JP2006150854A - 光ディスク成形用金型装置 - Google Patents

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敏裕 茅原
Yoshihiro Horikawa
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Abstract

【課題】 可動型と外周リング間の摩耗を少なくすることができると共に、総合的な生産性を向上する。
【解決手段】 可動型2のコアブロック46の外周面51aに該コアブロック46の表面硬度よりも大きい第1のコーティング層57を設ける。外周リング52の内周面56a,56bに該外周リング52の表面硬度よりも大きい第2のコーティング層60を設ける。第1のコーティング層57の硬度と第2のコーティング層60の硬度を同じかほぼ同じに形成する。外周面51aと内周面56bとの摺動に伴う摩擦摩耗を軽減できる。さらに第1のコーティング層57と第2のコーティング層60の摩耗速度を同じかほぼ同じにすることができ、この結果、第1のコーティング層57と第2のコーティング層60のいずれか一方の摩耗が使用限界に達すると、他方の摩耗もまたほぼ使用限界に達するようになる。同時に第1のコーティング層57と第2のコーティング層60を修理でき、総合的に生産性を向上することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えばCD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルビデオディスク)などの光ディスク成形用金型装置に関する。
従来、この種のものとして、光ディスクに記憶情報を転写させるスタンパーが着脱可能に装着される固定側型体と、該固定側型体に対向して設けられる可動側型体と、該可動側型体に所定範囲摺動自在に嵌合されると共に固定側型体側へ付勢されている外周リングを備え、該外周リングの内周面には前記スタンパーに近接対向して光ディスクの外周面を形成するキャビティ形成部が形成され、スタンパーと可動側型体と外周リングに囲まれたキャビティにより光ディスクを成形する光ディスク成形用金型装置が公知である(例えば特許文献1)。
このような金型装置においては、外周リングの内周面は可動側型体の外周面に近接しており、そしてキャビティに充填される成形用樹脂圧によって両者は接することがあり、この結果前記内周面と外周面間に摩擦が生じ摩耗してしまう懸念がある。
このような問題を解決するものとして、前記外周面の硬度と、前記内周面の硬度とが異ならせられるようにし、外周リングの内周面が前記外周面に当たっても、滑りが生じ、かじりの発生を抑制し、外周リングを円滑に移動させることができるようにしたものが公知である(例えば特許文献2)。
さらに、前記外周面と前記内周面にそれぞれ滑り接触際の摩擦について、低減を行うためにコーティング層を設け、このコーティング層を窒化チタンから成らないものであって、該コーティング層は表面の摩擦係数を、窒化チタンによるコーティングで得られる値の、最大で60%の値にまで低減し、その摩擦係数は、例えば主としてニッケルから作られたスタンパーでは最大で0.3の値としたものが公知である(例えば特許文献3)。
特開2002−283405号公報 特開2002−361688号公報 特表2001−515423号公報
しかしながら、前述のように可動側型体の外周面の硬度と、外周リングの内周面の硬度とが異ならせられるようにした場合には、両者間の滑りにより摩耗を低減することができるものの、前記長時間の使用において摩耗が生じたときには、いずれか一方が摩耗してしまう、いわゆる偏摩耗が生じてしまい、この結果可動側型体の外周面及び外周リングの内周面における一方の摩耗の修復をする場合には、他方が正常であっても成形を行なうことはできず、この結果総合的には生産性が低くなってしまうというおそれがある。
一方、光ディスクの成形にあっては成形金型と該成形金型のキャビティに充填され光ディスクを成形する樹脂との離型性が重要である。これは光ディスクにおいては精密な成形が要求されており、離型が良好に行なわれないとスタンパ−からの転写に弊害が生ずるおそれがあるためである。特に外周リングは光ディスクの中心より遠い外縁を成形するものであり、僅かの離型の不良であっても光ディスクの成形にとっては重要である。
