JP2010249743A - レゾルバ及びレゾルバの製造方法 - Google Patents

レゾルバ及びレゾルバの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転角度の検出精度をより一層向上させることが可能なレゾルバ及びレゾルバの製造方法等を提供する。
【解決手段】レゾルバ100は、磁性材料からなり、環状の平板面に対して複数のステータティースが交差するように設けられたステータ200と、複数のステータティースの各ステータティースの外側に巻回されるように、平板面に搭載される基板に形成される複数のステータ巻線と、磁性材料からなり、所与の回転軸回りの回転により各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するように前記ステータに対して回転可能に設けられたロータ300とを含み、前記基板に、複数のステータ巻線の少なくとも1つと電気的に接続され励磁信号又は検出信号が伝送される配線が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、レゾルバ及びレゾルバの製造方法に関する。
従来、この種のレゾルバは、ステータ及びロータを有し、ステータに対するロータの回転位置によってステータとロータとの間の相互インダクタンスが変化することを利用して、ステータに対するロータの回転角度に応じた検出信号を出力する。
図18に、従来のレゾルバの構成例を示す。図18は、レゾルバのステータ構造のみを表す。
従来のレゾルバのステータ900は、多層状の鉄心902の内側に多数の歯部904とスロット906とを有し、歯部904とスロット906とが円周方向に交互に形成されている。各歯部904には、絶縁キャップ908を介してステータ巻線910が巻回されており、ステータ巻線910と鉄心902と各歯部904とは電気的に絶縁されている。絶縁キャップ908の一端には、鉄心902の端面に沿って延設された絶縁延長部912が一体に形成され、この絶縁延長部912には複数の端子ピン914が植設されている。端子ピン914には、コネクタ916を有するリード線918が接続されると共に、各端子ピン914にはステータ巻線910の端線が接続されている。
そして、ステータ巻線は、例えば励磁用の励磁巻線と2相の検出巻線により構成され、励磁巻線により励磁された状態で、図示しないロータが回転すると、このロータとステータとの間のギャップパーミアンスが回転角度θに対して正弦波状に変化するようになっている。回転角度θに対応して2相の検出巻線の電圧が変化するため、この電圧変化に基づいて回転角度が検出される。
そして、このレゾルバからの検出信号をR/D変換器においてデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号を出力して後段の制御処理に供していた。
特開平10−309067号公報
ところで、レゾルバにおいては、回転角度の検出精度を高めるためには、励磁巻線や検出巻線を精度良く巻回する必要がある。しかしながら、特許文献1に開示されたレゾルバでは、歯部が内側に向けて設けられているため、励磁巻線や検出巻線を精度良く巻回することができず、検出精度の向上の大きな障害となっていた。
また、従来のレゾルバでは、巻線磁芯の外側に導線を巻回させていたため、励磁用の巻線部材や検出用の巻線部材のインダクタンスのばらつきを、ある程度許容せざるを得ず、回転角度の検出精度のより一層の向上には限界があった。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、回転角度の検出精度をより一層向上させることが可能なレゾルバ及びレゾルバの製造方法等を提供することにある。
(1)本発明の一態様は、レゾルバが、磁性材料からなり、環状の平板面に対して複数のステータティースが交差するように設けられたステータと、前記複数のステータティースの各ステータティースの外側に巻回されるように、前記平板面に搭載される基板に形成される複数のステータ巻線と、磁性材料からなり、所与の回転軸回りの回転により前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するように前記ステータに対して回転可能に設けられたロータとを含み、前記基板に、前記複数のステータ巻線の少なくとも1つと電気的に接続され励磁信号又は検出信号が伝送される配線が形成される。
本態様によれば、巻線部材として、予めコイルや配線等の所定の導電体パターンを形成した基板を採用することで、巻線を規格通りに精度良く形成することが可能となり、巻線のインダクタンスのばらつきを極めて小さくすることができるようになる。また、ステータ巻線同士を接続する配線の蛇行部分を確実に排除でき、不要なノイズの混入を確実に防止できるようになる。これらの結果、検出精度を向上させることが可能なレゾルバを提供できるようになる。更に、このような基板を平板の上方から搭載することでステータ巻線を設けることができるので、ステータの内側の狭い空間で各ステータティースにステータ巻線を巻回させる必要がなくなる。そのため、レゾルバの製造工程を簡素化できる上に、検出精度をより向上させることができるようになる。
(2)本発明の他の態様では、前記基板は、スルーホールを介して電気的に接続可能な複数の層が積層されてなる多層基板であり、前記ステータ巻線を構成する励磁用コイル、前記ステータ巻線を構成する検出用コイル、及び前記配線が、前記多層基板を構成する複数の層に分けて形成される。
本態様によれば、基板を多層基板で構成するようにしたので、コイルや配線が形成される領域を小さくでき、ノイズの混入をできるだけ小さくし、かつ、基板の面積を小さくできるようになる。
(3)本発明の他の態様では、前記複数のステータ巻線及び前記配線の材質が、アルミニウムを主成分とする材質である。
本態様によれば、銅材料でコイルや配線等を形成する場合に比べて、比重の軽いアルミニウム材料を採用することで、レゾルバの軽量化及び低コスト化を図ることができる。
(4)本発明の他の態様では、前記ロータの回転により、前記ロータの外径側と前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するインナーロータ型である。
本態様によれば、検出精度のより一層の向上が可能なインナーロータ型のレゾルバを提供できるようになる。
