JP2002192576A - 光ディスク成形用金型装置およびその調整方法 - Google Patents

光ディスク成形用金型装置およびその調整方法

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JP2002192576A
JP2002192576A JP2000393548A JP2000393548A JP2002192576A JP 2002192576 A JP2002192576 A JP 2002192576A JP 2000393548 A JP2000393548 A JP 2000393548A JP 2000393548 A JP2000393548 A JP 2000393548A JP 2002192576 A JP2002192576 A JP 2002192576A
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JP
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cavity
mold
cavity forming
optical disk
fixed
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JP2000393548A
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Toshihiro Kayahara
敏裕 茅原
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビティ形成面を再研削または再研磨する
際のメンテナンス性を向上させるとともに、光ディスク
を精度よく成形できるようにする。 【解決手段】 例えばコアブロック56のキャビティ形成
面59を再研削または再研磨したとき、コアブロック56に
おける可動側受け板52への突き合わせ面56aにクローム
めっきにより厚さ調整層102を形成する。この厚さ調整
層102の厚さT6を前記再研削または再研磨による厚さの
減少分T4と等しくすることにより、コアブロック56全体
の厚さTを一定に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばCD(コン
パクトディスク)やDVD(デジタルビデオディスク)
などの光ディスク成形用金型装置およびその調整方法に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】DVDなどの光ディス
クは、その基板が一般的に樹脂により射出成形される。
この射出成形に用いられる金型装置としては、例えば特
開平6−134821号公報に記載されているようなも
のが知られている。この金型装置は、一対の型体である
固定型および可動型を型閉して、これら固定型および可
動型間に製品キャビティを形成し、この製品キャビティ
に成形材料である溶融した樹脂を充填し、この製品キャ
ビティ内の樹脂すなわち光ディスクが固化した後、固定
型および可動型を型開して成形された光ディスクを取り
出すようにしている。
【0003】光ディスク成形用金型装置においては、製
品キャビティを形成するキャビティ形成面が鏡面仕上げ
され、また、固定型および可動型の少なくともいずれか
一方のキャビティ形成面には、光ディスクにグルーブ部
やランド部などを形成するためのスタンパーが着脱可能
に装着される。ところが、成形を多数回繰り返すうち
に、スタンパーの表面と樹脂とが擦れ合うなどの原因
で、キャビティ形成面に形成されたコーティングが部分
的に剥離したり、あるいは、キャビティ形成面が損傷し
たりすることは避けられない。例えば、コーティングが
部分的に剥離した場合には、キャビティ形成面の摩擦抵
抗が部分毎に異なることになるが、そのため、製品キャ
ビティ内における樹脂の流れに乱れが生じ、成形された
光ディスクの不良を招きやすくなる。また、キャビティ
形成面が損傷すれば、成形された光ディスクに損傷の跡
が生じ、不良品となる。さらに、スタンパーが装着され
るキャビティ形成面であっても、このキャビティ形成面
に損傷が生じれば、このキャビティ形成面に密着される
スタンパーにも影響が及び、成形不良を招くおそれがあ
る。
【0004】そこで、キャビティ形成面の状態が劣化し
た場合には、このキャビティ形成面を再研削あるいは再
研磨することが行われる。しかしながら、単にキャビテ
ィ形成面を再研削あるいは再研磨するのでは、他の金型
構成部品との関係から、再研削あるいは再研磨された分
