JP2010253690A - ディスク成形用金型及びインナスタンパホルダ - Google Patents

ディスク成形用金型及びインナスタンパホルダ Download PDF

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章司 横田
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真 尾池
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Abstract

【課題】ディスクの品質を向上させることができ、ディスク成形用金型の耐久性を向上させることができるようにする。
【解決手段】スプルーブッシュ24と、スプルーブッシュ24の径方向外方に配設され、スプルーブッシュ24を直接包囲して配設され、スタンパ27を保持するためのインナスタンパホルダ14と、インナスタンパホルダ14の径方向外方に配設された鏡面盤とを有する。インナスタンパホルダ14の前端面に、カット部28を形成する環状の切欠59が形成される。インナスタンパホルダ14の内径がカットパンチ48の外径より小さくされる。エアブローブシュ等の独立した部品が配設されないので、インナスタンパホルダ14を薄く形成することなくインナスタンパホルダの外径を小さくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスク成形用金型及びインナスタンパホルダに関するものである。
従来、ディスク基板を成形するための射出成形機においては、加熱シリンダ内において溶融させられた樹脂を、金型装置、すなわち、ディスク成形用金型内のキャビティ空間に充填し、該キャビティ空間内において冷却し、穴開け加工を行うことによってディスク基板を得るようにしている。
前記ディスク成形用金型においては、環状のスタンパが固定側金型装置又は可動側金型装置の円盤プレートに対して着脱自在に配設され、前記スタンパの微細パターンがキャビティ空間内の樹脂に転写され、ディスク基板に情報面が形成される。なお、前記スタンパは、内周縁においてインナスタンパホルダによって円盤プレートに取り付けられる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−277312号公報
しかしながら、前記従来のディスク成形用金型においては、前記インナスタンパホルダの外周縁に、スタンパを円盤プレートに押し付けるための環状の爪が形成され、該爪によって前記キャビティ空間の流路が狭くなり、絞られるので、絞られた部分を通過した直後の樹脂の流れが偏ることがあり、情報面を精度良く形成することができない。
また、爪とスタンパとの隙間に樹脂が進入してバリが形成されると、ディスク基板に、所定の樹脂を塗布することによってカバー層、ハードコート層、中間層等の樹脂層を形成する際に、バリが樹脂層の形成に影響を与え、樹脂層を精度良く形成することができない。
その結果、完成品としてのディスクの品質が低下してしまう。
そこで、インナスタンパホルダの外径を小さくすることによって、爪の位置を径方向内方に移動させ、前記流路が絞られる部分、及びバリが形成される部分を径方向内方に移動させることによって、樹脂の流れに生じる偏りが情報面の形成に影響を与えたり、バリが樹脂層の形成に影響を与えたりしないようにすることが考えられる。
ところが、インナスタンパホルダより径方向内方には、スプルーブッシュ、エアブローブシュ等が配設されるので、インナスタンパホルダの内径を小さくするためにインナスタンパホルダを薄く形成する必要がある。この場合、インナスタンパホルダの強度が低下し、ディスク成形用金型の耐久性が低下してしまう。
本発明は、前記従来のディスク成形用金型の問題点を解決して、ディスクの品質を向上させることができ、耐久性を向上させることができるディスク成形用金型及びインナスタンパホルダを提供することを目的とする。
そのために、本発明のディスク成形用金型においては、成形材料をキャビティ空間に供給するためのスプルーブッシュと、該スプルーブッシュの径方向外方に、スプルーブッシュを直接包囲して配設され、スタンパを保持するためのインナスタンパホルダと、該インナスタンパホルダの径方向外方に配設された鏡面盤とを有する。
そして、前記インナスタンパホルダの前端面に、カット部を形成する環状の切欠が形成される。
