JP2009047637A - 炉心溶融物保持装置および格納容器 - Google Patents

炉心溶融物保持装置および格納容器 Download PDF

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Abstract

【課題】炉心溶融物保持装置の冷却流路の固形異物による閉塞を抑制する。
【解決手段】原子炉圧力容器内の炉心が溶融して原子炉圧力容器を貫通した際に発生する炉心溶融物16を受け止める炉心溶融物保持装置51に、本体部70と、冷却材供給容器10と、循環部80と、捕捉手段とを備える。本体部70は、原子炉圧力容器の下方に配置されて炉心溶融物16を受け止める保持面71と、保持面71の裏側に接する少なくとも一部が水平に対して傾斜した上面を備えて入口72から出口73に延びる冷却流路11と、を形成する。冷却材供給容器10は、入口72に接続されて冷却流路11に冷却材を供給する。循環部80は、出口73から放出される冷却材の少なくとも一部を冷却材供給容器10に戻す循環流路9を形成する。捕捉手段は、循環流路9に流れ込む固形異物の少なくとも一部を捕捉する、たとえば異物トラップ14である。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子炉圧力容器内の炉心が溶融して原子炉圧力容器を貫通した際に発生する炉心デブリを受け止める炉心溶融物保持装置およびこれを用いた格納容器に関する。
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断による冷却水の喪失によって、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。
しかしながら、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至るおそれがある。
このような事態に至ると、高温の炉心溶融物(コリウム)が原子炉圧力容器内下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器下部ヘッドを溶融貫通して、コリウムは原子炉格納容器内の床上に落下する。コリウムは格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを大量に発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。
発生した非凝縮性ガスは格納容器内の圧力を高め、原子炉格納容器を破損させる可能性があり、また、コンクリートの溶融浸食により格納容器バウンダリを破損させたり、格納容器構造強度を低下させる可能性がある。結果的に、コリウムとコンクリートの反応が継続すると格納容器破損に至り、格納容器内の放射性物質が外部環境へ放出させるおそれがある。原子炉の格納容器の床(ドライウェル床)に落下した炉心溶融物の上面に冷却水を注水しても、炉心溶融物の底部での除熱量が小さいと、崩壊熱によって炉心溶融物底部が高温のまま維持され、格納容器床のコンクリート侵食を停止することができない可能性がある。
このようなコリウムとコンクリートの反応を抑制するためには、コリウムを冷却し、コリウム底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下(一般的なコンクリートで1500K以下)に冷却するか、コリウムとコンクリートが直接接触しないようにする必要がある。そのため、炉心溶融物が落下した場合に備えて様々な対策が提案されている。代表的なものが炉心溶融物保持装置(コアキャッチャー)と呼ばれるもので、落下した炉心溶融物を耐熱材で受け止めて、注水手段と組み合わせて炉心溶融物の冷却を図る設備である。
特許第3150451号公報 特開2005−195595号公報
コリウム堆積床面の下方に冷却水流路を設け、ここに冷却水を導くことによってコリウムを底面から除熱する方法が知られている。特許文献1に記載された方法では、コリウム底面の冷却水を外部プールから供給し、コリウム底面冷却後の蒸気及び水はコリウム上面の空間部に排出される。このとき、冷却水の流通は一方向のみであり、外部プールからの給水流路が破断あるいは閉塞した場合にはコリウム底面冷却流路に水が供給されず、コリウムの熱によって底部が破損する可能性がある。
特許文献2に記載された方法は、外部プールからの注水によってコリウムおよびコアキャッチャーが水没した後、コリウム上面の水プールからコアキャッチャー底面の冷却流路に自然循環によって水が供給される構造となっている。こうした構造はコリウムと冷却水の相互作用のみが存在する理想的な条件においては効果的である。しかし、実際の事故時には様々な種類の固形異物が冷却水中に混入すると考えられる。