JP6435095B2 - 炉心溶融物保持装置およびこれを備える原子炉 - Google Patents

炉心溶融物保持装置およびこれを備える原子炉 Download PDF

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Description

本発明は、炉心溶融物を保持して冷却する炉心溶融物保持装置およびこれを備える原子炉に関する。
炉心溶融物保持装置であるコアキャッチャについては、その構造の例が特許文献1や特許文献2などに開示されている。
特許文献1には、洗面器形状のレセプタクルに、コーリウム(炉心溶融物、デブリ)との接触時にコーリウム温度を低下させうる材料が収容された球状のコンテナを収容することが記載されている。なお、この材料は、コーリウムに接触して材料が溶融することにより、コーリウムの熱を奪うものである。また、レセプタクルの下面側には、水冷層が設けられ、水冷層に流体を流すことで、コーリウムおよび材料の熱を奪う。
また、特許文献2には、耐熱層と、耐熱層の上に形成された衝撃緩和層と、を備える炉心溶融物の保持装置が記載されている。耐熱層および衝撃緩和層は、炉心溶融物の温度よりも融点の高いジルコニウム酸化物などの高融点材料が用いられ、衝撃緩和層は粒状部材とすることが記載されている。また、耐熱層の下には金属部材が配置され、冷却水路の冷却水で冷却されることが記載されている。
特開2000-121771号公報 特開2012-194120号公報
特許文献1や特許文献2に開示されているような従来の炉心溶融物保持装置は、炉心溶融物(デブリ)が最初に直接接触する球状または粒状の層と、その層の下側に形成された耐熱層と、放熱層(水冷層)と、により構成されている。通常、炉心溶融物保持装置には、原子炉圧力容器から流出した高温の炉心溶融物が長時間に亘って保持される。炉心溶融物の熱は、ある程度は耐熱材や温度を低下させうる材料などにより除熱されるが、実質的には、耐熱層の下層に配置された冷却水を流す水冷層を介して放熱される。
ところで、高融点材料からなる耐熱材を炉心溶融物保持装置や炉心下の床面に敷設する場合、耐熱材は大きな板状のものを作製するのは困難であるため、小さい板状の耐熱材を敷き詰める必要があり、設置性が悪いという課題がある。また、耐熱材は、要求される特性からセラミック材料が多く適用されているが、重く、脆い特性を持つため、敷設時の割れなどが懸念される。また、寸法精度よく成型されていないと敷き詰めた際に隙間ができ、その隙間に炉心溶融物が侵入することにより想定した性能を発揮できないことが懸念される。
また、特に、耐熱材を敷き詰めた炉心溶融物保持装置では、炉心溶融物が耐熱材の表面に落下した際、瞬時に2,500℃程度にまで耐熱材表面の温度が上昇するために、熱衝撃によって耐熱材の割れを生じるおそれがある。このような耐熱材の割れが生じると、割れによって生じた隙間に炉心溶融物が侵入することにより想定した性能を発揮できないことが懸念される。
そこで、本発明は、設置性がよく、好適に炉心溶融物を保持することができる炉心溶融物保持装置およびこれを備える原子炉を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明に係る炉心溶融物保持装置は、炉心下部に配置されるコンテナと、前記コンテナに収納される耐熱材と、前記コンテナに充填されるフレーク状の形態の混合物と、を備え、前記混合物は、少なくとも、融点が2,400℃以上の高融点材料と、再臨界防止材と、を有し、前記耐熱材は、板状の耐熱板材であり、前記混合物は、前記耐熱材同士の隙間に充填されることを特徴とする。
本発明によれば、設置性がよく、好適に炉心溶融物を保持することができる炉心溶融物保持装置およびこれを備える原子炉を提供することができる。
第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置が設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。 第2実施形態に係る炉心溶融物保持装置が設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。 第3実施形態に係る炉心溶融物保持装置が設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。 第4実施形態に係る炉心溶融物保持装置が設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。 第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置が設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。 (a)は第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置を上方からみた模式図であり、(b)は第5実施形態の変形例に係る炉心溶融物保持装置の断面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1について図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1が設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。