また、前記インナスタンパホルダの内径はカットパンチの外径より小さくされる。
本発明によれば、ディスク成形用金型においては、成形材料をキャビティ空間に供給するためのスプルーブッシュと、該スプルーブッシュの径方向外方に、スプルーブッシュを直接包囲して配設され、スタンパを保持するためのインナスタンパホルダと、該インナスタンパホルダの径方向外方に配設された鏡面盤とを有する。
そして、前記インナスタンパホルダの前端面に、カット部を形成する環状の切欠が形成される。
また、前記インナスタンパホルダの内径はカットパンチの外径より小さくされる。
この場合、インナスタンパホルダがスプルーブッシュを直接包囲して配設されるので、インナスタンパホルダとスプルーブッシュとの間にエアブローブシュ等の独立した部品を配設する必要がない。そして、インナスタンパホルダの内径がカットパンチの外径より小さくれるので、インナスタンパホルダを薄く形成することなくインナスタンパホルダの外径を小さくすることができる。したがって、ディスク成形用金型の耐久性を向上させることができる。
また、爪の位置を径方向内方に移動させ、流路が絞られる部分、及びバリが形成される部分を径方向内方に移動させることができる。その結果、樹脂の流れに生じる偏りが情報面の形成に影響を与えたり、バリが樹脂層の形成に影響を与えたりするのを防止することができるので、情報面を精度良く形成することができ、樹脂層を精度良く形成することができる。そして、ディスクの品質を向上させることができる。
本発明の実施の形態におけるディスク成形用金型の要部を示す断面図である。 本発明の実施の形態におけるディスク成形用金型の概念図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、成形機としての射出成形機に配設されたディスク成形用金型について説明する。
図2は本発明の実施の形態におけるディスク成形用金型の概念図である。
図において、12は、第1の支持盤としての図示されない固定プラテンに図示されないボルトによって取付板13を介して取り付けられた第1の金型としての固定側の金型組立体、32は、第2の支持盤としての図示されない可動プラテンに図示されないボルトによって取付板13を介して取り付けられた第2の金型としての可動側の金型組立体であり、金型組立体12、32によってディスク成形用金型が構成される。
なお、該ディスク成形用金型について説明するに当たり、前記金型組立体12においては、成形材料としての樹脂の流れに従って、金型組立体32側を前方とし、固定プラテン側を後方とする。また、前記金型組立体32においては、可動プラテンの動作に従って、金型組立体12側を前方とし、可動プラテン側を後方とする。
前記金型組立体12は、第1の支持プレートとしてのベースプレート15、該ベースプレート15に図示されないボルトによって取り付けられた第1の鏡面盤としての円盤プレート16、前記取付板13内において前記固定プラテン側に臨ませて配設され、ベースプレート15を固定プラテンに対して位置決めするロケートリング23、該ロケートリング23に隣接させて配設され、図示されない射出装置の射出ノズルから射出された樹脂をキャビティ空間Cに供給するためのスプルーブッシュ24、及び該スプルーブッシュ24の径方向外方に配設され、スプルーブッシュ24を直接包囲して配設されたインナスタンパホルダ14を備える。
なお、前記円盤プレート16に対して環状の図示されないスタンパが着脱自在に配設され、該スタンパは、内周縁においてインナスタンパホルダ14によって円盤プレート16に取り付けられる。
また、前記スプルーブッシュ24及びインナスタンパホルダ14の前端にキャビティ空間Cに臨ませてカット部(ダイ)28が形成され、該カット部28と連通させて、樹脂を流すためのスプルー26が形成される。
そして、前記円盤プレート16の外周縁には環状の突当リング18がボルトb1によって取り付けられ、円盤プレート16及び突当リング18より径方向外方において環状の第1のガイドリング19が前記ベースプレート15に取り付けられる。なお、前記円盤プレート16は第1のガイドリング19に対して位置決めされる。