製品キャビティの厚さが増すことになり、この厚さが許
容誤差範囲を越えれば、キャビティ形成面を有する部材
全体を交換しなければならなくなる。そこで、前記特開
平6−134821号公報には、キャビティ形成面を有
する部材(鏡面盤)の背面にスペーサ(背板)を介在さ
せ、キャビティ形成面の再研削または再研磨を行ったと
き、この再研削または再研磨による厚さの減少分、スペ
ーサをより厚いものと交換することにより、キャビティ
形成面を有する部材の厚さとスペーサの厚さの和を一定
に保ち、製品キャビティの厚さを一定に保つことが提案
されている。
【0005】図4には、この金型装置の概略を示してあ
る。同図において、1は受け板、2はキャビティ形成部
材、3はこのキャビティ形成部材が有するキャビティ形
成面、4はスペーサであり、前記受け板1にスペーサ4
が着脱可能に固定され、このスペーサ4にキャビティ形
成部材2が着脱可能に固定される。そして、キャビティ
形成部材2の厚さT1とスペーサ4の厚さT2との和T1+T2
が一定になるように寸法管理が行われる。また、このキ
ャビティ形成部材3内には、製品キャビティ内の樹脂を
冷却する冷却水を通すための温調通路5が形成されてい
る。
【0006】しかし、この従来の技術には次のような問
題点があった。まず、スペーサ4は成形される光ディス
クより径が大きいものになるが、例えば直径150mm程度
になるが、このように大きいスペーサ4の平行度の管理
が難しいことがある。すなわち、スペーサ4は、ある程
度厚いものでないと、その加工上厚さを均一にすること
が困難であるが、スペーサ4の厚さが均一でないと、成
形される光ディスクの寸法精度も低下する。一方、スペ
ーサ4を厚くすると、金型装置全体も厚くなり、金型装
置の不必要な大型化を招くことになる。
【0007】また、前記特開平6−134821号公報
には明記されていないが、前記キャビティ形成部材3内
の温調通路5と、受け板1内に形成された温調通路6と
を連通させる温調通路7をスペーサ4内にも形成する必
要があり、さらに、キャビティ形成部材2とスペーサ4
との間およびこのスペーサ4と受け板1との間に、温調
通路5,6,7を囲む冷却水の漏洩防止用のOリング8
をそれぞれ設ける必要がある。そのため、金型装置の温
調のための構成が複雑になり、また、キャビティ形成面
3の再研削や再研磨を行うときにOリング8の組み込み
なども行う必要があるため、メンテナンス性も悪くな
る。
【0008】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、キャビティ形成面を再研削または再研磨
する際のメンテナンス性に優れ、光ディスクを精度よく
成形できる光ディスク成形用金型装置およびその調整方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の光ディ
スク成形用金型装置は、前記目的を達成するために、互
いに開閉し型閉時に光ディスクを形成する製品キャビテ
ィを相互間に形成する複数の型体を備え、この型体は、
基体と、この基体に着脱可能に固定され前記製品キャビ
ティを形成するキャビティ形成部材とを有し、このキャ
ビティ形成部材における前記基体への突き合わせ面にめ
っきからなる厚さ調整層を形成したものである。
【0010】光ディスクの成形時には、複数の型体を型
閉し、これら型体間に形成された製品キャビティ内に成
形材料を充填し、この製品キャビティ内に充填された成
形材料すなわち光ディスクが固化した後、複数の型体を
型開して、成形された光ディスクを取り出す。このよう
な成形を繰り返すうちに、キャビティ形成部材における
製品キャビティを形成する面(キャビティ形成面)が劣
化していくが、劣化したキャビティ形成面を更生すると
きには、型体の基体からキャビティ形成部材を外し、そ
のキャビティ形成面を再研削または再研磨する。これに
より、キャビティ形成部材の厚さは減少するが、キャビ
ティ形成部材における基体への突き合わせ面にめっきし
て厚さ調整層を形成し、この厚さ調整層の厚さを前記再
研削または再研磨による厚さの減少分と等しくすること
により、キャビティ形成部材全体の厚さを一定に維持
し、その後基体にキャビティ形成部材を固定したとき、
形成される製品キャビティの厚さも一定になるようにす
る。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明の光デ
ィスク成形用金型装置において、前記めっきがクローム
めっきからなるものである。
【0012】クロームめっきは、前述のような厚さ調整
層として好適なものである。
