JP2010246246A - 電力供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動停止を繰り返す負荷、あるいは負荷量が急変するような負荷の駆動回路に用いられる電力変換装置の半導体素子における温度リップルを抑制し、該半導体素子の寿命を延ばすようにした電力供給装置を提供する。
【解決手段】交流電源1はコンバータ2で直流に変換され、平滑コンデンサ3により平滑されてインバータ装置4に供給される。インバータ装置4は、IGBTなどの半導体素子を含んで構成されており、制御装置5の指令により動作し、供給された直流を交流に変換してモータ6に供給する。モータ6は巻上機7を介してかご8およびカウンターウェイト9を昇降させる。制御装置5は、インバータ装置4を構成する半導体モジュールの温度を温度検出手段10により検出し、その検出結果に基づいてかご8の停止中にインバータ装置4のIGBTに電流を流すように制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、インバータ装置などの電力変換装置を介して駆動される負荷に対し電力を供給する電力供給装置に関するものである。
一般に、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含む半導体モジュールにより構成される電力変換装置、例えばインバータ装置を介して、エレベーターなどを駆動する交流電動機(以下、モータという。)は、三相交流電源を整流器により整流して直流に変換し、変換された直流をコンデンサで平滑したのち、インバータ装置で交流電力に変換して駆動されている。そして、このモータは、減速機等を介して直結された巻上機を回転させ、巻上機に対してロープでつるべ式に構成されたエレベーターかご(以下、かごと言う。)とカウンターウェイトを昇降させている。
このように構成されたエレベーターかごの運転が継続されると、インバータ装置を構成する半導体モジュールの発熱損失が徐々に蓄積されることになり、半導体モジュールが熱破壊に至る。更に説明すれば、IGBT内部の熱劣化は、構造的に2箇所の部位に起こり、各々要因に対する寿命として、IGBTチップ上のアルミボンディングワイヤの半田部の熱披露寿命と、銅ベース板とIGBTチップ積載のためのセラミックス板との半田部の熱疲労寿命が知られており、また、半導体モジュールの内部温度は、通電電流に応じて上昇又は下降を繰り返すことも周知である。従って、運転停止が頻繁に繰り返されたり、あるいは負荷量が急変するエレベーターを駆動するモータへ電力を供給するインバータ装置においては、IGBTチップのハンダ部に温度リップルによる熱応力が発生し、この熱応力の繰り返しにより、IGBTチップの熱抵抗を増加させ、最終的にはチップの温度過熱によってIGBTは破壊に至ることになる。
ところで、IGBT等の主回路素子の寿命劣化故障を未然に防止するために、IGBTチップを搭載するベース板温度のリップル温度を単位期間(例えば、インバータ装置の運転開始から次回の運転開始までの期間、あるいは測定温度が上昇し始めた時点から、次に上昇し始めるまでの期間)毎にカウントし、リップル温度に対する温度範囲別の寿命回数と実際の発生回数に従って寿命を推定する方法および装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−101668号公報(要約の欄、図1)
前記特許文献1の提案によれば、装置の運転状態で半導体の寿命判断ができ、しかも簡単な方法で予測することができる。しかし、特許文献1には、半導体の長寿命化については述べられていない。
この発明は、駆動停止を繰り返す負荷、あるいは負荷量が急変するような負荷の駆動回路に用いられる電力変換装置の半導体素子における温度リップルを抑制し、該半導体素子の寿命を延ばすようにした電力供給装置を提供するものである。
この発明に係る電力供給装置は、駆動停止を繰り返す負荷、あるいは負荷量が急変するような負荷の駆動回路に設けられると共に、半導体素子を有する半導体モジュールを含む電力変換装置と、前記電力変換装置を制御し、前記負荷への電力を制御する制御装置と、前記半導体モジュールの温度を検出する温度検出手段と、を備え、前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記負荷の停止中に前記制御装置により前記半導体素子に電流を供給するものである。
