JP2010246285A - 動力出力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機に対して並列接続された複数の電池モジュールのいずれかに異常が生じているか否かをより正確に判定する。
【解決手段】充放電要求パワーPb*が所定パワーP1よりも大きいときには、各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧が最も大きい電池モジュールと次に端子間電圧が大きい電池モジュールとの電圧差が所定差αを上回っている状態で端子間電圧が最も大きい電池モジュールの充放電電流の絶対値が略値0のときにその電池モジュールのリード線に断線が生じていると判定し、充放電要求パワーPb*が所定パワーP2よりも小さいときには、各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧が最も小さい電池モジュールと次に端子間電圧が小さい電圧モジュールとの電圧差が所定差−αを下回っている状態で端子間電圧が最も小さい電池モジュールの充放電電流の絶対値が略値0のときにその電池モジュールのリード線に断線が生じていると判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、モータジェネレータと、モータジェネレータを駆動するインバータと、複数の蓄電部と、複数の蓄電部の電圧をそれぞれ個別に変換してインバータに供給する複数のコンバータと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、温度や電圧値,電流値,内部抵抗値などに基づいて複数の蓄電部のうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには、異常が生じている蓄電部を切り離し、並列接続されている正常な他の蓄電部からの電力によりモータジェネレータを駆動している。
特開2008−187884号公報
ところで、一つの昇圧コンバータに対して複数の電池モジュールを並列接続したタイプや、インバータに対して直接に複数の電池モジュールを並列接続したタイプの動力出力装置では、放電する際には複数の電池モジュールのうち電圧が高いものが優先され、充電する際には複数の電池モジュールのうち電圧が低いものが優先されるため、複数の電池モジュールのいずれもが正常であっても電流が流れない電池モジュールがあり、複数の電池モジュールのそれぞれに流れる電流値に基づいて異常を判定しようとしても、異常を判定することができない場合が生じる。
本発明の動力出力装置は、並列接続された複数の電池モジュールのいずれかに異常が生じているかをより正確に判定することを主目的とする。
本発明の動力出力装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
前記電動機に対して並列に接続された複数の電池モジュールからなる蓄電手段と、
要求動力に基づく動力が出力されるよう前記電動機を制御する制御手段と、
前記複数の電池モジュールの各々の端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
前記複数の電池モジュールの各々を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記蓄電手段の放電を伴って前記電動機が駆動されるときには、前記複数の電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最大の電池モジュールが他のいずれの電池モジュールに対しても所定差よりも大きな電位差を生じており且つ前記電流検出手段により前記端子間電圧が最大の電池モジュールの非通電状態が検出されたときに該電池モジュールに異常が生じていると判定する異常判定手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置では、蓄電手段の放電を伴って電動機が駆動されるときには、蓄電手段を構成する複数の電池モジュールのうち端子間電圧が最大の電池モジュールが他のいずれの電池モジュールに対しても所定差よりも大きな電位差を生じており且つ端子間電圧が最大の電池モジュールの非通電状態が検出されたときにこの電池モジュールに異常が生じていると判定する。これにより、並列接続された複数の電池モジュールのいずれかに異常が生じているか否かをより正確に判定することができる。
こうした本発明の第1の動力出力装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの状態に基づいて前記蓄電手段から出力してもよい最大電力としての出力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールの状態に基づいて前記出力制限を設定し、該設定した出力制限の範囲内で前記要求動力に基づく動力が出力されるよう前記電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、複数の電池モジュールのいずれかに異常が生じていても正常な他の電池モジュールへの悪影響を与えない範囲内で電動機から動力を出力することができる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには該複数の電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最大の電池モジュールの状態に基づいて前記出力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最大の電池モジュールの状態に基づいて前記出力制限を設定する手段であるものとすることもできる。
また、間欠運転が可能な内燃機関を備える本発明の第1の動力出力装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの残容量に基づいて前記蓄電手段の残容量を演算し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールの状態だけに基づいて前記蓄電手段の残容量を演算し、該演算した残容量に基づいて前記内燃機関を間欠運転しながら前記電動機からの動力が前記駆動軸に出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、複数の電池モジュールのいずれかに異常が生じていても正常な他の電池モジュールへの悪影響を与えない範囲内で内燃機関を間欠運転することができる。