これらの固形異物が冷却流路を閉塞した場合には、局所的な除熱能力の低下によって冷却流路壁面が過熱状態となり、最悪の場合、冷却流路壁面の破損が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、炉心溶融物保持装置の冷却流路の固形異物による閉塞を抑制することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、原子炉圧力容器内の炉心が溶融して前記原子炉圧力容器を貫通した際に発生する炉心溶融物を受け止める炉心溶融物保持装置において、前記原子炉圧力容器の下方に配置されて前記炉心溶融物を受け止める保持面と、前記保持面の裏側に接する少なくとも一部が水平に対して傾斜した上面を備えて入口から出口に延びる冷却流路と、を形成する本体部と、前記入口に接続されて前記冷却流路に冷却材を供給する冷却材供給容器と、前記出口から放出される前記冷却材の少なくとも一部を前記冷却材供給容器に戻す循環流路を形成する循環部と、前記循環流路に流れ込む固形異物の少なくとも一部を捕捉する捕捉手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、原子炉圧力容器を格納する格納容器において、前記原子炉圧力容器の下方に位置するドライウェル床と、前記ドライウェル床の周囲を囲み前記原子炉圧力容器を支持するペデスタルと、前記原子炉圧力容器内の炉心が溶融して前記原子炉圧力容器を貫通した際に発生する炉心溶融物を受け止める保持面と前記保持面の裏側に接する少なくとも一部が水平に対して傾斜した上面を備えて入口から出口に延びる冷却流路とを形成する本体部と、前記入口に接続されて前記冷却流路に冷却材を供給する冷却材供給容器と、前記出口から放出される前記冷却材の少なくとも一部を前記冷却材供給容器に戻す循環流路を形成する循環部と、前記循環流路に流れ込む固形異物の少なくとも一部を捕捉する捕捉手段と、を持ち前記ドライウェル床の上に設置された炉心溶融物保持装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、炉心溶融物保持装置の冷却流路の固形異物による閉塞を抑制することができる。
本発明に係る炉心溶融物保持装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態における原子炉格納容器の立断面図である。
格納容器2には、下部に位置するドライウェル床7、および、その周りを取り囲む円筒面状のペデスタル24によって下部ドライウェル13が形成されている。炉心23を内蔵する原子炉圧力容器1は、ペデスタル24によって支持されている。
また、格納容器2の下部には、ペデスタル24を取り囲むようにサプレッションプール4が形成されている。サプレッションプール4には、水が貯えられている。
ドライウェル床7の上には、炉心溶融物保持装置51が配設されている。炉心溶融物保持装置51には、注水配管8が接続されている。また、注水配管8は、注入弁62を介して、格納容器2の上部に位置する水槽5に接続されている。
格納容器2の上には、冷却器6が配設されている。冷却器6は、たとえば、格納容器2内に事故時に放出された蒸気を導いて水中に沈めた熱交換器61で凝縮させ、水槽5に凝縮水を戻すものである。このような冷却器6として、静的(ポンプ等動的機器を有さない)格納容器冷却設備やドライウェルクーラーなどを用いることができる。
図1は、本実施の形態における炉心溶融物保持装置の立断面図である。
炉心溶融物保持装置51は、冷却材供給容器10、本体部70および循環部80を有している。冷却材供給容器10は、たとえば円筒状の容器である。注水配管8は、冷却材供給容器10のたとえば側面に接続されている。
本体部70は、たとえば冷却材供給容器10から放射状に延びる冷却流路11を形成する管を有していて、この管の上面には保持面71が形成されている。保持面71は、原子炉圧力容器1の下方に配置されて上方に向かう面であって、たとえば上に開いた円錐面である。保持面71に耐熱材12の層を設けて、本体部70の上面の内側壁全面と冷却材供給容器10の上面全面を覆ってもよい。
冷却流路11は、入口72から出口73に延びていて、その少なくとも一部は、水平に対して傾斜した上面を備えている。冷却流路11の水平に対して傾斜した上面は、保持面71の裏側に接している。入口72は、冷却材供給容器10に接続されている。注水配管8を介して冷却材供給容器10に供給される冷却水は、この入口72から冷却流路11に流れ込む。なお、ここでは冷却媒体が水の場合について説明しているが、液体状の他の冷却媒体であってもよい。
循環部80は、たとえば開口82から冷却材供給容器10との接続部81まで延びる管を有していて、冷却流路11の出口73から放出される冷却水のうち開口82から流入する冷却水を冷却材供給容器10に戻す循環流路9を形成している。
炉心溶融事故が発生すると、炉心溶融物16は、図2に示す原子炉圧力容器下部ヘッド3を貫通して下部ドライウェル13へ落下し、炉心溶融物保持装置51の耐熱材12の上に落下する。炉心溶融物16の落下後、すぐに冷却材供給容器10への給水が行われ、冷却流路11に冷却水が供給される。高温の炉心溶融物16の熱は耐熱材12に伝わり、さらに冷却流路11の上面を介して冷却水に伝えられ、冷却流路11を流れる冷却水はいずれ沸騰する。
