスライドでき該間仕切り2の出入り用の開口部5を開閉する吊戸式引戸6を具える。そして該吊戸式引戸(以下吊戸ともいう)6は、その上部7の長さ方向(吊戸6の左右方向)の戸先側9と戸尻側10に戸車装置11,11が設けられている。なお本発明において、前記左右方向と直交する方向を前後方向と言い、前記レール3から離れる方向を前方という。
前記レール3は例えばアルミニウム製であり、図2に示すように、前記開口部5の上枠部12にビス固定される垂直取付け片部13の下端で前方に向けて水平に折曲形成されてなる水平片部15の前端において、垂直に立設されており、その上端の走行部16は、その断面が、上に突の半円弧状を呈している。該レール3は、本実施例においては図1に示すように、前記吊戸6がその自重によって自動的に閉じるように、吊戸の閉じる方向の前側が低い傾斜状態で設けられている。
前記戸車装置11は、図2〜3に示すように、前記上部7に取着される取着部17に立壁部19を立設状態に設けてなる吊下支持部材18の該立壁部19の、前記レール3と相対する後側部20に、前記走行部16を転動する車輪21が回転自在に設けられている。該車輪21は、前記走行部16に嵌め合わされる半円弧状の周溝22を有し該走行部16を転動して前記吊戸6の左右方向のスライドを円滑化する。
前記取着部17は、本実施例においては左右方向に長い矩形板状に形成されると共に、その左右方向の両端部分にボルト挿通孔24,24が設けられており、該ボルト挿通孔24,24を挿通するボルト23を前記引戸6の上部7に設けたネジ孔に螺合し締め付けることによって該上部7に固定される。又、該取着部17の前後方向の前縁部25の長さ方向の中央部分において、略長方形板状を呈する前記立壁部19が垂直状態に折曲形成されている。
そして図2に示すように、該立壁部19には、前記車輪21が浮き上がって前記レール3から脱輪するのを防止できるように該レール3の下面部26と当接し得る下面部当接部27が、前記吊戸6を該レール3に吊下状態に装着した後に設けられる。且つ、前記車輪21が前方に移動して前記レール3から脱輪するのを防止できるように該レール3の後面部28に当接し得る後面部当接部29が、該立壁部19に、前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着した後に設けられる。本実施例において前記下面部26とは、垂直に立設された前記レール3の直下の下面部分26aだけには限られず、前記水平片部15の下面も含むものであり、該下面部当接部27が該下面部26に当接するとは、該下面部26の全体に当接することの他、該下面部26の一部分に当接することも含まれる。
前記下面部当接部27は、本実施例においては図2〜5に示すように、前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着した後に前記立壁部19に設けられる下面部当接部材30を用いて構成されている。該下面部当接部材30は、例えば鉄製であり、図3に示すように平面視でコ字状を呈している。より具体的には、前記立壁部19の前面部31に当接する状態で着脱可能にビス固定される矩形板状を呈する基片32の左右側(本実施例においては左右端)に、矩形板状を呈する側片35,35が屈曲により突設されてなる。そして該両側片35,35は、前記車輪21の下側に位置させて前記立壁部19に設けられた左右の挿通溝(上下方向に長い挿通溝)33,33に、その前側からその後側に向けて挿通される。
本実施例においては、図4に示すように、該左右の挿通溝33,33を挿通した該両側片35,35の該挿通溝33,33からの突出部分36,36の下端37,37が、前記取着部17の上面部39に当接する如くなされている。そして、該突出部分36,36の下端37,37が該取着部17の上面部39に当接した状態で、該突出部分36,36の上端40,40が、前記レール3の下面部26と当接し得る前記下面部当接部27を構成する。
該下面部当接部27は、図2(B)に拡大して示すように、該下面部26から下方に下方規制距離(0.1〜0.7mm程度、例えば0.5mm程度)L1を隔てて配設される。前記基片32の中央部には、図3に示すようにビス挿通孔41が設けられており、該ビス挿通孔41を挿通するビス42が、前記左右の挿通溝33,33間で設けたネジ孔43に螺合され締め付けられることによって、図5に示すように、該基片32が前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される。
