JP2010255904A - 吸収ヒートポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時の応答を早めることができる吸収ヒートポンプを提供すること。
【解決手段】吸収ヒートポンプ1は、吸収器10と、希溶液Swを第1の熱源流体h1で加熱し濃縮する再生器30と、濃溶液ライン35と、凝縮器40と、冷媒液Vfを第2の熱源流体h2で加熱し蒸発させる蒸発器20と、冷媒液ライン45と、温度が高い高温流体Fを外部から導入して流体のエンタルピを増大させるエンタルピ増大手段とを備える。エンタルピ増大手段は、第1の熱源流体h1、第2の熱源流体h2、吸収器10内の吸収溶液Sa、Sw、濃溶液ライン35を流れる濃溶液Sa、冷媒液ライン45を流れる冷媒液Vfの少なくとも1つの流体のエンタルピを増大させることで、吸収溶液及び/又は冷媒の保有熱量を増大させ、吸収ヒートポンプ1の応答を早める。
【選択図】図1

Description

本発明は吸収ヒートポンプに関し、特に起動時の応答を早めた吸収ヒートポンプに関する。
蒸発器で発生させた冷媒蒸気を吸収器に導き、吸収器において冷媒蒸気を吸収溶液に吸収させる際に発生する吸収熱で被加熱媒体を加熱する吸収ヒートポンプは公知である。この吸収ヒートポンプでは、吸収器で冷媒蒸気を吸収して濃度が低下した吸収溶液を加熱し濃度的に再生する再生器と、再生器で加熱蒸発させた冷媒蒸気を凝縮させて後に蒸発器に送られる凝縮液とする凝縮器とが、吸収器及び蒸発器と協働して吸収ヒートポンプサイクルを作動させている。このような吸収ヒートポンプにおいて、蒸発器で冷媒の蒸気を発生させる熱源及び/又は再生器で吸収溶液を再生させる熱源として、コージェネレーションシステム等から排出される温水(排熱)を利用し、当該温水よりも温度が高い被加熱媒体の蒸気を生成する吸収ヒートポンプがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−138614号公報(図2等)
しかしながら、上述の吸収ヒートポンプは熱駆動サイクルであるため、起動から定常状態に達するまでに相当の時間を要する。特に、駆動源である排熱量が少ない場合は、応答の遅れが顕著となる。
本発明は上述の課題に鑑み、起動時の応答を早めることができる吸収ヒートポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、内部に被加熱媒体Wを流す被加熱媒体管12を有し、被加熱媒体管12の外側に存在する吸収溶液Saが冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swとなる際に発生する吸収熱で被加熱媒体管12内を流れる被加熱媒体Wを加熱する吸収器10と;内部に第1の熱源流体h1を流す第1の熱源流体管31を有し、希溶液Swを導入し第1の熱源流体管31内の第1の熱源流体h1で加熱して、導入した希溶液Swから冷媒Vgを蒸発させて濃度が上昇した濃溶液Saを生成する再生器30と;濃溶液Saを再生器30から吸収器10に導く濃溶液ライン35と;再生器30で発生した冷媒蒸気Vgを導入し冷却し凝縮させる凝縮器40と;内部に第2の熱源流体h2を流す第2の熱源流体管21を有し、冷媒液Vfを導入し第2の熱源流体管21内の第2の熱源流体h2で加熱して、導入した冷媒液Vfを蒸発させて吸収器10に供給する冷媒蒸気Veを生成する蒸発器20と;冷媒液Vfを凝縮器40から蒸発器20に導く冷媒液ライン45と;再生器30に導入される第1の熱源流体h1、蒸発器20に導入される第2の熱源流体h2、吸収器10内の吸収溶液Sa、Sw、濃溶液ライン35を流れる濃溶液Sa、及び冷媒液ライン45を流れる冷媒液Vfのいずれか1つの流体よりも温度が高い高温流体Fを外部から導入し、再生器30に導入される第1の熱源流体h1、蒸発器20に導入される第2の熱源流体h2、吸収器10内の吸収溶液Sa、Sw、濃溶液ライン35を流れる濃溶液Sa、及び冷媒液ライン45を流れる冷媒液Vfのうち高温流体Fよりも温度が低い少なくとも1つの流体(h2)のエンタルピを増大させるエンタルピ増大手段(61)とを備える。
このように構成すると、吸収溶液及び/又は冷媒の保有熱量を増大させることができ、起動時の吸収ヒートポンプの応答を早めることができる。また、吸収溶液及び冷媒が定常時のサイクルを行っている中で流体のエンタルピを増大させる場合は、運転中における負荷変動時の応答を早めることもできる。
また、本発明の第2の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図4に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプにおいて、前記エンタルピ増大手段が、高温流体Fの熱を吸収器10内の吸収溶液に直接的又は間接的に与える吸収溶液受熱手段71を含んで構成され;吸収器10の気相部と凝縮器40とを連通する連通管72であって、流路を遮断可能な連通遮断弁72vが配設された連通管72をさらに備え;吸収器10内の吸収溶液のエンタルピを増大させたときに、連通遮断弁72vを開け、吸収器10内の吸収溶液から冷媒を蒸発させて該蒸発した冷媒を凝縮器40に導く。
このように構成すると、吸収器を再生器と同様に機能させることができ、吸収ヒートポンプサイクル内の吸収溶液の濃縮を早め、起動時の吸収ヒートポンプの応答を早めることができる。