冷却材供給容器10への初期の給水は、予め設定された温度で出力される「下部ヘッド温度高」や「ペデスタル雰囲気温度高」信号などによって原子炉圧力容器下部ヘッド3の破損が検知されると、注入弁62が開き、炉心溶融物保持装置51より上方に設置されたプール水を重力落下させることにより注水配管8を介して行われる。初期注水終了後は、下部ドライウェル13へ溢水した水31が、冷却流路11の内部での沸騰などにより生じる自然循環によって循環流路9を介して冷却材供給容器10に供給される。溶融炉心冷却により生じた蒸気は冷却器6で凝縮され、凝縮水は水槽5に戻るようになっており、水が自然循環することにより炉心溶融物16の冷却が継続される。
耐熱材12としてたとえばZrOを使用した場合の融点は2700℃程度であるから、平均的融点が2200℃程度の炉心溶融物16の温度よりも高く、耐熱材12が溶融するおそれは小さい。耐熱材12により、炉心溶融物16は直接冷却流路11の壁に接触せず、また、耐熱材12の熱抵抗により熱流束が抑えられるため冷却流路11の壁が破損するおそれは小さい。また、冷却流路11の伝熱面である上面は、水平に対して傾斜しているため、冷却流路11の内部で沸騰が生じたとしても、蒸気泡が浮力により伝熱面から離脱しやすく、良好な熱伝達率が得られる。
炉心溶融物16が原子炉圧力容器下部ヘッド3を貫通する際に原子炉圧力容器1の周囲に敷設されていた保温材や計装のためのケーブル類などが破損し、炉心溶融物16の冷却水内に混入する。また、冷却によって微粒子化した炉心溶融物16が沸騰蒸気によって冷却水中に巻き上げられる。このような冷却水中の固形異物の一部は循環流路9に侵入し、循環流路9、冷却材供給容器10や冷却流路11を閉塞させるおそれがある。
そこで、本実施の形態の炉心溶融物保持装置51には、循環流路9に流れ込む固形異物の少なくとも一部を捕捉する捕捉手段を備えている。本実施の形態における捕捉手段は、循環流路9に形成された異物トラップ14である。異物トラップ14は、冷却水の主たる流れの下流側よりも下面が下方に窪んでいて、固形異物は、重力により沈降し、異物トラップ14の内部に蓄積される。これにより、固形異物が冷却流路11を閉塞させることが少なくなる。
また、本実施の形態では、循環流路9は冷却材が鉛直下方に流れる垂直流路およびこの垂直流路の下端から水平方向に延びる水平流路を含んでいる。異物トラップ14は、この垂直流路の下端に形成されている。このため、循環流路9の垂直流路に侵入した固形異物は重力沈降によって落下し、直接異物トラップ14に捕らえられるため、より多くの固形異物を異物トラップ14に蓄積することができる。
このように本実施の形態の炉心溶融物保持装置を用いることにより、冷却流路への固形異物の流入を抑制し、冷却流路の固形異物による閉塞を抑制することができる。冷却流路の閉塞を防ぐことで、炉心溶融物を継続的に冷却・保持することができる。
また、循環流路9の垂直流路を、たとえばペデスタル24とその内側に離隔して設けられた円筒状の壁面からなる二重円筒流路として形成することもできる。循環流路9の水平流路が、冷却流路11と同様に放射状に延びる管、あるいはドライウェル床7から離隔して設けられた平板とのギャップとして形成されている場合、ペデスタル24に近い側の流路面積を広く取ることができる。その結果として、垂直流路での冷却水の流速が低くなるため、異物トラップ14に蓄積した固形異物が再び巻き上げられる可能性は小さくなる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置52は、第1の実施の形態の炉心溶融物保持装置51の循環流路9にフィルター41を設けたものである。フィルター41は、異物トラップ14よりも下流側に設けられていて、所定の大きさより大きい固形異物を捕捉可能な、たとえば網目状、ハニカム構造のものである。
異物トラップ14を設置するだけでも固形異物の捕捉には効果があるが、比較的密度が小さく浮遊しやすい固形異物が異物トラップ14を通過する可能性もある。しかし、本実施の形態のようにフィルター41を設けることにより、このような浮遊しやすい固形異物を循環流路9の途中で捕捉することができる。このため、浮遊しやすい固形異物が冷却材供給容器10に流入することを抑制することができ、冷却流路11の固形異物による閉塞を抑制することができる。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置53は、第2の実施の形態の炉心溶融物保持装置52において、異物トラップ14を水平流路が延びる方向に冷却材供給容器10の接続部81の近傍まで拡張し、接続部81にフィルター41を設けたものである。異物トラップ14を大きくすることにより、異物トラップ14に蓄積される固形異物の量が多くなって、異物トラップ14の部分で循環流路9が閉塞されるおそれが小さくなる。このように、異物トラップ14の大きさは、想定される固形異物の量などに応じて適宜増減することができる。
[第4の実施の形態]
