JP2010253355A - 膜分離活性汚泥処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】槽外型または槽内型の膜分離活性汚泥処理装置であって、分離膜は四弗化エチレン樹脂製多孔質体の分離膜とし、該分離膜で濾過された処理水を循環加熱する加熱器と、該加熱機で加熱された加熱処理水を前記分離膜に洗浄水として供給する自動洗浄装置を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この種の水処理装置として、特開2007−69204号公報では、膜分離活性汚泥法で水処理した処理水を更に逆浸透処理する場合に、逆浸透膜面のバイオファウリングを抑制するために、膜分離処理槽と逆浸透処理槽との間に紫外線処理、オゾン処理あるいは塩素処理槽を設けて、処理水中の粒子の微細化および殺菌を行っている。
そのため、膜モジュールを用いた濾過装置は、通常、運転時には散気管から加圧空気を送り、エアバブリング等で排水の流れを作り、これによる堆積物の剥離や濾過膜の揺動による機械的負荷による堆積物を取り除く清浄操作(散気処理)が行われる。
よって、分離膜は高い濾過性能を有することに加えて、長期間運転時の機械的負荷に耐えうる強度が要求される。
また、特に活性汚泥が分離膜表面に付着する分離膜は、薬液を用いて殺菌洗浄する必要があるため、酸・アルカリに対して優れた耐薬品性を兼ね備えていることが要望されている。
このように、従来汎用されている分離膜はポリオレフィン系樹脂が多く、そのほか、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、酢酸セルロース、ポリスルホン等から形成されている。
これらの従来分離膜として用いられている樹脂は、高濃度の酸やアルカリからなる洗浄液に対する耐薬品性は十分でないため、分離膜の洗浄が容易に行えない問題がある。
前記分離膜は四弗化エチレン樹脂製多孔質体の分離膜からなり、かつ、
前記分離膜で濾過された処理水を循環加熱する加熱器と、
前記加熱機で加熱された加熱処理水を前記分離膜に洗浄水として供給する自動洗浄装置と、
を備えていることを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置を提供している。
前記分離膜は四弗化エチレン樹脂製多孔質体の分離膜からなり、かつ、
前記分離膜で濾過された処理水を循環加熱する加熱器と、
前記加熱機で加熱された加熱処理水を前記分離膜に逆洗浄水として供給する自動洗浄装置と、
前記活性汚泥槽へ被処理液を供給する流量調節槽と、
前記活性汚泥槽内の液温を測定する温度測定器と、
前記加熱処理水による逆洗時に、前記温度測定器で測定した温度に応じて前記流量調節槽から活性汚泥槽へ供給する被処理液の流量を調節し、活性汚泥槽内の被処理液温度を設定温度範囲に制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置を提供している。
その際、槽外型の場合も加熱処理水は逆洗水として用い、薬液洗浄水はクロスフローで供給し、これを交互に繰り返すことが好ましい。
前記薬液洗浄液としては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、これらの混合液を用いることが好ましい。高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、これらの混合液からなる洗浄用薬液を用いて洗浄すると、分離膜の表面に付着、蓄積する難溶解性成分を確実に溶解することができる。なお、洗浄用薬液として塩酸水溶液を用いることもできる。
さらに、加熱処理水と薬液洗浄水とを交互に供給して洗浄すると、分離膜の目詰まりを大幅に低減でき、分離膜を長期安定して稼働することができる。
PTFEは耐熱性、耐薬品性、化学安定性、高強度、滑り易く懸濁成分が付着しにくい非粘着性、低摩擦係数、耐候性に優れた特性を備えている。PTFEは特に他の樹脂膜と比較して耐熱性に優れ、融点は327℃であるため、加熱処理水により洗浄を繰り返し行っても分離膜は劣化しない利点がある。
また、PTFEは他の樹脂膜と比較して耐薬品性に優れているため、高濃度のアルカリ液や酸性液を洗浄液として用いることができる。
