JP2010038571A - 炉心溶融物冷却装置および炉心溶融物冷却方法 - Google Patents

炉心溶融物冷却装置および炉心溶融物冷却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却流路への初期の注水を早める。
【解決手段】下部ドライウェル13の上方に設けられた原子炉圧力容器1に収められた炉心40が溶融して生じた炉心溶融物を冷却する炉心溶融物冷却装置に、下部ドライウェル13に設けられて上方に向かって開いた容器62と、容器62の下部外面に沿って容器62と連通する下部ドライウェル13に対して開いた開口部16まで延びる冷却流路11を形成するステンレス鋼60およびコンクリート61などの構造体と、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下の冷却水を冷却流路11に供給する初期給水手段と、を備える。初期給水手段は、たとえばサプレッションプール4から延びる配管63、注水ポンプ18などを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、炉心が溶融して生じた炉心溶融物を冷却する炉心溶融物冷却装置および炉心溶融物冷却方法に関する。
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断などにより冷却水が喪失すると、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却系による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。しかし、極めて低い確率ではあるが、非常用炉心冷却系が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定される。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ると考えられる。
このような事態の場合、高温の炉心溶融物(コリウム)が原子炉圧力容器下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器下鏡を溶融貫通して、格納容器内の床上に落下する。コリウムは格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを大量に発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。発生した非凝縮性ガスは格納容器内の圧力を高め、原子炉格納容器を破損させる可能性がある。また、コンクリートの溶融浸食により格納容器バウンダリを破損させ、格納容器構造強度を低下させる可能性がある。結果的に、コリウムとコンクリートの反応が継続すると格納容器破損に至り、格納容器内の放射性物質が外部環境に放出するおそれがある。
このコリウムとコンクリートの反応を抑制するためには、コリウムを冷却し、コリウム底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下(一般的なコンクリートで1500K以下)に冷却するか、コリウムとコンクリートが直接接触しないようにする必要がある。炉心溶融物が落下した場合に備えて、様々な対策が提案されている。代表的な対策設備としては、コアキャッチャー(炉心溶融物冷却装置)が挙げられる。これは、落下した炉心溶融物を耐熱材で受けとめて、注水手段と組み合わせて炉心溶融物の冷却を図る設備である(たとえば特許文献1ないし3参照)。
特開2007−225356号公報 特開2007−232529号公報 特開平6−138278号公報
炉心溶融物冷却装置には冷却水が供給されなければ、炉心溶融物を冷却することができない。そこで、炉心溶融物(デブリ)が下部ドライウェルに落下するような事故が生じた際は、炉心溶融物落下時の輻射熱で熱溶融栓が溶融し、重力落下式非常用炉心冷却系のプール水を下部ドライウェルに注水する手法がある。しかし、このような注水手法では、炉心溶融物が炉心溶融物冷却装置に落下した後すぐには炉心溶融物冷却装置へ注水されない。つまり、注水がなされないまま炉心溶融物冷却装置で一定期間炉心溶融物を保持しないといけない。このため、炉心溶融物冷却装置が破損する可能性がある。一方、炉心溶融物が落下する部分に予め冷却水を蓄えておくと、炉心溶融物が大量の冷却水に一度に接触することになり、水蒸気爆発が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、炉心溶融物冷却装置の冷却流路への初期の注水を早めることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、原子炉容器に収められた炉心が溶融し床および壁に囲まれた下部空間に落下した際に炉心溶融物を冷却する炉心溶融物冷却装置において、前記下部空間に設けられて上方に向かって開いた容器と、前記容器の下部外面に沿って前記容器と連通する空間に対して開いた開口まで延びる冷却流路を形成する構造体と、前記炉心溶融物が前記容器に落下する前に前記容器の外縁より下方で前記冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水を前記冷却流路に供給する初期給水手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、原子炉容器に収められた炉心が溶融し床および壁に囲まれた下部空間に落下した際に、炉心溶融物を、前記下部空間に設けられて上方に向かって開いた容器と、前記容器の下部外面に沿って前記容器と連通する空間に対して開いた開口まで延びる冷却流路を形成する構造体と、を備えた炉心溶融物冷却装置で冷却する炉心溶融物冷却方法において、前記炉心溶融物が前記容器に落下する前に、前記容器の外縁より下方で前記冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水を前記冷却水流路に供給する初期給水工程、を有することを特徴とする。
