JP2010261726A - 炉心溶融物保持装置および原子力プラント - Google Patents

炉心溶融物保持装置および原子力プラント Download PDF

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Abstract

【課題】炉心溶融物の落下時の急激な温度上昇による熱衝撃および炉心溶融物と冷却流路間に生じる温度差による熱応力による冷却水流路の破損を抑制する。
【解決手段】原子炉圧力容器の下部空間に設けられる炉心溶融物保持装置に、下部空間に開口する開口端から延びる給水流路が接続された給水容器と、突起18が形成された上蓋19を備えてこの上蓋19の突起18の背面側に給水容器から上昇しながら下部空間に開口する冷却流路開口部まで延びる冷却流路11を形成する冷却流路形成体と、上蓋19の上面で突起18に支持された耐熱要素を備えて上蓋19の上面を覆う耐熱層と、を備える。耐熱要素とは、たとえば箱状の容器に粒状耐熱材16を収納した耐熱材収納体17である。
【選択図】図1

Description

本発明は、炉心溶融物保持装置およびそれを用いた原子力プラントに関する。
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断により冷却水が喪失すると、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。しかしながら、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。
このような事態に至った場合、高温の炉心溶融物(コリウム)が原子炉圧力容器下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器下鏡を溶融貫通して、格納容器内の床上に落下するに至る。コリウムは、格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを大量に発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。発生した非凝縮性ガスは格納容器内の圧力を高め、原子炉格納容器を破損させる可能性がある。また、コンクリートの溶融浸食により、格納容器バウンダリが破損したり、格納容器構造強度が低下する可能性がある。結果的に、コリウムとコンクリートの反応が継続すると格納容器破損に至り、格納容器内の放射性物質が外部環境へ放出させるおそれがある。
コリウムとコンクリートの反応を抑制するためには、コリウムを冷却し、コリウム底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下に冷却するか、コリウムとコンクリートが直接接触しないようにする必要がある。一般的なコンクリートの浸食温度は、1500K以下である。そこで、炉心溶融物が落下した場合に備えて様々な対策が提案されている。代表的な対策として、コアキャッチャーと呼ばれるものがある。コアキャッチャーは、落下した炉心溶融物を耐熱材でうけとめて、注水手段と組み合わせて炉心溶融物の冷却を図る設備である。
原子炉格納容器床に落下した炉心溶融物の上面に冷却水を注水しても、炉心溶融物の底部での除熱量が小さいと、崩壊熱によって炉心溶融物底部の温度が高温のまま維持され、格納容器床のコンクリート侵食を停止することができない可能性がある。そこで、炉心溶融物を底面から冷却するという方法がある。
コリウムへ注水することによりコリウム上面の水の沸騰により冷却する場合、コリウム堆積厚さが厚いとコリウム底部まで十分に冷却できない。そのため、床面積を広くとり、コリウムの堆積厚さを冷却可能な厚さ以下にする必要がある。
しかし、十分大きな床面積を確保することは、格納容器構造設計上困難である。たとえば、典型的なコリウムの崩壊熱は、定格熱出力の約1%程度であり、定格熱出力4000MWの炉の場合には、40MW程度の発熱量になる。上面の沸騰熱伝達量にはコリウム上面の状態により幅があるが、小さい方の値として0.4MW/m程度の熱流束が想定される。したがって40MW程度の発熱をコリウムの上面の熱伝達のみで除熱する場合、100m程度(円直径で11.3m)の床面積が必要になる。これまでの格納容器構造を考慮するとこの面積を確保することは困難であった。
これに対し、コリウム堆積床面の下方に冷却水流路を設けて冷却水を導くことによって、コリウムを底面から除熱する方法がある。このような構造とする場合、高温のコリウムにより、冷却水流路が溶融・浸食されて破損することを防ぐことが必須となる。そこで、コリウムと接触する部分に高融点材のタイルを用いて、高温のコリウムによる溶融、熱膨張を緩和する方法がある(たとえば特許文献1参照)。
特開2005−189043
