JP2010245118A - 薄膜トランジスタ基板およびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ基板およびその製造方法 Download PDF

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Okifumi Nakagawa
興史 中川
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猛 原
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Abstract

【課題】基板上に形成される補助容量の容量変動を防止する。
【解決手段】TFT5と補助容量6を有するTFT基板1の半導体層13、17を形成するときに、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とするIGZOを使用する。TFT基板1を製造するときには、TFT5の閾値を変動させる処理として、酸素不足の条件下でIGZO層を成膜する処理、IGZO層に対するプラズマ処理、あるいは、窒素下でのベーク処理を行う。これにより、補助容量6の容量が変動する電圧の範囲を補助容量6の電極間電圧が取り得る範囲と重ならないように移動させて、補助容量6の容量変動を防止する。
【選択図】図6

Description

本発明は、液晶表示装置などに用いられる薄膜トランジスタ基板、および、その製造方法に関する。
従来から薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTという)基板を製造する方法として、5枚のマスクを用いる方法と、ハーフトーンマスクを含む4枚のマスクを用いる方法とが知られている(以下、前者を5枚マスクプロセス、後者を4枚マスクプロセスという)。TFT基板として液晶パネルの素子側基板を製造するときには、いずれかのプロセスを用いて、ガラス基板上にTFTと補助容量(保持容量あるいはCs容量とも呼ばれる)を同時に形成する必要がある。
特許文献1には、4枚マスクプロセスを用いて、図22に示すTFT基板を製造する方法が記載されている。図22に示すTFT基板では、絶縁基板90上に維持電極91、ゲート絶縁膜92、半導体パターン93、接触層パターン94および導電体パターン95を順に成膜、形成することにより、補助容量96が形成される。ゲート絶縁膜92は窒化シリコン(SiNx)などの絶縁体で形成され、半導体パターン93はアモルファスシリコンなどの半導体で形成され、接触層パターン94はn型不純物をドープしたアモルファスシリコンなどの半導体で形成される。このように補助容量96は、2枚の導電体電極の間に絶縁体層と2層の半導体層とを挟み込んだ構造を有する。
4枚マスクプロセスでは、補助容量96を形成すべき箇所に、半導体層(あるいは、半導体層と導電体パターン95)を必ず残す必要がある。その理由は、補助容量96を形成すべき箇所と端子を形成すべき箇所とを区別し、補助容量と端子をそれぞれの形状に形成するためである。
特許第3756363号公報
しかしながら、4枚マスクプロセスを用いて形成された補助容量には、電極間に半導体層が存在するために、電極への印加電圧に応じて容量が変動するという問題がある。補助容量の容量が変動すると、液晶パネルの画素間に輝度ばらつきが発生し、表示画面の画質が劣化する。
それ故に、本発明は、基板上に形成される補助容量の容量変動を防止した薄膜トランジスタ基板、および、その製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、薄膜トランジスタ基板の製造方法であって、
絶縁基板上に薄膜トランジスタのゲート電極と容量の第1電極を形成する工程と、
前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極と前記第1電極を形成した位置にそれぞれ酸化物半導体を用いて半導体層を形成する工程と、
前記ゲート電極の位置に形成した半導体層に接するように前記薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極を形成する工程と、
前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層を形成する工程と、
前記第1電極の位置に形成した半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極を形成する工程とを備え、
前記一連の工程のいずれかの箇所で、前記薄膜トランジスタの閾値を変動させる閾値変動処理を行うことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、
前記半導体層を形成する工程において、前記閾値変動処理として、前記ゲート絶縁膜上に前記酸化物半導体からなる膜を酸素不足の条件下で成膜する処理を行うことを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、
前記閾値変動処理として、前記半導体層に対してプラズマ処理を行うことを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、
前記半導体層を形成する工程において、前記ゲート絶縁膜上に前記酸化物半導体からなる膜を成膜し当該膜をパターニングする前に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする。
第7の発明は、第5の発明において、
前記半導体層を形成する工程において、前記ゲート絶縁膜上に前記酸化物半導体からなる膜を成膜し当該膜をパターニングした後に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする。
第8の発明は、第5の発明において、
前記ソース電極と前記ドレイン電極を形成する工程の後で前記パシベーション層を形成する工程の前に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする。
第9の発明は、第5の発明において、