解決しようとする問題点は、スタンパーを受けるスタンパー支持面が形成された第1の型体と、第2の型体と、該第2の型体の外周面に設けられ外周リングを備えた光ディスク成形用金型装置において、前記第2の型体の外周面と外周リングとの間の摩擦による摩耗を少なくすることができると共に、総合的な生産性を向上する点である。さらに、成形時に光ディスクの中心より遠い外縁の離型性を向上することを目的とする。
請求項1の発明は、樹脂を射出成形して光ディスクを成形するためのキャビティ空間を画定する光ディスクに凹凸を形成するためのスタンパーを受けるスタンパー支持面が形成された第1の型体と、該第1の型体に対向して設けられる第2の型体と、該第2の型体の外周面に内周面が摺動自在に設けられ前記キャビティ空間の外周面を形成する外周リングを備えた光ディスク成形用金型装置において、前記第2の型体の外周面に該第2の型体の表面硬度よりも大きい第1のコーティング層を設け、前記外周リングの内周面に該外周リングの表面硬度よりも大きい第2のコーティング層を設け、かつ前記第1のコーティング層の硬度と第2のコーティング層の硬度を同じか或いはほぼ同じに形成することを特徴とする光ディスク成形用金型装置である。
請求項2の発明は、前記コーティング層を窒化チタン系により形成したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク成形用金型装置である。
請求項3の発明は、前記コーティング層をCrN又はCrNにより形成したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク成形用金型装置である。
請求項1の発明によれば、第1のコーティング層と第2のコーティング層のいずれか一方の摩耗が使用限界に達すると、他方の摩耗もまたほぼ使用限界に達するようになるので、同時に両方コーティング修理を行うことができ、総合的に生産性を向上することができる。
請求項2の発明によれば、窒化チタンによって樹脂の離型性を向上して、正確な成形を行うことができる。
請求項3の発明によれば、離型性をいっそう向上して、反りのないディスクの正確な成形を行うことができる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
以下、本発明の光ディスクの成形に用いる光ディスク成形用金型装置の一実施例について、図1〜5を参照しながら説明する。図中1は固定型、2は可動型で、第1の型体、第2の型体であるこれら固定型1および可動型2は、互いに図示上下方向(型開閉方向)に移動して開閉し、型閉時に光ディスクを形成する製品キャビティ3を相互間に形成するものであり、前記固定型1および可動型2は分割面4を介して開閉するようになっている。
前記固定型1は、固定側型板6と、この固定側型板6における可動型2と反対側の面(図示上側の面)に固定された固定側取り付け板7とを備えている。この固定側取り付け板7は、図示していない射出成形機の固定側プラテンに取り付けられるものである。そして、固定側取り付け板7の中央部には、射出成形機のノズルが接続されるスプルーブッシュ8がボルト9により固定されている。このスプルーブッシュ8は、内部が材料通路であるスプルー10になっているが、固定側取り付け板7を貫通し、固定側型板6側へ突出している。さらに、前記スプルーブッシュ8における可動型2と反対側の面にはローケートリング11がボルト12により固定されている。
前記固定側型板6は、前記固定側取り付け板7にボルト16により着脱可能に固定されたキャビティ形成部材としてのキャビティブロック17と、このキャビティブロック17の外周側に位置して固定側取り付け板7にボルト18により固定された位置決めリング19とからなっている。前記キャビティブロック17は製品キャビティ3を形成するものであり、分割面4側を後述するスタンパー27の支持面17aとしている。また、前記位置決めリング19は、可動型2側の部分の内周面に、可動型2側へ向かって径が大きくなるテーパー面21を有している。さらに、前記キャビティブロック17における可動型2側の部分の外周部には段差部22が形成されているが、この段差部22には円環状の外周リング受けリング23が嵌合されてボルト24により固定されている。一方、前記キャビティブロック17の中央部に形成された貫通孔25内には、ほぼ円筒状の内周スタンパー押え26が嵌合されて固定されている。前記キャビティブロック17には、光ディスクに記憶情報を転写させるスタンパー27が支持面17aに着脱可能に装着されるようになっている。
