JP2005337733A - 原子炉格納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子炉格納容器の大幅な設計変更あるいは適用可能な原子炉格納容器の型の限定を必要とせず、ペデスタル領域に特段の設備を追加することもなく、炉心溶融物によるコンクリート構造物の侵食速度を低下させ、注水による炉心溶融物冷却効果を高めることができる原子炉格納容器を得る。
【解決手段】高融点で且つ高密度の材料から成る多数の塊状の粗骨材と、前記粗骨材よりも分解温度及び密度が低いコンクリートを混合し、一体として成形した構造材8を壁面及び床面に配置してペデスタル領域3を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は原子力発電プラントにおける原子炉格納容器に係り、特に炉心溶融発生時に原子炉格納容器の損傷を防止し、その機能を維持する原子炉格納容器に関する。
原子炉で万が一炉心が溶融し、原子炉圧力容器を破って原子炉格納容器のペデスタル床に落下した場合、ペデスタル床面のコンクリートが炉心溶融物により侵食されて原子炉格納容器の健全性を脅かす事態になりかねない。
このため、原子炉格納容器のペデスタル床面に炉心溶融物が落下するような過酷事故に備えて様々な対策手段が考えられている。
代表的な手段として、コアキャッチャーと呼ばれる設備が考えられている。これは、ペデスタル床面に落下した炉心溶融物を耐熱材で受け止めて、注水手段と組み合わせて炉心溶融物の冷却を図るようにした設備である。
しかし、原子炉格納容器のペデスタル床面に落下した炉心溶融物の上面に冷却水を注水しても、炉心溶融物の底部での除熱量が小さいと、崩壊熱によって炉心溶融物底部の温度が高温のまま維持され、ペデスタル床面のコンクリート侵食を防止することができない可能性がある。
このことから、炉心溶融物をペデスタル底面から冷却するという手段も提案されている。(例えば特許文献1ないし22参照。)。
また、炉心溶融物がペデスタル床面のコンクリート上に落下した場合のコンクリート侵食挙動、及び注水による炉心溶融物冷却挙動を解明するための研究も行われている(例えば非特許文献1、2参照。)。
こうした研究の中で次のような(1)から(3)の知見が得られている。
(1)炉心溶融物上部に空洞を持った固化クラストが形成されると、冷却水による炉心溶融物上面からの除熱量が著しく低下する。
(2)コンクリート中の骨材の存在が炉心溶融物侵食に対する抵抗となっている。
(3)炉心溶融物が流動状態でコンクリート侵食面に進入していく場合には、骨材が浮力で炉心溶融物中にエントレインされるため、侵食速度が大きくなる。
特開平5-5795号公報 特開平6-300880号公報 特開平7-128476号公報 特開平8-43576号公報 特開平8-271668号公報 特開2002-168986号公報 特開平5-72372号公報 特開平3-87693号公報 特開平5-249273号公報 特開平6-265675号公報 特開平7-110392号公報 特開平8-43575号公報 特開平9-211166号公報 特開平2-136789号公報 特開平4-136793号公報 特開平2-281190号公報 特開平5-341081号公報 特開昭61-61638号公報 特開平5-203779号公報 特開平6-130169号公報 特開平9-138292号公報 特開平6-324178号公報 平成11年度「シビアアクシデント熱流動現象評価」5章、社団法人 日本原子力学会、平成12年3月 Y. Maruyama, M.Tahara, H. Nagasaka, A. A. Kolodeshnikov, V. S. Zhdanov and Y. S. Vassiliev, " Recent Results of MCCI Studies in COTELS Project," NTHAS3:Third Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety, Kyeoungju, Korea, October 13-16, 2002
図8に現在実用化されている原子炉格納容器のタイプと各部の名称を示す。図8において、