一方、前記金型組立体32は、第2の支持プレートとしてのベースプレート35、該ベースプレート35にボルトb2によって取り付けられた第3の支持プレートとしての中間プレート40、該中間プレート40にボルトb3によって取り付けられた第2の鏡面盤としての円盤プレート36、前記ベースプレート35内において前記可動プラテンに臨ませて配設され、中間プレート40にボルトb4によって取り付けられたシリンダ44、及び該シリンダ44に沿って進退させられ、前端が前記カット部28に対応する形状を有するカットパンチ48を備える。該カットパンチ48の外径は、前端をカット部28内に進入させ、後述される穴開け加工を行うことができるように、カット部28の内径よりわずかに小さく、本実施の形態においては、15〔mm〕にされる。
なお、前記カットパンチ48の前半部(図における右半部)における径方向外方には、筒状のエアブローブシュ47が、カットパンチ48の径方向内方には、図示されないエジェクタピン(スプルー突出しピン)が配設される。また、円盤プレート36にも、所定の箇所に図示されないエジェクタピンが配設される。
そして、前記シリンダ44内には、前記カットパンチ48と一体に形成されたフランジ51が進退自在に配設され、該フランジ51の後端(図における左端)51aが前記シリンダ44によって受けられる。また、フランジ51の前方(図における右方)に付勢部材としてのカットパンチ戻し用ばね52が配設され、該カットパンチ戻し用ばね52によって前記フランジ51が後方に向けて付勢される。
そして、前記円盤プレート36の外周縁に沿って、かつ、突当リング18と対向させて環状のキャビリング37が配設され、円盤プレート36及びキャビリング37より径方向外方において、前記第1のガイドリング19と対向させて環状の第2のガイドリング38が中間プレート40に取り付けられる。なお、前記円盤プレート36は第2のガイドリング38に対して位置決めされる。そして、前記キャビリング37は、ボルトb5によってロッド41に取り付けられ、該ロッド41を介して中間プレート40に対して移動自在に配設される。また、前記キャビリング37の外周縁にキャビリング押え39が係止させられ、該キャビリング押え39が図示されないボルトによって第2のガイドリング38に取り付けられる。前記キャビリング37は円盤プレート36の前端面(図における右端面)より突出させて形成され、キャビリング37の内周面によって、成形品としてのディスク基板の外周縁が形成される。
なお、前記第1のガイドリング19には、金型組立体12の中心に対して同心円周上に4個のガイドポスト孔83(説明の便宜上、図においてそのうちの2個のガイドポスト孔83だけを示す。)が形成され、該各ガイドポスト孔83にガイドポスト84が、金型組立体32側に向けて突出させて取り付けられ、かつ、ボルトb7によって前記ベースプレート15に固定される。また、第2のガイドリング38における前記ガイドポスト孔83に対応する位置には、ガイドブシュ孔87が形成され、案内部材としてのガイドブシュ88が、前記ガイドブシュ孔87に取り付けられ、前記ガイドブシュ88によってガイドポスト84が案内されるようになっている。また、該ガイドポスト84の外周面には、ガイドブシュ88とガイドポスト84との摺動性を向上させるために、図示されないボールベアリング部が形成される。
そして、前記円盤プレート16、36にそれぞれ第1、第2の温調用流路93、94が形成され、該第1、第2の温調用流路93、94に水、油、空気等の温調用の媒体が供給されることによって円盤プレート16、36が冷却される。
前記構成のディスク成形用金型において、図示されない型締装置を作動させて前記可動プラテンを前進(固定プラテン側に向けて移動)させると、型閉じが行われ、キャビリング37が突当リング18に当接させられ、キャビリング37及び突当リング18より径方向内方における円盤プレート16と円盤プレート36との間に、前記キャビティ空間Cが形成される。そして、前記型締装置を更に作動させて型締めを行い、型締状態において、前記射出ノズルから樹脂を射出すると、樹脂は前記スプルー26を介してキャビティ空間Cに充填される。このとき、前記スタンパの微細パターンがキャビティ空間C内の樹脂に転写され、ディスク基板に情報面が形成される。
続いて、キャビティ空間C内の樹脂が、冷却され、固化させられるが、完全に固化させられる前に、駆動部としての図示されない駆動シリンダに油が供給され、前記フランジ51が前進(図における右方に移動)させられ、前記カットパンチ48が前進させられ、前端がカット部28内に進入させられる。
その結果、前記キャビティ空間C内の樹脂に対して穴開け加工が行われ、ディスク基板を得ることができる。