(5)本発明の他の態様では、前記ロータの回転により、前記ロータの内径側と前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するアウターロータ型である。
本態様によれば、検出精度のより一層の向上が可能なアウターロータ型のレゾルバを提供できるようになる。
(6)本発明の他の態様では、前記ステータの材質は、1枚の電磁鋼板、普通鋼であるSPCC、機械構造用炭素鋼であるS45C又はS10Cである。
本態様によれば、曲げによる加工精度や信頼性を維持しやすい1枚の電磁鋼板、SPCC、S45C又はS10Cをステータの材質として採用することで、上記の効果に加えて、安価な材料でステータを用意し、低コスト且つ信頼性の高いレゾルバを提供できるようになる。
(7)本発明の他の態様では、前記ステータに対する前記ロータの回転角に応じた前記ステータ巻線からの検出信号に対応したデジタル信号を出力する変換器を含む。
本態様によれば、変換器を内蔵することで、ステータ巻線からの検出信号へのノイズの混入を最小限に抑え、検出精度を向上させたレゾルバを提供できるようになる。
(8)本発明の他の態様は、レゾルバの製造方法が、磁性材料からなる環状の平板の縁部に形成されたステータの複数のステータティースを起こすように折り曲げ加工する折り曲げ工程と、前記複数のステータティースの各ステータティースを巻線磁芯として励磁用及び検出用の複数のステータ巻線と、前記複数のステータ巻線の少なくとも1つと電気的に接続され励磁信号又は検出信号が伝送される配線とが形成された基板を、前記平板に搭載する巻線部材取り付け工程と、磁性材料からなり、回転軸回りの回転により前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するように前記ステータに対して回転可能にロータを取り付けるロータ取り付け工程とを含む。
本態様によれば、製造工程を簡素化し、かつ、検出精度をより向上させるレゾルバの製造方法を提供できるようになる。
(9)本発明の他の態様では、前記基板は、スルーホールを介して電気的に接続可能な複数の層が積層されてなる多層基板であり、前記ステータ巻線を構成する励磁用コイル、前記ステータ巻線を構成する検出用コイル、及び前記配線が、前記多層基板を構成する複数の層に分けて形成される。
本態様によれば、基板を多層基板で構成するようにしたので、コイルや配線が形成される領域を小さくでき、ノイズの混入をできるだけ小さくし、かつ、基板の面積を小さくできるレゾルバの製造方法を提供できるようになる。
(10)本発明の他の態様では、前記複数のステータ巻線及び前記配線の材質が、アルミニウムを主成分とする材質である。
本態様によれば、銅材料でコイルや配線等を形成する場合に比べて、比重の軽いアルミニウム材料を採用することで、軽量化及び低コスト化を図るレゾルバの製造方法を提供することができるようになる。
本発明に係る実施形態1におけるレゾルバの構成例の斜視図。 図1のステータの分解斜視図。 図1又は図2のプリント基板の斜視図の一例を示す図。 プリント基板に設けられた挿入孔に挿入されるステータティースの説明図。 図5(A)、図5(B)はプリント基板に形成されるコイルの説明図。 図1のレゾルバの上面図。 実施形態1におけるプリント基板の断面構造を模式的に示す図。 実施形態1におけるレゾルバの製造方法の一例のフロー図。 折り曲げプレス加工前の実施形態1におけるステータを構成する平板の斜視図。 本発明に係る実施形態2におけるレゾルバの構成例の斜視図。 実施形態2における折り曲げプレス加工工程後のステータを構成する平板の斜視図の一例を示す図。 実施形態2におけるステータティースの形状の説明図。 本発明に係る実施形態3におけるレゾルバの構成例の斜視図。 実施形態3における折り曲げプレス加工工程後のステータを構成する平板の斜視図の一例を示す図。 実施形態3におけるステータティースの形状の説明図。 いずれかの実施形態におけるレゾルバが適用された角度検出システムの構成例の機能ブロック図。 図17(A)、図17(B)は、いずれかの実施形態におけるレゾルバが適用されるシステムの具体的な構成例を示す図。 従来のレゾルバの構成例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するために必須の構成要件であるとは限らない。
〔実施形態1〕
図1に、本発明に係る実施形態1におけるレゾルバの構成例の斜視図を示す。なお、図1では、ステータ巻線等の配線を模式的に表している。また、図1では、レゾルバ100が、8個のステータティースを有し、1相励磁2相出力型のレゾルバである例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2に、図1のステータの分解斜視図を示す。図2において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
レゾルバ100は、ステータ(固定子)200と、ロータ(回転子)300とを含む。レゾルバ100は、いわゆるインナーロータ型の角度検出装置である。即ち、ステータ200の内側にロータ300が設けられ、ステータ200がロータ300の外周側(外径側)の側面と対向した状態で、ロータ300の回転角度に応じて、ステータ200に設けられたステータ巻線を構成する検出巻線からの信号が変化するようになっている。
ステータ200は、磁性材料からなる環(リング)状の平板250を用いて構成され、この平板250に複数のステータティースが設けられている。これらのステータティースは、平板250の平板面に対して交差するように設けられている。図1では、ステータ200は、折り曲げ加工等により平板面に対して同一面側に略垂直に起こされた8個のステータティース(突極部)210a、210b、210c、210d、210e、210f、210g、210hを有する。ステータティース210a〜210hは、プレス加工により予め平板250に形成された後に、折り曲げプレス加工(広義には折り曲げ加工)により、平板250の面に対して略垂直となるように起こされている。これらのステータティースは、環状の平板250の内側(内径側)の縁部に形成され、各ステータティースの面のうち少なくともロータ300と対向する面は平面ではなく、ロータ300の回転軸の方向に沿って見たときに、環状の平板250の内径側に位置する点を中心とする円弧の一部となるように形成されている。