コリウムに接触する部分に高融点材料のタイルを用いた場合、コリウム落下時に100℃程度の温度から2000℃程度まで急激に温度が上昇するため、温度の急上昇に伴う熱衝撃によって、高融点材料のタイルが破損する可能性がある。また、高融点材料の下方には冷却水流路が設けられており、高融点材料のタイルは冷却水によって下方より冷却されているため、高融点材料のタイルの上側と下側の温度差が非常に大きくなる。この高融点材料の上側と下側の温度差によって生じる熱応力により、高融点材料のタイルが変形してタイル間の空隙が大きくなることにより、その空隙へコリウムが侵入したり、熱応力により高融点材料のタイルが破損する可能性がある。
そこで、本発明は、炉心溶融物の落下時の急激な温度上昇による熱衝撃および炉心溶融物と冷却流路間に生じる温度差による熱応力による冷却水流路の破損を抑制することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、原子炉圧力容器の下部空間に設けられる炉心溶融物保持装置において、前記下部空間に開口する開口端から延びる給水流路が接続された給水容器と、突起が形成された上蓋を備えてこの上蓋の前記突起の背面側に前記給水容器から上昇しながら前記下部空間に開口する冷却流路開口部まで延びる冷却流路を形成する冷却流路形成体と、前記上蓋の上面で前記突起に支持された耐熱要素を備えて前記上蓋の上面を覆う耐熱層と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、原子力プラントにおいて、原子炉を収納する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を格納する格納容器と、前記格納容器の内部の前記原子炉圧力容器の下部空間に設けられて、前記下部空間に開口する開口端から延びる給水流路が接続された給水容器と、突起が形成された上蓋を備えてこの上蓋の前記突起の背面側に前記給水容器から上昇しながら前記下部空間に開口する冷却流路開口部まで延びる冷却流路を形成する冷却流路形成体と、前記上蓋の上面で前記突起に支持された耐熱要素を備えて前記上蓋の上面を覆う耐熱層と、を備えた炉心溶融物保持装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、コリウム落下時の急激な温度上昇による熱衝撃およびコリウムと冷却流路間に生じる温度差による熱応力による冷却水流路の破損の可能性が低減される。
本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態における図3のI−I部を拡大した立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態を収容した格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態の近傍の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態における上面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施の形態における一部拡大立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施の形態における一部拡大立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第4の実施の形態における一部拡大立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第5の実施の形態における一部拡大立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施の形態における一部拡大立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第7の実施の形態における一部拡大立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施の形態における一部拡大立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第9の実施の形態における一部の斜視図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第10の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第11の実施の形態における一部の斜視図である。
本発明に係る炉心溶融物保持装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態を収容した格納容器の立断面図である。
炉心40は、原子炉圧力容器1の内部に形成されている。原子炉圧力容器1は、格納容器2の内部に設けられている。格納容器2は、ペデスタル床41およびペデスタル床41から上方に延びる円筒状のペデスタル側壁42を有している。
原子炉圧力容器1は、支持スカート43を介してペデスタル側壁42に設けられた圧力容器支持部44で支持されている。原子炉圧力容器1の下方のペデスタル床41およびペデスタル側壁42で囲まれる空間は下部ドライウェル7と呼ばれる。つまり、原子炉圧力容器1は、下部ドライウェル7の上方に設けられている。また、格納容器2の内部には、ペデスタル側壁42の外周面を取り囲むように、サプレッションプール4が形成されている。