<原子炉>
まず、第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1が設けられる原子炉の要部構成について説明する。図1に示すように、原子炉は、炉心21が収納された原子炉圧力容器2が、ペデスタル(架台)4によって、ペデスタル床3の上に設置されている。また、炉心溶融物保持装置1は、そのペデスタル床3の上に敷設されている。
原子力発電プラントなどにおけるシビアアクシデント時には、原子炉の炉心21が溶融して、酸化ウランやジルコニウムや鉄等の炉心溶融物22が原子炉圧力容器2の底部に溜まることが考えられる。さらに、高温の炉心溶融物22が、原子炉圧力容器2から漏れ出すことが考えられる。
このようなシビアアクシデントに備え、原子炉には、炉心溶融物保持装置1が敷設されている。炉心溶融物保持装置1は、原子炉圧力容器2の底部から落下してくる炉心溶融物22を受け止めて保持するとともに、炉心溶融物22を冷却する。これにより、炉心溶融物22がペデスタル床3を抜けてさらに拡散することを防止する。即ち、炉心溶融物保持装置1は、シビアアクシデント時における炉心溶融物22(デブリ5)の拡散を抑制して、保持する。このため、図1に示すように、炉心溶融物保持装置1は、ペデスタル4の内側の原子炉圧力容器2の直下部に敷設されている。
なお、図1において、炉心溶融物保持装置1の上の中央部に描かれているデブリ5は、原子炉圧力容器2から落下し、炉心溶融物保持装置1によって受け止められ、保持されている炉心溶融物22を表している。以下の説明において、原子炉圧力容器2から漏れ出て、炉心溶融物保持装置1により保持される炉心溶融物22をデブリ5と称する。
<炉心溶融物保持装置1>
次に、第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1について説明する。図1に示すように、炉心溶融物保持装置1は、コンテナ11と、コンテナ11に充填される混合物12と、を備えている。
コンテナ11は、デブリ5を保持する混合物12を充填するとともに、デブリ5の拡散を抑えるように構成された、上部が開口した有底の容器である。また、コンテナ11は、炉心溶融物保持装置1の本体部であり、ペデスタル4の内側の原子炉圧力容器2の直下部に敷設されている。なお、コンテナ11の形状は、ペデスタル4の内側のペデスタル床3の全体を覆う形状が好ましく、または、原子炉圧力容器2の直下部のペデスタル床3の全体を覆う形状が好ましい。また、コンテナ11の形状は、上方からみた原子炉圧力容器2の形状と同様に、上方からみて略円形となることが好ましい。
ちなみに、コンテナ11の底面とペデスタル床3の床面とが接触するようにコンテナ11(炉心溶融物保持装置1)を設置してもよく、コンテナ11の底面とペデスタル床3の床面とが僅かに離れるようにコンテナ11(炉心溶融物保持装置1)を設置してもよい。コンテナ11の底面とペデスタル床3の床面とが僅かに離れて設置されている場合、この間隙に冷却水が流れるように構成してもよい。このような構成とすることにより、シビアアクシデント時には自然対流にて冷却水の循環を行い、コンテナ11を冷却することができる。即ち、コンテナ11を冷却することで、コンテナ11に充填された混合物12を冷却し、混合物12に保持されるデブリ5を冷却する。
コンテナ11は、耐熱セラミック材で構成されることが好ましいが、これに限られるものではなく、融点の高い材料であればよい。また、コンテナ11の材料は、デブリ5に対して良好な化学的適合性を有しているように選択される。
コンテナ11には、デブリ5を保持する混合物12が充填される。混合物12は、融点が2,400℃以上の高融点材料、デブリ5と吸熱反応を行う材料、溶融潜熱が大きな材料、再臨界防止材、放射性物質拡散抑制物など、様々な材料物性をもつ材料が特に規則性がなく配置される。なお、混合物12は、これらの材料の全てを含んでなくてもよく、いずれかの材料を含んでいるものであってもよい。なお、混合物12は、少なくとも2,400℃以上の高融点材料および再臨界防止材を含んでいることが好ましい。
なお、混合物12としては、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化ベリリウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化シリコン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ウラン、炭化バナジウム炭化タングステン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化アルミ、劣化ウラン、石英、炭化ホウ素、ホウ化物などのうちのいずれかの物質で構成されていることが好ましいが、これに限られるものではない。