この発明によれば、駆動停止を繰り返す負荷、あるいは負荷量が急変するような負荷の駆動回路に設けられると共に、半導体素子を有する半導体モジュールを含む電力変換装置と、前記電力変換装置を制御し、前記負荷への電力を制御する制御装置と、前記半導体モジュールの温度を検出する温度検出手段と、を備え、前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記負荷の停止中に前記制御装置により前記半導体素子に電流を供給するようにしたので、負荷の停止中、あるいは負荷量が急減した場合における半導体素子の温度低下を防ぎ、半導体素子の温度リップルを抑制することができるため、半導体素子の寿命を延ばすことが可能となる。
この発明の実施の形態1に係るエレベーター装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベーター装置に用いられるインバータ装置の内部回路図である。 図2のインバータ装置を構成する半導体モジュールの断面図である。 半導体モジュールの温度リップルを示す図である。 IGBTの出力特性図である。
以下、添付の図面を参照して、この発明に係る電力供給装置について好適な実施の形態を説明する。なお、以下の説明においては、この発明をエレベーター装置に適用した実施の形態について説明するが、この発明はこれに限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーター装置を示すブロック構成図である。図1において、交流電源1はコンバータ2で直流に変換され、平滑コンデンサ3により平滑されて電力変換装置、例えばインバータ装置4に供給される。インバータ装置4は、図2に示すように、IGBTなどの半導体素子を含んで構成されており、制御装置5の指令により動作し、供給された直流を交流に変換してモータ6に供給する。これにより、モータ6は巻上機7を介してかご8およびカウンターウェイト9を昇降させる。また、制御装置5は、後述するように、インバータ装置4を構成する半導体モジュールの温度を温度検出手段10により検出し、その検出結果に基づいてかご8の停止中にインバータ装置4のIGBTに電流を流すように制御する。
図2は、インバータ装置4の内部回路図である。図2に示すように、インバータ装置4は半導体モジュール20により構成され、その内部はIGBT41P、IGBT41N、IGBT42P、IGBT42N、IGBT43P、IGBT43N、および各IGBTに逆並列接続されたダイオードD1〜D6から構成されている。なお、実施の形態1では1つの半導体モジュール20に6つのIGBTとダイオードが内蔵された構成となっているが、半導体モジュール20に内蔵される半導体素子数はこの限りでなく、複数の半導体モジュールから構成されるものであれば同様である。また、実施の形態1では半導体素子としてIGBT素子を使用しているが、半導体モジュール20を構成する半導体素子はIGBTに限定されるものではなく、その他の電圧駆動型の半導体素子であればよい。
また、図3は、半導体モジュール20の断面図を示し、この図3に示すように、半導体モジュール20は、ベース板30と、ベース板30に載せられた第1半田付け部31を介して設けられた絶縁基板32と、第2半田付け部33を介して設けられた半導体素子34によって構成され、絶縁基板32と第1半田付け部31の接着性を高めるために第1下地層35が設けられており、絶縁基板32と第2半田付け部33の接着性を高めるために第2下地層36が設けられている。なお、半導体モジュール20は放熱器37に固定されており、更に、温度検出手段10として、半導体素子34の温度を検出するためにジャンクション温度検出器10aが、ベース板温度を検出するためにベース板温度検出器10bが、放熱器37の温度を検出するために放熱器温度検出器10cが設けられている。
実施の形態1に係るエレベーター装置は前記のように構成されており、次に動作について説明する。
図4は、半導体モジュール20の温度リップルを示す図である。図4(a)に示すように、かご8の停止中に半導体素子34に電流を流して半導体素子34の温度を一定温度に保つことにより、かご8が駆動停止を繰り返した際に発生する半導体モジュール20の温度リップルを図4(b)に示す通常時に比べ抑制することが可能となる。