又、前記後面部当接部29は、前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着した後に前記立壁部19に設けられる後面部当接部材45を用いて構成されている。該後面部当接部材45は、例えば鉄製であり、本実施例においては図3〜5に示すように、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される固定片46に後方突出片47を設けてなる。本実施例においては該固定片46は、上下に長い矩形板状に構成されており、前記左右方向で見た一方側の縁34において、後方に突出する矩形板状の前記後方突出片47が、前記車輪21が存する後側に向けて突設されている。該後方突出片47の下端部分38には、前記レール3の前記走行部16を嵌め入れるための切欠開口部48が設けられている。該切欠開口部48は、本実施例においては図2〜3に示すように、円の下端側の部分が例えば1/4程度切除された、下端49が開放した円弧状の切欠開口部として構成されている。該円弧状の切欠開口部の下端49の後側の縁部分61は、図2(C)に拡大して示すように、前方に向けて先細となる爪状部61aとして構成されており、該爪状部61aの先端の鋭部62が、前記レール3の後面部28に当接し得る前記後面部当接部29とされている。該円弧状の切欠開口部としての前記切欠開口部48は、例えば、円形の打ち抜き金型を用いて打ち抜きプレス加工を施すことにより簡易に形成できる。
該後面部当接部29は、本実施例においては、図2(C)に拡大して示すように、前記レール3の後面部28から後方に後方規制距離(0.1〜2.6mm程度、例えば1.8mm程度)L2を隔てて配設される。
本実施例においては図3に示すように、前記固定片46の上下部分にビス挿通孔50,50が設けられると共に、該ビス挿通孔50,50を挿通するビス51が、前記立壁部19の左右方向の前記一方側の上下に設けられているネジ孔52,52に螺合され締め付けられることによって、図5に示すように、該固定片46が、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される如くなされている。
前記吊戸6を前記レール3に吊下状態に装着するに際しては、前記下面部当接部材30と前記後面部当接部材45を前記立壁部19から取り外した状態で行う。図6は、吊戸6をレール3に装着した状態を示している。その後、この状態で図2、図4〜5に示すように、前記下面部当接部材30を前記立壁部19に取り付ける。なお、図4〜5においては、前記吊戸6の図示が省略されている。該下面部当接部材30の取り付けは、前記両側片35,35を、前記左右の挿通溝33,33に、前記前後方向の前側からその後側に向けて挿通させ、前記基片32を前記立壁部19の前面31に当接させて行う。この状態で図2(A)、図4に示すように、該両側片35,35の、該挿通溝33,33から後方に突出した突出部分36,36の下端37,37が、前記取着部17の上面部39に当接した状態となる。その後、前記基片32に設けられているビス挿通孔41に、前側からビス42を挿通し、そのネジ軸部53を前記ネジ孔43に螺合し締め付ける。これによって前記下面部当接部材30は、図2(A)、図4〜5に示すように、立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定されると共に両側片35,35の下端37,37が前記取着部17の上面部39に当接した安定状態で固定されることになる。この状態で、図2(A)(B)に示すように、前記レール3の下面部26に当接し得る下面部当接部27が、該下面部26から下方に下方規制距離(前記L1)を隔てて配設されることになる。
又図4〜5に示すように、前記切欠開口部48に前記レール3の前記走行部16を嵌め入れた状態にすると共に、前記後面部当接部材45の前記固定片46を前記立壁部19の前面部31に当接させ、前記上下のビス挿通孔50,50に前側から挿通するビス51,51のネジ軸部54,54(図3)を、前記上下のネジ孔52,52に螺合し締め付ける。これによって、図2(A)(C)に示すように、前記レール3の後面部28に当接し得る後面部当接部29が、該後面部28から後方に前記後方規制距離(前記L2)を隔てて配設されることになる。
前記下面部当接部材30と前記後面部当接部材45をこのように固定するのであるが、通常状態においては、図2に示すように、前記下面部当接部27が前記レール3の下面部26から下方規制距離L1分だけ下方に位置して該下面部26に接触しない。又、前記後面部当接部29が前記レール3の後面部28から後方規制距離L2分だけ後方に位置して該後面部28に接触しない。従って、該下面部当接部27と該後面部当接部29が吊戸6のスライドを阻害することはない。
吊戸6に上下方向の衝撃荷重が加わって前記吊戸6が浮き上がった場合は、図7に示すように、前記車輪21の浮き上がり量を、最大で、前記下方規制距離L1に相当する量に規制できるため、該下面部当接部27が該レール3の下面部26と当接することによって、前記車輪21がレール3から脱輪するのを防止できることとなる。
より詳しく説明すれば、前記下面部当接部材30は、前記両側片35,35を一体に有するために剛性が高く、然も、前記突出部分36,36の下端37,37が前記取着部17の上面部39に当接状態にあるため、該下面部当接部27に加わった下方向への衝撃荷重によって該突出部分36,36が変形する恐れがない。従って、該衝撃荷重を、前記取着部17を介して前記吊戸6の上部7で安定状態で支持できることとなり、前記車輪21が前記レール3から脱輪するのを効果的に防止できる。
