JP2010254539A - 多結晶シリコン製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応容器2内に配置したカーボン製芯材16を通電加熱し、その表面に原料ガスの反応により多結晶シリコンSを析出させる多結晶シリコン製造装置であって、芯材16は、断面が扁平に形成されるとともに、多結晶シリコンSを析出させる平面が上下方向に沿って配置され、芯材16の下方に、芯材16から落下する多結晶シリコンSを受け取る受け取り手段が設けられ、受け取り手段には反応容器2と隔離可能な多結晶シリコン搬出用チャンバ4が設けられている。
【選択図】 図1
Description
また、種棒となる多結晶シリコンに不純物をドープし、通電を行い、ジュール熱を得ているが、種棒全体にドーパント濃度を均一にすることは技術的困難を伴い、ドーパント濃度が不均一な種棒を使った場合は、表面温度が、不均一になるという問題もある。
一方、特許文献2記載の発明では、バッチ処理により、ヒーターによる中空体の加熱と、窒素パージによる冷却とを繰り返すものであるために、中空体冷却後の加熱昇温などの余分な電力を使用することになり、多結晶シリコンの生産量に対して、単位重量当たりの使用電力量(電力原単位)が多く、コスト高となる傾向にある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、生産性を向上させてコスト低減を図った多結晶シリコン製造装置を提供することを目的とする。
また、芯材をカーボンにより構成し、これを通電加熱しており、他の熱源は不要である。
そして、この芯材を通電加熱状態としておくことにより、多結晶シリコンの析出と剥離とが繰り返され、連続的な生産が可能であるとともに、電力消費に無駄が少ない。
芯材を平板にしたことにより、多結晶シリコンを析出させる平面を簡単に配置することができる。
芯材の中間部分においては多結晶シリコンの析出厚さを周方向に不均一とするため断面扁平とされるが、両端部は細幅部により断面が小さくかつ扁平度も小さくなり、その分、中間部分よりも高温になって多結晶シリコンが厚肉で断面円形に近い形で析出し、強度的にも強くなって折れにくくなり、長期的使用を可能にする。
図1から図5は第1実施形態を示している。この第1実施形態の多結晶シリコン製造装置1は、図1及び図2に示すように、多結晶シリコンSが析出される反応容器2と、該反応容器2の下部の前後に連結された一対のチャンバ3,4と、これら反応容器2と両チャンバ3,4との間を開閉するバルブ5及び両チャンバ3,4の搬出入口6を開閉するバルブ7とを備えている。
反応容器2は、床上に設置された搬送用のトンネル部8と、このトンネル部8の長さ方向の途中位置から上方に向けて延びる筒状の直胴部9と、この直胴部9の上端に横向きに配置された胴体部10とが一体に連結された構成とされている。
なお、シリコンへの汚染防止のため、レール11は石英により形成され、トレイ12はカーボンによって形成される。
芯材16は、図3及び図4に示すように、全体として帯状の平板によって形成されており、その両端部には、先端に向かうにしたがって漸次幅を減少させてなる細幅部17が形成されている。
芯材ホルダ15は、芯材16の細幅部17の先端を保持しており、この細幅部17を下方から支持する受け部18が一体に形成されている。そして、この芯材ホルダ15に芯材16の両端部が保持されることにより、各芯材16は、胴体部10内に、それぞれが水平方向に沿い、かつ横に並んだ状態に相互に平行に保持され、この状態で各芯材16の表裏の平面19が上下方向に沿って配置される。
なお、芯材16の熱膨張を許容するために、芯材ホルダ15は、芯材16の両端方向等に空間を確保しかつ芯材16がわずかに移動できる状態で芯材16を保持するようになっている。
なお、胴体部10には、原料ガス供給管22、排ガス管23及びメンテナンス時等に内部を不活性ガス等により置換するためのガス供給管24及びガス排出管25が接続されている。また、両チャンバ3,4にも、不活性ガス供給系及び水素ガス供給系に択一的に接続されるガス供給管26と、内部のガスを排出するガス排出管27とがそれぞれ設けられている。これら各配管は弁28により開閉される。