本発明の第2の動力出力装置は、
発電が可能な電動機を備える動力出力装置であって、
前記電動機から見て並列に接続された複数の電池モジュールからなる蓄電手段と、
要求動力に基づく動力が出力されるよう前記電動機を制御する制御手段と、
前記複数の電池モジュールの各々の端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
前記複数の電池モジュールの各々を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記蓄電手段の充電を伴って前記電動機が駆動されるときには、前記複数の電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最小の電池モジュールが他のいずれの電池モジュールに対しても所定差よりも大きな電位差を生じており且つ前記電流検出手段により前記端子間電圧が最小の電池モジュールの非通電状態が検出されたときに該電池モジュールに異常が生じていると判定する異常判定手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置では、蓄電手段の充電を伴って電動機が駆動されるときには、蓄電手段を構成する複数の電池モジュールのうち端子間電圧が最小の電池モジュールが他のいずれの電池モジュールに対しても所定差よりも大きな電位差を生じており且つ端子間電圧が最小の電池モジュールの非通電状態が検出されたときにこの電池モジュールに異常が生じていると判定する。これにより、並列接続された複数の電池モジュールのいずれかに異常が生じているか否かをより正確に判定することができる。
こうした本発明の第2の動力出力装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの状態に基づいて前記蓄電手段に入力してもよい最大電力としての入力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールの状態に基づいて前記入力制限を設定し、該設定した入力制限の範囲内で前記要求動力に基づく動力が入力されるよう前記電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、複数の電池モジュールのいずれかに異常が生じていても正常な他の電池モジュールへの悪影響を与えない範囲内で電動機を駆動して蓄電手段を充電することができる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの状態のうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最小の電池モジュールの状態に基づいて前記蓄電手段に入力してもよい最大電力としての入力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最小の電池モジュールの状態に基づいて前記入力制限を設定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記異常判定手段は、前記蓄電手段に要求される充放電パワーに基づいて前記所定差を変更して判定を行なう手段であるものとすることもできる。こうすれば、電池モジュールの異常をさらに正確に判定することができる。
さらに、本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記蓄電手段は、二つの電池モジュールからなる手段であり、前記異常判定手段は、前記蓄電手段に要求される充放電パワーが略値0のときには、前記電圧検出手段により検出された二つの電池モジュールの端子間電圧の電位差が前記所定差以上で且つ前記電流検出手段により前記二つの電池モジュールの非通電状態が検出されたときに該二つの電池モジュールのいずれかに異常が生じていると判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段に要求される充放電要求パワーが略値0であっても電池モジュールの異常を判定することができる。
本発明の一実施例である自動車20の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ装置50の構成の概略を示す構成図である。 異常判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 入出力制限設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バッテリ装置50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ装置50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 トルク制限Tm1min,Tm1maxを設定する様子を説明する説明図である。 エンジン22の始動時にモータMG1のトルク指令Tm1*に設定するトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを示す説明図である。 エンジン22をモータリングしている状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例の自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例である自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、バッテリ装置50の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するインバータ41,42と、バッテリ装置50からの電力をその電圧を変換してインバータ41,42に供給可能な昇圧回路55と、バッテリ装置50と昇圧回路55とに介在するシステムメインリレー56と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、クランクポジションセンサなどのエンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24による運転制御を受ける。エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ装置50は、図2に示すように、二次電池として構成された複数のセルを直列接続してなるn個の高圧の電池モジュールC1〜Cnを並列接続したものであり、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ装置50を管理するのに必要な信号、例えば,電池モジュールC1〜Cnの各端子間のそれぞれに設置された電圧センサV1〜Vnからの端子間電圧Vb1〜Vbn,電池モジュールC1〜Cnの各出力端子に接続されたリード線に取り付けられた電流センサA1〜Anからの充放電電流Ib1〜Ibn,バッテリ装置50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ装置50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ装置50を管理するために残容量(SOC)を演算したりバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算すると共に電池モジュールC1〜Cnの状態を個別に監視(異常を判定)している。図3は、バッテリECU52により実行される異常判定ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4は、入出力制限設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。まず、図3の異常判定ルーチンについて説明する。
異常判定ルーチンでは、バッテリECU52は、まず、電流センサA1〜Anからの充放電電流Ib1〜Ibnや電圧センサV1〜Vnからの端子間電圧Vb1〜Vbn,バッテリ装置50に要求される電力としての充放電要求パワーPb*などの処理に必要なデータを入力し(ステップS100)、電池モジュールC1〜Cnを識別するための電池番号jを値1に設定する(ステップS110)。ここで、充放電要求パワーPb*は、バッテリ装置50の現在の残容量SOCに基づいて設定されたものを入力するものとした。続いて、入力した充放電要求パワーPb*がバッテリ装置50の放電を示す正の所定パワーP1よりも大きいか否か(ステップS120)、充放電要求パワーPb*がバッテリ装置50の充電を示す負の所定パワーP2よりも小さいか否か(ステップS130)をそれぞれ判定する。充放電要求パワーPb*が所定パワーP1よりも大きいときには、各電池モジュールC1〜Cnのうち電池番号jの電池モジュールC[j]の端子間電圧Vb[j]が他のすべての電池モジュールC[k](kは1〜n、但しk≠j)の端子間電圧Vb[k]よりも大きいか否か即ち端子間電圧Vb[j]が最も大きい電圧か否かを判定する(ステップS140)。端子間電圧Vb[j]が最も大きい電圧でないときには、電池番号jを値1だけインクリメントし(ステップS190)、電池番号jが電池モジュールC1〜Cnの個数である値n以下のときには(ステップS195)、ステップS120に戻って処理を繰り返す。ステップS140で電池番号jの電池モジュールC[j]の端子間電圧Vb[j]が最も大きい電圧と判定されると、この端子間電圧Vb[j]と他の電池モジュールC[k]の端子間電圧Vb[k]との電圧差が所定差αを上回っているか否か即ち最も大きい端子間電圧Vb[j」と次に高い端子間電圧との電圧差が所定差αを上回っているか否かを判定し(ステップS150)、電圧差が所定差αよりも大きいときには入力した電池番号jの電池モジュールC[j]を流れる充放電電流Ib[j]の絶対値が値0とみなせる所定値β未満か否かを判定し(ステップS180)、充放電電流Ib[j]の絶対値が所定値β以上のときには電池モジュールC[j]は正常と判定し、充放電電流Ib[j]の絶対値が所定値β未満のときには電池番号jの電池モジュールC[j]はリード線が断線していると判定して(ステップS185)、本ルーチンを終了する。前述したように、各電池モジュールC1〜Cnは並列接続されているから、バッテリ装置50を放電するときには各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧Vbが最も大きい電池モジュールから順次放電され、各電池モジュールC1〜Cnの端子間電圧Vb1〜Vbnは平衡化される。したがって、バッテリ装置50として放電している場合、電池モジュールC[j]のリード線が断線していないときには、最も大きい端子間電圧Vb[j]の電池モジュールC[j]は放電しているはずであるから、充放電電流Ib[j]は所定値βを超え、電池モジュールC[j]のリード線が断線しているときには充放電電流Ib[j]は略値0となり所定値β以下となる。実施例では、このようにしてバッテリ装置50の放電時に電池モジュールC[j]のリード線に断線が生じていないかを判定しているのである。なお、所定差αは、予め定めた一定値としたり、充放電要求パワーPb*に応じて可変たとえば充放電要求パワーPb*が大きいほど小さくなるよう定めるものとしてもよい。
ステップS130で充放電要求パワーPb*がバッテリ装置50の充電を示す所定パワーP2未満と判定されると、各電池モジュールC1〜Cnのうち電池番号jの電池モジュールC[j]の端子間電圧Vb[j]が他のすべての電池モジュールC[k](kは1〜n、但しk≠j)の端子間電圧Vb[k]よりも小さいか否か即ち端子間電圧Vb[j]が最も小さい電圧であるか否かを判定する(ステップS160)。端子間電圧Vb[j]が最も小さい電圧でないときには、電池番号jを値1だけインクリメントし(ステップS190)、電池番号jが電池モジュールC1〜Cnの個数である値n以下のときには(ステップS195)、ステップS120に戻って処理を繰り返す。ステップS160で電池番号jの電池モジュールC[j]の端子間電圧Vb[j]が最も小さい電圧と判定されると、この端子間電圧Vb[j]と他の電池モジュールC[k]の端子間電圧Vb[k]との電圧差が所定差−αを下回っているか否か即ち最も小さい端子間電圧Vb[j]と次に低い端子間電圧との電圧差が所定差−αを下回っているか否かを判定し(ステップS170)、電圧差が所定差−αよりも小さいときには入力した電池番号jの電池モジュールC[j]を流れる充放電電流Ib[j]の絶対値が値0とみなせる所定値β未満か否かを判定し(ステップS180)、充放電電流Ib[j]の絶対値が所定値β以上のときには電池モジュールC[j]は正常と判定し、充放電電流Ib[j]の絶対値が所定値β未満のときには電池番号jの電池モジュールC[j]はリード線が断線していると判定して(ステップS185)、本ルーチンを終了する。