以下、本発明に係る付帯構造物を組み合わせた付帯組立体を備えるユニット建物の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜4において、本実施形態のユニット建物Uは、6個の略同一形状の直方体状の建物ユニット1,1…を上下左右に組み合わせて構成され、これらの建物ユニットの立面に、4個の付帯構造物である付帯ユニット20,30,40,50を組み合わせた付帯構造体10が連結されている。建物ユニット1,1…は基本的には同一構成で、略同じ平面形状の直方体であるが、1階の建物ユニット1Aと、2階の建物ユニット1Bとは階高が異なっており、1階の建物ユニットの高さが2階の建物ユニットの高さより大きく設定されている。また、一部の1階の建物ユニットの柱は太い角柱を使用している。
建物ユニット1(1A,1B)は、図3に示されるように、鋼製の構造材を溶接で直方体状に接合して形成したボックスラーメン構造のものであり、角柱からなる4本の柱材2,2…と、この柱材の下端部を水平方向に連結する長辺方向(X方向)の下梁(床梁)3,3と、短辺方向(Y方向)の下梁(床梁)4,4と、4本の柱材2,2…の上端部を水平方向に連結する長辺方向の上梁(天井梁)5,5と、短辺方向の上梁(天井梁)6,6とから直方体状に形成される。そして、建物ユニット1には、床根太7,7…が下梁3,3間に所定間隔で架設され、天井根太8,8…が上梁5,5間に所定間隔で架設されている。各柱材と各梁材とはコーナー部に補強プレート9,9…を介在させて溶接され、建物ユニット1の剛性を高めている。
付帯組立体10を構成する4つの付帯ユニット20,30,40,50は、建物ユニット1より小型の直方体状をしており、建物ユニット1の短辺方向の1つの立面に連結されるように構成されている。すなわち、建物ユニット1の短辺方向に平行な立面と付帯ユニットの1つの立面とが同じ形状となっている。付帯ユニットは基本的には連結される建物ユニットを延長して、その内部空間を拡大するものである。本実施形態の付帯ユニットは、建物ユニットの長辺方向に沿って連結され、長辺方向に内部空間を拡大するものである。付帯組立体10は、4つの建物ユニット1の上下に連続する1つの立面に付帯して連結されるものである。
ここで、4つの付帯ユニットの概略構成について、付帯ユニットを構成する部材を直線で示した模式図である図2を参照して説明する。図2において、(a)は2階の左上の付帯ユニットを示し、(b)は2階の右上の付帯ユニットを示し、(c)は1階の左下の付帯ユニットを示し、(d)は1階の右下の付帯ユニットを示している。4つの付帯ユニットを正面(X方向)から見て、右下の付帯ユニット20は、図2(d)に示されるように、4本の互いに平行な柱21a,21b、中柱21c,21dと、4本の柱材の下端を水平方向に連結する4本の下梁22a,22b,22c,22dと、4本の柱材の上端を水平方向に連結する4本の上梁23a,23b,23c,23dとから直方体状に形成される。
そして、左下の付帯ユニット30は右下の付帯ユニット20を左右反転した構成であり、右上の付帯ユニット40、左上の付帯ユニット50は、基本的にはそれぞれ右下の付帯ユニット20、左下の付帯ユニット30と同一構成であり、4つの付帯ユニット20,30,40,50を上下左右に組み合わされて、すなわち、付帯ユニット20,30を並置すると共に、その上に付帯ユニット40,50を載置して付帯組立体10が構成される。そして、本発明では、組み合わされた付帯組立体10の内部の中心部に位置する構造材が取り外されて付帯組立体が完成される。
右下の付帯ユニット20は、図2(d)に示されるように、4本の柱、すなわち、2本の角柱21a,21bと2本の中柱21c,21d、4本の下梁22a〜22d、4本の上梁23a〜23dの12本の構造材で6面体に構成されると共に、床面には複数の床小梁24,24…が等間隔で固定されている。また、外壁を構成する右側面には外壁材を固定するためのコーナースタッド25,25…が固定されている。さらに、左側面には補強ブレース26が傾斜して固定されており、上面には中間梁27と補強ブレース28が固定されている。この付帯ユニット20は、12本の構造材で直方体に構成されるが、付帯組立体10に組立てられた後に、破線で示される中心部に位置する中柱21dと上梁23bと補強ブレース26が取り外される。
左下の付帯ユニット30は、図2(c)に示されるように、基本的には右下の付帯ユニット20を左右反転した構成であり、同様に4本の互いに平行な角柱31a,31b、及び中柱31c,31dと、4本の下梁32a,32b,32c,32dと、4本の上梁33a,33b,33c,33dとから直方体状に形成され、床面には床小梁34,34…が固定され、左側面にはコーナースタッド35,35が固定され、右側面には補強ブレース36が固定され、上面には中間梁37と補強ブレース38が固定されている。この付帯ユニット30は、付帯組立体10として組立てられた後には、破線で示される中心部に位置する中柱31dと上梁33bと補強ブレース36が取り外される。
右上の付帯ユニット40は、図2(b)に示されるように、4本の互いに平行な角柱41a,41b、及び中柱41c,41d、4本の下梁42a,42b,42c,42d、4本の上梁43a,43b,43c,43dの12本の構造材で直方体状に形成されている。この付帯ユニット40は、床面の一部に階上の踊り場として機能するように床小梁44,44…が固定された形状をしている。そして、右側面にはコーナースタッド45,45が固定され、左側面には補強ブレース46が固定され、上面には補強ブレース48が固定されている。この付帯ユニット40は、付帯組立体10として組立てられた後に、破線で示される中心部に位置する中柱41dと下梁42bと補強ブレース46が取り外される。