また、胴体部10の側部には、反応容器2の電極部14や芯材16などの解体・組立作業ができるように開閉自在な扉29が設けられ、その扉29には、内部を観察可能な覗き窓29aが設けられる。
なお、図5に示すように、電極部14は、胴体部10の壁を貫通する金属管31と、この金属管31の先端に固定される筒状の支持ブラケット部32とから構成されており、胴体部10の壁との貫通部には、金属管31の周囲を囲むように絶縁材33が設けられている。また、金属管31及び支持ブラケット部32の内部には仕切り壁34が設けられており、この仕切り壁34により、矢印で示すように金属管31の片側半分の空間から支持ブラケット32内を周回して再び金属管31の他側の空間に流通させるように冷却水を循環する冷却流路35が形成されている。芯材ホルダ15は、その端部におねじ部が形成されており、支持ブラケット部32の内周部のめねじ部に螺合され、ナット部材36によって固定されるようになっている。
また、反応容器2の壁や扉29、トンネル部8、直胴部9はジャケット構造とされ、内部に冷却水が流通される。図5の符号37は反応容器2の壁に形成した冷却流路を示す。
まず、直胴部9の下方のトンネル部8内のレール11上に空のトレイ12を配置しておく。また、次のトレイ12をトンネル部8内及び入口側のチャンバ3内にそれぞれ用意しておく。また、反応容器2、トンネル部8、直胴部9、金属管31には、冷却用の冷却水を流通しておく。
そして、反応容器2内の芯材16に電極部14から通電して芯材16を発熱させ、原料ガス供給管22からトリクロロシラン及び水素ガスを含む原料ガスを供給すると、芯材16の上方から原料ガスが芯材16の表面に接触しながら流れる間に、芯材16の表面に多結晶シリコンSを析出する。反応後の排ガスは排ガス管23から外部に排出される。
しかも、芯材16が平板状で、その表裏の平面19が上下方向に沿って配置されているため、その平面19に析出した多結晶シリコンSに自身の重力が平面19に沿う下向きに作用する。
このため、図6に示すように、芯材16の側縁部40の部分で芯材16との界面から多結晶シリコンSにクラックCが生じ、このクラックCが進展して分断された多結晶シリコンSが自身の重力に耐えきれなくなると、塊となって芯材16から剥離して落下する。
多結晶シリコンが均等な厚さの円柱状に析出する場合には、部分的に集中する歪みが発生しにくいが、扁平断面とした芯材16の平面19に析出させるようにしたから、多結晶シリコンSの厚さが芯材16の周方向に均一にならず、歪みが発生し易い状態となり、芯材16からの剥離が容易となるのである。
多結晶シリコンSが剥離した芯材16は、通電加熱された状態であるため、新たな原料ガスが接触して反応することにより、その表面に新たな多結晶シリコンが析出する。そして、前述と同様に芯材16の回りに多結晶シリコンSが成長し、その後芯材16から剥離し、以降、この成長と剥離とを交互に繰り返す。
なお、芯材16からの落下位置にあるガイド板21の上面には耐摩耗性被覆が形成されているので、シリコン落下の衝撃からの損傷を防止することができ、また、汚染物の混入を防止することができる。
この第1実施形態においては、両チャンバ3,4、トンネル部8及びこれらを開閉するバルブ5,7、内部に設置されるコンベア13、レール11並びにトレイ12により、多結晶シリコンを受け取る受け取り手段が構成される。
なお、芯材16の両端部は、細幅部17となっていて抵抗が大きいので、長さ方向の中間部分よりも温度が高くなり、このため、図3及び図4に示すように、多結晶シリコンSが多く析出されて強度が高く、しかも、芯材16の中間部に比べて断面円形に近い形で析出するので、歪みが生じにくく、したがって、折れにくくなり、長期的使用が可能である。