ロータ300は、磁性材料からなり、ステータ200に対して回転自在に設けられている。より具体的には、ロータ300は、ロータ300の回転軸回りの回転によりステータ200の各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するようにステータ200に対して回転可能に設けられる。例えば、ロータ300の軸倍角が「3」であり、所与の半径の円周線を基準に、該円周線の1周につき、平面視において外径側の外形輪郭線を3周期で変化する形状を有している。そして、平板250に対して起こされたステータティースの内側(内径側、内周側)の面と対向するロータ300の外周側の面が、ロータ300の1回転につき3周期でギャップパーミアンスが変化するようになっている。
また、ステータ200には、平板250に搭載可能に構成されたプリント基板400が搭載される。プリント基板400には、ステータティース210a〜210hの各ステータティースを巻線磁芯としてその外側に巻回するように設けられるシート状のコイルと、各コイルを電気的に接続する導電層である配線とが形成される。そして、このプリント基板400をステータ200に搭載することで、励磁用のコイルで励磁した状態で、ロータ300の回転角度に対応した検出信号を取得することができる。ここで、プリント基板400に形成された挿入孔の向きは、ロータ300の回転軸の向きである。
図3に、図1又は図2のプリント基板400の斜視図の一例を示す。図3において、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
プリント基板400には、ステータ200のステータティース210a〜210hの位置に合わせてステータティースの挿入孔410a〜410hが設けられ、これらの挿入孔のそれぞれの外側に巻回するようにコイル420a〜420hが形成されている。コイル420a〜420hの各コイルは、渦巻き状の導電層が挿入孔の周囲に形成されたものであり、プリント基板400をステータ200に搭載したとき、挿入孔に挿入されたステータティースが巻線磁芯として機能するようになっている。
またプリント基板400は、コネクタ部450を有する。コネクタ部450には、端子ピン挿入孔461〜466が設けられており、端子ピン挿入孔461〜466には、ステータ巻線と電気的に接続される導電材からなる端子ピン471〜476がそれぞれ挿入される。ステータ巻線であるコイル420a〜420hには、端子ピン471〜476のいずれかを介して外部から励磁信号が印加されると共に、端子ピン471〜476のいずれかを介して外部に検出信号を出力する。
そして、プリント基板400には、端子ピン471〜746のいずれかとコイル420a〜420hのいずれかとを電気的に接続する配線が、アルミニウム材料(広義にはアルミニウムを主成分とする導電材料)で形成される。ここで、コイル420a〜420hもまた、アルミニウム材料で形成されることが望ましい。即ち、ステータ巻線及び配線の材質が、アルミニウムを主成分とする材質であることが望ましい。
これにより、銅材料(広義には銅を主成分とする導電材料)でコイル(ステータ巻線)や配線を形成する場合に比べて、比重の軽いアルミニウム材料を採用することで、レゾルバの軽量化及び低コスト化を図ることができる。
図4に、プリント基板400に設けられた挿入孔410aに挿入されるステータティース210aの説明図を示す。図4において、図1〜図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図4は、挿入孔410aを通り、ロータ300の回転軸を中心とした所与の円周方向のステータティース210aの断面構造を模式的に表す。図4は、ステータティース210aの断面図を表すが、ステータティース210b〜210hも同様の構造を有している。
平板250に対して起こされたステータティース210aが、プリント基板400に設けられた挿入孔410aに挿入される。この結果、該挿入孔410aの周囲に配置されたコイル420aが、ステータティース210aを巻線磁芯とするステータ巻線として機能する。
ここで、ロータ300(の外周側の側面)と対向するステータティース210aの面の形状(外形輪郭線の形状)が、平板面からステータティース210aの先端部まで、平板面と平行で、かつ、ロータ300の回転軸を中心とした円周方向D1の幅が一定である矩形形状を有している。ここで、方向D1は、ロータ300の回転方向ということができる。即ち、図4において、平板面におけるステータティース210aの方向D1の幅d1と、ステータティース210aの先端部の方向D1の幅d2とが一致している形状を有している。このような形状を有することで、ステータティース210aには多くの磁束を通ることになり、検出信号の出力レベルが上がり、レゾルバ100の変圧比を上げることができるようになる。
ここで、ロータ300の回転によって検出巻線から出力される検出信号を取り出すためのコイルについて説明する。コイルは、ステータ巻線として、励磁用コイル(励磁巻線)と検出用コイル(検出巻線)とから構成される。レゾルバ100においては、励磁用コイルにより励磁した状態で、ステータ200に対するロータ300の回転により、検出用コイルの信号が変化する。
図5(A)、図5(B)に、プリント基板400に形成されるコイルの説明図を示す。図5(A)は、励磁用コイルの説明図を表す。図5(B)は、検出用コイルの説明図を表す。図5(A)、図5(B)は、図1のロータ300の回転軸方向にレゾルバ100を見た平面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図5(A)では、励磁用コイルの巻き方向を模式的に示し、図5(B)では、検出用コイルの巻き方向を模式的に示す。実際には、各コイルは、プリント基板上に形成されている。
励磁用コイルは、励磁巻線として、図5(A)に示すように、隣接するステータティースの巻線方向が互いに反対方向となるように設けられる。このような励磁用コイルと電気的に接続される端子ピンR1、R2間に、励磁信号が与えられる。端子ピンR1、R2は、図1又は図2の端子ピン471〜476のいずれかに割り当てられる。