該PTFE製の分離膜として、住友電工ファインポリマー(株)製「ポアフロン(登録商標)メンブレン・シリーズ」を好適に用いることができる。
あるいはPTFE製の分離膜は単層または複層の平膜とし、前記分離膜モジュールは平膜モジュールとしている。
前記平均孔径は0.01μm以上、上限は10μm以下、さらに、5.0μm以下であることが好ましい。該平均孔径はPMI社製パームポロメーター(型番 CFP-1200A)により測定している。
該延伸PTFE製の分離膜は、活性汚泥を含む排水や微小な粒子を含む排水を原水とする場合では、粒子径0.5μmである粒子の粒子捕捉率が90%以上としていることが好ましい。
前記平均膜厚はダイアルゲージにより測定している。前記気孔率はASTM D792に記載の方法で測定している。
さらに、pH10以上の強アルカリ洗浄液およびpH3以下の強酸性洗浄液に対する耐性を有するものとしていることが好ましい。
併用する熱可塑性のフッ素樹脂はPFA、FEP、ETFE、PCTFE、PVDF、PVF等が挙げられ、その中でもPTFEの融点ピーク以上(327℃以上)でも比較的分解速度が低いFEPが好ましく、更にはPFAがより好ましい。
前記生物処理部には、PTFE製の多孔質体からなる担体あるいは一体的に連結した小粒径の砂利やプラスチック等の球体や糸状体を担体(充填材)に微生物を付着させ、これら担体の表面や担体の隙間に微生物を付着した固定床式の生物膜としている。
なお、流動床式としても良いが、分離膜処理部と下部流通路を介して接続するため、流動式とすると、被処理水中に浮遊した担体が分離膜処理部へ流入する恐れがあるため、固定床式の生物膜が好適に用いられる。かつ、固定床式の生物膜とすると、その下方に配管する散気管より生物膜に対して的確に酸素を供給することができる。該生物膜処理部には、凝集剤を添加してもよい。
このように、生物処理部用の散気管と分離膜処理部用の散気管とを分離することで、これら散気管から噴射する噴射時間、エア量およびエア噴射圧を、生物処理部と分離膜処理部とにそれぞれ適したものに制御することができる。よって、生物処理部用の散気管では、例えば、微生物の活性状態をモニタ手段でモニタリングしながら、酸素の供給が必要な時に散気を行う一方、分離膜処理部の散気管では、分離膜の表面の目詰まりを防止するために常時散気を行うことができる。
図1及び図2に第一実施形態の槽外型の膜分離活性汚泥処理装置を示す。該処理装置は下水や工場排水等の高濁度の懸濁成分を含む原水を浄化処理するものである。
該分離膜モジュール5は延伸PTFE製多孔質体からなる中空糸6を集束した中空糸分離膜モジュールとしている。
前記加熱器11では供給された処理水をヒータ、抵抗加熱器、マイクロ波加熱器等で加熱し、処理水を60℃以上、好ましくは90℃以上に加熱している。
自動洗浄装置13内に、加熱処理水の供給部14と、薬液の供給部15と、これら供給部14と15からの洗浄水の供給時期を制御する制御器16を備えている。
また、自動洗浄装置13は供給部14から加熱処理水の洗浄液を分離膜モジュール5の各中空糸6の中空部内に供給する配管17を備え、加熱処理水は逆洗水として用いている。かつ、薬液洗浄液の供給部15から薬液を中空糸6にクロスフローで供給する配管18を備えている。
前記加熱処理水からなる逆洗浄水とクロスフローする薬液とは交互に繰り返して供給し、中空糸6を洗浄する設定としている。
なお、加熱処理水をクロスフローで供給してもよい。また、薬液洗浄液を逆洗浄水としてもよい。
なお、洗浄時期は予め設定した周期に行ってもよいし、中空糸の表面に付着する懸濁成分の付着状態を常時検出する撮影手段等からなるモニタリング手段を設け、付着率が閾値を越えると洗浄を開始するようにしてもよい。
前記生物膜22の下方に、生物膜22に向けて散気する生物膜用の散気管24を配管し、該散気管24と接続した空気供給管25をポンプP4を介してブロア21と接続している。散気管24から酸素の補給が必要な時に散気している。
中空糸分離膜モジュール5は、図2に示すように、多数本の延伸PTFE製の中空糸6をそれぞれU形状に2つ折りして隙間をあけて並設し、これら中空糸6の上端を封止固定材30で連結固定している。該封止固定材30には、各中空糸6の中空部と連通する集水部30aを設け、該集水部30aに集水ヘッダー31を外嵌固定し、該集水ヘッダー31を前記集水管7と接続している。