また、本発明の第3の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図5に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプにおいて、前記エンタルピ増大手段が、高温流体Fの熱を吸収器10内の吸収溶液に直接的又は間接的に与える吸収溶液受熱手段89、84を含んで構成され;凝縮器40が、導入した冷媒蒸気Vgから熱を奪う冷却水cを流す冷却水管41を内部に有し;冷却水管41に導入される冷却水cの一部を第2の熱源流体管21に導く冷却水分岐管54であって、流路を遮断可能な分岐遮断弁54vが配設された冷却水分岐管54と;第2の熱源流体管21への第2の熱源流体hの導入を遮断する熱源流体遮断弁21vとをさらに備え;吸収器10内の吸収溶液のエンタルピを増大させたときに、分岐遮断弁54vを開けて熱源流体遮断弁21vを閉じることにより冷却水cを第2の熱源流体管21に導入させ、吸収器10内の吸収溶液から冷媒を蒸発させて蒸発した冷媒を蒸発器20で凝縮させる。
このように構成すると、吸収器を再生器的に、蒸発器を凝縮器的に機能させることができ、吸収ヒートポンプサイクル内の吸収溶液の濃縮を早め、起動時の吸収ヒートポンプの応答を早めることができる。
本発明によれば、吸収溶液及び/又は冷媒の保有熱量を増大させることができ、吸収ヒートポンプの応答を早めることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの模式的系統図である。 本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプのデューリング線図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプの模式的系統図である。 本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの模式的系統図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプの模式的系統図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1を説明する。図1は、吸収ヒートポンプ1の模式的系統図である。吸収ヒートポンプ1は、吸収溶液S(Sa、Sw)と冷媒V(Ve、Vg、Vf)との吸収ヒートポンプサイクルが行われる主要機器を構成する吸収器10、蒸発器20、再生器30、及び凝縮器40を備えている。他の構成部材は適宜後述する。
本明細書においては、吸収溶液に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「希溶液Sw」や「濃溶液Sa」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「吸収溶液S」ということとする。同様に、冷媒に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「蒸発器冷媒蒸気Ve」、「再生器冷媒蒸気Vg」、「冷媒液Vf」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「冷媒V」ということとする。本実施の形態では、吸収溶液S(吸収剤と冷媒Vとの混合物)としてLiBr水溶液が用いられており、冷媒Vとして水(HO)が用いられている。
吸収器10は、被加熱媒体Wの流路を構成する被加熱媒体管としてのチューブ12と、濃溶液Saを散布する濃溶液散布ノズル13とを内部に有している。吸収器10は、濃溶液散布ノズル13から濃溶液Saが散布され、濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収する際に吸収熱を発生させる。この吸収熱を、チューブ12を流れる被加熱媒体Wが受熱して、被加熱媒体Wが加熱されるように構成されている。蒸発器20は、第2の熱源流体としての熱源温水h2の流路を構成する第2の熱源流体管としての熱源管21と、冷媒液Vfを熱源管21に向けて散布する冷媒液散布ノズル22とを内部に有している。蒸発器20は、冷媒液散布ノズル22から冷媒液Vfが散布され、散布された冷媒液Vfが熱源管21内を流れる熱源温水h2の熱で蒸発して蒸発器冷媒蒸気Veが発生するように構成されている。吸収器10と蒸発器20とは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成されている。吸収器10と蒸発器20とが連通することにより、蒸発器20で発生した蒸発器冷媒蒸気Veを吸収器10に供給することができるように構成されている。