炉心溶融物保持装置9は、下部ドライウェル7の内部でペデスタル床41の上に設けられる。炉心溶融物保持装置41と原子炉圧力容器1との間には、サンプ床8が設けられている。
また、格納容器2は、水槽5を有している。水槽5から炉心溶融物保持装置9には、注水配管14が延びている。注水配管14の途中には、注水弁60が設けられている。さらに、格納容器2は、格納容器冷却器6を有している。格納容器冷却器6は、ドライウェルに開口した端部から水中に沈められた熱交換器を通って水槽5に延びる配管を有している。格納容器冷却器6とは、静的格納容器冷却設備やドライウェルクーラーなどである。
図3は、本実施の形態における炉心溶融物保持装置近傍の立断面図である。図4は、本実施の形態における炉心溶融物保持装置の上面図である。なお、図3は、炉心溶融物13が炉心溶融物保持装置9の上に落下し、水槽5から炉心溶融物保持装置9に給水された状態を示している。
炉心溶融物保持装置9は、給水容器10を有している。給水容器10は、ペデスタル側壁42で囲まれるペデスタル床41のたとえば中央に配置されている。水槽5から炉心溶融物保持装置9に延びる注水配管14は、給水容器10に接続されている。
また炉心溶融物保持装置9は、冷却流路集合体50を有している。冷却流路集合体50は、複数の冷却流路形成体51を有している。それぞれの冷却流路形成体51は、扇形に形成されている。複数の冷却流路形成体51は、給水容器10を中心とする円周方向に密に配列されている。したがって、冷却流路集合体50の上面は、全体として中央から外周に向かって上昇する円錐面の頂部を切り取った形状をなしている。
それぞれの冷却流路形成体51は中空で、冷却流路集合体50の中央部から外周部に放射状に広がりながら延びる冷却流路11が形成されている。冷却流路集合体50の中央部側の冷却流路11の端部は、給水容器10に接続されている。また、冷却流路11の給水容器10に対して反対側の端部は、冷却流路集合体50の外周部で鉛直方向に立ち上がり、下部ドライウェル7に開口している。したがって、冷却流路11の上面は、中央から外周に向かって上昇する傾斜伝熱面52となっている。
冷却流路集合体50とペデスタル側壁42との間には、給水流路15が形成されている。給水流路15は、下部ドライウェル7に開いた開口から給水容器10まで延びている。
図1は、本実施の形態における炉心溶融物保持装置の図3のI−I部を拡大した立断面図である。
冷却流路11の上蓋19の上面、すなわち、冷却流路11の傾斜伝熱面52の反対側の面には、耐熱層12が形成されている。耐熱層12は、冷却流路集合体50の上面、外周部の中心に向かう側の壁面および給水容器10の上面の全体を覆っている。
冷却流路11の上蓋19の上面には、複数の突起18が設けられている。耐熱層12を形成する耐熱要素は、突起18に支持されている。
耐熱層12を形成する耐熱要素には、突起18の間隔とほぼ同じ大きさの耐熱材収納体17と、小型耐熱材収納体20とがある。耐熱材収納体17は、突起18の間に配置されている。小型耐熱材収納体20は、耐熱材収納体17の間、すなわち、突起18の上に配置されている。耐熱要素の上面に、コンクリート21が敷設されていてもよい。
耐熱材収納体17および小型耐熱材収納体20は、たとえば金属製あるいはセラミック製の箱状の容器の内部に粒状耐熱材16を充填したものである。箱状の容器の代わりに、たとえばジルコニアフェルトやアルミナフェルトなどの高融点物質の繊維あるいは通常の繊維によって形成された袋状の容器を用いてもよい。
小型耐熱材収納体20の代わりに、高融点物質の繊維を耐熱材収納体17の間に詰め込んでもよい。あるいは、ラミング材と呼ばれる、加熱によって粒子間にガラス質あるいは結晶質を生成する不定形耐火物を用いることもできる。
粒状耐熱材16とは、高融点物質を粒状に形成したものである。高融点物質の融点は、できるだけ高いほうが好ましい。
炉心溶融事故が発生して炉心溶融物13が原子炉圧力容器下部ヘッド3を貫通すると、炉心溶融物13は、炉心溶融物保持装置9内のコンクリート21上に落下する。原子炉圧力容器1の下部ヘッド3の破損が検知されると、その検知信号、すなわち、下部ヘッド温度高やペデスタル雰囲気温度高の信号が出力される。この検知信号が発生されると、注水配管14の途中に設けられた注水弁60が開放される。
注水弁60が開放されると、水槽5に貯えられた冷却水が重力落下により、注水配管14を介して給水容器10に供給される。このようにして初期注水が終了した後は、炉心溶融物保持装置9の上面へ溢水した水が、冷却流路11内の沸騰による生じる自然循環によって、給水流路15を通って給水容器10に供給される。
炉心溶融物13の冷却により生じた蒸気は、格納容器2の上部の格納容器冷却器6によって凝縮される。凝縮された水は水槽5に戻る。このようにして、水が自然循環することにより炉心溶融物13の冷却が継続される。