(a)はMARK−I型、(b)はMARK−II型、(c)は鉄筋コンクリート製格納容器(RCCV型)と称され、いずれの型式においても、1は炉心、2は原子炉圧力容器、3はペデスタル領域、4は原子炉格納容器、5は圧力抑制室、6圧力抑制室プール水を示す。
非特許文献1、2の知見から、現行の原子炉格納容器4において、万が一、炉心溶融物が原子炉圧力容器下方のペデスタル領域3床面に落下した場合、次のような現象が生じる可能性が考えられる。
ペデスタル領域3に冷却水が存在していない状態で、炉心溶融時に原子炉圧力容器内部構造物が溶けてペデスタル領域3床面に落下した場合に、原子炉圧力容器2、炉心1の構造材であるFe(鉄)やZr(ジルコニウム)を主成分とする炉心溶融物は融点が低いために図9に示すごとく、コンクリートAと炉心溶融物Bとの界面Cにクラストを生成しにくく、後から冷却水Dを注水しても炉心溶融物BとコンクリートAとの界面Cに冷却水Dが進入しにくい。
具体的には、FeとZrの共融混合物の融点はその組成にもよるが図10に示すように、約1100℃〜1700℃である。
また、炉心溶融物中の主要な発熱源はランタノイドやU(ウラン)であり、Uは主に酸化物の形態で存在していると考えられるが、U元素の一部はFeやZrなどの金属相と共融混合物を形成し、金属相の融点を低下させると共に、密度を上昇させ、炉心溶融物下部に発熱溶融金属相を形成する可能性がある。
U元素の融点は1100℃であるが、FeとUの共融混合物になると図11に示すように、最小で750℃まで融点が低下する。
また、Zr単体の融点は1840℃であるが、U元素との共融混合物では、図12に示すように、Uの存在比に応じてU元素の融点である1100℃までほぼ直線的に融点が低下する。
コンクリートは約1200℃でセメント成分が分解して流動状態に移行し始めるが、骨材は玄武岩系や花崗岩系のようにシリカを主成分とした岩石の場合1600〜1800℃までは溶融しない。
しかし、炉心溶融物の融点が骨材の融点以下の場合、コンクリート侵食面の骨材の間に炉心溶融物が進入し、浮力によって骨材がコンクリート面から浮上してしまう。
その結果、コンクリートの分解生成物及び未分解、あるいは未溶融の骨材が炉心溶融物中を浮力によって抜けて炉心溶融物上面に堆積し、ブランケットの役目をすることによって冷却水注水による炉心溶融物上面からの除熱量を低下させる恐れがある。
さらに、図13に示すようにコンクリート分解によって生じたガスEは炉心溶融物B中を抜けて上方へ移行するが、上部にコンクリート分解生成物の層が堆積していた場合、コンクリート分解生成物はシリカを主成分とする粘性の高いガラス質物質であるため、ガスを内包したままドームを形成する可能性がある。
ドームは上面からの冷却水による除熱とドーム内のガスによる空洞Gにおける断熱効果によって冷却が促進され、固化クラストFを形成する可能性がある。
このような場合には、固化クラストFによって炉心溶融物底部への冷却材侵入が妨げられ、またガスを内包したドームによって炉心溶融物の上面からの除熱量が著しく低下し、コンクリート侵食がさらに進行すると考えられる。
こうした事態を避けるために、上述した特許文献1〜22のような対策手段が考えられている。
しかし、実際の原子炉格納容器に当てはめて考えた場合、コアキャッチャー等の設備を設置するためのペデスタル領域の空間は狭く、特に沸騰水型原子炉の場合は原子炉圧力容器下部に通じる計装配管や制御棒駆動機構などが林立しており、このような中で保守作業のためのスペースを確保しなければならない。
特許文献2、3、4、5、7、10、12、21に記載された発明については、ペデスタル領域内での作業性の悪化を招くことになり、実用化は難しい。
これに対し、特許文献8、9、11、18に記載されているように、ペデスタル領域内の床面をより下方に掘り下げて大規模な炉心溶融物冷却設備を設置する方法も提案されている。
このような溶融物冷却設備を導入するためには、原子炉格納容器設計変更に伴う種々の研究開発や、原子炉格納容器及び原子炉建屋の拡大に伴う物量の増大、複雑なペデスタル領域床構造の建設など多額の投資が必要となる。
しかしながら、炉心溶融物がペデスタル領域床面に落下するような事故の確率は非常に低く、多額の投資に見合うだけのメリットがなければ実現性は低いと思われる。
