JP2010248292A - レジスト用共重合体の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1種のアセタール基を有する(メタ)アクリル系単量体から導かれる構成単位と、該単量体と共重合可能な少なくとも1種の他の(メタ)アクリル系単量体から導かれる構成単位とを含有するレジスト用重合体の製造方法であって、前記単量体原料中に含まれるハロゲン化合物の総量が、前記全単量体量に対して200ppm以下である単量体を重合原料として用いるレジスト用共重合体の製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリル系単量体」とは、アクリル系単量体又はメタクリル系単量体を意味する。
上記アセタール基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定されず、一分子中にアセタール基を1個以上有していればよく、例えば、下記の式で表されるようなものが挙げられる。
上記重合体における、上記アセタール基を有する(メタ)アクリル系単量体から導かれる構成単位の含有量は、特に制限されないが、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、1〜30モル%の範囲で用いられることが好ましく、より好ましくは、5〜15モル%の範囲である。上記アセタール基を有する(メタ)アクリル系単量体から導かれる構成単位の含有量が1モル%以上又は5モル%以上であれば、ラインエッジラフネスが小さく、ディフェクトが少なくなる傾向にあり、また、この含有量が30モル%以下又は15モル%以下であれば、ディフェクトが少なく、有機溶媒への溶解性が良好になる傾向がある。
上記アセタール基を有する(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な他の(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定されないが、基板密着性付与等の観点からラクトン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体、レジストパターン形成等の観点から酸不安定基を有する(メタ)アクリル系単量体、あるいは、レジスト溶媒への溶解性向上やエッチング耐性付与等の観点から親水性基を有する(メタ)アクリル系単量体等が挙げられ、これらを任意に組み合わせることができる。
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族又は芳香族の炭素環又は複素環が縮合していてもよい。
上記ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体としては、基板等への密着性に優れる点から、レジスト用共重合体として供する場合は、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル系単量体が特に好ましい。
上記ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
上記ラクトン骨格を有する単量体から導かれる構成単位の含有量が20モル%以上又は30モル%以上であれば、基板等との密着性が良好になる傾向があり、また、この含有量が60モル%以下又は55モル%以下又は50モル%以下であれば、感度や解像度が向上し、ディフェクトが少なくなる傾向がある。
酸不安定基とは、酸の作用によって脱離する構造を有する基であり、酸不安定基を含む構成単位は、酸により分解してアルカリ可溶性基と酸不安定基由来の残基となる。このような酸不安定基は、重合体をレジスト用重合体として供した場合、酸によってアルカリに可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
また、上記酸不安定基を有する(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
上記含有量が、20モル%以上又は25モル%以上であれば、感度や解像度が向上する傾向にあり、また、この含有量が、60モル%以下又は55モル%以下又は50モル%以下であれば、解像性が向上する傾向にある。
「親水性基」としては、特に限定されないが、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基及びアミノ基の少なくとも1種が挙げられる。
上記親水性基を有する(メタ)アクリル系単量体は、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル、単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体、環式炭化水素基を有する単量体((メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル等。)が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有する単量体が挙げられる。環式炭化水素基を有する単量体は、ドライエッチング耐性に優れる傾向にあるため好ましい。
上記親水性基を有する(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
上記他の(メタ)アクリル系単量体は、その製造過程において、臭化水素酸等のハロゲン化合物を使用して製造される場合があり、不純物として、合成原料由来のハロゲン化合物を含みうる。
上記ハロゲン化合物を使用して製造される単量体材料としては、ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体、酸不安定基を有する(メタ)アクリル系単量体、親水性基を有する(メタ)アクリル系単量体、それぞれの誘導体が挙げられる。例えば、ラクトン骨格であれば、ハロゲン化ラクトン、酸不安定基であれば、ハロゲン化メチルアダマンチル、親水性基であれば、ハロゲン化ヒドロキシエチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
例えば、上記ハロゲン化合物を使用して製造されるラクトン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体のとして、臭化ラクトンとメタクリル酸を使用して製造されるα−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法が挙げられる。これらのうち、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する必要がある点、重合体の分子量を比較的低くする必要がある点から、溶液重合法が好ましい。
単量体は、単量体のみで滴下してもよく、あるいは、単量体を溶媒(以下、「滴下溶媒」とも記す。)に溶解させた単量体溶液として滴下してもよい。
上記重合開始剤は、単量体に直接に溶解させてもよく、あるいは、単量体溶液に溶解させてもよく、滴下溶媒のみに溶解させてもよい。
エーテル類:鎖状エーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(テトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)等。)等。
エステル類:乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:メチルエチルケトン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて併用してもよい。