また、図5(B)に示すように、2相の検出信号を得るために、検出用コイルは、検出巻線として、2組の検出用コイルからなる。2相の検出信号の第1相(例えばSIN相)の検出信号を得るための検出用コイルは、例えばステータティース210aから反時計回りにステータティース210gまで、1つおきに各ステータティースに巻回される。一方、2相の検出信号の第2相(例えばCOS相)の検出信号を得るための検出用コイルは、例えばステータティース210bから反時計回りにステータティース210hまで、1つおきに各ステータティースに巻回される。第1相の検出信号は、端子ピンS1、S3間の信号として検出され、第2相の検出信号は、端子ピンS2、S4間の信号として検出される。端子ピンS1〜S4は、図1又は図2の端子ピン471〜476のいずれかに割り当てられる。
このように、ステータティース210a、210c、210e、210gが挿入されるプリント基板400の挿入孔410a、410c、410e、410gの周囲には、コイル420a、420c、420e、420gとして励磁用コイル及び第1相(SIN相)の検出用コイルが形成される。また、ステータティース210b、210d、210f、210hが挿入されるプリント基板400の挿入孔410b、410d、410f、410hの周囲には、コイル420b、420d、420f、420hとして励磁用コイル及び第2相(COS相)の検出用コイルが形成される。
なお、実施形態1では、励磁用コイルの巻き方向は、図5(A)に示す方向に限定されるものではない。また、実施形態1では、検出用コイルの巻き方向は、図5(B)に示す方向に限定されるものではない。
以上のような構成を有するレゾルバ100では、ステータ200に対するロータ300の回転によって、次のような磁気回路が形成される。
図6に、図1のレゾルバ100の上面図を示す。図6は、図1のロータ300の回転軸方向にレゾルバ100を見た平面図であり、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図6では、説明の便宜上、プリント基板400の図示を省略すると共に、ステータ200に対してロータ300が回転状態のときのある時刻における磁束の向きを模式的に示している。また、図6において、巻線磁芯としての各ステータティースを通る磁束の向きを模式的に示している。
ステータ200にプリント基板400を搭載することにより、ステータ200に設けられるステータティース210a〜210hにコイルが設けられ、ロータ300が回転すると、ロータ300を介して隣接するステータティース間で磁気回路が形成される。実施形態1では、図6に示すように、隣接するステータティースを通る磁束の向きが反対方向となるようにコイルが設けられているため、ロータ300の回転によって、各ステータティースとの間のギャップパーミアンスの変化に応じて、各ステータティースに巻回されるステータ巻線としてのコイルに発生する電流もまた変化し、例えば検出用コイルに発生する電流波形を正弦波状にすることができる。
このような励磁用コイル及び検出用コイルをプリント基板400に形成するために、プリント基板400は、多層基板で構成されることが望ましい。
図7に、実施形態1におけるプリント基板400の断面構造を模式的に示す。図7は、プリント基板400の複数の挿入孔を通る断面線における断面図を表す。
プリント基板400には、ステータティース210a〜210hが挿入される挿入孔410a〜410hが設けられる。図7では、挿入孔410a〜410hのうち、隣接する3つの挿入孔481、482、483が示されている。そして、プリント基板400は、励磁用コイルの形成層490、検出用コイルの形成層492、各コイル間を接続する配線の形成層494、496、コイルと端子ピン471〜476を接続する配線の形成層498からなる多層基板であり、各層は、スルーホールを介して電気的に接続可能に構成される。
励磁用コイルの形成層490には、例えば図5(A)に示すようにステータティース210a〜210hに対応してコイルが形成される。例えば図7では、導電層491が挿入孔481の周囲に形成されることで、励磁用コイルが実現される。
検出用コイルの形成層492には、例えば図5(B)に示すようにステータティース210a〜210hに対応してコイルが形成される。例えば図7では、導電層493が挿入孔481の周囲に形成されることで、検出用コイルが実現される。なお、検出用コイルの形成層は、例えば図5(B)に示すようにステータティース210a、210c、210e、210gに対応してコイルが形成される層と、ステータティース210b、210d、210f、210hに対応してコイルが形成される層とから構成されてもよい。
各コイル間を接続する配線の形成層494には、励磁用コイルの形成層490の導電層とスルーホールを介して電気的に接続された導電層が形成される。各コイル間を接続する配線の形成層496には、検出用コイルの形成層492の導電層とスルーホールを介して電気的に接続された導電層が形成される。そして、コイルと端子ピン471〜476を接続する配線の形成層498には、最上層において導電層499が形成され、形成層494、496とスルーホールを介して電気的に接続される。
このような多層基板を構成する各層は、互いに絶縁層485を介して電気的に遮断されて積層される。プリント基板400を多層基板で構成することにより、コイルや配線が形成される領域を小さくでき、ノイズの混入をできるだけ小さくし、かつ、プリント基板400の面積を小さくできるようになる。
なお、プリント基板400は、図7に示す構成に限定されるものではなく、コイル及び配線が形成されていればよい。
ところで、実施形態1におけるレゾルバ100において、磁性材料からなるステータ200の平板250及びロータ300の材質は、積層電磁鋼板よりも、1枚の電磁鋼板、普通鋼であるSPCC(1枚の鋼板)、機械構造用炭素鋼であるS45C又はS10C(1枚の鋼板)であることが望ましい。SPCC(Steel Plate Cold Commercial)は、JIS G3141に規定される冷間圧延鋼板及び鋼帯である。S45Cは、JIS G 4051で規定される機械構造用炭素鋼鋼材で、0.45%程度の炭素を含有している。S10Cは、JIS G 4051で規定される機械構造用炭素鋼鋼材で、0.10%程度の炭素を含有している。
これにより、材料費として高価である上に折り曲げプレス加工による曲げに弱く、曲げによる加工精度や信頼性を維持できにくい積層電磁鋼板を採用する場合に比べて、1枚の電磁鋼板、SPCC、S45C又はS10Cを採用することで、低コストで、曲げによる加工精度や信頼性を維持できるようになる。