炉心溶融物13の落下後すぐに給水容器10への給水が行われ、冷却流路11に冷却水が供給される。高温の炉心溶融物13の熱はコンクリート21および耐熱要素に伝わり、さらに冷却流路11の上面、すなわち傾斜伝熱面52を介して水に伝えられる。
炉心溶融物13が落下した直後に、コンクリート21は溶融する。コンクリート21の溶融に要する熱により炉心溶融物13の下面での固化が促進される。その結果、耐熱層12での熱的条件が緩和される。また、耐熱層12に用いられる耐熱材の形状が粒状であるため、熱衝撃による破損が抑制される。
耐熱要素を覆うコンクリート21として融点の高いアルミナセメントを用いると、耐熱層での熱的条件をさらに緩和させることができる。また、コンクリート21を繊維状の構造体で補強することで、炉心溶融物13が落下した際の急加熱時の熱衝撃による破損の可能性が低減する。
また、耐熱要素を覆うコンクリート21の骨材として粒状の耐熱材を混入させると、このコンクリート21にも耐熱材としての効果が生じる。耐熱要素を覆うコンクリート21の骨材として赤鉄鉱(Fe)を混入させると、このコンクリート21と炉心溶融物13との化学的な反応を抑制することができる。
冷却流路11に冷却水が供給された後、炉心溶融物13と冷却水の温度差により、熱伝導率が低い粒状耐熱材に急激な温度勾配が生じ、熱膨張が生じる。しかし、粒状の耐熱材を用いると耐熱材の間には空隙が存在するため、熱膨張による耐熱材および冷却チャンネルの破損を防ぐことが可能となる。
耐熱要素を覆うコンクリート21が完全に溶融し、炉心溶融物13が耐熱材収納体17に接触すると、一部の炉心溶融物13は粒状耐熱材16の空隙にわずかに侵入する。しかし、この時の炉心溶融物13の温度は融点とほぼ等しいため、空隙に侵入した炉心溶融物13は粒状の耐熱材に熱を奪われることにより瞬時に固化し、空隙を閉塞する。粒状耐熱材16として、たとえばアルミナ、マグネシア、ジルコニアなどの融点の高い物質を用いることにより、粒状耐熱材16の溶融も抑制できる。
さらに、耐熱層12は、冷却流路11を流れる冷却水によって冷却されているため、炉心溶融物13を固化した状態に維持することができる。
粒状耐熱材16として、加熱によって粒子間にガラス質あるいは結晶質が生成されたラミング材と呼ばれる不定形耐火物を用いてもよい。この場合、炉心溶融物13に加熱されると、粒状の耐熱材の間の空隙がガラス質あるいは結晶質で充填されて耐火物が相互に結合される。その結果、炉心溶融物13が粒状の耐熱材に侵入する可能性が低減される。
炉心溶融物13を粒状の高融点物質で保持することにより、熱衝撃および熱応力により耐熱材が破損し、冷却流路11の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置9の破損を抑制できる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施の形態における一部拡大立断面図である。
本実施の形態では、耐熱層12は、直方体に形成された耐熱材収納体17と、下面に突起部が形成された耐熱材収納体22とを備えている。いずれの耐熱材収納体17,22にも、粒状耐熱材16が収納されている。
直方体に形成された耐熱材収納体17は、冷却流路11の上蓋19の突起18で支持されている。これらの直方体に形成された耐熱材収納体17の間には、突起18の大きさに対応した間隙が形成される。この間隙には、下面に突起部が形成された耐熱材収納体22の突起部が嵌合する。さらに、突起部が形成された耐熱材収納体22の間にも、間隙が形成される。この間隙に、耐熱材収納体22の突起部が嵌合する。このようにして、突起部が形成された耐熱材収納体22は、直方体に形成された耐熱材収納体17の上に積層されている。
このように、耐熱材収納体17,22を相互の嵌め合い構造として、多層にすることにより、上部にコンクリートを敷設しなくても、炉心溶融物13(図3参照)が落下した際の物理的な衝撃による耐熱材収納体17,22相互のずれが抑制される。
また、耐熱材収納体17,22の嵌合部を低融点の接着剤、セメントもしくは不定形耐火物を用いて接着してもよい。これにより、耐熱材収納体17,22相互のずれがさらに抑制される。
耐熱材収納体17,22を相互の嵌め合い構造を用いて多層にすることにより、熱衝撃および熱応力による耐熱材の破損が抑制される。その結果、冷却流路11の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置の破損を抑制できる。
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施の形態における一部拡大立断面図である。
本実施の形態の耐熱層12は、耐熱ブロック23を備えている。耐熱ブロック23は、たとえば不定形耐火物を押し固めた後、ブロック表面のみを加熱することによって、ブロック状に成型したものである。それぞれの耐熱ブロック23は、冷却流路11の上蓋19に設けられた突起18によって支持されている。