上記レジスト用共重合体を溶媒に溶解して、レジスト用組成物として用いることができる。また、化学増幅型レジスト組成物として用いる場合は、さらに光酸発生剤を含むものである。
光酸発生剤の量は、重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
上記含窒素化合物の含有量は、重合体100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましい。
上記リンのオキソ酸またはその誘導体としては、リン酸またはその誘導体、ホスホン酸またはその誘導体、ホスフィン酸またはその誘導体等が挙げられる。
上記酸化合物の含有量は、重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
また、上記レジスト組成物と光酸発生剤とを含む組成物を、被加工基板上に塗布しレジスト膜を形成し、該レジスト膜に250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成し、該潜像が形成されたレジスト膜を現像液で現像処理することにより、パターンが形成された基板を製造することができる。
現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、微細パターンが形成された基板が得られる。
また、共重合体の物性の測定は、以下の方法を用いて行った。
下記フラスコ燃焼処理イオンクロマトグラフ法により求めた。
単量体約50mgを包み込んだろ紙を燃焼フラスコ活栓側の白金治具に固定し、ろ紙に点火後、酸素で満たされた15mLの吸収液(0.3%過酸化水素水溶液)入りフラスコ内で完全燃焼させた。発生ガスを吸収液に吸収させた後、その吸収液をそのままイオンクロマトグラフにてハロゲン(臭素)イオン定量分析を行った。燃焼させた単量体量とハロゲン(臭素)イオン定量値から、各単量体量(α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(α−GBLMA)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(MAdMA)、2−シアノ−5−ノルボルネンメタクリレート(CNNMA)及び2−プロペン酸−2−メチル−1,4−ブタンジイルビス(オキシエチリデン)エステル(BDADMA))中のハロゲン化合物(臭素化合物)量を算出した。結果を表1に示す。
なお、α−GBLMA(Lot.A、Lot.B)以外の単量体からはハロゲン化合物(臭素化合物)は検出されなかった。
上記α−GBLMA Lot.A(以下、α−GBLMA−A)に対して、常法の減圧蒸留装置を用い、以下の条件にて単蒸留精製を行った。α−GBLMA−Aをフラスコに入れ、恒温槽に浸漬した後、減圧下で恒温槽の設定温度を40℃として室温から加熱を開始した。40℃に到達した時点で温度保持し、初留分(蒸留液の約30wt%)をカットした。ついで、設定温度を60℃として精留品の採取を開始し、α−GBLMA−Aの精製品(以下、α−GBLMA−A精製)を得た。
また、α−GBLMA Lot.B(以下、α−GBLMA−B)に対して、同様の処理を行い、α−GBLMA−Bの精製品(以下、α−GBLMA−B精製)を得た。
得られたα−GBLMA−A精製及びα−GBLMA−B精製について、上記同様の手法を用いて、単量体中のハロゲン化合物量(ppm)を算出した結果を表2に示す。
下記1H−NMRの測定により求めた。
日本電子(株)製、JNM−GX270型 超伝導FT−NMRを用いて、約5質量%の本発明の重合体(P)の溶液(重水素化ジメチルスルホキシド溶液)を直径5mmφのサンプル管に入れ、観測周波数270MHz、シングルパルスモードにて、1H 64回の積算を行った。溶媒に用いる重水素化ジメチルスルホキシドは、水分によるアセタール分解を防止するため、試料調製直前にアンプル瓶を開封し使用した。測定温度は60℃で行った。
なお、アセタール分解度は、BDADMA(モル%)を100とした場合の、メタクリル酸量(モル%)の比率を表す。
重合溶液をメタノール中に滴下し、共重合体を析出させる再沈処理工程での操作性について、目視で判別し、微粒子状に析出した共重合体が得られ、滴下釜中溶液を攪拌する攪拌翼に固着物もなかった場合を○、粘着性ある水飴状に共重合体が析出し、滴下釜中溶液を攪拌する攪拌翼にも析出した共重合体が固着していた場合を×として評価した。
なお、アセタール基が分解されるとメタクリル酸が生成共重合体中に含まれるメタクリル酸が、再沈溶媒(メタノール)への相溶性を低下させるため、再沈処理工程での操作性に影響すると考えられる。
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA72.3部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。α−GBLMA−A精製(ハロゲン化合物含有量130ppm)25.4部(全単量体の合計仕込み量に対して31.8モル%)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(MAdMA)35.0部(全単量体の合計仕込み量に対して31.8モル%)、2−シアノ−5−ノルボルネンメタクリレート(CNNMA)26.3部(全単量体の合計仕込み量に対して27.3モル%)、2−プロペン酸−2−メチル−1,4−ブタンジイルビス(オキシエチリデン)エステル(BDADMA)13.4部(全単量体の合計仕込み量に対して9.1モル%)、PGMEA129.9部、ジメチル−2,2´−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V−601(商品名))24.5部を混合した単量体溶液を一定速度で4時間かけてフラスコ中に滴下し、その後、80℃の温度を3時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約7倍量のメタノール中に撹拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、再び約7倍量のメタノール中に投入した。これを濾別、回収し、減圧下60℃で約40時間乾燥し、共重合体Aの粉末を得た。
α−GBLMA−B精製(ハロゲン化合物含有量40ppm)を用いた他は、(実施例1)と同様の方法で共重合体を得た(共重合体B)。
α−GBLMA−A(ハロゲン化合物含有量420ppm)を用いた他は、(実施例1)と同様の方法で共重合体を得た(共重合体C)。
α−GBLMA−B(ハロゲン化合物含有量320ppm)を用いた他は、(実施例1)と同様の方法で共重合体を得た(共重合体D)。
一方、全単量体材料中のハロゲン化合物(臭素化合物)の量が、単量体全量に対して200ppmを越える単量体を重合原料として用いた場合(比較例1及び2)では、BDADMAの分解が促進し、分解生成物であるメタクリル酸量が増大していることが確認され、再沈工程における重合体の操作性にも劣ることが確認された。
Claims (3)
- 少なくとも1種のアセタール基を有する(メタ)アクリル系単量体から導かれる構成単位と、該単量体と共重合可能な少なくとも1種の他の(メタ)アクリル系単量体から導かれる構成単位とを含有するレジスト用重合体の製造方法であって、前記単量体原料中に含まれるハロゲン化合物の総量が、前記全単量体量に対して200ppm以下である単量体を重合原料として用いるレジスト用共重合体の製造方法。
- 前記ハロゲン化合物が臭素化合物である請求項1に記載の製造方法。
- 前記他の(メタ)アクリル系単量体が、製造過程においてハロゲン化合物を使用して製造される単量体である請求項1に記載のレジスト用共重合体の製造方法。
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