続いて、前記型締装置を作動させて前記可動プラテンを後退(固定プラテンから離れるように移動)させると、型開きが行われる。このとき、カットパンチ48とエアブローブシュ47との間からディスク基板に圧縮空気が吹き付けられて、ディスク基板が円盤プレート36から離型させられ、前記エジェクタピンが前進させられ、ディスク基板が突き出される。その後、ディスク基板に、所定の樹脂を塗布することによってカバー層、ハードコート層、中間層等の樹脂層が形成され、ディスク基板に対して装飾用の印刷が行われ、完成品としてのディスクが形成される。
ところで、前記インナスタンパホルダ14の前端面における外周縁に、スタンパを円盤プレート16に押し付けるための突出部としての、かつ、保持部としての図示されない環状の爪が形成され、該爪によってキャビティ空間Cの流路が狭くなり、絞られるようになっている。この場合、絞られた部分を通過した直後の樹脂の流れに偏りが生じると、情報面を精度良く形成することができない。また、爪とスタンパとの隙間に樹脂が進入してバリが形成されると、バリが樹脂層の形成に影響を与え、樹脂層を精度良く形成することができず、ディスクの品質が低下してしまう。
そこで、本実施の形態においては、インナスタンパホルダ14の径を小さくし、爪の位置を径方向内方に移動させるようにしている。
次に、前記構成のディスク成形用金型の要部について説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるディスク成形用金型の要部を示す断面図である。
図において、12、32は金型組立体、14はインナスタンパホルダ、15はベースプレート、16、36は円盤プレート、24はスプルーブッシュ、26はスプルー、27はスタンパ、Cはキャビティ空間、47はエアブローブシュ、48はカットパンチ、49はエジェクタピンである。
前記スプルーブッシュ24は、ロケートリング23(図2)に隣接させて形成された大径部21、及び該大径部21から前方(金型組立体32側)に向けて突出させて形成された小径部22を備え、該小径部22は、前記ベースプレート15及び円盤プレート16にわたって形成された穴53内を延在させて、かつ、前端をキャビティ空間Cに臨ませて配設される。また、前記小径部22と穴53との間に、前記インナスタンパホルダ14が配設される。
該インナスタンパホルダ14は、スプルーブッシュ24における大径部21側から小径部22の前端にかけて延在させられる筒状の本体部54、及び該本体部54の前半部における径方向外方に配設され、溶接によって固定された筒状のブシュ部55を備える。該ブシュ部55の外周面には、わずかにテーパが形成され、ブシュ部55の外径は前方ほど大きく、後方ほど小さくされる。本実施の形態においては、本体部54とブシュ部55とが独立させて形成されるようになっているが、一体に形成することもできる。
前記本体部54は、インナスタンパホルダ14の後半部に形成された第1の筒状部56、該第1の筒状部56の前端に隣接させて、径方向外方に向けて突出させて形成された環状の突出部57、及び該突出部57の前端に隣接させて、前記ブシュ部55の内側に形成された第2の筒状部58を備える。該第2の筒状部58の外径は前記第1の筒状部56の外径よりわずかに小さくされる。なお、前記突出部57は、前記インナスタンパホルダ14の軸方向における所定の箇所において、厚さを異ならせることによって形成され、前記第1の筒状部56と突出部57との間に段差が形成される。
また、前記ブシュ部55は、第1の筒状部58の外周面に取り付けられ、前記突出部57の外径とブシュ部55の外径とが等しくされる。そして、第2の筒状部58及びブシュ部55の長さが等しくされ、第2の筒状部58の端面とブシュ部55の端面とが一致させられる。なお、インナスタンパホルダ14の前半部は、突出部57、第2の筒状部58及びブシュ部55によって肉厚にされるが、インナスタンパホルダ14の後半部は、第1の筒状部56だけで形成され、肉薄にされる。
そして、穴53内に前記インナスタンパホルダ14の前半部を収容することができるように、前記円盤プレート16における穴53の内周面の所定の箇所に段部61が形成され、該段部61より前方における穴53の内径が、段部61より後方における穴53の内径より大きくされる。