次に、実施形態1におけるレゾルバ100の製造方法について説明する。
図8に、実施形態1におけるレゾルバ100の製造方法の一例のフロー図を示す。
図9に、折り曲げプレス加工前の実施形態1におけるステータ200を構成する平板250の斜視図を示す。図9において、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態1におけるレゾルバ100を製造するために、まず、ステータ形状加工工程においてステータ200の形状を加工した(ステップS10)後に、折り曲げプレス加工工程(折り曲げ工程)において、平板状のステータ200のステータティースを折り曲げて、複数のステータティースが平板面に対して起こされる(ステップS12)。その結果、図2に示すように、平板250に対してステータティース210a〜210hが起こされる。
即ち、ステップS10のステータ形状加工工程では、ステップS12の折り曲げプレス加工を行うために、図9に示すように、プレス加工により、1枚の電磁鋼板、普通鋼であるSPCC、機械構造用炭素鋼であるS45C又はS10Cを材質とする環状の磁性材料からなる平板の内径側の縁部にステータティースが形成されて、ステータ200の形状が形成される。このとき、図4で説明したように、ステータティース210a〜210hの各ステータティースが折り曲げ加工後にロータ300(の外周側の側面)と対向する面の形状が、平板250の内径側の縁部から先端部に向かうまで、ロータ300の回転軸回りの円周方向の幅が一定になるように形成される。
そして、ステップS12では、図2に示すように、折り曲げプレス加工により、ステップS10において形成された複数のステータティースを起こすように加工される。この結果、ステータティース210a〜210hは、ステータ200の平板面に対してほぼ垂直となるように起こされる。
続いて、巻線部材取り付け工程として、予めコイル及び配線が形成されたプリント基板400の挿入孔に、ステップS12で起こされたステータティースを挿入して、プリント基板400を平板250に搭載する(ステップS14)。これにより、ステップS12で起こされたステータティース210a〜210hの各ステータティースが巻線磁芯として、各ステータティースの外側にステータ巻線が設けられるようになる。こうして起こされたステータティースのそれぞれの周囲に、励磁用コイル及び検出用コイルが設けられる。
次に、別工程で、ロータ300がプレス加工により形成される。実施形態1では、ロータ300は、環状の平板であるが、平面視において外径側の外形輪郭線が3周期で変化する形状を有している。そして、ロータ取り付け工程として、ロータ300が、ステータ200に対して回転自在となるように、ステータ200の内径側に設けられる(ステップS16)。より具体的には、ロータ取り付け工程において、ロータ300は、ロータ300の回転軸回りの回転によりロータ300の外側の側面とステータ200の各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するようにステータ200に対して回転可能に設けられる。以上のように、実施形態1におけるレゾルバ100が製造される。
以上説明したように、実施形態1によれば、巻線部材としてプリント基板400を採用することで、予め所定の導電体パターンを形成しておくことができ、巻線を規格通りに精度良く形成することが可能となり、巻線のインダクタンスのばらつきを極めて小さくすることができるようになる。また、ステータ巻線同士を接続する配線の蛇行部分を確実に排除でき、不要なノイズの混入を確実に防止できるようになる。これらの結果、検出精度を向上させることが可能となる。
そして、コイル及び配線が形成されたプリント基板400を平板250の上方から搭載することでステータ巻線を設けることができるので、ステータ200の内側の狭い空間で各ステータティースにステータ巻線を巻回させる必要がなくなる。そのため、レゾルバ100の製造工程を簡素化できる上に、検出精度をより向上させることができるようになる。
〔実施形態2〕
実施形態1では、ロータ300と対向するステータティースの面の形状について、ロータ300の回転方向の幅が一定である矩形形状であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図10に、本発明に係る実施形態2におけるレゾルバの構成例の斜視図を示す。なお、図10では、ステータ巻線等の配線を模式的に表している。図10において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。また、図10では、レゾルバ500が、8個のステータティースを有し、1相励磁2相出力型のレゾルバである例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図11に、実施形態2における折り曲げプレス加工工程後のステータを構成する平板の斜視図の一例を示す。
図12に、実施形態2におけるステータティースの形状の説明図を示す。図12は、実施形態2におけるステータティースの断面構造を模式的に表す。図12において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態2におけるレゾルバ500が実施形態1におけるレゾルバ100と異なる点は、ロータ300と対向するステータティースの面の形状である。即ち、レゾルバ500は、ステータ600と、ロータ300とを有し、ステータ600には、プリント基板400が搭載される。ステータ600は、磁性材料からなる環(リング)状の平板650を用いて構成され、この平板650の平板面に対して交差するようにステータティース610a〜610h設けられている。そして、ロータ300と対向するステータティース610a〜610hの面の形状が、台形の形状を有している。このステータティース610a〜610hの面の形状を除き、実施形態1と同様の構成を有している。
即ち、実施形態2では、図11又は図12に示すように、ロータ300(の外周側の側面)と対向するステータティース610aの面の形状(外形輪郭線の形状)が、平板面に近いほど、平板面と平行で、かつ、ロータ300の回転軸を中心とした円周方向D1の幅が広くなる形状を有している。例えば、図12において、平板面におけるステータティース610aの方向D1の幅f1、ステータティース610aの先端部の方向D1の幅f2について、f1>f2の関係を有する。