再生器30は、希溶液Swを加熱する第1の熱源流体としての熱源温水h1を内部に流す第1の熱源流体管としての熱源管31と、希溶液Swを散布する希溶液散布ノズル32とを有している。熱源管31内を流れる熱源温水h1は、熱源管21内を流れる熱源温水h2と同じ流体であっても異なる流体であってもよい。換言すれば、熱源温水h1と熱源温水h2とは、1つの源から導出された熱源温水が分岐して並列な流れとなったものでもよく、1つの源から導出された熱源温水が熱源温水h2として熱源管21を流れた後に熱源温水h1として熱源管31を流れる(又はこの逆に流れる)ように直列に流れるものでもよく、あるいは異なる源から導出されたものであってもよい。本明細書では、説明の便宜上、熱源管21を流れるものを熱源温水h2と、熱源管31を流れるものを熱源温水h1と概ね区別する一方、区別しない場合は単に「熱源温水h」と総称する。再生器30は、希溶液散布ノズル32から散布された希溶液Swが熱源温水h1に加熱されることにより、希溶液Swから冷媒Vが蒸発して濃度が上昇した濃溶液Saが生成されるように構成されている。希溶液Swから蒸発した冷媒Vは再生器冷媒蒸気Vgとして凝縮器40に移動するように構成されている。凝縮器40は、冷却媒体としての冷却水cが流れる冷却水管41を有している。凝縮器40は、再生器30で発生した再生器冷媒蒸気Vgを導入し、これを冷却水cで冷却して凝縮させるように構成されている。再生器30と凝縮器40とは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成されている。再生器30と凝縮器40とが連通することにより、再生器30で発生した再生器冷媒蒸気Vgを凝縮器40に供給することができるように構成されている。また、吸収器10及び蒸発器20が再生器30及び凝縮器40よりも高所に配設されており、位置ヘッドで吸収器10内の吸収溶液Sを再生器30へ及び蒸発器20内の冷媒液Vfを凝縮器40へそれぞれ搬送可能に構成されている。
再生器30の濃溶液Saが貯留される部分と吸収器10の濃溶液散布ノズル13とは、濃溶液Saを圧送する溶液ポンプ35pが配設された濃溶液ラインとしての濃溶液管35で接続されている。吸収器10の希溶液Swが貯留される部分と希溶液散布ノズル32とは、希溶液Swを流す希溶液管36で接続されている。濃溶液管35及び希溶液管36には、濃溶液Saと希溶液Swとの間で熱交換を行わせる溶液熱交換器38が配設されている。凝縮器40の冷媒液Vfが貯留される部分と蒸発器20の冷媒液散布ノズル22とは、冷媒液Vfを圧送する冷媒ポンプ46が配設された冷媒液ラインとしての冷媒液管45で接続されている。蒸発器20の冷媒液Vfが蒸発せずに貯留される部分と凝縮器40とは、冷媒液散布ノズル22から散布されて蒸発しなかった冷媒液Vfを凝縮器40に戻す冷媒液管25で接続されている。冷媒液管25及び冷媒液管45には、それぞれの管25、45を流れる冷媒液Vf同士で熱交換を行わせる冷媒熱交換器48が配設されている。蒸発器20内を流れた熱源温水h2が導出される熱源管21の導出口と、再生器30へ熱源温水1が導入される熱源管31の導入口とは、熱源温水hを流す熱源温水連絡管51で接続されている。本実施の形態では、蒸発器20内を流れた熱源温水h2が再生器30へ供給される構成になっている。
吸収ヒートポンプ1は、吸収器10のチューブ12を流れて加熱された被加熱媒体Wを導入し、被加熱媒体蒸気Wvと被加熱媒体液Wqとを分離する気液分離器80をさらに備えている。被加熱媒体Wは、吸収器10に供給される液体の被加熱媒体Wである被加熱媒体液Wq、気体の被加熱媒体である被加熱媒体蒸気Wv、液体と気体とが混合した状態の被加熱媒体である混合被加熱媒体Wm、吸収ヒートポンプ1外から補充された被加熱媒体である補給液体としての補給水Wsの総称である。本実施の形態では、被加熱媒体Wとして水(HO)が用いられている。
気液分離器80と吸収器10とは、被加熱媒体液Wqをチューブ12に導く被加熱媒体液管82及び加熱された被加熱媒体Wを気液分離器80に導く加熱後被加熱媒体管84で接続されている。被加熱媒体液管82には、被加熱媒体液Wqをチューブ12に向けて圧送する被加熱媒体ポンプとしての液体供給ポンプ83が配設されている。また、気液分離器80には、分離された被加熱媒体蒸気Wvを吸収ヒートポンプ1の外に導く被加熱媒体蒸気管89が接続されている。また、主に蒸気として吸収ヒートポンプ1の外に供給された分の被加熱媒体Wを補うための補給水Wsを吸収ヒートポンプ1の外から導入する補給水管85が設けられている。補給水管85は、液体供給ポンプ83より上流側の被加熱媒体液管82に接続されている。補給水管85には、被加熱媒体液管82に向けて補給水Wsを圧送する補給水ポンプ86が配設されている。
被加熱媒体蒸気管89は、蒸気ヘッダ91に接続されている。これにより、気液分離器80から導出された被加熱媒体蒸気Wvを蒸気ヘッダ91に供給することができるように構成されている。また、蒸気ヘッダ91は、吸収ヒートポンプ1の外に設けられている外部ボイラ93と外部蒸気管94を介して接続されており、外部ボイラ93で発生した蒸気の供給を受けることができるように構成されている。また、蒸気ヘッダ91には、吸収ヒートポンプ1及び外部ボイラ93から供給された蒸気をユースポイント(蒸気が利用される場所)に供給する蒸気供給管96が接続されている。蒸気供給管96は、ユースポイントの状況に応じて複数本が蒸気ヘッダ91に接続されていてもよい。さらに蒸気ヘッダ91には、蒸気ヘッダ91から導出された高温流体としての外部蒸気Fを蒸発器20の熱源管21に導く蒸気アシスト管61が接続されている。吸収ヒートポンプ1は、蒸気アシスト管61を介して蒸気ヘッダ91の外部蒸気Fを熱源温水h2に混合させることで、熱源温水h2のエンタルピを増大させると共に熱源温水h2の温度を上昇させることができるように構成されている。このことから分かるように、蒸気アシスト管61はエンタルピ増大手段を構成する。蒸気アシスト管61には、内部を通過する蒸気の流れを遮断するアシスト遮断弁61vが挿入配置されている。