本発明によれば、炉心溶融物冷却装置の冷却流路への初期の注水を早めることができる。
本発明に係る炉心溶融物冷却装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施の形態について、以下図を参照して説明する。図1は、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置の立断面図である。図2は、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置の一部拡大上面図である。図3は、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置を用いた原子炉格納容器の立断面図である。
炉心40は、原子炉圧力容器1の内部に形成されている。原子炉圧力容器1は、格納容器2の内部に設けられている。格納容器2は、ペデスタル床41およびペデスタル床41から上方に延びる円筒状のペデスタル側壁42を有している。原子炉圧力容器1は、支持スカート30を介してペデスタル側壁42に設けられた圧力容器支持部31で支持されている。原子炉圧力容器1の下方のペデスタル床41およびペデスタル側壁42で囲まれる空間は下部ドライウェル13と呼ばれる。つまり、原子炉圧力容器1は、下部ドライウェル13の上方に設けられている。また、格納容器2の内部には、ペデスタル側壁42の外周面を取り囲むように、サプレッションプール4が形成されている。
炉心溶融物冷却装置7は、下部ドライウェル13の内部でペデスタル床41の上に設けられる。炉心溶融物冷却装置7と原子炉圧力容器1との間には、サンプ床28が設けられている。
炉心溶融物冷却装置7は、上に開いた容器62を有している。容器62は、たとえばステンレス鋼で形成されている。容器62の内面は、耐熱材12で覆われている。耐熱材12は、たとえばジルコニア(ZrO)である。容器62の外側下面の中央部には、給水容器10が設けられている。
また、炉心溶融物冷却装置7は、ステンレス鋼60およびコンクリート61の構造体を有している。これらの構造体、ペデスタル側壁42および容器62の外側下面によって、給水容器10、冷却流路11、ダウンカマ部9、および、給水流路23が形成されている。ステンレス鋼60の構造体は、たとえば、傾斜伝熱面を持った複数の扇形のチャンネルを円周方向に密に並べ、全体として円錐形状に配置したものである。
冷却流路11は、給水容器10から開口部16まで容器62の下面に沿って延びる空間である。冷却流路11の開口部16は、容器62の外側で、容器62と同じく下部ドライウェル13に開口している。ダウンカマ部9は、冷却流路11の開口部16の外側に形成された入口25からペデスタル側壁42に沿ってペデスタル床41まで延びた空間である。給水流路23は、ダウンカマ部9のペデスタル床41側の端部から給水容器10に延びる空間である。冷却流路11の開口部16およびダウンカマ部9の入口25は、いずれも容器62の外縁24よりも低い位置に形成されている。
さらに、たとえばペデスタル側壁42の内部には、追加保水容器15が形成されている。追加保水容器15は、ダウンカマ部9と注水管21を介して連通している。つまり、追加保水容器15は、下部ドライウェル13の外部に設けられて、冷却流路11と連通する保水空間である。
また、追加保水容器15の上部は、下部ドライウェル13と配管20を介して連通している。追加保水容器15とサプレッションプール4との間には、注水ポンプ18および注水弁19が取り付けられた配管63が延びている。追加保水容器15には、水位計17が取り付けられている。なお、追加保水容器15は、ペデスタル側壁42の内部に形成されている必要はなく、たとえば外部に設けられたタンク、あるいは、サプレッションプール4の一部を仕切り板で区切った領域として形成してもよい。
また、格納容器2は、水槽5を有している。水槽5から給水容器10には、注水配管8が延びている。注水配管8の途中には注水弁43が設けられている。さらに、格納容器2は、格納容器冷却器6を有している。格納容器冷却器6は、ドライウェルに開口した端部から水中に沈められた熱交換器を通って水槽5に延びる配管を有している。格納容器冷却器6とは、静的格納容器冷却設備やドライウェルクーラーなどである。
通常の運転時、すなわち炉心が溶融する事故が発生する前には、追加保水容器15および冷却流路11に注水ポンプ18によってサプレッションプール4に蓄えられた水が供給されて蓄えられている。つまり、注水ポンプ18、注水弁19、配管63および注水管21は、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器62の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下の冷却水を冷却流路11に供給する初期給水手段である。