それぞれの耐熱ブロック23には、たとえば隣り合う突起18の間よりも短く上蓋19の斜面と同じ傾斜を持つ傾斜面と、その傾斜部分から炉心溶融物保持装置の水平方向の中心に向かって延びて鉛直方向に対向する一対の水平面とが形成されている。耐熱材ブロック23の上側の水平面が上側で隣り合う耐熱材ブロックの下側の水平面と一部重なり合うように、耐熱ブロック23同士が組み合わせて設置されている。
耐熱層12の上側には、コンクリート21が敷設されている。また、隣り合う耐熱ブロック23同士の間に形成された間隙に、低融点の接着剤あるいはセメントを導入して、耐熱ブロック23同士を接着してもよい。
このような炉心溶融物保持装置では、炉心溶融物13をいったんコンクリート21にて保持することにより、熱衝撃による耐熱層12の破損を抑制することができる。また、突起18により多数の耐熱ブロック23を設置する構造とすることにより、耐熱材ブロック同士の間に間隙が形成される。このため、炉心溶融物13からの伝熱によって耐熱ブロック23の温度が上昇して熱膨張が生じたときに、熱膨張を吸収し発生する熱応力を低減することができる。その結果、耐熱ブロック23の破損を抑制できる。
さらに、コンクリート21が完全に溶融し、炉心溶融物13が耐熱ブロック23に直接接して、耐熱ブロック23同士の間隙に炉心溶融物13が空隙に侵入した場合でも、空隙の入口近傍で固化する可能性が高い。そのため、液体の状態で冷却流路11の上蓋19に、炉心溶融物13が到達することを抑制できる。
[第4の実施の形態]
図7は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第4の実施の形態における一部拡大立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置では、第3の実施の形態におけるコンクリート21(図6参照)の代わりに、二層目以上用耐熱ブロック24を積層している。二層目以上用耐熱ブロック24は、たとえば2枚の板を炉心溶融物保持装置の半径方向にずらして配置して組み合わせた形状をしている。隣り合う二層目以上用耐熱ブロック24は、互いに一部が重なり合って配置されている。
二層目以上用耐熱ブロック24は、一層目の耐熱ブロック23と同様に、たとえば不定形耐火物を押し固めた後、ブロック表面のみを加熱することによって、ブロック状に成型したものである。また、二層目以上用耐熱ブロック24の間の間隙にも、低融点の接着剤あるいはセメントを導入して、接着してもよい。
このような炉心溶融物保持装置において、炉心溶融物13は、炉心溶融物保持装置9の中央付近の底部から順次堆積していく。このため、耐熱ブロック23,24は、炉心溶融物保持装置の中央付近の底部から順次、堆積した炉心溶融物13によって押さえられることになる。その結果、耐熱ブロック23,24の浮き上がりが抑制される。
また、耐熱層12の上面にコンクリートを敷設しないため、上部に位置する二層目以上用耐熱ブロック24は熱衝撃により破損する可能性が高い。しかし、耐熱ブロック23,24が多層構造となっているため、破損した二層目以上用耐熱ブロック24の熱容量により、下層の耐熱ブロックへの伝熱が緩和される。その結果、全層の耐熱ブロック23,24が破損することは抑制される。
突起18により多数の耐熱材ブロック23,24を設置する構造とすることにより、耐熱材ブロック同士の間に間隙が存在する。このため、炉心溶融物13からの伝熱によって耐熱ブロック23,24の温度が上昇し、熱膨張が生じたときに、この間隙が熱膨張を吸収し、発生する熱応力を低減する。その結果、耐熱ブロック23,24の破損が抑制される。
本実施の形態では、隣り合う耐熱ブロック23,24の一部が重なり合って配置されているため、耐熱ブロック23,24の間の間隙は、耐熱層12の上面から上蓋19に至るまでに複数回折れ曲がることになる。このため、落下した炉心溶融物13が二層目以上用耐熱ブロック24に直接接し、このような間隙に炉心溶融物13が侵入した場合でも、間隙の入口近傍で固化し、液体の状態で冷却流路上蓋に到達することが抑制される。
このように、本実施の形態では、熱衝撃および熱応力により耐熱層12が破損し、冷却流路の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置の破損が抑制される。
[第5の実施の形態]
図8は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第5の実施の形態における一部拡大立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置において、耐熱層12は、耐熱材で形成された多角柱耐熱体29を、冷却流路11の上蓋19の上に配列したものである。多角柱耐熱体29は、上蓋19に形成された突起18で支持されている。多角柱耐熱体29としては、たとえば、不定形耐火物を押し固めた後、ブロック表面のみを加熱することによって、ブロック状に成型したものを用いることができる。耐熱層12の上面には、コンクリート21が敷設されている。
