JP2010262100A - トナー容器およびトナー製品、並びに画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも2つの樹脂が積層されてなる積層構造の容器壁によって形成されてなるトナー容器であって、第1の樹脂層が少なくともポリブチレンサクシネートを含有してなり、第2の樹脂層が少なくともポリグリコール酸を含有してなることを特徴とするトナー容器。
【選択図】なし
Description
少なくとも2つの樹脂が積層されてなる積層構造の容器壁によって形成されてなるトナー容器であって、
第1の樹脂層が少なくともポリブチレンサクシネートを含有してなり、
第2の樹脂層が少なくともポリグリコール酸を含有してなることを特徴とするトナー容器。
(1)に記載のトナー容器であって、少なくともポリブチレンサクシネートを含有してなる第3の樹脂層を有し、第2の樹脂層が第1の樹脂層と第3の樹脂層との間に介在させていることを特徴とするトナー容器。
第1の樹脂層によって容器壁の最内層が形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー容器。
(1)〜(3)のいずれか1項に記載のトナー容器を用い、トナー粒子表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10−7〜2.5×10−5mol/gのトナーを充填してなることを特徴とするトナー製品。
(4)に記載のトナー製品を用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明のトナー容器は、少なくとも2つの樹脂層が積層されてなる積層構造の容器壁によって形成されてなり、第1の樹脂層が少なくともポリブチレンサクシネートを含有するものであり、第2の樹脂層が少なくともポリグリコール酸を含有するものである。
本発明のトナー容器を構成する第1の樹脂層は、少なくともポリブチレンサクシネート(PBS)を含有するものである。
第1の樹脂層は、ポリブチレンサクシネートの含有割合が10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10〜90質量%、特に好ましくは25〜75質量%である。
本発明のトナー容器を構成する第2の樹脂層は、少なくともポリグリコール酸を含有するものである。
−(O−CH2−C(O)−)m
で表されるグリコール酸繰り返し単位のみからなるグリコール酸単独重合体(グリコール酸の2分子間環状エステルであるグリコリドの開環重合物を含む)からなるもの、または、上記グリコール酸繰り返し単位を55質量%以上含むグリコール酸共重合体からなるものである。
本発明のトナー容器を構成する第3の樹脂層は、少なくともポリブチレンサクシネートを含有するものである。第3の樹脂層は、上述した第1の樹脂層と同様の構成とすることができる。ただし、第1の樹脂層と第3の樹脂層とは、完全に同一のものでも異なるものであってもよい。
本発明のトナー容器は、少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層とが積層されてなる積層構造の容器壁によって形成されるものであれば、層数、その他の樹脂層の構成などは特に限定されない。例えば、4層以上の樹脂層からなる容器壁によって形成されるものであってもよい。このとき、第4の樹脂層がポリブチレンサクシネートまたはポリグリコール酸を含有する樹脂からなるものでなくてもよい。
本発明のトナー製品は、トナーがトナー容器に収容されてなるものであり、トナー容器が、上記のトナー容器であり、トナーは表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10−7〜2.5×10−5mol/gのトナー粒子よりなるものが好ましい。
本発明のトナー製品に用いられるトナーは、当該トナーを構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10−7〜2.5×10−5mol/gのものであり、好ましくは1.0×10−7〜1.8×10−5mol/gのものである。
トナーを構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量は、付加重合反応により形成される樹脂では、例えば、アクリル酸系単量体、メタクリル酸などのカルボキシル基を有する単量体の組成比やトナー製造時の重合反応における構成を調製することで制御することができる。また、重縮合反応により形成される樹脂では、例えば、トリメリット酸等の多官能の酸を導入して架橋反応の進行を抑制することや重合段階での酸成分とアルコール成分との比率を制御することなどの重合条件を変化させることにより制御することができる。
従って、トナー単位質量当たりのカルボキシル基の量A(mol/g)は、下記式(2)により算出される。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナー製品に用いられるトナーを製造する方法としては、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などを挙げられる。画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、特に、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
(1)着色剤、および必要に応じて界面活性剤を含有する着色剤粒子を得る着色剤粒子形成工程。
(2)必要に応じてオフセット防止剤、荷電制御剤などを含有した結着樹脂微粒子を得る結着樹脂微粒子重合工程。
(3)結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(4)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程。
から構成される。
トナーを構成する着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。
トナーを構成する結着樹脂としては、着色剤粒子との間に十分な密着性が得られる熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは溶剤可溶性のものである。また、その前駆体が溶剤可溶性のものであれば、三次元構造を形成する硬化性樹脂であっても使用することができる。トナーを構成する結着樹脂としては、上記の条件の他にも、トナーにおいて高い帯電性および定着性が得られることなどが考慮されたものを使用することが好ましい。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合においては、結着樹脂を得るための重合開始剤として、水溶性の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合においては、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に使用されている連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のイオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩などを用いることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
トナーには、オフセット現象を抑止するためのオフセット防止剤が含有されていてもよい。ここに、オフセット防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、脂肪酸エステルワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナーには、荷電制御剤が含有されていてもよい。例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。
トナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメディアン径で3.0〜8.0μmであることが好ましい。この体積基準のメディアン径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
トナーには、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して構成することができる。