なお、前記列挙した混合物12のうち、再臨界防止材としては、B(ホウ素)を含む炭化ホウ素、ホウ化物が挙げられる。また、放射性物質拡散抑制物としては、石英(SiO)が挙げられる。また、その他の機能材料としては、これら以外のものが挙げられる。
混合物12の各材料は、フレーク状、粒子状および塊状の形状を持たせている。なお、混合物12のうち、デブリ5と吸熱反応を行う材料は、フレーク状または粒子状の形状を持たせ、デブリ5と反応させ易くすることが好ましい。また、融点が2,400℃以上の高融点材料は、高温のデブリ5を保持するための材料であるため、塊状の形状を持たせることが好ましい。
なお、溶融潜熱が大きな材料は、形状を問わない。また、再臨界防止材および放射性物質拡散抑制物は、形状を問わないが、混合物12に均一に分布していることが好ましい。具体的には、一定量の混合物12を敷設した後に、再臨界防止材や放射性物質拡散抑制物を敷設して、再臨界防止材や放射性物質拡散抑制物が全体に均一になるようにすることが好ましい。
また、混合物12のうち、デブリ5と吸熱反応を行う材料および溶融潜熱が大きな材料は、主にデブリ5が落下することが予想される位置(炉心中心部)に配置されることが好ましい。その他の材料物性をもつ材料は、全体的に満遍なく配置されることが好ましい。
<作用・効果>
第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1の作用および効果について説明する。
炉心溶融時に生成したデブリ5は、コンテナ11に充填された混合物12内に侵入する。混合物12内に侵入した際、デブリ5が、デブリ5と吸熱反応を行う材料と接触することで化学反応により、デブリ5の熱を吸収し、デブリ5の温度を低下させることができる。また、混合物12内に侵入した際、デブリ5が、溶融潜熱が大きな材料と接触することで、材料が溶融することにより、デブリ5の熱を吸収し、デブリ5の温度を低下させることができる。このように、デブリ5の温度を低下させることにより、デブリ5の直下部から下方向に向かう熱流束も小さくすることができるので、デブリ5を保持するデブリ5の直下部の混合物12の高融点材料の溶融を防止することができる。
また、炭化チタンなどの高融点材料は、耐熱材として機能し、デブリ5が混合物12内に侵入することを抑制するとともに、デブリ5の顕熱や溶融潜熱を奪い、デブリ5の温度を低下させることができる。
また、炭化ホウ素やホウ化物は、デブリ5中の偏析した酸化ウランが再臨界を起こすことを防止する再臨界防止材(減速材)として機能する。このため、炭化ホウ素やホウ化物は、混合物12になるべく均一に分布していることが好ましい。
また、石英(SiO2)は、デブリ5の熱で溶融して、デブリ5と混ざることにより放射性物質拡散抑制物として機能する。
以上のように、第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1は、シビアアクシデント時における炉心溶融物22(デブリ5)の拡散を抑制することができる。また、第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1は、コンテナ11に混合物12を充填することで設置できるため、炉心溶融物保持装置1の設置を容易にすることができる。また、第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1は、原子炉圧力容器2を格納する原子炉格納容器(図示せず)の損傷を防ぐことができる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Aについて図2を用いて説明する。図2は、第2実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Aが設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。第2実施形態(図2参照)は、第1実施形態(図1参照)と比較して、炉心溶融物保持装置1Aの構成が異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
<炉心溶融物保持装置1A>
次に、第2実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Aについて説明する。前述のように、第1実施形態の炉心溶融物保持装置1(図1参照)は、混合物12がコンテナ11に充填されている。これに対し、第2実施形態の炉心溶融物保持装置1A(図2参照)は、混合物12をさらにバインダ13と混合させて、コンテナ11に充填されている点で異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