吸収ヒートポンプ1は制御装置50をさらに備えている。制御装置50は、吸収ヒートポンプ1の運転のための各ポンプ35p、46、83、86や弁類を制御する機器である。また、制御装置50は、アシスト遮断弁61vと信号ケーブルで電気的に接続されており、アシスト遮断弁61vの開閉を制御することができるように構成されている。吸収ヒートポンプ1は、運転中における負荷変動時の熱源温水h2への加熱を円滑に行う観点から、図1に示すように熱源管21に流入する熱源温水h2の温度を検出する温度センサ58を備えていることが好ましい。温度センサ58は、蒸気アシスト管61の接続部よりも下流側に設けられており、制御装置50と信号ケーブルで電気的に接続されて検出した熱源温水h2の温度を信号として制御装置50に送信できるように構成されている。
引き続き図2のデューリング線図を図1と併せて参照して、吸収ヒートポンプ1の作用を説明する。図2のデューリング線図は、縦軸に冷媒V(本実施の形態では水)の露点温度を、横軸に溶液S(本実施の形態ではLiBr水溶液)の温度をとっている。右上がりの線は溶液Sの等濃度線を表し、右に行くほど高濃度、左に行くほど低濃度となり、図中の露点温度0℃を通る右上がりの線は溶液濃度0%(すなわち冷媒のみ)の線である。なお、縦軸が示す露点温度は飽和圧力と対応関係にあるため、冷媒蒸気Ve、Vgが飽和蒸気である本実施の形態のヒートポンプサイクルでは、縦軸は主要構成部材10、20、30、40の内部圧力を表していると見ることもできる。
まず、冷媒側のサイクルを説明する。凝縮器40では、再生器30で蒸発した再生器冷媒蒸気Vgを受け入れて、冷却水管41を流れる冷却水cで冷却して凝縮し、冷媒液Vfとする(v1)。凝縮した冷媒液Vfは、冷媒ポンプ46で蒸発器20の冷媒液散布ノズル22に送られる。冷媒液散布ノズル22に送られた冷媒液Vfは、熱源管21に向けて散布され、熱源管21内を流れる熱源温水h2によって加熱され、蒸発して蒸発器冷媒蒸気Veとなる(v2)。蒸発器20で発生した蒸発器冷媒蒸気Veは、蒸発器20と連通する吸収器10へと移動する。
次に溶液側のサイクルを説明する。吸収器10では、濃溶液Saが濃溶液散布ノズル13から散布され、この散布された濃溶液Saが蒸発器20から移動してきた蒸発器冷媒蒸気Veを吸収する。蒸発器冷媒蒸気Veを吸収した濃溶液Saは、濃度が低下して希溶液Swとなる(j〜k)。吸収器10では、濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収する際に吸収熱が発生する。この吸収熱により、チューブ12を流れる被加熱媒体Wが加熱される。ここで、溶液側のサイクルの説明から一旦離れて、被加熱媒体蒸気Wvを取り出すための気液分離器80まわりの作用について説明する。
気液分離器80の下部には被加熱媒体液Wqが貯留されている。気液分離器80の下部に貯留されている被加熱媒体液Wqは、被加熱媒体ポンプ83で吸収器10のチューブ12に送られる。チューブ12に送られる被加熱媒体液Wqには、補給水Wsが系外から補給水ポンプ86で圧送されて補給水管85を介して適宜混合される。チューブ12に送られた被加熱媒体液Wqは、吸収器10における上述の吸収熱により加熱される。チューブ12で加熱された被加熱媒体液Wqは、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして、あるいは温度が上昇した被加熱媒体液Wqとして、気液分離器80に向けて加熱後被加熱媒体管84を流れる。加熱後被加熱媒体管84を、温度が上昇した被加熱媒体液Wqが流れる場合、被加熱媒体液Wqは、気液分離器80に導入される際に減圧され、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして気液分離器80に導入される。気液分離器80に導入された混合被加熱媒体Wmは、被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが分離される。分離された被加熱媒体液Wqは、気液分離器80の下部に貯留され、再び吸収器10のチューブ12に送られる。他方、分離された被加熱媒体蒸気Wvは、被加熱媒体蒸気供給管89に導出され、蒸気ヘッダ91を介してユースポイントに供給される。なお、蒸気アシスト管61のアシスト遮断弁61vは、定常時は閉となっており熱源管21に外部蒸気Fが供給されないようになっている。
再び吸収ヒートポンプ1の溶液側のサイクルの説明に戻る。吸収器10で蒸発器冷媒蒸気Veを吸収した濃溶液Saは、濃度が低下して希溶液Swとなり、吸収器10の下部に貯留される。貯留された希溶液Swは、重力及び吸収器10と再生器30との内圧の差により再生器30に向かって希溶液管36を流れ、溶液熱交換器38で濃溶液Saと熱交換して温度が低下して(k〜m)、再生器30に至る。希溶液Swは、溶液熱交換器38を出て再生器30に入る際に圧力(露点温度)が下がり、希溶液Sw中の冷媒Vの一部が蒸発するのに伴い温度が低下する(m〜n)。
