JP2010261231A - 制震構造及びそれに用いる制震パネル部品 - Google Patents

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朋之 入山
Tatsuya Toyama
竜也 外山
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一徳 堤
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Abstract

【課題】間柱を設けた状態のシアリング型の制震構造を構成する。
【解決手段】制震構造は、一対の柱11及び一対の横軸材12,13により構成された矩形枠体14と、矩形枠体14における一対の柱11の中間に一対の横軸材12,13間を繋ぐように設けられた間柱22と、矩形枠体14における一対の柱11の一方と一対の横軸材12,13と間柱22とで囲まれる開口に対応して設けられた面材15と、を備える。面材15は、一方の柱11及び間柱22のうち、一方に制震部材17を介して取り付けられ且つ他方に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は制震構造及びそれに用いる制震パネル部品に関する。
建築物の耐震性を向上させて地震被害を軽減する方法として、地震時のエネルギーを吸収する部材を矩形枠体に設置して制震構造を構成し、それによって建物の振動を小さくするというものがある。そして、かかる制震構造としては、一般的には、仕口ダンパーを用いた構造やブレースを用いた構造が挙げられる。また、大変形により大きなエネルギー吸収効果が得られる構造として、矩形枠体に取り付けたフレーム間のずれを利用して粘弾性体や油圧ダンパーを変形させるシアリング型の構造も多く実用化されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2006−132182号公報 特開2006−169952号公報 特開2006−207292号公報
ところで、木造住宅において、内装下地を施工する場合、一般的には、石膏ボードなどの面材を矩形枠体に取り付ける場合が多く、その際、面材の中央部を間柱に対して留め付け、それによって面材の不陸の防止や耐衝撃性の確保を行っている。
しかしながら、シアリング型の制震構造の場合、柱間に設けられるフレームが干渉するため間柱を入れることが困難であり、そのため面材の不陸などの問題を生じる可能性がある。また、フレームが大型で重量が大きい場合には施工性が悪くなる。
本発明の課題は、間柱を設けた状態のシアリング型の制震構造を構成することである。
本発明の制震構造は、
一対の柱及び一対の横軸材により構成された矩形枠体と、
上記矩形枠体における上記一対の柱の中間に上記一対の横軸材間を繋ぐように設けられた間柱と、
上記矩形枠体における上記一対の柱の一方と上記一対の横軸材と上記間柱とで囲まれる開口に対応して設けられた面材と、
を備えたものであって、
上記面材は、上記一方の柱及び上記間柱のうち、一方に制震部材を介して取り付けられ且つ他方に固定されていることを特徴とする。
本発明の制震パネル部品は、請求項1に記載された制震構造に用いるものであって、面材の一方の側部に制震部材が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、矩形枠体における一対の柱の一方と一対の横軸材と間柱とで囲まれる開口に対応して面材が設けられ、面材が、一方の柱及び間柱のうち、一方に制震部材を介して取り付けられ且つ他方に固定されているので、間柱を制震構造の一部に取り入れることにより、間柱を設けた状態のシアリング型の制震構造を構成することができる。
実施形態に係る制震構造の正面図である。 図1におけるII-II断面図である。 図1におけるIII-III断面図である。 実施形態に係る制震構造の要部の断面図である。 制震構造の第1の変形例の正面図である。 制震構造の第2の変形例の正面図である。 (a)は制震部材の正面図、(b)及び(c)は両側面図、並びに(d)は平面図である。 制震構造の第3の変形例の要部の断面図である。 制震パネル部品を示す平面図である。 (a)は従来のシアリング型の制震構造の地震前後の態様を示し、(b)実施形態に係る制震構造の地震前後の態様を示す。 制震構造の第4の変形例の要部の断面図である。 制震構造の第5の変形例の要部の断面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜4は本実施形態に係る建物の制震構造10を示す。