左上の付帯ユニット50は、図2(a)に示されるように、右上の付帯ユニット40を左右反転すると共に、床面に床小梁が固定されず、床面が空間となっている。すなわち、付帯ユニット50は、4本の互いに平行な角柱51a,51b、及び中柱51c,51dと、4本の下梁52a,52b,52c,52dと、4本の上梁53a,53b,53c,53dの12本の構造材で直方体状に形成されている。外壁材が固定される左側面にはコーナースタッド55,55が固定され、隣の付帯ユニット40と面する右側面には補強ブレース56が固定されている。そして、上面には補強ブレース58が固定されている。この付帯ユニット50も、付帯組立体10として組立てられた後に、破線で示される中心部に位置する中柱51dと下梁52bと補強ブレース56が取り外される。
ここで、付帯ユニットの詳細について、一例として付帯ユニット20を、図4の構造材の概略構成を示す斜視図、及び図5の各構造材のみを分解した状態を示す斜視図を参照して詳細に説明する。付帯ユニット20は前記のように2本の角柱21a,21bと2本の中柱21c,21dで構成される4本の柱材と、4本の下梁22a〜22dと、4本の上梁23a〜23dの計12本の構造材で直方体状に形成される。前記の4本の柱材、4本の上梁、4本の下梁は、全てC形鋼から形成される。コーナーに位置する2本の角柱21a,21bは付帯ユニットの全高に相当する長さを有しており、その上下の端部に短い下梁22aと短い上梁23aが溶接WでX方向に固着されている。すなわち、2本の角柱21a,21bと、この角柱の上下を連結する上梁22a及び下梁23aで剛接合面P1(図5参照)が形成される。
他の2本の柱である中柱21c,21dは、2本の角柱21a,21bより短尺に形成され、具体的には付帯ユニットの全高より上梁23c,23dと下梁22c,22dの高さの分を差し引いた長さに形成されている。剛接合面P1を形成する2本の角柱21a,21bの下部に、Y方向に下梁22c,22dがボルトナット等のピン接合で連結される。そして、連結された下梁の他端間に、X方向の短い下梁22bを配置して同様にピン接合で連結し、底面が形成される。連結された下梁22c,22dの他端の上部に中柱21c,21dがボルトナット等のピン接合で連結される。このあと、中柱の上部にY方向の長い上梁23c,23dを配置し、ボルトナットで連結し、これらの上梁の他端側を角柱21a,21bの上部にボルトナットで連結する。さらに、上梁23c,23dの端部間に短い上梁23bを配置してボルトナットで連結する。
この上梁23bは、後述するように、付帯組立体10が組立てられたときに取り外されるものであり、この上梁を取り外す前に隣接する水平構造材である付帯ユニット20,30の上梁23d,33d、及び付帯ユニット40,50の下梁42d、52dを補強する水平補強材(詳細は後述する補強材15,16)を取り付けるために、その上下高さが小さく設定されており、他の上梁23c,23dの上面より下がっている。
これにより基本となる直方体が構成され、下梁22c,22d間に床小梁24,24…が所定の間隔で連結され、角柱21a,21bに隣接して、アングル材より構成されるコーナースタッド25が固定され、2本の中柱21c,21dと上梁23b、下梁22bで構成される立面を補強する補強ブレース26が固定される。さらに、上面には中間梁27が固定され、水平の補強ブレース28が固定されて付帯ユニット20が完成する。このように付帯ユニット20は1つの立面が剛接合面P1で形成され、この剛接合面P1に3本の下梁22b,22c,22dと2本の中柱21c,21dと3本の上梁23b,23c,23dが連結されて構成される。
ここで、各構造材の連結構造について、図5〜8を参照して説明する。図6は図5のIX部の連結構造を示す分解状態の斜視図、図7は図5のX部の連結構造を示す分解状態の斜視図、図8は図5のXI部の連結構造を示す分解状態の斜視図である。図6に示されるように、中柱21dの上端と短い上梁23bと長い上梁23dとの連結部IXは、Y方向の長い上梁23dの端部にはアングル材から形成されたジョイントプレートJP1が溶接等で固着され、このジョイントプレートJP1にはX方向に連結するためのボルトを通す貫通孔が形成されている。
また、X方向の短い上梁23bの端部にはエンドプレートEP1が固着され、このエンドプレートには連結用のボルトを通す貫通孔が形成されている。前記したように、上梁23bの高さは、上梁23dの高さより小さく設定され、上梁23bの上方のリブは、上梁23dの上方のリブより低くなるように連結される構成となっている。中柱21dには上端にエンドプレートEP2が固着され、このエンドプレートにも連結用のボルトを通す貫通孔が形成されている。このエンドプレートEP2は上梁23dの下方のリブに対接するものであり、下方のリブには連結用のボルトを通す貫通孔が形成されている。
上梁23dに固着されたジョイントプレートJP1に、上梁23bに固着されたエンドプレートEP1を対接させ、ボルトを貫通孔に挿入してナットを締めボルトナットで連結する。また、中柱21dの上端に固着したエンドプレートEP2を上梁23dの下方のリブに対接させ、ボルトを貫通孔に挿入してナットを締めボルトナットで連結する。これにより、中柱21dと上梁23dと上梁23bを連結する。なお、反対側の上梁23cに中柱21cと、上梁23bを連結する構成は、実質的に前記の構成を反対にしたものであり、詳細な説明は省略する。
つぎに、図7を参照して、中柱21dの下端と短い下梁22bと長い下梁22dとの連結部Xについて説明する。図7に示されるように、Y方向の長い下梁22dの端部にはアングル材から形成されたジョイントプレートJP2が固着され、このジョイントプレートにはX方向に連結するためのボルトを通す貫通孔が形成されている。このジョイントプレートJP2は上下にボルトを通す貫通孔を有する幅広部が形成され、中央は幅の狭い連結部となっており、幅の狭い連結部の横の開口を通して、柱や梁を連結するためのボルトやナットをC形鋼の内部に挿入することができる構成となっている。