バッテリ装置50を充電するときには各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧Vbが最も小さい電池モジュールから順次充電され、各電池モジュールC1〜Cnの端子間電圧Vb1〜Vbnは平衡化される。したがって、バッテリ装置50として充電している場合、電池モジュールC[j]のリード線が断線していないときには、最も小さい端子間電圧Vb[j]の電池モジュールC[j]は充電しているはずであるから、充放電電流Ib[j]の絶対値は所定値βを超え、電池モジュールC[j]のリード線が断線しているときには充放電電流Ib[j]の絶対値は略値0となり所定値β以下となる。実施例では、このようにしてバッテリ装置50の充電時に電池モジュールC[j]のリード線に断線が生じていないかを判定しているのである。
次に、図4の入出力制限設定ルーチンについて説明する。入出力制限設定ルーチンが実行されると、まず、各電池モジュールC1〜Cnの残容量SOC1〜SOCnや温度センサ51からの電池温度Tb,端子間電圧Vb1〜Vbnなどのデータを入力し(ステップS200)、電池番号jを値1に設定する(ステップS210)。続いて、前述した図3の異常判定ルーチンの判定結果により電池番号jの電池モジュールC[j]が正常であるときには(ステップS220)、電池モジュールC[j]の残容量SOC[j]を積算することにより積算値ΔSOCを計算し(ステップS230)、電池モジュールC[j]の残容量SOC[j]と電池温度Tbとに基づいて入出力制限Win[j],Wout[j]を設定する(ステップS240)。ここで、入出力制限Win[j],Wout[j]は、例えば、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win[j],Wout[j]の基本値を設定し、電池モジュールC[j]の残容量SOC[j]に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win[j],Wout[j]の基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図5に電池温度Tbと入出力制限Win[j],Wout[j]との関係の一例を示し、図6にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win[j],Wout[j]の補正係数との関係の一例を示す。電池モジュールC[j]の入出力制限Win[j],Wout[j]を設定すると、電池モジュールC[j]の端子間電圧Vb[j]が他のすべての電池モジュールC[k](kは1〜n、但しk≠j)の端子間電圧Vb[k]よりも大きいか否か即ち最大か否か(ステップS250)、他のすべての電池モジュールC[k]の端子間電圧Vb[k]よりも小さいか否か即ち最小か否か(ステップS260)をそれぞれ判定し、端子間電圧Vb[j]が最大のときには設定した電池モジュールC[j]の出力制限Wout[j]をバッテリ装置50の出力制限Woutとして設定し(ステップS270)、端子間電圧Vb[j]が最小のときには設定した電池モジュールC[j]の入力制限Win[j]をバッテリ装置50の入力制限Winとして設定し(ステップS280)、端子間電圧Vb[j]が最大でも最小でもないときには次の処理に進む。ステップS220で電池モジュールC[j]が正常でないと判定されたときには初期値が値0に設定されている異常カウンタNを値1だけインクリメントする(ステップS320)。そして、電池番号jを値1だけインクリメントし(ステップS290)、電池番号jが電池モジュールC1〜Cnの個数である値n以下のときにはステップS220に戻って処理を繰り返す。ステップS300で電池番号jが値nを超えると、電池モジュールC1〜Cnのうち正常なものの残容量を積算した積算値ΔSOCを電池モジュールC1〜Cnの個数nから異常カウンタNを減じたもの(n−N)で割ることにより正常な電池モジュールの残容量の平均値としてバッテリ装置50の残容量SOCを設定して(ステップS310)、本ルーチンを終了する。以上、バッテリECU52によるバッテリ装置50の管理について説明した。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、システムメインリレー56への駆動信号や昇圧回路55のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例の自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ装置50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ装置50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例の自動車20の動作について説明する。図7は実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ装置50の入出力制限Win,Wout,残容量SOCなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS400)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクポジションセンサからの信号に基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ装置50の入出力制限Win,Woutは、バッテリECU52により図5に例示する入出力制限設定ルーチンの実行に伴って設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS410)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図8に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ装置50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、エンジン22が運転中であるか否かを判定し(ステップS420)、エンジン22が運転中のときには設定した要求パワーPe*がエンジン22を運転停止するための閾値Pstop未満か否かを判定する(ステップS430)。ここで、閾値Pstopとしては、エンジン22を比較的効率よく運転することができるパワー領域の下限値近傍の値を用いたり、モータMG2から出力できるパワーの上限値近傍の値を用いたりすることができる。