【0013】請求項3の発明のディスク成形用金型装置
の調整方法は、前記目的を達成するために、互いに開閉
し型閉時に光ディスクを形成する製品キャビティを相互
間に形成する複数の型体を備え、この型体は、基体と、
この基体に着脱可能に固定され前記製品キャビティを形
成するキャビティ形成部材とを有し、このキャビティ形
成部材における製品キャビティを形成するキャビティ形
成面を研削または研磨仕上げしてなる光ディスク成形用
金型装置にあって、前記キャビティ形成部材のキャビテ
ィ形成面を再研削または再研磨するとき、前記キャビテ
ィ形成部材における前記基体への突き合わせ面にめっき
して前記キャビティ形成部材の厚さを調整するものであ
る。
【0014】光ディスクの成形時には、複数の型体を型
閉し、これら型体間に形成された製品キャビティ内に成
形材料を充填し、この製品キャビティ内に充填された成
形材料すなわち光ディスクが固化した後、複数の型体を
型開して、成形された光ディスクを取り出す。このよう
な成形を繰り返すうちに、キャビティ形成部材のキャビ
ティ形成面が劣化していくが、劣化したキャビティ形成
面を更生するときには、型体の基体からキャビティ形成
部材を外し、そのキャビティ形成面を再研削または再研
磨する。これにより、キャビティ形成部材の厚さは減少
するが、キャビティ形成部材における基体への突き合わ
せ面にめっきし、このめっきの層の厚さを前記再研削ま
たは再研磨による厚さの減少分と等しくすることによ
り、キャビティ形成部材全体の厚さを一定に維持し、そ
の後基体にキャビティ形成部材を固定したとき、形成さ
れる製品キャビティの厚さも一定になるようにする。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明の光ディスク成形用金
型装置およびその調整方法の一実施例について、図1か
ら図3を参照しながら説明する。まず光ディスク成形用
金型装置の構成を説明する。11は固定型、12は可動型
で、型体であるこれら固定型11および可動型12は、互い
に図示上下方向(型開閉方向)に移動して開閉し、型閉
時に光ディスクを形成する製品キャビティ13を相互間に
形成するものである。
【0016】前記固定型11は、固定側型板16と、この固
定側型板16における可動型12と反対側の面(図示上側の
面)に固定された基体としての固定側取り付け板17とを
備えている。この固定側取り付け板17は、図示していな
い射出成形機の固定側プラテンに取り付けられるもので
ある。そして、固定側取り付け板17の中央部には、射出
成形機のノズルが接続されるスプルーブッシュ18がボル
ト19により固定されている。このスプルーブッシュ18
は、内部が材料通路であるスプルー20になっているが、
固定側取り付け板17を貫通し、固定側型板16側へ突出し
ている。さらに、前記スプルーブッシュ18における可動
型12と反対側の面にはローケートリング21がボルト22に
より固定されている。
【0017】前記固定側型板16は、前記固定側取り付け
板17にボルト26により着脱可能に固定されたキャビティ
形成部材としてのキャビティブロック27と、このキャビ
ティブロック27の外周側に位置して固定側取り付け板17
にボルト18により固定された位置決めリング29とからな
っている。前記キャビティブロック27における製品キャ
ビティ13を形成する面(キャビティ形成面30)は、研削
または研磨により鏡面仕上げしてある。また、前記位置
決めリング29は、可動型12側の部分の内周面に、可動型
12側へ向かって径が大きくなるテーパー面31を有してい
る。さらに、前記キャビティブロック27における可動型
12側の部分の外周部には段差部32が形成されているが、
この段差部32には円環状の外周スタンパー押え33が嵌合
されてボルト34により固定されている。一方、前記キャ
ビティブロック27の中央部に形成された貫通孔35内には
ほぼ円筒状の内周スタンパー押え36が嵌合されて固定さ
れている。前記キャビティブロック27のキャビティ形成
面30には、光ディスクのグルーブ部やランド部を形成す
るスタンパー37が着脱可能に装着されるようになってい
るが、前記外周スタンパー押え33はスタンパー37の外周
部を押え、内周スタンパー押え36はスタンパー37の内周
部を押えるものである。また、前記スプルーブッシュ18
は、筒状の内周スタンパー押え36内に嵌合している。そ
して、スプルーブッシュ18における可動型12側の先端面
には凹部38が形成されている。
【0018】さらに、前記キャビティブロック27内に
は、冷却水などの温調用流体を通すための温調通路41が