次に、かご8の停止中に半導体素子34に電流を流す一例について説明する。図5はIGBTの出力特性図であるが、この図5に示すように、IGBTのコレクタ−エミッタ間電圧Vceとコレクタ電流Icは、ゲート電圧Vgeによって変化する。これを利用し、かご8の停止中に,同一相、例えばU相であればIGBT41P及びIGBT41NのVge電圧を操作することで、P−N間の母線電圧をIGBT41PおよびIGBT41NのVceで分圧して、任意のコレクタ電流Icを流すことが可能となる。
これにより半導体素子34の温度や、ベース板30の温度をそれぞれの温度検出器10a、10bで検出して、コレクタ電流Icを制御することで、半導体素子34やベース板30の温度を所望の温度と制御することができる。また、放熱器37とベース板30間や、放熱器37と半導体素子34間の熱抵抗と、IGBTのコレクタ−エミッタ間電圧Vceおよびコレクタ電流Icから求められる発生損失から、放熱器温度検出器10cのみを使用することで、半導体素子34やベース板30の温度を推定することも可能となり、その場合はジャンクション温度検出器10a及びベース板温度検出器10bは不要となる。
次に、かご8の停止中の半導体モジュール20の温度を決める一例について説明する。半導体モジュール20の寿命は、半導体モジュール20の温度リップルに影響を受ける。温度リップルが小さいほど長寿命となるため、エレベーターの使用条件から半導体モジュール20に要求する寿命とその際に必要な温度リップルが算出可能となる。この温度リップル以内におさまるように、かご8の停止中における半導体モジュール20の温度を決定すればよい。
以上説明したように、この発明の実施の形態1によれば半導体モジュール20の温度リップルを抑制することが可能となり、半導体モジュール20の長寿命化が可能となる。
なお、実施の形態1においては、この発明をエレベーター装置に適用した場合について図示説明したが、この発明は、エレベーター装置以外に、駆動停止を繰り返す負荷、あるいは負荷量が急変するような負荷に適用することができ、実施の形態1と同等の効果を奏するものである。
1 交流電源
2 コンバータ
3 平滑コンデンサ
4 インバータ装置
5 制御装置
6 モータ
7 巻上機
8 かご
9 カウンターウェイト
10 温度検出手段
10a ジャンクション温度検出器
10b ベース板温度検出器
10c 放熱器温度検出器
20 半導体モジュール
41P、41N、42P、42N、43P、43N IGBT
D1、D2、D3、D4、D5、D6 ダイオード
30 ベース板
31 第1半田付け部
32 絶縁基板
33 第2半田付け部
34 半導体素子
35 第1下地層
36 第2下地層
37 放熱器

Claims (6)

  1. 駆動停止を繰り返す負荷、あるいは負荷量が急変するような負荷の駆動回路に設けられると共に、半導体素子を有する半導体モジュールを含む電力変換装置と、
    前記電力変換装置を制御し、前記負荷への電力を制御する制御装置と、
    前記半導体モジュールの温度を検出する温度検出手段と、を備え、
    前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記負荷の停止中に前記制御装置により前記半導体素子に電流を供給することを特徴とする電力供給装置。
  2. 前記温度検出手段は、前記半導体モジュールのジャンクション温度あるいはベース板温度を検出することを特徴とする請求項1に記載の負荷へ電力を供給する装置。
  3. 前記温度検出手段は、前記半導体モジュールを冷却する放熱器の温度を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の負荷へ電力を供給する装置。
  4. 前記半導体素子は、電圧駆動型の半導体素子で、前記半導体素子を駆動するゲート駆動電圧を制御することにより前記半導体素子に電流を流すことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の負荷へ電力を供給する装置。
  5. 前記半導体モジュールの必要寿命から求められる温度リップルに基づき、前記負荷の停止中における前記半導体素子の温度を決定することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の負荷へ電力を供給する装置。
  6. 前記負荷は、エレベーターかごを上下方向に運転する交流電動機であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の負荷へ電力を供給する装置。
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