内周スタンパー押え26はスタンパー27の内周部を押えるものである。また、前記スプルーブッシュ8は、筒状の内周スタンパー押え26内に嵌合している。そして、スプルーブッシュ8における可動型2側の先端面には凹部28が形成されている。
また、前記キャビティブロック17内には、製品キャビティ3を囲んで冷却水などの温調用流体を通すための温調通路31が形成されている。また、この温調通路31に連通する温調通路32が前記固定側取り付け板7内に形成されている。さらに、温調通路31,32を囲んでキャビティブロック17と固定側取り付け板7との間には、温調用流体の漏洩を防止するためのOリング33が装着されている。
前記可動型2は、可動側型板41と、この可動側型板41における固定型1と反対側の面(図示下側の面)に固定された可動側受け板42と、この可動側受け板42における固定型1と反対側の面にボルト43により固定された可動側取り付け板44とを備えている。この可動側取り付け板44は、射出成形機の可動側プラテンに取り付けられるものである。前記可動側型板41は、前記可動側受け板42にボルト45により固定されたキャビティ形成部材としてのコアブロック46と、このコアブロック46の外周側に位置して可動側受け板42にボルト47により固定された位置決めリング48とからなっている。前記コアブロック46は製品キャビティ3を形成するものである。また、前記位置決めリング48は、型閉時に前記固定型1側の位置決めリング19のテーパー面21が当接するテーパー面50を有している。
また、前記コアブロック46における可動型2側の部分の外周部には段差部51が形成されているが、この段差部51には、円環状の外周リング52が前記型開閉方向(製品キャビティ3の軸線X)へ所定範囲摺動自在に嵌合されている。尚、53は、外周リング52を抜け止めするため外周リング52の外周に形成した段部上面に係止可能な抜け止めブロックであり、この抜け止めブロック53は可動側受け板42に固定したボルト54により固定されている。外周リング52の外側表面は、型閉時に前記固定型1側の外周リング受けリング23の表面23aに突き当たるものである。
さらに、外周リング52の内周部には、スタンパー27に近接対向して光ディスクの外周面を形成するキャビティ形成部56が分割面4側に突設するように形成されている。そして外周リング52における分割面4側に、型開閉方向(軸線X)に向ってキャビティ形成部56は、薄肉状となって軸線Xを中心に円環状に突設形成されている。キャビティ形成部56の内周側の先端の分割面4側、すなわち先端の軸線Xの一側であるスタンパー27側が製品キャビティ3に臨んで成形用内周面部56aが形成されている。一方、外周リング52における分割面4と反対側のキャビティ形成部56の先端はコアブロック46の軸線Xを中心とした段差部51の外周面51aに近接して内周面56bがほぼ嵌合するように設けられている。段差部51は分割面4側を切り欠いた形状であって、分割面4側を製品キャビティ3に臨んでおり、その外周面51aは軸線Xの長さ方向と平行となるように形成した形状である。
また、外周リング52が外周リング受けリング23に突き当たった状態で、キャビティ形成部56とキャビティブロック17との間には例えば0.3mmの隙間が生じるようになっている。キャビティブロック17に装着されるスタンパー27の厚さは例えば0.28mmであり、結局キャビティ形成部56とスタンパー27との間には0.02mmの隙間sが生じるようになっている。さらに、外周リング52の先端とコアブロック46における段差部51の外周面51aとの間にも0.006mm程度の隙間s1が生じるようになっている。これら隙間s,s1は、製品キャビティ3内に樹脂を充填する際にガスベントとして作用する。尚、図中55はボールリテーナを示している。
さらに、外周リング52と外周リング受けリング23の表面23aとが突き当たった状態において、スタンパー27の表面27aと分割面4側に突設したキャビティ形成部56は接触しないように若干の隙間pを形成し、スタンパー27の表面27aに傷が形成されないようにしている。これはスタンパー27の厚みqに若干の隙間pを加えた長さの分を、表面23aより支持面17aを後退させて(後退長さr=p+q)いるためである。また、スタンパー27の側端面と外周リング受けリング23との間にも、隙間tが形成されている。このように前記外周リング受けリング23の表面23aはキャビティブロック17に対して、スタンパー27の厚みqを加えた段差(隙間r)が生じる様、スタンパー支持面17aより相対的に凸部になっている。
そして、前記外周面51aに第1のコーティング層57を設ける。