又、前記吊戸6に前方向の衝撃荷重が加わって前記車輪21が前方に図8に示すように移動した場合は、その移動距離を、最大で、前記後方規制距離L2に相当する量に規制できる。従って、該後面部当接部29が前記レール3の後面部28に当接することによって車輪21の前方への移動を規制でき、該車輪21が前記レール3の前方側で脱輪するのを防止できる。本実施例においては、前記レール3がアルミニウム製であり且つ前記後面部当接部材45が鉄製であるため、前方向への衝撃荷重が加わったとき、前方に向けて先細となる前記爪状部61aの先端の鋭部62(前記後面部当接部29)が、前記レール3の後面部28に一瞬、食い込む状態となりやすい。このように食い込む状態となった時は、該後面部当接部29が該レール3の後面部28を上滑りしにくく、吊戸式引戸の脱輪をより効果的に防止できることとなる。
図9は、吊戸6に上下方向の衝撃荷重と前後方向の衝撃荷重が同時に加わった場合を示すものであり、前記下面部当接部27が該レール3の下面部26と当接し且つ前記後面部当接部29が前記レール3の後面部28に当接することによって、前記車輪21が前記レール3から脱輪するのを防止できる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記下面部当接部材30は、前記吊戸6に上下方向の衝撃荷重が加えられたときに前記車輪21が浮き上がって前記レール3から脱輪するのを防止できる限り、前記突出部分36,36が前記取着部17の上面部39から浮き上がった状態とされてもよい。
(2) 図10〜13は、前記下面部当接部材30の他の態様を示すものであり、側面視でL字状を呈している。より具体的には、前記立壁部19の前面部31に当接状態で着脱可能にビス固定される、左右方向に長い矩形板状を呈する垂直片63の下端で、後方に突出する矩形板状を呈する水平片65が、前記車輪21が存する後側に向けて突設されている。該垂直片63には、図10に示すように、その左右両側にビス挿通孔66,66が設けれている。そして該水平片65は、前記車輪21の下側に位置させて前記立壁部19に設けられてなる左右方向に長い横挿通溝66に、その前側から後側に向けて挿通される。
そして図11〜12に示すように、前記水平片65を前記横挿通溝67に、その前側からその後側に向けて挿通させ、前記垂直片63を前記立壁部19の前面部31に当接させた状態で、前記ビス挿通孔66,66を挿通するビス69が、前記立壁部19の前記横挿通溝67の上側に位置させて設けた左右のネジ孔70,70に螺合され締め付けられることによって、図11に示すように、前記垂直片63が、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される。そして、前記横挿通溝67からの突出部分71の矩形状を呈する水平な上面72(図11(B)、図12)が、前記レール3の下面部26と当接し得る前記下面部当接部27を構成する。該下面部当接部27は、図12(B)に示すように、該下面部26から下方に前記下方規制距離L1を隔てて配設される。なお図11(A)(B)においては、前記吊戸6の図示が省略されている。
(3) 前記後方規制距離L2は、前記のように0.1〜2.6mm程度に設定するのが好ましい。図13、図14は、前記欠切開口部48を直径が13mmの円弧状の切欠開口部として構成した場合を示すものである。図13においては、円の下端側の部分が切除されて、前記後方規制距離L2が2.6mmに設定されている。又図14においては、円の下端側の部分が切除されて、前記後方規制距離L2が0.1mmに設定されている。
(4) 図15、図16は、前記後面部当接部29が、前方に向けて先細となる爪状部61aの先端の鋭部62として構成された場合の他の態様を示すものである。図15においては、前記欠切開口部48がU字状に形成されている。又図16は、前記後面当接部材45を構成する垂下板部73に、前方に向けて先細となる爪状部61aを設け、該爪状部61aの先端の鋭部62を後面部当接部29としている。
(5) 又、前記下面部当接部材30は、図17に示すように、前記側片35,35が、前記立壁部19の左右端55,56の稍内方に位置させて設けられることもある。なお図17において、前記吊戸6の図示が省略されている。
前記下面部当接部材30は、例えば図18に示すように、前記立壁部19の後面57に設けた保持部(保持溝部や保持軸等)59に保持された状態で、前記立壁部19にその前側から、着脱可能にビス60で固定される如く構成することもある。前記下面部当接部材30は、例えば図17、図18に示すようなL字状を呈するものであってもよい他、例えば特許文献1に示されているような軸状支持部材を以て構成することもできる。
(6) 前記後面部当接部29は、前記吊戸6に前後方向の衝撃荷重が加わった場合において、前記車輪21が前後方向で移動して前記レール3から脱輪するのを防止できる限り各種に構成され得る。
例えば図19に示すように、前記立壁部19の前面部31に着脱可能にビス固定される固定片46の上側部分の、前記左右方向で見た一方側の縁49において、後方に突出する矩形板状の前記後方突出片47が、前記車輪21が存する後面側に向けて突設されており、その後側部分の下端には、前記レール3の前記後面部28に当接し得る後面部当接部29が設けられている。該後面部当接部29は、前記と同様の円弧状の切欠開口部48を以て構成されている。