なお、図12において、ステータティース610aの形状は、いわゆる対称台形であることが望ましく、f1=f2+e1+e2とすると、e1=e2であることが望ましい。
図10に示すように、図11、図12に示す平板650のステータティース610a〜610hは、図3に示すプリント基板400に形成された挿入孔410a〜410hにそれぞれ挿入されることになる。
このような形状を有することで、実施形態1のように変圧比を向上させることができる。また、このような形状を有することで、ステータティースの幅をある程度広くできるため、検出信号のレベルが上がり変圧比を向上させることができる。また、ステータティースの幅が狭いほど検出信号から高調波成分を除去できることに着目し、ある程度の変圧比を保ちつつ、検出信号から高調波成分を除去でき、ロータの外径形状だけで除去できない高調波成分をステータの形状により除去することが可能となる。この結果、検出精度をより一層向上させることができるようになる。
〔実施形態3〕
実施形態2では、図12に示すように、ロータ300と対向するステータティース610aの面の形状(外形輪郭線の形状)が、平板面に近いほどロータ300の回転方向D1の幅が広くなる形状を有していたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図13に、本発明に係る実施形態3におけるレゾルバの構成例の斜視図を示す。なお、図13では、ステータ巻線等の配線を模式的に表している。図13において、図10と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。また、図13では、レゾルバ700が、8個のステータティースを有し、1相励磁2相出力型のレゾルバである例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図14に、実施形態3における折り曲げプレス加工工程後のステータを構成する平板の斜視図の一例を示す。
図15に、実施形態3におけるステータティースの形状の説明図を示す。図15は、実施形態3におけるステータティースの断面構造を模式的に表す。図15において、図4又は図12と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態3におけるレゾルバ700が実施形態2におけるレゾルバ500と異なる点は、ロータ300と対向するステータティースの面の形状である。即ち、レゾルバ700は、ステータ800と、ロータ300とを有し、ステータ800には、プリント基板400が搭載される。ステータ800は、磁性材料からなる環(リング)状の平板850を用いて構成され、この平板850の平板面に対して交差するようにステータティース810a〜810h設けられている。このステータティース810a〜810hの面の形状を除き、実施形態2と同様の構成を有している。
実施形態3では、図14又は図15に示すように、ロータ300(の外周側の側面)と対向するステータティース810aの面の形状(外形輪郭線の形状)が、平板面から所定の高さまでロータ300の回転方向D1の幅が一定で、所定の高さ以上では、先端部に向かうほど方向D1の幅が狭くなる形状を有している。例えば、図15において、平板面におけるステータティース810aの方向D1の幅g1、平板面から所定の高さまでの方向D1の幅g2、ステータティース810aの先端部の方向D1の幅g3について、g1=g2>g3の関係を有する。
なお、図15において、ステータティース810aの形状は、g1=g2=g3+h1+h2とすると、h1=h2であることが望ましい。
図13に示すように、図14、図15に示す平板850のステータティース810a〜810hは、図3に示すプリント基板400に形成された挿入孔410a〜410hにそれぞれ挿入されることになる。
このような形状を有することで、実施形態2に比べてステータティースの幅を広くできるため、巻線磁芯として通る磁束を増やすことができるので、実施形態2と比較して変圧比を向上させることができるようになる。その一方で、高調波成分を減少させることができ、コギングを減少させる効果が得られるようになる。
〔角度検出システム〕
ところで、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバが適用された角度検出システムでは、レゾルバからの2相の検出信号に基づいて、回転角度に対応したデジタルデータを出力することができる。
図16に、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバが適用された角度検出システムの構成例の機能ブロック図を示す。なお、図16では、角度検出システムが実施形態1におけるレゾルバ100を含む例を示すが、実施形態2又は実施形態3におけるレゾルバを含んでもよい。また、図16では、レゾルバ100の外部にR/D変換器が設けられているが、レゾルバ100がR/D変換器を内蔵してもよい。
角度検出システム1000は、レゾルバ100と、R/D変換器(広義には変換器、変換装置)1100とを含む。レゾルバ100は、ステータ及び該ステータに対して回転可能に設けられたロータを含み、1相の励磁信号R1、R2により励磁された状態で、ステータに対するロータの回転角度に応じた2相の検出信号S1〜S4を出力する。R/D変換器1100には、シリアルクロックSCKが入力され、R/D変換器1100は、レゾルバ100に対する励磁信号R1、R2を生成すると共に、レゾルバ100からの2相の検出信号S1〜S4に対応したデジタル信号を生成し、シリアルクロックSCKに同期してシリアルデータ又はパラレルデータとして出力する。
従って、後段の処理において、R/D変換器1100からのシリアルデータ又はパラレルデータに基づいて所与の処理を行うことで、レゾルバ100が検出した回転角度に対応した制御処理を実現することができる。
〔具体的なシステム構成例〕
上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバは、例えば、車載用のモーター又は発電機の角度検出器として搭載されたり、産業機器用のモーター又は発電機の角度検出器として搭載されたりする。以下では、このような角度検出器として上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバが適用される角度検出システムの具体的な構成例について説明する。