図5は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第4の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置54は、第3の実施の形態の炉心溶融物保持装置53に、フィルター41以外に3つのフィルター42,43,44をたとえば異物トラップ14の内部に追加したものである。フィルター41,42,43,44は、冷却材の主たる流れの下流側に配置されたものほど、捕捉可能な固形異物の大きさが小さくなるように配置されている。つまり、冷却材供給容器10から遠いほどフィルター41,42,43,44の目が粗くなるように配置されている。なお、フィルター41,42,43,44は、たとえばコンクリート構造物を組合せ、その間隙を冷却水が通るような構造でもよく、ドライウェル床7から冷却流路11を離隔して支えるための支持構造材の一部とすることもできる。
フィルター41,42,43,44の設置により、固形異物がフィルター41,42,43,44を詰まらせ、流路圧損を上昇させる可能性がある。そこで、複数のフィルター41,42,43,44を配置することにより、固形異物が一つのフィルター部分にのみ蓄積されず、小さな固形異物ほど冷却材供給容器10に近いフィルターに分散して蓄積されることになる。このため、フィルター41,42,43,44が固形異物の蓄積によって閉塞される可能性が小さくなり、安定して冷却材供給容器10に冷却水を循環させることができる。
また、必要以上のフィルター41,42,43,44の目詰まりを防止するため、フィルター41,42,43,44の目は出来るだけ大きい方がよい。そこで、冷却材供給容器10から遠いほどフィルター41,42,43,44の目が粗くなるように配置することにより、フィルター41,42,43,44に捕捉される固形異物を分散し、フィルター41,42,43,44の目詰まりを防止することができる。
このとき、フィルター41,42,43,44、特に最も下流側のフィルター41の目の大きさを冷却流路11の最狭隘部よりも小さい範囲に制限してもよい。これにより、冷却流路11の閉塞を引き起こす大きさの固形異物だけをフィルター41で除去し、それよりも小さく、冷却流路11を閉塞させずに通過可能な固形異物はフィルター41,42,43,44を通過する。つまり、冷却流路11の最狭隘部を通過できない大きさの固形異物は、フィルター41で捕捉されて冷却流路11に流れ込むことがなくなるため、冷却流路11が閉塞するおそれが小さくなるとともに、フィルター41,42,43,44の目詰まりが抑制される。
図6は、フィルターの目の大きさと冷却流路の最狭隘部の流路断面の大きさとの関係の例を模式的に示す図である。
符号91は、冷却流路の最狭隘部の流路断面の例を示す。符号92ないし符号94は、フィルターの目の例を示す。符号95ないし符号97は、符号92ないし符号94で示されるそれぞれのフィルターの目を通過する最大の大きさの固形異物を示す。
たとえば符号92または符号93で示される目のフィルターを最も下流側のフィルター41として用いることにより、このフィルター41を通過する固形異物95,96より大きい固形異物は冷却流路11に流れ込むことがなくなる。また、たとえば符号94で示される目のフィルターは、たとえば最も上流側のフィルター44として用いることにより、大きな固形異物97を上流側で捕捉しておくことができる。
[第5の実施の形態]
図7は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第5の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置55は、第1の実施の形態の炉心溶融物保持装置51から異物トラップ14を削除し、冷却材供給容器10を下方に拡張し、冷却材供給容器10の内部にフィルター45を設けたものである。冷却材供給容器10の底面10aは、冷却材供給容器10と循環流路9との接続部81よりも下方に位置している。フィルター45は、垂直方向位置が接続部81と入口72との間に設けられている。
このような炉心溶融物保持装置55では、循環流路9を通って冷却材供給容器10に侵入した固形異物はフィルター45によって捕捉され、冷却流路への侵入が抑制される。捕捉された固形異物はフィルター45から落下して冷却材供給容器10の底部10bに蓄積される。
このようにして、本実施の形態の炉心溶融物保持装置55では、冷却流路11への固形異物の流入、および、これにともなう冷却流路11の閉塞が抑制される。冷却流路の閉塞を防ぐことで、炉心溶融物を継続的に冷却・保持することができる。
[第6の実施の形態]
図8は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置56は、第5の実施の形態の炉心溶融物保持装置55の冷却材供給容器10の底部10bを水平方向に拡張したものである。このように冷却材供給容器10の底部10bの空間を広くすることにより、より多くの固形異物が冷却材供給容器10の底部10bに蓄積されても、冷却材供給容器10の内部での冷却水の流路が閉塞されるおそれが小さくなる。このように、冷却材供給容器10の大きさは、想定される固形異物の量などに応じて適宜増減することができる。
[第7の実施の形態]