又図20に示すように、前記後面部当接部29を有する前記後方突出片47は、前記立壁部19の前面31に着脱可能にビス固定される固定片46の上端で連設されてもよい。
又、前記後面部当接部材45は、例えば図21に示すように、前記立壁部19の後面57に設けた保持部(保持溝や保持軸等)59に保持された状態で前記立壁部19に着脱可能にビス固定される如く構成することもある。又前記後面部当接部29は、例えば図22、図23に示すように、前記立壁板19の左右両側に設けられることもある。
図20、図21、図22においては、前記後面部当接部材45を構成する後面部当接部29が平面状に形成されているが、線状や点状等の突部を以て構成されることもある。なお図19〜22においては、前記吊戸6の図示が省略されている。
(7) 前記下面部当接部材30と前記後面部当接部材45は、前記立壁部19に設けられることの他、前記基板17を含めて、前記吊下支持部材18(図3)の適宜の部位に設けることができる。
(8) 前記実施例においては、前記固定片46を上下2本のビス51,51を用いて立壁部19に着脱可能に固定する場合が示されているが、例えば図24に示すように、該固定片46の下端部分57を保持溝部59に挿入させた状態で該固定片46の上側部分60を1本のビス51を用いて立壁板19に着脱可能にビス固定することもある。なお図24においては、前記吊戸6の図示が省略されている。
(9) 前記レール3は水平状態に設けられることがある。この場合は、前記吊戸6を、例えば公知の引戸クローザー(図示せず)により自動的に閉じるように構成することができる。
(10)前記したように、前記下方規制距離L1は例えば0.1〜0.7mm程度に設定でき、又前記後方規制距離L2は例えば0.1〜2.6mm程度に設定できるが、前記L1やL2の大きさは、前記戸車装置11や前記吊戸6等の製作誤差、各種の施工誤差、吊戸の走行状態を考慮して、本発明の前記課題を達成できるように所要値に設定するものである。
(11)前記吊下支持部材18を構成する前記取着部17や前記立壁部19は、前記実施例で示した板状を呈するものには限定されない。
(12)前記下面部当接部27と前記後面部当接部29は、一つの部材に組み込まれることもある。
(13)前記吊戸6は、前記開口部5を開いた状態において、戸袋内に納まるように設置されることがある他、戸袋を設けないで、間仕切り壁2に重なるように設置されることもある。
(14)本発明は、各種の間仕切り用の吊戸式引戸に対して応用でき、例えば家庭用の吊戸に対しても応用できる。
1 吊戸式引戸装置
2 間仕切り
3 レール
5 開口部
6 吊戸式引戸
7 上部
11 戸車装置
16 走行部
17 取着部
19 立壁部
21 車輪
22 周溝
26 下面部
27 下面部当接部
28 後面部
29 後面部当接部
30 下面部当接部材
31 前面
33 挿通溝
35 側片
36 突出部分
37 下端
39 上面
40 上端
45 後面部当接部材
46 固定片
47 後方突出片
48 欠切開口部
59 保持部

Claims (9)

  1. レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の上部に設けられる脱輪防止戸車装置であって、
    前記上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなる吊下支持部材の該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、
    前記吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように該レールの下面部に当接し得る下面部当接部と、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が設けられる如く構成されており、
    該下面部当接部は、前記下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられると共に、前記後面部当接部は、前記後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く、前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に設けられることを特徴とする吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置。
