JP2010139676A - トナー製品および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トナーがトナー容器に収容されてなるトナー製品であって、トナーが、表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10-7〜2.5×10-5mol/gのトナー粒子よりなり、トナー容器が、少なくともポリ乳酸を含有する樹脂からなることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
トナーが、表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10-7〜2.5×10-5mol/gのトナー粒子よりなり、
トナー容器が、少なくともポリ乳酸を含有する樹脂からなることを特徴とする。
10〜90質量%のものであることが好ましい。
トナー容器とトナー容器内のトナーとの摩擦帯電が抑制される理由は、トナー粒子がその表面に適当量の負の極性基を有するものであり、しかも、トナー容器を構成する樹脂に含有されるポリ乳酸が負の極性基を有するものであるので、トナー容器内のトナーを構成するトナー粒子の表面に存在する極性基と、トナー容器を構成する樹脂の極性基とが静電的な反発をするからであると推察される。
本発明のトナー製品は、トナーが、表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10-7〜2.5×10-5mol/gであるトナー粒子よりなり、トナー容器が、少なくともポリ乳酸を含有する樹脂からなるものである。
本発明のトナー製品を構成するトナー容器は、少なくともポリ乳酸を含有する樹脂からなるものである。本発明において、ポリ乳酸とは、L−乳酸および/またはD−乳酸から得られるポリマーのことである。
トナー容器を構成する樹脂には、必要に応じて、難燃剤、酸化防止剤などを含有することができる。
ポリ乳酸の含有割合が90質量%を超える場合においては、トナー容器に必要とされる強度を確保できないおそれがある。一方、ポリ乳酸の含有割合が10質量%より少ない場合においては、トナー容器とトナー容器内のトナーとの摩擦帯電を十分に抑制することができないおそれがある。
メルトフローレートは、190℃、2.16kgの条件でメルトインデクサーを用いて測定されるものとする。
トナー容器の肉厚が5.0mmより大きい場合においては、強度の確保以上に樹脂を使用することになりコストが高くなってしまう。一方、トナー容器の肉厚が0.5mmより小さい場合においては、必要とされる強度を確保することができないおそれがある。
図1において、トナー容器10は、トナー容器本体11の一端にトナー供給口14を有する略箱状の形状を有している。トナー容器10は、トナー容器本体11の長尺方向に沿って(図1における矢印の方向)、画像形成装置のトナー容器格納空間に挿入される。
射出成形法とは、加熱溶融され流動化した樹脂を射出プランジャーまたはスクリューにより金型中に圧力によって注入し、冷却して固化することにより成形する方法である。本発明におけるトナー容器は、トナー容器を構成する各部材を射出成形法によって成形し、それらを接着固定して形成されるものとすることができる。
本発明のトナー製品に用いられるトナーは、当該トナーを構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10-7〜2.5×10-5mol/gのものであり、好ましくは1.0×10-7〜1.8×10-5mol/gのものである。
トナーが、当該トナーを構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量が過多のものである場合においては、特に高温高湿環境下において、トナーの水分吸着量が多くなる結果、得られる画像にかぶりが発生するおそれがある。一方、トナーが、当該トナーを構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量が過少のものである場合においては、トナー容器とトナー容器内のトナーとの摩擦帯電を十分に抑制することができず、トナー残存量を低減させることができないおそれがある。
トナーを構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量は、付加重合反応により形成される樹脂では、例えば、アクリル酸系単量体、メタクリル酸などのカルボキシル基を有する単量体の組成比やトナー製造時の重合反応における構成を調製することで制御することができる。また、重縮合反応により形成される樹脂では、例えば、トリメリット酸等の多官能の酸を導入して架橋反応の進行を抑制することや重合段階での酸成分とアルコール成分との比率を制御することなどの重合条件を変化させることにより制御することができる。
具体的には、トナー5.0gをビーカーに取り、1%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液45.0gを加えて試料分散液を調製する。試料分散液を0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液により電気伝導度測定装置「ABU91 Autoburett and CDM 80 Conductivity meter(Radiometer Co.Ltd製)」を用いて滴定し、カルボキシル基を中和するために必要な水酸化ナトリウム水溶液の量を滴定曲線から読み取る。水酸化ナトリウム水溶液量がY(mL)のとき、試料分散液中のカルボキシル基総量Mtは下記式(1)のように算出される。
式(1):Mt=0.01×Y×10-3(mol)
従って、トナー単位質量当たりのカルボキシル基の量A(mol/g)は、下記式(2)により算出される。
式(2):A=Mt/5(mol/g)
本発明のトナー製品に用いられるトナーを製造する方法としては、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などを挙げられる。画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、特に、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
(1)着色剤、および必要に応じて界面活性剤を含有する着色剤微粒子を得る着色剤微粒子形成工程。
(2)必要に応じてオフセット防止剤、荷電制御剤などを含有した結着樹脂微粒子を得る結着樹脂微粒子重合工程。
(3)結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(4)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程。
から構成される。
トナーを構成する着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。
また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
トナーを構成する結着樹脂としては、着色剤微粒子との間に十分な密着性が得られる熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは溶剤可溶性のものである。また、その前駆体が溶剤可溶性のものであれば、三次元構造を形成する硬化性樹脂であっても使用することができる。トナーを構成する結着樹脂としては、上記の条件の他にも、トナーにおいて高い帯電性および定着性が得られることなどが考慮されたものを使用することが好ましい。