この際、追加保水容器15の内部の気体は、追加保水容器15と下部ドライウェル13を連通させる配管20によって下部ドライウェル13に排出される。冷却流路11の開口部16およびダウンカマ部9の入口25は、いずれも容器62の外縁24よりも低い位置に形成されているため、容器62の内部にあふれないように冷却水流路に冷却水を蓄えておくことができる。
また、冷却流路11の水位は、水位計17と、サプレッションプール4と接続された注水ポンプ18と注水弁19からなる注水系で構成される水位監視システムによって監視・制御される。冷却流路11の水位は、全炉心溶融物が炉心溶融物冷却装置7に落下して堆積する高さよりも高く設定するのが望ましい。
炉心溶融事故が発生し、炉心溶融物が原子炉圧力容器の下部ヘッド3を貫通すると、サンプ床28に落ちた後、容器62の内面に敷設された耐熱材12の上に落下する。高温の炉心溶融物の熱は、まず耐熱材12に伝わり、冷却流路11を形成するステンレス鋼60などの構造体を介して冷却水流路内の冷却水に伝えられる。冷却流路11の内部の冷却水は、いずれ沸騰する。
耐熱材12の融点(たとえばZrOを使用した場合の融点は2400℃程度)は、炉心溶融物温度(平均的融点は2200℃程度)よりも高いため、耐熱材12は溶融しない。耐熱材12によって炉心溶融物が直接、冷却流路11に接触することはなく、また、耐熱材12の熱抵抗により熱流束が抑えられるため、冷却流路11の壁が破損することはない。冷却流路11の上面は傾斜しているため、冷却流路11の内部での冷却水の沸騰により生じた蒸気泡は、浮力によって伝熱面から離脱しやすい。このため、良好な熱伝達率が得られる。
また、容器62の外縁24は、冷却流路11の開口部16およびダウンカマ部9の入口25よりも低い位置にある。ダウンカマ部9は、給水流路23および給水容器10を介して冷却流路11に接続している。したがって、ダウンカマ部9、給水流路23および給水容器10は、入口25から冷却流路11に延びる再循環流路を形成している。このため、冷却流路11の冷却水は、容器62に溢れることなく、図1の一点鎖線の矢印56の方向に、循環流路内を自然循環する。このようにして炉心溶融物は、炉心溶融物冷却装置7によって保持され、冷却される。
本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7では、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11には冷却水が供給されている。このため、炉心溶融物が落下した容器62は、背面から冷却水によって冷却され、落下直後から炉心溶融物を冷却することが可能である。つまり、炉心溶融物冷却装置への初期の注水の遅れによる炉心溶融物を冷却不能な状態に陥る可能性を厳に抑制することができる。
ダウンカマ部9などは、容器62の外縁24よりも低い位置で、冷却流路11に接続する再循環経路を形成している。このため、冷却流路11を流れる冷却水は自然循環し、炉心溶融物の冷却に繰り返して用いられることになり、冷却効率が向上する。
また、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11に供給される冷却水の体積は、容器62の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下である。このため、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器62の内部に、冷却水が溢れていることはない。したがって、炉心溶融物は、炉心溶融物冷却装置7に落下した際に、多量の冷却水と接触することがない。この結果、水蒸気爆発の発生する可能性をより小さくすることができる。
さらに、本実施の形態では、下部ドライウェル13の外部に追加保水容器15を有している。このため、下部ドライウェル13の大きさに制限されることなく、炉心溶融物の初期の冷却に用いられる冷却水の保水量を適宜増加させることができる。
炉心溶融物が容器62に落下して、予め冷却流路11に供給されていた冷却水で炉心溶融物が冷却され始めた後、注水弁43が開く。注水弁43は、たとえば原子炉圧力容器1の下部ヘッド3の破損を検知する信号(たとえば下部ヘッド温度高やペデスタル雰囲気温度高の信号)によって開放される。注水弁43が開くことにより、水槽5の冷却水は重力によって落下し、給水容器10を介して冷却流路11に供給される。
冷却水の温度上昇および沸騰、ならびに、水槽5から冷却流路11に冷却水が供給されることにより、冷却水と連通する空間に供給された冷却水の体積が容器62の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積を超えると、冷却水は容器62の内部に溢れ出る。容器62の内部に溢れ出た冷却水は、炉心溶融物上に水プールを形成する。これにより、炉心溶融物の上面においても冷却水は沸騰し、炉心溶融物は冷却される。
このように、冷却流路11の内部での沸騰と、炉心溶融物上面の沸騰の両方によって炉心溶融物は除熱される。この除熱の際に発生した蒸気は、格納容器2に設置された格納容器冷却器6により冷却・凝縮されて水槽5に集められ、再び給水容器10に供給される。給水容器10に供給された冷却水は、再び冷却流路11へ供給され、上述の炉心溶融物冷却挙動が継続される。