  2. 前記下面部当接部は下面部当接部材を用いて構成されており、該下面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右側に側片が突設されてなり、該両側片は、前記車輪の下側に位置させて前記立壁部に設けられてなる左右の挿通溝にその前側からその後側に向けて挿通されるものであり、該左右の挿通溝を挿通した該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端が前記取着部の上面部に当接する如くなされ、該当接した状態で、該突出部分の上端が前記下面部当接部となることを特徴とする請求項1記載の吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置。
  3. 前記後面部当接部は後面部当接部材を用いて構成されており、該後面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される固定片に後方突出片が設けられてなり、該後方突出片は、前記車輪が存する後側に向けて突出し且つ前記レールの後面部に当接し得る前記後面部当接部を有することを特徴とする請求項1記載の吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置。
  4. 前記後面部当接部は、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置。
  5. 前記後方突出片の下端部分に、前記レールの前記走行部を嵌め入れるための、下端が開放した切欠開口部が設けられており、該切欠開口部の下端の後側の縁部が前記後面部当接部とされていることを特徴とする請求項3記載の吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置。
  6. 前記後方突出片の下端部分に、前記レールの前記走行部を嵌め入れるための、下端が開放した切欠開口部が設けられており、該切欠開口部は、円の下端側の部分が切除された円弧状の切欠開口部として構成されており、該円弧状の切欠開口部の下端の後側の縁部が前記後面部当接部とされており、該後面部当接部である該後側の縁部は、前方に向けて先細となる爪状部の先端の鋭部として構成されていることを特徴とする請求項3記載の吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置。
  7. 前記レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸を具える吊戸式引戸装置であって、該吊戸式引戸の上部に、請求項1〜6の何れかに記載の吊戸式引戸の脱輪防止戸車装置が設けられていることを特徴とする脱輪防止機能を有する吊戸式引戸装置。
  8. レールに吊下状態に装着されて左右方向でスライドして開口部を開閉する吊戸式引戸の脱輪防止方法であって、
    該吊戸式引戸の上部には吊下支持部材が設けられてなり、該吊下支持部材は、該上部に取着される取着部に立壁部が立設状態に設けられてなり該立壁部の後側部に、前記レールの上端の走行部を転動する車輪が回転自在に設けられており、該吊下支持部材には、前記車輪が浮き上がって前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの下面部に当接し得る下面部当接部が、該下面部から下方に下方規制距離を隔てる如く設けられるものとなされると共に、前記吊下支持部材には、前記車輪が前方に移動して前記レールから脱輪するのを防止できるように前記レールの後面部に当接し得る後面部当接部が、該後面部から後方に後方規制距離を隔てる如く設けられるものとなされており、
    前記下面部当接部と前記後面部当接部とを前記立壁部から取り外した状態で前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着して後に、該下面部当接部と該後面部当接部を前記立壁部に設けることを特徴とする吊戸式引戸の脱輪防止方法。
  9. 前記下面部当接部は下面部当接部材を用いて構成し、該下面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される基片の左右側に側片が突設されたものとして構成し、前記後面部当接部は後面部当接部材を用いて構成し、該後面部当接部材は、前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定される固定片に、前記レールの後面部に当接し得る前記後面部当接部を有する後方突出片が設けられたものとして構成し、
    前記吊戸式引戸を前記レールに吊下状態に装着した後に、
    前記立壁部に設けられた左右の挿通溝に前記左右の側片を挿通させると共に該両側片の該挿通溝から後方に突出した突出部分の下端を前記取着部の上面部に当接させた状態で前記基片を前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定することによって、該突出部分の上端を前記下面部当接部となし、又、前記後方突出片を、前記後面部当接部が前記レールの前記後面部と対向する状態として後、前記固定片を前記立壁部の前面部に着脱可能にビス固定することを特徴とする請求項8記載の吊下式引戸の脱輪防止方法。
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