このような結着樹脂としては、一般にトナーを構成する結着樹脂として用いられているものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、スチレン系樹脂やアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂またはエポキシ樹脂などが挙げられ、この中でも、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂が好適に挙げられ、特に高い効果が得られることから、スチレン−アクリル系共重合体樹脂が好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂のガラス転移点温度が30℃より低い場合においては、得られるトナーを十分な耐熱性を有するものとすることができず、保管時にトナー同士の凝集が発生するおそれがある。
具体的には、試料4.50mgをアルミニウム製パン「KITNO.0219−0041」に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得する。得られたカーブC2nd の微分曲線を求め、微分曲線の20℃以上の最も低温側のピークトップ温度Tp (℃)を読み取る。C2nd のTp およびTp −20℃における接線の交点をガラス転移温度として示す。なお、Tp が明確に読み取れない際は、C2nd の20℃以上における最も低温側の吸熱側変曲点または第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点温度として示す。なお、1st.Heat昇温時は200℃にて1分間保持する。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合においては、結着樹脂を得るための重合開始剤として、水溶性の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合においては、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に使用されている連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のイオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩などを用いることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
トナーには、オフセット現象を抑止するためのオフセット防止剤が含有されていてもよい。ここに、オフセット防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子中におけるオフセット防止剤の含有割合としては、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常1〜30質量部とされ、より好ましくは、5〜20質量部の範囲とされる。
トナーには、荷電制御剤が含有されていてもよい。例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。
トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部とされる。
トナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメディアン径で3〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは4〜8μmである。この体積基準のメディアン径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメディアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
具体的には、トナー0.02gを界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液をサンプルスタンド内の「ISOTONII(ベックマン・コールター社製)」の入ったビーカーに測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、「マルチサイザー3」のアパチャー径は50μmのものを使用する。
トナーには、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して構成することができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
本発明のトナー製品に用いられるトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。このトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、バインダー型キャリアを構成するバインダー樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。これらの中では、スチレン−アクリル系樹脂やアクリル系樹脂でコートしたコートキャリアが帯電性、耐久性の観点から好ましい。
さらに、トナー容器を構成する樹脂がポリ乳酸を含有するものであることにより、ポリ乳酸の生分解特性により、環境に対する負荷を基本的に軽減することができる。
(樹脂粒子の作製)
(1)第1段重合
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた容量5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3Lに溶解させた溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃で2時間加熱後、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子〔1H〕を調製した。
スチレン 480g
n−ブチルアクリレート 250g
メタクリル酸 68g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 16g
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた容量5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7gをイオン交換水800mLに溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、上記樹脂粒子〔1H〕260gと、下記単量体溶液を90℃で溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX(エム・テクニック社製)」により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
スチレン 245g
n−ブチルアクリレート 120g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 1.5g
ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル 190g
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6gをイオン交換水200mLに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたって加熱攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子〔1HM〕を得た。