本実施形態に係る制震構造10は、一対の柱11並びに梁12(横架材)及び土台13(横架材)により構成された矩形枠体14に、一対の柱11の中間に間柱22が設けられ、そして、矩形枠体14における間柱22で区画された一対の開口のそれぞれに対応して面材15が設けられて縦長長方形の壁構造に構成されたものである。なお、この制震構造10は、全ての壁構造に構成されていてもよく、また、一部の壁構造に構成されていてもよい。
一対の柱11は、横方向に間隔をおいて並行に延びるように設けられ、各々が梁12と土台13との間を連結するように立設されている。各柱11は、例えば、木製の長さが1000〜7000mm、幅が25〜150mm、及び厚さが90〜150mmの角材により構成され、耐震強度等が考慮されて、形状や断面積、材質が適宜選択される。一対の柱11の間隔は例えば500〜2000mmである。
梁12及び土台13は、上下方向に間隔をおいて並行に延びるように設けられている。梁12及び土台13のそれぞれは、例えば、木製の長さが1000〜7000mm、幅が90〜150mm、及び厚さが90〜400mmの角材により構成され、耐震強度等が考慮されて、形状や断面積、材質が適宜選択される。梁12と土台13との間隔は例えば1000〜4000mmである。
柱11と梁12とは、前者の上端に形成された凸部が後者の下面側に形成された凹部に嵌合して結合している。また、柱11と土台13とは、前者の下端に形成された凸部が後者の上面側に形成された凹部に嵌合して結合している。なお、柱11の凸部は、梁12及び土台13の側面側から打ち付けられた釘等の固定具により固定されている。また、柱11と梁12及び/又は土台13とは、それらの角部に設けられるホールダウン金物等の接合部材を介して固定されていてもよい。
間柱22は、一対の柱11の中間に梁12及び土台13間を繋ぐように立設されている。間柱22は、一対の柱11から等距離の位置に位置付けられていることが好ましい。間柱22は、例えば、木製の長さが1000〜3000mm、柱11よりも幅狭で幅が25〜50mm、及び厚さが30〜120mmの角材により構成されている。間柱22から柱11までの間隔は例えば300〜500mmである。
間柱22と梁12及び土台13とは、間柱22の上端面が梁12の下面に当接し且つ間柱22の下端面が土台13の上面に当接するように、間柱22が梁12と土台13との間に嵌め入れられ、また、間柱22の上部の両側面のそれぞれから斜め上方に梁12に向かって釘等の固定具が打ち付けられ、同様に、間柱22の下部の両側面のそれぞれから斜め下方に土台13に向かって釘等の固定具が打ち付けられて固定されている。
一対の柱11のそれぞれの矩形枠体14内側面には、柱11に沿って延びる柱側受材23が柱11に当接して設けられ、柱側受材23の側面側から打ち付けられた釘、ビス、ピンネイル等の固定具により柱11に固定されている。特にリフォームの場合には、柱側受材23により劣化した柱11が補強されることとなる。柱側受材23は、例えば、木材、合板やLVL等の木質材、軽量鉄骨等で構成されている。柱側受材23は、間柱22と同様に、図5に示すように、上端面が梁12の下面に当接すると共に下端面が土台13の上面に当接し、且つ梁12と土台13との間に嵌め入れられるように設けられていてもよい。このような構成によれば、地震時において、柱側受材23の突っ張りにより柱11と柱側受材23との間の相対的な滑りを抑えることができ、それによって後述の制震部材17の粘弾性ダンパー18に地震による変形を有効に伝えることができる。柱側受材23は、例えば、長さが300〜3000mm、幅が25〜50mm、及び厚さが90〜150mmである。なお、柱側受材23は、柱11よりも厚さが小さく、後面が柱11の後面と面一であって前面側に段差が生じるように設けられていることが好ましい。
間柱22の両側面のそれぞれには、間柱22に沿って延びる添柱27が間柱22に当接して設けられ、添柱27の側面側から打ち付けられた釘、ビス、ピンネイル等の固定具nにより及び/又は木工用ボンド(例えば酢酸ビニル系接着剤)等の接着剤により間柱22に固定されている。後述のように間柱22には制震部材17が取り付けられるが、地震時にその間柱22が先行破壊すると、制震部材17による制震効果を得ることができないため、この添柱27により間柱22の強度補強がなされる。添柱27は、例えば、地震時に先行破壊しない十分な強度を有する木材、合板やLVL等の木質材、軽量鉄骨等で構成されている。添柱27は、例えば、長さが300〜3000mm、幅が25〜50mm、及び厚さが90〜150mmである。なお、添柱27は、間柱22よりも厚さが小さく、後面が間柱22の後面と面一であって前面側に段差が生じるように設けられていることが好ましい。また、後述の面材15を設ける際の施工性の観点からは、添柱27の前面が柱側受材23の前面と同一平面であることが好ましい。