図9は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第7の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置57は、第1の実施の形態の炉心溶融物保持装置51から異物トラップ14を削除し、開口部フィルター46および侵入防止フィルター47を設けたものである。開口部フィルター46は、冷却材が循環流路9に流入する開口を覆うように設けられている。侵入防止フィルター47は、冷却流路11の出口を覆い、固形異物の少なくとも一部の冷却流路11への侵入を防止する。また、開口部フィルター46および侵入防止フィルター47の目は、開口部フィルター46を通過可能な固形異物は侵入防止フィルター47を通過可能であるように形成されている。
開口部フィルター46によって、循環流路9に固形異物が侵入することが抑制される。また、侵入防止フィルター47によって冷却流路11の開口部からの固形異物の侵入が抑制される。
開口部フィルター46の循環流路9の上流側の面は、たとえば冷却流路11の出口より高い位置に、冷却流路11の入口72よりも遠いほうが高くなるように、たとえば傾斜を持たせて設ける。開口部フィルター46の循環流路9の上流側の面が鉛直方向に広がるように配置してもよい。開口部フィルター46にこのような傾斜をつけることで、開口部フィルター46で捕捉された固形異物が傾斜面を滑り落ち、開口部フィルター46の上に固形異物が堆積することによる循環流路9の開口部の閉塞が抑制される。
また、冷却流路11の出口を保持面71に向かって鉛直方向に広がるように設けて、侵入防止フィルター47を侵入防止フィルター47の冷却流路11の下流側の面が鉛直方向に広がるように配置する。このように、冷却流路11の出口を内向き鉛直面に設けることで、開口部フィルター46で捕捉され開口部フィルター46の傾斜によって滑り落ちてきた固形異物が、冷却流路11の開口部に直接入り込まないようにすることができる。さらに、冷却流路11から排出される蒸気の流れを循環流路9の開口部から遠ざけることで、循環流路9への蒸気泡の流入を抑制することができる。
開口部フィルター46の目の大きさは、たとえば侵入防止フィルター47よりも細かくしておく。これにより、開口部フィルター46を通って循環流路9に侵入し、さらに冷却流路11を通過した固形異物は侵入防止フィルター47で捕捉されることなく再び冷却流路11の出口から放出される。このため、侵入防止フィルター47を冷却流路11側から閉塞させることはない。
このように本実施の形態の炉心溶融物保持装置を用いることにより、冷却流路への固形異物流入を抑制し、冷却流路の固形異物による閉塞を抑制することができる。冷却流路の閉塞を防ぐことで、炉心溶融物を継続的に冷却・保持することができる。
[第8の実施の形態]
図10は、本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施の形態における立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物保持装置58は、第7の実施の形態の炉心溶融物保持装置57に、第1の実施の形態と同様の異物トラップ14を追加したものである。このように、循環流路9の垂直流路の下端に異物トラップ14を設けることで、密度の大きい固形異物を異物トラップ14に蓄積し、循環流路9の水平流路の流路面積減少を抑制することができる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第1の実施の形態における原子炉格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第2の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第3の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第4の実施の形態における立断面図である。 フィルターの目の大きさと冷却流路の最狭隘部の流路断面の大きさとの関係の例を模式的に示す図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第5の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第6の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第7の実施の形態における立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物保持装置の第8の実施の形態における立断面図である。
符号の説明
1…原子炉圧力容器、2…格納容器、3…原子炉圧力容器下部ヘッド、4…サプレッションプール、5…水槽、6…冷却器、7…ドライウェル床、8…注水配管、9…循環流路、10…冷却材供給容器、11…冷却流路、12…耐熱材、13…下部ドライウェル、14…異物トラップ、16…炉心溶融物、23…炉心、24…ペデスタル、31…水、41,42,43,44,45…フィルター、46…開口部フィルター、47…侵入防止フィルター、51,52,53,54,55,56,57,58…炉心溶融物保持装置、61…熱交換器、62…注入弁、70…本体部、71…保持面、72…入口、73…出口、80…循環部、81…接続部、82…開口

