JP2010243594A - 薄膜トランジスタ基板およびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ基板およびその製造方法 Download PDF

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義雅 近間
Okifumi Nakagawa
興史 中川
Takeshi Hara
猛 原
Hirohiko Nishiki
博彦 錦
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Abstract

【課題】基板上に形成される補助容量の容量を大きく、かつ、その変動を防止する。
【解決手段】TFT4と補助容量5を有するTFT基板1の半導体層13、17を形成するときに、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とするIGZOを使用する。TFT基板1を製造するときには、補助容量半導体層17を低抵抗化する処理として、パシベーション層20を形成した後で絵素電極21を形成する前にプラズマ処理を行う。これにより、補助容量半導体層17を導体化し、補助容量5の容量を大きくすると共に、補助容量5の容量変動を防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶表示装置などに用いられる薄膜トランジスタ基板、および、その製造方法に関する。
従来から薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTという)基板を製造する方法として、5枚のマスクを用いる方法と、ハーフトーンマスクを含む4枚のマスクを用いる方法とが知られている(以下、前者を5枚マスクプロセス、後者を4枚マスクプロセスという)。TFT基板として液晶パネルの素子側基板を製造するときには、いずれかのプロセスを用いて、ガラス基板上にTFTと補助容量(保持容量あるいはCs容量とも呼ばれる)を同時に形成する必要がある。
特許文献1には、4枚マスクプロセスを用いて、図6に示すTFT基板を製造する方法が記載されている。図6に示すTFT基板では、絶縁基板90上に維持電極91、ゲート絶縁膜92、半導体パターン93、接触層パターン94および導電体パターン95を順に成膜、形成することにより、補助容量96が形成される。ゲート絶縁膜92は窒化シリコン(SiNx)などの絶縁体で形成され、半導体パターン93はアモルファスシリコンなどの半導体で形成され、接触層パターン94はn型不純物をドープしたアモルファスシリコンなどの半導体で形成される。このように補助容量96は、2枚の導電体電極の間に絶縁体層と2層の半導体層とを挟み込んだ構造を有する。
4枚マスクプロセスでは、補助容量96を形成すべき箇所に、半導体層(あるいは、半導体層と導電体パターン95)を必ず残す必要がある。その理由は、補助容量96を形成すべき箇所と端子を形成すべき箇所とを区別し、補助容量と端子をそれぞれの形状に形成するためである。
特許第3756363号公報
しかしながら、4枚マスクプロセスを用いて形成された補助容量には、電極間に半導体層が存在するために、電極への印加電圧に応じて容量が変動するという問題がある。補助容量の容量が変動すると、液晶パネルの画素間に輝度ばらつきが発生し、表示画面の画質が劣化する。
また、4枚マスクプロセスを用いて形成された補助容量の容量は、絶縁体層の容量をC1、半導体層の容量をC2としたとき(C1×C2)/(C1+C2)となり、電極間に絶縁体層だけが存在する場合よりも小さくなる。容量の小さい補助容量では画素に書き込まれた電圧を安定的に保持できないので、表示画面が時間の経過と共に変化するという問題も発生する。
それ故に、本発明は、基板上に形成される補助容量の容量を大きく、かつ、その変動を防止した薄膜トランジスタ基板、および、その製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、薄膜トランジスタ基板の製造方法であって、
絶縁基板上に薄膜トランジスタのゲート電極と容量の第1電極を形成する工程と、
前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極と前記第1電極を形成した位置にそれぞれ酸化物半導体を用いて半導体層を形成する工程と、
前記ゲート電極の位置に形成した半導体層に接するように前記薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極を形成する工程と、
前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層を形成する工程と、
前記第1電極の位置に形成した半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極を形成する工程とを備え、
前記一連の工程のいずれかの箇所で、前記ゲート電極の位置に形成した半導体層を低抵抗化する処理を行うことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、
前記パシベーション層を形成する工程の後で前記絵素電極を形成する工程の前に、前記低抵抗化処理としてプラズマ処理を行うことを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、
前記半導体層、前記ソース電極および前記ドレイン電極を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することを特徴とする。