図17(A)、図17(B)に、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバが適用されるシステムの具体的な構成例を示す。図17(A)は、ハイブリッド車両のモーター及び発電機の回転位置を検出するハイブリッドエンジンシステムの構成例を表す。図17(B)は、車両の操舵装置におけるステアリング操作を補助する電動式のパワーステアリングシステムの構成例を表す。
図17(A)に示すハイブリッドエンジンシステム1200は、エンジン1210、モーター1220、発電機1230、バッテリー1240、インバーター装置1250、動力分配装置1260、ディファレンシャルギヤ1270及び駆動輪1280、1290を有し、図示しない制御システムによって制御される。エンジン1210は、ガソリンエンジンであり、クランク軸1212を回転駆動する。モーター1220及び発電機1230には、インバーター装置1250を介してバッテリー1240が接続されており、バッテリー1240からの電力供給を受けて駆動軸1222を回転駆動する。一方、発電機1230は、回転軸1232の回転により発生させた起電力をインバーター装置1250を介してバッテリー1240に充電することができる。動力分配装置1260には、クランク軸1212、駆動軸1222及び回転軸1232が機械的に結合されている。動力分配装置1260は、これら3軸のうちの2軸の動力に応じて残りの1軸の回転数、トルクが決定される特性を有し、例えばクランク軸1212の動力を、回転軸1232に出力する動力やモーター1220との間でやり取りされる動力に分配する。
動力分配装置1260からの動力が伝達され、駆動軸1222に結合される動力伝達ギヤ1272は、ディファレンシャルギヤ1270に結合されており、動力伝達ギヤ1272からの動力は、駆動軸1282を介して駆動輪1280、1290に伝達される。
このようなハイブリッドエンジンシステム1200において、モーター1220の駆動軸1222にロータが取り付けられるレゾルバ1202と、発電機1230の回転軸1232にロータが取り付けられるレゾルバ1204とが設けられる。レゾルバ1202は、モーター1220の駆動軸1222の回転位置(回転角度)を検出し、その検出結果を図示しない制御システムに出力する。レゾルバ1204は、発電機1230の回転軸1232の回転位置(回転角度)を検出し、その検出結果を図示しない制御システムに出力する。図示しない制御システムは、レゾルバ1202、1204からの検出結果に基づいて、例えばエンジン1210の回転角加速度を決定してエンジン1210を制御する。
レゾルバ1202、1204の少なくとも1つは、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバが採用される。
これによって、例えばハイブリッド車両が低速時及び停止時には、エンジン1210を停止し、バッテリー1240、インバーター装置1250及びモーター1220により駆動輪1280、1290に動力を伝達させ、それ以外ではエンジン1210及びモーター1220の両方で駆動輪1280、1290に動力を伝達させることができる。そして、減速時や制御時には、駆動輪が1280、1290の駆動によって発電機1230の回転軸を回転させて制動エネルギーを電力に変換して、インバーター装置1250を介してバッテリー1240に充電させる。
なお、ハイブリッドエンジンシステム1200の構成は、図17(A)に示す構成に限定されるものではなく、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバは種々の構成のハイブリッドエンジンシステムに適用できる。
図17(B)に示す電動式パワーステアリングシステム1300は、ステアリングホイール1310、ステアリング軸1320、ジョイント1330、ピニオン軸1340、操舵軸1350、モーター1360を有する。ステアリング軸1320の先端に固定されたステアリングホイール1310を回転させると、ジョイント1330を介してピニオン軸1340を回転させる。ピニオン軸1340の回転力は、操舵軸1350の軸線方向の往復動に変換され、図示しない操舵輪の転蛇角を変化させる。この操舵軸1350にはモーター1360が同軸状に結合されており、ステアリングホイール1310の回転による操舵軸1350の往復動を補助するようにモーター1360が駆動力を与えるようになっている。
このような電動式パワーステアリングシステム1300において、モーター1360の駆動軸にロータが取り付けられるレゾルバ1370が設けられる。レゾルバ1370は、モーター1360の駆動軸の回転位置(回転角度)を検出し、その検出結果を図示しない制御システムに出力する。図示しない制御システムは、レゾルバ1370からの検出結果に基づいて、例えばステアリングホイール1310の回転方向を検出し、その方向の回転力を補助するようにモーター1360を制御する。
レゾルバ1370は、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバが採用される。
なお、電動式パワーステアリングシステム1300の構成は、図17(B)に示す構成に限定されるものではなく、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバは種々の構成の電動式パワーステアリングシステムに適用できる。
また、上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバは、上記のシステムに適用されるものに限定されず、産業機器やその他の種々のシステムに適用できることは言うまでもない。
以上、本発明に係るレゾルバ及びレゾルバの製造方法を本実施形態又はその変形例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記のいずれかの実施形態では、本発明に係るレゾルバが、1相励磁2相出力型であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記のいずれかの実施形態におけるレゾルバが、励磁信号が1相以外の相を有する信号であったり、検出信号が2相以外の相を有する信号であったりしてもよい。
(2)上記のいずれかの実施形態では、磁性材料からなるステータの材質が1枚の電磁鋼板、普通鋼又は機械構造用炭素鋼鋼材であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