また、この第2実施形態では、反応容器42の下端部にバルブ43を介してチャンバ44が取り付けられているとともに、そのチャンバ44には、途中にメッシュ状の仕切り板45が設けられ、その仕切り板45の上方で多結晶シリコンSの塊を受け、仕切り板45の下方には、多結晶シリコンSとともに反応容器42内に生成されるポリマーを溜めるポリマー受け部46がバルブ47を介して接続されている。また、このポリマー受け部46には、加圧ガス導入管48及びポリマー抜き出し管49が接続され、それぞれ弁50,51により開閉されるようになっている。
その他、第1実施形態と共通部分には同一符号を付して説明を省略する。また、この第2実施形態においても、反応容器42、バルブ43、チャンバ44はジャケット構造とされ、冷却水等で冷却される。
この第2実施形態の場合は、反応容器42の下方のチャンバ44及びバルブ43,7により、多結晶シリコンの受け取り手段が構成される。 反応容器42及びチャンバ44の壁を伝ってたれてくるポリマーは、仕切り板45から下方に流れ落ち、ポリマー受け部46に溜められる。溜まったポリマーは、バルブ47を閉じた状態で、加圧ガス供給管48及びポリマー抜き出し管49の両弁50,51を開放して加圧ガスをポリマー受け部46に供給することにより、ポリマー抜き出し管49から抜き出すことができる。
例えば、芯材を帯状の平板により形成したが、断面が扁平となる形状であれば、必ずしも平板でなくても、扁平な楕円状の断面を有するものとしてもよい。また、その平面は、平坦面だけでなく、若干の凸状又は凹状の曲面となることを妨げない。さらに、その平面は上下方向に沿って配置されれば、必ずしも鉛直方向と平行でなくてもよい。
また、上記実施形態では、芯材から落下する多結晶シリコンの塊をガイド板によって案内したが、第1実施形態では直胴部、第2実施形態では胴体部の下部を下方に向けて縮径するテーパ状に形成することにより、ガイド板を省略してもよい。
また、第2実施形態で示したようなポリマー受け部の機能を第1実施形態にも設けることが可能である。この場合、トンネル部8内において、直胴部9の直下にトレイの走行の障害にならない位置(例えばトレイより下方位置)にポリマー受け部を設ければよい。
また、反応容器の内周面、電極部、芯材ホルダ、トレイ等に汚染防止のためSiCのコーティングを施してもよい。
2 反応容器
3,4 チャンバ
5 バルブ
6 搬出入口
7 バルブ
8 トンネル部
9 直胴部
10 胴体部
11 レール
12 トレイ
13 コンベア
14 電極部
15 芯材ホルダ
16 芯材
17 細幅部
18 受け部
19 平面
21 ガイド板
22 原料ガス供給管
23 排ガス管
24,26 ガス供給管
25,27 ガス排出管
28 弁
29 扉
29a 覗き窓
31 金属管
32 支持ブラケット部
33 絶縁材
34 仕切り壁
35 冷却流路
36 ナット部材
37 冷却流路
40 側縁部
41 多結晶シリコン製造装置
42 反応容器
43 バルブ
44 チャンバ
45 仕切り板
46 ポリマー受け部
47 バルブ
48 加圧ガス導入管
49 ポリマー抜き出し管
50,51 弁
S 多結晶シリコン
C クラック
Claims (3)
- 反応容器内に配置したカーボン製芯材を通電加熱し、その表面に原料ガスの反応により多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコン製造装置であって、
前記芯材は、断面が扁平に形成されるとともに、多結晶シリコンを析出させる平面が上下方向に沿って配置され、前記芯材の下方に、該芯材から落下する多結晶シリコンを受け取る受け取り手段が設けられ、該受け取り手段には前記反応容器と隔離可能な多結晶シリコン搬出用チャンバが設けられていることを特徴とする多結晶シリコン製造装置。 - 前記芯材は平板からなり、前記平面は、その表裏面であることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコン製造装置。
- 前記芯材の両端部が電極部により支持されるとともに、該両端部は、中間部分よりも前記平面の幅の小さい細幅部とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の多結晶シリコン製造装置。
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