バインダ13としては、例えば、コンクリートを用いることが好ましいが、これに限られるものではない。バインダ13としては、混合物12と混合しコンテナ11に充填する際には固化しておらず、時間経過とともに固化するものであり、かつ、熱膨張率が小さいものが好ましい。
第2実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Aによれば、混合物12の材料間の間隙をバインダ13で埋めることにより、デブリ5の侵入をより抑制することができる。また、コンテナ11に充填された充填物(混合物12とバインダ13の混合物)の表面は平坦(平面)となるために、デブリ5の落下時の広がりを促進することができる。デブリ5が広がることにより、好適にデブリ5を冷却し、好適に炉心溶融物保持装置1Aでデブリ5を保持することができる。
≪第3実施形態≫
第3実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Bについて図3を用いて説明する。図3は、第3実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Bが設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。第3実施形態(図3参照)は、第1実施形態(図1参照)と比較して、炉心溶融物保持装置1Bの構成が異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
<炉心溶融物保持装置1B>
次に、第3実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Bについて説明する。前述のように、第1実施形態の炉心溶融物保持装置1(図1参照)は、混合物12がコンテナ11に充填されている。これに対し、第3実施形態の炉心溶融物保持装置1B(図3参照)は、混合物12を小容器14に充填し、混合物12が充填された小容器14をコンテナ11内に敷き詰めて配置されている点で異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
小容器14は、耐火セラミックなどの素材でできており、上側が開口した有底の容器構造が好ましい。
また、小容器14には、フレーク状、粒子状および塊状の形状を持たせた融点が2,400℃以上の高融点材料、デブリ5と吸熱反応を行う材料、溶融潜熱が大きな材料、再臨界防止材、放射性物質拡散抑制物など、様々な材料物性をもつ材料が充填されている。各小容器14には、図3に示すように、各材料の混合物12が充填されていることが好ましい。
また、各小容器14には、各材料のうちいずれか1種類または数種類が充填され、コンテナ11内の一定の体積内に全ての材料が含まれるように小容器14の積層方法を工夫するように構成してもよい。
積層方法の例としては、コンテナ11内に、小容器14をN層積層するとして、コンテナ11の内壁に接する最下層である第一層に高融点材料を、第二層にデブリ5と吸熱反応を行う材料、第三層に再臨界防止材および放射性物質拡散抑制物、第四層に溶融潜熱が大きな材料を充填した小容器14を並べ、以降は、これを繰り返し積層していく方法がある。なお、積層方法は」これに限られるものではない。
また、デブリ5が落下することが予想される位置(炉心中心部)の小容器14に、混合物12としてデブリ5と吸熱反応を行う材料および/または溶融潜熱が大きな材料を多く充填するようにしてもよい。
≪第4実施形態≫
第4実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Cについて図4を用いて説明する。図3は、第4実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Cが設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。第4実施形態(図4参照)は、第1実施形態(図1参照)と比較して、炉心溶融物保持装置1Cの構成が異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
<炉心溶融物保持装置1C>
次に、第4実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Cについて説明する。第4実施形態の炉心溶融物保持装置1Cは、第1実施形態(図1参照)の炉心溶融物保持装置1に加え、
コンテナ11に冷却水(冷却材)を供給する冷却材供給部16を備えている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
冷却材供給部16は、冷却材タンク61と、配管62と、冷却材注入口63と、口栓63aと、を備えている。