形成されている。また、この温調通路41に連通する温調
通路42が前記固定側取り付け板17内に形成されている。
さらに、温調通路41,42を囲んでキャビティブロック27
と固定側取り付け板17との間には、温調用流体の漏洩を
防止するためのOリング43が装着されている。
【0019】前記可動型12は、可動側型板51と、この可
動側型板51における固定型11と反対側の面(図示下側の
面)に固定された基体としての可動側受け板52と、この
可動側受け板52における固定型11と反対側の面にボルト
53により固定された可動側取り付け板54とを備えてい
る。この可動側取り付け板54は、射出成形機の可動側プ
ラテンに取り付けられるものである。前記可動側型板51
は、前記可動側受け板52にボルト55により固定されたキ
ャビティ形成部材としてのコアブロック56と、このコア
ブロック56の外周側に位置して可動側受け板52にボルト
57により固定された位置決めリング58とからなってい
る。前記コアブロック56における製品キャビティ13を形
成する面(キャビティ形成面59)は、研削または研磨に
より鏡面仕上げしてある。また、前記位置決めリング58
は、型閉時に前記固定型11側の位置決めリング29のテー
パー面31が当接するテーパー面60を有している。
【0020】また、前記コアブロック56における固定型
11側の部分の外周部には段差部61が形成されているが、
この段差部61には、円環状の突き当てリング62が前記型
開閉方向へ摺動自在に嵌合されている。なお、63は、突
き当てリング62を抜け止めするボルトである。また、突
き当てリング62とコアブロック56との間にはスライドベ
アリング64が介在させてある。さらに、突き当てリング
62は、スプリング65により固定型11側へ付勢されてい
る。そして、突き当てリング62は、型閉時に前記固定型
11側の外周スタンパー押え33およびスタンパー37に突き
当たり、光ディスクの外周面を形成するものである。
【0021】また、前記コアブロック56の中央部におけ
る固定型11側の面に形成された凹部71内には、ほぼ円環
状のエア吹き出し入子72が嵌合されてボルト73により固
定されている。このエア吹き出し入子72と凹部71の内周
面との間の隙間には、コアブロック56や可動側受け板52
内に形成された空気通路74が連通している。
【0022】また、前記エア吹き出し入子72内にはほぼ
円筒状の突き出しスリーブ76が前記型開閉方向へ所定範
囲摺動自在に嵌合されている。この突き出しスリーブ76
は、前記コアブロック56を貫通し一端側が可動側受け板
52内に位置しているが、この可動側受け板52との間には
スライドベアリング77が介在させてある。さらに、突き
出しスリーブ76は、スプリング78により固定型11と反対
側へ付勢されている。なお、79は、突き出しスリーブ76
の摺動範囲を規制するために可動側受け板52内に固定さ
れた規制板である。
【0023】また、前記突き出しスリーブ76内にはほぼ
円筒状のゲートカットスリーブ81が前記型開閉方向へ所
定範囲摺動自在に嵌合されている。このゲートカットス
リーブ81は、突き出しスリーブ76および前記規制板79を
貫通しているが、ゲートカットスリーブ81と突き出しス
リーブ76との間にはスライドベアリング82が介在させて
ある。そして、ゲートカットスリーブ81の一端部に形成
されたフランジ部83が前記規制板79よりも可動側取り付
け板54側に位置している。さらに、ゲートカットスリー
ブ81は、スプリング84により固定型11と反対側へ付勢さ
れている。
【0024】また、前記可動側取り付け板54には、突き
出し板86が前記型開閉方向へ所定範囲摺動自在に支持さ
れている。この突き出し板86は、スプリング87により固
定型11と反対側へ付勢されている。そして、突き出し板
86に固定された突き出しピン88が前記ゲートカットスリ
ーブ81内に摺動自在に嵌合されている。また、突き出し
板86に固定された連動ピン89が前記ゲートカットスリー
ブ81のフランジ部83および規制板79を貫通して前記突き
出しスリーブ76に突き当たるようになっている。さら
に、前記ゲートカットスリーブ81のフランジ部83に突設
された受け部90が前記突き出し板86を摺動自在に貫通し
ている。
【0025】さらに、前記コアブロック56内には、冷却
水などの温調用流体を通すための温調通路91が形成され
ている。また、この温調通路91に連通する温調通路92が
前記可動側受け板52内に形成されている。さらに、温調
通路91,92を囲んでコアブロック56と可動側受け板52と
の間には、温調用流体の漏洩を防止するためのOリング