Claims (14)

  1. 原子炉圧力容器内の炉心が溶融して前記原子炉圧力容器を貫通した際に発生する炉心溶融物を受け止める炉心溶融物保持装置において、
    前記原子炉圧力容器の下方に配置されて前記炉心溶融物を受け止める保持面と、前記保持面の裏側に接する少なくとも一部が水平に対して傾斜した上面を備えて入口から出口に延びる冷却流路と、を形成する本体部と、
    前記入口に接続されて前記冷却流路に冷却材を供給する冷却材供給容器と、
    前記出口から放出される前記冷却材の少なくとも一部を前記冷却材供給容器に戻す循環流路を形成する循環部と、
    前記循環流路に流れ込む固形異物の少なくとも一部を捕捉する捕捉手段と、
    を有することを特徴とする炉心溶融物保持装置。
  2. 前記捕捉手段は、前記循環流路に形成された前記冷却材の主たる流れの下流側よりも下面が下方に窪んだ異物トラップを備えることを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  3. 前記循環流路は前記冷却材が鉛直下方に流れる垂直流路を含み、前記異物トラップは前記垂直流路の下端に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の炉心溶融物保持装置。
  4. 前記捕捉手段は、所定の大きさより大きい前記固形異物を捕捉可能なフィルターを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  5. 前記フィルターは、第1のフィルターと、この第1のフィルターよりも前記冷却材の主たる流れの下流側に配置された第2のフィルターとを備え、前記第2のフィルターが捕捉可能な前記固形異物の大きさは前記第1のフィルターが捕捉可能な前記固形異物の大きさより小さいことを特徴とする請求項4に記載の炉心溶融物保持装置。
  6. 前記フィルターを通過可能な前記固形異物は、前記冷却流路の最狭隘部も通過可能であることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の炉心溶融物保持装置。
  7. 前記フィルターは、前記本体部を支持するものであることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  8. 前記フィルターは、前記冷却材供給容器の内部に配設されているものを含むことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  9. 前記フィルターは、前記冷却材が前記循環流路に流入する開口を覆うように配設された開口部フィルターを含むことを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  10. 前記開口部フィルターは、前記循環流路の上流側の面が前記入口から遠い部分の方が高い位置になるように配置されていることを特徴とする請求項9に記載の炉心溶融物保持装置。
  11. 前記出口を覆い前記固形異物の少なくとも一部の前記冷却流路への侵入を防止する侵入防止フィルターを有し、前記フィルターを通過可能な前記固形異物は前記侵入防止フィルターを通過可能であることを特徴とする請求項4ないし請求項10のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  12. 前記出口を覆う前記固形異物の少なくとも一部の前記冷却流路への侵入を防止する侵入防止フィルターを有することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置。
  13. 前記侵入防止フィルターは、前記冷却流路の下流側の面が鉛直方向に広がるように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の炉心溶融物保持装置。
  14. 原子炉圧力容器を格納する格納容器において、
    前記原子炉圧力容器の下方に位置するドライウェル床と、
    前記ドライウェル床の周囲を囲み前記原子炉圧力容器を支持するペデスタルと、
    前記原子炉圧力容器内の炉心が溶融して前記原子炉圧力容器を貫通した際に発生する炉心溶融物を受け止める保持面と前記保持面の裏側に接する少なくとも一部が水平に対して傾斜した上面を備えて入口から出口に延びる冷却流路とを形成する本体部と、前記入口に接続されて前記冷却流路に冷却材を供給する冷却材供給容器と、前記出口から放出される前記冷却材の少なくとも一部を前記冷却材供給容器に戻す循環流路を形成する循環部と、前記循環流路に流れ込む固形異物の少なくとも一部を捕捉する捕捉手段と、を持ち前記ドライウェル床の上に設置された炉心溶融物保持装置と、
    を有することを特徴とする格納容器。
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