冷却材タンク61は、冷却水(冷却材)が貯えられたタンクである。なお、冷却材タンク61は、原子炉のリアクタビル外に設置されることが好ましい。また、冷却材は水(冷却水)が好ましいが、これに限られるものではない。冷却材注入口63は、原子炉圧力容器2の炉底部よりも下側、かつコンテナ11よりも上側の位置に設けられ、冷却材注入口63と冷却材タンク61とは、配管62で接続されている。また、冷却材注入口63には、高温になると溶融する材料からなる口栓63aが設けられている。
原子炉内が高温となると、口栓63aが溶融して冷却材注入口63が開口することにより、冷却材タンク61に貯えられた冷却水(冷却材)が、配管62を介して、炉心溶融物保持装置1Cのコンテナ11に供給される。
なお、冷却水は重力により冷却材タンク61から冷却材注入口63へと流れるように、冷却材タンク61を配置することが好ましい。これにより、冷却材供給部16は、ポンプやポンプを駆動するための電源装置を用いることなく、シビアアクシデント時において冷却水をコンテナ11に供給することができる。なお、冷却水は、炉心溶融事故発生から24時間以内に注入されることが好ましい。
コンテナ11に供給された冷却水は、混合物12の間に侵入する。これにより、冷却水がデブリ5の熱を吸収して蒸発し、デブリ5の温度を低下させることができる。なお、蒸発した冷却水は、蒸発後冷却され、ペデスタル4の壁や炉内構造物に付着し、凝固とともに落下し、コンテナ11内に落ちる。これが繰り返されることでデブリ5の除熱が促進される。
≪第5実施形態≫
第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Dについて図5を用いて説明する。図5は、第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Dが設けられた原子炉の要部構成を説明する断面模式図である。第5実施形態(図5参照)は、第1実施形態(図1参照)と比較して、炉心溶融物保持装置1Dの構成が異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
<炉心溶融物保持装置1D>
次に、第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Dについて説明する。前述のように、第1実施形態の炉心溶融物保持装置1(図1参照)は、コンテナ11に混合物12が充填されている。これに対し、第5実施形態の炉心溶融物保持装置1D(図5参照)は、コンテナ11に耐熱板材15が間隔をあけて収納され、その隙間に混合物12が充填されている点で異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
耐熱板材15には高融点の材料が用いられることが好ましく、特に酸化ジルコニウムが好ましいが、これに限られるものではない。また、図5に示すように、耐熱板材15は積層して収納され、ある層の耐熱板材15同士の隙間(即ち、混合物12が配置された箇所)を、次の層の耐熱板材15が覆うように積層されることが好ましい。
このように、第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Dは、耐熱板材15がデブリ5の侵入を抑制するとともに、デブリ5の顕熱や溶融潜熱を奪い、デブリ5の温度を低下させることができる。また、耐熱板材15同士の隙間には、混合物12が充填されており、第1実施形態に係る炉心溶融物保持装置1と同様に、デブリ5の侵入を抑制するとともに、デブリ5の温度を低下させることができる。
また、耐熱板材15として用いる酸化ジルコニウムは加工が困難な材料であり、耐熱板材15を隙間なく敷き詰めることができるように高い寸法精度を要求することは困難である。これに対し、第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Dは、耐熱板材15同士の隙間に混合物12を充填する構成となっているため、耐熱板材15の寸法精度は高くなくてもよく、炉心溶融物保持装置1Dの設置を容易にすることができる。
図6(a)は、第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Dを上方からみた模式図であり、図6(b)は、第5実施形態の変形例に係る炉心溶融物保持装置の断面模式図である。
また、ペデスタル床3の床面およびコンテナ11の底面に平行な面について、図6(a)に示すように、耐熱板材15を円状に配置することも可能である。また、図示を省略するが、耐熱板材15をペデスタル床3の床面(水平面)に対して、傾斜するように配置してもよい。即ち、コンテナ11の中心側ほど高く、コンテナ11の外周側ほど低くなるように、傾斜させる。これにより、デブリ5の平面方向の広がりを促進させることができる。さらに、図6(b)に示すように、耐熱部材15の高さがコンテナ11の中心側ほど高く、コンテナ11の外周側ほど低くなるように高低を設けて配置し、さらに混合物12で傾斜を設け、デブリ5の拡散を促す構造としてもよい。
≪変形例≫