多角柱は軸方向の熱応力に対して強いため、多角柱耐熱体29の上面と下面に生じる温度差によって生じる熱応力によって破損することは抑制される。このため、炉心溶融物13の落下によって生じる熱応力により耐熱層12が破損し、冷却流路11の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置の破損が抑制される。
[第6の実施の形態]
図9は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施の形態における一部拡大立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置は、第5の実施の形態におけるコンクリートの代わりに、上側用多角柱耐熱体30を用いたものである。上側用多角柱耐熱体30は、複数であって、それぞれ上蓋19の上に配列された多角柱耐熱体29の上に積み上げるように配列されたものである。
このような炉心溶融物保持装置であっても、第5の実施の形態のように、炉心溶融物13の落下によって生じる熱応力により耐熱層12が破損し、冷却流路11の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置9の破損が抑制される。また、コンクリートを用いていないため、コンクリートの敷設の手間や、乾燥などに要する時間が削減される。
[第7の実施の形態]
図10は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第7の実施の形態における一部拡大立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置において、冷却流路11には外縁部で鉛直方向に延びる流路25が形成されている。このため。冷却流路11の傾斜部から垂直部への不連続な角部に対応して、上蓋19と垂直部の流路壁28との間にも不連続な角部が形成されている。
上蓋19と垂直部の流路壁28との間の不連続な角部には、その形状に合わせた角部用耐熱材26が配置されている。さらに、角部用耐熱材26の垂直部側の上端には、垂直部用耐熱材27が嵌合されている。垂直部用耐熱材27は、垂直部の流路壁28に沿って複数積み上げられている。また、角部用耐熱材26および垂直部用耐熱材27は、それぞれ隣接するもの同士、低融点の接着剤、セメントを用いて接着してもよい。
このように垂直部の流路壁28に沿った部分に対しても、耐熱層12をはめ合い構造としているため、構造力学的に拘束となる箇所を削減することができる。したがって、耐熱材の温度上昇に伴う熱膨張を上方に逃がすことにより、熱応力を緩和することができる。その結果、熱応力により耐熱材が破損し、冷却流路11の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置9の破損を抑制できる。
[第8の実施の形態]
図11は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施の形態における一部拡大立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置9では、冷却流路11の上蓋19に角柱ストッパー35および円柱ストッパー36を取り付けている。たとえば、円柱ストッパー36は炉心溶融物保持装置9の冷却流路11の上蓋19の中心部に近い位置に設けられていて、角柱ストッパー35は、外周部側に設けられている。
角柱ストッパー35によって支持される耐熱要素としては、角柱用耐熱材37が配置される。また、円柱ストッパー36によって支持される耐熱要素としては、円柱用耐熱材38が配置される。
角柱用耐熱材37は、角柱ストッパー35と嵌合可能な形状に形成されている。円柱用耐熱材38は、円柱ストッパー36と嵌合可能な形状に形成されている。しかし、角柱用耐熱材37は、円柱ストッパー36とは嵌合できない形状に形成されている。また、円柱用耐熱材38は、角柱ストッパー35とは嵌合できない形状に形成されている。
このように、上蓋19の上面に設ける突起部の形状を位置によって変化させ、それぞれの位置に配置すべき耐熱要素の形状をそれぞれの位置の突起部の形状と嵌合可能としておくことにより、誤った場所に耐熱要素を設置しようとしても突起部と嵌合できず、設置できない。このため、それぞれの耐熱要素を所定の位置に配置することが容易になり、配置の誤りが減少する。
ここでは、2種類のストッパーを半径方向の異なる位置に配置しているが、3種類以上の形状のストッパーを用いてもよい。また、ストッパーの大きさを変えてもよい。
このように、耐熱材とストッパーを設置場所に対応した構造とすることにより、設置ミスに起因する不連続面が生じにくくなる。このため、炉心溶融物13の落下時の熱応力により耐熱材が破損し、冷却流路の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置の破損が抑制される。
[第9の実施の形態]
図12は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第9の実施の形態における一部の斜視図である。