93が装着されている。
【0026】そして、前記固定型11側のスプルーブッシ
ュ18の先端面外周部と可動型12側のゲートカットスリー
ブ81の先端面外周部との間に、固定型11側のスプルー20
を製品キャビティ13に連通させるゲート96が形成される
ようになっている。また、ゲートカットスリーブ81がス
プルーブッシュ18の凹部38に嵌合することにより、ゲー
ト96においてスプルー20内の成形材料である樹脂と製品
キャビティ13内の樹脂すなわち光ディスクとが切断さ
れ、この光ディスクの中央部の開口孔が形成されるよう
になっている。したがって、固定型11においては、キャ
ビティブロック27に加えて内周スタンパー押え36および
スプルーブッシュ18の先端面外周部によって、光ディス
クが形成される。また、可動型12においては、コアブロ
ック56および突き当てリング62に加えてエア吹き出し入
子72および突き出しスリーブ76によって光ディスクが形
成される。
【0027】さらに、前記固定型11のキャビティブロッ
ク27における固定側取り付け板17への突き合わせ面およ
び可動型12のコアブロック56における可動側受け板52へ
の突き合わせ面には、それぞれクロームめっきからなる
厚さ調整層101,102が形成されている。なお、前記突き
合わせ面は、前記型開閉方向と直交する平面である。前
記厚さ調整層101,102は、新たにキャビティブロック27
あるいはコアブロック56を製作した際には不要のもので
あるが、後に詳しく説明するように、キャビティブロッ
ク27あるいはコアブロック56のキャビティ形成面30,59
を再研削または再研磨した後に形成されるものである。
【0028】つぎに、光ディスクの成形について説明す
る。この成形時には、まず固定型11と可動型12とを型閉
して、これら固定型11および可動型12間に製品キャビテ
ィ13を形成する。なお、このように型閉した状態で、可
動型12の突き当てリング62が固定型11のスタンパー37に
突き当たり、また、固定型11および可動型12の位置決め
リング29,58のテーパー面31,60が相互にテーパー嵌合
する。そして、射出成形機のノズルからスプルー20へ成
形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹
脂は、スプルー20からゲート96を通って製品キャビティ
13内に流入する。なお、当初は固定型11および可動型12
の型締力は比較的弱くなっており、製品キャビティ13の
樹脂の圧力により固定型11および可動型12が若干開く
が、この可動型12のコアブロック56に対して摺動自在に
支持された突き当てリング62は、スプリング65の付勢に
よりスタンパー37に突き当たった状態に保持される。
【0029】そして、製品キャビティ13内に樹脂が充填
された後、射出成形機側に設けられた図示していない押
圧ロッドによってゲートカットスリーブ81の受け部90が
固定型11の方へ押されることにより、ゲートカットスリ
ーブ81が固定型11側へ移動し、この固定型11のスプルー
ブッシュ18の凹部38に嵌合する。これにより、ゲート96
においてスプルー20内の樹脂と製品キャビティ13内の樹
脂すなわち光ディスクとが切断される。また、固定型11
および可動型12の型締力が強められることにより、コア
ブロック56を含めて可動型12のほぼ全体が固定型11の方
へ移動する。これにより、製品キャビティ13内の樹脂が
圧縮される。
【0030】また、製品キャビティ13内の樹脂は、温調
通路41,42,91,92内を温調用流体である冷却水が通る
ことにより冷却される。そして、製品キャビティ13内の
樹脂が冷却して固化した後、固定型11と可動型12とが型
開される。この型開に伴い、成形された光ディスクおよ
びスプルー20内で固化した樹脂はまず固定型11から離れ
る。ついで、射出成形機側に設けられた図示していない
押圧ロッドによって突き出し板86が固定型11の方へ押さ
れることにより、突き出し板86とともに突き出しピン88
が固定型11側へ移動し、スプルー20内で固化した樹脂を
突き出して可動型12から離型させる。また、突き出し板
86に固定された連動ピン89によって押されることにより
突き出しスリーブ76が固定型11側へ移動し、光ディスク
の内周部を突き出して可動型12から離型させる。なお、
この離型時、空気通路74から供給される空気がエア吹き
出し入子72とコアブロック56との間の隙間から吹き出す
ことにより、光ディスクと可動型12との間の真空破壊が
行われる。そして、離型した光ディスクは、図示してい