また、X方向の短い下梁22bの端部にはエンドプレートEP3が固着され、このエンドプレートには連結用のボルトを通す貫通孔が形成されている。エンドプレートEP3はジョイントプレートJP2と同様に、上下にボルトを通す貫通孔を有する幅広部が形成され、中央は幅の狭い連結部となっている。中柱21dには下端にエンドプレートEP4が固着され、このエンドプレートにも連結用のボルトを通す貫通孔が形成されている。このエンドプレートEP4は下梁22dの上方のリブに対接するものであり、上方のリブには連結用のボルトを通す貫通孔が形成されている。
下梁22dに固着されたジョイントプレートJP2に、下梁22bに固着されたエンドプレートEP3を対接させ、ボルトを貫通孔に挿入してナットを締めボルトナットで連結する。また、中柱21dの下端に固着したエンドプレートEP4を下梁22dの上方のリブに対接させ、ボルトを貫通孔に挿入してナットを締めボルトナットで連結する。これにより、中柱21dの下端と下梁22dと下梁22bを連結する。なお、反対側の下梁22cに中柱21cと、下梁22bを連結する構成は、実質的に前記の構成を反対にしたものであり、詳細な説明は省略する。
さらに、図8を参照して、角柱21aと下梁22cとの連結部XIについて説明する。図8において、角柱21aの下端にはC形鋼の内部に嵌合するエンドプレートEP5が固着されており、このエンドプレートの上部に同様にC形鋼の内部に嵌合する補強プレートHP1が固着されている。エンドプレートEP5と補強プレートHP1との間隔は、この角柱に連結される下梁22cの高さに相当するように構成されている。角柱の開口の一部を塞ぐように、エンドプレートEP5と補強プレートHP1との間にジョイントプレートJP3が固着されている。なお、角柱21aと短い下梁22aとは溶接で固着され、前記のように剛接合面P1を形成している。
このジョイントプレートJP3は、前記のように上下にボルトを通す貫通孔を有する幅広部が形成され、中央は幅の狭い連結部となっており、幅の狭い連結部の横の開口を通して、柱や梁を連結するためのボルトやナットをC形鋼の内部に挿入することができる構成となっている。この角柱21aに連結される下梁22cには、その端部にエンドプレートEP6が固着される。このエンドプレートはジョイントプレートJP3と同じ幅広部と幅の狭い連結部とを有する形状に形成されている。
そして、角柱21aの下端に固着されたジョイントプレートJP3に、下梁22cの端部のエンドプレートEP6を対接させ、貫通孔にボルトを通し、ジョイントプレートJP3、エンドプレートEP6の幅の狭い連結部からC形鋼の内部にナットを挿入し、ボルトにナットをねじ込むことで、角柱21aの下端に下梁22cを連結できる構成となっている。なお、図示していないが、反対側の角柱21bの下端に下梁22dの他端部を連結する構成、角柱21a,21bの上部に上梁23c、23dを連結する構成も、前記と実質的に同じ構成であるため、説明を省略する。
他の3つの付帯ユニット30,40,50も基本的には、前記した付帯ユニット20と同様の構成であり、図示していないが、2本の角柱と上梁及び下梁により剛接合面が形成され、この剛接合面に3本の下梁と2本の中柱と3本の上梁がボルトナットで連結されて構成される。そして、これらの付帯ユニット30,40,50は、その機能に合せて床梁やブレース材等が連結される。
このように構成された付帯ユニット20,30,40,50は、4本の柱材がC形鋼から形成されると共に、他の梁材も軽量のものを用いることができるため、角柱を用いた場合と比して軽量化とコストダウンを達成できる。また、付帯ユニットは建物ユニットに付随して連結されるため、付帯ユニット自体の強度は連結される建物ユニットに依存しており、強度は安定したものとなる。さらに、柱材としてC形鋼を用いているため、角柱の場合と比較してボルトナットによる連結が容易に行なえる。
ここで、図9〜16を参照して、4つの付帯ユニット20,30,40,50が組み合わされた付帯組立体10の連結部分と、この付帯組立体と建物ユニット1A,1A,1B,1Bとの連結部分について詳細に説明する。先ず、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面(X方向)から見たとき、4つの付帯ユニットの手前側の中心部I部(図1参照)について説明する。
図9は、図1のI部の詳細を示す図であり、下階の右側の付帯ユニット20と、下階の左側の付帯ユニット30と、上階の右側の付帯ユニット40と、上階の左側の付帯ユニット50とが組み合わされている付帯組立体10の中心部を示している。図9(a)は図1のI部のs1−s1線に沿う断面図であり、(b)は(a)のd1−d1線に沿う断面図であり、(c)は(a)のd2−d2線に沿う断面図である。
下階の右側(図9aにおいては左側)の付帯ユニット20の上梁23cはC形鋼から形成され、その端部にはアングル材から形成されたジョイントプレートJP4が固着されている。上梁23cと水平方向に直交する、短く高さの小さい上梁23bはC形鋼で形成され、端部にはエンドプレートEP7が固着され、このエンドプレートと上梁23cのジョイントプレートJP4が接触し、2本のボルトナットBN1で連結されている。付帯ユニット20の中柱21cは同様にC形鋼から形成され、上端にエンドプレートEP8が固着されている。そして、上梁23cと柱材21cとはエンドプレートEP7が上梁23cの下方のリブに接触して2本のボルトナットBN2で連結されている。