前記パシベーション層を形成する工程の後で前記絵素電極を形成する工程の前に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする。
第10の発明は、第1の発明において、
前記パシベーション層を形成する工程において、前記パシベーション層となる膜を成膜し当該膜をパターニングする前に、前記閾値変動処理として酸素不足の条件下でベーク処理を行うことを特徴とする。
第11の発明は、第1の発明において、
前記半導体層、前記ソース電極および前記ドレイン電極を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することを特徴とする。
第12の発明は、薄膜トランジスタと容量を有する薄膜トランジスタ基板であって、
絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタのゲート電極と、
前記ゲート電極と共に前記絶縁基板上に形成された容量の第1電極と、
前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極を形成した位置に酸化物半導体を用いて形成された第1半導体層と、
前記ゲート絶縁膜上で前記第1電極を形成した位置に前記酸化物半導体を用いて形成された第2半導体層と、
前記第1半導体層に接するように形成された前記薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極と、
前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層と、
前記第2半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極とを備え、
製造時に前記薄膜トランジスタの閾値を変動させる閾値変動処理が行われたことを特徴とする。
第13の発明は、第12の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする。
第14の発明は、第12の発明において、
前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする。
上記第1または第12の発明によれば、製造時に薄膜トランジスタの閾値を変動させる処理を行うことにより、容量変動が起こる電圧の範囲を容量の電極間電圧が取り得る範囲と重ならないように移動させることができる。これにより、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第2または第13の発明によれば、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とするIGZOを用いて半導体層を形成することにより、閾値変動処理によって薄膜トランジスタの閾値を容易に変動させることができる。したがって、基板上に形成される容量の容量変動を効果的に防止することができる。
上記第3または第14の発明によれば、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含む半導体層を形成することにより、閾値変動処理によって薄膜トランジスタの閾値を変動させて、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第4の発明によれば、半導体層を形成するときに酸化物半導体からなる膜を酸素不足の条件下で成膜することにより、薄膜トランジスタの閾値を低くすることができる。これにより、容量変動が起こる電圧の範囲を容量の電極間電圧が取り得る範囲と重ならないように低くして、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第5の発明によれば、半導体層に対してプラズマ処理を行うことにより、薄膜トランジスタの閾値を変動させることができる。これにより、容量変動が起こる電圧の範囲を容量の電極間電圧が取り得る範囲と重ならないように移動させて、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第6の発明によれば、酸化物半導体からなる膜を成膜した後にプラズマ処理を行うことにより、半導体層に対してプラズマ処理を行い、薄膜トランジスタの閾値を変動させて、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第7の発明によれば、酸化物半導体からなる膜を成膜し、パターニングした後にプラズマ処理を行うことにより、半導体層に対してプラズマ処理を行い、薄膜トランジスタの閾値を変動させて、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第8の発明によれば、ソース電極と前記ドレイン電極を形成した後にプラズマ処理を行うことにより、半導体層に対してプラズマ処理を行い、薄膜トランジスタの閾値を変動させて、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第9の発明によれば、パシベーション層を形成した後にプラズマ処理を行うことにより、半導体層に対してプラズマ処理を行い、薄膜トランジスタの閾値を変動させて、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第10の発明によれば、パシベーション層となる膜を成膜した後に酸素不足の条件下でベーク処理を行うことにより、薄膜トランジスタの閾値を低くすることができる。これにより、容量変動が起こる電圧の範囲を容量の電極間電圧が取り得る範囲と重ならないように低くして、基板上に形成される容量の容量変動を防止することができる。