要求パワーPe*が閾値Pstop以上のときには、エンジン22の運転を継続すると判断し、エンジン22の設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS450)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図9に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを計算する(ステップS460)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図10に示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、図中、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1tmp=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
続いて、式(3)および式(4)を共に満たす仮トルクTm1tmpの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定すると共に(ステップS470)、設定した仮トルクTm1tmpを式(5)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップ480)。ここで、式(4)はモータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係であり、式(5)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を図11に示す。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域内のトルク指令Tm1*の最大値と最小値として求めることができる。
0≦−Tm1/ρ+Tm2・Gr≦Tr* (3)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (4)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (5)
そして、要求トルクTr*に仮トルクTm1tmpを動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(6)により計算し(ステップS490)、バッテリ装置50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算すると共に(ステップS500)、設定した仮トルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS510)。ここで、式(6)は、図10の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1tmp/ρ)/Gr (6)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS520)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ装置50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
ステップS430で要求パワーPe*が閾値Pstop未満であると判定されたときには、残容量SOCと閾値Srefとを比較し(ステップS140)、残容量SOCが閾値Sref未満のときには、バッテリ装置50の残容量SOCはモータMG2からの動力だけで走行するのに十分な量ではなく、エンジン22を停止すべきでないと判断し、上述したステップS450〜S520の処理を実行する。前述したように、バッテリ装置50の残容量SOCは、バッテリ装置50を構成するn個の電池モジュールC1〜Cnのいずれかがリード線の断線などにより故障したときには、正常な電池モジュールの各残容量だけに基づいてこれらの平均値として求めるから、こうした故障が生じたときでも正常な電池モジュールに過充電や過放電が生じるなどの二次的影響を与えるのを抑制することができる。
一方、ステップS430で要求パワーPe*が閾値Pstop未満であると判定され、且つ、ステップS440で残容量SOCが閾値Sref未満と判定されたときには、エンジン22の運転を停止すべきと判断し、燃料噴射制御や点火制御を停止してエンジン22の運転を停止する制御信号をエンジンECU24に送信してエンジン22を停止すると共に(ステップS530)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する(ステップS540)。そして、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpとして設定し(ステップS550)、値0のトルク指令Tm1*を上述の式(7)および式(8)に代入してモータMG2のトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算すると共に(ステップS560)、仮トルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS570)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS580)、本ルーチンを終了する。こうした制御により、エンジン22の運転を停止し、モータMG2からバッテリ装置50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。ここで、入出力制限Win,Woutは、n個の電池モジュールC1〜Cnのうち正常に機能する電池モジュールの各入力制限の最小値と各出力制限の最大値を用いて設定するから、正常な電池モジュールに過大な電力による充電や放電は生じない。