一方、各中空糸6の下端の湾曲部には支持棒32を通してU形状を保持している。支持棒32は保持枠33で保持している。
このように、中空糸分離膜モジュール5では、間隔をあけて中空糸6の下端を封止固定材に固定していないことより、下方の散気管19から噴射する散気を中空糸6の隙間に通し易くしている。
前記濾過膜を形成する延伸PTFE多孔質シートは、1軸延伸、2軸延伸で得られたものでもよいが、PTFE未焼結粉末と液状潤滑剤のペースト押出によって得られる成形体を2軸延伸して得られた多孔質シートを焼結して得られたものであることが好ましい。2軸延伸することで、空孔を囲む繊維状骨格の強度を高めることができる。
また、濾過膜と支持膜とは未焼結状態のPTFE多孔質膜を焼結一体化することにより、容易に積層体を形成することができる。
中空糸6は濾過面の平均孔径が0.01μm以上10μm以下、平均膜厚(複層では濾過層と支持層を加えた厚さ)が0.1〜10mm、気孔率が40〜90%、内径が0.3〜10mm、IPAバブルポイントを10〜200kPaの範囲としている。
さらに、中空糸6はJIS K 7113に規定の引張強度が10N/mm2以上としている。また、該PTFE製の中空糸6の融点は327℃である。さらに、pH10以上の強アルカリ洗浄液およびpH3以下の強酸性洗浄液に対する耐性を有する。
該中空糸膜モジュール5による濾過時には散気管19から常時散気を行っているため、中空糸6の表面に懸濁成分が堆積して目詰まりが発生するのを低減できる。
前記のように、中空糸6の内外差圧が閾値に達すると自動洗浄装置13から洗浄液を中空糸6へ供給して洗浄している。
該洗浄時には、まず、加熱器11内で貯水部に溜めた処理水を設定温度に加熱し、加熱処理水を自動洗浄装置13の供給部14へ送給し、前記のように、加熱処理水からなる洗浄液を逆洗浄水として中空糸6の中空部に所要圧で供給し、中空糸6を逆洗浄する。また、前記薬液洗浄液を中空糸6の表面にクロスフローで供給して洗浄する。
この洗浄を交互に所要回数繰り返して、中空糸6を洗浄している。
これにより、前記加熱処理水と薬液とからなる洗浄液を交互に中空糸6の内外面から供給することで、中空糸6の表面に付着した難溶性の懸濁成分を除去できると共に、平滑性が良いため、洗浄液でスムーズに懸濁成分を除去できる。かつ、中空糸6の空孔内に付着している懸濁成分も加熱処理水の逆洗浄で中空糸6の外側へと除去することができる。
さらに、加熱処理液を高圧で中空糸6内に供給して空孔から噴射しても、PTFEは高強度があるため、中空糸6の損傷や折れを発生させない利点がある。
第一実施形態はPTFE製の中空糸を用いて、中空糸膜分離モジュールとしているが、変形例ではPTFE製の平膜を用いた平膜エレメント61を集束した平膜式分離膜モジュール60としている点を相違させている。他の構成は第一実施形態と同一であるため説明を省略する。
前記濾過膜62はU形状に折り曲げた状態で、対向する対向濾過部の外周縁を、上端の処理液取出口を空けて、熱融着してシールして外周封止部64を形成している。
前記処理液取出口には、集水管との接続する集水ヘッダー65を外周封止部64と固着して設けている。
0.01〜20μmの空孔を備え、粒子径0.45μmの粒子捕捉率が90%以上のものを用いている。平均膜厚が5〜200μm、空孔を囲む繊維状骨格の平均最大長さを5μm以下としている。また、該濾過膜62は第一実施形態と同様に融点327℃の耐熱性を有し、かつ、引張強度が10N/mm2以上の強度を有している。かつ、3質量%の硫酸、4質量%の水酸化ナトリウム水溶液、有効塩素濃度10%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の各々に温度50℃で10日間浸漬しても透過水量が低下せず、損傷されない優れた耐薬品性を備えたものとしている。
このように、平膜エレメント61を薄く且つ撓みやすいものとしているため、下方に配置する分離膜用の散気管からエアを噴出し気泡が発生すると、濾過膜62は気泡との接触で揺れが生じ、懸濁成分による目詰まりの発生を抑制することができる。
第二実施形態は活性汚泥槽1内に分離膜モジュール5を配置した槽内型の膜分離活性汚泥法を用いた水処理装置としている。