上記第11の発明によれば、半導体層、ソース電極およびドレイン電極を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することにより、使用するマスクの枚数を減らし、製造工程を簡単にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るTFT基板の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るTFT基板の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るTFT基板の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るTFT基板の断面図である。 図1に示すTFT基板の製造方法の例(第1例)を示す図である。 図1に示すTFT基板の製造方法の例(第2例)を示す図である。 図2に示すTFT基板の製造方法の例(第3例)を示す図である。 図2に示すTFT基板の製造方法の例(第4例)を示す図である。 図1に示すTFT基板の製造方法の例(第5例)を示す図である。 図1に示すTFT基板の製造方法の例(第6例)を示す図である。 図1に示すTFT基板の製造方法の例(第7例)を示す図である。 図2に示すTFT基板の製造方法の例(第8例)を示す図である。 図2に示すTFT基板の製造方法の例(第9例)を示す図である。 図3に示すTFT基板の製造方法の例(第10例)を示す図である。 図3に示すTFT基板の製造方法の例(第11例)を示す図である。 図3に示すTFT基板の製造方法の例(第12例)を示す図である。 図4に示すTFT基板の製造方法の例(第13例)を示す図である。 図4に示すTFT基板の製造方法の例(第14例)を示す図である。 図1〜図4に示すTFT基板に与えられる信号電圧の変化を示す信号波形図である。 図1〜図4に示すTFT基板において電極間電圧の変化に伴う補助容量の状態変化を示す模式図である。 図1〜図4に示すTFT基板における電極間電圧と補助容量の容量との関係を示す図である。 従来のTFT基板の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るTFT基板、および、その製造方法を説明する。以下に示すTFT基板は、絶縁基板であるガラス基板上にTFT、補助容量および端子などを形成したものであり、液晶パネルの素子側基板として使用される。以下、ガラス基板上でTFT、補助容量および端子を形成すべき場所を、それぞれ、TFT部、補助容量部および端子部という。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るTFT基板の断面図である。図1に示すように、TFT部にはゲート電極11、ゲート絶縁膜12、TFT半導体層13、ソース電極14、ドレイン電極15が成膜、形成される。補助容量部には補助容量配線16、ゲート絶縁膜12、補助容量半導体層17、補助容量金属層18が成膜、形成され、端子部には端子接続用配線19が成膜、形成される。これらの上にはパシベーション層20、絵素電極21および端子電極22が成膜、形成される。
ゲート電極11、ソース電極14、ドレイン電極15、補助容量配線16、補助容量金属層18、端子接続用配線19、絵素電極21および端子電極22は、導電性のある金属で形成される。このうちゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19は、同じ工程で成膜、形成される。また、ソース電極14、ドレイン電極15および補助容量金属層18は別の同じ工程で成膜、形成され、絵素電極21と端子電極22はさらに別の同じ工程で成膜、形成される。
ゲート絶縁膜12とパシベーション層20は、シリコン(SiO2 )などの絶縁体で形成される。TFT半導体層13と補助容量半導体層17は、アモルファス酸化物半導体の一種であるIGZOで形成される。IGZOは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)および酸素(O)を主成分とするN型の酸化物半導体であり、低温で製膜可能という特徴を有する。なお、IGZOはIZGOあるいはGIZOとも呼ばれる。
ゲート絶縁膜12は、ゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を覆うように成膜される。ソース電極14とドレイン電極15は、TFT半導体層13に接するように形成される。パシベーション層20は、TFT5を覆うように形成される。補助容量配線16は、補助容量6の一方の電極として機能する。絵素電極21は、ドレイン電極15、補助容量配線16および補助容量半導体層17と電気的に接続され、補助容量6の他方の電極として機能する。これにより、TFT5、補助容量6および端子7を含むTFT基板1が得られる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るTFT基板の断面図である。図2に示すTFT基板2は、図1に示すTFT基板1とほぼ同じ構造を有する。ただし、TFT基板2に形成される補助容量8は、補助容量金属層を有さない。
図3は、本発明の第3の実施形態に係るTFT基板の断面図である。図3に示すTFT基板3は、図1に示すTFT基板1とほぼ同じ構造を有する。ただし、TFT基板3に形成されるTFT9は、ソース電極14とドレイン電極15の間にシリコンなどの絶縁体で形成されたエッチストップ層23を有する。TFT5はギャップ構造のTFT、TFT9はエッチストップ構成のTFTと呼ばれる。
図4は、本発明の第4の実施形態に係るTFT基板の断面図である。図4に示すTFT基板4は、図3に示すTFT基板3とほぼ同じ構造を有する。ただし、TFT基板4に形成される補助容量8は、補助容量金属層を有さない。
TFT基板1〜4は、4枚マスクプロセスまたは5枚マスクプロセスを用いて製造される。本発明の特徴として、TFT基板1〜4を製造するときに、TFT5、9の閾値(閾値電圧)を変動させる処理が行われる。TFT5、9の閾値を変動させる方法には、IGZO層を成膜するときに酸素分圧を低下させる方法(第1の方法)、IGZO層に対してプラズマ処理を行う方法(第2の方法)、窒素下でベークを行う方法(第3の方法)などがある。
以下、TFT基板1〜4の製造方法の具体例を説明する。図5は、TFT基板1の製造方法の例(第1例)を示す図である。図5に示す製造方法は、4枚マスクプロセスに上記第1の方法を適用したものである。第1例の製造方法では、まず、スパッタ装置を用いてガラス基板10上に金属層を成膜し、1枚目のマスクを用いて金属層をパターニングする。これにより、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を形成する(図5(a))。