(3)上記のいずれかの実施形態では、ステータが8個のステータティースを有するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステータが有するステータティースが、10個、12個又は14個であってもよい。
(4)上記のいずれかの実施形態では、いわゆるインナーロータ型の角度検出装置としてのレゾルバを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係るレゾルバが、いわゆるアウターロータ型であってもよい。この場合、ステータティースの外側(外径側、外周側)の面と対向するロータの内周側の面が、ロータの1回転につき所与の周期でギャップパーミアンスが変化する。
(5)上記のいずれかの実施形態では、軸倍角「3」のロータを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば軸倍角「5」のロータであってもよい。この場合、環状の平板であるロータの形状が、所与の半径の円周線を基準に、該円周線の1周につき、平面視において外径側の外形輪郭線を5周期で変化する形状とするようにしてもよい。
100,500,700…レゾルバ、 200,600,800…ステータ、
210a〜210h,610a〜610h,810a〜810h…ステータティース、
250,650,850…平板、 300…ロータ、 400…プリント基板、
420a〜420h…コイル、 450…コネクタ部、
461〜466…端子ピン挿入孔、 471〜476…端子ピン、
1000…角度検出システム、 1100…R/D変換器、
1200…ハイブリッドエンジンシステム、 1210…エンジン、
1212…クランク軸、 1220,1360…モーター、
1222,1282…駆動軸、 1230…発電機、 1232…回転軸、
1240…バッテリー、 1250…インバーター装置、 1260…動力分配装置、
1270…ディファレンシャルギヤ、 1272…動力伝達ギヤ、
1280,1290…駆動輪、 1300…電動式パワーステアリングシステム、
1310…ステアリングホイール、 1320…ステアリング軸、
1330…ジョイント、 1340…ピニオン軸、 1350…操舵軸

Claims (10)

  1. 磁性材料からなり、環状の平板面に対して複数のステータティースが交差するように設けられたステータと、
    前記複数のステータティースの各ステータティースの外側に巻回されるように、前記平板面に搭載される基板に形成される複数のステータ巻線と、
    磁性材料からなり、所与の回転軸回りの回転により前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するように前記ステータに対して回転可能に設けられたロータとを含み、
    前記基板に、前記複数のステータ巻線の少なくとも1つと電気的に接続され励磁信号又は検出信号が伝送される配線が形成されることを特徴とするレゾルバ。
  2. 請求項1において、
    前記基板は、
    スルーホールを介して電気的に接続可能な複数の層が積層されてなる多層基板であり、
    前記ステータ巻線を構成する励磁用コイル、前記ステータ巻線を構成する検出用コイル、及び前記配線が、前記多層基板を構成する複数の層に分けて形成されることを特徴とするレゾルバ。
  3. 請求項1又は2において、
    前記複数のステータ巻線及び前記配線の材質が、
    アルミニウムを主成分とする材質であることを特徴とするレゾルバ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記ロータの回転により、前記ロータの外径側と前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するインナーロータ型であることを特徴とするレゾルバ。
  5. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記ロータの回転により、前記ロータの内径側と前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するアウターロータ型であることを特徴とするレゾルバ。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記ステータの材質は、1枚の電磁鋼板、普通鋼であるSPCC、機械構造用炭素鋼であるS45C又はS10Cであることを特徴とするレゾルバ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記ステータに対する前記ロータの回転角に応じた前記ステータ巻線からの検出信号に対応したデジタル信号を出力する変換器を含むことを特徴とするレゾルバ。
  8. 磁性材料からなる環状の平板の縁部に形成されたステータの複数のステータティースを起こすように折り曲げ加工する折り曲げ工程と、
    前記複数のステータティースの各ステータティースを巻線磁芯として励磁用及び検出用の複数のステータ巻線と、前記複数のステータ巻線の少なくとも1つと電気的に接続され励磁信号又は検出信号が伝送される配線とが形成された基板を、前記平板に搭載する巻線部材取り付け工程と、
    磁性材料からなり、回転軸回りの回転により前記各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するように前記ステータに対して回転可能にロータを取り付けるロータ取り付け工程とを含むことを特徴とするレゾルバの製造方法。
  9. 請求項8において、
    前記基板は、
    スルーホールを介して電気的に接続可能な複数の層が積層されてなる多層基板であり、
    前記ステータ巻線を構成する励磁用コイル、前記ステータ巻線を構成する検出用コイル、及び前記配線が、前記多層基板を構成する複数の層に分けて形成されることを特徴とするレゾルバの製造方法。
  10. 請求項8又は9において、
    前記複数のステータ巻線及び前記配線の材質が、
    アルミニウムを主成分とする材質であることを特徴とするレゾルバの製造方法。
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