また、前記キャビティ形成部56の成形用内周面部56aには環状の環状凹部59が形成されている。
また、キャビティ形成部56に連設しコアブロック46の外周面51aと僅かな隙間s1を介してほぼ嵌合するように摺動用内周面56bが配置されている。そして、これら成形用内周面部56aと摺動用内周面56bには第2のコーティング層60を設ける。
そして、前記第1のコーティング層57を、TiN、TiAlN或いはTiCrNのような窒化チタン系によって形成している。尚、TiNの被膜硬度は概ねHv1800〜2500で動摩擦係数は0.30〜0.40であり、その離型性に関連する撥水性(接触角度)は概ね78度であり、TiAlNの被膜硬度は概ねHv2800〜3300で動摩擦係数は0.40〜0.45、TiCrNの被膜硬度は概ねHv2500〜3000でで動摩擦係数は0.25〜0.30ある。この第1のコーティング層57の硬度はコアブロック46の表面硬度よりも大きく形成されており、その厚みは概ね2〜3μmである。また、第2のコーティング層60も、第1のコーティング層57と同様に窒化チタン系によって形成しており、この第2のコーティング層60の硬度は外周リング52の表面硬度よりも大きく形成されており、その厚みは第1のコーティング層57の厚みと同じかほぼ同じ、すなわち概ね2〜3μmである。さらに、第1のコーティング層57の硬度と第2のコーティング層60の硬度は同じかほぼ同じ硬度に形成されている。尚、この第2のコーティング層60は、少なくともキャビティ形成部56の樹脂が直接触れる箇所、すなわち環状凹部59と、第1のコーティング層57と摺動する箇所に設けられる。
また、前記コアブロック46の中央部における固定型1側の面に形成された凹部46a内には、ほぼ円環状のエア吹き出し入子62が嵌合されてボルト63により固定されている。このエア吹き出し入子62と凹部46aの内周面との間の隙間には、コアブロック46や可動側受け板42内に形成された空気通路64が連通している。
また、前記エア吹き出し入子62内にはほぼ円筒状の突き出しスリーブ66が前記型開閉方向へ所定範囲摺動自在に嵌合されている。この突き出しスリーブ66は、前記コアブロック46を貫通し一端側が可動側受け板42内に位置しているが、この可動側受け板42との間にはスライドベアリング67が介在させてある。さらに、突き出しスリーブ66は、スプリング68により固定型1と反対側へ付勢されている。尚、69は、突き出しスリーブ66の摺動範囲を規制するために可動側受け板42内に固定された規制板である。
また、前記突き出しスリーブ66内にはほぼ円筒状のゲートカットスリーブ71が前記型開閉方向へ所定範囲摺動自在に嵌合されている。このゲートカットスリーブ71は、突き出しスリーブ66および前記規制板69を貫通しているが、ゲートカットスリーブ71と突き出しスリーブ66との間にはスライドベアリング72が介在させてある。そして、ゲートカットスリーブ71の一端部に形成されたフランジ部73が前記規制板69よりも可動側取り付け板44側に位置している。さらに、ゲートカットスリーブ71は、スプリング74により固定型1と反対側へ付勢されている。
また、前記可動側取り付け板44には、突き出し板76が前記型開閉方向へ所定範囲摺動自在に支持されている。この突き出し板76は、スプリング77により固定型1と反対側へ付勢されている。そして、突き出し板76に固定された突き出しピン78が前記ゲートカットスリーブ71内に摺動自在に嵌合されている。また、突き出し板76に固定された連動ピン79が前記ゲートカットスリーブ71のフランジ部73および規制板69を貫通して前記突き出しスリーブ66に突き当たるようになっている。さらに、前記ゲートカットスリーブ71のフランジ部73に突設された受け部80が前記突き出し板76を摺動自在に貫通している。
さらに、前記コアブロック46内には、冷却水などの温調用流体を通すための温調通路81が形成されている。また、この温調通路81に連通する温調通路82が前記可動側受け板42内に形成されている。さらに、温調通路81,82を囲んでコアブロック46と可動側受け板42との間には、温調用流体の漏洩を防止するためのOリング83が装着されている。