次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31と金属層32を順に成膜する(図5(b))。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常よりも低下させる。これにより、TFT部に形成されるTFT5の閾値を低下させることができる(詳細は後述)。
次に、2枚目のマスク(ハーフトーンマスク)を用いて、厚い部分と薄い部分を有するレジスト33を形成する(図5(c))。2枚目のマスクでは、ソース電極14とドレイン電極15の間のギャップ部に対応する部分がハーフトーンになっている。このため、レジスト33はギャップ部では他の部分よりも薄くなる。次に、レジスト33で保護されていないIGZO層31と金属層32を除去する。これにより、TFT部にTFT半導体層13を形成し、補助容量部に補助容量半導体層17と補助容量金属層18を形成する(図5(d))。
次に、アッシングを行い、レジスト33を薄くする。アッシングにより、レジスト33の厚い部分は薄くなって残るが、レジスト33の薄い部分は除去される(図5(e))。以下、アッシング後に残ったレジストを残りのレジスト34という。次に、残りのレジスト34で保護されていない金属層32を除去する。これにより、TFT部に残った金属層32は2つの部分に分割され、一方がソース電極14、他方がドレイン電極15となる(図5(f))。次に、残りのレジスト34を除去する(図5(g))。このようにIGZO層31と金属層32は、ハーフトーンマスクを用いてパターニングされる。
次に、CVD装置を用いてパシベーション層20を成膜し、第3のマスクを用いてパシベーション層20をパターニングする(図5(h))。この際、補助容量部では、補助容量半導体層17よりも少し小さいパターンを使用する。次に、スパッタ装置を用いて金属層を成膜し、第4のマスクを用いて金属層をパターニングする。これにより、絵素電極21と端子電極22を形成する(図5(i))。以上の方法でTFT基板1を製造することができる。
図6は、TFT基板1の製造方法の例(第2例)を示す図である。図6に示す製造方法は、4枚マスクプロセスに上記第2の方法を適用したものである。第2例の製造方法では、プラズマ処理は、IGZO層31を成膜した後でIGZO層31をパターニングする前に行われる。第2例の製造方法では、まず第1例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を成膜、形成する(図6(a))。次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31を成膜する(図6(b))。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常レベルに保つ。
次に、IGZO層31を成膜した基板に対してプラズマ処理を行う(図6(b))。例えば、TFT部に形成されるTFT5の閾値を低下させるために、水素プラズマ処理やアルゴンプラズマ処理やアンモニアプラズマ処理などを行う。あるいは、TFT部に形成されるTFT5の閾値を上昇させるために、一酸化二窒素(N2 O)プラズマ処理を行ってもよい(詳細は後述)。
次に、スパッタ装置を用いて金属層32を成膜する(図6(c))。この段階で基板の構造は、図5(b)と同じになる。以下、第1例と同様に、ハーフトーンマスクを用いてIGZO層31と金属層32をパターニングし、パシベーション層20、絵素電極21および端子電極22を成膜、形成する(図6(d)〜(j))。以上の方法でTFT基板1を製造することができる。
図7は、TFT基板2の製造方法の例(第3例)を示す図である。図7に示す製造方法は、4枚マスクプロセスに上記第2の方法を適用したものである。第3例の製造方法では、プラズマ処理は、ソース電極14とドレイン電極15を形成した後でパシベーション層20を形成する前に行われる。第3例の製造方法では、まず第1例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を成膜、形成し、ゲート絶縁膜12、IGZO層31および金属層32を順に成膜する(図7(a)〜(b))。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常レベルに保つ。
次に、2枚目のマスク(ハーフトーンマスク)を用いて、厚い部分と薄い部分を有するレジスト35を形成する(図7(c))。2枚目のマスクでは、ソース電極14とドレイン電極15の間のギャップ部に対応する部分と、補助容量部に対応する部分とがハーフトーンになっている。このため、レジスト35はギャップ部と補助容量部では他の部分よりも薄くなる。
次に、第1例と同様に、レジスト35で保護されていないIGZO層31と金属層32を除去し、レジスト35をアッシングし、残りのレジスト36で保護されていない金属層32を除去し、残りのレジスト36を除去する(図7(d)〜(g))。図7(g)に示す基板は、補助容量部に金属層32が残っていない点で、図5(g)に示す基板と相異する。
次に、パシベーション層20を成膜する前の基板に対して、第2例と同様のプラズマ処理を行う(図7(g))。以下、第1例と同様に、パシベーション層20、絵素電極21および端子電極22を成膜、形成する(図7(h)〜(i))。以上の方法でTFT基板2を製造することができる。
図8は、TFT基板2の製造方法の例(第4例)を示す図である。図8に示す製造方法は、4枚マスクプロセスに上記第2の方法を適用したものである。第4例の製造方法では、プラズマ処理は、パシベーション層20を形成した後で絵素電極21を形成する前に行われる(図8(h))。第4例の製造方法は上記以外の点では第3例の製造方法と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図9は、TFT基板1の製造方法の例(第5例)を示す図である。図9に示す製造方法は、5枚マスクプロセスに上記第1の方法を適用したものである。第5例の製造方法では、まず第1例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を成膜、形成する(図9(a))。