なお、前記第一実施形態においても、活性汚泥槽1に投入する被処理液は、同様にスクリーンを通して粗濾過をし、流量調節槽を通し、ポンプP7で活性汚泥槽1へ投入する被処理液の流量を制御している。
また、生物槽22の下方に散気管24を配置し、中空糸分離膜モジュール5の下方に散気管19を配置し、それぞれ独立制御するポンプP3、P4を介してブロア21と接続している。
その際、加熱処理液は逆洗浄液としている。
該ポンプ制御器77は温度計75とpH計76からの検出値に応じて、ポンプP7の運転および回転回数を制御し、活性汚泥槽1内の液温が20〜37℃の範囲、pHが中性になるように、流量調節槽71から活性汚泥槽1へ被処理液を供給している。
活性汚泥槽1内に配置する中空糸分離膜モジュール5の中空糸6は第一実施形態と同様なPTFE製としており、説明を省略する。
第二実施形態では、活性汚泥槽1内に、下部流通路80をあけた仕切壁81を設け、活性汚泥槽1内を生物処理部82と分離膜処理部83とに分けている。
生物処理部82に生物膜22を配置し、分離膜処理部83に中空糸分離膜モジュール5を配置している。
他の構成は第二実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
2 分離膜槽
5 分離膜モジュール
6 中空糸
11 加熱器
13 自動洗浄装置
Claims (6)
- 活性汚泥槽と配管を介して分離膜槽を設けた槽外型の膜分離活性汚泥処理装置において、
前記分離膜は四弗化エチレン樹脂製多孔質体の分離膜からなり、かつ、
前記分離膜で濾過された処理水を循環加熱する加熱器と、
前記加熱機で加熱された加熱処理水を前記分離膜に洗浄水として供給する自動洗浄装置と、
を備えていることを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置。 - 活性汚泥槽内に分離膜を配置した槽内型の分離膜活性汚泥法を用いた水処理装置において、
前記分離膜は四弗化エチレン樹脂製多孔質体の分離膜からなり、かつ、
前記分離膜で濾過された処理水を循環加熱する加熱器と、
前記加熱機で加熱された加熱処理水を前記分離膜に逆洗浄水として供給する自動洗浄装置と、
前記活性汚泥槽へ被処理液を供給する流量調節槽と、
前記活性汚泥槽内の液温を測定する温度測定器と、
前記加熱処理水による逆洗時に、前記温度測定器で測定した温度に応じて前記流量調節槽から活性汚泥槽へ供給する被処理液の流量を調節し、活性汚泥槽内の被処理液温度を設定温度範囲に制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする膜分離活性汚泥処理装置。 - 前記加熱器で加熱する加熱処理水の温度は60℃以上としている請求項1または請求項2に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
- 前記自動洗浄装置から洗浄時に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、これらの混合液からなる薬液を洗浄液として用い、前記加熱処理水からなる洗浄水は逆洗水とし、前記薬液の洗浄液はクロスフローとして、交互に前記分離膜に供給している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
- 前記四弗化エチレン樹脂製多孔質体の分離膜は延伸四弗化エチレン樹脂製の単層または複層の中空糸とし、前記分離膜モジュールは中空糸膜モジュールとし、
または、前記四弗化エチレン樹脂製多孔質体の分離膜は単層または複層の平膜とし、前記分離膜モジュールは平膜モジュールとしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の膜分離活性汚泥処理装置。 - 前記分離膜は、平均孔径が0.01μm以上、平均膜厚が10μm以上、JIS K 7113に規定の引張強度が10N/mm2以上、融点327℃、pH10以上の強アルカリ洗浄液およびpH3以下の強酸性洗浄液に対する耐性を有する延伸四弗化エチレン樹脂製PTFE多孔質体からなる請求項5に記載の膜分離活性汚泥処理装置。
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