本実施の形態の冷却流路形成体51の上蓋19の上面には、鉛直方向に幅を持つ耐熱材保持板31が載せられている。給水容器10を中心とする円周方向に密に冷却流路形成体51を配列しているため、この耐熱材保持板31は全体として給水容器を中心とする円を描く。また、耐熱材保持板31は、それぞれの冷却流路形成体51の上蓋に複数設けられており、耐熱材保持板31が描く複数の円は、同心円を描くことになる。
それぞれの耐熱材保持板31は、高融点材料で形成される。また、一つの円を形成する耐熱材保持板31は、複数の部材が耐熱材保持板はめ合い部32を介して嵌合された構造を持つ。
耐熱材保持板31が描く同心円の間には、たとえば第1の実施の形態の耐熱材収納体(図1参照)のような耐熱要素が配置され、耐熱層が形成される。つまり、耐熱材保持板31は、耐熱要素を支持している。
このような炉心溶融物保持装置9では、耐熱材保持板31は全体として円を描いているため、給水容器10から所定の高さで上蓋19の斜面に沿って滑り落ちることがない。したがって、耐熱材保持板31を上蓋19に接合する必要がなく、冷却流路11の上蓋19と耐熱材の熱膨張の差は、耐熱材保持板31が冷却流路11の上蓋19に対して相対的に移動することにより吸収される。その結果、熱応力により耐熱材が破損する可能性が抑制される。
また、冷却流路11の上蓋19に耐熱材もしくは耐熱材のストッパーを接合する必要もなくなるため、上蓋19の不連続な箇所が削減される。したがって、不連続な箇所に生じる応力集中が抑制される。
このように、本実施の形態では、熱応力により耐熱材が破損し、冷却流路の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置の破損が抑制される。
[第10の実施の形態]
図13は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第10の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態において、成型した不定形耐火材33を上蓋19の上面に敷き詰めて耐熱層が形成されている。これらの不定形耐火材33は、上蓋19の上面で一体に成型されている。
たとえば小さな不定形耐火材33を工場などで成型しておき、格納容器2(図2参照)の内部に搬入する。搬入された不定形耐火材33を格納容器2の内部で加熱するなどして結合させることができる。また、複数の冷却流路形成体51を組み合わせて炉心溶融物保持装置を形成する場合には、それぞれの冷却流路形成体51の上面に予め不定形耐火物を敷設しておき、格納容器2への搬入後に加熱するなどして結合してもよい。さらに、成型した不定形耐火物の上面にコンクリートを敷設しても良い。
このような炉心溶融物保持装置では、不定形耐火材33を成型して用いるため、明瞭な継ぎ目が無い。このため、炉心溶融物13が耐熱層の内部に侵入しにくくなる。また、不定形耐火物の粒子間には空隙が存在するため、熱膨張による熱応力をその空隙により緩和することができる。
このように、本実施の形態では、熱応力により耐熱材が破損し、冷却流路の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置の破損が抑制される。
[第11の実施の形態]
図14は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第11の実施の形態における一部の斜視図である。
本実施の形態では、耐熱要素は、不定形耐熱材で一体成型された耐熱材収納体34である。耐熱材収納体34は、冷却流路11の上蓋19の上面を覆っている。耐熱材収納体34の外周部は、冷却流路形成体51以外に接合してもよい。また、この接合された耐熱材収納体34を、複数枚重ねて設置するもよい。耐熱材収納体34の上面にコンクリートを敷設してもよい。
このような炉心溶融物保持装置では、現場での施工前に耐熱材収納体34が予め接合されているため、現場での施工を簡素化することができる。また、炉心溶融物13の荷重などによる耐熱材収納体34のずれが抑制され、炉心溶融物13の冷却流路11の上蓋19部分まで侵入する可能性が低減される。
このようにして、熱応力により耐熱材が破損し、冷却流路の温度が上昇することによる炉心溶融物保持装置の破損が抑制される。
[その他の実施の形態]
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
1…原子炉圧力容器、2…格納容器、3…下部ヘッド、4…サプレッションプール、5…水槽、6…格納容器冷却器、7…下部ドライウェル、8…サンプ床、9…炉心溶融物保持装置、10…給水容器、11…冷却流路、12…耐熱層、13…炉心溶融物、14…注水配管、15…給水流路、16…粒状耐熱材、17…耐熱材収納体、18…突起、19…上蓋、20…小型耐熱材収納体、21…コンクリート、22…耐熱材収納体、23…耐熱ブロック、24…二層目以上用耐熱ブロック、25…流路、26…角部用耐熱材、27…垂直部用耐熱材、28…垂直部の流路壁、29…多角柱耐熱体、30…上側用多角柱耐熱体、31…耐熱材保持板、32…耐熱材保持板はめ合い部、33…不定形耐火材、34…耐熱材収納体、35…角柱ストッパー、36…円柱ストッパー、37…角柱用耐熱材、38…円柱用耐熱材、40…炉心、41…ペデスタル床、42…ペデスタル側壁、43…支持スカート、44…圧力容器支持部、50…冷却流路集合体、51…冷却流路形成体、52…傾斜伝熱面、60…注水弁