第6の発明は、薄膜トランジスタと容量を有する薄膜トランジスタ基板であって、
絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタのゲート電極と、
前記ゲート電極と共に前記絶縁基板上に形成された容量の第1電極と、
前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極を形成した位置に酸化物半導体を用いて形成された第1半導体層と、
前記ゲート絶縁膜上で前記第1電極を形成した位置に前記酸化物半導体を用いて形成された第2半導体層と、
前記第1半導体層に接するように形成された前記薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極と、
前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層と、
前記第2半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極とを備え、
製造時に前記第2半導体層を低抵抗化する処理が行われたことを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする。
第8の発明は、第6の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする。
上記第1または第6の発明によれば、製造時に容量を構成する半導体層を低抵抗化する処理を行うことにより、当該半導体層を導体化することができる。これにより、基板上に形成される容量を大容量化すると共に、容量変動を防止することができる。
上記第2または第7の発明によれば、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とするIGZOを用いて半導体層を形成することにより、低抵抗化処理によって容量を構成する半導体層を容易に低抵抗化し、大容量化と容量変動の防止をより効果的に行うことができる。
上記第3または第8の発明によれば、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含む半導体層を形成することにより、低抵抗化処理によって容量を構成する半導体層を低抵抗化し、当該容量を大容量化すると共に、容量変動を防止することができる。
上記第4の発明によれば、パシベーション層を形成した後で絵素電極を形成する前にプラズマ処理を行うことにより、薄膜トランジスタを構成する半導体層に影響を与えることなく、容量を構成する半導体層に対してプラズマ処理を行うことができる。これにより、容量を構成する半導体層を導体化して、当該容量を大容量化すると共に、容量変動を防止することができる。
上記第5の発明によれば、半導体層、ソース電極およびドレイン電極を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することにより、使用するマスクの枚数を減らし、製造工程を簡単にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るTFT基板の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るTFT基板の断面図である。 図1に示すTFT基板の製造方法の例(第1例)を示す図である。 図2に示すTFT基板の製造方法の例(第2例)を示す図である。 水素プラズマ処理によるIGZOの比抵抗の変化を示す図である。 従来のTFT基板の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るTFT基板、および、その製造方法を説明する。以下に示すTFT基板は、絶縁基板であるガラス基板上にTFT、補助容量および端子などを形成したものであり、液晶パネルの素子側基板として使用される。以下、ガラス基板上でTFT、補助容量および端子を形成すべき場所を、それぞれ、TFT部、補助容量部および端子部という。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るTFT基板の断面図である。図1に示すように、TFT部にはゲート電極11、ゲート絶縁膜12、TFT半導体層13、ソース電極14、ドレイン電極15が成膜、形成される。補助容量部には補助容量配線16、ゲート絶縁膜12、補助容量半導体層17、補助容量金属層18が成膜、形成され、端子部には端子接続用配線19が成膜、形成される。これらの上にはパシベーション層20、絵素電極21および端子電極22が成膜、形成される。
ゲート電極11、ソース電極14、ドレイン電極15、補助容量配線16、補助容量金属層18、端子接続用配線19、絵素電極21および端子電極22は、導電性のある金属で形成される。このうちゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19は、同じ工程で成膜、形成される。また、ソース電極14、ドレイン電極15および補助容量金属層18は別の同じ工程で成膜、形成され、絵素電極21と端子電極22はさらに別の同じ工程で成膜、形成される。
ゲート絶縁膜12とパシベーション層20は、シリコン(SiO2 )などの絶縁体で形成される。TFT半導体層13と補助容量半導体層17は、アモルファス酸化物半導体の一種であるIGZOで形成される。IGZOは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)および酸素(O)を主成分とするN型の酸化物半導体であり、低温で製膜可能という特徴を有する。なお、IGZOはIZGOあるいはGIZOとも呼ばれる。