また、下階の左側(図9aにおいては右側)の付帯ユニット30は、前記の付帯ユニット20を左右反転した形状であり、C形鋼から形成される上梁33cと、C形鋼から形成される中柱31cと、C形鋼から形成される上梁33bは付帯ユニット20と同等の構成により連結されている。すなわち、図示しないが、上梁33cの端部にはアングル材から形成されたジョイントプレートが固着され、上梁33cと水平方向に直交する、短く高さの小さい上梁33bの端部にはエンドプレートが固着され、このエンドプレートと上梁33cのジョイントプレートが接触し、2本のボルトナットで連結されている。また、中柱31cの上端にエンドプレートが固着されている。そして、上梁33cと中柱31cとはエンドプレートが上梁33cのリブに接触して2本のボルトナットで連結されている。
上階の右側(図9aにおいては左側)の付帯ユニット40の下梁42cはC形鋼から形成され、その端部にはアングル材から形成されたジョイントプレートJP5が固着されている。下梁42cと水平方向に直交する、短く高さの小さい下梁42bはC形鋼で形成され、端部にはエンドプレートEP9が固着され、このエンドプレートと下梁42cのジョイントプレートJP5が接触し、ボルトナットBN3で連結されている。
付帯ユニット40の中柱41cは同様にC形鋼から形成され、下端にエンドプレートEP10が固着されている。そして、下梁42cと中柱41cとはエンドプレートEP10が下梁42cの上方のリブに接触してボルトナットBN4で連結されている。下梁42bの高さは連結される下梁42cより小さく設定され、それぞれの上方のリブが同じ高さとなるように連結されるため、下梁42bの下方に空間が形成される。この空間と前記した付帯ユニット20の上梁23b上方の空間に後述する補強部材が配置される。
また、上階の左側(図9aにおいては右側)の付帯ユニット50は、前記の付帯ユニット40を左右反転した形状であり、C形鋼から形成される下梁52cと、C形鋼から形成される中柱51cと、C形鋼から形成される下梁52bは付帯ユニット40と同等の構成により連結されている。すなわち、図示しないが、下梁52cの端部にはアングル材から形成されたジョイントプレートが固着され、下梁52cと水平方向に直交する、短く高さの小さい下梁52bの端部にはエンドプレートが固着され、このエンドプレートと下梁52cのジョイントプレートが接触し、2本のボルトナットで連結されている。この下梁52cも同様に高さの小さい梁材が用いられている。また、中柱51cの下端にエンドプレートが固着されている。そして、下梁52cと中柱51cとはエンドプレートが下梁52cの上方のリブに接触して2本のボルトナットで連結されている。
4個の付帯ユニット20,30,40,50には、図2に示されるように、その対向する立面に補強部材として補強ブレース26,36,46,56が固定されている。これらのブレース材は全て同じ構成で固定されているため、その1つとして補強ブレース46について、図9(c)を参照して説明する。補強ブレース46の下端にはアングル材からなる支持部46aが溶接で固着され、この支持部が下梁42bの上方のリブに対接してボルトナットで固定されている。図9(c)では、ブレース材の下端のみを示しているが、上端についても同じように、アングル材からなる支持部を介してボルトナットで固定される構成である。このため、ボルトナットを外すことにより補強ブレース46を除去することができる構成となっている。
このように、4個の付帯ユニット20,30,40,50を組立てて構成した付帯組立体10の中心の連結部分I部は、C形鋼とジョイントプレート、及びエンドプレートを介してボルトナットにより接合されている。このため、付帯組立体10として付帯ユニット20,30,40,50を組立てたあとに、必要に応じて柱や梁等の構造材を取り外すことが可能な構成となっている。また、補強ブレース26,36,46,56もボルトナットを外すことで容易に取り外すことができる。
組立て後に、中心部に位置する水平構造材である上梁23b,33b、下梁42b,52b、及び補強ブレース26,36,46,56を取り外すため、この部分を補強するべく、補強部材がY方向に沿って固定されている。すなわち、上梁23c,33cと、下梁42c,52cとの間に断面形状がU字状の補強材15と断面が逆U字状の補強材16がその平坦部を接するように介在され、4本のボルトナットBN5で固定されている。この補強材15,16は隣接する付帯ユニット20,30のY方向の上梁23c,33cと、付帯ユニット40,50のY方向の下梁42c,52cを一直線上に揃える機能も有しており、U字状断面の一方のリブが上梁と下梁に接するように固定されている。
つぎに、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面から見たとき、4つの付帯ユニットの中心部I部の右側の右中心部II部(図1参照)について、図10を用いて説明する。図10(a)は図1のII部のs2−s2線に沿う断面図であり、(b)は(a)のd3−d3線に沿う断面図であり、(c)は(a)のd4−d4線に沿う断面図である。
下階の右下の付帯ユニット20はC形鋼から構成される角柱21aの上端にエンドプレートEP11が固着されると共に、上端から梁33a,33cの高さに相当する距離を離して補強プレートHP2が固着されている。そして、C形鋼の開口の一部を塞ぐようにジョイントプレートJP6が固着されている。このジョイントプレートの固着は、基本的には他の個所も同じ構成であり、具体的には、図8の斜視図に示されるように、角柱の上端又は下端にエンドプレートが固着され、これと間隔を有して補強プレートが固着され、両プレートに跨るようにジョイントプレートが固着され、ジョイントプレートの幅の狭い連結部横のスペースを利用してC形鋼の内部にボルトやナットを挿入できる構成となっている。