ない取り出しロボットにより取り出される。
【0031】このような成形を繰り返すうちに、固定型
11のキャビティブロック27や可動型12のコアブロック56
のキャビティ形成面30,59が劣化していく。例えば、キ
ャビティ形成面30,59に形成されたコーティングが部分
的に剥離したり、あるいは、キャビティ形成面30,59が
損傷したりする。スタンパー37が装着されるキャビティ
ブロック27のキャビティ形成面30にあっても、スタンパ
ー37との擦れなどによりキャビティ形成面30に磨耗が生
じたりする。特に光ディスクの情報記録部を形成するキ
ャビティブロック27およびコアブロック56のキャビティ
形成面30,59は高精度が要求され、劣化が生じた場合に
は更生が必要である。
【0032】ここで、この更生について、コアブロック
56を例に図3を参照しながら説明する。まず可動型12を
分解して、可動側受け板52からコアブロック56を外す。
そして、このコアブロック56における可動側受け板52へ
の突き合わせ面56aにクロームめっきを施して厚さ調整
層102を形成する。この厚さ調整層102の当初の厚さT3は
0.04〜0.05mm程度である。また、コアブロック56におけ
る突き合わせ面56aと反対側のキャビティ形成面59を研
削または研磨する。その研削代または研磨代T4は0.03〜
0.04mm程度である。さらに、コアブロック56全体の厚さ
を調整するために、厚さ調整層102も研削または研磨す
る。その研削代または研磨代T5は0.01mm程度である。そ
して、厚さ調整層102の当初の厚さT3から厚さ調整層102
の研削代または研磨代T5を減じた値T6がキャビティ形成
面59の研削代または研磨代T4と等しくなる(T6=T4)よ
うにすれば、コアブロック56全体の厚さ(キャビティ形
成面59と厚さ調整層102の表面との間の距離寸法)Tが
再研削または再研磨前と再研削または再研磨後とで一定
に保たれることになる。なお、図3において、厚さ調整
層102の厚さT3,T6や研削代または研磨代T4,T5は、分
りやすくするために誇張して表わしてある。
【0033】また、固定型11のキャビティブロック27の
更生、すなわちそのキャビティ面30の再研削または再研
磨も前記コアブロック56の場合と全く同様に行うことが
できる。
【0034】なお、キャビティブロック27またはコアブ
ロック56のキャビティ形成面30,59の再研削または再研
磨を繰り返すと、その度に厚さ調整層101,102は厚くな
っていく。
【0035】このように前記実施例の構成によれば、キ
ャビティブロック27またはコアブロック56のキャビティ
形成面30,59を再研削または再研磨するとき、この再研
削または再研磨によりキャビティブロック27の厚さある
いはコアブロック56の厚さが減少するのに対して、キャ
ビティブロック27における固定側取り付け板17への突き
合わせ面あるいはコアブロック56における可動側受け板
52への突き合わせ面56aにめっきからなる厚さ調整層10
1,102を形成して、この厚さ調整層101,102の厚さを前
記再研削または再研磨による厚さの減少分と等しくする
ことにより、キャビティブロック27またはコアブロック
56全体の厚さを一定に維持できる。したがって、その後
固定側取り付け板17あるいは可動側受け板52にキャビテ
ィブロック27またはコアブロック56を固定したとき、形
成される製品キャビティ13の厚さも一定に維持される。
【0036】そして、このようなめっきを利用した厚さ
調整であると、従来のようにスペーサを用いる場合に比
べ、平行度などの寸法管理が容易になる。すなわち、ス
ペーサを用いた場合には、キャビティブロックまたはコ
アブロックの両面とスペーサの両面との計4面の精度を
確保しなければならないが、めっきを利用した厚さ調整
であれば、厚さ調整層101,102を含めたキャビティブロ
ック27またはコアブロック56の両面の精度のみを確保す
ればよい。しかも、薄いスペーサの寸法管理を行う必要
がないので、よりいっそう寸法管理が容易になる。した
がって、メンテナンス性が向上するとともに、キャビテ
ィ形成面30,59の精度も確保しやすく、光ディスクを精
度よく成形できる。また、スペーサを用いないことによ
り、金型装置の大型化も避けられる。
【0037】さらに、キャビティブロック27またはコア
ブロック56と固定側取り付け板17または可動側受け板52
との間にスペーサを介在させる場合に比べて、キャビテ
ィブロック27と固定側取り付け板17との間の温調通路4
1,42およびコアブロック56と可動側受け板52との間の