そして、前記固定型1側のスプルーブッシュ8の先端面外周部と可動型2側のゲートカットスリーブ71の先端面外周部との間に、固定型1側のスプルー10を製品キャビティ3に連通させるゲート86が形成されるようになっている。また、ゲートカットスリーブ71がスプルーブッシュ8の凹部28に嵌合することにより、ゲート86においてスプルー10内の成形材料である樹脂と製品キャビティ3内の樹脂すなわち光ディスクとが切断され、この光ディスクの中央部の開口孔が形成されるようになっている。したがって、固定型1においては、キャビティブロック17に加えて内周スタンパー押え26およびスプルーブッシュ8の先端面外周部によって、光ディスクが形成される。また、可動型2においては、コアブロック46および外周リング52に加えてエア吹き出し入子62および突き出しスリーブ66によって光ディスクが形成される。
次に、光ディスクdの成形について説明する。成形時には、まず固定型1と可動型2とを型閉して、これら固定型1および可動型2間に製品キャビティ3を形成する。尚、このように型閉した状態で、可動型2の外周リング52が固定型1の外周リング受けリング23に図示していないスプリングに抗して突き当たる。この際に外周面51aと内周面56bが接しても、直接コアブロック46と外周リング52とが接触することはなく、接触したとしても第1のコーティング層57と第2のコーティング層60とが接触するようになる。また、固定型1および可動型2の位置決めリング19,48のテーパー面21,50が相互にテーパー嵌合する。そして、射出成形機のノズルからスプルー10へ熱可塑性の成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹脂は、スプルー10からゲート86を通って製品キャビティ3内に流入する。その際、製品キャビティ3内の空気を含むガスは、流入してきた樹脂に押されることにより、外周リング52のキャビティ形成部56とスタンパー27との間の隙間s及び外周リング52の内周面とコアブロック46との隙間s1から製品キャビティ3外へ抜ける。
この際、ガスは隙間s1より抜け出るものであるが、製品キャビティ3内に樹脂が充填されるとその樹脂圧により外周面51aと内周面56bが接しても、直接コアブロック46と外周リング52とが接触することはなく、接触したとしても第1のコーティング層57と第2のコーティング層60とが接触するようになる。
尚、当初は固定型1および可動型2の型締力は比較的弱くなっており、製品キャビティ3内の樹脂の圧力により固定型1および可動型2が若干開くが、この可動型2のコアブロック46に対して摺動自在に支持された外周リング52は、図示していないスプリングの付勢により外周リング受けリング23に突き当たった状態に保持される。また、製品キャビティ3の中央部に開口したゲート86から製品キャビティ3内に樹脂が注入されるとき、この樹脂は、ゲート86すなわち製品キャビティ3の中央部から外周部へと放射状に広り、製品キャビティ3の外周部へは最後に樹脂が到達する。ここで、製品キャビティ3の外周部において、樹脂は外周リング52のキャビティ形成部56に形成する環状凹部59に充填される。
そして、製品キャビティ3内に樹脂が充填された後、射出成形機側に設けられた図示していない押圧ロッドによってゲートカットスリーブ71の受け部80が固定型1の方へ押されることにより、ゲートカットスリーブ71が固定型1側へ移動し、この固定型1のスプルーブッシュ8の凹部28に嵌合する。これにより、ゲート86においてスプルー10内の樹脂と製品キャビティ3内の樹脂すなわち光ディスクとが切断される。また、固定型1および可動型2の型締力が強められることにより、コアブロック46を含めて可動型2のほぼ全体が固定型1の方へ移動して製品キャビティ3内の樹脂が圧縮される。これにより、スタンパ27の凹凸に応じた記憶情報が光ディスクdに確実に転写される。また、型閉した当初は製品キャビティ3の外周縁を形成する外周ブロック52の環状凹部59には樹脂が充填されていないが、固定型1および可動型2の型締力を強めることによって、製品キャビティ3内の樹脂は可動型2の圧力によって周縁部に向かって広がり、外周ブロック52に形成する環状凹部59に樹脂が入りこむ。
そして、製品キャビティ3内の樹脂が冷却して固化することによって光ディスクdが成形される。こうして光ディスクdを成形した後、固定型1と可動型2とを型開される。この型開に伴い、成形された光ディスクおよびスプルー10内で固化した樹脂はまず固定型1から離れる。ついで、射出成形機側に設けられた図示していない押圧ロッドによって突き出し板7が固定型1の方へ押されることにより、突き出し板76と共に突き出しピン78が固定型1側へ移動し、スプルー10内で固化した樹脂を突き出して可動型2から離型させる。また、突き出し板76に固定された連動ピン79によって押されることにより突き出しスリーブ66が固定型1側へ移動し、光ディスクdの内周部を突き出して可動型2から離型させると共に、光ディスクdの外縁は成形用内周面部56aに設けられた第2のコーティング層60より離型する。