なお、前記ブシュ部55はエアブロー部として機能させられるようになっている。そのために、ブシュ部55の内周面における前端の近傍に環状の溝43が形成され、ブシュ部55の後端の近傍に、ブシュ部55を貫通して流路46が形成され、該流路46に図示されない圧縮空気源が接続される。また、第2の筒状部58の外周面の円周方向に複数の長溝50が軸方向に延在させて形成され、該各長溝50の前端と溝43とが、各長溝50の後端と流路46とが連通させられる。
そして、型開き時に、前記圧縮空気源から供給された圧縮空気が流路46及び長溝50を介して溝43に送られ、第2の筒状部58とブシュ部55との間の隙間からキャビティ空間C内に噴射され、ディスク基板が金型組立体12から離型させられる。この場合、本体部54とブシュ部55とが独立させて形成されるので、第2の筒状部58の外周面とブシュ部55の内周面とを当接させたとき、両者間に環状の微小なスリットが形成される。したがって、圧縮空気を安定させて、かつ、円周方向においてむらなく均一に噴射させることができる。
なお、本実施の形態においては、溝43がブシュ部55に、長溝50が第2の筒状部58に形成されるようになっているが、溝43を第2の筒状部58に、長溝50をブシュ部55に形成することもできる。
そして、前記第2の筒状部58の前端部における小径部22の前端面に隣接する部分に、所定の深さの環状の切欠59が形成され、該切欠59の底面と小径部22の前端面とが面一にされ、前記カット部28が形成される。
また、前記ブシュ部55の前端面における外周縁に、環状の爪60が径方向外方に向けて突出させて形成される。そして、穴53内においてインナスタンパホルダ14を円盤プレート16に対して位置決めし、固定したときに、爪60によってスタンパ27が円盤プレート16に押し付けられ、保持される。
そのために、前記突出部57が第1の位置決め部として、前記段部61が第2の位置決め部として機能させられ、突出部57の環状の後端面S1が第1の位置決め面として、段部61の環状の端面S2が第2の位置決め面として使用される。なお、ベースプレート15における所定の箇所に段部を第2の位置決め部として形成したり、大径部21におけるインナスタンパホルダ14の後端面と対向する位置に突出部を第2の位置決め部として形成したりすることもできる。
また、前記インナスタンパホルダ14の後端の近傍に、前記金型組立体12を貫通させて、断面が円形の形状を有する穴71が穴53と直交する方向に形成され、前記穴71内に、インナスタンパホルダ14を固定するための操作要素としての円柱体から成るロッド62が回動自在に配設される。
該ロッド62は、前端を穴53の内周面及び底面に臨ませ、かつ、後端をディスク成形用金型外に突出させて、前記穴71内に延在させられ、前端に、一部を切り欠くことによって断面がほぼ半月形の形状にされた係止部63が形成される。また、前記ロッド62の後端に、ロッド62を操作し、回動させることができるように、図示されないラック、ピニオン等の操作部が配設される。
そして、インナスタンパホルダ14の外周面における後端の近傍に環状の溝64が形成され、該溝64より後方に環状のフランジ部65が形成される。なお、前記係止部63によって第1の係止要素が、フランジ部65によって第2の係止要素が構成される。
したがって、穴53内にインナスタンパホルダ14を挿入し、前記操作部によってロッド62を回転させ、係止部63をフランジ部65に係止させると、前記突出部57の後端面S1が前記穴71における端面S2に押し付けられる。その結果、インナスタンパホルダ14を円盤プレート16に対して位置決めし、固定するとともに、爪60によってスタンパ27を円盤プレート16に押し付けることができる。
この場合、円盤プレート16に穴71が形成され、インナスタンパホルダ14が円盤プレート16に対して位置決めされるので、インナスタンパホルダ14によってスタンパ27を円盤プレート16に対して確実に、かつ、精度良く取り付けることができる。
本実施の形態においては、爪60によってスタンパ27を円盤プレート16に押し付けるようになっているが、爪60を形成することなく、ブシュ部55の外周面に形成された前記テーパによってスタンパ27を円盤プレート16に押し付けることもできる。その場合、ブシュ部55の外周面における前端の近傍の部分によって保持部が構成される。
このように、本実施の形態においては、インナスタンパホルダ14とスプルーブッシュ24との間にエアブローブシュ等の独立した部品が配設されないので、インナスタンパホルダ14の内径をカットパンチ48の外径より小さくすることができる。したがって、インナスタンパホルダ14を薄く形成することなく、インナスタンパホルダ14の外径を小さくすることができるので、スタンパ27の内径を小さくすることができる。