角柱21aの上部に連結される上梁23cは、C形鋼から構成され、角柱21aと面する端面にはエンドプレートEP12が固着されている。このエンドプレートEP12は、角柱の上部に固着されたジョイントプレートJP6と同じ形状で、同じ位置に貫通孔が形成されている。そして、ジョイントプレートJP6にエンドプレートEP12を接触させて角柱21aの上部に上梁23をボルトナットBN6で連結している。角柱21aの上梁23cが連結された面と直交する面には上梁23aが溶接で接合され、前記の剛接合面を形成している。角柱21aの側面には水平の補強ブレース28を支持するための金具28aが固着されており、この金具に対応して角柱41aの内部に補強板28bが固着されている。
下階の付帯ユニット20の上部には上階の付帯ユニット40が連結固定されている。すなわち、付帯ユニット40の角柱41aの下端にはエンドプレートEP13が固着され、このエンドプレートと下梁42a,42cの高さに相当する距離を離して補強プレートHP3が固着されており、上階の付帯ユニット40の角柱41a下端のエンドプレートEP13と下階の付帯ユニット20の角柱21a上端のエンドプレートEP11とが接触した状態でボルトナットBN7により、角柱同士が連結されている。
付帯ユニット40のエンドプレートEP13と補強プレートHP3との間には前記したジョイントプレートJP6と同様な形状で上下方向の長さの短いジョイントプレートJP7が固着されている。そして、このジョイントプレート側の下梁42cはC形鋼で構成され、その端部には同形状のエンドプレートEP14が固着され、ジョイントプレートJP7にエンドプレートEP14を接触させてボルトナットBN8で角柱41aの下端と下梁42cとを連結している。角柱41aの下梁42cが連結された面と直交する面には下梁42aが溶接で接合されている。このように、ボルトナットで連結された構造材は付帯組立体10を組立てた後で取り外すことができる構成となっている。
さらに、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面から見たとき、4つの付帯ユニットの中心部I部の奥の中心奥部III部(図1参照)について、図11を用いて説明する。図11(a)は図1のI部のs3−s3線に沿う断面図であり、(b)は(a)のd5−d5線に沿う断面図であり、(c)は(a)のd6−d6線に沿う断面図である。
付帯ユニット20,30,40,50は、それぞれ1階の建物ユニット1A,1Aと、2階の建物ユニット1B,1Bに連結されている。1階の右下の付帯ユニット20は、C形鋼から形成される上梁23dの端部にアングル材から形成されたジョイントプレートJP8が固着されている。C形鋼から形成される短辺方向の上梁23bの端部にエンドプレートEP15が固着され、このエンドプレートがジョイントプレートJP8と接触してボルトナットBN9で連結されている。また、C形鋼から形成される中柱21dの上端にはエンドプレートEP16が固着され、上梁23dの下方のリブに接触してボルトナットBN10で連結されている。
2階の右上の付帯ユニット40は、C形鋼から形成される下梁42dの端部にアングル材から形成されたジョイントプレートJP9が固着されている。C形鋼から形成される短辺方向の下梁42bの端部にエンドプレートEP17が固着され、このエンドプレートがジョイントプレートJP9と接触してボルトナットBN11で連結されている。また、C形鋼から形成される中柱41dの下端には、詳細には図示していないがエンドプレートが固着され、下梁42dの上方のリブに接触してボルトナットで連結されている。
1階の左下の付帯ユニット30は、右下の付帯ユニット20を左右反転した同様の構成で長辺方向の上梁33d、短辺方向の上梁33b、及び中柱31dが連結されており、また、2階の左上の付帯ユニット50は、右上の付帯ユニット40を左右反転した同様の構成で長辺方向の下梁52d、短辺方向の下梁52b、及び中柱51dが連結されている。この構成も前記の付帯ユニット20,30の連結部の構成と同等のため、詳細な説明は省略する。
このように4つの付帯ユニット20,30,40,50で構成された付帯組立体10は、建物ユニット1A,1A,1B,1Bに連結される。すなわち、1階に並置された付帯ユニット20,30の長辺方向の上梁23d、33dと、1階の建物ユニット1A,1Aの柱材2,2とがスペーサSP1を挟んで接しており、ボルトナットBN12で連結されている。このボルトナットによる連結は、柱材2,2の上部に3つの貫通孔が形成され、上下の2つの貫通孔の内部にナットが溶接され、中間の貫通孔には付帯ユニット20,30側から突出するガイドピンGPが挿入される構成となっている。
そして、付帯ユニット20,30から突出するガイドピンGPで付帯ユニット20,30と建物ユニット1A,1Aが位置決めされ、柱材2内に固着されたナットにボルトをねじ込んでボルトナットBN12で連結するものである。2階の付帯ユニット40,50と2階の建物ユニット1B,1Bとの連結も、スペーサSP2を挟んでガイドピンGPで位置決めし、ボルトナットBN13で連結する同様の構成で連結される。
また、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面から見たとき、4つの付帯ユニットの右中心部II部の右側の奥の右奥中心部IV部(図1参照)について、図12を用いて説明する。図12(a)は図1のI部のs4−s4線に沿う断面図であり、(b)は(a)のd7−d7線に沿う断面図であり、(c)は(a)のd8−d8線に沿う断面図である。
下階の付帯ユニット20は角柱21bと上梁23dと上梁23aとが連結されており、上階の付帯ユニット40は角柱41bと下梁42dと下梁42aとが連結されている。付帯ユニット20の角柱21bはC形鋼から形成され、上端にエンドプレートEP18が固着されると共に、上端から梁23a,23dの高さに相当する距離を離して補強プレートHP4が固着されている。そして、エンドプレートEP18と補強プレートHP4に対応して、角柱21bの一方のリブに短い上梁23aが溶接で固着されている。