次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31を成膜する(図9(b))。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常よりも低下させる。次に、2枚目のマスクを用いてIGZO層31をパターニングすることにより、TFT部にTFT半導体層13を形成し、補助容量部に補助容量半導体層17を形成する(図9(c))。
次に、スパッタ装置を用いて金属層32を成膜する(図9(d))。次に、3枚目のマスクを用いて金属層32をパターニングすることにより、TFT部にソース電極14とドレイン電極15を形成し、補助容量部に補助容量金属層18を形成する(図9(e))。以下、第1例と同様に、パシベーション層20、絵素電極21および端子電極22を成膜、形成する(図9(f)〜(g))。以上の方法でTFT基板1を製造することができる。
図10は、TFT基板1の製造方法の例(第6例)を示す図である。図10に示す製造方法は、5枚マスクプロセスに上記第2の方法を適用したものである。第6例の製造方法では、プラズマ処理は、IGZO層31を成膜した後でIGZO層31をパターニングする前に行われる。第6例の製造方法では、まず第1例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を成膜、形成する(図10(a))。次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31を成膜する。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常レベルに保つ。
次に、IGZO層31を成膜した基板に対して、第2例と同様のプラズマ処理を行う(図10(b))。以下、第5例と同様に、IGZO層31をパターニングし、ソース電極14、ドレイン電極15、補助容量金属層18、パシベーション層20、絵素電極21および端子電極22を成膜、形成する(図10(c)〜(g))。以上の方法でTFT基板1を製造することができる。なお、第6例の製造方法ではIGZO層31をパターニングする前にプラズマ処理を行うこととしたが、図11に示すように、IGZO層31をパターニングした後にプラズマ処理を行ってもよい(第7例の製造方法)。
図12および図13は、TFT基板2の製造方法の例(第8および第9例)を示す図である。図12および図13に示す製造方法は、5枚マスクプロセスに上記第2の方法を適用したものである。第8例の製造方法では、プラズマ処理は、ソース電極14とドレイン電極15を形成した後でパシベーション層20を成膜する前に行われる(図12(e))。第9例の製造方法では、プラズマ処理は、パシベーション層20を形成した後で絵素電極21を形成する前に行われる(図13(f))。これら製造方法の詳細は第3〜第5例の製造方法の説明から明らかであるので、ここでは説明を省略する。
図14は、TFT基板3の製造方法の例(第10例)を示す図である。図14に示す製造方法は、5枚マスクプロセスに上記第1の方法を適用したものである。第5例の製造方法では、まず第1例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を成膜、形成する(図14(a))。
次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31を成膜する(図14(b))。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常よりも低下させる。次に、スパッタ装置を用いてエッチストップ層23を成膜し、第2のマスクを用いてエッチストップ層23をパターニングする。これにより、ソース電極14とドレイン電極15の間のギャップ部にエッチストップ層23を形成する(図14(c))。
次に、スパッタ装置を用いて金属層32を成膜する(図14(d))。次に、第3のマスクを用いて金属層32をエッチングし、残った金属層をマスクとして用いてIGZO層31をエッチングする。これにより、TFT部にTFT半導体層13、ソース電極14およびドレイン電極15を形成し、補助容量部に補助容量半導体層17と補助容量金属層18を形成する(図14(e))。以下、第1例と同様に、パシベーション層20、絵素電極21および端子電極22を成膜、形成する(図14(f)〜(g))。以上の方法でTFT基板3を製造することができる。
図15は、TFT基板3の製造方法の例(第11例)を示す図である。図15に示す製造方法は、5枚マスクプロセスに上記第2の方法を適用したものである。第11例の製造方法では、プラズマ処理は、IGZO層31を成膜した後でIGZO層31をパターニングする前に行われる。第11例の製造方法では、まず第1例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16および端子接続用配線19を成膜、形成する(図15(a))。次に、CVD装置を用いてゲート絶縁膜12を成膜し、スパッタ装置を用いてIGZO層31を成膜する。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常レベルに保つ。
次に、IGZO層31を成膜した基板に対して、第2例と同様のプラズマ処理を行う(図15(b))。以下、第10例と同様に、エッチストップ層23、TFT半導体層13、ソース電極14、ドレイン電極15、補助容量半導体層17、補助容量金属層18、パシベーション層20、絵素電極21および端子電極22を成膜、形成する(図15(c)〜(g))。以上の方法でTFT基板3を製造することができる。なお、第11例の製造方法では、エッチストップ層23をパターニングする前にプラズマ処理を行うこととしたが、図16に示すように、エッチストップ層23をパターニングした後にプラズマ処理を行ってもよい(第12例の製造方法)。
図17は、TFT基板4の製造方法の例(第13例)を示す図である。図17に示す製造方法は、5枚マスクプロセスに上記第2の方法を適用したものである。第13例の製造方法では、プラズマ処理は、ソース電極14とドレイン電極15を形成した後でパシベーション層20を形成する前に行われる。第13例の製造方法では、まず第10例と同様に、ガラス基板10上にゲート電極11、補助容量配線16、端子接続用配線19、ゲート絶縁膜12、IGZO層31、エッチストップ層23および金属層32を成膜、形成する(図17(a)〜(d))。ただし、IGZO層31を成膜するときには、酸素分圧を通常レベルに保つ。