さらに、過硫酸カリウム11gをイオン交換水400mLに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、
スチレン 456g
n−ブチルアクリレート 135g
メタクリル酸 9g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却して樹脂粒子〔1〕を得た。
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600mLに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「リーガル330R(キャボット社製)」420gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「CLEARMIX(エム・テクニック社製)」を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液〔1〕」という。)を調製した。この着色剤分散液〔1〕における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、110nmであった。
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた容量5Lの反応容器に、樹脂粒子〔1〕を固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、着色剤分散液〔1〕120gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mLに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mLに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII (ベックマン・コールター社製)」にて会合粒子の粒径を測定し、所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mLに溶解させた水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温98℃にて加熱攪拌することにより、「FPIA−2100(Sysmex社製)」による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4に調整し、攪拌を停止した。
凝集・融着工程にて生成した粒子をヌッチェを用いて吸引ろ過により、固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記吸引ろ過で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)」に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー母体粒子〔1〕を作製した。
上記のトナー母体粒子〔1〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナー〔1〕を作製した。
トナーの製造例1において、第3段重合の単量体混合液の仕込み量を表1に示す処方に従って変更したこと以外は同様にしてトナー〔2〕〜〔7〕を作製した。また、トナー〔1〕〜〔7〕を構成するトナー粒子の表面に存在するカルボキシル基の量を前述の方法によって測定して求めた値を表1に示す。
フェライトコア粒子100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部を撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂コート層を形成し、体積基準のメディアン径で40μmのフェライトキャリアを得た。
トナー〔1〕〜〔7〕に対して、上記のようにして作製したフェライトキャリアをトナー濃度が6%となるようにV型混合機にて混合し、トナー現像剤〔1〕〜〔7〕を調整した。
表2に示す樹脂の組成および組成割合に従って、射出成形法により図1のような形状を有する「bizhubC353(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」用のトナー容器〔1〕〜〔9〕を作製した。なお、トナー容器〔1〕〜〔9〕の肉厚は1.5mmであった。
以上のようにして得られたトナー〔1〕〜〔7〕と、トナー容器〔1〕〜〔9〕とを表3に示す組み合わせによって得られたトナー製品を用い、下記(1)〜(3)の評価を行った。
400gのトナーを充填したトナー容器を単体駆動装置に装着し、20℃、50%RHの環境下で、開口したトナー供給口の下に計量装置を設置し、この計量装置の値の変化が無くなった時点の質量A(g)を計測した。ここで、単体駆動装置は、トナー容器のトナー搬送スクリューを外部から回転させることで、トナー供給口から強制的にトナーを排出することができる。トナー残存量B(%)は、下記式(3)で表わされ、値が小さいほどトナー容器内に残存したトナー量が少ないことを示し、2.0%以下であれば実用上問題ないとされる。
式(3):B(%)=(400−A)/400*100
表3に示す組み合わせの通りにトナーをトナー容器に充填したトナー製品を、30℃、80%RHの環境下において、A4サイズ上質紙(64g/m2 )に印字率10%のオリジナル画像(文字画像が5%、ベタ黒画像が5%、文字部、ベタ黒部、白地部がそれぞれ1/3等分に配分されている画像)を1枚間欠モードにて10000枚形成し、10000枚目のかぶり濃度を下記の方法で測定した。ここで、画像形成装置としては、「bizhubC353(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」を用いた。
かぶり濃度は、まず、印字されていない白紙について、反射濃度計(「RD−918(マクベス社製)」)を用いて、12ヵ所の絶対画像濃度を測定して平均値を求めてこれを白紙濃度とし、次に、上記10000枚目の白地部について、同様に12ヵ所の絶対画像濃度を測定して平均値を求め、この平均値から白紙濃度を引いた値をかぶり濃度として評価した。かぶり濃度は0.010以下であれば実用上問題ないとする。
400gのトナーを充填したトナー容器〔1〕〜〔9〕について、トナー容器の両端を手で持ち、高さ1mの地点から20回落下させ、トナー容器の外観に異常(ひびや破損、へこみなど)またはトナーのもれがないか目視にて確認した。10回終了した時点で異常がなければ、実用上問題ないとする。
11 トナー容器本体
14 トナー供給口
Claims (4)
- トナーがトナー容器に収容されてなるトナー製品であって、
トナーが、表面に存在するカルボキシル基の量が1.0×10-7〜2.5×10-5mol/gのトナー粒子よりなり、
トナー容器が、少なくともポリ乳酸を含有する樹脂からなることを特徴とするトナー製品。 - トナー容器を構成する樹脂が、ポリカーボネート系樹脂およびポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー製品。
- トナー容器を構成する樹脂は、ポリ乳酸の含有割合が10〜90質量%のものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトナー製品。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のトナー製品を用いることを特徴とする画像形成方法。
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