そして、インナスタンパホルダ14の外径が小さくされるのに伴って、爪60の位置を径方向内方に移動させ、キャビティ空間C内において流路が絞られる部分、及びバリが形成される部分を径方向内方に移動させることができる。
したがって、絞られた部分を通過した直後の樹脂の流れに偏りが生じても、スタンパ27による微細パターンが転写される部分に到達するまでには樹脂の流れの偏りを無くすことができる。その結果、情報面を精度良く形成することができるので、ディスクの品質を向上させることができる。
また、バリが形成される部分を径方向内方に移動させることができるので、ディスク基板に樹脂層を形成する際に、バリが樹脂層の形成に影響を与えるのを防止することができる。したがって、樹脂層を精度良く形成することができるので、ディスクの品質を向上させることができる。特に、ディスクのうちのブルーレイディスク(登録商標)においては、カバー層、ハードコート層、中間層等の樹脂層が形成される側からレーザ光が照射され、ブルーレイディスクに記録されたデータが読み出される。したがって、樹脂層を精度良く形成することができるので、データを精度良く読み出すことができる。
また、本体部54にブシュ部55が固定されるので、第2の筒状部58をその分薄く形成することができる。したがって、インナスタンパホルダ14の外径をその分小さくすることができるので、スタンパ27の内径を一層小さくすることができ、ディスクの情報面を一層広くすることができる。
さらに、インナスタンパホルダ14は円筒状の形状のままで、インナスタンパホルダの強度を十分に高くすることができるので、足付きのインナスタンパホルダを使用する必要がない。したがって、インナスタンパホルダ14を取り付ける方向が限定されず、取付けの自由度を高くすることができるだけでなく、インナスタンパホルダ14が円盤プレート16に対して偏心して取り付けられた場合に、偏心を容易に矯正することができる。しかも、ブシュ部55がエアブロー部として機能させられるので、エアブローブシュを独立させて配設する必要がない。したがって、ディスク成形用金型の保守・管理を容易に行うことができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
12、32 金型組立体
14 インナスタンパホルダ
16、36 円盤プレート
24 スプルーブッシュ
27 スタンパ
28 カット部
48 カットパンチ
59 切欠
C キャビティ空間

Claims (5)

  1. (a)成形材料をキャビティ空間に供給するためのスプルーブッシュと、
    (b)該スプルーブッシュの径方向外方に、スプルーブッシュを直接包囲して配設され、スタンパを保持するためのインナスタンパホルダと、
    (c)該インナスタンパホルダの径方向外方に配設された鏡面盤とを有するとともに、
    (d)前記インナスタンパホルダの前端面に、カット部を形成する環状の切欠が形成され、
    (e)前記インナスタンパホルダの内径はカットパンチの外径より小さくされることを特徴とするディスク成形用金型。
  2. 前記インナスタンパホルダは、筒状の本体部、及び該本体部の前半部における径方向外方に配設された筒状のブシュ部を備える請求項1に記載のディスク成形用金型。
  3. 前記ブシュ部と本体部との間にエアブロー部が形成される請求項2に記載のディスク成形用金型。
  4. 前記インナスタンパホルダは、軸方向における所定の箇所に、厚さを異ならせることによって形成された段差を備える請求項1に記載のディスク成形用金型。
  5. 成形材料をキャビティ空間に供給するためのスプルーブッシュ、スタンパを保持するために前記スプルーブッシュの径方向外方に配設されたインナスタンパホルダ、及び該インナスタンパホルダの径方向外方に配設された鏡面盤を有するディスク成形用金型のインナスタンパホルダにおいて、
    (a)スプルーブッシュを直接包囲して配設され、
    (b)前端面に、カット部を形成する環状の切欠が形成され、
    (c)内径がカットパンチの外径より小さくされることを特徴とするインナスタンパホルダ。
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