ステップS420でエンジン22が運転中ではない、即ちエンジン22が運転停止されていると判定されると、エンジン22の始動中か否か(ステップS590)、残容量SOCが閾値Sref以上であるか否か(ステップS600)、要求パワーPe*がエンジン22を始動するための閾値Pstart以上であるか否か(ステップS610)、を判定する。ここで、閾値Pstartとしては、エンジン22を比較的効率よく運転することができるパワー領域の下限値近傍の値を用いたり、モータMG2から出力できるパワーの上限値近傍の値を用いたりすることができるが、頻繁なエンジン22の運転停止と始動とが生じないように上述したエンジン22を運転停止するための閾値Pstopより大きな値を用いるのが好ましい。エンジン22の始動中ではなく、残容量SOCが閾値Srerf以上であり、要求パワーPe*が閾値Pstart未満のときには、エンジン22の運転停止状態を継続すべきと判断し、上述したステップS540〜S580の処理を実行する。
ステップS420でエンジン22が運転停止されていると判定され、ステップS590でエンジン22の始動中ではないと判定され、ステップS600で残容量SOCが閾値Sref未満と判定されたときや、ステップS600で残容量SOCが閾値Sref以上と判定されたときでもステップS610で要求パワーPe*が閾値Pstart以上と判定されたときには、エンジン22を始動すべきと判断し、始動時のトルクマップとエンジン22の始動開始からの経過時間tとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS620)。エンジン22の始動時にモータMG1のトルク指令Tm1*に設定するトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを図12に示す。モータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると、要求トルクTr*にモータMG1のトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(10)により計算し(ステップS630)、上述した式(7)および式(8)を用いてモータMG2のトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算すると共に(ステップS640)、仮トルクTm2tmpを上述の式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS650)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS660)。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (10)
そして、エンジン22の回転数Neが燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数Nref以上に至っているか否かを判定する(ステップS670)。いま、エンジン22の始動開始時を考えているから、エンジン22の回転数Neは小さく、回転数Nrefには至っていない。このため、この判定では否定的な結論がなされ、燃料噴射制御や点火制御が開始されることなく本ルーチンを終了する。
エンジン22の始動が開始されると、ステップS590ではエンジン22の始動中であると判定されるから、上述したステップS620からS670の処理が実行され、エンジン22の回転数Neが燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数Nref以上に至るのを待って(ステップS670)、燃料噴射制御と点火制御とが開始されるよう制御信号をエンジンECU24に送信する(ステップS680)。こうした制御により、停止しているエンジン22を始動しながらモータMG2からバッテリ装置50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。エンジン22をモータリングしている状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図13に示す。
以上説明した実施例の自動車20によれば、n個の電池モジュールC1〜Cnが並列接続されたバッテリ装置50の充放電要求パワーPb*が正の所定パワーP1よりも大きいときには、各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧が最も大きい電池モジュールと次に端子間電圧が大きい電池モジュールとの電圧差を計算し、計算した電圧差が所定差αを上回っている状態で端子間電圧が最も大きい電池モジュールの充放電電流の絶対値が略値0のときに、その電池モジュールの出力端子に接続されたリード線に断線が生じていると判定するから、バッテリ装置50の放電時にこうした異常をより正確に判定することができる。また、バッテリ装置50の充放電要求パワーPb*が負の所定パワーP2よりも小さいときには、各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧が最も小さい電池モジュールと次に端子間電圧が小さい電圧モジュールとの電圧差を計算し、計算した電圧差が所定差−αを下回っている状態で端子間電圧が最も小さい電池モジュールの充放電電流の絶対値が略値0のときに、その電池モジュールの出力端子に接続されたリード線に断線が生じていると判定するから、バッテリ装置50の充電時にこうした異常をより正確に判定することができる。しかも、バッテリ装置50の残容量SOCを、n個の電池モジュールC1〜Cnのいずれかが正常に機能しないときには、正常に機能する電池モジュールの各残容量だけに基づいてこれらの平均値として求めるから、正常な電池モジュールに過充電や過放電が生じるなどの二次的影響を与えるのを抑制することができる。さらに、入出力制限Win,Woutに、n個の電池モジュールC1〜Cnのうち正常に機能しない電池モジュールを除いた正常に機能する電池モジュールのうち端子間電圧が最も小さい電池モジュールに設定された入力制限を設定すると共に正常に機能する電池モジュールのうち端子間電圧が最も大きい電池モジュールに設定された出力制限を設定するから、正常な電池モジュールに過大な電力による充電や放電が生じるのを抑制することができる。