次に、補助容量部に金属層32を残さないマスクを用いて、ソース電極14とドレイン電極15を形成する。次に、ソース電極14とドレイン電極15を形成した基板に対して第2例と同様のプラズマ処理を行う(図17(e))。以下、第10例と同様に、パシベーション層20、絵素電極21および端子電極22を成膜、形成する(図17(f)〜(g))。以上の方法でTFT基板4を製造することができる。なお、第13例の製造方法では、ソース電極14とドレイン電極15を形成した後でパシベーション層20を成膜する前にプラズマ処理を行うこととしたが、図18に示すように、パシベーション層20を形成した後で絵素電極21を形成する前にプラズマ処理を行ってもよい(第14例の製造方法)。
TFT基板1〜4の第15例の製造方法は、4枚マスクプロセスまたは5枚マスクプロセスに上記第3の方法を適用したものである。4枚マスクプロセスまたは5枚マスクプロセスでは、パシベーション層20を成膜した後にベーク(焼き付け)が行われる。第15例の製造方法では、窒素下でベークを行う。これにより、TFT部に形成されるTFT5、9の閾値を低下させることができる(詳細は後述)。
なお、第1、第2および第5〜第7例の製造方法では、補助容量金属層18を形成するために、補助容量部に金属層32を残すマスクを使用することとしたが、このマスクに代えて、補助容量部に金属層32を残さないマスクを使用することにより、TFT基板2を製造することができる。同様に、第10〜第12例の製造方法において補助容量部に金属層32を残さないマスクを使用することにより、TFT基板4を製造することができる。
以下、TFT基板1〜4の製造条件の例を説明する。ゲート電極11やソース電極14などになる金属層を成膜するときには、スパッタ装置において温度を100℃に設定し、ターゲット材をチタンターゲットとアルミニウムターゲットに切り替えて、膜厚500オングストロームのチタン層と、膜厚2000オングストロームのアルミニウム層と、膜厚1000オングストロームのチタン層を順に成膜する。この金属層をエッチングするときには、塩素ガスとアルゴンガスを用いたドライエッチを行う。
ゲート絶縁膜12を成膜するときには、CVD(Chemical Vapor Deposition :化学気相成長)装置において温度を300℃に設定し、シラン(SiH4 )ガスとN2 Oガスを供給して、膜厚3000オングストロームのSiO2 を形成する。IGZO層31を成膜するときには、スパッタ装置に酸素とアルゴンガスを供給し、IGZOターゲット(組成比In:Ga:Zn:O=1:1:1:4)を用いて膜厚200〜1500オングストローム程度のIGZO層を成膜する。なお、IGZO層31を成膜するときに、上記以外の組成比を有するIGZOターゲットを使用してもよい。IGZO層31をエッチングするときには、リン酸と硝酸と酢酸の混合エッチャントを用いてウェットエッチを行う。
4枚マスクプロセスにおいてレジスト33、35をアッシングするときには、酸素プラズマ処理を行う。パシベーション層20やエッチストップ層23を成膜するときには、CVD装置において温度を200℃に設定し、シランガスとN2 Oガスを供給し、膜厚1500オングストロームのSiO2 を形成する。パシベーション層20を形成した後に、温度300℃の大気中で(第15例の製造方法では、窒素中で)ベークを行う。ゲート絶縁膜12とパシベーション層20、あるいは、エッチストップ層23をエッチングするときには、四フッ化メタン(CF4 )と酸素を用いてドライエッチを行う。
絵素電極21と端子電極22になる金属層を成膜するときには、スパッタ装置において温度を200℃に設定し、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を用いて膜厚1000オングストロームのITO層を成膜する。ITO層をエッチングするときには、温度40℃の塩化第二鉄(FeCl3 )水溶液を用いてウェットエッチを行う。なお、以上の製造条件は一例にすぎず、上記以外の製造条件を使用してもよいことは言うまでもない。
以下、TFT5、9の閾値を変動させる方法の具体例を説明する。第1の方法として、IGZO層31を成膜するときに酸素分圧を低下させる方法がある。この方法によれば、IGZO内の電子キャリア濃度を増加させて、TFT5、9の閾値を低下させることができる。例えば、あるDC放電方式のインラインスパッタ装置においてIGZO層を成膜するときに、酸素流量を9.0sccmから3.0sccmに低下させると、TFTの閾値が−0.93Vから−6.14Vに低下するという実験結果が得られた。この実験結果は、組成比がIn:Ga:Zn:O=1:1:1:4のIGZOターゲットを使用し、DCパワーを0.7V、アルゴンガス流量を200sccm、温度を室温に設定し、酸素流量が9.0sccmのときには総圧を0.79Pa、搬送速度を55mm/分に設定し、酸素流量が3.0sccmのときには総圧を0.75Pa、搬送速度を65mm/分に設定したときに得られたものである。
あるいは、第2の方法として、IGZO層31に対してプラズマ処理を行う方法がある。例えば、酸素を補充できないプラズマ処理(水素プラズマ処理、アルゴンプラズマ処理、アンモニアプラズマ処理など)を行うことにより、IGZO内に多くの酸素欠陥を作成し、TFT5、9の閾値を低下させることができる。また、N2 Oプラズマ処理を行うことにより、IGZO内の酸素欠陥を減少させて、TFT5、9の閾値を上昇させることもできる。
例えば、ある反応性イオンエッチング方式のエッチング装置においてIGZO層をドライエッチした後にプラズマ処理を行うと、TFTの閾値が−2.81Vから−6.24Vに低下するという実験結果が得られた。この実験結果は、パワーを1500W、圧力を12mT、温度を室温、処理時間を10秒に設定し、プラズマ処理を行うときには塩素ガス流量を270sccm、三塩化ホウ素(BCl3 )流量を90sccmに設定し、プラズマ処理を行わないときには塩素ガス流量を360sccm、BCl3 流量をゼロに設定したときに得られたものである。また、あるCVD装置においてパシベーション層を成膜する前にN2 Oプラズマ処理を行うと、TFTの閾値が約6V上昇するという実験結果が得られた。この結果は、処理時間を60秒、パワーを1.0kW、圧力を200Pa、N2 O流量を3000sccm、温度を220℃、電極間距離(E/S距離)を17mmに設定したときに得られたものである。