特許文献16に記載された発明は、炉心溶融物落下時に圧力抑制室のプール水をペデスタル領域に注水するための制御弁または溶融弁に関するものである。
炉心溶融物冷却のためには注水を実施することが不可欠であるが、注水を確実に実施したとしても、炉心溶融物が確実に冷却できるとは限らない。
図13に示すように炉心溶融物とコンクリートとが流動状態で接し、上面に空洞を内包した固化クラストが形成されているような状況では、冷却水注水によって炉心溶融物の底部を冷却することが困難である。
炉心溶融物の堆積高さを均一化して炉心溶融物上面からの除熱量を増加する手段が特許文献9に示されている。
しかし、大量の炉心溶融物が落下した場合には、堆積高さを均一にしたとしても、除熱が成功するか否かは炉心溶融物上面の固化クラストの形成と冷却材の浸透性にかかっており、解決手段としては不確実なものである。
炉心溶融物によるペデスタル領域床面のコンクリート侵食を防止する効果的な手段として特許文献13、15、17、19、20、22に記載された発明のように、炉心溶融物を底面から冷却しようとする手段がある。
この内、特許文献19と22に記載された発明は、ペデスタル領域の床面に熱交換器を埋め込むようにしたものである。
放熱部はいずれも原子炉格納容器外に設置されているが、熱交換器が破損しても放射性物質を原子炉格納容器外に放出しないために、放熱部も原子炉格納容器内に設置することが望ましい。
これに対し特許文献15、17、20に記載された発明のように、圧力抑制室のプール水をヒートシンクとしたものがある。
これらはペデスタル領域床下に冷却材流路を設け、サプレッションプールの水を通水するというものである。
これらはいずれも図8に示すRCCV型の原子炉格納容器やあるいは全く別の型の新しい原子炉格納容器を新規に建設する際には実施可能であるが、それ以外の型(MARK−I型、MARK−II型)の原子炉格納容器への適用、あるいは既設プラントへの適用には向かない。
現在稼動している原子炉の数とこれから新設されるであろう原子炉の数を比較してみても、既設の原子炉に適用可能な技術へのニーズは高いと考えられる。
既設の原子炉への適用が可能なものとして、特許文献1、13、14に記載された発明がある。特許文献1に記載された発明は、ペデスタル領域の壁面及び床面に耐熱材を敷設するというものである。
これによって炉心溶融物落下後短期的には原子炉格納容器内コンクリート構造物の侵食を防止することができる。
長期的には注水を行って炉心溶融物を冷却する必要があり、ここで耐熱材の種類及び敷設手段が問題となる。
実施例では、「きわめて高い温度に耐え、且つ熱絶縁性の良好な、例えば酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする耐熱タイル等」と記載されているが、酸化マグネシウムは耐熱衝撃性は悪く、炉心溶融物落下時の急激な温度変化で破損する可能性がある。
また、金属ジルコニウムとの反応性も良く、化学的に侵食される可能性もある。
また、酸化マグネシウムの密度は3580kg/m3であるのに対し、炉心溶融物の密度は少なくとも6000kg/m3はあるため、耐熱タイル間の隙間から下部に炉心溶融物が進入した場合、浮力によって浮上し、炉心溶融物内に取り込まれる可能性もある。
このように、炉心溶融物との相互作用を考えると耐熱性だけでなく、耐熱衝撃性、耐腐食性、密度、熱伝導性なども考慮して敷設材の選定を行う必要がある。
特許文献13に記載された発明は、耐熱性、耐腐食性、熱伝導性及び炉心溶融物との共融混合物形成を考慮した敷設材の材質及び構造に関するものである。
炉心溶融物と供給混合物を形成する物質とを用いて炉心溶融物の融点を下げることで耐腐食性物質の健全性を確保しようとしているが、炉心溶融物の融点が下がったとしても温度自体が低下するわけではないため、耐腐食性物質が健全であるかどうかの保障はない。
特許文献14に記載された発明は、炉心溶融物の流出防止用の堰を設けるというもので、MARK−I型、MARK−II型の原子炉格納容器の型については、炉心溶融物が鋼製の格納容器壁面に直接接触するのを遅らせるという点で効果的である。