面材15は、細長の矩形平板状に形成され、各柱11と梁12及び土台13と間柱22とで囲まれる開口に対応して、柱側受材23及び添柱27を覆うように設けられている。つまり、本実施形態に係る制震構造10は真壁構造を構成するものである。面材15は、地震時に後述の制震部材17が取り付けられる間柱22との間の相対変位が制震部材17にそのまま伝わるように、面材22側の側面が間柱22の側面に接触せず、間柱22との間に隙間26を有することが好ましい。隙間26の幅は5〜30mmであることが好ましく、10〜20mmであることがより好ましい。
なお、面材15の柱11側の側面は柱11の側面に接触していてもよく、また、柱11との間に隙間を有していてもよい。また、面材15の長さは梁12と土台13との間の間隔よりも短くてもよく、その場合、面材15の上方の梁12との間に、或いは、面材15の下方の土台13との間に、間柱22で仕切られた一対の配管配線用開口25を構成することができる。配管配線用開口25には、配管や配線を通すことができ、制震構造10を構成しつつも施工の合理化を図ることができる。特に、リフォームにより本実施形態に係る制震構造10を構成する場合には、床や天井を解体する必要がなく、壁を剥がすだけで施工することができるので、低コストであり、また、工事期間も短くて済む。配管配線用開口25の上下幅は1000mm以下であることが好ましく、100〜600mmであることがより好ましい。
面材15は、壁を構成したときに耐力要素となる程度の高い剪断剛性・強度を有する材料で形成されている。かかる面材15としては、例えば、合板材料、OSB、MDFなどの木質材料で形成された板材;火山性ガラス質複層板;石膏ボード;珪酸カルシウム板;鋼板、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料で形成された板材;ABS、アクリル樹脂などのプラスチックで形成された板材等が挙げられる。面材15は、例えば、長さが900〜3000mm、幅が500〜2000mm、及び厚さが6〜30mmである。建物が地震や風圧によって大きな水平力を受けたとき、この面材15の持つ剪断剛性が主要な抵抗要素として作用する。
面材15は、柱11側の側辺部に沿って間隔をおいて前面側から釘、ビス、ボルト、ラグスクリュー等の剛性を有する固定具21により柱側受材23に固定されている。また、面材15は、間柱22側の側辺部に沿って間隔をおいて前面側から釘、ビス、ピンネイル等の剛性を有する固定具21により添柱27に固定されている。固定具21は、面材15と柱側受材23との間の相対的な滑りや固定具21の引き抜けを抑制するように、数、形状、材質が設定されていることが好ましい。なお、面材15と柱側受材23及び/又は面材15と添柱27とは接着剤で接着されていてもよい。
面材15の裏面側には、間柱22側の側辺部に沿って細長い面材側受材16が設けられている。面材側受材16は、例えば、木材、合板やLVL等の木質材、軽量鉄骨等で構成されている。面材側受材16は、例えば、長さが900〜3000mm、幅が40〜100mm、及び厚さが20〜100mmである。面材側受材16は、面材15の前面側から打ち付けられた釘、ビス、ボルト、ラグスクリュー等の固定具nによって面材15に固定されている。固定具nは、面材15と面材側受材16との間の相対的な滑りや固定具nの引き抜けを抑制するように、数、形状、材質が設定されていることが好ましい。なお、面材15と面材側受材16とは接着剤で接着されていてもよい。また、面材側受材16の断面が小さい木材の場合には、固定具nによる割れが生じるのを防ぐため、接合具先端に切り込みを入れたり、或いは、面材側受材16に先穴をあけておくことが好ましい。
間柱22と面材15との間には、制震部材17が介設されている。制震部材17は、図1では上下に一対設けられているが、十分な制震性能を確保できる限りにおいて図6に示すように中央に一つだけ設けられていてもよい。
図7(a)〜(d)は制震部材17を示す。
この制震部材17は、シート状の粘弾性ダンパー18とそれを挟むように設けられた軸材取付部19及び面材取付部20とを有する。
粘弾性ダンパー18は、減衰性を有する、特に0.1〜10Hz周波数域において減衰性を有するゴム組成物で形成されていることが好ましい。粘弾性ダンパー18を構成するゴム組成物は、5〜30℃の温度範囲において、損失係数(tanδ)が0.4以上で且つ貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であることが好ましい。粘弾性ダンパー18は、使用部位にも依るが、例えば、縦が30〜500mm、横が30〜500mm、及び厚さが3〜30mmである。