あるいは、第3の方法として、窒素下でベークを行う方法がある。TFT5、9の閾値は、ベーク時の温度と雰囲気(窒素雰囲気か、大気か、酸素雰囲気か)に応じて変動する。例えば、あるTFT基板に形成されたTFTの閾値は、温度220℃の大気中でベークを行った場合には0.9V、温度350℃の大気中でベークを行った場合には−2.7V、温度350℃の窒素中でベークを行った場合には−3.9Vになるという実験結果が得られた。このように酸素不足の環境下でベークを行うことにより、IGZO内に多くの酸素欠陥を作成し、TFT5、9の閾値を低下させることができる。
以下、TFT5、9の閾値を変動させる処理による効果を説明する。図19は、TFT基板1〜4に与えられる信号電圧の変化を示す信号波形図である。図19において、補助容量信号は補助容量配線16に与えられる信号であり、映像信号はドレイン電極15と絵素電極21に与えられる信号である。補助容量信号の電圧は5Vに固定され、映像信号の電圧は0Vと10Vの間で変化する。以下、補助容量6、8の電極間電圧(補助容量配線16の電圧を基準としたときの絵素電極21の電圧)をVxという。図19に示すように信号電圧が変化する場合、電極間電圧Vxは−5Vと5Vの間で変化する。
図20は、電極間電圧Vxの変化に伴う補助容量6、8の状態変化を示す模式図である。電極間電圧Vxが負のとき(すなわち、絵素電極21の電圧が補助容量配線16の電圧よりも低いとき)には、補助容量半導体層17内のゲート絶縁膜12の近傍に電子41が蓄積される(図20(a))。この蓄積状態では、補助容量の容量はゲート絶縁膜12の容量に等しい。電極間電圧Vxが正になる(すなわち、絵素電極21の電圧が補助容量配線16の電圧よりも高くなる)と、補助容量半導体層17内に電極間電圧Vxに応じた長さの空乏層42が形成される(図20(b))。この空乏状態では、補助容量の容量は、ゲート絶縁膜12と空乏層42(両者は直列に接続されている)の合成容量になり、ゲート絶縁膜12の容量よりも小さくなる。電極間電圧Vxがさらに大きくなると、補助容量半導体層17内のゲート絶縁膜12の近傍に正孔43が励起され、補助容量半導体層17内に反転層44が形成される(図20(c))。ただし、TFT基板1〜4に供給される信号電圧は高速に変化するので、実際には反転層44が形成される時間だけの時間がない。このため、この反転状態では、補助容量の容量は最小値付近でほぼ一定になる。
この結果、電極間電圧Vxと補助容量6、8の容量との関係は、図21に示すようになる。図21において、横軸は電極間電圧Vxを表し、縦軸は補助容量6、8の容量を最大容量に対する割合で表す。閾値Vthは、反転層44が形成され始める電圧であり、TFT5、9の閾値に等しい。図21に示すように、補助容量6、8の容量は、電極間電圧Vxが所定の範囲内にあるとき(閾値Vthに近いとき、および、閾値Vthよりもある程度小さいとき)には変動し、それ以外のときには変動しない。
上述した例では、電極間電圧Vxは−5Vと5Vの間で変化する。一方、アモルファスシリコンで形成されたTFT5、9の閾値Vthは、+数V程度である。このため、TFT5、9の閾値を変動させる処理を行わない場合、補助容量6、8の容量が変動する範囲内の電極間電圧Vxを使用することになるので、補助容量6、8の容量は電極間電圧Vxに応じて変動する。補助容量6、8の容量が変動すると、液晶パネルの画素間に輝度ばらつきが発生し、表示画面の画質が劣化する。
この問題を解決するために、TFT基板1〜4を製造するときには、TFT5、9の閾値を変動させる処理を行う。これにより、補助容量6、8の容量が変動する電圧の範囲を電極間電圧Vxが取り得る範囲(上記の例では−5Vから5V)と重ならないように移動させることができる。例えば、IGZO層31を成膜するときに酸素分圧を低下させるなどしてTFT5、9の閾値を低下させることにより、補助容量6、8の容量が変動する電圧の範囲を低くして、電極間電圧Vxが取り得る範囲と重ならないようにすることができる。あるいは、IGZO層31を成膜した基板に対してN2 Oプラズマ処理を行うなどしてTFT5、9の閾値を上昇させることにより、補助容量6、8の容量が変動する電圧の範囲を高くして、電極間電圧Vxが取り得る範囲と重ならないようにすることができる。TFT5、9の閾値を数V程度変動させて、補助容量6、8の容量が変動する電圧の範囲を数V程度移動させることは、上記第1〜第3の方法によれば実際に可能である。
以上に示すように、本発明の実施形態に係るTFT基板1〜4、および、その製造方法によれば、製造時にTFT5、9の閾値を変動させる処理を行うことにより、補助容量6、8の容量が変動する電圧の範囲を補助容量6、8の電極間電圧Vxが取り得る範囲と重ならないように移動させて、基板上に形成される補助容量6、8の容量変動を防止することができる。特に、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とするIGZOを用いてTFT半導体層13と補助容量半導体層17を形成することにより、TFT5、9の閾値を変動させる処理によってTFT5、9の閾値を容易に変動させることができる。したがって、基板上に形成される補助容量6、8の容量変動を効果的に防止することができる。また、第1〜第4例の製造方法のように、TFT半導体層13、ソース電極14、ドレイン電極15および補助容量半導体層17を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することにより、使用するマスクの枚数を減らし、製造工程を簡単にすることができる。