再生器30に送られた希溶液Swは、希溶液散布ノズル32から散布され、熱源管31を流れる熱源温水h1(本実施の形態では蒸発器20から導出された熱源温水h2が熱源温水連絡管51を介して熱源管31に導入される)によって加熱され、散布された希溶液Sw中の冷媒が蒸発して濃溶液Saとなり(n〜p)、再生器30の下部に貯留される。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒Vは再生器冷媒蒸気Vgとして凝縮器40へと移動する。再生器30の下部に貯留された濃溶液Saは、溶液ポンプ35pにより、濃溶液管35を介して吸収器10の濃溶液散布ノズル13に圧送される。濃溶液管35を流れる濃溶液Saは、溶液熱交換器38で希溶液Swと熱交換して温度が上昇してから吸収器10に流入し(p〜q)、濃溶液散布ノズル13から散布される。濃溶液Saは、溶液ポンプ35pで昇圧されて吸収器10に入り、吸収器10内で蒸発器冷媒蒸気Veを吸収することに伴い温度が上昇する(q〜j)。吸収器10に戻った濃溶液Saは蒸発器冷媒蒸気Veを吸収し、以降、同様のサイクルを繰り返す。なお、図2に示すデューリング線図は、吸収ヒートポンプ1の定常運転時のサイクルを示しており、吸収ヒートポンプ1の停止時は吸収溶液Sの結晶防止のため吸収溶液Sは希釈されている。
上記のような吸収溶液S及び冷媒Vのサイクルを行う吸収ヒートポンプ1は、熱源温水h2として、各種工場等のプロセスから排出される熱のうち比較的環境温度に近い低温(例えば80℃程度)の熱として排出される排温水が利用可能である。つまり、吸収ヒートポンプ1は、熱源として低質な排温水から利用価値の高い高温の蒸気を発生させることができる第2種吸収ヒートポンプとして構成されている。吸収ヒートポンプ1は、熱源温水h(h1、h2)を熱源として、上述の吸収ヒートポンプサイクルが駆動する熱駆動サイクルであるため、起動時や負荷変動時には応答に時間遅れが生じる。特に熱源温水h(h1、h2)として各種工場等のプロセスから排出される排温水を用いる場合は、排温水が保有する熱量ひいては排温水の温度が変動しうるため、応答に時間がかかる傾向にある。
そこで、吸収ヒートポンプ1は、起動時や負荷変動時等の熱源温水h2の保有熱量が、適切な吸収ヒートポンプサイクルの作動に対して不足するときに、アシスト遮断弁61vを開にして外部蒸気Fを熱源温水h2に混合させる。すると、熱源温水h2のエンタルピが増大し、吸収ヒートポンプ1の応答を早めることができる。制御装置50は、吸収ヒートポンプ1を起動する信号を外部から受信すると、アシスト遮断弁61vを開にして熱源管21に外部蒸気Fを供給し、定常運転へ円滑に移行可能な程度の濃度の差が吸収ヒートポンプサイクルにおける吸収溶液Sに認められることを冷媒Vの蒸気の圧力の上昇や溶液Sの温度の上昇等により検出したら、アシスト遮断弁61vを閉にする。定常運転を行っている際、制御装置50は、温度センサ58から随時温度信号を受信し、温度センサ58が検出した温度が、適切な吸収ヒートポンプサイクルの作動を行うことができる熱源温水h2の保有熱量に相当する所定の温度よりも低くなったときに、アシスト遮断弁61vを開にして熱源管21に外部蒸気Fを供給し、所定の温度以上になったときにアシスト遮断弁61vを閉にする。なお、典型的には、蒸気ヘッダ91に供給される蒸気は、吸収ヒートポンプ1及び外部ボイラ93の台数制御により生成され、吸収ヒートポンプ1が起動される際には外部ボイラ93において蒸気の生成が行われている。
以上の説明では、蒸気アシスト管61を熱源管21に接続して外部蒸気Fを熱源温水h2に混合させることとしたが、熱源管21に導入される熱源温水h2と蒸気アシスト管61を流れる外部蒸気Fとで熱交換を行わせる熱交換器を設け、外部蒸気Fとの熱交換により熱源温水h2のエンタルピを増大させて温度を上昇させることとしてもよい。また、エンタルピを増大させる流体は、熱源温水h2以外の以下に説明する流体としてもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプ1Aの模式的系統図である。吸収ヒートポンプ1Aの、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と異なる点は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)が備えていた蒸気アシスト管61(図1参照)に代えて、外部蒸気取出管62及び外部蒸気管65が蒸気ヘッダ91に接続されている点、さらに外部蒸気導入管63、外部蒸気管64、溶液加熱熱交換器66、冷媒加熱熱交換器68を備えている点である。外部蒸気導入管63は、外部蒸気取出管62を流れてきた外部蒸気Fを被加熱媒体液管82に導入する部材である。外部蒸気導入管63には、外部蒸気Fの流通を遮断する蒸気遮断弁63vが挿入配置されている。外部蒸気管64は、溶液加熱熱交換器66に対して流入出する外部蒸気Fを流す部材である。溶液加熱熱交換器66は、吸収器10に導入される濃溶液Saと外部蒸気Fとの間で熱交換器を行わせる機器であり、溶液熱交換器38よりも下流側の濃溶液管35と外部蒸気管64とに挿入配置されている。外部蒸気管64には、外部蒸気Fの流通を遮断する蒸気遮断弁64vが挿入配置されている。外部蒸気管65は、冷媒加熱熱交換器68に対して流入出する外部蒸気Fを流す部材である。冷媒加熱熱交換器68は、蒸発器20に導入される冷媒液Vfと外部蒸気Fとの間で熱交換器を行わせる機器であり、冷媒熱交換器48よりも下流側の冷媒液管45と外部蒸気管65とに挿入配置されている。外部蒸気管65には、外部蒸気Fの流通を遮断する蒸気遮断弁65vが挿入配置されている。吸収ヒートポンプ1Aの、上記以外の構成並びに吸収溶液S及び冷媒Vのサイクル(ヒートポンプサイクル)は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と同様である。