角柱21bの上部には、C形鋼の開口の一部を塞ぐようにジョイントプレートJP10が固着されている。このジョイントプレートJP10も前記のものと同様な形状で上下の幅広部にボルトを通す貫通孔が形成され、中央部は幅狭部で裏側にボルトやナットを挿入することができる構成である。長い上梁23dもC形鋼で形成され、長手方向の端部にはジョイントプレートJP10と同じ形状のエンドプレートEP19が固着され、両プレートを対接させてボルトナットBN14で連結する構成となっている。
2階の付帯ユニット40の角柱41bはC形鋼から形成され、下端にエンドプレートEP20が固着され、下端から下梁42a,42dの高さに相当する距離を離して補強プレートHP5が固着されている。そして、エンドプレートEP20と補強プレートHP5に対応して、角柱41bの一方のリブに短い下梁42aが溶接で固着されている。そして、上階の付帯ユニット40の角柱41b下端のエンドプレートEP20の中心に貫通孔が形成され、下階の付帯ユニット20の角柱21b上端のエンドプレートEP18の中心にも貫通孔が形成されている。これらの貫通孔は付帯組立体10を組立てたときに互いに連通するように形成されており、両エンドプレートとが接触した状態で両孔を貫通するボルトナットBN15で連結できるように構成されている。
角柱41bの下部には、C形鋼の開口の一部を塞ぐようにジョイントプレートJP11が固着されている。このジョイントプレートJP11も前記のものと同様な形状で上下の幅広部にボルトを通す貫通孔が形成され、中央部は幅狭部で裏側にボルトやナットを挿入することができる構成である。長い下梁42dもC形鋼で形成され、長手方向の端部にはジョイントプレートJP11と同じ形状のエンドプレートEP21が固着され、両プレートを対接させてボルトナットBN16で連結する構成となっている。
付帯ユニット20,40と建物ユニット1A,1Bとの連結については、基本的には前記したように、建物ユニットの柱と付帯ユニットの柱との間にスペーサSPを挟んでガイドピンGPで位置決めし、ボルトナットBNで連結固定する構成となっている。すなわち、1階の建物ユニット1Aの柱2と付帯ユニット20の角柱21bとの間にスペーサSP3を挟んでガイドピンGPで位置決めし、ボルトナットBN17で連結固定する。また、2階の建物ユニット1Bの柱と付帯ユニット40の角柱41bとの間にスペーサSP4を挟んでガイドピンGPで位置決めし、ボルトナットBN18で連結固定する。
さらに、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面から見たとき、下階の2つの付帯ユニット20,30と、基礎Kとの連結部V部(図1参照)について、図13を用いて説明する。図13(a)は図1のV部のs5−s5線に沿う断面図であり、(b)は(a)の平面図である。
付帯ユニット20の角柱21aと短い下梁22aとは溶接等で接合され、角柱21aと長い下梁22cとはジョイントプレートJP12とエンドプレートEP22とを接触させてボルトナットBN19で連結されている。また、長い下梁22cの端部上部に中柱21cがボルトナットで連結されており、下梁22cの端部開口に固着されたジョイントプレートJP13と、短い下梁22bの端部に固着されたエンドプレートEP23とを接触させてボルトナットBN20で連結している。
そして、基礎Kに埋め込み固定されたコーナーアンカーボルトABは角柱21aの下端のエンドプレートを貫通し、スペーサ(座金)を挟んでアンカーナットで固定されている。また、基礎Kの中程に埋め込み固定された中間アンカーボルトAB1は基礎Kと下梁との間にアンカースペーサASを挟んで下梁を貫通し、座金のスペーサを挟んでアンカーナットで固定されている。図13の右下(図9では左側)の付帯ユニット20と基礎Kとの固定は前記のような構成であるが、左下の付帯ユニット30と基礎Kとの固定は、右下の付帯ユニット20と左右対称の構成であるため、詳細な説明は省略する。
また、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面から見たとき、下階の2つの付帯ユニット20,30の奥中心部VI部(図1参照)について、図14を用いて説明する。図14(a)は図1のVI部のs6−s6線に沿う断面図であり、(b)は(a)のd9−d9線に沿う断面図であり、(c)は(a)のd10−d10線に沿う断面図である。下梁22dの中央側の端部にはジョイントプレートJP14が固着され、短い下梁22bの端部にジョイントプレートと同じ形のエンドプレートEP24が固着され、ジョイントプレートJP14とエンドプレートEP24を接触させてボルトナットBN21で連結している。
また、付帯ユニット20は長い下梁22dの中央側の端部の上部に、中柱21dの下端に固着されたエンドプレートEP25がボルトナットBN22で連結されている。この下梁22b,22dと中柱21dとの連結部は基礎K上に載置され、アンカー固定はされていない。この下梁22dと建物ユニット1Aの柱2との連結固定は、前記と同様に、スペーサSP5を挟んで、ガイドピンGPでガイドし、ボルトナットBN23で固定している。このボルトナットのねじ締めはジョイントプレートJP14とエンドプレートEP24の中間の幅狭部分を通して行なうことができる。隣接する付帯ユニット30については、付帯ユニット20を左右反転した構成であるので、詳細な説明は省略する。
さらに、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面から見たとき、上階の2つの付帯ユニット40,50の中心部I部の上方の上中心部VII部(図1参照)について、図15を用いて説明する。図15(a)は図1のVII部のs7−s7線に沿う断面図であり、(b)は(a)のd11−d11線に沿う断面図であり、(c)は(a)のd12−d12線に沿う断面図である。