ゲート絶縁膜12は、ゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を覆うように成膜される。ソース電極14とドレイン電極15は、TFT半導体層13に接するように形成される。パシベーション層20は、TFT4を覆うように形成される。補助容量配線16は、補助容量5の一方の電極として機能する。絵素電極21は、ドレイン電極15、補助容量配線16および補助容量半導体層17と電気的に接続され、補助容量5の他方の電極として機能する。これにより、TFT4、補助容量5および端子6を含むTFT基板1が得られる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るTFT基板の断面図である。図2に示すTFT基板2は、図1に示すTFT基板1とほぼ同じ構造を有する。ただし、TFT基板2に形成される補助容量7は、補助容量金属層を有さない。TFT4はギャップ構造のTFTと呼ばれる。
TFT基板1、2は、4枚マスクプロセスまたは5枚マスクプロセスを用いて製造される。本発明の特徴として、TFT基板1、2を製造するときに、IGZOで形成された補助容量半導体層17を低抵抗化する処理が行われる。具体的には、TFT半導体層13に影響を与えることなく、補助容量半導体層17を低抵抗化するために、パシベーション層20を形成した後で絵素電極21を形成する前にプラズマ処理が行われる。
以下、TFT基板1、2の製造方法の具体例を説明する。図3は、TFT基板1の製造方法の例(第1例)を示す図である。第1例の製造方法では、4枚マスクプロセスが使用される。この製造方法では、まず、スパッタ装置を用いてガラス基板10上に金属層を成膜し、1枚目のマスクを用いて金属層をパターニングする。これにより、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を形成する(図3(a))。
次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31と金属層32を順に成膜する(図3(b))。次に、2枚目のマスク(ハーフトーンマスク)を用いて、厚い部分と薄い部分を有するレジスト33を形成する(図3(c))。2枚目のマスクでは、ソース電極14とドレイン電極15の間のギャップ部に対応する部分と、補助容量部に対応する部分とがハーフトーンになっている。このため、レジスト33はギャップ部と補助容量部では他の部分よりも薄くなる。次に、レジスト33で保護されていないIGZO層31と金属層32を除去する。これにより、TFT部にTFT半導体層13を形成し、補助容量部に補助容量半導体層17と補助容量金属層18を形成する(図3(d))。
次に、アッシングを行い、レジスト33を薄くする。アッシングにより、レジスト33の厚い部分は薄くなって残るが、レジスト33の薄い部分は除去される(図3(e))。以下、アッシング後に残ったレジストを残りのレジスト34という。次に、残りのレジスト34で保護されていない金属層32を除去する。これにより、TFT部に残った金属層32は2つの部分に分割され、一方がソース電極14、他方がドレイン電極15となる(図3(f))。次に、残りのレジスト34を除去する(図3(g))。このようにIGZO層31と金属層32は、ハーフトーンマスクを用いてパターニングされる。
次に、CVD装置を用いてパシベーション層20を成膜し、第3のマスクを用いてパシベーション層20をパターニングする(図3(h))。この際、補助容量部では、補助容量半導体層17よりも少し小さいパターンを使用する。
次に、補助容量半導体層17を低抵抗化する処理として、パシベーション層20を形成した後の基板に対してプラズマ処理を行う(図3(h))。IGZOに対して水素プラズマ処理あるいはアルゴンプラズマ処理を行うと、IGZO内に多くの酸素欠陥が作成され、IGZOは導体化する。
次に、スパッタ装置を用いて金属層を成膜し、第4のマスクを用いて金属層をパターニングする。これにより、絵素電極21と端子電極22を形成する(図3(i))。以上の方法でTFT基板1を製造することができる。
図4は、TFT基板2の製造方法の例(第2例)を示す図である。第2例の製造方法では、5枚マスクプロセスが使用される。この製造方法では、まず第1例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を成膜、形成する(図4(a))。
次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31を成膜する(図4(b))。次に、2枚目のマスクを用いてIGZO層31をパターニングすることにより、TFT部にTFT半導体層13を形成し、補助容量部に補助容量半導体層17を形成する(図4(c))。次に、スパッタ装置を用いて金属層32を成膜する(図4(d))。次に、3枚目のマスクを用いて金属層32をパターニングすることにより、TFT部にソース電極14とドレイン電極15を形成し、補助容量部に補助容量金属層18を形成する(図4(e))。
次に、CVD装置を用いてパシベーション層20を成膜し、第3のマスクを用いてパシベーション層20をパターニングする(図4(f))。次に、補助容量半導体層17を低抵抗化する処理として、パシベーション層20を形成した後の基板に対して、第1例と同様のプラズマ処理を行う(図4(g))。次に、スパッタ装置を用いて金属層を成膜し、第4のマスクを用いて金属層をパターニングすることにより、絵素電極21と端子電極22を形成する(図4(h))。以上の方法でTFT基板2を製造することができる。