上述のように構成された吸収ヒートポンプ1Aは、定常時は、蒸気遮断弁63v、64v、65vがそれぞれ閉となり、被加熱媒体液管82、溶液加熱熱交換器66、冷媒加熱熱交換器68のそれぞれに外部蒸気Fが供給されないようになっている。他方、起動時や負荷変動時には、適時、蒸気遮断弁63v、64v、65vの1つ以上を開にする。蒸気遮断弁63vを開にした場合は、蒸気ヘッダ91内の外部蒸気Fが、外部蒸気取出管62を介して外部蒸気導入管63を流れ、被加熱媒体液管82に流入する。被加熱媒体液管82に流入した外部蒸気Fは被加熱媒体液Wqと混合し、被加熱媒体液Wqの温度及びエンタルピを増大させる。ここで、温度及びエンタルピが増大した被加熱媒体液Wqが吸収器10内の吸収溶液Sよりも温度が高い場合は、被加熱媒体液Wqがチューブ12を流れることで、吸収器10内の吸収溶液Sのエンタルピを増大させると共に温度を上昇させることができ、吸収ヒートポンプ1Aの応答を早めることができる。
また、蒸気遮断弁64vを開にした場合は、蒸気ヘッダ91内の外部蒸気Fが、外部蒸気取出管62を介して外部蒸気管64を流れ、溶液加熱熱交換器66に流入する。溶液加熱熱交換器66に流入した外部蒸気Fは、濃溶液管35を流れる濃溶液Saと熱交換して濃溶液Saのエンタルピを増大させると共に温度を上昇させ、これにより吸収ヒートポンプ1Aの応答を早めることができる。また、蒸気遮断弁65vを開にした場合は、蒸気ヘッダ91内の外部蒸気Fが、外部蒸気管65を流れて冷媒加熱熱交換器68に流入する。冷媒加熱熱交換器68に流入した外部蒸気Fは、冷媒液管45を流れる冷媒液Vfと熱交換して冷媒液Vfのエンタルピを増大させると共に温度を上昇させ、これにより吸収ヒートポンプ1Aの応答を早めることができる。
以上から分かるように、外部蒸気取出管62、外部蒸気導入管63、外部蒸気管64、外部蒸気管65、溶液加熱熱交換器66、冷媒加熱熱交換器68は、エンタルピ増大手段を構成する。なお、蒸気遮断弁63v、64v、65vの開閉制御は、典型的には吸収ヒートポンプ1Aの運転を制御する制御装置50により行われる。本実施の形態では、外部蒸気導入管63を被加熱媒体液管82に接続して外部蒸気Fを被加熱媒体液Wqに混合させることとしたが、チューブ12に導入される被加熱媒体液Wqと外部蒸気Fとで熱交換を行わせる熱交換器を設け、外部蒸気Fとの熱交換により被加熱媒体液Wqのエンタルピを増大させて温度を上昇させることとしてもよい。また、吸収ヒートポンプ1Aが備えるエンタルピ増大手段62、63、64、65、66、68を吸収ヒートポンプ1(図1参照)に重畳的に適用して、複数のエンタルピ増大手段から適切なものを適宜選択して作動させてもよい。また、吸収ヒートポンプ1Aは、説明の便宜上、複数のエンタルピ増大手段62、63、64、65、66、68を備えることとしたが、状況により、エンタルピを増大させたい流体にかかわらない構成については適宜省略してもよい。
次に図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2を説明する。図4は、吸収ヒートポンプ2の模式的系統図である。吸収ヒートポンプ2の、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と異なる点は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)が備えていた蒸気アシスト管61(図1参照)に代えて、蒸気ヘッダ91の外部蒸気Fを被加熱媒体液管82に導く蒸気媒体管71が設けられている点、さらに吸収器10の気相部と凝縮器40とを連通する連通管72を備えている点である。蒸気媒体管71は、蒸気ヘッダ91と被加熱媒体液管82とに接続されている。蒸気媒体管71には、外部蒸気Fの流通を遮断する媒体遮断弁71vが挿入配置されている。連通管72は、吸収器10側ではチューブ12の上端と濃溶液散布ノズル13との間の高さで吸収器10に接続されていることが好ましく、凝縮器40側では冷却水管41の上端よりも上方で凝縮器40に接続されていることが好ましい。連通管72には、流路を遮断可能な連通遮断弁72vが挿入配置されている。また、被加熱媒体蒸気管89には、被加熱媒体蒸気Wvの流通を遮断する被加熱媒体蒸気遮断弁89vが挿入配置されている。各弁71v、72v、89vの開閉制御は、典型的には吸収ヒートポンプ2の運転を制御する制御装置50により行われる。
上述のように構成された吸収ヒートポンプ2は、起動時に媒体遮断弁71vを開にし、被加熱媒体蒸気遮断弁89vを閉にして、蒸気ヘッダ91の外部蒸気Fを被加熱媒体液管82に導入する。これにより、被加熱媒体液管82からチューブ12に流れる被加熱媒体Wを、吸収器10内の吸収溶液Sに含まれる冷媒Vの飽和温度を超える温度に加熱する。他方、濃溶液散布ノズル13からは吸収溶液Sを散布する。なお、起動直後に濃溶液散布ノズル13から散布されるのは、濃溶液Saよりも濃度が低い、前回の停止時に希釈された吸収溶液Sとなっている。このとき、外部蒸気Fによって加熱された被加熱媒体Wがチューブ12を流れると、濃溶液散布ノズル13から散布された吸収溶液Sがチューブ12内の被加熱媒体Wによって加熱され、吸収溶液S内に含まれる冷媒Vが蒸発し、吸収溶液Sの濃度が上昇する。このように、起動時に吸収器10を再生器的に利用することにより、吸収器10で吸収溶液Sを濃縮することができ、吸収溶液Sを定常運転時の濃度分布にするのが早まるため、起動から定常運転の状態に至るまでの時間を短縮することができる。濃溶液散布ノズル13から散布された吸収溶液Sから蒸発した冷媒Vは、連通管72を介して凝縮器40に導かれる。吸収ヒートポンプ2では、蒸気媒体管71を流れた外部蒸気Fを被加熱媒体Wに混合させ、温度及び熱量が上昇した被加熱媒体Wをチューブ12に流すことで、吸収器10内の吸収溶液Sに外部蒸気Fの熱を間接的に与えている。つまり、蒸気媒体管71は、吸収溶液受熱手段を構成する。