また、定検時などには、炉心溶融物冷却装置7の冷却流路11などからサプレッションプール4へ排水できるようにすることにより、冷却流路11の内部の冷却水の交換などのメンテナンスを行うことができる。つまり、炉心溶融物冷却装置7の運用・保守は、容易である。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第2の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7は、第1の実施の形態と初期注水手段が異なる。本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7は、タンク26と、初期注水配管52と、注水弁22とを有している。タンク26は、容器62(図1参照)の外縁24(図1参照)より下方で冷却流路11(図1参照)と連通する空間の体積以下の冷却水を蓄えている。初期注水配管52は、タンク26から給水容器10を介して冷却流路11まで延びている。注水弁22は初期注水配管52の途中に設けられている。タンク26として、格納容器2内の上方に設置された水槽5の一画を仕切り板で区切った領域を使用してもよい。
注水弁22は、たとえば溶融弁であって、銅などの熱伝導の良い物質29を介して原子炉圧力容器1のたとえば下部ヘッド3の近傍に取り付けられている。注水弁22は、原子炉圧力容器1が所定の温度以上になったら開くようになっている。注水弁22を、圧力容器支持スカート30または圧力容器支持部31などの原子炉圧力容器1の支持部材の一部に設けてもよい。炉心が溶けて下部ヘッド3に溶融物が堆積した際に、直接原子炉圧力容器1から熱が伝わって注水弁22は溶融するため、注水弁22の溶融時期を早めることができる。注水弁22として、弁の一種である原子炉圧力容器1が所定の温度以上になったら溶融する栓を用いてもよい。
炉心40が溶融して原子炉圧力容器1の下部ヘッド3に落下すると、その溶融物の熱が輻射により、あるいは、熱伝導の良い物質を介して注水弁22に伝達される。注水弁22は、原子炉圧力容器1の温度が所定の温度以上になると開き、タンク26に蓄えられた冷却水が冷却流路11に供給される。このため、炉心溶融物が容器62に落下する前に、容器62の外縁24より下方で冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水が冷却流路に供給される。
このように、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7では、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11には冷却水が供給されている。このため、炉心溶融物が落下した容器62は、背面から冷却水によって冷却され、落下直後から炉心溶融物を冷却することが可能である。つまり、炉心溶融物冷却装置への初期の注水の遅れによる炉心溶融物を冷却不能な状態に陥る可能性を厳に抑制することができる。
また、ダウンカマ部9(図1参照)などによって、冷却流路11に接続する再循環経路が形成されているため、冷却流路11を流れる冷却水は自然循環し、炉心溶融物の冷却に繰り返して用いられることになり、冷却効率が向上する。炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11に供給される冷却水の体積は、容器62の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下である。このため、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器62の内部に、冷却水が溢れていることはない。したがって、炉心溶融物は、炉心溶融物冷却装置7に落下した際に、多量の冷却水と接触することがない。この結果、水蒸気爆発の発生する可能性をより小さくすることができる。
さらに、炉心溶融物冷却装置7の冷却流路11などには、炉心が溶融する事故が発生する前は、冷却水が存在しないため、冷却流路11の周りの構造材などが腐食するおそれが小さい。また、冷却水が存在しないため、点検などのメンテナンスが容易である。
[第3の実施の形態]
図5は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第3の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7は、第2の実施の形態と初期注水手段が異なる。本実施の形態では、タンク26は気相部分に開いた気体導入口および液相部分に開いた液体排出口以外は密閉されている。タンク26の気相部分に開いた気体導入口から開放端54には、気体導入配管53が延びている。気体導入配管53の途中には、注水弁22が取り付けられている。注水弁22は、銅などの熱伝導の良い物質29を介して原子炉圧力容器1のたとえば下部ヘッド3の近傍に取り付けられていて原子炉圧力容器1が所定の温度以上になると開くようになっている。
初期注水配管52は、タンク26の液体排出口から冷却流路11に向かって一部が上昇して延びている。初期注水配管52の途中には弁51が設けられている。