温調通路91,92の構成もより簡単なものにできる。つま
り、キャビティブロック27やコアブロック56に温調通路
41,91があっても、めっきは支障なくできる。したがっ
て、コストを低減できるとともに、メンテナンス性もよ
りいっそう向上する。
【0038】また、厚さ調整層101,102を形成するめっ
きをクロームめっきとしたので、好適な厚さ調整層10
1,102を容易に形成できる。
【0039】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、厚さ調整層102を形成するめっきをク
ロームめっきとしたが、ニッケルめっきなどを用いるこ
ともできる。また、前記実施例の金型装置では、固定型
11の方にスタンパー37を設けたが、可動型の方にスタン
パーを設けてもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明の光ディスク成形用金型
装置によれば、基体に着脱可能に固定されるキャビティ
形成部材における基体への突き合わせ面にめっきからな
る厚さ調整層を形成したので、キャビティ形成部材のキ
ャビティ形成面を再研削または再研磨した際、この再研
削または再研磨による厚さの減少分を前記厚さ調整層に
よって補うことにより、メンテナンス性が向上するとと
もに、キャビティ形成面の精度も確保しやすく、光ディ
スクを精度よく成形できる。
【0041】請求項2の発明の光ディスク成形用金型装
置によれば、請求項1の発明の効果に加えて、めっきを
クロームめっきとしたので、好適な厚さ調整層を容易に
形成できる。
【0042】請求項3の発明の光ディスク成形用金型装
置の調整方法によれば、基体に着脱可能に固定されるキ
ャビティ形成部材のキャビティ形成面を研削または研磨
仕上げしてなる光ディスク成形用金型装置にあって、キ
ャビティ形成部材のキャビティ形成面を再研削または再
研磨するとき、キャビティ形成部材における基体への突
き合わせ面にめっきしてキャビティ形成部材の厚さを調
整するので、メンテナンス性が向上するとともに、キャ
ビティ形成面の精度も確保しやすく、光ディスクを精度
よく成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク成形用金型装置の一実施例
を示す断面図である。
【図2】同上ゲート付近の拡大断面図である。
【図3】同上キャビティ形成部材の厚さ調整を示す説明
断面図である。
【図4】従来の光ディスク成形用金型装置の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】 11 固定型(型体) 12 可動型(型体) 13 製品キャビティ 17 固定側取り付け板(基体) 27 キャビティブロック(キャビティ形成部材) 30 キャビティ形成面 52 可動側受け板(基体) 56 コアブロック(キャビティ形成部材) 59 キャビティ形成面 101 厚さ調整層 102 厚さ調整層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉し型閉時に光ディスクを形成
    する製品キャビティを相互間に形成する複数の型体を備
    え、この型体は、基体と、この基体に着脱可能に固定さ
    れ前記製品キャビティを形成するキャビティ形成部材と
    を有し、このキャビティ形成部材における前記基体への
    突き合わせ面にめっきからなる厚さ調整層を形成したこ
    とを特徴とする光ディスク成形用金型装置。
  2. 【請求項2】 前記めっきがクロームめっきからなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ディスク成形用金型装
    置。
  3. 【請求項3】 互いに開閉し型閉時に光ディスクを形成
    する製品キャビティを相互間に形成する複数の型体を備
    え、この型体は、基体と、この基体に着脱可能に固定さ
    れ前記製品キャビティを形成するキャビティ形成部材と
    を有し、このキャビティ形成部材における製品キャビテ
    ィを形成するキャビティ形成面を研削または研磨仕上げ
    してなる光ディスク成形用金型装置にあって、前記キャ
    ビティ形成部材のキャビティ形成面を再研削または再研
    磨するとき、前記キャビティ形成部材における前記基体
    への突き合わせ面にめっきして前記キャビティ形成部材
    の厚さを調整することを特徴とする光ディスク成形用金
    型装置の調整方法。
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