粘弾性ダンパー18は、基材ゴム及び添加剤を例えばバンバリーミキサー等の密閉式混練機に投入して混練することにより未架橋のゴム組成物を作製し、それを例えばローラーヘッド押出機等を用いて押出成形し、さらに所定形状になるようにカットした後、それを所定の金型にセットして加熱及び加圧して加硫成形することにより製造される。
基材ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。基材ゴムは、単一種で構成されていてもよく、また、複数種がブレンドされて構成されていてもよい。
添加剤としては、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、補強材、充填材、軟化剤、可塑剤、粘着性付与剤等が挙げられる。
軸材取付部19は、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板などの金属材料やABS樹脂板、アクリル樹脂板などの樹脂材料、木質材料、火山性ガラス質複層板などの無機質材料等の剛性を有する材料により、軸材取付片19aとダンパー取付片19bとを有する断面L字状に形成されている(好ましくは厚さ5mm以上)。軸材取付片19aには複数の取付孔が形成されている(図7では6個)。ダンパー取付片19bは、エポキシ系接着剤やウレタン系接着剤などにより、或いは、加硫接着により粘弾性ダンパー18に接着している。
面材取付部20は、金属材料等の剛性を有する材料により、一対の板状の面材取付片20aとそれらを連結する連結片20bとを有する断面コの字状に形成されている。各面材取付片20aには複数の取付孔が形成されている(図7では各3個)。連結片20bは、エポキシ系接着剤やウレタン系接着剤などにより、或いは、加硫接着により粘弾性ダンパー18に接着している。
制震部材17は、図4に示すように、軸材取付部19の軸材取付片19aが間柱22の面材15に直交する側面に設けられた添柱27に当接し、軸材取付片19aに形成された取付孔にビス等の取付具bが通されて添柱27に固定され、それによって添柱27を介して間柱22に取り付けられている。制震部材17は、取付具bが間柱22にまで達しずに添柱27のみに取り付けられた構造であってもよく、また、取付具bが間柱22にまで達して添柱27及び間柱22の両方に取り付けられ構造であってもよい。また、制震部材17が間柱22の両側に設けられる場合には、一対の制震部材17は、図8に示すように、一方の添柱27、間柱22、及び他方の添柱27を貫通するように取付具としてボルトBが設けられ、一方の制震部材17の軸材取付部19の軸材取付片19aがボルト頭に係合すると共に、他方の制震部材17の軸材取付部19の軸材取付片19aがナットNに係合することにより取り付けられていてもよい。このような構成によれば、地震時による変形が最も大きくて相互の滑りが生じ易い間柱22と添柱27との間が一体化されることとなり、そのため地震による変形を制震部材17に有効に伝えることができる。
制震部材17は、図4に示すように、面材取付部20が面材15の裏面の面材側受材16に嵌合し、面材取付片20aに形成された取付孔に取付具bが通されて面材側受材16に固定され、それによって面材側受材16を介して面材15に取り付けられている。従って、シート状の粘弾性ダンパー18は、面材15に平行に設けられている。
以上のような構成の本実施形態に係る制震構造10は、図9に示すような面材15の裏面側に面材側受材16を設けると共にその面材側受材16に制震部材17を取り付けた制震パネル部品24を予め準備しておき、柱11に柱側受材23及び間柱22に添柱27をそれぞれ固定した後、制震パネル部品24を柱11、梁12、土台13、及び間柱22で囲われた開口に対応するように設けると共に制震部材17を添柱27に取り付け、最後に面材15の表側から固定具21を柱側受材23及び間柱22に打ち付けることにより構成することができる。このような制震パネル部品24を用いることにより、施工現場では添柱27への制震部材17の取付作業及び固定具bの打ち付け作業だけでよく、施工も容易であって工事期間も短くて済む。このような制震パネル部品24を用いた施工は、特に、リフォームにおいて好適である。
以上の通り、本実施形態に係る制震構造10は、矩形枠体14における柱11、梁12、土台13、及び間柱22で囲まれる開口に対応して面材15が設けられ、面材15が間柱22に制震部材17を介して取り付けられ且つ柱11に固定されているので、間柱22を制震構造10の一部に取り入れることにより、間柱22を設けた状態のシアリング型の制震構造10を構成している。