以上の吸収ヒートポンプ2の説明では、蒸気媒体管71を被加熱媒体液管82に接続して外部蒸気Fを被加熱媒体Wに混合させることとしたが、被加熱媒体液管82を流れる被加熱媒体Wと蒸気媒体管71を流れる外部蒸気Fとで熱交換を行わせる熱交換器を設け、外部蒸気Fとの熱交換により被加熱媒体Wのエンタルピ及び温度を上昇させ、次いで吸収器10内の吸収溶液Sのエンタルピ及び温度を上昇させることとしてもよい。また、以上の吸収ヒートポンプ2の説明では、連通管72を設け、吸収器10で吸収溶液Sから蒸発した冷媒Vを連通管72を介して凝縮器40に導くこととしたが、以下のように構成してもよい。
図5は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプ2Aの模式的系統図である。吸収ヒートポンプ2Aの、吸収ヒートポンプ2(図4参照)と異なる点は、吸収ヒートポンプ2(図4参照)が備えていた蒸気媒体管71(図4参照)を省略した点、及び吸収ヒートポンプ2(図4参照)が備えていた連通管72(図4参照)に代えて、凝縮器40に供給される冷却水cの一部を蒸発器20の熱源管21に供給できる構成とした点である。以下にかかる相違点を説明する。凝縮器40内の冷却水管41に冷却水cを導入する冷却水導入管41aに、冷却水管41に導入する冷却水cの流量を調整する流量調整弁41vが挿入配置されている。流量調整弁41vよりも上流側の冷却水導入管41aに、冷却水cの一部を分岐する冷却水分岐管54の一端が接続されている。冷却水分岐管54の他端は、熱源温水連絡管51に接続されている。冷却水分岐管54には、冷却水cの流れを遮断する分岐遮断弁54vが挿入配置されている。冷却水分岐管54との接続部よりも再生器30側の熱源温水連絡管51には、流路を遮断する連絡遮断弁51vが挿入配置されている。
また、蒸発器20内の熱源管21に熱源温水hを導入する熱源導入管21aに、熱源温水hの流通を遮断する熱源流体遮断弁としての熱源遮断弁21vが挿入配置されている。熱源遮断弁21vよりも熱源温水hの流れ方向上流側の熱源導入管21aには、熱源温水hを蒸発器20をバイパスして熱源温水連絡管51に導く熱源バイパス管52の一端が接続されている。熱源バイパス管52の他端は、連絡遮断弁51vよりも下流側の熱源温水連絡管51に接続されている。熱源バイパス管52には、流路を遮断する熱源バイパス遮断弁52vが挿入配置されている。熱源遮断弁21vよりも熱源温水hの流れ方向下流側の熱源導入管21aには、冷却水合流管55の一端が接続されている。冷却水合流管55の他端は、凝縮器40内の冷却水管41から導出された冷却水cを流す冷却水導出管41bに接続されている。冷却水合流管55は、熱源管21に冷却水cが流れた場合に、その熱源管21を流れた冷却水cを冷却水導出管41bに還す部材である。冷却水合流管55には、流路を遮断する合流遮断弁55vが挿入配置されている。なお、定常運転時に被加熱媒体Wが蒸発することに伴う被加熱媒体Wの濃縮度を制限する観点から、適時に被加熱媒体液Wqの一部をブローするブロー管88が被加熱媒体液管82に接続されている。ブロー管88は、典型的には前述の説明では省略した図1、3、4に示す吸収ヒートポンプ1、1A、2にも同様に設けられている。吸収ヒートポンプ2Aの、上記以外の構成並びに吸収溶液S及び冷媒Vのサイクル(ヒートポンプサイクル)は、吸収ヒートポンプ2(図4参照)と同様である。
上述のように構成された吸収ヒートポンプ2Aは、起動時に、被加熱媒体蒸気遮断弁89vを開にする。すると、起動時は、被加熱媒体Wの系統(気液分離器80、被加熱媒体液管82、加熱後被加熱媒体管84)の圧力が上昇していないため、外部蒸気Fが、蒸気ヘッダ91から被加熱媒体蒸気管89を介して気液分離器80内に流入し、さらに加熱後被加熱媒体管84を介してチューブ12に流入する。このとき、チューブ12に流入する外部蒸気Fは、吸収器10内の吸収溶液Sに含まれる冷媒Vの飽和温度を超える温度になっている。他方、濃溶液散布ノズル13からは吸収溶液S(前回の停止時に希釈されたもので濃溶液Saよりも濃度が低い)を散布する。このとき、外部蒸気Fがチューブ12を流れていると、濃溶液散布ノズル13から散布された吸収溶液Sがチューブ12内の外部蒸気Fによって加熱されてエンタルピが増大し、吸収溶液S内に含まれる冷媒Vが蒸発して、吸収溶液Sの濃度が上昇する(吸収器10の再生器的利用)。吸収溶液Sに熱を与えたことによって自身は熱を奪われた外部蒸気Fは、凝縮し、次にチューブ12に流入してくる外部蒸気Fの圧力で被加熱媒体液管82を介してブロー管88に導かれ、系外に排出される。このように、吸収ヒートポンプ2Aでは、被加熱媒体蒸気遮断弁89vを開けることにより、被加熱媒体蒸気管89及び加熱後被加熱媒体管84を介して外部蒸気Fをチューブ12に流すことで、吸収器10内の吸収溶液Sに外部蒸気Fの熱を与えている。つまり、被加熱媒体蒸気管89及び加熱後被加熱媒体管84は、吸収溶液受熱手段を構成する。なお、吸収ヒートポンプ2Aにおける吸収溶液受熱手段を吸収ヒートポンプ2(図4参照)と同様に蒸気媒体管71(図4参照)で構成してもよく、逆に吸収ヒートポンプ2(図4参照)における吸収溶液受熱手段を吸収ヒートポンプ2Aと同様に被加熱媒体蒸気管89及び加熱後被加熱媒体管84で構成してもよい。