付帯ユニット40の長い上梁43dの中央側の端部にはアングル材からなるジョイントプレートJP15が固着されている。また、短い上梁43bの端部にはジョイントプレートJP15と同じ形状のエンドプレートEP26が固着され、これらの両プレートを接触させてボルトナットBN24で上梁43bと上梁43dとを連結している。上梁43dの下方リブには中柱41dの上端のエンドプレートEP27が接触しボルトナットBN25で連結されている。
隣の付帯ユニット50についても付帯ユニット40を左右反転した構成で、上梁53b、53d及び中柱51dが連結されている。そして、付帯ユニット40の上梁43dと付帯ユニット50の上梁53dの上方のリブには、下面に水平の補強ブレース48,58を固定するための支持部が固定され、この支持部に水平の補強ブレース48,58がボルトナットで連結固定される。
中柱41d,51dの上端部と連結された上梁43d、53dと、2階の建物ユニット1B,1Bとの連結固定は、前記した建物ユニットの柱と上梁の連結構造と同じ構成であり、上梁43d,53dと柱材2との間にスペーサSP6を挟んでガイドピンGPで位置決めしてボルトナットBN26で固定する構成となっている。
また、4つの付帯ユニット20,30,40,50を正面から見たとき、上階の2つの付帯ユニット40,50の上中心部VII部の奥の奥中心部VIII部(図1参照)について、図16を用いて説明する。図16(a)は図1のVIII部のs8−s8線に沿う断面図であり、(b)は(a)のd13−d13線に沿う断面図であり、(c)は(a)のd14−d14線に沿う断面図である。付帯ユニット40の長い上梁43cの中央側の端部にはジョイントプレートJP16が固着され、短い上梁43bの端部にはジョイントプレートJP16と同じ形状のエンドプレートEP28が固着され、これらのプレートを接触させてボルトナットBN27で上梁43bと上梁43cとを連結している。
上梁43cの下方のリブには中柱41cの上端のエンドプレートEP29が接触し、ボルトナットBN28で連結されている。また、隣の付帯ユニット50についても付帯ユニット40を左右反転した構成で、上梁53b、53cがジョイントプレートJP17、エンドプレートEP30、ボルトナットBN29で連結され、上梁53cに中柱51cのエンドプレートEP31が接触してボルトナットBN30で連結されている。
上梁43c,53cの上方リブの上面には、これらの梁材を相互に連結するための連結板17が4本のボルトナットBN31で締結されている。連結板17は、4つの付帯ユニットを組立てて付帯組立体10としたあと、内部空間を連通させるために取り外される短い上梁43b,53bを補強する補強板の機能を有している。すなわち、上梁43b,53bを取り外すと、これらの梁材の中央側の端部は水平方向に振れやすくなるが、連結板17を締結することで梁材43c,53cは一体化され、端部の振れを防止することができる。この連結板17は平板状に形成されているが、アングル材等を用いることで、上梁43c,53cの上面と側面に接触させ一体化することも可能である。
前記の如く構成された本実施形態の付帯ユニット(付帯構造物)20,30,40,50を組み合わせた付帯組立体10と、この付帯組立体を備えるユニット建物Uの動作について以下に説明する。先ず、基礎K上に複数の建物ユニット1,1…を設置固定する。すなわち、基礎K上に下階の建物ユニット1A,1Aを設置固定し、次いで上階の建物ユニット1B,1Bを載置し、上下の建物ユニットの柱2に近接する補強プレート9同士をボルトナット(図示せず)で連結して固定し、ユニット建物を形成する。
このあと、組立てられた建物ユニット1A,1A,1B,1Bに付帯ユニット20,30,40,50を連結固定して付帯組立体10を形成し、ユニット建物Uを構成する。先ず、下階の付帯ユニット20,30を基礎K上に載置し、アンカーボルトAB,AB1で固定する。このあと、建物ユニット1A,1Aの柱2,2…と付帯ユニットの構造材との間にスペーサSP等を挟み、ガイドピンGPで建物ユニット1A,1Aと付帯ユニット20,30とを位置決めしてからボルトナットBN等で連結固定する。例えば、建物ユニット1Aと付帯ユニットとを連結する奥中心部VI部では、図14で示すように、建物ユニット1A,1Aの中央部の柱2,2と付帯ユニット20の下梁22dとの間、及び付帯ユニット30の下梁32dとの間にスペーサSP5を挟み、ガイドピンGPで位置決めしたあとボルトナットBN23で連結固定する。
すなわち、建物ユニット1Aの柱2の下端部には3つの貫通孔が形成され、上下の貫通孔の内面にはナットが固着され、中央のナットはガイドピンGPが挿入される孔となっている。一方、付帯ユニット20の下梁22dはC形鋼で形成され、その中央側の端部には図示していないが3つの貫通孔が形成され、中央の貫通孔にガイドピンGPが固定されている。下梁22dと柱2間にスペーサSP5を挟み、ガイドピンGPで位置決めすると、両貫通孔は連通しボルトナットBN23で連結できる。付帯ユニット20の角柱21bの下端も図示していないが、同様に3つの貫通孔が形成され、ガイドピンで位置決めしてボルトナットで連結する。付帯ユニット30の下梁32d、及び他端側の角柱31bの連結についても、同様の構成で建物ユニット1Aの柱2に連結固定される。
付帯ユニット20,30の上部と建物ユニット1A,1Aの柱2,2…の上部の連結も前記と同様の構成、すなわち、スペーサを挟んで柱2の上部と、中柱側の上梁とを対接させ、ガイドピンで位置決めしてボルトナットで連結固定することで行なわれる。また、柱の上部と角柱の上部もスペーサを挟んで対接させ、ガイドピンで位置決めしてボルトナットで連結固定する。
このあと、基礎K上に固定され、建物ユニット1A,1Aに連結固定された付帯ユニット20,30の上部に、付帯ユニット40,50を載置して固定する。下階の付帯ユニット20,30上に、上階の付帯ユニット40,50を載置すると、角柱同士は上下のエンドプレートが対接するが、下階の上梁と上階の下梁とは間隙があるので、この間隙に相当する厚さのスペーサを挟んで上下の梁が互いに接触するようにする。