原子炉の運転の開始前などに、タンク26には、容器62(図1参照)の外縁24(図1参照)より下方で冷却流路11(図1参照)と連通する空間の体積以下の冷却水が供給される。タンク26への冷却水の供給の際、初期注水配管52に設けられた弁51は閉じた状態で、注水弁22は開いた状態とする。タンク26への冷却水の供給が終了したら、注水弁22を閉じ、初期注水配管52に設けられた弁51を開いておく。タンク26は密閉されているため、タンク26の気相へは気体が流入することがなく、タンク26の内部の冷却水は初期注水配管52の上昇部分を超えて冷却流路11に流れていくことはない。
炉心40が溶融して原子炉圧力容器1の下部ヘッド3に落下すると、その溶融物の熱が輻射により、あるいは、熱伝導の良い物質を介して注水弁22に伝達される。注水弁22は、原子炉圧力容器1の温度が所定の温度以上になると開き、タンク26の気相へ気体が流入し、タンク26に蓄えられた冷却水が冷却流路11に供給される。このため、炉心溶融物が容器62に落下する前に、容器62の外縁24より下方で冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水が冷却流路に供給される。注水弁22の溶融開放部分を流れるのは気体のみであり、冷却水は流れないため、溶融した注水弁22が冷却・凝固して流路を閉塞することを回避できる。
このように、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7では、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11には冷却水が供給されている。このため、炉心溶融物が落下した容器62は、背面から冷却水によって冷却され、落下直後から炉心溶融物を冷却することが可能である。つまり、炉心溶融物冷却装置への初期の注水の遅れによる炉心溶融物を冷却不能な状態に陥る可能性を厳に抑制することができる。
また、ダウンカマ部9(図1参照)などによって、冷却流路11に接続する再循環経路が形成されているため、冷却流路11を流れる冷却水は自然循環し、炉心溶融物の冷却に繰り返して用いられることになり、冷却効率が向上する。炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11に供給される冷却水の体積は、容器62の外縁24(図1参照)より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下である。このため、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器62の内部に、冷却水が溢れていることはない。したがって、炉心溶融物は、炉心溶融物冷却装置7に落下した際に、多量の冷却水と接触することがない。この結果、水蒸気爆発の発生する可能性をより小さくすることができる。
さらに、炉心溶融物冷却装置7の冷却流路11などには、炉心が溶融する事故が発生する前は、冷却水が存在しないため、冷却流路11の周りの構造材などが腐食するおそれが小さい。また、冷却水が存在しないため、点検などのメンテナンスが容易である。
[第4の実施の形態]
図6は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第4の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7は、第3の実施の形態と初期注水手段が異なる。本実施の形態の初期注水手段は、水槽5、初期注水配管35および熱作動弁32を有している。水槽5は、初期注水が終了した後に炉心溶融物冷却装置7へ供給される冷却水も蓄えている。
初期注水配管35は、水槽5から給水容器10を介して冷却流路11(図1参照)に延びている。熱作動弁32は、サンプ床28よりも上方で初期注水配管35の途中に設けられていて、所定の温度以上になると開くようになっている。熱作動弁32の代わりに、所定の温度以上になると開く栓を用いてもよい。熱作動弁32は、たとえばサンプ床28の近傍に配置されている。
また、水槽5からたとえばダウンカマ部9(図1参照)の入口25(図1参照)の近傍には、注水配管36が延びている。サンプ床28の下方で注水配管36の途中には注水弁33が設けられている。注水配管36の途中に設けられた注水弁33は、炉心溶融物がサンプ床28を貫通して容器62に落下した後に、たとえば所定の温度を超えたときに開くようになっている。
炉心溶融事故が発生し、炉心溶融物が原子炉圧力容器の下部ヘッド3を貫通すると、サンプ床28に落ちる。このとき、サンプ床28の上方に設けられた熱作動弁32は、炉心溶融物の熱によって温度が上昇し、開く。これにより、水槽5に蓄えられた冷却水が、初期注水配管35を通って、冷却流路11に供給される。
初期注水配管35は、単位時間当たりの流量を制限するために、内径が所定の大きさになるように形成されている。つまり、初期注水配管35は、それ自体が、流れる水の単位時間当たりの流量を制限する流量制限手段となっている。ここで、初期注水配管35を流れる単位時間当たりの流量は、サンプ床28に炉心溶融物が落下してからサンプ床28を貫通して容器62(図1参照)に落下するまでの時間に冷却流路11に供給される冷却水が、容器62の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下となるような流量とする。なお、弁やオリフィスなどの流量制限手段を用いてもよい。