本発明のトナー製品に用いられるトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。このトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
表1に示すポリブチレンサクシネート〔1〕〜〔5〕およびポリグリコール酸〔1〕、〔2〕を用いて、表2に示す組み合わせに従って、インジェクション成形法により図2に示すスパイラル構造を有するトナー容器〔1〕〜〔7〕および比較用トナー容器〔1〕、〔2〕を作製した。なお、トナー容器〔1〕〜〔7〕および比較用トナー容器〔1〕、〔2〕の各層の層厚を表2に示す。
(樹脂粒子の作製)
(1)第1段重合
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃で2時間加熱後、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子〔1H〕を調製した。
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 16質量部
(2)第2段重合
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、上記樹脂粒子〔1H〕260質量部と、下記単量体溶液を90℃で溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX(エム・テクニック社製)」により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
n−ブチルアクリレート 120質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 1.5質量部
ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル 190質量部
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたって加熱攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子〔1HM〕を得た。
(3)第3段重合
さらに、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、
スチレン 456質量部
n−ブチルアクリレート 135質量部
メタクリル酸 9質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却して樹脂粒子〔1〕を得た。
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「リーガル330R(キャボット社製)」420質量部を徐々に添加し、次いで、攪拌装置「CLEARMIX(エム・テクニック社製)」を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液〔1〕」という。)を調製した。この着色剤分散液〔1〕における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、110nmであった。
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、樹脂粒子〔1〕を固形分換算で300質量部と、イオン交換水1400質量部と、着色剤分散液〔1〕120質量部と、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」にて会合粒子の粒径を測定し、所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解させた水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温98℃にて加熱攪拌することにより、「FPIA−2100(Sysmex社製)」による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4に調整し、攪拌を停止した。
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて生成した粒子を濾過、洗浄、さらに乾燥し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー母体粒子〔1〕を作製した。
上記のトナー母体粒子〔1〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナー〔1〕を作製した。
トナーの製造例1において、第3段重合の単量体混合液の仕込み量を表3に示す処方に従って変更したこと以外は同様にしてトナー〔2〕〜〔7〕を作製した。また、トナー〔1〕〜〔7〕を構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量を前述の方法によって測定して算出した値を表3に示す。
フェライトコア粒子100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部を撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂コート層を形成し、体積基準のメディアン径で40μmのフェライトキャリアを得た。
以上のようにして得られたトナー現像剤〔1〕〜〔7〕と、トナー容器〔1〕〜〔7〕および比較用トナー容器〔1〕、〔2〕とを表4に示す組み合わせによって得られたトナー製品を用いて下記の評価を行った。
400gのトナーを充填したトナー容器を単体駆動装置に装着し、20℃、50%RHの環境下で、開口したトナー供給口の下に計量装置を設置し、この計量装置の値の変化が無くなった時点の質量A(g)を計測した。ここで、単体駆動装置は、トナー容器のトナー搬送スクリューを外部から回転させることで、トナー供給口から強制的にトナーを排出することができる。トナー残存量B(%)は、下記式(3)で表され、値が小さいほどトナー容器内に残存したトナー量が少ないことを示し、2.0%以下であれば実用上問題ないとされる。
(2)画像評価
表4に示す組み合わせによって得られたトナー製品を、33℃、85%RH環境下において、A4サイズ上質紙(64g/m2)に印字率3%の低画素画像(文字画像)を1枚間欠モードにて300,000枚にわたって画像形成を行い、初期と300,000枚後に3%画素画像、ベタ白画像およびベタ黒画像の印字を行って、かぶり、画像濃度および文字チリの評価を実施した。ここで、画像形成装置としては、「bizhub920(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」を用いた。
400gのトナーを充填したトナー容器〔1〕〜〔7〕および比較用トナー容器〔1〕、〔2〕について、トナー容器の両端を手で持ち、高さ1.5mの地点からコンクリート床へ20回落下させ、トナー容器の外観に異常(ひびや破損、へこみなど)またはトナーのもれがないか目視にて確認した。10回終了した時点で異常がなければ、実用上問題ないとする。
20 第2の樹脂層
30 第3の樹脂層
40 容器壁
402 トナー容器本体
403 螺旋状の溝
404 直線状の溝
405 容器ガイド部材
407 係合突起
Claims (5)
- 少なくとも2つの樹脂が積層されてなる積層構造の容器壁によって形成されてなるトナー容器であって、
第1の樹脂層が少なくともポリブチレンサクシネートを含有してなり、
第2の樹脂層が少なくともポリグリコール酸を含有してなることを特徴とするトナー容器。 - 請求項1に記載のトナー容器であって、少なくともポリブチレンサクシネートを含有してなる第3の樹脂層を有し、第2の樹脂層が第1の樹脂層と第3の樹脂層との間に介在させていることを特徴とするトナー容器。
- 第1の樹脂層によって容器壁の最内層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー容器。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー容器を用い、トナー粒子表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10−7〜2.5×10−5mol/gのトナーを充填してなることを特徴とするトナー製品。
- 請求項4に記載のトナー製品を用いることを特徴とする画像形成方法。
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