実施例の自動車20では、バッテリ装置50の充放電要求パワーPb*が正の所定パワーP1よりも大きいときと、充放電要求パワーPb*が負の所定パワーP2よりも小さいときの両方でn個の電池モジュールC1〜Cnに異常(断線)が生じているか否かを判定するものとしたが、いずれか一方だけの判定を行なうものとしてもよい。
実施例の自動車20では、n個の電池モジュールC1〜Cnを並列接続してバッテリ装置50を構成するものとしたが、nは2以上であればいくつであっても構わない。2個の電池モジュールC1,C2を並列接続してバッテリ装置を構成した場合、充放電要求パワーPb*が負の所定パワーP2以上で正の所定パワーP1以下であっても電池モジュールC1,C2のいずれかのリード線に断線が生じているか否かを判定することができる。具体的には、2個の電池モジュールC1,C2の端子間電圧の電圧差を計算し、計算した電圧差が所定差αよりも大きい場合に、電池モジュールC1,C2のいずれかの充放電電流が略値0であれば、いずれかに断線が生じていると判定することができる。この場合、バッテリ装置の入力制限Winとしては、電池モジュールC1,C2の各入力制限Win1,Win2のうち大きい方(絶対値が小さい方)を設定し、出力制限Winとしては、電池モジュールC1,C2の各出力制限Wout1,Wout2のうち小さい方を設定することができる。
実施例の自動車20では、上述した式(3),(4)を満たす範囲内でモータMG1の仮トルクTm1tmpを制限するトルク制限Tm1min,Tm1maxを求めてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に式(7),(8)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxを求めてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定したが、式(3),(4)を満たす範囲内によるトルク制限Tm1min,Tm1maxの制限を受けることなくモータトルクTm1tmpをそのままモータMG1のトルク指令Tm1*として設定すると共にこのトルク指令Tm1*を用いて式(7),(8)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxを求めてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するものとしても構わない。
実施例の自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例の自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図14の変形例の自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図14における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例の自動車20では、ハイブリッド自動車に適用して説明したが、走行用の動力源としてモータのみを搭載する電気自動車に適用するものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ装置50が「蓄電手段」に相当し、バッテリ装置50の入出力制限Win,Woutを設定する図4の入出力制限設定ルーチンを実行するバッテリECU52と入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する図7の駆動制御ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と受信したトルク指令Tm2*に基づいてモータMG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当し、n個の電池モジュールC1〜Cnの各端子間電圧Vb1〜Vbnを検出するn個の電圧センサV1〜Vnが「電圧検出手段」に相当し、n個の電池モジュールC1〜Cnの出力端子に接続されたリード線に取り付けられたn個の電流センサA1〜Anが「電流検出手段」に相当し、充放電要求パワーPb*が正の所定パワーP1よりも大きいときには各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧が最も大きい電池モジュールと次に端子間電圧が大きい電池モジュールとの電圧差を計算し計算した電圧差が所定差αを上回っている状態で端子間電圧が最も大きい電池モジュールの充放電電流の絶対値が略値0のときにその電池モジュールの出力端子に接続されたリード線に断線が生じていると判定し、充放電要求パワーPb*が負の所定パワーP2よりも小さいときには各電池モジュールC1〜Cnのうち端子間電圧が最も小さい電池モジュールと次に端子間電圧が小さい電圧モジュールとの電圧差を計算し計算した電圧差が所定差−αを下回っている状態で端子間電圧が最も小さい電池モジュールの充放電電流の絶対値が略値0のときにその電池モジュールの出力端子に接続されたリード線に断線が生じていると判定する図3の異常判定ルーチンを実行するバッテリECU52が「異常判定手段」に相当する。
ここで、「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、車軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とモータECU40とバッテリECU52とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
20,120 自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ装置、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、55 昇圧回路、56 システムメインリレー、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ、C1〜Cn 電池モジュール、V1〜Vn 電圧センサ、A1〜An 電流センサ。