そして、本実施形態に係る制震構造10によれば、面材15が剛性を有する固定具21で柱側受材23及び添柱27に固定されており、揺れに対する初期剛性が高いので、面材15に平行な面内で水平力が作用すると、小さい地震で揺れが小さい場合には、高い初期剛性により優れた制震性能を得ることができる一方、大きい地震で揺れが大きい場合には、固定具21が塑性変形するものの制震部材17によるエネルギー吸収により優れた制震性能を得ることができる。つまり、揺れの大小に関係なく、優れた制震性能を得ることができる。
また、例えば、従来のシアリング型の制震構造では、図10(a)に示すように、フレームF間が制震部材17’で連結されているだけなので、地震時に変形するとフレームFの柱11’への接合部に大きな負荷がかかり、また、フレームFには捻り力に抵抗するため鋼板のような高剛性の材料を適用することが要求される。しかしながら、本実施形態に係る制震構造10によれば、図10(b)に示すように、フレームを兼ねる一方の面材15が間柱22を介して他方の面材15に結合する構造であるので、地震時における面材15の柱11への接合部にかかる負荷が従来のシアリング型の制震構造よりも小さく、また、間柱22による捻り規制が作用するので、フレームを構成する面材15に木質ボードのような多少剛性の低い材料を適用することもできる。さらに、本実施形態に係る制震構造10によれば、従来のシアリング型の制震構造よりも優れた制震性能を得ることができる。
なお、本実施形態では、面材15が添柱27に釘等の固定具21により固定された構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、図11に示すように、面材固定部材28により固定された構成であってもよい。具体的には、面材固定部材28は、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板などの金属材料やABS樹脂板、アクリル樹脂板などの樹脂材料、木質材料、火山性ガラス質複層板などの無機質材料等の剛性を有する材料により、面材係合片28aと連結片28bと添柱取付片28cとを有する断面クランク形状に形成されている。面材固定部材28は、面材係合片28aが面材15の前面に、また、連結片28bが面材15の側面にそれぞれ沿い、さらに、添柱取付片28cが添柱27に当接するように設けられ、そして、添柱取付片28cの前面側から釘等の固定具nが打ち付けられ、面材15を添柱27側に押圧すると共に係合固定している。このような構成によれば、面材固定部材28により面材15の面外への回転が規制され、そのため制震部材17に地震時の変形を伝えやすく、また、制震構造10の剛性を高めることなく制震部材17によるエネルギー吸収能を高めることができる。つまり、面材15を釘留めせずに制震部材17のみで接合することで、面材15が比較的自由に動くことができるため理論上は制震部材17により大きな変形を生じさせることができ、それによりエネルギー吸収率を向上させることができる。
また、本実施形態では、面材15が柱側受材23を介して柱11に固定され且つ制震部材17及び添柱27を介して間柱22に取り付けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、図12に示すように、逆に、面材15が添柱27を介して間柱22に固定され且つ制震部材17及び柱側受材23を介して柱11に取り付けられた構成であってもよく、本実施形態と同様の制震性能を得ることができる。
本発明は制震構造及びそれに用いる制震パネル部品について有用である。
10 制震構造
11 柱
12 梁(横軸材)
13 土台(横軸材)
14 矩形枠体
15 面材
16 面材側受材
17 制震部材
18 粘弾性ダンパー
19 軸材取付部
20 面材取付部
21 釘
22 間柱
23 柱側受材
24 制震パネル部品
25 配管配線用開口
26 隙間
27 添柱
28 面材固定部材

Claims (2)

  1. 一対の柱及び一対の横軸材により構成された矩形枠体と、
    上記矩形枠体における上記一対の柱の中間に上記一対の横軸材間を繋ぐように設けられた間柱と、
    上記矩形枠体における上記一対の柱の一方と上記一対の横軸材と上記間柱とで囲まれる開口に対応して設けられた面材と、
    を備えた制震構造であって、
    上記面材は、上記一方の柱及び上記間柱のうち、一方に制震部材を介して取り付けられ且つ他方に固定されていることを特徴とする制震構造。
  2. 請求項1に記載された制震構造に用いる制震パネル部品であって、
    面材の一方の側部に制震部材が設けられたことを特徴とする制震パネル部品。
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