炉心40が溶融してサンプ床28に落下すると、炉心溶融物の熱によって温度が上昇した熱作動弁32が開き、水槽5に蓄えられた冷却水が冷却流路11に供給される。このように、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7では、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11には冷却水が供給される。このため、炉心溶融物が落下した容器62は、背面から冷却水によって冷却され、落下直後から炉心溶融物を冷却することが可能である。つまり、炉心溶融物冷却装置への初期の注水の遅れによる炉心溶融物を冷却不能な状態に陥る可能性を厳に抑制することができる。
この際、初期注水配管35を流れる単位時間当たりの流量は、所定の流量に制限されている。このため、炉心溶融物が容器62に落下する前に、容器62の外縁24より下方で冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水が冷却流路に供給される。したがって、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器62の内部に冷却水が溢れていることはなく、炉心溶融物は、炉心溶融物冷却装置7に落下した際に、多量の冷却水と接触することがない。この結果、水蒸気爆発の発生する可能性をより小さくすることができる。
また、ダウンカマ部9(図1参照)などによって、冷却流路11に接続する再循環経路が形成されているため、冷却流路11を流れる冷却水は自然循環し、炉心溶融物の冷却に繰り返して用いられることになり、冷却効率が向上する。さらに、炉心溶融物冷却装置7の冷却流路11などには、炉心が溶融する事故が発生する前は、冷却水が存在しないため、冷却流路11の周りの構造材などが腐食するおそれが小さい。また、冷却水が存在しないため、点検などのメンテナンスが容易である。
サンプ床28が破損して炉心溶融物冷却装置7へと炉心溶融物が落下した後は、サンプ床下部に設置した注水弁33が溶けて開き、容器62の内部にも注水される。これにより、炉心溶融物の上面においても冷却水は沸騰し、炉心溶融物は冷却される。
このように、本実施の形態では、初期の冷却およびその後の継続的な冷却に用いる冷却水を蓄える容器として同じ水槽5を用いているため、格納容器2の構造を単純化することができる。
[第5の実施の形態]
図7は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第5の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7は、第4の実施の形態と初期注水手段が異なる。本実施の形態では、水槽5の一部は、容器62(図1参照)の外縁24(図1参照)より下方で冷却流路11(図1参照)と連通する空間の体積以下の冷却水供給部34として区切られている。初期注水配管35は、冷却水供給部34に接続されている。なお、冷却水供給部34の代わりに、水槽5とは別に格納容器2の上方に位置するタンクを設けてもよい。
炉心40が溶融してサンプ床28に落下すると、炉心溶融物の熱によって温度が上昇した熱作動弁32が開き、冷却水供給部34に蓄えられた冷却水が冷却流路11に供給される。このように、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7では、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11には冷却水が供給される。このため、炉心溶融物が落下した容器62は、背面から冷却水によって冷却され、落下直後から炉心溶融物を冷却することが可能である。つまり、炉心溶融物冷却装置への初期の注水の遅れによる炉心溶融物を冷却不能な状態に陥る可能性を厳に抑制することができる。
この際、冷却水供給部34に蓄えられた冷却水は、容器62の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下である。したがって、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器62の内部に冷却水が溢れていることはない。このため、炉心溶融物は、炉心溶融物冷却装置7に落下した際に、多量の冷却水と接触することがない。この結果、水蒸気爆発の発生する可能性をより小さくすることができる。
また、第4の実施の形態のように初期注水配管の単位時間当たりの流量を制限しなくてもよいため、初期注水配管35の配管径を広げることができる。このため、より確実に、冷却流路11へ注水することができる。
[第6の実施の形態]
図8は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第6の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7は、第5の実施の形態と初期注水手段が異なる。本実施の形態では、初期注水配管35は、水槽5の側壁に接続されている。初期注水配管35が接続された位置55よりも上方に蓄えられた冷却水の体積は、容器62(図1参照)の外縁24(図1参照)より下方で冷却流路11(図1参照)と連通する空間の体積以下となるようにする。