なお、ここまでIGZOを用いて補助容量半導体層17を形成する場合について説明してきたが、補助容量半導体層17を形成するときに使用する酸化物半導体はIGZOに限定されない。補助容量半導体層17を形成するときには、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含む酸化物半導体を使用することができる。IGZO以外の酸化物半導体を用いるときには、IGZOターゲットを用いてIGZO層を成膜する代わりに、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫などを含むターゲットを用いて酸化物半導体層を成膜すればよい。インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含む酸化物半導体を用いても、IGZOを用いた場合と同様の効果が得られる。
1〜4…TFT基板
5、9…TFT
6、8…補助容量
7…端子
10…ガラス基板
11…ゲート電極
12…ゲート絶縁膜
13…TFT半導体層(IGZO)
14…ソース電極
15…ドレイン電極
16…補助容量配線
17…補助容量半導体層(IGZO)
18…補助容量金属層
19…端子接続用配線
20…パシベーション層
21…絵素電極
22…端子電極
23…エッチストップ層
31…IGZO層
32…金属層
33〜36…レジスト

Claims (14)

  1. 絶縁基板上に薄膜トランジスタのゲート電極と容量の第1電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極と前記第1電極を形成した位置にそれぞれ酸化物半導体を用いて半導体層を形成する工程と、
    前記ゲート電極の位置に形成した半導体層に接するように前記薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極を形成する工程と、
    前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層を形成する工程と、
    前記第1電極の位置に形成した半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極を形成する工程とを備え、
    前記一連の工程のいずれかの箇所で、前記薄膜トランジスタの閾値を変動させる閾値変動処理を行うことを特徴とする、薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  2. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  3. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  4. 前記半導体層を形成する工程において、前記閾値変動処理として、前記ゲート絶縁膜上に前記酸化物半導体からなる膜を酸素不足の条件下で成膜する処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  5. 前記閾値変動処理として、前記半導体層に対してプラズマ処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  6. 前記半導体層を形成する工程において、前記ゲート絶縁膜上に前記酸化物半導体からなる膜を成膜し当該膜をパターニングする前に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  7. 前記半導体層を形成する工程において、前記ゲート絶縁膜上に前記酸化物半導体からなる膜を成膜し当該膜をパターニングした後に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  8. 前記ソース電極と前記ドレイン電極を形成する工程の後で前記パシベーション層を形成する工程の前に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  9. 前記パシベーション層を形成する工程の後で前記絵素電極を形成する工程の前に、前記プラズマ処理を行うことを特徴とする、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  10. 前記パシベーション層を形成する工程において、前記パシベーション層となる膜を成膜し当該膜をパターニングする前に、前記閾値変動処理として酸素不足の条件下でベーク処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  11. 前記半導体層、前記ソース電極および前記ドレイン電極を1枚のハーフトーンマスクを用いて形成することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  12. 薄膜トランジスタと容量を有する薄膜トランジスタ基板であって、
    絶縁基板上に形成された薄膜トランジスタのゲート電極と、
    前記ゲート電極と共に前記絶縁基板上に形成された容量の第1電極と、
    前記ゲート電極と前記第1電極を覆うゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上で前記ゲート電極を形成した位置に酸化物半導体を用いて形成された第1半導体層と、
    前記ゲート絶縁膜上で前記第1電極を形成した位置に前記酸化物半導体を用いて形成された第2半導体層と、
    前記第1半導体層に接するように形成された前記薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極と、
    前記薄膜トランジスタを覆うパシベーション層と、
    前記第2半導体層と前記ドレイン電極に電気的に接続され、前記容量の第2電極として機能する絵素電極とを備え、
    製造時に前記薄膜トランジスタの閾値を変動させる閾値変動処理が行われたことを特徴とする、薄膜トランジスタ基板。
  13. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素を主成分とすることを特徴とする、請求項12に記載の薄膜トランジスタ基板。
  14. 前記酸化物半導体が、インジウム、ガリウム、亜鉛および錫のいずれかの元素を含むことを特徴とする、請求項12に記載の薄膜トランジスタ基板。
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