なお、本実施形態に係る炉心溶融物保持装置1〜1Dは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1Dは、コンテナ11に収納される耐熱材として、板状の耐熱板材15を用いるものとして説明したが、耐熱材の形状はこれに限られるものではない。例えば、耐熱材の形状を塊状にしてもよい。これにより、耐熱材の複雑な形状でデブリ5の流路を複雑することが可能になり、より冷却作用を向上させることが可能となる。
また、塊状の耐熱材は、なるべく球状でほぼ一様な寸法であることが好ましい。また、球状耐熱材は、互いに接している球の中心を結んだ線が三角形をなすようコンテナ11の底面と平行に稠密に配置することが好ましい。さらに、耐熱材を積層する場合は、下層の球状耐熱材がなす三角面の中心部のくぼんだ場所に配置する。これにより、稠密な構造を取ることが可能となる。この場合、混合物12は、球状耐熱材の周辺に設置(充填)することが好ましい。
また、球状以外の形状の耐熱材、例えば、岩石状の耐熱材を用いてもよい。この場合、配置方法などは特に限定するものではないが、耐熱材間の隙間に小さな岩石状の耐熱材を入れて、なるべく耐熱材同士の隙間を少なくしてから、混合物12を耐熱材の周辺に設置(充填)することが好ましい。
このような構成とすることにより、コンテナ11に収納された塊状(球状、岩石状)の耐熱材により、デブリ5の流路が長くなり、即ち、デブリ5の冷却パスが長くなるとともに、混合物12との反応作用が多くなりので、より冷却作用を向上させることができる。
また、コンテナ11に板状の耐熱板材15を収納する第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1D、およびコンテナ11に塊状(球状、岩石状)の耐熱材を収納する変形例に係る炉心溶融物保持装置は、混合物12を充填するものとして説明したが、第2実施形態(図2参照)のように、混合物12をさらにバインダ13と混合させて、コンテナ11に充填してもよい。
また、コンテナ11に板状の耐熱板材15を収納する第5実施形態に係る炉心溶融物保持装置1D、およびコンテナ11に塊状(球状、岩石状)の耐熱材を収納する変形例に係る炉心溶融物保持装置は、第4実施形態(図4参照)に示す冷却材供給部16を備えていてもよい。
1,1A,1B,1C,1D 炉心溶融物保持装置
2 原子炉圧力容器
3 ペデスタル床
4 ペデスタル
5 デブリ
11 コンテナ
12 混合物
13 バインダ
14 小容器
15 耐熱板材(耐熱材)
16 冷却材供給部
21 炉心
22 炉心溶融物
61 冷却材タンク
62 配管
63 冷却材注入口
63a 口栓

Claims (7)

  1. 炉心下部に配置されるコンテナと、
    前記コンテナに収納される耐熱材と、
    前記コンテナに充填されるフレーク状の形態の混合物と、を備え、
    前記混合物は、少なくとも、融点が2,400℃以上の高融点材料と、再臨界防止材と、を有し、
    前記耐熱材は、板状の耐熱板材であり、
    前記混合物は、前記耐熱材同士の隙間に充填される
    ことを特徴とする炉心溶融物保持装置。
  2. 前記混合物は、炉心溶融物と吸熱反応を行う材料、溶融潜熱が大きな材料、放射性物質拡散抑制物のうち少なくとも1つをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  3. 前記耐熱板材は、積層されて収納され、積層方向の前記耐熱板材同士の隙間にも前記混合物が充填される
    ことを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  4. 前記コンテナに冷却材を供給する冷却材供給部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  5. 前記冷却材供給部は、
    前記冷却材を貯える冷却材タンクと、
    配管を介して前記冷却材タンクと接続され、前記コンテナより上部に設けられた冷却材注入口と、を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の炉心溶融物保持装置。
  6. 前記混合物は、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化ベリリウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化シリコン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ウラン、炭化バナジウム炭化タングステン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化アルミ、劣化ウラン、石英、炭化ボロン、ホウ化物のうち少なくとも1つの物質を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の炉心溶融物保持装置を原子炉圧力容器の下部に備えることを特徴とする原子炉。
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