炉心40が溶融してサンプ床28に落下すると、炉心溶融物の熱によって温度が上昇した熱作動弁32が開き、冷却水供給部34に蓄えられた冷却水が冷却流路11に供給される。このように、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7では、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11には冷却水が供給される。このため、炉心溶融物が落下した容器62は、背面から冷却水によって冷却され、落下直後から炉心溶融物を冷却することが可能である。つまり、炉心溶融物冷却装置への初期の注水の遅れによる炉心溶融物を冷却不能な状態に陥る可能性を厳に抑制することができる。
この際、供給される冷却水は、水槽5の内部で初期注水配管35が接続された位置55よりも上方に位置するものだけであるから、容器62の外縁24より下方で冷却流路11と連通する空間の体積以下である。したがって、炉心溶融物が容器62に落下する前に容器62の内部に冷却水が溢れていることはない。このため、炉心溶融物は、炉心溶融物冷却装置7に落下した際に、多量の冷却水と接触することがない。この結果、水蒸気爆発の発生する可能性をより小さくすることができる。
このように本実施の形態では、第5の実施の形態のように水槽5の一部を区切ることなく、冷却流路11のみを冷却水で満たすように注水できる。
[第7の実施の形態]
本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第7の実施の形態について以下説明する。図9は、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置の立断面図である。
本実施の形態の炉心溶融物冷却装置は、第6の実施の形態におけるサンプ床28(図8参照)の代わりに、容器62の上面を覆う蓋64および冷却流路11の開口部16の上方にトラップ65を設けたものである。また、第6の実施の形態におけるサンプ床28よりも上方に設けられた熱作動弁32(図8参照)の位置を蓋64の近傍に変更している。なお、注水弁33の位置は、蓋64の近傍に位置する熱作動弁32よりも蓋64からの距離が大きくなるよう配置されている。
蓋64は、たとえば容器62の外縁24を外周とする平板状に形成される。トラップ65は、ペデスタル側壁42から内側に向かって投影形状がリング状になるように広がっている。蓋64の近傍には熱作動弁32が設けられている。
炉心溶融事故が発生し、炉心溶融物が原子炉圧力容器の下部ヘッド3を貫通すると、蓋64に落ちる。このとき、蓋64の近傍に設けられた熱作動弁32は、炉心溶融物の熱によって温度が上昇し、開く。これにより、水槽5(図8参照)に蓄えられた冷却水が、初期注水配管35を通って、冷却流路11に供給される。
このように、本実施の形態の炉心溶融物冷却装置7では、炉心溶融物が容器62に落下する前に冷却流路11には冷却水が供給される。このため、炉心溶融物が落下した容器62は、背面から冷却水によって冷却され、落下直後から炉心溶融物を冷却することが可能である。つまり、炉心溶融物冷却装置への初期の注水の遅れによるデブリを冷却不能な状態に陥る可能性を厳に抑制することができる。
蓋64が破損して容器62へと炉心溶融物が落下した後は、蓋64の近傍に設けられた熱作動弁32よりも蓋64から離れた位置に設けられた注水弁33が溶けて開き、容器62の内部にも注水される。これにより、炉心溶融物の上面においても冷却水は沸騰し、炉心溶融物は冷却される。
また、トラップ65を設けることにより、開口部16から冷却流路11に、あるいは、入口25からダウンカマ部9に炉心溶融物が入り込み、冷却水の流路が閉塞されるおそれが小さくなる。トラップ65を内側の方が低くなるように傾斜させることにより、炉心溶融物はトラップ65に落下したとしても、容器62の中心に向かって滑り落ちていく。さらに、熱作動弁32および注水弁33をトラップ65の下方に設けておくことにより、炉心溶融物と接触して熱作動弁32、注水弁33、初期注水配管35および注水配管36の内部の冷却水の流路が閉塞されるおそれが小さくなる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施してもよい。
本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施の形態における炉心溶融物冷却装置の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施の形態における炉心溶融物冷却装置の一部拡大上面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第2の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第3の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第4の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第5の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第6の実施の形態を用いた原子炉格納容器の立断面図である。 本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第7の実施の形態における炉心溶融物冷却装置の立断面図である。
符号の説明