以下、TFT基板1、2の製造条件の例を説明する。ゲート電極11やソース電極14などになる金属層を成膜するときには、スパッタ装置において温度を100℃に設定し、ターゲット材をチタンターゲットとアルミニウムターゲットに切り替えて、膜厚500オングストロームのチタン層と、膜厚2000オングストロームのアルミニウム層と、膜厚1000オングストロームのチタン層を順に成膜する。この金属層をエッチングするときには、塩素ガスとアルゴンガスを用いたドライエッチを行う。
ゲート絶縁膜12を成膜するときには、CVD(Chemical Vapor Deposition :化学気相成長)装置において温度を300℃に設定し、シラン(SiH4 )ガスと一酸化二窒素(N2 O)ガスを供給して、膜厚3000オングストロームのSiO2 を形成する。IGZO層31を成膜するときには、スパッタ装置に酸素とアルゴンガスを供給し、IGZOターゲット(組成比In:Ga:Zn:O=1:1:1:4)を用いて膜厚200〜1500オングストローム程度のIGZO層を成膜する。なお、IGZO層31を成膜するときに、上記以外の組成比を有するIGZOターゲットを使用してもよい。IGZO層31をエッチングするときには、リン酸と硝酸と酢酸の混合エッチャントを用いてウェットエッチを行う。
第1例の製造方法においてレジスト33をアッシングするときには、酸素プラズマ処理を行う。パシベーション層20を成膜するときには、CVD装置において温度を200℃に設定し、シランガスと一酸化二窒素ガスを供給し、膜厚1500オングストロームのSiO2 を形成する。パシベーション層20を形成した後に、温度300℃の大気中でベークを行う。ゲート絶縁膜12とパシベーション層20をエッチングするときには、四フッ化メタン(CF4 )と酸素を用いてドライエッチを行う。
絵素電極21と端子電極22になる金属層を成膜するときには、スパッタ装置において温度を200℃に設定し、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を用いて膜厚1000オングストロームのITO層を成膜する。ITO層をエッチングするときには、温度40℃の塩化第二鉄(FeCl3 )水溶液を用いてウェットエッチを行う。なお、以上の製造条件は一例にすぎず、上記以外の製造条件を使用してもよいことは言うまでもない。
補助容量半導体層17を低抵抗化する処理の具体例を説明する。図5は、IGZOに対して水素プラズマ処理を行った場合と行わなかった場合について、IGZOの比抵抗を示す図である。図5に示すように、プラズマ処理を行うとIGZOの比抵抗は4〜6桁程度低下し、プラズマ処理を行った後のIGZOは導体に近い特性を有する。なお、この実験結果は、あるCVD装置においてパワーを0.1kW、圧力を200Pa、H2 流量を1000sccm、温度を220℃、処理時間を300秒、電極間距離(E/S距離)を25mmに設定したときに得られたものである。
なお、ここではCVD装置におけるプラズマ処理によって補助容量半導体層17を低抵抗化する場合について説明したが、ドライエッチング装置やスパッタ装置においても、水素やアルゴンガスを導入してプラズマ処理を行うことにより、補助容量半導体層17を低抵抗化することができる。
以下、補助容量半導体層17を低抵抗化する処理による効果を説明する。TFT基板1、2に形成される補助容量5、7は、2枚の導電体電極の間に絶縁体層(ゲート絶縁膜12)と半導体層(補助容量半導体層17)を挟み込んだ構造を有する。このため、特段の工夫を行わなければ、補助容量5、7の容量は電極への印加電圧に応じて変動する。補助容量5、7の容量が変動すると、液晶パネルの画素間に輝度ばらつきが発生し、表示画面の画質が劣化する。
また、ゲート絶縁膜12の容量をC1、補助容量半導体層17の容量をC2としたとき、補助容量5、7の容量Caは次式(1)で与えられる。一方、補助容量半導体層17が存在しない場合の容量Cbは、次式(2)で与えられる。
Ca=(C1×C2)/(C1+C2) …(1)
Cb=C1 …(2)
容量Caは容量Cbよりも常に小さい。すなわち、補助容量5、7の容量は、電極間にゲート絶縁膜12だけが存在する場合よりも小さくなる。容量の小さい補助容量では画素に書き込まれた電圧を安定的に保持できないので、表示画面が時間の経過と共に変化するという問題も発生する。
これらの問題を解決するために、TFT基板1、2を製造するときには、補助容量半導体層17を低抵抗化する処理を行う。具体的には、パシベーション層20を形成した後で絵素電極21を形成する前に、水素プラズマ処理あるいはアルゴンプラズマ処理を行う。これらのプラズマ処理を行うと、IGZO内に多くの酸素欠陥が作成され、IGZOは導体化する。このため、IGZOで形成された補助容量半導体層17の抵抗は小さくなり、補助容量半導体層17は導体化する。
導体化した後の補助容量半導体層17は、容量としては存在しないのと同じである。したがって、導体化した後の補助容量半導体層17を含む補助容量5、7の容量は、電極への印加電圧が変化しても変動しなくなる。また、このときの補助容量5、7の容量は、電極間にゲート絶縁膜12だけが存在する場合に等しくなり(式(2))、補助容量半導体層17を低抵抗化しない場合よりも大きくなる。