Claims (17)

  1. 原子炉圧力容器の下部空間に設けられる炉心溶融物保持装置において、
    前記下部空間に開口する開口端から延びる給水流路が接続された給水容器と、
    突起が形成された上蓋を備えてこの上蓋の前記突起の背面側に前記給水容器から上昇しながら前記下部空間に開口する冷却流路開口部まで延びる冷却流路を形成する冷却流路形成体と、
    前記上蓋の上面で前記突起に支持された耐熱要素を備えて前記上蓋の上面を覆う耐熱層と、
    を有することを特徴とする炉心溶融物保持装置。
  2. 前記耐熱要素は、耐熱材収納体と、この耐熱材収納体に収納された粒状耐熱材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  3. 前記粒状耐熱材は、加熱により粒子間にガラス質および結晶質のいずれかを生成する不定形耐火物を含むことを特徴とする請求項2に記載の炉心溶融物保持装置。
  4. 隣り合う前記耐熱要素の間に詰め込まれた繊維および不定形耐火物のいずれかを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  5. 前記耐熱層は、前記耐熱要素の上面に敷設されたコンクリートを備えることを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置
  6. 前記コンクリートは、繊維状の構造体、粒状耐熱材で形成された骨材および赤鉄鉱で形成された骨材のいずれかを含有することを特徴とする請求項5に記載の炉心溶融物保持装置。
  7. 前記耐熱層は、前記耐熱要素を複数の層に積み重ねたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  8. 前記耐熱要素は互いに嵌合可能に形成されたブロックであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  9. 前記耐熱要素は多角柱に成型されたブロックであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  10. 前記耐熱要素は、不定形耐火物を成型し表面を加熱したものであることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の炉心溶融物保持装置。
  11. 前記上蓋に接する前記耐熱要素は、上面が水平になるように設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  12. 前記突起は形状の異なる複数の種類のものを含み、前記耐熱要素はそれぞれの前記突起に嵌合される形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  13. 隣り合う前記耐熱要素は、接合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  14. 前記冷却流路形成体は鉛直方向に立ち上がる壁面を備えていて、この壁面の前記冷却流路の反対側の面に、積み上げられてそれぞれ下側のものと嵌合される壁面耐熱要素を有することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  15. 前記突起は前記給水容器を中心とする同心円状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  16. 全ての前記耐熱要素は不定形耐熱材で一体成型されていることを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  17. 原子炉を収納する原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器を格納する格納容器と、
    前記格納容器の内部の前記原子炉圧力容器の下部空間に設けられて、前記下部空間に開口する開口端から延びる給水流路が接続された給水容器と、突起が形成された上蓋を備えてこの上蓋の前記突起の背面側に前記給水容器から上昇しながら前記下部空間に開口する冷却流路開口部まで延びる冷却流路を形成する冷却流路形成体と、前記上蓋の上面で前記突起に支持された耐熱要素を備えて前記上蓋の上面を覆う耐熱層と、を備えた炉心溶融物保持装置と、
    を有することを特徴とする原子力プラント。
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