しかし、特許文献1に記載された発明と同様に、長期的な炉心溶融物の冷却・保持のためには注水を行うことが必要で、その場合に図13に示すような上面に空洞を内包した固化クラストが形成されているような状況が生じた場合、冷却水注水によって炉心溶融物の底部を冷却することが困難である。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、原子炉格納容器の大幅な設計変更あるいは適用可能な原子炉格納容器の型の限定を必要とせず、ペデスタル領域に特段の設備を追加することもなく、炉心溶融物によるコンクリート構造物の侵食速度を低下させ、注水による炉心溶融物冷却効果を高めることができる原子炉格納容器を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の原子炉格納容器は、炉心を収容する原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器において、前記原子炉圧力容器の下方に配設されたペデスタル領域を形成する壁面及び床面の構造材を、炉心溶融物より高融点で且つ高密度の材料から成る分散質と、この分散質よりも融点および密度が低い分散媒とから構成し、この分散媒と前記分散質は混合されて一体的に成形されて成ることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態の説明において、従来と同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
まず、図1を参照して本発明の第1ないし第3の実施の形態を説明する。図1において、原子炉格納容器4のペデスタル領域3の床及び側壁を構成するコンクリート部分8に用いる粗骨材に、高融点で且つ高密度の材料を使用する。
高融点の材料とは、炉心溶融物の融点よりも高い融点を有する材料を指し、具体的には少なくとも1800℃以上の融点を有する材料であり、さらに、炉心溶融物の金属成分と共融混合物を形成して炉心溶融物の融点を上昇させる物質からなる材料である。
また、高密度の材料とは、炉心溶融物の密度よりも大きい密度を有する材料を指し、具体的には少なくとも比重6.5以上の密度を有する材料である。
このような条件を満足する物質を表1に挙げる。
Figure 2005337733
ここで重要で且つ従来の技術と異なる点は、高融点というだけでなく高密度であるという特性を兼ね備えた物質を使用することである。
こうした高融点・高密度材料から成る多数の塊状の分散質を分散媒であるコンクリートの粗骨材として使用した場合の炉心溶融物によるコンクリート侵食の状況を図2を用いて説明する。
溶融金属を主体とした炉心溶融物BがコンクリートA面に落下した場合、コンクリートA面への伝熱、コンクリートA中の自由水及び結晶水蒸発とセメント成分の分解によって炉心溶融物表面温度は一時的に低下する。
従来であれば崩壊熱によって炉心溶融物温度は再上昇し、コンクリートAとの接触面に溶融層が形成され、前述の図9及び図13に示すような進展をする。
しかし、骨材にW,Taなどの高融点・高密度金属及びその酸化物を使用することによって、骨材成分の高融点金属と炉心溶融物とが接触し、その界面で高融点の共融混合物を形成する。
高融点金属がWである場合には、FeにWが約25mol%混入すれば、その共融混合物の融点は、図3に示すように1800℃を越える。
U-Wでは、Wが約5mol%混入するだけで融点が、図4に示すように1800℃を越える。
また、高融点金属がTaである場合には、FeにTaが約60mol%混入すれば、その共融混合物の融点は、図5に示すように1800℃を越える。
U-Taでは、Taが約15mol%混入すると融点が図6に示すように1800℃を越える。
このように炉心溶融物の融点の上昇と落下直後の炉心溶融物表面温度低下によって、落下直後には炉心溶融物コンクリート界面に固化クラストFが形成されると考えられる。
また、高密度骨材を使用することによって、炉心溶融物Bが溶融状態であっても、密度差によって骨材成分は高密度・高融点粗骨材堆積層Hとして炉心溶融物底部に留まっていることができる。
そのため、骨材はその溶融潜熱分だけ炉心溶融物冷却に寄与し、また、溶融した後も密度が高いために炉心溶融物底部に蓄積しやすく、炉心溶融物底部での崩壊熱寄与核種の濃度希釈と融点上昇に寄与する。
このような効果によって炉心溶融物底部はいずれ固化クラスト化する。