この状態で、例えば、図10に示されるように、下階の付帯ユニット20の角柱21a,21bの上端のエンドプレートEP11に形成した貫通孔と、上階の付帯ユニット40の角柱41a,41bの下端のエンドプレートEP13に形成した貫通孔とにボルトを通しナットをねじ込んで、ボルトナットBN7で連結する。また、下階の付帯ユニット30の角柱31a,31bの上端のエンドプレートに形成した貫通孔と、上階の付帯ユニット50の角柱51a,51bの下端のエンドプレートに形成した貫通孔とにボルトを通しナットをねじ込んでボルトナットで連結する。これにより、上下階の付帯ユニット同士は角柱内のボルトナットで連結固定される。
このあと、4つの付帯ユニットを組み合わせた付帯組立体10の上階の付帯ユニット40,50を建物ユニット1B,1B側に水平方向に連結固定する。この連結も、基本的には前記した下階の付帯ユニット20,30の建物ユニット1A,1Aへの連結と同様の構成であり、例えば、図10,11に示されるように、上階の建物ユニット1B,1Bの柱材と付帯ユニット40の角柱41a,41b、及び下梁42dと上梁43dとの対接部分のスペーサSP等を挟み、建物ユニット1B,1Bの柱材と付帯ユニット50の角柱51a,51b、及び下梁52dと上梁53dとの対接部分のスペーサを挟み、ガイドピンGPで位置決めしてボルトナットBN等で連結する構成となっている。
このようにして、建物ユニット1A,1A,1B,1Bに付帯ユニット20,30,40,50を組立てた付帯組立体10を連結したあと、付帯組立体10の中心部に位置する構造材を取り外す。取り外す構造材は、付帯ユニット20では左上の上梁23bと、左奥の中柱21dと、左側面の補強ブレース26である。また、付帯ユニット30では右上の上梁33bと、右奥の中柱31dと、右側面の補強ブレース36である。そして、付帯ユニット40では左下の下梁42bと、左奥の中柱41dと、左側面の補強ブレース46である。さらに、付帯ユニット50では右下の下梁52bと、右奥の中柱51dと、右側面の補強ブレース56である。
付帯ユニット20の左上の上梁23b、及び付帯ユニット30の右上の上梁33bは、例えば、図9,11等に示されるように、それぞれ上梁23c、上梁33cと連結しているボルトナットBN9等を外すと共に、それぞれ上梁23d、上梁33dと連結しているボルトナットBN1等を外すことで容易に取り外すことができる。また、付帯ユニット40の左下の下梁42b、及び付帯ユニット50の右下の下梁52bも、これらを連結しているボルトナットを外すことで容易に取り外すことができる。さらに、補強ブレース26,36,46,56は、それぞれを固定しているボルトナットを外すことで容易に取り外すことができる。
このようにして、付帯組立体10の中心部に位置する水平構造材、具体的には付帯ユニット20の上梁23b、付帯ユニット30の上梁33b、付帯ユニット40の下梁42b、付帯ユニット50の下梁52bを取り外すと共に、補強ブレース26,36,46,56を取り外すことで、付帯組立体10の中心部は構造材の無い連通した空間を形成することができ、例えば上下階を貫通して階段を設置する階段室として有効に利用することができる。また、中間部に構造材の無い空間を吹き抜け空間として有効に活用することができる。
そして、付帯組立体10の垂直方向の構造材、具体的には4個の付帯ユニット20,30,40,50の中心部に位置し、隣接する建物ユニットと対向する中柱21d,31d,41d,51dを取り外すことで、上下左右方向に連通させた空間の中央部に位置する柱材が無くなり、特に、階段室としてこの連通空間を用いるときに階段の中央に縦方向の突出部が無くなり、見栄えを向上させることができると共に、階段利用を容易にすることができる。
このようにして、4個の付帯ユニットを組み合わせて付帯組立体10を構成し、中心部に配置された水平構造材(上梁23b,33b、下梁42b,52b、補強ブレース26,36,46,56、及び中柱21d,31d,41d,51dを取り外しても、補強材15,16により隣接する上梁23d,33d、及び下梁42d,52dは補強されるため、付帯組立体10の強度は安定したものとなる。また、図16に示すように、付帯ユニット40,50の頂部の上梁43c,53cを連結板17で連結補強することで、付帯組立体10の強度を向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、付帯構造物4個を組立てて付帯組立体を構成する例を示したが、5個以上の付帯構造物を組立てて付帯組立体を構成するものでもよい。この場合、1階に3個の付帯構造物を配置し、2階に2個の付帯構造物を配置する等、適宜変更することができる。
前記の実施形態では、建物ユニットを2層に組立てた2階建ての例を示したが、3階建て以上のユニット建物にも適用できる。例えば、3階建てのユニット建物の場合、1,2階の中間の梁材と、2,3階の中間の梁材の両方を取り外して1〜3階を連通する内部空間を形成することができる。
また、複数の付帯ユニットを組み合わせて構成した付帯組立体の下階の付帯ユニットは基礎上に設置される例を示したが、付帯ユニットが設置される部分に基礎を形成せず、付帯組立体が建物ユニットからせり出したオーバーハング状態のものでもよいことは勿論である。
さらに、前記した付帯ユニットは建物ユニットの長辺方向に連結されて、その内部空間を拡大するものであるが、付帯ユニットを長辺方向の立面に、すなわち短辺方向に連結して、その内部空間を拡大するように構成してもよい。この場合、長辺方向の立面は面積が広い面であるが、この広い立面の一部に狭い立面の付帯ユニットを連結するように構成することもできる。