以上に示すように、本発明の実施形態に係るTFT基板1、2、および、その製造方法によれば、製造時に補助容量半導体層17を低抵抗する処理を行うことにより、補助容量半導体層17を導体化することができる。これにより、補助容量5を大容量化すると共に、容量変動を防止することができる。特に、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とするIGZOを用いて補助容量半導体層17を形成することにより、低抵抗化処理によって補助容量半導体層17の抵抗を容易に小さくし、大容量化と容量変動の防止をより効果的に行うことができる。また、第1例の製造方法のように、TFT半導体層13、ソース電極14、ドレイン電極15および補助容量半導体層17を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することにより、使用するマスクの枚数を減らし、製造工程を簡単にすることができる。
なお、ここまでIGZOを用いて補助容量半導体層17を形成する場合について説明してきたが、補助容量半導体層17を形成するときに使用する酸化物半導体はIGZOに限定されない。補助容量半導体層17を形成するときには、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含む酸化物半導体を使用することができる。IGZO以外の酸化物半導体を用いるときには、IGZOターゲットを用いてIGZO層を成膜する代わりに、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫などを含むターゲットを用いて酸化物半導体層を成膜すればよい。インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含む酸化物半導体を用いても、IGZOを用いた場合と同様の効果が得られる。
1、2…TFT基板
4…TFT
5、7…補助容量
6…端子
10…ガラス基板
11…ゲート電極
12…ゲート絶縁膜
13…TFT半導体層(IGZO)
14…ソース電極
15…ドレイン電極
16…補助容量配線
17…補助容量半導体層(IGZO)
18…補助容量金属層
19…端子接続用配線
20…パシベーション層
21…絵素電極
22…端子電極
31…IGZO層
32…金属層
33、34…レジスト

Claims (8)

  1. 絶縁基板上に薄膜トランジスタのゲート電極と容量の第1電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極と前記第1電極を形成した位置にそれぞれ酸化物半導体を用いて半導体層を形成する工程と、
    前記ゲート電極の位置に形成した半導体層に接するように前記薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極を形成する工程と、
    前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層を形成する工程と、
    前記第1電極の位置に形成した半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極を形成する工程とを備え、
    前記一連の工程のいずれかの箇所で、前記ゲート電極の位置に形成した半導体層を低抵抗化する処理を行うことを特徴とする、薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  2. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  3. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  4. 前記パシベーション層を形成する工程の後で前記絵素電極を形成する工程の前に、前記低抵抗化処理としてプラズマ処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  5. 前記半導体層、前記ソース電極および前記ドレイン電極を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  6. 薄膜トランジスタと容量を有する薄膜トランジスタ基板であって、
    絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタのゲート電極と、
    前記ゲート電極と共に前記絶縁基板上に形成された容量の第1電極と、
    前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極を形成した位置に酸化物半導体を用いて形成された第1半導体層と、
    前記ゲート絶縁膜上で前記第1電極を形成した位置に前記酸化物半導体を用いて形成された第2半導体層と、
    前記第1半導体層に接するように形成された前記薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極と、
    前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層と、
    前記第2半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極とを備え、
    製造時に前記第2半導体層を低抵抗化する処理が行われたことを特徴とする、薄膜トランジスタ基板。
  7. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする、請求項6に記載の薄膜トランジスタ基板。
  8. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする、請求項6に記載の薄膜トランジスタ基板。
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