セメント成分は1200℃で流動化し、コンクリート分解ガスと共に排出されるが、炉心溶融物底面に固化クラストFが形成されている場合、炉心溶融物内を通過することができずに、粗骨材堆積層Hの間を通って側壁Jを上昇し、炉心溶融物上面と側壁との界面から噴出する。
この経路は逆に冷却材Dの流入経路となり、ペデスタル領域と圧力抑制室とを隔てるコンクリート隔壁の冷却に寄与する。
また、このように側壁と炉心溶融物上面の界面から排出されたコンクリート分解生成物は粒子状になって粒子状コンクリート分解生成物堆積層Kとして炉心溶融物上面に堆積するために、冷却水Dが炉心溶融物Bの上面に浸透するのを妨げることはない。
よって、ガスを内包したドーム状の固化クラストが炉心溶融物上面に形成するのを防ぎ、炉心溶融物上面からの熱伝達を阻害する要因を排除することができる。
なお、高融点・高密度材料は一般にコストがかかるため、これらの材料からなる粗骨材をペデスタル床面の深さ方向全体に分散させるのは経済的に好ましくない。
このような場合、炉心溶融物底面の固化クラスト化に必要な高融点・高密度粗骨材混入深さを予め計算で求め、それよりも深い部分に関しては通常の砂利を粗骨材として用いてもよい。
次に本発明の第2の実施の形態について図7を参照して説明する。
既設プラントのように、既に原子炉格納容器がペデスタル領域内外で区別なく普通のコンクリート10で建造されている場合、ペデスタル領域3の床面3a及び壁面3bに高融点・高密度粗骨材を含むコンクリート板9を追設する。
このように構成することによって、床面3a,壁面3bをコンクリート板9で覆うことができるので、既設プラントでも実施例1と同等の効果が得られる。
なお、上記実施例ではコンクリート板で示したが、コンクリート板の代りに高融点・高密度粗骨材を含むコンクリートを追加的に流し込んで一体的に形成して良いのはもちろんである。
本発明の第1の実施の形態を示す原子炉格納容器の縦断面図。 本発明の第1の実施の形態を用いた場合の炉心溶融物によるコンクリート侵食挙動を説明する概略説明図。 Fe-W系の状態図。 W-U系の状態図。 Fe-Ta系の状態図。 Ta-U系の状態図。 本発明の第2の実施の形態を示す原子炉格納容器の縦断面図。 (a)から(c)は各々沸騰水型原子炉の原子炉格納容器のMARK−I型、MARK−II型、RCCV型を示す縦断面図。 従来例において炉心溶融物が溶融状態でコンクリートを侵食していく状況を説明する概略説明図。 Fe-Zr系の状態図。 Fe-U系の状態図。 U-Zr系の状態図。 従来例において炉心溶融物が溶融状態でコンクリートを侵食していく状況を説明する概略説明図。
符号の説明
1…炉心、2…原子炉圧力容器、3…ペデスタル領域、4…原子炉格納容器、5…圧力抑制室、6…圧力抑制室プール水、7…普通コンクリート、8…高融点・高密度粗骨材使用コンクリート。

Claims (4)

  1. 炉心を収容する原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器において、前記原子炉圧力容器の下方に配設されたペデスタル領域を形成する壁面及び床面の構造材を、炉心溶融物より高融点で且つ高密度の材料から成る分散質と、この分散質よりも融点および密度が低い分散媒とから構成し、この分散媒と前記分散質は混合されて一体的に成形されて成ることを特徴とする原子炉格納容器。
  2. 前記分散媒がセメントであることを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器
  3. 前記ペデスタル領域を形成する壁面及び床面をコンクリートで形成し、このコンクリートは炉心溶融物より高融点で且つ高密度の材料から成る粗骨材を有することを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器。
  4. 前記ペデスタル領域の壁面及び床面を形成するコンクリート表面に、高融点で且つ高密度の材料から成る粗骨材を有するコンクリートが敷設されていることを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器。

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