1…原子炉圧力容器、2…格納容器、3…下部ヘッド、4…サプレッションプール、5…水槽、6…格納容器冷却器、7…炉心溶融物冷却装置、8…注水配管、9…ダウンカマ部、10…給水容器、11…冷却流路、12…耐熱材、13…下部ドライウェル、15…追加保水容器、16…開口部、17…水位計、18…注水ポンプ、19…注水弁、20…配管、21…注水管、22…注水弁、23…給水流路、24…外縁、25…入口、26…タンク、28…サンプ床、29…熱伝導の良い物質、30…支持スカート、31…圧力容器支持部、32…熱作動弁、33…注水弁、34…冷却水供給部、35…初期注水配管、36…注水配管、40…炉心、41…ペデスタル床、42…ペデスタル側壁、43…注水弁、51…弁、52…初期注水配管、53…気体導入配管、54…開放端、60…ステンレス鋼、61…コンクリート、62…容器、63…配管、64…蓋、65…トラップ

Claims (14)

  1. 原子炉容器に収められた炉心が溶融し床および壁に囲まれた下部空間に落下した際に炉心溶融物を冷却する炉心溶融物冷却装置において、
    前記下部空間に設けられて上方に向かって開いた容器と、
    前記容器の下部外面に沿って前記容器と連通する空間に対して開いた開口まで延びる冷却流路を形成する構造体と、
    前記炉心溶融物が前記容器に落下する前に前記容器の外縁より下方で前記冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水を前記冷却流路に供給する初期給水手段と、
    を有することを特徴とする炉心溶融物冷却装置。
  2. 前記開口は、前記外縁よりも下方に位置し、
    前記構造体は、前記外縁よりも下方で前記下部空間に向かって開いた入口から前記冷却流路に接続する出口に延びる再循環流路をさらに形成することを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物冷却装置。
  3. 前記下部空間の外部に設けられて前記冷却流路と連通する追加保水容器をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炉心溶融物冷却装置。
  4. 前記冷却流路の内部の水位を監視する水位監視手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の炉心溶融物冷却装置。
  5. 前記初期給水手段は、前記容器の外縁より下方で前記冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水を蓄えるタンクと、前記タンクから前記冷却流路に延びる初期注水配管とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炉心溶融物冷却装置。
  6. 前記初期注水配管の途中に設けられて前記原子炉容器が所定の温度以上になると開く弁を有することを特徴とする請求項5に記載の炉心溶融物冷却装置。
  7. 前記タンクは気相部分に開いた気体導入口および液相部分に開いた液体排出口以外は密閉されていて、前記初期注水配管は前記液体排出口から前記冷却流路に向かって一部が上昇して延び、前記気体導入口に接続されて前記原子炉容器が所定の温度以上になると開く弁を有することを特徴とする請求項5に記載の炉心溶融物冷却装置。
  8. 前記原子炉容器と前記容器との間に設けられて前記下部空間を上下に区切るサンプ床を有し、前記初期注水配管の途中であって前記サンプ床よりも上方に設けられて所定の温度以上になると開く弁を有することを特徴とする請求項5に記載の炉心溶融物冷却装置。
  9. 水槽と、
    前記水槽から前記冷却流路に延びる注水配管と、
    前記サンプ床よりも下方で前記注水配管の途中に設けられて前記炉心溶融物が前記容器に落下した後に開く弁を有することを特徴とする請求項8に記載の炉心溶融物冷却装置。
  10. 前記容器の上面を覆う蓋を有し、前記初期注水配管の途中であって前記蓋の近傍に設けられて所定の温度以上になると開く弁を有することを特徴とする請求項5に記載の炉心溶融物冷却装置。
  11. 前記容器よりも上方で前記壁から内側に向かって広がるトラップを有することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の炉心溶融物冷却装置。
  12. 前記初期給水手段は、水槽と、前記水槽から前記冷却流路に延びる初期注水配管と、前記初期注水配管を流れる水の単位時間当たりの流量を制限する流量制限手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の炉心溶融物冷却装置。
  13. 原子炉容器に収められた炉心が溶融し床および壁に囲まれた下部空間に落下した際に、炉心溶融物を、前記下部空間に設けられて上方に向かって開いた容器と、前記容器の下部外面に沿って前記容器と連通する空間に対して開いた開口まで延びる冷却流路を形成する構造体と、を備えた炉心溶融物冷却装置で冷却する炉心溶融物冷却方法において、
    前記炉心溶融物が前記容器に落下する前に、前記容器の外縁より下方で前記冷却流路と連通する空間の体積以下の冷却水を前記冷却水流路に供給する初期給水工程、
    を有することを特徴とする炉心溶融物冷却方法。
  14. 前記炉心溶融物が前記容器に落下した後に、前記容器の内部に冷却水が溢れるように前記炉心溶融物冷却装置に冷却水を供給する工程、を有することを特徴とする請求項13に記載の炉心溶融物冷却方法。
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