こうして成形されるディスクdは、DVDにおいては紫外線硬化性接着材によって二枚の光ディスクdを貼り合わせるものである。
以上のように、本実施例においては、固定型1および可動型2を型閉してこれら型体間に光ディスクdを形成する製品キャビティ3を形成し、この製品キャビティ3内に熱可塑性の成形材料を充填する光ディスクの成形用金型装置において、前記可動型2のコアブロック46の外周面51aに該コアブロック46の表面硬度よりも大きい第1のコーティング層57を設け、前記外周リング52の内周面56a,56bに該外周リング52の表面硬度よりも大きい第2のコーティング層60を設けることで、外周面51aと内周面56bとの摺動に伴う摩擦摩耗を軽減でき、さらに前記第1のコーティング層57の硬度と第2のコーティング層60の硬度を同じかほぼ同じに形成することで、第1のコーティング層57と第2のコーティング層60の摩耗速度を同じかほぼ同じにすることができ、この結果、第1のコーティング層57と第2のコーティング層60のいずれか一方の摩耗が使用限界に達すると、他方の摩耗もまたほぼ使用限界に達するようになるので、コアブロック46と外周リング52とを同時に両方コーティング修理を行うことができ、一方が修理中で他方が修理不要のようなムダな時間が発生することはなく、総合的に生産性を向上することができる。
さらに、内周面56aの第2のコーティング層60を窒化チタンにより形成することで、離型性を向上して、正確な成形を行うことができる。
実施例2においては、前記実施例1における第1のコーティング層57、第2のコーティング層60をそれぞれCrN又はCrNによって形成したものである。尚、これらの被膜硬度は概ねHv1200〜1800で動摩擦係数は0.20〜0.30であり、その離型性に関連する撥水性(接触角度)は概ね84〜96度である。
このようなCrN又はCrNを第1のコーティング層57、第2のコーティング層60とすることにより、両第1のコーティング層57、第2のコーティング層60間の摩擦摩耗を低減し、さらに内周面56aの第2のコーティング層60をCrN又はCrNにより形成することで、離型性をいっそう向上することができる。
以上のように本発明にかかる金型においては、種々の光ディスク成形用金型として変形が可能である。
本発明の実施例1示す全体断面図である。 本発明の実施例1を示すゲート回りの断面図である。 本発明の実施例1を示す外周リング回りを示し、図3(A)は全体断面を示し、図3(B)は要部の拡大断面を示している。 本発明の実施例1を示す要部の断面図である。 本発明の実施例1を示す離型時の断面図である。
符号の説明
1 固定型(第1の型体)
2 可動型(第2の型体)
3 製品キャビティ
17a スタンパー支持面
27 スタンパー
51a 外周面
52 外周リング
56a 56b 内周面
57 第1のコーティング層
60 第2のコーティング層
d 光ディスク

Claims (3)

  1. 樹脂を射出成形して光ディスクを成形するためのキャビティ空間を画定する光ディスクに凹凸を形成するためのスタンパーを受けるスタンパー支持面が形成された第1の型体と、該第1の型体に対向して設けられる第2の型体と、該第2の型体の外周面に内周面が摺動自在に設けられ前記キャビティ空間の外周面を形成する外周リングを備えた光ディスク成形用金型装置において、前記第2の型体の外周面に該第2の型体の表面硬度よりも大きい第1のコーティング層を設け、前記外周リングの内周面に該外周リングの表面硬度よりも大きい第2のコーティング層を設け、かつ前記第1のコーティング層の硬度と第2のコーティング層の硬度を同じか或いはほぼ同じに形成することを特徴とする光ディスク成形用金型装置。
  2. 前記コーティング層を窒化チタン系により形成したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク成形用金型装置。
  3. 前記コーティング層をCrN又はCrNにより形成したことを特徴とする請求項1記載の光ディスク成形用金型装置。
JP2004347510A 2004-11-30 2004-11-30 光ディスク成形用金型装置 Withdrawn JP2006150854A (ja)

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