そして、上記のように吸収溶液Sのエンタルピを増大させたときに、熱源遮断弁21v及び連絡遮断弁51vを閉にし、熱源バイパス遮断弁52v、分岐遮断弁54v、合流遮断弁55vを開にして、冷却水管41及び熱源管21に冷却水cが並行して流れるように流量調整弁41vの開度を調節する。濃溶液散布ノズル13から散布された吸収溶液Sから蒸発した冷媒Vは、蒸発器20に移動して、熱源管21を流れる冷却水cにより冷却されて凝縮する。このように、吸収ヒートポンプ2Aでは、起動時に蒸発器20を凝縮器的に利用する構成となっている。吸収ヒートポンプ2Aでは、起動時に、吸収器10を再生器的に利用しつつ蒸発器20を凝縮器的に利用することで、吸収溶液Sを定常運転時の濃度分布にするのが早まるため、起動から定常運転の状態に至るまでの時間を短縮することができる。なお、定常運転時には、熱源遮断弁21v及び連絡遮断弁51vを開に、熱源バイパス遮断弁52v、分岐遮断弁54v、合流遮断弁55vを閉にし、流量調整弁41vを全開にすることで、冷却水cを冷却水管41に流し、熱源温水hを熱源管21、熱源温水連絡管51、熱源管31の順に流すこととしている。なお、各弁の開閉制御は、典型的には吸収ヒートポンプ2Aの運転を制御する制御装置50により行われる。
以上の説明では、便宜上、図示と併せて単段昇温型の吸収ヒートポンプを例にしたが、多段昇温型の吸収ヒートポンプにも適用できる。また、気液分離器80から導出される被加熱媒体蒸気Wvと、外部ボイラ93から導出される蒸気とが同じ蒸気ヘッダ91に導入することとしたが、異なるヘッダに導入することとしてもよい。
1、1A、2、2A 吸収ヒートポンプ
10 吸収器
12 チューブ
20 蒸発器
21 熱源管
30 再生器
31 熱源管
35 濃溶液管
40 凝縮器
45 冷媒液管
61 蒸気アシスト管
71 蒸気媒体管
72 連通管
72v 連通遮断弁
F 外部蒸気
h1 熱源温水
h2 熱源温水
S 吸収溶液
Sa 濃溶液
Sw 希溶液
Ve 蒸発器冷媒蒸気
Vg 再生器冷媒蒸気
Vf 冷媒液
W 被加熱媒体

Claims (3)

  1. 内部に被加熱媒体を流す被加熱媒体管を有し、前記被加熱媒体管の外側に存在する吸収溶液が冷媒蒸気を吸収して濃度が低下した希溶液となる際に発生する吸収熱で前記被加熱媒体管内を流れる被加熱媒体を加熱する吸収器と;
    内部に第1の熱源流体を流す第1の熱源流体管を有し、前記希溶液を導入し前記第1の熱源流体管内の第1の熱源流体で加熱して、導入した前記希溶液から冷媒を蒸発させて濃度が上昇した濃溶液を生成する再生器と;
    前記濃溶液を前記再生器から前記吸収器に導く濃溶液ラインと;
    前記再生器で発生した冷媒蒸気を導入し冷却し凝縮させる凝縮器と;
    内部に第2の熱源流体を流す第2の熱源流体管を有し、冷媒液を導入し前記第2の熱源流体管内の第2の熱源流体で加熱して、導入した前記冷媒液を蒸発させて前記吸収器に供給する冷媒蒸気を生成する蒸発器と;
    前記冷媒液を前記凝縮器から前記蒸発器に導く冷媒液ラインと;
    前記再生器に導入される第1の熱源流体、前記蒸発器に導入される第2の熱源流体、前記吸収器内の吸収溶液、前記濃溶液ラインを流れる濃溶液、及び前記冷媒液ラインを流れる冷媒液のいずれか1つの流体よりも温度が高い高温流体を外部から導入し、前記再生器に導入される第1の熱源流体、前記蒸発器に導入される第2の熱源流体、前記吸収器内の吸収溶液、前記濃溶液ラインを流れる濃溶液、及び前記冷媒液ラインを流れる冷媒液のうち前記高温流体よりも温度が低い少なくとも1つの流体のエンタルピを増大させるエンタルピ増大手段とを備える;
    吸収ヒートポンプ。
  2. 前記エンタルピ増大手段が、前記高温流体の熱を前記吸収器内の吸収溶液に直接的又は間接的に与える吸収溶液受熱手段を含んで構成され;
    前記吸収器の気相部と前記凝縮器とを連通する連通管であって、流路を遮断可能な連通遮断弁が配設された連通管をさらに備え;
    前記吸収器内の吸収溶液のエンタルピを増大させたときに、前記連通遮断弁を開け、前記吸収器内の吸収溶液から冷媒を蒸発させて該蒸発した冷媒を前記凝縮器に導く;
    請求項1に記載の吸収ヒートポンプ。
  3. 前記エンタルピ増大手段が、前記高温流体の熱を前記吸収器内の吸収溶液に直接的又は間接的に与える吸収溶液受熱手段を含んで構成され;
    前記凝縮器が、導入した前記冷媒蒸気から熱を奪う冷却水を流す冷却水管を内部に有し;
    前記冷却水管に導入される冷却水の一部を前記第2の熱源流体管に導く冷却水分岐管であって、流路を遮断可能な分岐遮断弁が配設された冷却水分岐管と;
    前記第2の熱源流体管への第2の熱源流体の導入を遮断する熱源流体遮断弁とをさらに備え;
    前記吸収器内の吸収溶液のエンタルピを増大させたときに、前記分岐遮断弁を開けて前記熱源流体遮断弁を閉じることにより前記冷却水を前記第2の熱源流体管に導入させ、前記吸収器内の吸収溶液から冷媒を蒸発させて該蒸発した冷媒を前記蒸発器で凝縮させる;
    請求項1に記載の吸収ヒートポンプ。
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