Claims (9)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
    前記電動機に対して並列に接続された複数の電池モジュールからなる蓄電手段と、
    要求動力に基づく動力が出力されるよう前記電動機を制御する制御手段と、
    前記複数の電池モジュールの各々の端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記複数の電池モジュールの各々を流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記蓄電手段の放電を伴って前記電動機が駆動されるときには、前記複数の電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最大の電池モジュールが他のいずれの電池モジュールに対しても所定差よりも大きな電位差を生じており且つ前記電流検出手段により前記端子間電圧が最大の電池モジュールの非通電状態が検出されたときに該電池モジュールに異常が生じていると判定する異常判定手段と
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの状態に基づいて前記蓄電手段から出力してもよい最大電力としての出力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールの状態に基づいて前記出力制限を設定し、該設定した出力制限の範囲内で前記要求動力に基づく動力が出力されるよう前記電動機を制御する手段である
    動力出力装置。
  3. 請求項2記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには該複数の電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最大の電池モジュールの状態に基づいて前記出力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最大の電池モジュールの状態に基づいて前記出力制限を設定する手段である
    動力出力装置。
  4. 間欠運転が可能な内燃機関を備える請求項1ないし3いずれか1項に記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの残容量に基づいて前記蓄電手段の残容量を演算し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールの状態だけに基づいて前記蓄電手段の残容量を演算し、該演算した残容量に基づいて前記内燃機関を間欠運転しながら前記電動機からの動力が前記駆動軸に出力されるよう制御する手段である
    動力出力装置。
  5. 発電が可能な電動機を備える動力出力装置であって、
    前記電動機から見て並列に接続された複数の電池モジュールからなる蓄電手段と、
    要求動力に基づく動力が出力されるよう前記電動機を制御する制御手段と、
    前記複数の電池モジュールの各々の端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記複数の電池モジュールの各々を流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記蓄電手段の充電を伴って前記電動機が駆動されるときには、前記複数の電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最小の電池モジュールが他のいずれの電池モジュールに対しても所定差よりも大きな電位差を生じており且つ前記電流検出手段により前記端子間電圧が最小の電池モジュールの非通電状態が検出されたときに該電池モジュールに異常が生じていると判定する異常判定手段と
    を備える動力出力装置。
  6. 請求項5記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの状態に基づいて前記蓄電手段に入力してもよい最大電力としての入力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールの状態に基づいて前記入力制限を設定し、該設定した入力制限の範囲内で前記要求動力に基づく動力が入力されるよう前記電動機を制御する手段である
    動力出力装置。
  7. 請求項6記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記異常判定手段により異常が判定されなかったときには前記複数の電池モジュールの状態のうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最小の電池モジュールの状態に基づいて前記蓄電手段に入力してもよい最大電力としての入力制限を設定し、前記異常判定手段により前記複数の電池モジュールのうちのいずれかに異常が生じていると判定されたときには正常な電池モジュールのうち前記電圧検出手段により検出された端子間電圧が最小の電池モジュールの状態に基づいて前記入力制限を設定する手段である
    動力出力装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項に記載の動力出力装置であって、
    前記異常判定手段は、前記蓄電手段に要求される充放電パワーに基づいて前記所定差を変更して判定を行なう手段である
    動力出力装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか1項に記載の動力出力装置であって、
    前記蓄電手段は、二つの電池モジュールからなる手段であり、
    前記異常判定手段は、前記蓄電手段に要求される充放電パワーが略値0のときには、前記電圧検出手段により検出された二つの電池モジュールの端子間電圧の電位差が前記所定差以上で且つ前記電流検出手段により前記二つの電池モジュールの非通電状態が検出されたときに該二つの電池モジュールのいずれかに異常が生じていると判定する手段である
    動力出力装置。
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